JP4003681B2 - 電動圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両用空調装置に用いられる電動圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両空調装置に用いられる電動スクロール圧縮機においては、ハウジング内に固定された基板及び渦巻壁からなる固定スクロール部材と、該固定スクロール部材の渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁からなる可動スクロール部材とが備えられている。そして、ハウジング内に収容された電動モータが作動されて可動スクロール部材が旋回されると、両渦巻壁間に形成された圧縮室が渦巻壁の中心側に容積を減少しながら移動されて冷媒ガスの圧縮が行われる。
【0003】
前記電動スクロール圧縮機としては、可動スクロール部材を旋回させるための旋回駆動機構の潤滑を行うとともに、可動スクロール部材に作用するスラスト方向の圧縮反力に抗して圧縮室の密閉性を高めるために、可動スクロール部材の基板の背面側に前記旋回駆動機構を覆うように背圧室を形成し、吐出室の底部に貯留された吐出圧力相当の潤滑油を前記背圧室に導き、可動スクロール部材を固定スクロール部材に向けて付勢するようにしたものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
上記の電動スクロール圧縮機においては、前記背圧室内において旋回駆動機構の潤滑及び背圧付与に供された潤滑油は、絞りを有する抽油通路を介して前記モータ収容室に自重によって落下され、モータ収容室の底部に形成された貯留部に一旦貯留された後、移送路を通して固定及び可動のスクロール部材により構成された圧縮機構の吸入部側へ移送される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−95369
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の電動スクロール圧縮機を車両用空調装置に用いた場合、以下のような問題が生じることが判明した。従来品では、前記モータ収容室の底部に潤滑油の貯留部が形成されているので、冷凍回路から大量の液冷媒が帰還したときなど潤滑油の貯留部に潤滑油と液冷媒の混合液が滞留し、モータのコイルなどがこの混合液に浸漬されることがある。電動圧縮機を用いる場合は、液冷媒と混合されても十分な絶縁性が確保できるような潤滑油(一般的にPOE:ポリオールエステルが用いられている)を採用するため、通常の空調装置では問題は生じないが、車両用空調装置の場合、保守点検の際にベルト駆動用圧縮機の潤滑油(液冷媒と混合されると絶縁性を極端に悪化させるPAG:ポリアルキレングリコールいう潤滑油)が混入される可能性があり、このような絶縁性の低下した混合液にモータの結線部やステータコイルが浸漬されると漏電が発生することがある。
【0006】
ところで、電動スクロール圧縮機の吐出室は、高圧の吐出冷媒ガスで満たされるが、吐出脈動を低減する観点からは容積を大きくするのが望ましい。しかし、この吐出室の容積を大きくすると、吐出冷媒ガスの高圧力が固定スクロール部材の基板に作用して、該基板が変形する。この変形によって固定スクロール部材の渦巻部の端面と可動スクロール部材の基板との摺動面のシール性が低下して、圧縮効率が下がる。これを防ぐために吐出室の外側には吸入冷媒ガスが進入する低圧ガス領域が区画壁によって区画形成されている。しかし、従来はこの低圧ガス領域が他の目的に用いられることはなかった。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、圧縮機の通常運転中にモータ収容室内において複数種の潤滑油と液冷媒が混合されて電気絶縁特性の低下した混合液が生成されることはなく、可動スクロール部材を旋回させる電動モータのステータコイルの欠陥と前記混合液に起因する漏電を未然に防止することができるとともに、従来空き空間であった低圧ガス領域を有効に利用することができる電動圧縮機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ハウジング内に電動モータを収容するとともに、該電動モータによって作動されてガスの圧縮を行うための圧縮機構を収容し、前記電動モータを収容するモータ収容室を吸入雰囲気とした電動圧縮機であって、吐出室内に設けられた第1油貯留室と、前記吐出室の周囲に区画形成された第2油貯留室と、前記第1油貯留室と