JP4006640B2 - 塑性結合部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は塑性結合部品の製造方法に関し、詳しくは、第1部材の第1結合部を該第1部材よりも硬度の低い第2部材よりなる第2結合部に食い込ませながら該第2結合部に対して該第1結合部を相対的に押し込んで圧入することにより両部材が一体的に塑性結合された塑性結合部品の製造方法に関する。本発明に係る塑性結合部品は、例えば、車両用オートマチック部品のドラムやハブ等をシャフトに結合したものに好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
自動車用オートマチック部品としてのドラムやハブは、シャフトに対して一体的に結合されている。かかるドラムやハブとシャフトとの結合には、電子ビーム溶接やレーザ溶接等が利用されている。
【0003】
しかし、電子ビーム溶接やレーザ溶接を利用して2つの部材を結合する場合、電子ビームやレーザを発生させるべく、特殊な溶接装置の使用や多大な電力消費が必要となり、コスト高となる。
【0004】
そこで、プレス機械等の使用のみで足り、コスト面で有利な圧入及びかしめ加工を利用して2つの部材を一体的に塑性結合した塑性結合部品が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この塑性結合部品は、図10に示されるように、外周縁端部(第1結合部)80を有するシャフト(第1部材)81と、このシャフト81よりも硬度の低い材料よりなり、内側円筒部(第2結合部)82、水平フランジ部83及び外側円筒部84を有するハブ(第2部材)85とからなり、以下のように製造される。
【0006】
まず、図11に示されるように、受け型90の上にハブ85をセットするとともに、このハブ85上に押さえ型91をセットして、受け型90及び押さえ型91でハブ85の水平フランジ部83を挟持するとともに、押さえ型91でハブ85の内側円筒部82の外周面を拘束する。なお、押さえ型91で内側円筒部82を拘束するのは、圧入工程時に内側円筒部82が変形するのを防止するためである。
【0007】
そして、ハブ85の内側円筒部82の内周側上端面上にシャフト81の外周縁端部80をセットし、外周縁端部80をパンチ92で上方から押し込んで下降させ、内側円筒部82内に外周縁端部80を圧入する。このとき、外周縁端部80を内側円筒部82に食い込ませながら押し込んで圧入することにより、該外周縁端部80で圧入進行側に押し流される内側円筒部82の材料の塑性流動により外周縁端部80の圧入進行側における内側円筒部82の内周面(第2結合面)に棚部86を一体に形成する。
【0008】
最後に、パンチ等で内側円筒部82の内周側上端面を押圧して押し潰すことにより、外周縁端部80の圧入後退側における内側円筒部82の内周面にかしめ加工を施してかしめ加工部87を形成する。
【0009】
こうして、外周縁端部80が内側円筒部82に圧入されるとともに、内側円筒部82の内周面に形成された棚部86及びかしめ加工部87間で外周縁端部80が軸方向(圧入の進退方向)に挟持されることにより、シャフト81とハブ85とは軸方向における相対移動が確実に規制された状態で一体的に塑性結合される。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−126837号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の塑性結合部品の製造方法では、外周縁端部80を内側円筒部82に食い込ませながら押し込んで圧入し、外周縁端部80の押し込みによりハブ85の材料を塑性流動させながらシャフト81とハブ85とを一体的に塑性結合させていることから、以下に示すような問題点がある。
【0012】
すなわち、外周縁端部80を内側円筒部82に食い込ませながら押し込んで圧入すると、図12に示されるように、塑性流動によってハブ85の材料が図12のR矢印方向へ流れ、この塑性流動による影響がハブ85の外側円筒部84にまで及ぶ。そうすると、例えば外側円筒部84を径方向外方へ押し広げようとする力が外側円筒部84に作用することとなり、外側円筒部84が外側に変形してしまうおそれがある。
【0013】
かかる塑性流動による変形は、特に、外側円筒部84に高い精度が要求される歯形部を形成していた場合に大きな問題となる。
【0014】
なお、このような塑性流動による変形の問題は、塑性流動により変形してしまう部分をその変形量を見込んだ形に予め成形しておくことにより、ある程度は対処可能である。しかし、この対処方法では、変形の見込み量を予め正確に把握しておくことが必要であり、また、実際の変形量が見込み量と同一になるように高精度に制御しながら圧入工程等を実施しなければならないので、生産性が犠牲になることを避けられない。
