JP4004340B2 - アンテナ分波器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波フィルタを用いて低損失・高減衰特性を有するアンテナ分波器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の小型の通信機器が多用されているが、このような機器では送信と受信を同時に行う同時通話を行うようにしている。
このため図7に示すように周波数の異なる送信信号Fhと受信信号Flをそれぞれ分離する、たとえば、はしご型SAWフィルタ1、2を用いてアンテナ3を共用するようにしている。
なお各はしご型SAWフィルタ1、2とアンテナ3の間にはそれぞれ位相回路4、5を介挿して位相整合を行うようにしている。
【0003】
通常の共振型SAWフィルタでは、所定の通過帯域内の信号を低損失で通過させ、かつ帯域外の信号に大きな減衰量を与えることが望まれる。
しかしながらアンテナ分波器の場合は、このような通常のフィルタで望まれる特性に加えて反射域でのS11特性で与えられる抵抗分が小さくなければならない。
【0004】
図8は一般的なはしご型SAWフィルタの伝送特性(曲線A)および反射特性(曲線B)を示す特性図であり、横軸は周波数、縦軸は応答レベルである。
また図9はこのSAWフィルタのS11特性のスミスチャートである。
このスミスチャートからも明らかなように、高域側(図示C)では、一般的な導体損および誘電体損に加えてバルク波による伝搬損失が著しく増加するためにスミスチャートの周波数特性は内側に回り込み、回路中に抵抗分を持つようになり回路損失の増大、すなわちリターンロスの劣化(図示D)を生じる。
【0005】
一方、アンテナ分波器として機能するためには、アンテナ・ポートから見た高域用フィルタおよび低域用フィルタのインピーダンスがスミスチャート上のオープン側(右端)にあることが条件となる。
そして、このような条件を満たすためには、各分波器の出力に位相回路が必要になる。
【0006】
しかしながら位相回路を用いると、その損失も加わり上述のS11特性はさらに劣化し、それによってフィルタの反射域のリターンロスの特性は著しく劣化する。図10に図9の特性に対し位相回路を追加したときのスミスチャートを示す。たとえばアンテナの分岐部から見た高域用フィルタの反射域及び通過域の抵抗分をRh、Rlとすると、アンテナに入力された高域用フィルタの通過域の電力が低域用フィルタに流れ込む量、すなわちアンテナ分波時に低域用フィルタのS11特性が高域用フィルタの損失ILに与える影響は次の式で与えられる。
【0007】
IL=10*log(Rh/(Rl+Rh))
たとえば、図9のチャートから読みとった値を計算例としてRh=374Ω、Rl=50Ωとすると、低域用フィルタの高域用フィルタへの影響はIL=−0.545dBと計算され、高域用フィルタの挿入損失は0.545dB増加し、極めて好ましくない影響をもたらす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、挿入損失の劣化を最小限にでき、かつ減衰特性を改善したアンテナ分波器を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、第1の通過帯域を有し位相回路を介してアンテナに接続される第1のはしご型SAWフィルタと、第1の通過帯域よりも低い周波数の第2の通過帯域を有し位相回路を介して上記アンテナに共通に接続した第2のはしご型SAWフィルタと、上記第2のはしご型SAWフィルタと位相回路との間に設けた第1のはしご型SAWフィルタの通過帯域に反共振点を配置したSAW共振子と回路整合用のインダクタと、を具備することを特徴とするアンテナ分波器である。
【0010】
そして本発明の請求項2は、請求項1に記載のものにおいて、SAW共振子と回路整合用のインダクタとを直列に接続して第2のはしご型SAWフィルタと位相回路との間に介挿したことを特徴とするアンテナ分波器であり、請求項3は請求項1に記載のものにおいて、SAW共振子と回路整合用のインダクタとを並列に接続して第2のはしご型SAWフィルタと位相回路の接続点と接地電位との間に介挿したことを特徴とするアンテナ分波器である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1に示すブロック図を参照して詳細に説明する。
11は通過帯域Fhの第1のはしご型SAWフィルタである。
そして12は第1のはしご型SAWフィルタ11の通過帯域よりも低い周波数の通過帯域Flを有する第2のはしご型SAWフィルタである。
【0012】
第1、第2のはしご型SAWフィルタ11、12はそれぞれ位相回路13、14を介してアンテナ15に接続している。
