JP4002839B2 - エポキシ樹脂をベースとする水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
DE-A-195 04 528 は、部分的にアクリル化されたエポキシ樹脂、即ち、エポキシおよび(メタ)アクリレート官能基の両方が1つの同じ分子中に存在する化合物を含有するアミン硬化性組成物を記載している。これらの組成物は、塗膜、特に床の基層を製造するために適しているとされている。アクリレート化樹脂は、部分的にアクリレート化されたエポキシドモノマーまたはオリゴマーであり、分子量150〜10,000を有し、少なくとも1つのエポキシド基および少なくとも1つの末端(メタ)アクリレート基を有する。硬化剤は、モノ-、ジ-またはポリアミンである。
US-A-4,524,107 は、繊維を含浸させるための水性エポキシ樹脂組成物を記載している。該組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤および強化剤の水性エマルションである。強化剤は、一般に乳化重合により製造されるポリマーである。
本発明は、硬化性成分を含有する水性塗料組成物に関し、該組成物は、
A)0.5〜90質量%の自己分散性エポキシ樹脂ではないエポキシ樹脂、
B)0.5〜90質量%のポリオール(メタ)アクリレート、
C)5.0〜98.0質量%の水、
D)0または0.1〜3質量%の有機溶剤、および
X)0.5〜10質量%の1種またはそれ以上の分散剤
からなり、
・(メタ)アクリレートB)は、1分子あたり少なくとも2つの反応性(メタ)アクリル基を有し、
・成分A)、B)、C)、D)およびX)の質量割合(%)の合計は、100質量%であり、
・23℃で測定した組成物のブルックフィールド粘度は、15,000mPas未満であることを条件とする
ことを特徴とする。
本発明の塗料組成物の成分A)は、自己分散性エポキシ樹脂ではないエポキシ樹脂により形成される。この条件は、エポキシ樹脂が、水を添加したときに、自発的に、即ち乳化剤、分散剤などを添加しないと、分散しないことを意味する。本発明における分散液は、分散液自体およびエマルションを包含すると理解される。
1つの実施態様においてエポキシ樹脂A)は、ビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFとエピクロロヒドロリンとの反応生成物である。
市販されている化合物A)の例は、Cognis Deutschland GmbH から得ることができる製品 Chem-Res E 30 および Epikote 828 である。
1つの実施態様において成分A)を、5〜50質量%の量、好ましくは20〜50質量%の量で使用する。
成分B)は、ポリオールの(メタ)アクリレートであるが、但しそれらは、1分子あたり少なくとも2つの反応性(メタ)アクリル基を有しなければならない。
本発明におけるアクリル基は-O-CO-CH=CH2基であり、メタクリル基は-O-CO-C(CH3)=CH2基である。
成分B)を、ポリオールをアクリル酸および/またはメタクリル酸により完全または部分的にエステル化することにより容易に得ることができる。
本発明において、最も広い意味で成分B)を製造するために適しているポリオールは、1分子あたり少なくとも2つのOH基を有するあらゆる有機化合物である。OH基は、脂肪族基に直接結合していても良く(例えばアルカンジオール(例えばグリコール)またはアルカントリオール(例えばグリセロールまたはトリメチロールプロパン))、芳香族基に直接結合していても良い(例えばビスフェノールA)。
適当な成分B)は、例えば DE-A-195 04 528 の第5頁第45〜64行に開示されているものである。
・エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
・ヘキサン-1,6-ジオールジ(メタ)アクリレート、アクリル酸および/またはメタクリル酸と、1〜200モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのヘキサン-1,6-ジオールへの付加生成物との反応生成物;
・トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、全部で2〜3モルのアクリル酸および/またはメタクリル酸と、1〜200モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのトリメチロールプロパンへの付加生成物との反応生成物;
・グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、脂肪酸モノグリセリドジ(メタ)アクリレート、アクリレート化および/またはメタクリレート化大豆油エポキシド、アクリレート化および/またはメタクリレート化アマニ油エポキシド、アクリル酸および/またはメタクリル酸と、1〜200モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのグリセロールへの付加生成物との反応生成物;
・アクリル酸および/またはメタクリル酸と(ビスフェノールAおよび/またはビスフェノールF)ジグリシジルエーテルとの反応生成物、アクリル酸および/またはメタクリル酸と、1〜200モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの(ビスフェノールAおよび/またはビスフェノールF)ジグリシジルエーテルへの付加生成物との反応生成物;