【0015】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、生産性を犠牲にすることなく、第1結合部の押し込みにより第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することの影響を受けて、該第2部材に望ましくない変形が生じてしまうことを防止しうる塑性結合部品の製造方法を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の塑性結合部品の製造方法は、第1結合面をもつ第1結合部を有する第1部材と、該第1部材よりも硬度の低い材料よりなり、第2結合面をもつ第2結合部を有する第2部材とからなり、該第1結合部を該第2結合部に食い込ませながら該第2結合部に対して該第1結合部を相対的に押し込んで圧入し、該第1結合部の押し込みにより該第2部材の材料を塑性流動させながら該第1結合面と該第2結合面とが対面した状態で両部材を一体的に塑性結合させてなる塑性結合部品の製造方法であって、上記第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することを少なくとも部分的に阻止しうる塑性流動阻止用の突起部が型面に設けられた受け型を用い、該受け型の該型面上に上記第2部材を配置する配置工程と、押さえ型を用いて上記第2部材を上記受け型に対して押さえ込むことにより、上記突起部を該第2部材に食い込ませて該第2部材内に進入させる押さえ込み工程と、上記第1結合部を上記第2結合部に食い込ませながら該第2結合部に対して該第1結合部を相対的に押し込んで圧入することにより、該第1結合部の押し込みにより上記第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することを上記突起部で少なくとも部分的に阻止しながら、該第1結合部で圧入進行側に押し流される該第2結合部の材料の塑性流動により圧入進行側における該第2結合部の上記第2結合面に棚部を形成するとともに、上記第1結合面と該第2結合面とが対面した状態で上記第1部材と上記第2部材とを一体的に塑性結合する圧入工程とを順に実施することを特徴とするものである。
【0017】
この塑性結合部品の製造方法では、配置工程で、第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することを少なくとも部分的に阻止しうる塑性流動阻止用の突起部が型面に設けられた受け型を用い、この受け型の型面上に第2部材を配置する。そして、押さえ込み工程で、押さえ型を用いて上記第2部材を上記受け型に対して押さえ込む。これにより、受け型の型面に設けられた突起部を第2部材に食い込ませて第2部材内に進入させる。この状態を維持しつつ、圧入工程で、第1結合部を第2結合部に食い込ませながら該第2結合部に対して該第1結合部を相対的に押し込んで圧入する。この第1結合部の押し込みにより第2部材の材料が塑性流動するが、第2部材の材料が望ましくない方向にの塑性流動することが第2部材内に進入した上記突起部により少なくとも部分的に阻止される。こうして、第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することを上記突起部で少なくとも部分的に阻止しながら、第2結合部に対して第1結合部を押し込むことにより、該第1結合部で圧入進行側に押し流される該第2結合部の材料の塑性流動により圧入進行側における該第2結合部の第2結合面に棚部を形成するとともに、第1結合面と第2結合面とが対面した状態で第1部材と第2部材とを一体的に塑性結合する。
【0018】
こうして得られた塑性結合部品では、第1結合部の押し込みにより第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することが突起部で阻止された分だけ、この塑性流動の影響による第2部材の望ましくない変形が防止されている。
【0019】
したがって、本発明の塑性結合部品の製造方法によれば、第1結合部の押し込みにより第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することの影響を受けて該第2部材に望ましくない変形が生じてしまうことを防止することが可能となる。
【0020】
また、本発明方法によれば、塑性流動による望ましくない変形の見込み量を予め把握しておく必要がなく、また、高精度に制御しながら圧入工程等を実施する必要もないので、生産性が犠牲になることもない。
【0021】
ここに、上記突起部の形状、大きさ、位置や数等は、第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することを少なくとも部分的に阻止して第2部材の望ましくない変形を防止しうる態様であれば特に限定されず、適宜設定可能であるが、第2部材の材料の望ましくない方向への塑性流動をより効果的に阻止して第2部材の望ましくない変形をより効果的に防止等すべく、以下の態様とすることが好ましい。
【0022】
