JP4004336B2 - 土壌改良剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、工場の立地地域において、化学薬品などの有害物質により汚染された土壌を浄化して改良する土壌改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
汚染土壌を浄化する方法としては、汚染土壌を掘削して新しい土壌に入れ替える方法をはじめとして、従来から種々の方法が提案され、実施もされているが、全体的に大掛かりで土壌の改良に多額の費用を要するものが多い。
その点、土壌改良剤を使用する方法は、比較的簡便で費用的にも安価であり、土壌改良剤を土壌に混入して有害物質を吸着させることにより、有害物質の含有値を規制値以下に軽減することができる。
従来、このような方法において使用される土壌改良剤は、そのほとんどが主剤である有害物質吸着剤のみで生成されていた(例えば、特開2001−200236号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、土壌改良剤を使用する場合、できるだけ少ない量の土壌改良剤で有害物質を効率良く吸着するのが効果的であり、そのためには、主剤である有害物質吸着剤をできるだけ細かい粉粒体にし、土壌に対する接触面積を大きくして使用するのが有利である。
しかし、従来の土壌改良剤では、そのほとんどが主剤である有害物質吸着剤のみで生成されていたので、有害物質吸着剤を細かい粉粒体にすると、その粉粒体が塊や団子状になり易く、改良すべき土壌に対して満遍なく混合されず、かえって効果的な土壌の改良が阻害されるおそれがある。
【0004】
本発明は、このような問題点に着目したもので、その目的は、できるだけ少ない量の有害物質吸着剤を有効に使用して、土壌を効果的に浄化して改良することのできる土壌改良剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、有害物質吸着剤としての酸化セリウム水和物または水酸化セリウムの粉粒体と、その粉粒体よりも大径の塊状粒体とを混合して生成してある土壌改良剤にある。
【0006】
請求項1の発明の特徴構成によれば、土壌改良剤の主剤である有害物質吸着剤としての酸化セリウム水和物または水酸化セリウムが粉粒体であるため、たとえ少量の有害物質吸着剤であっても、土壌との接触面積を大きくして効果的な有害物質の吸着が可能となる。
そして、その粉粒体に対して、より大径の塊状粒体が混合されているので、有害物質吸着剤が細かい粉粒体であっても、その粉粒体に混合される大径の塊状粒体により、有害物質吸着剤の塊化や団子状化が抑制され、その結果、少ない量の有害物質吸着剤、つまり、酸化セリウム水和物または水酸化セリウムを有効に使用して土壌を効果的に浄化して改良することができる。
【0010】
そして、請求項1の発明の特徴構成によれば、有害物質吸着剤が、希土類化合物である酸化セリウム水和物または水酸化セリウムの粉粒体であるから、例えば、有害物質として砒素、フッ素、クロム、カドミウム、鉛などを対象とする場合、従来から使用されているアルミナなどに比較して4〜6倍程度の吸着性能を有し、それら有害物質のなかでも特に砒素、鉛などの吸着性能に優れており、少量の有害物質吸着剤によってより効果的に土壌を改良することができる。さらに、セリウムは希土類のなかでも比較的安価に入手可能であるため、コスト面においても優れている。
【0011】
請求項2の発明の特徴構成は、前記塊状粒体が、アルカリ性物質の塊状粒体であるところにある。
【0012】
請求項2の発明の特徴構成によれば、塊状粒体が、アルカリ性物質の塊状粒体であるから、土壌改良剤を土壌に混入すると、土壌がアルカリ性を呈する。
酸化セリウム水和物や水酸化セリウムなどの希土類化合物は、後に詳しく示すように、アルカリ雰囲気中において吸着性能が向上するので、有害物質として砒素、フッ素、クロム、カドミウム、鉛などを対象とする場合、その希土類化合物としての酸化セリウム水和物または水酸化セリウムの粉粒体が、有害物質である砒素などを効率良く吸着して効果的な土壌の浄化、改良が可能となる。
さらに、たとえ酸性雨が降っても、アルカリ性物質の塊状粒体により土壌の酸性化が抑制されるので、土壌の改良作用は長年月にわたって維持される。
【0013】
請求項3の発明の特徴構成は、前記アルカリ性物質の塊状粒体が、ガラスカレットであるところにある。
【0014】