第2油貯留室とを接続する接続通路と、前記接続通路中に設けられた流量制限手段と、前記第2油貯留室と圧縮機の吸入室とを連通する油戻し通路とを有しており、前記モータ収容室の底部と圧縮機の吸入室とが流体通路により連通されていることを要旨とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記モータ収容室はガスの吸入通路であって、前記流体通路により、該モータ収容室の底部からガスが前記吸入室に導かれることを要旨とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、圧縮機をハウジングに固定された基板及び渦巻壁からなる固定スクロール部材と、該固定スクロール部材の渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁からなる可動スクロール部材とを備え、前記電動モータにより前記可動スクロール部材を旋回させて両渦巻壁間に形成された圧縮室が渦巻壁の中心側に容積を減少しながら移動されてガスの圧縮が行われるスクロール形式としたことを要旨とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3において、前記可動スクロール部材の基板の背面側には該可動スクロール部材とハウジングに設けられた固定壁との間に背圧室が区画形成され、該背圧室と吐出室内に設けられた第1油貯留室とは絞りを要した接続通路としての圧油供給通路を介して連通され、前記背圧室と前記第2油貯留室とは絞り又は調節弁を備えた抽油通路を介して連通され、該第2油貯留室と前記両渦巻壁の外周側に形成された吸入室とは油戻し通路により連通されていることを要旨とする。
【0012】
(作用)
請求項1記載の発明は、第1油貯留室から接続通路及び流量制限手段を通してモータ収容室に区画形成された第2油貯留室に潤滑油が流入し、第2油貯留室から油戻し通路を通して吸入室へ戻される。一方、前記モータ収容室の底部と圧縮機の吸入室とが流体通路により連通されているので、電動圧縮機の通常運転中にモータ収容室の底部に液冷媒が滞留することはない。従って、電動用の絶縁性の高い潤滑油に絶縁性の低い潤滑油が混入された場合でも、モータ収容室の底部において複数種の潤滑油と液冷媒が混合されて電気絶縁特性の低下した混合液が生成されることはなく、この混合液に起因する漏電を確実に防止することができる。又、必要十分な潤滑油を第1油貯留室及び第2油貯留室に蓄えることができ、吸入室への潤滑油の供給を確実に行い、貧潤滑を無くして圧縮機構の摺動面の潤滑を適正に行うことができる。
【0013】
特に、請求項1に記載の発明は、吐出室の周囲に区画形成された空き空間であった冷媒ガスの低圧ガス領域を第2油貯留室として有効に利用することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作用に加えて、冷凍回路からモータ収容室の底部にガスが吸入され、このガスは流体通路を通して吸入室に導かれる。従って、電動圧縮機の通常運転中に冷凍回路から液冷媒がモータ収容室内に戻ってきても該収容室内に滞留することなく圧縮機構の吸入室に吸入されるので、前述した漏電が防止される。
【0015】
請求項3記載の発明は、スクロール形式の電動圧縮機において、前述した混合液に起因する漏電を確実に防止することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の作用に加えて、通常運転中において、前記第1油貯留室から圧油供給通路を介して背圧室に潤滑油が導入されるので、背圧室内の圧力が高められ、可動スクロール部材が固定スクロール部材に向かって押圧され、両スクロール部材の摺動面のシールが保持される。前記背圧室内の潤滑油は抽油通路に設けた絞り又は調節弁によって第2油貯留室に供給される。この第2油貯留室に貯留された潤滑油は、油戻し通路によって吸入室に戻され、圧縮機構の摺動面の潤滑に供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用空調装置に用いられる電動スクロール圧縮機に具体化した一実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0017】
