JP3937604B2 - リンクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のサスペンション等に用いるアルミニウム合金製のリンクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サスペンション用のリンクは、従来、鍛造又はプレス加工した鋼部品と鋼管とを溶着したもの、或いは全体を鍛造で一体成形したものが用いられてきた。ところで、近年、自動車の軽量化や環境対策のために、そのサスペンション用アーム等にアルミニウム合金の押出形材を適用することが検討されている。例えば、ロアアームに倣った断面形状を有する押出形材を所定幅に切断し、係るアーム素材をその長手方向の任意の位置で、一端部を他端部側に対し軸方向に90度捻り加工したり、或いは、上記係るアーム素材をその長手方向の任意の位置で、曲げ加工してロアアームを成形する方法が提案されている(特開平6−255332号公報参照)。
【0003】
しかしながら、サスペンション用等のリンクにおいて、一端部に二股形状の連結部を有し、他端部にはこの連結部と直角方向の二股形状又はリング形状の連結部を有するリンクを上記従来の技術で製造することは極めて困難であった。
即ち、二股形状の連結用端部を一端又は両端部に有する断面形状の押出形材を製造し、これを押出方向と直角に所定幅で切断してリンク素材を得た後、係るリンク素材をその長手方向の任意の位置で、局部的に焼き鈍し等の熱処理を施してから、一端部を他端部側に対し素材の軸方向の回りに90度の捻り加工することが考えられる。
【0004】
しかし、アルミニウム合金製の細長いリンク素材を上記90度の捻り加工をすると、軸方向の形状・寸法精度がバラツキ易いと共に、係る捻り部分が脆くなりその強度が低下する。このため、捻り加工した後で、更にT5又はT6の熱処理を施す必要がある。しかも、捻り変形部分をリンク中間に形成した場合、軸方向の引張りや圧縮応力が加わると、捻り部分が元の形状に復元しようとするため、所要の強度が得られず不安定な状態になり、リンクとして不向きである。
従って、ほぼ軸方向に沿って圧縮等の各種の応力を受けるリンクを製造するのに、上記従来の技術を用いることは実用的でなく、且つ形状・寸法精度に優れたアルミニウム合金の押出形材を用いる意義が低かった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、一端部に二股形状の連結部を有し、他端部にはこの連結部と直角方向の二股形状又はリング形状等の連結部を有するリンクをアルミニウム合金の押出形材を用いて、形状・寸法精度良く、所要の強度を有するように効率良く得ることができる、リンクの製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、押出形材を切断し、得られたリンク素材の端部にスリット溝を形成して、係る端部を押し広げることに着想して成されたものである。
即ち、本発明のリンクの製造方法は、アルミニウム合金の押出形材を所定厚さに切断し、その厚さ方向がリンクの長手方向と直交するリンク素材を形成する工程と、上記リンク素材の少なくとも一端部にその長手方向に平行で且つ押出方向と直角のスリット溝を形成する工程と、上記スリット溝内にポンチを押込み該スリット溝両側の片部分を押し広げ、且つ各片部分を受け型に押圧して二股形状に成形する工程と、を含み、係る二股形状を形成する工程において、スリット溝の切込み終端付近に、突起部を、予め上記押出形材に一体に形成しておき、この突起部を上記押し広げ時における成形荷重の負担部分とした、ことを特徴とする。
また、前記突起部は、前記スリット溝の切込み終端付近に対向して一対形成されている、リンクの製造方法も含まれる。
【0007】
これらによれば、所望の形状・寸法を有する二股形状の各片部分(連結部)を有するリンクを精度良く所要の強度を持たせて確実に製造することができる。しかも、前記スリット溝の切込み終端付近に、突起部ないし対向する一対の突起部を、予め前記押出形材に一体に形成しているため、押し広げ時の成形荷重により生じるリンク素材の長手方向に沿う分力の保持が容易となり、これによって簡単な装置(受け型、ポンチ、チャック)で押し広げ加工を行うことが可能となる。
【0008】
更に、前記押し広げ時の成形荷重におけるリンク素材の長手方向に沿う分力よりも、前記突起部の許容剪断荷重が大きく設定されている、リンクの製造方法も含まれる。これによれば、突起部のみで押し広げ時の成形荷重を十分に吸収することができ、形状・寸法精度良く二股形状の各片部分(連結部)を安定して成形することができる。
【0009】