すなわち、上記突起部は鋭角先端部を有していることが好ましい。突起部の先端が鋭角な形状であれば、突起部を第2部材に容易に食い込ませることができ、前記押さえ込み工程における押さえ込み荷重を小さくすることが可能となるからである。したがって、突起部の断面(該突起部で阻止する塑性流動の流動方向及び突起部の突出方向に沿って切断した縦断面。以下、同様)形状としては、部分円形状や部分楕円形状等とするよりも三角形状等とすることが好ましい。なお、第2部材への突起部の食い込み易さよりも突起部の耐久性(突起部先端の欠損防止)を重視する場合は、突起部の先端に丸みをもたせてもよい。また、突起部の断面形状を三角形状とする場合は、以下の理由により、略二等辺三角形状とするよりも略直角三角形状とする方が好ましい。
【0023】
すなわち、上記突起部は、略直角三角形状の断面形状をなし、第2部材の材料が望ましくない方向へ塑性流動する方向に対して略直交する方向に延在して、塑性流動する該第2部材の材料を受け止める垂直受け面を有していることが好ましい。このように突起部の断面形状が略直角三角形状であり、しかも望ましくない方向へ塑性流動する方向に対して略直交する方向に延在して、塑性流動する第2部材の材料を受け止める垂直受け面を有していれば、第2部材の材料の塑性流動を該垂直受け面でより効果的に阻止することができる。
【0024】
また、後述するように、前記第1結合面及び前記第2結合面のうちの一方が円周外面よりなる一方、他方が円周内面よりなる態様とする場合は、上記突起部を円環状に延びたものとすることが好ましい。円環状に延びた突起部によれば、第2部材の材料が径方向に塑性流動することを円周方向に連続して阻止することができる。
【0025】
さらに、望ましくない方向に塑性流動する第2部材の材料を受け止める受け面と反対側の面(塑性流動する流動方向の進行側の面。以下、反対側面という。)は、傾斜がなるべく緩やかな面(傾斜角(水平面からの仰角)が15〜30度程度の傾斜面)とすることが好ましい。反対側面の傾斜を緩やかに(傾斜角を小さく)するほど、突起部の上記断面における断面積が増大するので、突起部の強度を向上させる上で有利となるからである。
【0026】
上記突起部の大きさとしては、塑性流動を阻止する上では突起部を大きく(高く)するほど有利となるが、第2部材に対する突起部の食い込み量が大きくなりすぎると、この食い込み部分における第2部材の強度が低下して製品としての必要強度を確保できなくなるおそれがある。したがって、突起部の大きさ(高さ)は、突起部を食い込ませる部分における第2部材の必要強度を確保しうる範囲内で適宜設定可能であるが、第2部材の塑性流動をより効果的に阻止すべく、第2部材の必要強度を確保しうる範囲内でできるだけ大きく(高く)することが好ましい。具体的には、突起部の大きさ(高さ)は、突起部を食い込ませる部分における第2部材の厚さ(突起部が食い込む方向における厚さ)の5〜25%程度とすることが好ましい。
【0027】
また、上記突起部は、前記圧入工程で第2結合部に対して第1結合部を相対的に押し込んで圧入する際の押圧力が作用する部位に設けることが好ましい。こうすれば、圧入工程で、第1結合部を押し込んで圧入する際の押圧力により突起部を第2部材にさらに強固に食い込ませることが可能となる。
【0028】
本発明の塑性結合部品の製造方法は、さらに、以下に示す好適な態様を採用することができる。
【0029】
すなわち、好適な態様において、前記第1結合面には、圧入の進退方向に歯すじが延びる複数の歯形凸部及び歯溝凹部が予め設けられており、前記圧入工程では、各上記歯形凸部及び各上記歯溝凹部のうちの少なくとも各該歯形凸部が前記第2結合部に食い込むように圧入することにより、上記第2結合面を各該歯形凸部及び各該歯溝凹部と対応するように塑性変形させて各該歯形凸部及び各該歯溝凹部と噛み合い係合する形成歯溝凹部及び形成歯形凸部を該第2結合面に形成する。
【0030】
この態様よれば、第1結合面に予め設けられた歯形凸部及び歯溝凹部と、圧入工程で第2結合面に形成された歯溝凹部及び形成歯形凸部とが噛み合い係合することにより、第1部材と第2部材との間で、圧入の進退方向に略直交する方向における結合強度を高めることができ、該略直交方向における第1部材及び第2部材間の相対移動を確実に規制することが可能となる。また、圧入工程で、各歯形凸部及び各歯溝凹部の双方が第2結合部に食い込むように圧入した場合は、これら歯形凸部及び歯溝凹部と形成歯溝凹部及び形成歯形凸部とを隙間無く噛み合い係合させることができるので、歯形凸部及び歯溝凹部と形成歯溝凹部及び形成歯形凸部との間において、隙間がない分だけ、気密性や液密性を向上させるのに有利となる。
【0031】
好適な態様において、前記第1結合面及び前記第2結合面のうちの一方は円周外面よりなる一方、他方は円周内面よりなり、前記突起部は円環状に延びている。
【0032】
この態様によれば、前述したように、円環状に延びた突起部により、第2部材の材料が径方向に塑性流動することを円周方向に連続して阻止することができる。また、この態様において、上記歯形凸部及び歯溝凹部が第1結合面に設けられるとともに、圧入工程でこの歯形凸部及び歯溝凹部と噛み合い係合する形成歯溝凹部及び形成歯形凸部が第2結合面に形成されていれば、これら歯形凸部及び歯溝凹部と形成歯溝凹部及び形成歯形凸部との噛み合い係合により、第1部材及び第2部材間における相対回転を確実に規制することが可能となる。