図1に示すように、電動スクロール圧縮機のハウジング11は、アルミニウム合金のダイカスト鋳物よりなる第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13をボルトによって接合固定するこにより構成されている。第1ハウジング構成体12は、大径筒部12aと、この大径筒部12aの左端部に一体形成された小径筒部12bと、この小径筒部12bの左端部に一体形成された底部12cとによって有底横円筒状に形成されている。第2ハウジング構成体13は有蓋横円筒状に形成されている。ハウジング11内には、両ハウジング構成体12,13により囲まれた密閉空間14が形成されている。
【0018】
前記第1ハウジング構成体12の底部12cの内壁面の中央部には、円筒状の軸支部12dが一体に突設されている。第1ハウジング構成体12の大径筒部12aの開口端側には、中央部に挿通孔15aが貫通形成された固定壁としての軸支部材15が嵌入固定されている。第1ハウジング構成体12内には回転軸16が収容され、その左端部は前記軸支部12dに対しベアリング17を介して回転可能に支持されている。回転軸16の右端部は軸支部材15の挿通孔15aに対しベアリング18を介して回転可能に支持されている。軸支部材15と回転軸16との間には、該回転軸16を封止するシール部材19が介在されている。従って、密閉空間14内には、軸支部材15を隔壁として図面左方側にモータ収容室20が区画されている。
【0019】
前記モータ収容室20内において、第1ハウジング構成体12の小径筒部12bの内周面には、コイル21aを備えたステータ21が設けられている。モータ収容室20内において回転軸16には、ステータ21の内周側に位置するようにロータ22が固定されている。前記小径筒部12b、軸支部材15、回転軸16、ステータ21及びロータ22等によって電動モータ23が構成されている。ステータ21のコイル21aへの給電によって、回転軸16及びロータ22が一体的に回転される。
【0020】
前記第1ハウジング構成体12内において大径筒部12aの開口端側には、固定スクロール部材24が収容配置されている。固定スクロール部材24は、円板状をなす基板24aの外周側に円筒状の外周壁24bが横向きに一体形成されるとともに、基板24aの前面(図1の左側)において外周壁24bの内周側に固定渦巻壁24cが一体形成されてなる(図2参照)。固定スクロール部材24は、外周壁24bの先端面を以て、軸支部材15の外周に一体形成されたフランジ部15bに接合されている(図4参照)。従って、密閉空間14内には、固定スクロール部材24の基板24a、外周壁24b及び軸支部材15によって囲まれるとともに、回転軸16がシール部材19によって封止されることで、軸支部材15及び固定スクロール部材24の間にスクロール収容室25が区画形成されている。
【0021】
前記回転軸16の先端面には、スクロール収容室25内に位置するように該回転軸16の軸線Lから偏心した位置に偏心軸26が設けられている。偏心軸26にはブッシュ27が外嵌固定されている。ブッシュ27には、スクロール収容室25内に収容配置された可動スクロール部材28が、固定スクロール部材24と対向するようにベアリング29を介して相対回転可能に支持されている。可動スクロール部材28は、円板状の基板28aと、該基板28aの前面(図1の右側)に一体形成された可動渦巻壁28bとからなる。基板28aの外周縁部には、スラスト方向から見て円環状をなす環状突条28cが前記フランジ部15bに向けて一体に設けられている(図4参照)。前記可動スクロール部材28の表面にはニッケル・リン(Ni−P)メッキが施されている。
【0022】
前記固定スクロール部材24と可動スクロール部材28とは、スクロール収容室25内において渦巻壁24c,28bを以って互いに噛み合わされ、各渦巻壁24c,28bの先端面が相手のスクロール部材24,28の基板24a,28aに接触されている。従って、固定スクロール部材24の基板24a及び固定渦巻壁24c、可動スクロール部材28の基板28a及び可動渦巻壁28bは、スクロール収容室25内において圧縮室30を区画形成する。
【0023】
前記可動スクロール部材28の基板28aと、それに対向する軸支部材15との間には、自転阻止機構31が配設されている。自転阻止機構31は、可動スクロール部材28において基板28aの背面の外周部に複数設けられた円環孔28dと、軸支部材15のフランジ部15bに複数(図面においては一つのみ示す)突設され、かつ各前記円環孔28dに遊嵌されたピン32とからなっている。
【0024】