また、前記スリット溝の切込み終端の位置を、前記スリット溝両側の片部分を二股形状に押し広げた際における該片部分の各外側曲げ開始点よりも深い位置とした、リンクの製造方法も含まれる。
これによれば、押し広げ時の成形荷重によってスリット溝の切込み終端付近に応力が集中し、割れや微細なクラックが切込み終端付近に生じる事態を防ぐことができる。尚、上記切込み終端の位置と上記スリット溝両側の片部分の各外側曲げ開始点(Y)との距離(X)は、各片部分の肉厚寸法(W)とほぼ同じ程度が望ましく、その上限は上記肉厚寸法(W)の1.5倍程度が実用的である。
【0010】
更に、前記スリット溝の切込み終端の位置が前記突起部内に位置する、リンクの製造方法も含まれる。これによっても、スリット溝の切込み終端付近に応力が集中し、割れや微細なクラックが切込み終端付近に生じるのを抑制できると共に、得られたリンクの使用中での応力集中も同様に抑制することができる。
また、前記スリット溝両側の各片部分の内側曲げ開始点よりも端部寄りにおける内側面に、薄肉部を形成する工程を含む、リンクの製造方法も含まれる。
これによれば、係る片部分に連結される相手部材の例えばゴムブッシュカラーの当接面を精度良く形成することができる。
【0011】
加えて、前記薄肉部が、前記スリット溝の形成と同時に同じ工具で切削加工するか、或いは、前記スリット溝の形成後で且つ押し広げる前又は押し広げて二股形状に成形する工程の後で切削加工することにより形成される、リンクの製造方法も含まれる。
これによれば、例えば2種類の厚み部分を併有するフライスカッタを用いて、薄肉部とスリット溝とを同時に成形したり、或いはスリット溝の形成後又は押し広げ成形後に別のフライスカッタ等の切削工具により、精度良く薄肉部を成形することが可能となる。
尚、本発明のリンクは、自動車のサスペンション用リンクに限らず、産業用の各種動力機器等の振動吸収部分や駆動力伝達部分のリンクにも適用可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、リンクを得るため、熱処理として溶体化(T4)処理を施したアルミニウム合金(JIS:A6061,6N01)の押出形材1を示す。この形材1は、図示で右端の円筒形を呈するリング部2、中央の板状部4、及び図示で左側の長円形部8とからなる断面形状を押出方向の全長に沿って有する。
上記リング部2の中心には大径の孔3が穿設され、板状部4の長円形部8寄りには上下対称に一対の突条(突起部)6,6が突設され、且つ長円形部8の左端寄りには小径の孔9が穿設されている。因みに、係る形材1の断面の長手寸法は約370mm、リング部2の外径は約50mm、長円形部8の高さ約30mm程度である。
【0013】
図1(B)に示すように、先ず上記押出形材1をその押出方向と直角に幅約30mm程度にて切断して、リンク素材10を得る。この素材10は、図示で右端の孔13を有する円筒部12と、断面四角形の角柱部14と、その左端寄りの上下一対の突起部16,16と、左端の長円部18及び孔19とを有する。
次に、係る素材10の図示で左端側から、その幅方向(押出方向と直角の方向)の中間に図示しない薄いフライスカッタを素材10の長手方向に沿って装入すると、図1(B)のようなスリット溝20が形成される。このスリット溝20の切込み終端22は、上記突起部16の内部に位置する。且つ、スリット溝20の両側には、上記長円部18を2分割した片部分24,24が形成される。
【0014】
そして、リンク素材10の上記スリット溝20内に、後述するポンチを長手方向に沿って押込むと、図1(C)に示すように、片部分24,24が互いに平行なまま離間し、且つそれらの基部寄りには傾斜部26,26が形成された二股形状部28が形成されることにより、リンク30を得ることができる。
図2は、係る片部分24,24を押し広げて二股形状部28に成形する工程に関する。図2(A)はこの成形工程に用いるポンチ32と、受け型40等を示す。
ポンチ32は、直方体状の本体34と、図示でその右端に対称に形成した一対のアール部36,36と、その間から突出する先尖条38とからなる。
【0015】
また、受け型40は、上下一対の対称な割り型41,41からなり、各割り型41は、矩形状の凹部42と、図2(A)でその右側の一対の対称な湾曲部44,44と、これらの右側の幅細部46とを有する。上記凹部42の幅寸法は、前記リンク30における二股形状部28の押し広げられた片部分24,24の外側幅寸法に近似し、上記湾曲部44,44は傾斜部26,26の外側面と略相似形である。尚、上記幅細部46の水平・垂直寸法は、前記リンク素材10の幅寸法及び長円部18の高さよりそれぞれ僅かに大きく設定されている。