【0033】
好適な態様において、前記圧入工程の後に、圧入後退側における前記第2結合部にかしめ加工を施して、前記棚部と共に該第1結合部を圧入進退方向に挟持可能なかしめ加工部を前記第2結合面に形成するかしめ工程を実施する。
【0034】
この態様によれば、第1結合部の端面と第2結合部のかしめ加工部との当接により、圧入の進退方向であって該端面に対して該かしめ加工部が押し付けられる方向に、第1部材に対して第2部材が相対移動することを確実に規制することができる。したがって、第2結合部の棚部及びかしめ加工部間で第1結合部を圧入の進退方向に挟持することができ、第1及び第2部材間における圧縮進退方向の相対移動を確実に規制することが可能となる。
【0035】
なお、上記第1部材及び上記第2部材の形状は特に限定されず、前述のとおり第1結合面及び第2結合面のうちの一方が円周外面よりなる一方、他方が円周内面よりなるもの、例えば第1部材及び第2部材のうちの一方が円筒部を有する一方、他方が該円筒部の内径よりも若干大きな外径をもつ外周縁端部を有する形状としてもよいし、角材、板材や長尺材等としてもよい。
【0036】
また、第2結合部の第2結合面に一体に形成される上記棚部の大きさは、第1結合部と第2結合部との重なり幅(圧入代)や第2結合部により第2結合面が押し込まれる長さ(圧入長さ)によって適宜設定可能であり、圧入進退方向(プレス方向)における結合力を適切に確保しうるように該棚部の大きさを設定することができる。具体的には、該棚部は、第2結合面からの突出長さ(第1端面と当接して重なる部分の長さ)1.0〜3.0mm程度となり、圧入進退方向(プレス方向)における厚さが0.2〜0.6mm程度となるような大きさとすることが好ましい。
【0037】
同様に、上記かしめ加工部の大きさも、圧入進退方向(プレス方向)における結合力を適切に確保しうるように設定することができる。具体的には、該かしめ加工部は、第2結合面からの突出長さ(第2端面と当接して重なる部分の長さ)0.8〜1.2mm程度となり、圧入進退方向(プレス方向)における厚さが0.5〜1.5mm程度となるような大きさとすることが好ましい。
【0038】
また、第1結合部の第1結合面に歯形凸部及び歯溝凹部を予め設けておく場合、この歯形凸部及び歯溝凹部は、例えばプレス加工、切削加工、放電加工、レーザー切断加工や研磨加工により形成することができる。この際、歯形凸部の歯丈の高いものとしておくことにより、第1部材が第2部材が圧入進退方向に対して略直行する方向に相対移動することをより確実に規制することが可能となる。具体的には、この歯形凸部の全歯丈は0.9〜1.5mm程度とすることが好ましい。
【0039】
さらに、第1部材の硬度は、ビッカース硬さで、450Hv以上とする一方、第2部材の硬度は80〜150Hv程度とし、かつ、第1部材の硬度を第2部材の硬度の3倍以上とすることが好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0041】
この実施形態は、自動車用オートマチック部品としてのシャフト及びハブよりなる塑性結合部品に本発明を適用したものである。
【0042】
(第1実施形態)
シャフト1とハブ2とが一体的に塑性結合された、シャフト1及びハブ2よりなる2部材の塑性結合部品を図1に示す。図2はこの塑性結合部品の結合状態を示す部分断面図であり、図3は図1のA矢視部分平面図、図4は図1のB矢視部分底面図である。
【0043】
シャフト1は、軸直角断面形状が円形のパイプ状(中空軸状)をなし、軸部11と、軸部11の一端から遠心方向に水平に階段状に延出して、内周側の第1水平部12a及び外周側の第2水平部としての外周縁端部12bをもつ鍔部12とを一体に有している。このシャフト1は本発明に係る第1部材を構成し、また、シャフト1の外周縁端部12bは本発明に係る第1結合部を構成する。そして、シャフト1の外周縁端部12bの外周端面(円周外面)12cが本発明に係る第1結合面を構成する。
【0044】
ハブ2は、外側円筒部21と、この外側円筒部21の下端から求心方向に一体に略水平に延出する水平フランジ部22と、この水平フランジ部22の求心側端縁から垂直に上方に向かって一体に延出する内側円筒部23とから構成されている。そして、外側円筒部21の外周面には、転造等により予め成形された歯形部21aが設けられている。なお、この歯形部21aは±0.09レベルの高精度が要求されるものである。このハブ2は本発明に係る第2部材を構成し、また、ハブ2の内側円筒部23は本発明に係る第2結合部を構成する。そして、ハブ2の内側円筒部23の内周面(円周内面)23aが本発明に係る第2結合面を構成する。なお、外側円筒部21及び内側円筒部23は同軸をなし、外側円筒部21の方が内側円筒部23よりも軸方向長さが長くされている。
【0045】