そして、第2のはしご型SAWフィルタ12と位相回路14との間に第1のはしご型SAWフィルタ11の通過帯域に反共振点を有するSAW共振子16およびインダクタ17を設けている。
【0013】
なお、上記SAW共振子16およびインダクタ17は図1に示すように直列に接続して第2のはしご型SAWフィルタ12と位相回路14との間に介挿するようにしてもよいし、この相反回路として第2図に示すように第2のはしご型SAWフィルタ12と位相回路14との接続点と接地電位との間に間にSAW共振子16とインダクタ17を並列に接続して介挿するようにしてもよい。
【0014】
ここで反共振点がFhのSAW共振子16の周波数特性を図3とする。
図3は横軸は周波数、縦軸は応答レベルであり、反射特性(曲線E)および伝送特性(曲線F)を示すものである。
また図中Gは共振点、Hは反共振点である。
【0015】
このような、反共振点がFhの周波数特性のSAW共振子16に、インダクタ17を直列に接続すると、その周波数特性は、図3と同じ符号を用いて図4に示すように変化する。
すなわち反共振点Hはほとんど変化しないが、共振点Gはインダクタンス17の値に応じて大きく低域側へずれる。
したがって適当な設計を行ったSAW共振子16を用いて、適当な値のインダクタンス17を用いることにより第2の通過帯域Flを有しかつ第1の通過帯域Fhに反共振点を設定することができる。
【0016】
ここで図1に示すように、第2のはしご型SAWフィルタ12にSAW共振子16、インダクタ17を直列に接続すると、周波数特性は、図3と同じ符号を用いて図5に示すようになる。
また反射特性のスミスチャートを図6に示す。
すなわち図5から明らかなように、通常のはしご型SAWフィルタの減衰特性に加えて、SAW共振子16による減衰特性が加わり、全体として減衰特性の向上がなされている。
【0017】
また図6のスミスチャートから明らかなように、S11特性は第1の通過帯域Fh付近において大幅に改善され、抵抗分が小さくなり、それによって挿入損失の低減を図ることができる。
図6より位相回路を付加し、アンテナ分岐点から見た低域用フィルタの反射域及び通過域の抵抗分は1015Ω、50Ωであり、アンテナに入った高域用フィルタの通過域の電力が低域用フィルタに流れ込む量、すなわち損失ILは−0.209dBとなる。
【0018】
したがって図7に示す従来例に比して、上記実施の態様では損失を約0.3dB〜0.4dB改善することができる。
このように第2のはしご型SAWフィルタのS11特性の改善によりアンテナを共用する場合の第1のはしご型SAWフィルタの帯域内の通過損失を大幅に改善することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、挿入損失が小さく、しかも減衰特性も良好なアンテナ分波器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態のブロック図である。
【図3】SAW共振子の周波数特性の一例を示す図である。
【図4】SAW共振子とインダクタの直列回路の周波数特性を示す図である。
【図5】図1に示す本発明の回路の周波数特性を示す図である。
【図6】図1に示す本発明の回路のS11特性のスミスチャートである。
【図7】従来のアンテナ分波器の一例を示すブロック図である。
【図8】図7に示す回路の周波数特性を示す図である。
【図9】図7に示す回路のS11特性のスミスチャートである。
【図10】図9に示す回路に位相回路を付加した時のS11特性のスミスチャートである。
【符号の説明】
11 ・・ 第1のはしご型SAWフィルタ
12 ・・ 第2のはしご型SAWフィルタ
13、14 ・・ 位相回路
15 ・・ アンテナ
16 ・・ SAW共振子
17 ・・ インダクタ
Claims (3)
- 第1の通過帯域を有し位相回路を介してアンテナに接続される第1のはしご型SAWフィルタと、
第1の通過帯域よりも低い周波数の第2の通過帯域を有し位相回路を介して上記アンテナに共通に接続した第2のはしご型SAWフィルタと、
上記第2のはしご型SAWフィルタと位相回路との間に設けた第1のはしご型SAWフィルタの通過帯域に反共振点を配置したSAW共振子と回路整合用のインダクタと、
を具備することを特徴とするアンテナ分波器。 - 請求項1に記載のものにおいて、SAW共振子と回路整合用のインダクタとを直列に接続して第2のはしご型SAWフィルタと位相回路との間に介挿したことを特徴とするアンテナ分波器。
- 請求項1に記載のものにおいて、SAW共振子と回路整合用のインダクタとを並列に接続して第2のはしご型SAWフィルタと位相回路の接続点と接地電位との間に介挿したことを特徴とするアンテナ分波器。
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