前記スクロール収容室25内において、固定スクロール部材24の外周壁24bと可動スクロール部材28の可動渦巻壁28bの最外周部との間には、吸入室33が区画形成されている。固定スクロール部材24において外周壁24bの外周面の下側には、図5に示すように凹部24dが左右対称に2カ所に形成されている。前記第1ハウジング構成体12の大径筒部12aの下側内周面には、前記両凹部24dと対応するように凹部12eが左右対称に2カ所に形成されている。そして、この凹部12eの内周面と前記軸支部材15のフランジ部15bの外周面との隙間、及び外周壁24bの凹部24dによって、前記モータ収容室20の下部空間(底部)と吸入室33を連通する流体通路としての吸入通路34が形成されている。
【0025】
前記第1ハウジング構成体12の大径筒部12aの左端外周部には、モータ収容室20と外部を連通するように吸入口12fが形成されている。吸入口12fには、図示しない外部冷媒回路の蒸発器につながる外部配管が接続されている。従って、外部冷媒回路から低圧の冷媒ガスが吸入口12f、吸入通路としての機能を有するモータ収容室20及び吸入通路34を介して吸入室33へ導入される。なお、前記ステータ21の外周面には図示しないがスラスト方向に複数の溝が形成されていて、冷媒ガスの通路となっている。
【0026】
前記第2ハウジング構成体13と固定スクロール部材24との間には、吐出室35が区画形成されている。前記固定スクロール部材24の基板24aの中心には吐出孔24eが形成され、該吐出孔24eを介して中心側の圧縮室30と吐出室35とが接続されている。吐出室35内において固定スクロール部材24には、吐出孔24eを開閉するためのリード弁よりなる吐出弁37が配設されている。吐出弁37の開度は、固定スクロール部材24に固定配置されたリテーナ38によって規制される。第2ハウジング構成体13には、吐出室35に連通する吐出口13aが形成されている。吐出口13aには、図示しない外部冷媒回路の凝縮器につながる外部配管が接続されている。前記吐出口13aには高圧の冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離するための油分離器36が取り付けられている。従って、吐出室35の高圧の冷媒ガスは、前記油分離器36によって潤滑油が分離された状態で吐出口13aを介して外部冷媒回路へと導出される。前記吐出室35の底部には油分離器36によって分離された潤滑油を貯留するための第1油貯留室39が形成されている。
【0027】
従って、前記電動モータ23によって回転軸16が回転されると、可動スクロール部材28が偏心軸26を介して固定スクロール部材24の軸心(回転軸16の軸線L)の周りで旋回される。このとき、可動スクロール部材28は、自転阻止機構31によって自転が阻止されて、旋回運動のみが許容される。この可動スクロール部材28の旋回運動により、圧縮室30が両スクロール部材24,28の渦巻壁24c,28bの外周側から中心側へ容積を減少しつつ移動されることで、吸入室33から圧縮室30内に取り込まれた低圧冷媒ガスの圧縮が行われる。圧縮済みの高圧冷媒ガスは、吐出孔24eから吐出弁37を介して吐出室35に吐出される。
【0028】
図1及び図4に示すように、前記スクロール収容室25内において可動スクロール部材28の基板28aの背面側には、背圧室41が区画形成されている。背圧室41と吐出圧力領域としての吐出室35下部の第1油貯留室39とは、途中に流量制限手段としての絞り42aを有する接続通路としての圧油供給通路42を介して連通されている。従って、吐出室35の底部の第1油貯留室39から背圧室41に供給された少量の冷媒ガスを含有する高圧の潤滑油によって、可動スクロール部材28が固定スクロール部材24に向けて付勢されることになる。
【0029】
図1、図3及び図4に示すように、前記スクロール収容室25内において前記軸支部材15のフランジ部15bと固定スクロール部材24の外周壁24bとの間には、例えばSK材等の金属材料よりなるドーナッツ板状の弾性体51が配設されている。弾性体51は、その外周部が、軸支部材15のフランジ部15bと固定スクロール部材24の外周壁24bとの接合部分において挟持されることによりスクロール収容室25内に固定されている。
【0030】
図5に示すように、前記弾性体51の外周部には、円弧状の長孔51aが貫通形成されている。この長孔51aと、軸支部材15のフランジ部15bの接合面15c及び固定スクロール部材24の外周壁24bの先端面とで囲まれた空間は、第1油貯留室39と背圧室41とを接続する圧油供給通路42の一部(絞り42a)を構成している。前記長孔51aの下端は前記固定スクロール部材24の外周壁24bに設けた油通路24fによって前記第1油貯留室39と連通されている。前記長孔51aの上端は前記軸支部材15の接合面15cに形成した円環状の溝15d及び直線状の溝15eによって背圧室41と連通されている。前記油通路24f、長孔51a及び溝15d,15e等によって前記圧油供給通路42が形成されている。
