JP4004927B2 - 抄紙用フエルト洗浄剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は抄紙用フエルトに付着した汚れを洗浄する抄紙用フエルト洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
抄紙機械のプレス部で湿紙を運搬し水分を搾水する働きをするフエルトに付着する汚れは、有機汚れと無機汚れに分類される。有機汚れには紙由来の樹脂分、脱墨されずに抄紙工程に導かれたインキ、その他塗工用薬剤等があり、無機汚れには、炭酸塩、硫酸塩、燐酸塩等がある。これらの汚れが蓄積すると、フエルトが抄紙機械のプレス部で湿紙を運搬し水分を搾水する働きが低下し、高速での抄紙が困難になる。そこで、フエルトの有効寿命を延ばし、且つその間均一な搾水性を保持させる等の対策をとる必要がある。
【0003】
一般に用いられている抄紙用フエルトの洗浄薬品はアルカリ類、酸類、溶剤及び界面活性剤がある。しかしながら、従来知られているこれらの薬品を単独または併用しても無機汚れ、有機汚れに対する洗浄性、無機汚れに対する洗浄性の面で充分満足できるレベルになく、脱墨パルプの使用、抄紙スピードの高速化に対応したフエルト洗浄剤として、さらなる改善が要望されていた。中性で酸が配合されておらず界面活性剤で構成された中性系フェルト洗浄剤として、たとえば、炭素数6〜14の長鎖アルキルアルコールにエチレンオキサイドを付加した化合物と炭素数1〜6の短鎖のアルキルアルコールに炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを付加させた化合物の混合物を用いたフエルト洗浄剤が挙げられ、従来より用いられているが、このようなノニオン界面活性剤では無機汚れの除去性が劣る。さらに有機酸、無機酸を配合した酸性系フェルト洗浄剤として、たとえば特許文献1に、キレート作用のある有機酸に塩酸、硫酸、スルファミン酸等の無機酸を配合させたフエルト洗浄剤が開示されているが、有機汚れの除去性に対し満足する洗浄性を得られない。
【0004】
また、近年古紙の再生が盛んに行われるようになってきたが、古紙を脱墨処理した脱墨パルプを含むパルプ原料を抄紙した際には、抄紙用フエルトにより多く汚れが付着するといわれている。
【0005】
このような状況から、今日では、フエルト汚れに対する洗浄性は重要となってきている。その為、フエルトの汚れを除去し、良好な搾水性を維持することが重要な問題となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−348195号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、無機汚れと有機汚れの除去性に優れる抄紙用フェルト洗浄剤及びこれを用いた洗浄方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、酢酸から選ばれる2種類以上の酸(A)と、キレート剤(C)と、下記一般式(1)で表される界面活性剤(S)とを含有する抄紙用フエルト洗浄剤に関する。
【0009】
【化2】
【0010】
〔式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基、X-は陰イオンである。〕
また、本発明は、上記本発明の洗浄剤を、酸(A)、キレート剤(C)及び界面活性剤(S)の合計で0.01〜5重量%の範囲で含有する水溶液として用いる抄紙用フエルトの洗浄方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる酸(A)としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、酢酸から選ばれる2種類以上が挙げられるが、無機酸同士の組み合わせが好ましく、特に塩酸と燐酸の組み合わせが好ましい。両者の好ましい重量比は、塩酸/燐酸=1/5以上1/2以下が好ましく、1/3以上2/5以下がさらに好ましい。これらの酸を2種以上組み合わせることで、洗浄性能が顕著に向上する。
【0012】
キレート剤(C)としては、エチレンジアミンテトラアセティックアッシッド(EDTA)に代表されるアミノカルボン酸系キレート剤や、ハイドロキシエチリデンジフォスフォニックアシッド(HEDP)に代表されるホスホン酸系キレート剤、それらの塩などが挙げられ、EDTA、HEDPあるいはこれらのナトリウム塩が好ましい。
【0013】
界面活性剤(S)に関しては、式(1)のRが炭素数8以上20以下であることが好ましく、炭素数10以上18以下が更に好ましい。また、Rはアルキル基が好ましい。X-は、塩素イオンが好ましい。
【0014】
