JP4005928B2 - 屈曲自在ルアー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ルアーフィッシイングにおいて魚を釣る擬餌バリとして使用するルアーであって、体を自在にくねらせ得る屈曲自在ルアーに関する。
【0002】
【従来の技術】
ルアーフィッシイングは、1700年代ヨーロッパに、釣り人が誤ってスプーンを湖に落としたところマスが飛びついたのがきっかけとなって始まり、ルアーについて今日に至るまで様々な工夫がなされ、多種類のルアーが提供されてきている。ルアーフィッシイングの魅力は、生き餌や本物の餌を使わないで、イミテーションの餌(ルアー)を使っての釣りであるので、ルアーの種類を選択して操作し、魚とのかけひきを楽しむことにあるとされる。
【0003】
ルアーの種類については、色や形、大きさ、材質、または浮くもの、沈むもの、音を出すもの、等とタイプも膨大である。大きく分類してみると、形態では、エビ、ミミズ、昆虫類などの生物形状を模すものとして、スピナー、スプーン、スピナーベイト、プラグ、ジグ、ソフトルアーの6タイプがあり、材質では、主に成形の都合から、金属性、バルサ・プラスチック、ソフトプラスチックの3タイプがる。そのうち、疑似餌の生物に似せて体を自在にくねらせることができるものは、塩化ビニール等のソフトプラスチックで成形されるソフトルアーだけであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来、体をくねらせることのできるルアーは、軟質プラスチックの材質により変形自在であるけれども、強度が無いために軟質本体にフック等を取り付けることはできなかった。そこで、フックの取り付けについては、釣り糸にルアー本体と共にフックを直接取り付けていたので、フックの位置が前端部となり限定されるという問題があった。また別の方法として、ルアーを硬質プラスチックと軟質プラスチックとで一体に成形し、硬質プラスチックの部分に釣り糸やフックの接続アイが取り付けられていたが、こうしても、フックの位置が硬質プラスチック部分に限定される難点があり、限定されないように、硬質部分を長い範囲にわたって形成すると、全体的な変形をなし得なくなるという問題があった。
【0005】
また、屈曲自在ルアーに近いものとして、例えば、金魚を模したルアー形態として、胴体と尻尾とを金具で連結したルアーを挙げることができるが、これであると、金具が一対の(アイ形の)金輪で相互に結合したものであって、金具の一方の金輪を胴体に、他方の金輪を尻尾にそれぞれインサート成形や螺入により一体化されていたので、構造が複雑となり量産に適しなく、また、両金輪の結び構造から胴体と尻尾との間にどうしても多くの空間が生じて微細な連結ができなく、幾つも多数の片を連続的に連結して、擬似餌生物に似せて変形自在にするのには全く適しなかった。
【0006】
この発明は、上記のような実情に鑑みて、硬質プラスチック製であっても柔軟に全体的に変形でき、また、アイの取付け位置が制約されなく自由となり、さらに、構造が簡単であるため量産にも適する屈曲自在ルアーを提供すること目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、ルアー本体が、推進軸方向に間隔をおいて断続的に幾つかに分割してなる部分片の連続であって、その一連の部分片に貫通する可撓性心材を入れてインサート成形してなり、各部分片の間の間隔において、可撓性心材が曲がり得るようにした屈曲自在ルアーにおいて、可撓性心材が各部分片の中心を通る線材であって、両端部には、両端の部分片から抜けないように、その端の部分片にインサートされる止め塊を予め固着し、また、屈折に伴う疲労を防止するために、端の部分片に一部インサートされて間隔に露出するクッションを予め通してあることを特徴とする屈曲自在ルアーを提供するものである。
【0008】
また、第2の発明は、ルアー本体が、推進軸方向に間隔をおいて断続的に幾つかに分割してなる部分片の連続であって、その一連の部分片に貫通する可撓性心材を入れてインサート成形してなり、各部分片の間の間隔において、可撓性心材が曲がり得るようにした屈曲自在ルアーにおいて、可撓性心材が薄板であって、それに各部分片が結合し得るように、貫通する多数の抜け穴を設けて成形時に部分片肉が抜け穴に通しに充填されていることを特徴とする屈曲自在ルアーを提供するものである。
【0009】
【作用】
屈曲自在ルアーを上記のように構成したから、一連の部分片の各間に間隔を有するが、その間隔はインサート成形により制約されることなく狭くも設定できるので、多数の部分片の連続において順次曲がるように、全体的に自然で自由な屈曲変形を持たせ得る。また、原則的には各部分片を硬質プラスチックで形成するので、いずれの箇所においても釣り糸やフックの接続アイを強固に取り付けることができる。
【0010】
この発明においては、可撓性心材11の通しにより各部分片5,6,7,8が一体的に連続して、その連続においてルアーの形態が整うようにしたものであるので、ルアーの形態は特に制約されなく、従来にない新規タイプも出現させることができるが、従来型への適用としては、例えば、これまで動きがなかったプラグに有効に実施することができる。
【0011】
可撓性心材11の材質については、金属、特殊繊維、シリコン、ゴム等の単体、又はこれらの複合素材が挙げられ、また、形状については、線、板、管、リング等が挙げられる。
