JP4005162B2 - 浄水器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道の蛇口に接続し、脱臭や有害有機物の除去などを行う浄水器の構造に関し、特に本体から浄水カートリッジの接続が外れた場合に、水道水の噴出を防止し、かつ本体内の昇圧を防止する浄水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
水道水の消毒の目的で注入されている塩素の臭気や、その他の有機物の除去を目的に、各種の浄水器が開発されている。現在一般家庭で多く使用されている浄水器は、蛇口直結形と呼ばれるもので、水道の蛇口に直接接続して使用する小形軽量のものである。従来の浄水器は、浄水用の濾材を充填したカートリッジを、本体のカバー内部に収容するものである。このタイプの浄水器は、カートリッジを交換するとき、カバーを外して行わねばならず、カートリッジ交換に手間がかかった。近年、たとえば特開平8−132027のように、カートリッジをハウジングに収納し、本体に直接着脱自在に接続するものが開発されている。このタイプの浄水器は、カートリッジのカバーが不要であり、カートリッジ交換の手間が軽減されるとともに、浄水器の小形化が可能である。
【0003】
しかしながら、浄水カートリッジが直接外部に露出するため、外部の衝撃等によって、本体から浄水カートリッジが脱落することも稀に生じる。浄水カートリッジへの通水中に、このような事態が発生すると、本体の浄水流路出口から勢いよく噴出した水道水が飛散し、周囲を汚損するという問題がある。
【0004】
また、本体から浄水カートリッジの接続が外れた場合に、止水手段が作動すると、本体内の水圧が上昇して、本体に強度上の問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、浄水カートリッジへの通水中に、本体から浄水カートリッジが脱落した場合、本体の浄水流路の出口から水道水が勢いよく噴出しない浄水器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水道の蛇口に取付け可能であって、蛇口から供給される水道水を原水流路と浄水流路とに切換える切換手段を有する本体と、該本体に対して接続機構を介して着脱可能に装着される浄水カートリッジとを含み、本体の浄水流路と浄水カートリッジの流入路とは接続時に前記接続機構によって連通する浄水器において、
浄水カートリッジが本体から外れたとき、本体の浄水流路の出口から水道水が噴出することを防止する噴出防止手段を有し、
噴出防止手段は、蛇口から浄水流路に供給される水道水の圧力によって作動される弁を有し、弁が作動したときに小流量で水道水が流出するように構成されることを特徴とする浄水器である。
本発明に従えば、本体の浄水流路の出口に噴出防止手段が設けられているので、浄水カートリッジへ通水中に本体から浄水カートリッジが脱落したときに、前記出口から水道水が噴出しない。噴出防止手段は、蛇口から浄水流路に供給される水道水の圧力によって作動される弁によって実現されるので、前記出口からの水道水の噴出を、簡単な構成で確実に防止することができる。
浄水カートリッジへの通水中に本体から浄水カートリッジが外れ、弁が作動すると、水道水の圧力が直接本体に作用し、本体内の圧力が上昇する。これによって本体が蛇口から離脱し、最悪の場合には本体が破損する恐れがある。この点を考慮して、噴出防止手段は、弁が作動したときに小流量で水道水が流出するように構成される。これによって本体内の昇圧を防ぎ、前述のような事態を防ぐことができる。
【0007】
また本発明は、前記弁は、弁体とを有し、
弁体の弁座に圧着される部分には、切欠き溝が設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、弁体の弁座に圧着される部分には、切欠き溝が設けられるので、弁が作動して弁体が弁座に圧着されても、小流量で水道水を流出させることができる。
【0008】
また本発明は、前記弁体には、弁座の開口に挿通される案内部材が設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、弁体には、弁座の開口に挿通される案内部材が設けられるので、この案内部材の先端を、浄水カートリッジに設けられる押圧面で押圧することによって、弁体を弁座から離れさせ、本体の浄水流路と浄水カートリッジの流入路とを連通させることができる
