JP4006848B2 - サスペンション用リンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のサスペンションに用いられるリンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等のサスペンションには、アッパリンク、ロアリンク、トランスバースリンク、トレーリングリンク等の各種のリンクが使用されている。
係るリンク40は例えば、図5(A)に示すように、透孔43を有するリング形のジョイント部42と、一対の連結片45を平行に有する略U形のジョイント部44との間に、棒鋼又は鋼管46をそれぞれ溶接Wで溶着したものが用いられていた。リング形のジョイント部42は鋼管を短尺に切断して加工したもので、略U形のジョイント部44は鋼板を曲げ加工したものである。
【0003】
上記リンク40の使用時において、その鋼管46は軸方向に沿う圧縮又は引張り荷重等を常時受けている。そして、事故等により鋼管46に対し、その許容座屈荷重を超えた荷重が加わると、曲りや破断を生じる。
一方、例えば自動車が道路の路肩に植設された縁石等に衝突した場合等、上記リンク40の鋼管46にその許容座屈荷重と同程度の軸圧縮力が加わった場合、座屈や破断を生じず、割れや局部破損に留まることがある。この場合、自動車の運転姿勢等に大きな変化が表れないため、運転者はリンク40の割れ等の存在に気付かないことがある。そして、上記割れ等を有するリンク40をそのまま用いて、運転している間に、係る割れや局部破損からリンク40が破断して事故に至ることがある。
【0004】
そこで、鋼管46にその許容座屈荷重と同等の軸圧縮力が加わった場合、当該鋼管46が破断する前にその座屈を誘発することにより、鋼管46に異常が生じていることを運転者に自覚させるリンク40′が提案されている。
このリンク40′は、図5(B)に示すように、鋼管46の中央付近に緩くカーブした偏位部48を形成したものである。この偏位部48により、鋼管46にその許容荷重と同程度の軸圧縮力が加わった場合、リンク40′全体が図示で略へ字形に座屈変形し、異常が発生したことを運転者に知らしめることができる。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、上記リンク40′は、鋼管46の曲げ精度がバラツキ易く座屈を生じる荷重が変化し易いという問題がある。また、各リンク40,40′の構成部品42,44,46は全て鋼製であるため、重量も嵩むという問題もあった。
本発明は、以上の従来の技術における問題点を解決し、座屈を生じる軸圧縮力や曲げ変形が安定し、且つ工数やコストを低減できると共に、軽量化も可能とするサスペンション用リンクを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、アルミニウム合金の押出形材を用いることにより、形状・寸法精度の高い偏位部を予め一体に形成することに、着想して成されたものである。
即ち、本発明のサスペンション用リンク(請求項1)は、少なくともロッド部分をアルミニウム合金の押出形材をその押出方向と直角に所定の幅で切断して形成すると共に、上記ロッド部分の中間に該ロッド部分の中立軸が該ロッド部分の長手方向と直交する方向に偏位する偏位部が形成され、上記偏位部は、押出成形時に形成され、上記ロッド部分の中間おける一側面に突出する凸部と、これと対向する他側面における該凸部の中央付近の位置に設けた底広凹溝またはU字溝を含む凹部とからなり、上記ロッド部分の曲げ変形を一定の曲げ角度の範囲内に納め得る、ことを特徴とする。
また、本発明には、アルミニウム合金の押出形材をその押出方向と直角に所定の幅で切断したリンクであって、切断後の長手方向の両端にジョイント部を有し、このジョイント部同士の間にロッド部分を一体に有すると共に、上記ロッド部分の中間に該ロッド部分の中立軸が該ロッド部分の長手方向と直交する方向に偏位する偏位部が形成され、上記偏位部は、押出成形時に形成され、上記ロッド部分の中間おける一側面に突出する凸部と、これと対向する他側面における該凸部の中央付近の位置に設けた底広凹溝またはU字溝を含む凹部とからなり、上記ロッド部分の曲げ変形を一定の曲げ角度の範囲内に納め得る、ことを特徴とするサスペンション用リンク(請求項2)も含まれる。
【0007】