【0031】
図4に示すように前記弾性体51は可動スクロール部材28の環状突条28cによって弾性変形された状態で介在されている。従って、弾性体51の弾性力によって弾性体51と環状突条28cとの接触面のシールが保たれるとともに、その弾発力により可動スクロール部材28が固定スクロール部材24に押圧される。
【0032】
前記固定スクロール部材24の基板24aの背面には、図1及び図3に示すように閉環状をなす区画壁24gが一体に形成され、この区画壁24gと対応して前記第2ハウジング構成体13の内部にも区画壁13bが一体に形成されている。前記区画壁24gの先端面には図3に示すように収容溝mが形成され、この溝mに区画壁13bの先端面のとシールを行うシールリング52が嵌入されている。図1及び図3に示すように前記両区画壁24g,13bの内側に前記吐出室35が区画形成され、両区画壁24g,13bの外周面と第2ハウジング構成体13の内周面との間に第2油貯留室53が区画形成されている。この第2油貯留室53と前記背圧室41とは、軸支部材15のフランジ部15b及び固定スクロール部材24の外周壁24bに設けられた抽油通路54を介して連通されている。この抽油通路54は図5に示すように前記軸支部材15の接合面15cに溝15dと連通するように切り欠き形成した凹部15fと、弾性体51の外周に前記凹部15fと対応して貫通した孔51bと、固定スクロール部材24の外周壁24bに孔51bと対応して貫通した通路24hとにより形成されている。弾性体51の内周部には、自転阻止機構31のピン32が挿通されるピン孔51cが複数貫通形成されている。
【0033】
前記固定スクロール部材24の外周壁24bにおいて前記抽油通路54(通路24h)の途中には、背圧室41の圧力と第2油貯留室53の圧力との差に応じて抽油通路54の開度を調節する調節弁55が配設されている。調節弁55は、ボール弁56とコイルバネ57とにより構成され、背圧室41の圧力と第2油貯留室53の圧力との差を一定に保つように動作される。従って、電動スクロール圧縮機の通常運転状態では、調節弁55の動作によって、背圧室41の圧力つまり該背圧室41の圧力に基づく可動スクロール部材28の付勢力はほぼ一定に保たれることとなる。又、背圧室41の潤滑油は抽油通路54及び調節弁55を通して第2油貯留室53に貯留される。
【0034】
前記固定スクロール部材24の基板24aには図3に示すように前記第2油貯留室53の底部と前記吸入室33を連通するように油戻し通路24iが形成されている。第2油貯留室53の上部と前記吸入室33の上部空間とを連通するように前記基板24aには第2油貯留室53内に貯留された潤滑油から分離されたガスを吸入室33に導くためのガス戻し通路24jが貫通形成されている。従って、第2油貯留室53の内部に貯留された潤滑油は、可動スクロール部材28の旋回運動に基づく吸引作用によって油戻し通路24iを通して吸入室33内に導かれ、冷媒ガスとともに圧縮室30に取り込まれて圧縮機構の摺動面の潤滑を行う。又、第2油貯留室53内の上部に潤滑油から分離された冷媒ガスはガス戻し通路24jから吸入室33に導かれる。
【0035】
図3は第1ハウジング構成体12の大径筒部12aの開口端面から第2ハウジング構成体13が取り外された状態を示す。この図3に示すように基板24aには吸入通路34を形成する凹部24dが形成されているので、この凹部24dと第2油貯留室53を区画するように第2ハウジング構成体13の外側接合面の形状が設定されている。そして、この外側接合面と第1ハウジング構成体12の大径筒部12aの開口端面との間には図3に二点鎖線で示すように区画用のガスケット58が介在されている。
【0036】
図1に示すように前記第1ハウジング構成体12の大径筒部12aの底部には、所定量の潤滑油や液冷媒をコイル21aの下方において収容可能な収容凹部61が下方に膨出形成されている。
【0037】
上記構成の本実施形態においては次のような効果を奏する。
(1)前記実施形態では、第2ハウジング構成体13と固定スクロール部材24の基板24aとの間に位置するように吐出室35を区画形成し、この吐出室35の外側に第2油貯留室53を区画形成した。又、背圧室41から抽油通路54及び調節弁55を通して第2油貯留室53に潤滑油を一旦貯留するようにした。このため、第2油貯留室53から潤滑油を油戻し通路24iを通して吸入室33に供給することができ、貧潤滑状態を無くして圧縮機構の摺動面の潤滑性を確保することができる。