請求項3の発明の特徴構成によれば、アルカリ性物質の塊状粒体が、ガラスカレットであるから、比較的安価なガラスカレットを使用して土壌改良剤を安価に提供することができ、また、ガラス工場などで発生するガラスの破片をリサイクルして使用することも可能で、その場合には、土壌改良剤を一層安価に提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明による土壌改良剤は、有害物質吸着剤として希土類化合物、具体的には、セリウム(Ce)をはじめとして、サマリウム(Sm)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ランタン(La)、イットリウム(Y)から選ばれた1種類あるいは2種類以上の希土類の化合物が使用される。
このような希土類化合物は、土壌中に含まれる有害物質としての砒素(As)、フッ素(F)、クロム(Cr)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)などに対して高い吸着性能を有する。
【0016】
これら希土類化合物は、希土類の酸化物の水和物または水酸化物の形態で、例えば、酸化セリウム水和物(CeO2・1.6H2O)、酸化サマリウム水和物(Sm2O3・4.1H2O)、酸化ネオジム水和物(Nd2O3・4.7H2O)、酸化ガドリニウム水和物(Gd2O3・5.0H2O)、酸化ランタン水和物(La2O3・3.0H2O)、酸化イットリウム水和物(Y2O3・2.1H2O)、水酸化セリウム(Ce(OH)3またはCe(OH)4)の形態で、かつ、0.1〜2.0μm程度の径を有する細かい粉粒体の形態で使用され、土壌改良剤は、その希土類化合物からなる有害物質吸着粉粒体を主剤として、その粉粒体よりも大径の塊状粒体を混合して生成される。
【0017】
塊状粒体は、板ガラスなどのガラスカレットをはじめとして、石灰石、ドロマイト、コンクリート廃材などのアルカリ性物質が好ましく、1.0〜5.0mm程度の径を有する粒体の形態で使用される。
そして、この塊状粒体と有害物質吸着粉粒体とが、塊状粒体70重量%に対して有害物質吸着粉粒体30重量%から、塊状粒体50重量%に対して有害物質吸着粉粒体50重量%程度の割合で、ロータリーミキサーなどにより十分に混合されて土壌改良剤が生成される。
【0018】
つぎに、この土壌改良剤の具体的な実施例を示す。
有害物質吸着剤として、純度95%の水酸化セリウムを使用し、0.1〜2.0μm程度の径を有する細かい粉粒体とした。
塊状粒体として、板ガラスの粉砕カレットを使用し、細かく粉砕した後、一辺が5.0mmの正方形の網目を有する篩にかけ、篩いを通った5.0mm以下の径を有するガラスカレットを使用した。
水酸化セリウムの粉粒体とガラスカレットを重量%で1対1の割合でロータリーミキサーに投入して混合した。
【0019】
このようにして生成した本発明の土壌改良剤と、水酸化セリウム単体を0.1〜2.0μm程度の径を有する細かい粉粒体としたものとを使用して土壌を改良し、改良後の土壌からの砒素溶出量の比較実験を行った。
図1はその結果を示す図表で、この実験結果から明らかなように、本発明の土壌改良剤によれば、土壌1m3に対して20kgの土壌改良剤を混入した場合でも、砒素の溶出量を環境基準の0.01mg/l(リットル)以下に抑えることができる。
【0020】
このような顕著な効果は、希土類化合物の粉粒体に塊状粒体を混合した結果であり、さらに、塊状粒体としてアルカリ性を呈するガラスカレットを使用した結果によるものと考えられる。
すなわち、図2はpH濃度に対する希土類化合物の砒素吸着性能を示す図表で、この図表から、希土類化合物の砒素吸着性能はアルカリ雰囲気中において優れ、特に、三価砒素にあっては吸着性能が顕著に向上することが理解できる。
【0022】
〔別実施形態〕
先の実施形態では、塊状粒体としてガラスカレットのようなアルカリ性物質を使用した例を示したが、使用する有害物質吸着剤の特性に応じて、例えば、砂、砂利、小石などのような中性物質、あるいは、酸性物質などを塊状粒体として使用することもできる。
また、有害物質吸着剤からなる粉粒体と塊状粒体の混合比についても、改良すべき土壌の特性に応じて、適宜変更して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土壌改良剤と水酸化セリウム単体の土壌改良剤との比較実験結果を示す図表
【図2】pH濃度に対する希土類化合物の砒素吸着性能を示す図表
Claims (3)
- 有害物質吸着剤としての酸化セリウム水和物または水酸化セリウムの粉粒体と、その粉粒体よりも大径の塊状粒体とを混合して生成してある土壌改良剤。
- 前記塊状粒体が、アルカリ性物質の塊状粒体である請求項1に記載の土壌改良剤。
- 前記アルカリ性物質の塊状粒体が、ガラスカレットである請求項2に記載の土壌改良剤。
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