【0012】
可撓性心材11が線材であるときには(第1の発明)、プラスチックであるとそれが各部分片5,6,7,8とインサート成形時に馴染みやすく結着するので、部分片5,6,7,8との特別な結合手段を必ずしも要しないが、例えば、プラスチックとは異質なワイヤー等の金属製であるときには、両端に止め塊13,13を固着して結着を強固とする。また、疲労により切れないように、両端部の曲がり箇所にクッション12,12を通して両端の部分片5,7から露出させておく。
【0013】
可撓性心材11が薄板材であるときには(第2の発明)、それに抜け穴19,19,・・を設けて各部分片5,6,7,8との結合を強化できる。なお、線材であるときには自由な方向に屈曲できるが、板材であるときにはその両面方向へのみ屈曲することになる。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の屈曲自在ルアーによれば、硬質プラスチック製であっても柔軟に全体的に変形でき、ルアーが擬似する動物と同じ曲がりくねる動作となるので、魚類が違えて飛びつきやすくなり、また、釣り糸やフックの接合アイの取付け位置が制約されなく自由となり、さらに、構造が簡単であるため量産にも適するという優れた効果がある。
【0015】
【実施例】
以下、図面の実施例に基づいて説明するが、これは例示であるので、この発明がこれらの記載により限定されるものではないことは言うまでもない。
【0016】
図1ないし図3は一実施例であって、その屈曲自在ルアーRは、リップ3を有するプラグに類するものとして実施した例を示したもので、本体1を頭部分片5、胴部分片6、尻部分片7による大まかな配置を取るが、頭部分片5と胴部分片6との間に一片の短部分片8を、胴部分片6と尻部分片7との間に多数の短部分片8,8,・・をそれぞれ介在させてある。そして、隣接する各部分片5,6,7,8との間にほぼ一定の間隔10,10,・・を設けた状態で、インサートとしての可撓性心材11により一連に連結してある。
【0017】
可撓性心材11には、細い糸状の金属線で撚ったワイヤーが用いられ、インサート成形において、金型にはキャビティの中心にそのワイヤーを通して硬質プラスチックの湯が注入される。この時、ワイヤー外面の凹凸と湯が結合して固まるので、間隔10,10,・・が確実に保持される。また、ワイヤーの両端には、金属製の止め塊13,13を加締めて固着し、それが頭部分片5と尻部分片7の中に一体化されているので、このことによっても、全体の組合せがワイヤーを介して確実に保持される。
【0018】
可撓性心材11としてワイヤーの両端部には、ゴム質素材からなる楕円球状のクッション12を取り付け、クッション12には孔を設けて可撓性心材11に移動可能に通し、インサート成形するときには、金型の中において、頭部分片5と尻部分片7との相対向する面位置にそれぞれクッション12,12を位置させる。こうして、頭部片5と尻部片7とが転じるワイヤーの付け根が保護される状態となるので、このクッション12によりワイヤーが頭部分片5と尻部分片7との付け根で極端に曲がることが抑制される。また、頭部分片5と一体のリップ3に釣り糸を接続するアイ15が、胴部分片6と、尻部分片7とにフック17,17を接続するアイ16,16がそれぞれ取り付けられる。
【0019】
図4および図5は、リップの無いプラグに実施したものであるが、この場合は、可撓性心材11にステンレス製の金属薄板が使用される。この場合も、アイ15,16,16を取り付ける強度を確保するために、頭部分片5、胴部分片6、尻部分片7が比較的大きく形成され、頭部分片5と胴部分片6、胴部分片6と尻部分片7とのそれぞれの間に数個の短部分片8,8,・・が介在され、それが金属薄板で連結される。この連結を強化するために、各部分片5,6,7,8に相当する位置に抜け穴19,19,・・を設け、そこにインサート時に湯の注入によるプラスチックが充填されている。
【0020】
また、胴部分片6において、金属薄板には、上部に大きく抜け穴19を形成し、下部に大きく切欠20を設け、抜け穴19に浮き子21を、切欠20に重り子23をそれぞれ入れてある。図6は、同実施例における可撓性心材11としての金属薄板と類似するものを示した。また、図7は、同じく金属薄板をしめしたもので、この場合は、多くの抜け穴19,19,・・を長手方向の長孔として形成し、胴部分片6の抜け穴19は上下にやゝ長い矩形に大きく形成し、そこに前記のように浮き子や重り子を入れうるようにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の屈曲自在ルアーを示す斜視図である。
【図2】 同屈曲自在ルアーの縦断面図である。
【図3】 同屈曲自在ルアーにおける可撓性心材の拡大断面図である。
【図4】 他の実施例による屈曲自在ルアーを示す縦断面図である。
【図5】 同屈曲自在ルアーの平面図である。
【図6】 前記実施例における可撓性心材と類例の可撓性心材を示す正面図である。
【図7】 さらに他の類例可撓性心材を示す正面図である。
【符号の説明】
R ルアー
1 ルアー本体
5,6,7,8 部分片
10 間隔
11 可撓性心材
12 クッション
13 止め塊
19 抜け穴
Claims (2)
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