尚、図2(A)中で受け型40の右側にチャック50を示す。このチャック50は、リンク素材10の角柱部14を半分ずつ受け入る凹溝54を有する一対の対称な固定片52,52からなる。
【0016】
先ず、図2(B)及び(C)に示すように、受け型40における各割り型41の各凹部42,42内に、リンク素材10の長円部18を挿入し、且つ幅細部46内に上下一対の突起部16,16を位置させる。また、突起部16,16の直ぐ右側に隣接する角柱部14を各凹溝54内に挿入して、一対の固定片52,52からなるチャック50で固定する。
次いで、リンク素材10の長円部18の左端にポンチ32を近付け、その中央に形成したスリット溝20内にポンチ32の先尖条38を進入させるようにして、ポンチ32を図示しない駆動源により図示で右側に移動させ、ポンチ32の本体34を割り型41の各凹部42,42内に進入させる。
【0017】
そして、ポンチ32は、その先端の一対のアール部36,36が、リンク素材10の片部分24,24を左右に押し広げつつ、これらを介して各割り型41の湾曲部44,44に当接する位置まで進入して停止する。
即ち、図3(A)及び(B)に示すように、リンク素材10の各片部分24の右側部分は、上記アール部36と湾曲部44に挟まれ且つこれらに倣った内外側面を有する前記傾斜部26に成形され、且つ各片部分24の左側部分は、互いに平行に離間した片部分24,24となることにより、二股形状部28が形成される。
最後に、図3(A)のようにポンチ32を受け型40から抜き出し左方に移動させ、且つ受け型40の割り型41とチャック50の固定片52を開くと、前記図1(C)に示すようなリンク30を得ることができる。この二股形状部28を形成したリンク30に熱処理として人工時効(T6)処理を施す。尚、後述する薄肉部29を切削で形成する場合には、上記T6処理の後に当該切削加工を行う。
【0018】
以上のような製造方法によれば、押出形材1を切断してリンク素材10を得、これにスリット溝20を形成した後、ポンチ32と受け型40を用いて押し広げて二股形状に成形するという少なくて簡単な各工程により、形状・寸法精度に優れ且つ所要の強度を有するリンクを効率良く確実に得ることができる。
尚、図3(B)のように、上記リンク30の各片部分24の内側面をフライス等の切削加工により薄肉部29を形成すると、係る二股形状部28に連結される相手部材の例えばゴムブッシュカラーの当接面として用い得るリンク30′が得られる。上記薄肉部29は、図3(B)中に示すように、各片部分24の内側面における端部寄りの内側曲げ開始点Zよりも端部寄りの位置に形成される。
【0019】
ところで、上記一対の突起部16,16におけるリンク素材10の長手方向に対する許容剪断荷重を、押し広げ成形時のポンチ32によるリンク素材10に対する成形荷重により生じるリンク素材10の長手方向に沿う分力よりも大きくしておくと、チャック50による固定のみで上記成形荷重の分力を支えることが可能となる。但し、この成形荷重は、受け型40の各割型41内の湾曲部44にかなり負担されるので、突起部16,16の許容剪断荷重はこれを考慮したもので良い。
また、図3(C)に示すように、リンク30におけるスリット溝20の切り込み終端22は、各片部分24を各傾斜部26に変形させる外側面における中央寄りの曲げ開始点Yから距離Xを置いている。即ち、スリット溝20の切り込み終端22の位置を上記曲げ開始点Yよりも深い位置とした。
【0020】
この結果、押し広げ時の成形荷重によってスリット溝20の切込み終端22付近に応力が集中し、割れがその付近に生じる事態を防ぐことができる。即ち、上記距離Xを無くして、スリット溝20の切り込み終端22と上記曲げ開始点Yを一致させると、切り込み終端22に応力集中が生じ割れやクラック等が生じる。
従って、上記切込み終端22の位置と両側の各片部分24の各外側曲げ開始点Yとの距離Xは、0でなく僅かに設定するだけでも良いが、その上限は図3(C)及び図4(B)に示すように、各片部分24の肉厚寸法Wの1.5倍程度が実用的である。そして、種々の試験から経験的に、距離Xは少なくとも上記肉厚寸法Wと略同じ程度が望ましいことが判明している。
この場合、図4(A)に示すように、スリット溝20の切り込み終端22は、突起部16内に位置することが好ましい。これにより、切込み終端22における断面積が大きくなるので、押し広げ加工時に変形等の影響が生じてもリンク30使用上の障害とならず、且つリンク30の使用時における応力集中を抑制できる。
【0021】