これらのシャフト1及びハブ2は、後述する製造方法で説明するように、外周縁端部12bを内側円筒部23に食い込ませながら該内側円筒部23に対して該外周縁端部12bを軸方向に相対的に押し込んで圧入することにより外周端面12cと内周面23aとが対面した状態で一体的に塑性結合されている。
【0046】
また、図2に示されるように、シャフト1の外周縁端部12bの下側(圧入の進退方向(シャフト1及びハブ2の軸方向)における圧入進行側)における内側円筒部23の内周面23aには、該外周縁端部12bの下端面(第1端面)12dに当接された棚部24が後述する圧入工程時に一体に形成されるとともに、外周縁端部12bの上側(圧入の進退方向における圧入後退側)における内側円筒部23の内周面23aには、外周端面12cと直交する上端面(第2端面)12eに当接されたかしめ加工部25が後述するかしめ加工工程時に一体に形成されており、該棚部24及び該かしめ加工部25間で該外周縁端部12bが圧入の進退方向に挟持されている。
【0047】
上記棚部24及びかしめ加工部25は円環状に連続して延びている(図3及び図4参照)。また、棚部24は、後述する圧入工程で、外周縁端部12bの後述する歯形凸部14で内側円筒部23の材料が圧入進行側へ押し流されることにより該歯形凸部14の圧入進行側に形成された複数の肉厚棚部24aと、後述する歯溝凹部15で内側円筒部23の材料が圧入進行側へ押し流されることにより該歯溝凹部15の圧入進行側に形成され、肉厚棚部24よりも肉厚の薄い(高さの低い)複数の肉薄棚部24bとから構成されている。これら肉厚棚部24a及び肉薄棚部24bは周方向に交互に配設されている。
【0048】
また、シャフト1の外周縁端部12bの外周端面12cには、軸方向(圧入進退方向)と平行に歯すじが延びる複数の歯形凸部14及び歯溝凹部15が予め設けられている。そして、ハブ2の内側円筒部23の内周面23aには、軸方向と平行に歯すじが延びる形成歯溝凹部28及び形成歯形凸部29が後述する圧入工程時に一体に形成され、シャフト1の歯形凸部14及び歯溝凹部15とハブ2の形成歯溝凹部28及び形成歯形凸部29とが隙間無く噛み合い係合している(図3参照)。シャフト1の外周縁端部12bに予め設けられた歯形凸部14及び歯溝凹部15は、後述するようにプレス加工によるもので、歯形凸部14の歯丈は高トルクに対応すべく1.2mmとされている。
【0049】
そして、上記シャフト1はビッカース硬さがHv800程度であるSCM420H(浸炭処理されたクロムモリブデン鋼)よりなり、上記ハブ2はビッカース硬さがHv100程度であるSPHD(熱間圧延鋼板)よりなる。また、上記棚部24は、内側円筒部23の内周面23aから求心方向に突出して外周縁端部12bと径方向に重なる部分の長さが2.0mmであり、軸方向における厚さが厚肉棚部24aの部分で約1.0mm、薄肉棚部24bの部分で約0.5mmである。さらに、上記かしめ加工部25は、内側円筒部23の内周面23aから求心方向に突出して外周縁端部12bと径方向に重なる部分の長さが1.0mmであり、軸方向における厚さが1.0mmである。
【0050】
また、シャフト1とハブ2とを結合する前の状態において、シャフト1の外周縁端部12bの歯形凸部14における外径及び歯溝凹部15における外径は、いずれもハブ2の内側円筒部23の内周面23aの内径よりも大きく設定されている。
【0051】
なお、ハブ2の内側円筒部23側の水平フランジ部22の下端面22aには、後述する押さえ込み工程で後述する突起部40が食い込むことにより形成された円環状に連続して延びる溝状痕22bが凹設されている。この溝状痕22bは後述する突起部40の断面形状に対応した内面形状を有している。
【0052】
上記構成を有するシャフト1及びハブ2よりなる2部材の塑性結合部品は、以下に示すように塑性結合したものである。
【0053】
<準備工程>
まず、パイプ状素材からプレス加工等により軸部11の一端に鍔部12を一体に有するシャフト1を所定形状に成形した。
【0054】
また、板状素材からプレス加工等により外側円筒部21、水平フランジ部22及び内側円筒部23を一体に有するハブ2を所定形状に成形した。
【0055】
そして、転造加工することにより、外側円筒部21の外周面に歯形部21aを成形した。
【0056】
<セレーション成形工程>
図5に示されるように、ダイス穴31aの内周面にセレーションとしての歯形凸部14及び歯溝凹部15を成形するための歯成形部31bが下方部に形成された第1ダイス31を準備した。なお、第1ダイス31のダイス穴31aの内径は、外周縁端部12bの外周端面12cの外径と略同一とされている。
【0057】
そして、シャフト1を第1ダイス31のダイス穴31a内にセットしてから、このシャフト1の軸部11の孔内に嵌合される中央凸部32aと、鍔部12の外周縁端部12bの上端面12eに当接される環状当接面32bとを有する第1パンチ32でシャフト1をダイス穴31a内の下方に押し込んで、第1ダイス31の歯成形部31bで外周縁端部12bの外周端面12cに歯形凸部14及び歯溝凹部15を成形した。