これらによれば、ロッド部分の前記凸部と底広凹溝またはU字溝を含む凹部とからなる偏位部によって、軸圧縮力等により座屈を誘発することが容易となり、且つ曲げ変形を一定の曲げ角度の範囲内に納め易くなる。このため、リンクが破断に至る前にその異常を確実に認識できると共に、自動車等の安全性向上に寄与することができる。しかも、予め押出形材にて偏位部を精度良く形成し、且つ形材を所定の幅寸法で切断するのみで得られるため、工数及びコストを低減できると共に、自動車等の軽量化も図ることができる。
更に、両端にジョイント部を有する請求項2のリンクによれば、ジョイント部も押出成形時に形成されるため、ロッド部分とジョイント部を一体に押出成形でき、これらの間での溶接等が不要となる。
【0008】
また、前記偏位部の凹部内に前記ロッド部分に加わる軸圧縮力の中心線が貫通する、サスペンション用リンク(請求項3)も含まれる。
これによれば、偏位部に座屈を一層確実に誘発することが可能となる。
更に、前記偏位部の凹部は、前記底広凹溝の開口部に曲げ変形を一定の範囲内に納め得る少なくとも1つの当接片を有する、サスペンション用リンク(請求項4)も含まれる。
これによれば、偏位部の座屈により底広凹溝の開口部における1つの当接片が対向する開口縁と、又は一対の当接片同士が当接することにより、曲げ変形を一定の曲げ角度の範囲内に納めることができ、他のサスペンション部品を損傷しない程度に変形させ、異常事態を運転者に確実に認識させることが可能となる。
【0009】
また、前記偏位部が、前記ロッド部分の長手方向に沿って同じ向きに複数形成されている、サスペンション用リンク(請求項5)も含まれる。
これによれば、各偏位部の曲げ変形が少なくても、ロッド部分全体を略同じ方向に所要サイズの座屈を容易に誘発することが可能となる。
更に、前記偏位部が、前記ロッド部分の長手方向に沿って互いに反対向きに複数形成されている、サスペンション用リンク(請求項6)も含まれる。
【0010】
これによれば、偏位部毎に座屈する方向が逆向きになるので、座屈によるロッド部分全体の周囲への変形スペースを小さくでき、リンクに隣接するショックアブソーバやコイルバネ等のサスペンション部品を損傷しにくくし得る。
尚、本発明のリンクには、両端にジョイント部を有し、且つサスペンションに用いられるものであれば、ロッドやアーム等の名称に拘わらず包含される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、本発明の前提となる参考形態のリンク1を得るためのアルミニウム合金からなる押出形材1aを示す。この形材1aは、図示で右端の透孔3を有するリング形のジョイント部2と、中央の板状部6aと、左端の一対の連結片5を平行に有する略U形のジョイント部4と、上記板状部6aの中央付近において緩くカーブした偏位部形成部分8aとを有する断面を、その長手方向の全長に沿って有する。
尚、形材1aのアルミニウム合金には、JIS:A6061、又は同6N01等が用いられる。また、形材1aの断面の長手寸法Lは約370mm、ジョイント部2の外径d1は約50mm、ジョイント部4の幅d2は約60mmである。
【0012】
図1(B)は、上記形材1aをその押出方向と直角に所定の幅寸法、例えば30〜50mm程度に切断して得た本発明の一形態のリンク1を示す。このリンク1は、図1(C)に拡大して示すように、図示で右端の透孔3を有するリング形のジョイント部2と、その左側のロッド部分6と、左端の一対の連結片5を平行に有する略U形のジョイント部4と、上記ロッド部分6の中央付近において緩くカーブした偏位部8とを一体に有する。尚、一対の連結片5の適所には、ジョイント部4と連結する相手材側のピンやボルトを貫通させる透孔が追って穿設される。
【0013】
上記ロッド部分6は、切断幅に応じて正方形又は長方形の矩形断面を有する。
また、ロッド部分6の略中央に位置する偏位部8は、ロッド部分6の図示上面(側面)に突出する凸部8bと、下面(側面)で凹む凹部8cとを平行に有し、凹部8cの最奥部分はロッド部分6に加わる軸圧縮力の中心線Sに近接した位置にある。即ち、偏位部8の中立軸Nはロッド部分6の長手方向と直交する方向に偏位している。尚、凸部8bと凹部8cのカーブは同じ大きさで、偏位部8における断面形状を一定にしているが、凸部8bと凹部8cのカーブを相似形にし、且つ後者を小さなものとしても良い。
図1(E)は、リンク1の変形形態のリンク1′を示し、凹部8cの深さが浅くロッド部分6の軸圧縮力の中心線Sから離れた形態である。
【0014】
次に、図1(C)及び(E)により係るリンク1等の座屈形態について説明する。