本発明は以上に説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記図3(B)で示したリンク30′における薄肉部29を予めリンク素材10の段階で形成しておくこともできる。即ち、図4(C)に示すように、素材10の長円部18の中央に対し、図示で左方に示す中心側の厚肉部分57と周縁側の薄肉部分58とを一体に有するフライスカッタ56を進入させる。この結果、薄肉部分58によりスリット溝20とその切込み終端22が素材10の突起部16寄りに形成されると同時に、上記厚肉部分57によって、長円部18(各片部分24)の端部寄りの内側面に一対の薄肉部29が形成される。この際、薄肉部29は前記内側面の曲げ開始点Zよりも端部寄りの位置で形成される。
【0022】
また、上記方法に替え前記図1(B)のように、先に長円部18の中央にスリット溝20のみを形成した後、上記厚肉部分57のみからなる別のフライスカッタをスリット溝20内の所定の位置まで進入させて、薄肉部29を形成することも可能である。尚、これら薄肉部29が予め形成されたリンク素材10を、前記押し広げ成形する場合には、前記ポンチ32と受け型40を用いても良いが、前記図2(B)中のポンチ32における上下側面に上記一対の薄肉部29内に進入する形状と大きさの矩形部分を一体に付設しておくことが必要である。
【0023】
更に、図5(A)と(B)に示すように、受け型40とチャック50に前記同様に固定したリンク素材10に対し、ポンチ33により各片部分24の押し広げ成形と略同時に薄肉部29を形成することもできる。即ち、ポンチ33は前記ポンチ32の図示で上下側面に薄肉部29と略同じ断面の板状型39,39を配置し、且つポンチ32と一対の板状型39,39とを個別に移動可能としたものである。
先ず、図4(A)のように、前記同様にポンチ32のみをリンク素材10のスリット溝20内に進入させる。
【0024】
その結果、図5(B)に示すように、リンク素材10の各片部分24は互いに離間し且つ傾斜部26を作り、二股形状部28が成形される。次に、ポンチ32を受け型40内に進入させた状態で、一対の板状型39,39を各片部分24の内側面寄りにそれぞれ進入させる。この結果、片部分24の各内側面に薄肉部29を二股形状部28の成形と略同時に塑性加工により形成することができる。
尚、この場合、各片部分24は図示で左端側に薄く延ばされるので、前記小径の孔19はこの成形後に所定の位置に穿設する必要がある。また、薄肉部29の仕上げ精度を高める場合、押し広げ加工の後に最終的な仕上げ切削加工を施すことが望ましい。
【0025】
図6は異なる形態のリンクの製造方法に関する。
図6(A)は前記同様のアルミニウム合金からなる押出形材60を示す。この形材60は、図示で右端の二股部62、中央の板状部64、及び図示で左端の長円形部68とからなる断面形状を有する。上記板状部64の長円形部68寄りには上下に対称に一対の突条66,66が突設され、且つ長円形部68の左端寄りには小径の孔69が穿設されている。尚、二股部62の各内側面には、予め薄肉部63が形成されている。
【0026】
次に、図6(B)に示すように、上記押出形材60をその押出方向と直角に所要幅に切断し、リンク素材70を得る。この素材70は、図示で右端の薄肉部63を有する二股形状部72と、断面四角形の角柱部74と、その左端寄りの上下一対の突起部76,76と、左端の長円形部68及び孔69とを有する。
更に、係る素材70の図示で左端側から、その幅方向の中間に図示しない薄いフライスカッタを素材70の長手方向に沿って装入すると、図示ようなスリット溝81が形成される。このスリット溝81の切込み終端82は、上記突起部76の内部に位置する。且つ、スリット溝81の両側には、上記長円形部68を2分割した片部分78,78が形成される。
【0027】
そして、リンク素材70を前記受け型40に保持し、且つリンク素材70の上記スリット溝80内に前記ポンチ32を長手方向に沿って押込むと、図6(C)に示すように、左端の片部分78,78が互いに平行なまま離間し、且つそれらの基部寄りには傾斜部77,77が形成された二股形状部79が形成される。これによって、両端部に互いに連結方向の向きが90度異なる二股形状部72,79を有するリンク80を得ることができる。