【0058】
<配置工程>
次に、中心孔33aを有する受け型33と、この中心孔33a内に昇降可能に配設され、ダイス穴34a及び段状部34bを有する環状の分割ダイス34とを準備した(図6参照)。この受け型33の内周側の上面33aには、図7に示されるように、円環状に連続して延びる突起部40が一体に設けられている。なお、分割ダイス34のダイス穴34aの内径は、軸部11の外径と略同一とされている。
【0059】
この突起部40は、後述する圧入工程で、ハブ2の材料が望ましくない方向(外側円筒部21を径方向外方に変形させるように塑性流動する方向であって、ハブ2の材料が内側円筒部23側から水平フランジ部22を経て外側円筒部21側へ塑性流動する水平方向。以下、同様)に塑性流動することを阻止するためのものである。
【0060】
上記突起部40は、鋭角先端部41を有する略直角三角形状の断面形状をなし、ハブ2の材料が望ましくない方向に塑性流動する方向に対して略直交する方向に延在して、塑性流動するハブ2の材料を受け止める垂直受け面42と、傾斜が緩やかな傾斜面(傾斜角:30度程度)43とを有している。
【0061】
また、上記突起部40は、後述する圧入工程で、内側円筒部23に対して外周縁端部12bを相対的に押し込んで圧入する際の押圧力が作用する部位に設けられている。具体的には、受け型33の内周側の上面33aであって、この受け型33に対してハブ2を所定位置にセットした状態で、ハブ2の内側円筒部23の外周面に略対応する位置に突起部40の垂直受け面42が位置するように(内側円筒部23の外周面と突起部の垂直受け面42とが略同一の円周面上に位置するように)、突起部40が設けられている。
【0062】
さらに、上記突起部40の大きさ(受け型33の上面33bから突起部40の鋭角先端部41までの高さ)は、突起部40を食い込ませる水平フランジ部22の板厚の20%程度とされている。
【0063】
この配置工程では、受け型33の上面33b上の所定位置にハブ2をセットした。
【0064】
<押さえ込み工程>
そして、リング状押さえ型35を用いてハブ2の水平フランジ部22を受け型33の上面33bに対して所定荷重で押さえ込んだ(図6参照)。これにより、受け型33の突起部40をハブ2の水平フランジ部22に食い込ませて水平フランジ部22内に進入させた。このとき、突起部40は鋭角先端部40を有していることから、比較的小さな押さえ込み荷重でも突起部40を容易に水平フランジ部40内に食い込ませることができた。なお、このときの押さえ込み荷重は、突起部40の全体が水平フランジ部22内にほぼ完全に食い込むように設定した。
【0065】
こうして、受け型33及びリング状押さえ型35でハブ2の水平フランジ部22を挟持するとともに、リング状押さえ型35の内周面35aでハブ2の内側円筒部23の外周面を拘束した。なお、リング状押さえ型35で内側円筒部23を拘束するのは、圧入工程時及び後述するかしめ工程時における内側円筒部23の変形を防止するためである。
【0066】
<圧入工程>
そして、上記押さえ込み工程の状態を維持しつつ、図6に示されるように、分割ダイス34のダイス穴34a内にシャフト1の軸部11をセットした。このとき、前述したように、シャフト1の外周縁端部12bの歯形凸部14における外径及び歯溝凹部15における外径は、いずれもハブ2の内側円筒部23の内周面23aの内径よりも大きく設定されていることから、シャフト1の外周縁端部12bは内側円筒部23の内周側上端面上に置かれるとともに、歯形凸部14及び歯溝凹部15はいずれも内側円筒部23上に位置している。
【0067】
そして、シャフト1を軸方向に第2パンチ36で上方から押し込んで下降させ、シャフト1の第1水平部12aの下端面を分割ダイス34の段状部34bに当接させて圧入工程を終了した(図8の状態)。なお、圧入工程終了時には、シャフト1の鍔部12のうち内周側の第1水平部12aのみが分割ダイス34の段状部34bに当接し、外周側の第2水平部たる外周縁端部12bの下端面12dと分割ダイス34の上面との間に設けられた逃げ凹部内に前記棚部24が形成される。こうして、ハブ2の内側円筒部23内にシャフト1の外周縁端部12bを押し込んでシャフト1とハブ2とを塑性結合した。
【0068】
ここに、前記突起部40は、内側円筒部23に対して外周縁端部12bを押し込んで圧入する際の押圧力が作用する部位に設けられていることから、この圧入工程では、この第周縁端部12bを押し込んで圧入する際の押圧力により突起部40が水平フランジ部22内にさらに強固に食い込み、突起部40の全体が水平フランジ部22内にほぼ完全に食い込んだ。
【0069】
また、この圧入工程では、シャフト1の外周縁端部12bの歯形凸部14及び歯溝凹部15の双方が内側円筒部23の内周面23aに食い込みながら、内側円筒部23に対して外周縁端部12bが軸方向に押し込まれるので、内側円筒部23の材料が歯形凸部14及び歯溝凹部15で圧入進行側に押し流されて塑性流動した。これにより、歯形凸部14及び歯溝凹部15と互いに隙間無く噛み合う形成歯溝凹部28及び形成歯形凸部29を内側円筒部23の内周面23aに形成する一方、各歯形凸部14の圧入進行側における内側円筒部23の内周面23aに肉厚棚部24aを形成するとともに、各歯溝凹部15の圧入進行側における内側円筒部23の内周面23aに肉薄棚部24bを形成した。