・アクリル酸および/またはメタクリル酸と、1モルのビスフェノールA (またはビスフェノールF) および2モルのグリセロールの反応、次いで得られたOH-末端化ジエーテルおよび2モルの無水マレイン酸、グルタル酸無水物または無水コハク酸の反応、さらに得られたカルボキシル末端化中間生成物および2モルの脂肪族ジオール (好ましくはOH-末端化ジオール) の反応により得ることができるα,ω-ジオールとの反応生成物。
成分C)は水であり、さらなる特別な説明は不要である。1つの実施態様においてC)の量は、10〜50質量%、とりわけ35〜50質量%である。
成分D)
成分D)は、溶剤により形成される。基本的に、関連する専門家に既知のあらゆる有機溶剤を使用することができる。しかしながら塗料技術で専門家に知られている溶剤を、好ましくは使用する。適当な溶剤の例は、モノ-、ジ-またはポリアルコール、グリコールエステル、グリコールエーテル;脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素、および最後にケトンの群からのものである。
成分X)は、分散剤により形成される。これらは、本発明に従い使用するエポキシ樹脂A)を水中に分散または乳化させることができる物質である。
対応する分散剤は、専門家に知られている。
分散剤X)を、好ましくはアニオン界面活性剤および非イオン界面活性剤の群から選択する。
適当なアニオン性分散剤X)の例は、脂肪アルコールスルフェートおよび脂肪アルコールエーテルスルフェートを含む。
適当な非イオン性分散剤X)は、例えば脂肪アルコール、および全部で1〜200モル(好ましくは10〜110モル)のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと脂肪アルコールおよび/またはアルキルフェノール、アルキルポリグルコシドとの付加生成物である。
塗料組成物を、専門家に既知のあらゆる方法により製造することができる。特に成分を、連続に相互と混合することができる。しかしながら等しく、2種またはそれ以上の成分を、まずあらかじめ製造し、次いでその形態で、他の成分と接触させ、最終塗料組成物を形成することができる。この特定の変法は、特に成分C)(水)に当てはまる。水を、本発明の塗料組成物の製造中に、多くの異なる方法で系全体に導入することができる。例えばA)および/またはB)の群、特に市販されている種類の化合物を、水性供給形態で使用することができる。言いかえれば水を、塗料組成物の他の必須成分で導入することができ、または水性供給形態である個々または全ての成分A)および/またはB)を使用して導入することさえできる。両方の方法を組合せることも可能である。
1つの実施態様において成分B)の水溶性は、0.1g/L未満である。
本発明は、塗膜の製造方法にも関し、該方法は、
A)0.5〜90質量%の自己分散性エポキシ樹脂ではないエポキシ樹脂、
B)0.5〜90質量%のポリオール(メタ)アクリレート、
C)5.0〜98.0質量%の水、
D)0または0.1〜3質量%の有機溶剤、および
X)0.5〜10質量%の1種またはそれ以上の分散剤
からなり、
・(メタ)アクリレートB)は、1分子あたり少なくとも2つの反応性(メタ)アクリル基を有し、
・成分A)、B)、C)、D)およびX)の質量割合(%)の合計は、100質量%であり、
・23℃で測定した組成物のブルックフィールド粘度は、15,000mPas未満であることを条件とする組成物と、
E)エポキシ樹脂A)を基準に1〜200質量%の水希釈性硬化剤、および
F)全成分の総量を基準に0〜90質量%の他の添加剤および/または加工助剤
とを接触させ、得られた混合物を、要求される形態にし、硬化させることを特徴とする。
水希釈性硬化剤は、本発明の方法において成分E)として使用される。基本的に硬化剤を、関連する専門家に既知のあらゆるエポキシ樹脂硬化剤から選択することができる。適当なエポキシ樹脂硬化剤の例は、少なくとも1つの官能基、好ましくはいくつかのそのような基を有する、官能性アミン化合物、官能性フェノール樹脂、官能性メルカプタン、官能性無水物またはカルボン酸である。ここで記載するエポキシ樹脂硬化剤として適している化合物は、専門家に知られている。
1つの実施態様において、α,β-不飽和カルボン酸エステルおよびモノ-、ジ-またはポリアミノポリアルキレンオキシド化合物をベースとする付加物から誘導される化合物を、成分E)として使用する。とりわけ成分E)を、以下に記載するE1)〜E3)タイプの群から選択する。
(a)1種またはそれ以上のα,β-不飽和カルボン酸エステル(I):
R2R3C=C(R4)COOR1 (I)
〔式中、R1は、15個までの炭素原子を有する芳香族または脂肪族基であり、置換基R2、R3およびR4は、相互に独立に、水素、20個までの炭素原子を有する分枝または未分枝、脂肪族または芳香族基、または-(CH2)n-COOR1基(式中R1は、上記と同じ定義であり、nは、0〜10の数である。)を表す。〕
を、エステル交換触媒の存在下で、
(b)1種またはそれ以上のヒドロキシ化合物と反応させ、
(ここで、化合物(a)および(b)を、(b)中のヒドロキシル基対α,β-不飽和カルボン酸エステル(a)中のエステル基COOR1の当量比が、1.5:1〜10:1の範囲であるような量で使用する。)