本発明では、酸(A)、キレート剤(C)及び界面活性剤(S)の含有量は、抄紙用フェルト洗浄剤100重量部中に、(A)の合計が5〜50重量部、(C)が0.1〜1重量部、(S)が5〜40重量部、更に(A)の合計が20〜45重量部、(C)が0.3〜0.8重量部、(S)が5〜30重量部、特に(A)の合計が30〜45重量部、(C)が0.5〜0.7重量部、(S)が10〜20重量部であることが好ましい。また、これら以外の残りの成分として、保存安定性の点から水を含有することが好ましい。
【0015】
本発明のフエルト洗浄剤は、特定の酸、キレート剤および式(1)に示されるカチオン性四級塩が配合されていることが特徴的である。上記組み合わせおよびその配合範囲でフエルトの無機及び有機汚れの両方に対して優れた洗浄力を発現する。本発明の抄紙用フエルト洗浄剤は、従来使用されていた洗浄剤に比べて無機及び有機汚れに対し優れた洗浄力を有するが、特に有機汚れの洗浄性に優れている。
【0016】
本発明のフエルト洗浄剤はフェルトの洗浄方法および汚れの程度に応じて任意に選ばれるが、水で希釈して有効分〔酸(A)、キレート剤(C)及び界面活性剤(S)の合計〕濃度で0.01〜5重量%の範囲の水溶液として用いるのが好ましく、特に0.05〜2重量%が好ましい。また、古紙原料を脱墨して得られる脱墨パルプを含むパルプ原料を抄紙する際に付着するフエルト汚れに対し特に良好な洗浄性を示すので、脱墨パルプを含むパルプ原料を抄紙系に適用するのが好適である。
【0017】
抄紙用フエルトの洗浄方法は抄紙機上での洗浄と、抄紙機から取りはずして洗浄する方法があり、更に抄紙機上での洗浄は抄紙しながら洗浄する抄紙洗浄と一旦抄紙をストップさせた後洗浄する停抄紙洗浄法がある。また停抄紙洗浄には平洗い方法と寄せ洗い方法がある。本発明の洗浄剤はこれらの洗浄方法のいずれにも適用できる。
【0018】
本発明のフエルト洗浄剤の優れた洗浄性により、フエルトの水分を搾水する働きの低下がない為に、作業性が改善されるばかりでなく、均一な搾水性を保持できるので製造物である紙製品の品質を向上することができる。
【0019】
【実施例】
〔I〕フエルトの初期汚染量の測定
抄紙機から取り外した使用後フエルト(汚染フエルト)を熱乾燥器にて105℃、6時間保持し、完全に水分を取り除いた。乾燥後、幅15mmに裁断したものを複数用意する。裁断したフエルトの一部を用いて次の測定を行い、汚染フエルトの初期汚染量を測定した。
【0020】
(有機溶剤抽出量:有機汚れ汚染量)
乾燥、裁断したフエルトの一部をソックスレー抽出器に投入し、クロロホルム/エタノール(1/1vol%)を用いて6時間抽出し、汚染フエルト1g当たりの抽出量を求めた。
【0021】
(灰分量:無機汚れ汚染量)
乾燥、裁断したフエルトの一部を電気炉で800℃にて燃焼させ、汚染フエルト1g当たりの灰分量を求めた。
【0022】
〔II〕洗浄後のフエルトの汚染量の測定
上記〔I〕で用意した裁断後の汚染フエルトを8mm×8mmに裁断したものを洗浄剤水溶液に浸漬し、ラウンダーメーターにて攪拌洗浄した。なお、洗浄条件は、洗浄剤水溶液中の洗浄剤有効分濃度0.2重量%、洗浄温度40℃、洗浄時間60分(ラウンダーメーター稼動時間)、浴比5/95であった。洗浄後のフエルトを4リットルの水に浸し余分な洗浄剤を除去した後、乾燥し、〔I〕と同様に洗浄後のフエルト1g当たりの有機溶剤抽出量と灰分量を求めた。
【0023】
〔III〕評価
(有機汚れ洗浄率)
上記で測定された汚染フエルト及び洗浄後フエルトの有機溶剤抽出量から、有機汚れ洗浄率を以下のように算出した。
有機汚れ洗浄率(%)=100×〔(汚染フエルト1g当り抽出量−洗浄後フエルト1g当り抽出量)/汚染フエルト1g当り抽出量〕
(無機汚れ洗浄率)
上記で測定された汚染フエルト及び洗浄後フエルトの灰分量から、無機汚れ洗浄率を以下のように算出した。
無機汚れ洗浄率(%)=100×〔(汚染フエルト1g当り灰分量−洗浄後フエルト1g当り灰分量)/汚染フエルト1g当り灰分量〕
(評価基準)
上記の各洗浄率を、下記表1の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】
本発明の抄紙用フエルト洗浄剤は、無機および有機汚れ両方に対し良好な洗浄性を有する。
Claims (3)
- 抄紙用フエルト洗浄剤100重量部中に、(A)の合計が5〜50重量部、(C)が0.1〜1重量部、(S)が5〜40重量部含有する請求項1記載の抄紙用フエルト洗浄剤。
- 請求項1又は2記載の洗浄剤を、酸(A)、キレート剤(C)及び界面活性剤(S)の合計で0.01〜5重量%の範囲で含有する水溶液として用いる抄紙用フエルトの洗浄方法。
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