【0070】
さらに、この圧入工程では、外周縁端部12bの押し込みにより、ハブ2の内側円筒部23の材料が上述のとおり圧入進行側(軸方向であって、図7の下方側でP矢印方向)に塑性流動した後、ハブ2の材料が内側円筒部23側から水平フランジ部22を経て外側円筒部21側へ水平方向に塑性流動しようとするが、この望ましくない方向(径方向外方であって、図7の右側から左側でQ矢印方向)への塑性流動が水平フランジ部22内に進入した円環状の上記突起部40により円周方向に連続して部分的に阻止された。このとき、突起部40は垂直受け面42を有していることから、ハブ2の材料が垂直受け面42に沿って滑るように塑性流動することがなく、より確実に塑性流動を阻止することができた。これにより、ハブ2の材料が突起部40より外周側へ塑性流動することはほとんどなかった。
【0071】
<かしめ加工工程>
最後に、図8に示される状態から上記第2パンチ36を上昇させた後、図9に示されるように、第1分割ダイス34の段状部34bでシャフト1の第1水平部12aを支えるとともに上記リング状押さえ型35でハブ2の水平フランジ部22を押さえかつ内側円筒部23を拘束しながら、かしめ加工部25を成形するための環状凸部39aを下面の外周端部に有する第3パンチ39で、内側円筒部23の内周側上端面を押圧して押し潰した。これにより、シャフト1の外周縁端部12bの圧入後退側における内側円筒部23の内周面23aにかしめ加工を施してかしめ加工部25を形成した。
【0072】
こうして得られた塑性結合部品では、シャフト1とハブ2とは、シャフト1の外周縁端部12bがハブ2の内側円筒部23に圧入されるとともに、該外周縁端部12bが内側円筒部23の内周面23aに形成された棚部24及びかしめ加工部25間で軸方向に挟持されることにより、軸方向における相対移動が確実に規制されている。また、シャフト1とハブ2とは、外周縁端部12bが内側円筒部23に圧入されるとともに、外周縁端部12の歯形凸部14及び歯溝凹部15と内側円筒部23の形成歯溝凹部28及び形成歯形凸部29とが噛み合い係合されることにより、相対回転も確実に規制されている。したがって、このシャフト1及びハブ2よりなる塑性結合部品は、軸方向及び回転方向の荷重に十分耐えうるものとなる。
【0073】
また、外周縁端部12の歯形凸部14及び歯溝凹部15と内側円筒部23の形成歯溝凹部28及び形成歯形凸部29とが隙間無く噛み合い係合していることから、歯形凸部14及び歯溝凹部15と形成歯溝凹部28及び形成歯形凸部29との間において、隙間がない分だけ、気密性や液密性を向上させるのに有利となる。
【0074】
そして前述したように、圧入工程時に、外周縁端部12bの押し込みによりハブ2の材料が望ましくない方向に塑性流動することを上記突起部40により阻止しながら圧入していることから、ハブ2の材料の望ましくない方向への塑性流動が突起部40の垂直受け面42で阻止された分だけ、この塑性流動の影響によるハブ2の望ましくない変形、すなわち外側円筒部21が径方向外方に広がってしまうという変形の発生を防止することができた。
【0075】
したがって、この塑性結合方法によれば、外側円筒部21の歯形部21aの精度低下を防止することができた。
【0076】
また、塑性流動による望ましくない変形の見込み量を予め把握しておく必要がなく、また、高精度に制御しながら圧入工程等を実施する必要もないので、生産性が犠牲になることもない。
【0077】
(その他の実施形態)
なお、上述の実施形態では、突起部40を受け型33に一体に設ける例について説明したが、上記突起部40を受け型33に別体として設けてもよい。
【0078】
また、受け型33の上面33aに上記突起部40を設けるとともに(又は設ける代わりに)、リング状押さえ型35の下面に上記突起部40を一体に又は別体に設けることもできる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の塑性結合部品の製造方法によれば、第1結合部の押し込みにより第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することを突起部で阻止しながら圧入工程を実施することから、生産性を犠牲にすることなく、塑性流動の影響を受けて第2部材に望ましくない変形が生じてしまうことを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係り、シャフトとハブとを結合した状態を示す断面図である。
【図2】 上記実施形態に係り、シャフトとハブとの結合構造を示す部分断面図である。
【図3】 上記実施形態に係り、歯形凸部等の形状を示す図1のA矢視部分平面図である。
【図4】 上記実施形態に係り、棚部等の形状を示す図1のB矢視部分底面図である。