先ず、リンク1,1′を両端の各ジョイント部2,4を図示しない治具で拘束して固定する。次に、ロッド部分6に対し軸圧縮力、即ち軸方向の圧縮荷重Wを加える。すると、偏位部8にはロッド部分6をX方向に曲げるモーメントが加わり、上記荷重がロッド部分6の許容軸圧縮力に至ると、上記荷重による曲げモーメントによって、図1(C)に示すように、偏位部8において、凸部8b側に突出し凹部8c側が凹む略へ字形の曲げ変形、即ち座屈Zが生じる。
従って、リンク1,1′を使用し、許容軸圧縮力以上の軸圧縮力が加わった場合、走行が困難な変形となり、修繕を余儀なくさせる程度の故障となるか、リンク1,1′に異常が生じたことが運転者に体感可能となる。
【0015】
尚、偏位部8が形成されていない場合、一般的に外見容易な変形を生じず、微細なクラックに留まったまま自動車の走行が続行され、係る走行時における突然の破断を招く恐れがある。
また、偏位部8の凹部8c内をロッド部分6の軸圧縮力の中心線Sが貫通する程度に、凹部8cを深く形成し、且つこれと平行に凸部8bを形成すると、上記より少ない軸圧縮力でも、偏位部8に座屈Zを確実に誘発することができる。
前記図1(C),(E)での偏位部8は他のロッド部分6に対し、優先的に座屈Zを誘発するが、その変形角度が負荷される軸圧縮力の大きさによりバラツキ易い。
【0016】
図2(A)及び(C)は、曲げ変形を一定の範囲内に納め得る本発明のリンク10,10′を示す。
図2(A)に示すように、リンク10も、前記同様のアルミニウム合金製の押出形材をその押出方向と直角に所定の幅で切断して得たもので、図示のように、右端の透孔13を有するリング形のジョイント部12と、中央の矩形断面を有するロッド部分16と、左端の一対の連結片15を平行に有する略U形のジョイント部14を有する。上記ロッド部分16の中間には一対の偏位部18を一体に有する。尚、一対の連結片15の適所には、ジョイント部14と連結する相手材側のピンやボルト等を貫通させる透孔が追って穿設される。
【0017】
図2(A)に示すように、一対の偏位部18は、ロッド部分16の図示で上面にカーブして突出する凸部19と下面の凹部20とを同じ向きにそれぞれ有する。
各凹部20は、ロッド部分16の下面における凸部19の中央付近に位置する底広凹溝22と、その狭い開口部26と、開口部26の両側に位置し斜め下向きに対向する一対の当接片24,24からなる。この当接片24は略L字形の断面を有する。また、ロッド部分16の軸圧縮力の中心線Sは、各底広凹溝22内を貫通している。
図2 ( C ) は、異なる形態のリンク10′を示す。係るリンク10′は、ロッド部分16の下辺に小さなU字溝(凹部)20′を有し、且つ各U字溝20′内をロッド部分16の軸圧縮力の中心線Sが貫通しないところが上記リンク10と相違する。
ここで、リンク10,10′の座屈形態について説明する。先ず、リンク10,10′を両端の各ジョイント部12,14を図示しない治具で拘束して固定する。次に、図2(A),(C)のように、各ロッド部分16に対し軸圧縮力Wを加える。
【0018】
これにより、各偏位部18にはロッド部分16をX方向に曲げるモーメントが加わり、軸圧縮力がロッド部分16の許容軸圧縮力に至ると、上記曲げモーメントにより各偏位部18において、図2(B)に示すように、凸部19側に突出し凹部20側が凹む略へ字形の曲げ変形、即ち座屈が生じる。この際に、リンク10の各凹部20側では、対向する当接片24同士が互いの先端部を当接し合って位置規制するため、各偏位部18の曲り角度が制限される。このため、ロッド部分16全体は、図2(B)のように笠形状に変形する。係る状態でロッド部分16は破断することなくその笠形状の状態を保つ。
尚、凹部20はその開口部26における一方にのみ当接片24を形成し、他方をこれと当接する開口縁としたものでも良い。
従って、リンク10,10′を用い且つ許容軸圧縮力以上の軸圧縮力が加わった場合、両端のジョイント部12,14は互いに接近するため、リンク10,10′に異常が生じたことが、運転者に体感可能となる。
【0019】
また、リンク10では一対の偏位部8を用いることにより、図2(B)に示すように、ロッド部分16の曲げ変形のスペースを小さくでき、周囲のサスペンション部品の損傷を回避し易くなる。勿論、偏位部18をロッド部分16の中央に一つ形成したリンクとしても良い。更に、図2(B)の状態で、リンク10に対する更に軸圧縮力を増加させると、各偏位部18はこれ以上変形しにくいため、偏位部18,18間のロッド部分16にX′方向の曲げモーメントが生じ、当該部分において曲りが生じ易くなり、変形する部位を順次規定することも可能となる。