尚、片部分78,78の各内側面を切削加工して前記同様の薄肉部を形成したり、又は前記2種類の厚みを併有するフライス56を用いて、スリット溝81と薄肉部をリンク素材70の段階で先に形成しても良い。或いは、前記ポンチ33を用いて片部分78,78の押し広げ成形時と略同時の塑性加工により、上記薄肉部を形成することも可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上にて説明した本発明のリンクの製造方法によれば、長手方向の少なくとも一端に二股形状部を有し、且つ両端の連結部の方向、又はそれらにおける連結ピンや連結ボルトの向きが互いに90度ずれているリンクを、少なくて簡単な工程によって、形状・寸法精度に優れ、所要の強度を有して効率良く確実に製造することができる。しかも、前記突起部を一体に付設することにより、押し広げ成形の際又はリンクとしての使用時にスリット溝の切込み終端付近に応力が集中するのを抑制し、割れ等の発生や破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(C)は本発明方法によるリンクの各製造工程を示す概略図。
【図2】(A)はリンク素材を押し広げ成形するためのポンチや受け型等を示す斜視図、(B)及び(C)は押し広げ成形直前の状態を示す概略図。
【図3】(A)は押し広げ成形後の状態を示す概略図、(B)は別のリンクの部分概略図、(C)は(A)のリンクの部分概略図。
【図4】(A)及び(B)は押し広げ前後のリンク素材又はリンクの部分概略図、(C)は異なる形態の製造方法を示す部分概略図。
【図5】(A)及び(B)は更に異なる形態の製造方法を示す概略図。
【図6】(A)乃至(C)は異なる形態のリンクの各製造工程を示す概略図。
【符号の説明】
1,60………………押出形材
6,66………………突条(突起部)
10,70……………リンク素材
16,76……………突起部
20,81……………スリット溝
22,82……………切込み終端
24,78……………片部分
28,79……………二股形状部
29…………………薄肉部
30,30′,80…リンク
32,33…………ポンチ
40…………………受け型
56…………………フライスカッタ(工具)
Y……………………外側曲げ開始点
Z……………………内側曲げ開始点
Claims (7)
- アルミニウム合金の押出形材を所定厚さに切断し、その厚さ方向がリンクの長手方向と直交するリンク素材を形成する工程と、
上記リンク素材の少なくとも一端部にその長手方向と平行で且つ押出方向と直角のスリット溝を形成する工程と、
上記スリット溝内にポンチを押込み該スリット溝両側の片部分を押し広げ、且つ各片部分を受け型に押圧して二股形状に成形する工程と、を含み、
上記二股形状を形成する工程において、スリット溝の切込み終端付近に、突起部を、予め上記押出形材に一体に形成しておき、この突起部を上記押し広げ時における成形荷重の負担部分とした、
ことを特徴とするリンクの製造方法。 - 前記突起部は、前記スリット溝の切込み終端付近に対向して一対形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のリンクの製造方法。 - 前記押し広げ時の成形荷重におけるリンク素材の長手方向に沿う分力よりも、前記突起部の許容剪断荷重が大きく設定されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のリンクの製造方法。 - 前記スリット溝の切込み終端の位置を、前記スリット溝両側の各片部分を二股形状に押し広げた際における該片部分の各外側曲げ開始点よりも深い位置とした、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のリンクの製造方法。 - 前記スリット溝の切込み終端の位置が前記突起部内に位置する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のリンクの製造方法。 - 前記スリット溝両側の各片部分の内側曲げ開始点よりも端部寄りにおける内側面に、薄肉部を形成する工程を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のリンクの製造方法。 - 前記薄肉部が、前記スリット溝の形成と同時に同じ工具で切削加工するか、或いは、前記スリット溝の形成後で且つ押し広げる前又は押し広げて二股形状に成形する工程の後で切削加工することにより形成される
ことを特徴とする請求項6に記載のリンクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25263298A JP3937604B2 (ja) | 1998-09-07 | 1998-09-07 | リンクの製造方法 |
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JP25263298A JP3937604B2 (ja) | 1998-09-07 | 1998-09-07 | リンクの製造方法 |
Publications (2)
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