【図5】 上記実施形態に係り、セレーション成形工程を説明する要部断面図である。
【図6】 上記実施形態に係り、圧入工程を説明する図であり、圧入する前の状態を示す断面図である。
【図7】 上記実施形態に係り、圧入工程を説明する図であり、圧入途中の状態を示す部分拡大断面図である。
【図8】 上記実施形態に係り、圧入工程を説明する図であり、圧入した後の状態を示す断面図である。
【図9】 上記実施形態に係り、かしめ加工工程を説明する断面図である。
【図10】 従来例に係り、シャフトとハブとを結合した状態を示す断面図である。
【図11】 上記従来例に係る塑性結合部品の製造方法を説明する断面図である。
【図12】 上記従来例に係る塑性結合部品の製造方法を説明する図であり、圧入途中の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…シャフト(第1部材) 2…ハブ(第2部材)
12b…外周縁端部(第1結合部)
12c…外周端面(第1結合面) 3…内側円筒部(第2結合部)
23a…内周面(第2結合面) 24…棚部
25…かしめ加工部 33…受け型
35…リング状押さえ型 40…突起部
41…鋭角先端部 42…垂直受け面
Claims (7)
- 第1結合面をもつ第1結合部を有する第1部材と、該第1部材よりも硬度の低い材料よりなり、第2結合面をもつ第2結合部を有する第2部材とからなり、該第1結合部を該第2結合部に食い込ませながら該第2結合部に対して該第1結合部を相対的に押し込んで圧入し、該第1結合部の押し込みにより該第2部材の材料を塑性流動させながら該第1結合面と該第2結合面とが対面した状態で両部材を一体的に塑性結合させてなる塑性結合部品の製造方法であって、
上記第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することを少なくとも部分的に阻止しうる塑性流動阻止用の突起部が型面に設けられた受け型を用い、該受け型の該型面上に上記第2部材を配置する配置工程と、
押さえ型を用いて上記第2部材を上記受け型に対して押さえ込むことにより、上記突起部を該第2部材に食い込ませて該第2部材内に進入させる押さえ込み工程と、
上記第1結合部を上記第2結合部に食い込ませながら該第2結合部に対して該第1結合部を相対的に押し込んで圧入することにより、該第1結合部の押し込みにより上記第2部材の材料が望ましくない方向に塑性流動することを上記突起部で少なくとも部分的に阻止しながら、該第1結合部で圧入進行側に押し流される該第2結合部の材料の塑性流動により圧入進行側における該第2結合部の上記第2結合面に棚部を形成するとともに、上記第1結合面と該第2結合面とが対面した状態で上記第1部材と上記第2部材とを一体的に塑性結合する圧入工程とを順に実施することを特徴とする塑性結合部品の製造方法。 - 前記突起部は鋭角先端部を有していることを特徴とする請求項1記載の塑性結合部品の製造方法。
- 前記突起部は、略直角三角形状の断面形状をなし、前記第2部材の材料が望ましくない方向へ塑性流動する方向に対して略直交する方向に延在して、塑性流動する該第2部材の材料を受け止める垂直受け面を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の塑性結合部品の製造方法。
- 前記突起部は、前記圧入工程で前記第2結合部に対して前記第1結合部を相対的に押し込んで圧入する際の押圧力が作用する部位に設けられており、該圧入工程では該押圧力により該突起部を前記第2部材にさらに食い込ませることを特徴とする請求項1、2又は3記載の塑性結合部品の製造方法。
- 前記第1結合面には、圧入の進退方向に歯すじが延びる複数の歯形凸部及び歯溝凹部が予め設けられており、
前記圧入工程では、各上記歯形凸部及び各上記歯溝凹部のうちの少なくとも各該歯形凸部が前記第2結合部に食い込むように圧入することにより、上記第2結合面を各該歯形凸部及び各該歯溝凹部と対応するように塑性変形させて各該歯形凸部及び各該歯溝凹部と噛み合い係合する形成歯溝凹部及び形成歯形凸部を該第2結合面に形成することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の塑性結合部品の製造方法。 - 前記第1結合面及び前記第2結合面のうちの一方は円周外面よりなる一方、他方は円周内面よりなり、前記突起部は円環状に延びていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の塑性結合部品の製造方法。
- 前記圧入工程の後に、圧入後退側における前記第2結合部にかしめ加工を施して、前記棚部と共に該第1結合部を圧入進退方向に挟持可能なかしめ加工部を前記第2結合面に形成するかしめ工程を実施することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の塑性結合部品の製造方法。
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