【0020】
更に、図2(C)のリンク10′でも、軸圧縮力により偏位部18においてロッド部分16をX方向に曲げるモーメントが加わり、U字溝20′の開口部が閉じるまで変形し、図2(B)と同様な笠形状に変形する。このリンク10′では、U字溝(凹部)20′の深さがロッド部分16の軸圧縮力の中心線Sに至らないため、ロッド部分16の長さや断面形状が同じ場合、リンク10に比べ許容軸圧縮力は大きくなる。
【0021】
図3(A)は、前記リンク10の応用形態のリンク10″を示す。リンク10″は、前記リンク10に対し、ロッド部分16中間の一対の偏位部18のうち、右側のものを上下逆にした偏位部18′としたものである。
そして、係るリンク10″を前記同様に拘束し、ロッド部分16に対し軸圧縮力を加えると、各偏位部18にロッド部分16をその長手方向と直交する方向に曲げる曲げモーメントが加わる。上記軸圧縮力が許容軸圧縮力に至ると、上記曲げモーメントにより、図3(B)に示すように、各偏位部18において、凸部19側に突出し凹部20側が凹む略へ字形の曲げ変形をそれぞれ生じ、全体として偏平なN字形に曲げ変形する。
係るリンク10″によれば、ロッド部分16の曲げ変形のスペースを一層小さくでき、周囲のサスペンション部品の損傷を回避し易くなる。尚、凹部20の形状を前記図2(C)のように深さの浅いU字溝20′とすることもできる。
【0022】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記各ロッド部分における偏位部の偏位量を変えたものや、偏位部の形状が互いに異なるもの(図2(A)の偏位部18と図2(C)の偏位部18)を組合せ、軸圧縮力の大きさと座屈変形後の形状を制御可能した偏位部としても良い。
また、リンク両端のジョイント部をロッド部分と一体に押出成形にて形成する場合、何れも透孔を中心に有するリング形のジョイント部同士としたり、逆に両端とも一対の連結片を平行に有する略U字形のジョイント部同士としたものとすることもできる。
更に、リンク両端のジョイント部の向きが同じ場合は、上記両端のジョイント部が同じ形態のものを含め、アルミニウム合金の押出形材で一体成形でき、その押出方向と直角に所定の幅で切断すれば良い。
【0023】
尚、両端のリング形と略U形の各ジョイント部の向きが、互いに90度異なっている参 考形態のリンク30について、図4により説明する。
図4(A)は、リンク30を得るための押出形材30aを示す。この形材30aは、図示で右端のリング形のジョイント部32と、中央の板状部36aと、左端の長円部34を有する。ジョイント部32には透孔33が穿設され、板状部36aの略中央には上向きにカーブした偏位部形成部分38aが、その長円部34寄りには上下一対の凸条37が一体に形成され、且つを長円部34の左端寄りに小さな透孔35が穿設されている。
【0024】
係る形材30aをその押出方向と直角に所定の幅で切断すると、図4(B)に示すリンク素材30′が得られる。この素材30′は、その切断した跡において、右端のジョイント部32の左側に断面矩形のロッド部分36と、その中央の偏位部38と、その左側の上下一対の突起部37と、左端の長円部34を有する。
次に、長円部34の端部側からその幅方向の中央に沿ってスリット溝Gを、リンク素材30′の長手方向に平行に形成する。この際、スリット溝Gの終端gは上記突起部37内に位置させる。そして、素材30′の長円部34を図示しない一対の受け型内に入れて、ロッド部分36を拘束し、且つスリット溝G内に図示しないポンチを左端から水平に受け型内に押込む押し広げ加工を行う。
【0025】
尚、受け型の左右側壁には対称な湾曲壁が位置し、ポンチの先端側には中央の垂直な先尖凸条とその両側の湾曲面が形成されている。また、上記突起部37はスリット溝Gの終端gに成形応力が集中することを緩和する。
その結果、図4(C)に示すように、長円部34は、一対の平行な連結片34aとその右側の傾斜片34bになり、平面視で略U字形のジョイント部39を有するリンク30を得ることができる。このリンク30は、押出形材30aを切断し、且つスリット溝Gをポンチと受け型で押し広げ加工するのみで容易に形成することができる。尚、係る製造方法は、両端共に略U字形のジョイント部で且つ互いの向きが90度異なる形態のリンクにも適用できることは明白である。
【0026】
【発明の効果】