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づいて、より具体的に説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施例の形態の浄水器11を蛇口1に取付けた状態を示す側面図である。浄水器11は、本体12と浄水カートリッジ21とを含み、両者は、接続機構13によって接続される。本体12は、図示しない弾性部材が内側に設けられた取付部14によって水密に蛇口1に取付けられる。また本体12には流路切換弁15が設けられ、蛇口1からの水道水を原水流路16または浄水流路17に切換える。
【0011】
浄水カートリッジ21内は、仕切板22によって第1室23と第2室24とに分けられ、第1室23の第1多孔板25の上部および第2室24の第2多孔板26の上部には活性炭などから成る脱臭剤が充填されている。第2多孔板26の下部は、濾過層である。
【0012】
浄化されるべき水道水は、蛇口1から本体12の浄水流路17を通って、後述する接続機構13から浄水カートリッジ21に導入される。浄水カートリッジ21内で水道水は第1多孔板で分散され、活性炭層によって脱臭と有機物の除去とが行われ、第2多孔板26から濾過層を通って浄水出口27に導かれる。
【0013】
図2は切換弁15による流路切換え状態を説明するための説明図であり、図2(a)は原水流路16に、図2(b)は浄水流路17に、流路が切換えられた状態をそれぞれ示す。
【0014】
図3は、本体12と浄水カートリッジ21との接続機構13の一例を示す断面図である。接続機構13は円筒状に構成され、本体側接続部30と浄水カートリッジ側接続部44とから成る。図3(a)は浄水カートリッジ21が本体12に接続された状態を示し、図3(b)は両者が接続されていない状態を示す。本体12の浄水流路17には、弁体32と案内部材33とから成る弁31が挿入されている。このような弁31を含んで、噴出防止手段が構成される。浄水カートリッジ21が接続されていない状態で、図3(b)に示すように弁体32は、浄水流路17内の水圧によって弁座部材34の方に押付けられ、弁座部材34の弁座に圧着し、浄水流路17内の水道水は、浄水流路17の出口から噴出することはない。このように噴出防止手段は、蛇口1から浄水流路17に供給される水道水の圧力によって作動される弁31によって実現されるので、前記出口からの水道水の噴出を、簡単な構成で確実に防止することができる。
【0015】
本体側接続部30は、弁座部材34がリング状に突出した内側突出部35とハウジング36がリング状に突出した外側突出部37とから成り、内側突出部35にはOリング38を入れる溝39が設けられている。外側突出部37には、係止溝39と係止溝39の先端に間隔をあけて外方に突出する突起40が設けられている。一方浄水カートリッジ側接続部44は、押圧部材45と係止部材50とから構成される。押圧部材45は、中央に水道水を導入する流入路46と、案内部材33の先端を押圧する押圧面47と、内側突出部35と、外側突出部37との間に挿入されるリング状の突出部48とを有する。係止部材50は、リング状に形成され、その先端に間隔をあけて内方に係止片51が設けられている。
【0016】
浄水カートリッジ21を本体12に接続するには、係止片51を突起40が設けられていない個所に合せて、突出部48を内側突出部35と外側突出部37との間に挿入して、浄水カートリッジ21を本体12側へ押し込み、浄水カートリッジ21を回転させて、突起40に係止片51を係止して固定する。このとき浄水出口が希望する方向、一般には下方に向くようにする。これによって押圧面47が案内部材33の先端を押圧し、弁体32が弁座部材34の弁座から離れ、浄水流路17と入口管路46とが接続される。また突出部48の内周面と内側突出部35の外周面とは、Oリング38によって水密にシールされる。浄水カートリッジ21の取外しは、前記操作を逆に行えばよい。
【0017】
図4は弁31の側面図であり、図5はその切断線V−Vによる断面図である。案内部材33は十字状の断面を有し、内側突出部35の内周面に沿って移動可能であり、開弁状態で充分な通水量が確保される。31は、水圧によって弁体32が弁座に圧着される構成が好ましいが、その他の方法、たとえばスプリングによって弁座に圧着されるものでもよい。この場合、水圧が掛からない状態でも弁31が閉状態となるので、浄水カートリッジ21の取付けは、スプリングの弾発力に抗して行わねばならず、またスプリングやスプリング受けなどが必要となり構成が若干複雑となるが、水圧が低い場合でも浄水流路出口から水が洩れる心配はない。なお浄水カートリッジ21と本体12との取付け、取外しは蛇口1の水栓2を止めた状態で行う。