【0038】
(2)前記実施形態では、従来、空き空間であった低圧ガス領域を第2油貯留室53として利用することができ、第2油貯留室53を構成する専用の部品を無くして製造コストを低減することができる。前記第2油貯留室53は吐出室35の容積を低減して固定スクロール部材の基板に作用する吐出圧力を軽減し、該基板の変形を防ぐために設けられているが、従来はこの空き空間に吸入冷媒ガスが滞留するのみであった。
【0039】
(3)前記実施形態では、前記第2油貯留室53に潤滑油を貯留するようにした。このため、モータ収容室20の底部に背圧室41から導出された潤滑油が貯留されることはなく、モータ収容室20に冷媒ガスを導入するタイプの電動スクロール圧縮機であっても、従来の項で述べた2種類以上の潤滑油と液冷媒とが混合されて電気絶縁性が低下する混合液が生成されることはない。従って、電動モータ23のコイル21aの欠陥に起因する前記混合液による漏電を防止することができる。
【0040】
又、第2油貯留室53に潤滑油が貯留されているので、吸入室33への潤滑油の供給を安定して行い、貧潤滑状態を無くして、圧縮機構の摺動面の潤滑を適正に行うことができる。
【0041】
(4)前記実施形態では、モータ収容室20を冷媒ガスの吸入通路としても機能させ、かつ冷媒ガスをモータ収容室20の底部から吸入室33に吸入するようにした。このため、通常運転状態においてモータ収容室20の底部に滞留しようとする潤滑油や液冷媒が冷媒ガスとともに吸入室33に移動されて滞留するのを防止でき、前述した電気絶縁性が低下した混合液による電動モータ23のコイル21aの漏電を防止することができる。
【0042】
(5)前記実施形態では、モータ収容室20を構成する小径筒部12bの前方に大径筒部12aを形成し、大径筒部12aの下部に潤滑油の貯留可能な収容凹部61を形成した。このため、一時的な圧縮機の運転停止による空調装置の物理的特性によりモータ収容室20内に潤滑油及び液冷媒がある程度貯留されたとしても、これらの混合液にコイル21aが浸漬されることはなく、圧縮機の再起動時のコイル21aの漏電の問題を無くすことができる。
【0043】
(6)前記可動スクロール部材28の表面にニッケル・リン(Ni−P)メッキを施したので、例えば圧縮機の高速運転が継続されて潤滑油が不足気味になったときの固定スクロール部材24と可動スクロール部材28の摺動面の耐久性を向上することができる。
【0044】
(7)可動スクロール部材28は、背圧室41に供給された高圧冷媒ガスによって、固定スクロール部材24に向けて付勢されている。つまり、可動スクロール部材28は、弾性体51の弾性変形に基づく付勢力のみならず、背圧室41の圧力に基づく付勢力によっても固定スクロール部材24に向けて付勢されている。従って、例えば、電動スクロール圧縮機の通常運転状態では、可動スクロール部材28に作用するスラスト方向の圧縮反力に確実に対抗することができ、本実施形態のように、各渦巻壁24c,28bの先端面にシール部材(例えばチップシール)を配置しなくとも、圧縮室30の密閉性を確実に維持することが可能となる。
【0045】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で以下の態様でも実施できる。
・図3に示す前記区画壁24g,13bのスラスト方向から見た形状を、例えば円形、楕円形、四角形あるいは任意の形状に変更してもよい。
【0046】
・前記実施形態において、ガス戻し通路24jを省略してもよい。
・前記実施形態において、抽油通路54の配設位置を第2油貯留室53の中間高さ位置から上端部又は下部に変更してもよい。
【0047】
・前記実施形態において、モータ収容室20と吸入室33を連通する前記吸入通路34を、大径筒部12a及び外周壁24bの上部に変更したり、上下両側部に形成したりしてもよい。
【0048】
・前記実施形態では、電動モータ23を水平方向の横向きに配設したが、水平線に対して例えば10°の傾斜角で上下方向に傾斜して横向きに配設されていてもよい。
【0049】
・前記実施形態において、第1ハウジング構成体12に形成した吸入口12fを無くして、大径筒部12aの外周部及び固定スクロール部材24の外周壁24bに吸入口を設けて吸入室33へ冷媒ガスを導入するようにしてもよい。
【0050】
・前記実施形態において、抽油通路54に設けた調節弁55に代えて、前記絞り42aよりも通路面積の小さい絞りを用いてもよい。