以上において説明した本発明のサスペンション用リンクは、軸圧縮力等により座屈を誘発することが容易となり、且つ曲げ変形を一定の曲げ角度の範囲内に納め易くなる。このため、ロッド部分の偏位部に当該ロッド部分に加わる許容軸圧縮力以上の力による座屈を優先的に誘発できると共に、リンクが破断等に至る前にその変形を確実に認識でき、自動車等の安全性向上に寄与することができる。しかも、予め押出形材にて偏位部を精度良く形成し、且つ形材を所定の幅寸法で切断するのみで得られるため、工数及びコストを低減できると共に、自動車等の軽量化にも寄与することができる。
また、請求項4乃至6のリンクによれば、上記に加えて、偏位部の座屈による曲げ角度や曲げ変形を一定の範囲内に納められ、リンク周囲のサスペンション部品への損傷を避けることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は参考のリンクを得るための押出形材を示す斜視図、(B)はこの形材を切断して得たリンクの斜視図、(C)はこのリンクの正面図、(D)は係るリンクの座屈状態を示す概略図、(E)は上記リンクの変形形態の正面図。
【図2】(A)は本発明のリンクの正面図、(B)は係るリンクの座屈状態を示す概略図、(C)は本発明の異なる形態のリンクを示す正面図。
【図3】(A)は本発明の応用形態であるリンクを示す正面図、(B)は係るリンクの座屈状態を示す概略図。
【図4】(A)は異なる参考形態のリンクを得るための押出形材を示す斜視図、(B)はこの形材を切断して得たリンク素材の斜視図、(C)はこのリンク素材から得たリンクの斜視図。
【図5】(A)及び(B)は従来のリンクを示す正面概略図。
【符号の説明】
1,10′,10″…リンク
12,14……………ジョイント部
16……………………ロッド部分
18,18′…………偏位部
19…………………凸部
20…………………凹部
20′………………U字溝(凹部)
22…………………底広凹溝
24…………………当接片
26…………………開口部
N……………………中立軸
Claims (6)
- 少なくともロッド部分をアルミニウム合金の押出形材をその押出方向と直角に所定の幅で切断して形成すると共に、
上記ロッド部分の中間に該ロッド部分の中立軸が該ロッド部分の長手方向と直交する方向に偏位する偏位部が形成され、
上記偏位部は、押出成形時に形成され、上記ロッド部分の中間おける一側面に突出する凸部と、これと対向する他側面における該凸部の中央付近の位置に設けた底広凹溝またはU字溝を含む凹部とからなり、上記ロッド部分の曲げ変形を一定の曲げ角度の範囲内に納め得る、
ことを特徴とするサスペンション用リンク。 - アルミニウム合金の押出形材をその押出方向と直角に所定の幅で切断したリンクであって、切断後の長手方向の両端にジョイント部を有し、このジョイント部同士の間にロッド部分を一体に有すると共に、
上記ロッド部分の中間に該ロッド部分の中立軸が該ロッド部分の長手方向と直交する方向に偏位する偏位部が形成され、
上記偏位部は、押出成形時に形成され、上記ロッド部分の中間おける一側面に突出する凸部と、これと対向する他側面における該凸部の中央付近の位置に設けた底広凹溝またはU字溝を含む凹部とからなり、上記ロッド部分の曲げ変形を一定の曲げ角度の範囲内に納め得る、
ことを特徴とするサスペンション用リンク。 - 前記偏位部の凹部内に前記ロッド部分に加わる軸圧縮力の中心線が貫通する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサスペンション用リンク。 - 前記偏位部の凹部は、前記底広凹溝の開口部に曲げ変形を一定の曲げ角度の範囲内に納め得る少なくとも1つの当接片を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のサスペンション用リンク。 - 前記偏位部が、前記ロッド部分の長手方向に沿って同じ向きに複数形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のサスペンション用リンク。 - 前記偏位部が、前記ロッド部分の長手方向に沿って互いに反対向きに複数形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のサスペンション用リンク。
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JP2000094916A (ja) | 2000-04-04 |
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