【0018】
体32の弁座に圧着される面に、図5に示すような切欠き溝19が設けられる。そのため、弁31が作動して弁体32が弁座に圧着されてもごく僅かの水が流れ、本体12内の昇圧を防ぐことができる。したがって水道水の圧力によって本体12が蛇口1から離脱したり本体12が破損したりすることを防ぐことができる。
その他にばねの弾発力によって他の弁を常時閉じ、本体内に水圧が掛かったとき、ばねの弾発力に抗して他の弁を押し開くものなどが考えられるが、弁31が作動したときに本体12から小流量で水道水を流出させるための手段はこれらに限定されるものではない。
【0019】
噴出防止手段からの洩水は、勢いがなく、原水出口近くに排出され洩水にも特に問題はない。
【0020】
本実施の形態によって、浄水カートリッジ21の本体12への取付け、取外しが容易であり、浄水器使用中に浄水カートリッジ21が何らかの原因で本体12から離脱したときは、31によって浄水流路17の出口が塞がれ、水が飛散することはない。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、本体の浄水流路の出口に噴出防止手段が設けられるので、浄水器を使用中に浄水カートリッジが外れるなどのトラブルが発生しても、水の飛散が防止できる。噴出防止手段は、蛇口から浄水流路に供給される水道水の圧力によって作動される弁によって実現されるので、前記出口からの水道水の噴出を、簡単な構成で確実に防止することができる。しかも噴出防止手段は、弁が作動したときに小流量で水道水が流出するように構成されるので、本体内の昇圧を防ぐことができ、水道水の圧力によって本体が蛇口から離脱したり本体が破損したりすることを防ぐことができる。
また本発明によれば、弁体の弁座に圧着される部分には、切欠き溝が設けられるので、弁が作動して弁体が弁座に圧着されても、小流量で水道水を流出させることができる。
また本発明によれば、弁体には、弁座の開口に挿通される案内部材が設けられるので、この案内部材の先端を、浄水カートリッジに設けられる押圧面で押圧することによって、弁体を弁座から離れさせ、本体の浄水流路と浄水カートリッジの流入路とを連通させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の浄水器11を蛇口1に取付けた状態を示す側面図である。
【図2】 本体12内に設けられている切換弁15の作動を説明する説明図である。
【図3】 接続機構13の断面図である。
【図4】 31の側面図である。
【図5】 図4の切断線V−Vによる断面図である。
【符号の説明】
1 蛇口
11 浄水器
12 本体
13 接続機構
15 切換弁
16 原水流路
17 浄水流路
19 切欠き溝
21 浄水カートリッジ
27 浄水出口
30 本体側接続部
31
32 弁体
33 案内部材
34 弁座部材
35 内側突出部
36 ハウジング
37 外側突出部
44 浄水カートリッジ側接続部
45 押圧部材
46 流入路
47 押圧面
48 突出部
50 係止部材

Claims (3)

  1. 水道の蛇口に取付け可能であって、蛇口から供給される水道水を原水流路と浄水流路とに切換える切換手段を有する本体と、該本体に対して接続機構を介して着脱可能に装着される浄水カートリッジとを含み、本体の浄水流路と浄水カートリッジの流入路とは接続時に前記接続機構によって連通する浄水器において、
    浄水カートリッジが本体から外れたとき、本体の浄水流路の出口から水道水が噴出することを防止する噴出防止手段を有し、
    噴出防止手段は、蛇口から浄水流路に供給される水道水の圧力によって作動される弁を有し、弁が作動したときに小流量で水道水が流出するように構成されることを特徴とする浄水器。
  2. 前記弁は、弁体を有し、
    弁体の弁座に圧着される部分には、切欠き溝が設けられることを特徴とする請求項1記載の浄水器。
  3. 前記弁体には、弁座の開口に挿通される案内部材が設けられることを特徴とする請求項2記載の浄水器。
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