・前記収容凹部61を省略してもよい。
【0051】
・前記実施形態においては、電動スクロール圧縮機に具体化したが、車両に用いられる電動斜板式圧縮機、電動ベーン圧縮機、電動ピストン圧縮機等の電動圧縮機あるいは、電動モータ及びエンジンの両方を駆動源とする所謂ハイブリッドタイプの各種の圧縮機に具体化してもよい。
【0052】
前記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
(1)請求項1〜4のいずれか一項において、前記可動スクロール部材の表面にはニッケル・リンメッキが施されている電動圧縮機。
【0053】
(2)請求項1〜4のいずれか一項において、可動スクロール部材の基板はスクロール収容室内において、ドーナッツ板状をなす弾性体によりスラスト方向に付勢され、この弾性体と可動スクロール部材の基板の背面に形成した環状突条とにより背圧室のシールを行うようにしている電動圧縮機。
【0054】
【発明の効果】
上記構成の本発明によれば、電動圧縮機の通常運転中に冷凍回路から液冷媒がモータ収容室内に戻ってきても該モータ収容室内に滞留することなく圧縮機構の吸入室に吸入される。このため、電動用の絶縁性の高い潤滑油に絶縁性の低い潤滑油が混入された場合でも、複数種の潤滑油と液冷媒が混合されて電気絶縁特性の低下した混合液が生成されることはなく、前記混合液に起因する漏電を確実に防止することができる。又、必要十分な潤滑油を第1油貯留室及び第2油貯留室に蓄えることができ、信頼性も確保できる。
【0055】
特に、本発明では、従来空き空間であった低圧ガス領域を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電動圧縮機を電動スクロール圧縮機に具体化した縦断面図。
【図2】 電動スクロール圧縮機の圧縮機構の横断面図。
【図3】 電動スクロール圧縮機の吐出室を通る横断面図。
【図4】 背圧室及び弾性体の付近を拡大して示す縦断面図。
【図5】 軸支部材、弾性体及び固定スクロール部材の分解斜視図。
【符号の説明】
11…ハウジング、12c…底部、20…モータ収容室、23…電動モータ、24…固定スクロール部材、24a,28a…基板、24c,28b…渦巻壁、24h,24i,24j…通路、28…可動スクロール部材、30…圧縮室、33…吸入室、34…流体通路としての吸入通路、35…吐出室、39…第1油貯留室、41…背圧室、42…接続通路としての圧油供給通路、42a…流量制限手段としての絞り、53…第2油貯留室、54…抽油通路、55…調節弁。
Claims (4)
- ハウジング内に電動モータを収容するとともに、該電動モータによって作動されてガスの圧縮を行うための圧縮機構を収容し、前記電動モータを収容するモータ収容室を吸入雰囲気とした電動圧縮機であって、
吐出室内に設けられた第1油貯留室と、
前記吐出室の周囲に区画形成された第2油貯留室と、
前記第1油貯留室と第2油貯留室とを接続する接続通路と、
前記接続通路中に設けられた流量制限手段と、
前記第2油貯留室と圧縮機の吸入室とを連通する油戻し通路とを有しており、
前記モータ収容室の底部と圧縮機の吸入室とが流体通路により連通されていることを特徴とする電動圧縮機。 - 請求項1において、前記モータ収容室はガスの吸入通路であって、前記流体通路により、該モータ収容室の底部からガスが前記吸入室に導かれることを特徴とする電動圧縮機。
- 請求項1又は2において、圧縮機をハウジングに固定された基板及び渦巻壁からなる固定スクロール部材と、該固定スクロール部材の渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁からなる可動スクロール部材とを備え、前記電動モータにより前記可動スクロール部材を旋回させて両渦巻壁間に形成された圧縮室が渦巻壁の中心側に容積を減少しながら移動されてガスの圧縮が行われるスクロール形式としたことを特徴とする電動圧縮機。
- 請求項3において、前記可動スクロール部材の基板の背面側には該可動スクロール部材とハウジングに設けられた固定壁との間に背圧室が区画形成され、該背圧室と吐出室内に設けられた第1油貯留室とは絞りを要した接続通路としての圧油供給通路を介して連通され、前記背圧室と前記第2油貯留室とは絞り又は調節弁を備えた抽油通路を介して連通され、該第2油貯留室と前記両渦巻壁の外周側に形成された吸入室とは油戻し通路により連通されていることを特徴とする電動圧縮機。
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