得られた中間生成物Z1を、
(c)1種またはそれ以上のモノ-、ジ-またはポリアミノポリアルキレンオキシド化合物と反応させ、
(ここで、(c)のアミノ窒素原子上の反応性水素原子対中間化合物Z1のエステル基の当量比を、10:1〜1:10の範囲に調節する。)
次いで得られた中間生成物Z2を、
(d)1種またはそれ以上のポリエポキシドと反応させ、
(ここで、ポリエポキシド(d)中のオキシラン環対(c)中で使用するモノ-、ジ-またはポリアミノポリアルキレンオキシド化合物の反応性水素原子の当量比を、100:1〜1.5:1の値に調節する。)
次いで得られた中間生成物Z3を、
(e)1種またはそれ以上の第1級および/または第2級アミンと反応させる
(ここで、中間生成物Z3中のオキシラン環対(e)のアミノ窒素原子上の反応性H原子の当量比を、1:1.5〜1:20の値に調節する。)
ことにより得ることができる。
表現「当量比」は、当業者にとってなじみがある。当量の概念の後ろにある基本的考えは、反応に参加するあらゆる物質に対して、所望の反応に含まれる反応性基が考慮されることである。当量比を示すことにより、使用する化合物(x)および(y)のあらゆる様々な反応性基が相互に対して有する比率を表すことができる。これに関して、反応性基は、反応性の最小の可能性のある基であると理解される、即ち反応性基の概念は、官能基の概念と同一ではないことを心に留めておくことが重要である。H-酸化合物の場合、これは、例えばOH基またはNH基はそのような反応性基を表すが、同じ窒素原子に位置する2つの反応性H原子を有するNH2基はそうではないことを意味する。その場合に官能基NH2中の2つの水素原子は適切に反応性基とみなされ、そうして官能基NH2は2つの反応性基、即ち水素原子を有する。
他の実施態様においてポリエポキシド(d)中のオキシラン環対(c)中で使用するモノ-、ジ-またはポリアミノポリアルキレンオキシド化合物の反応性水素原子の当量比を、50:1〜10:1の範囲の値に調節する。
適当な芳香族化合物(b)の例は、レソルシノール、ヒドロキノン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン (ビスフェノールA)、ジヒドロキシジフェニルメタン (ビスフェノールF) の異性体混合物、テトラブロモビスフェノールA、4,4'-ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルジフェニルプロパン、4,4'-ジヒドロキシジフェニル、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノール、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-エタン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-イソブタン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-エーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-スルホンなど、並びに上記化合物のクロロ化およびブロモ化生成物である。ビスフェノールAが好ましい芳香族化合物(b)である。
脂肪アルコールは、6〜36個の炭素原子を有する第1級アルコールであり、これは、飽和またはオレフィン性不飽和であり得る。適当な脂肪アルコールの例は、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ペラルゴニルアルコール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、ミリスチルアルコール、ペンタデカアルコール、パルミチルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、アラキジルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、トリコサノール、リグノセリル(Lignoceryl)アルコール、10-ウンデカノール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リシノリルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ガドレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコールである。
ポリエーテルジオールの特に魅力のある群は、アルカンジオール、例えばエタン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ヘプタン-1,7-ジオールおよびオクタン-1,8-ジオール、ポリオキシテトラメチレンジオール(ポリテトラヒドロフラン)およびダイマージオールのアルコキシル化により得ることができる。これらのアルコキシル化ジオールの製造は、通常、以下のように行われる:第1工程で、必要なジオールをエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと接触させ、得られた混合物をアルカリ触媒の存在下で温度20〜200℃で反応させる。エチレンオキシド(EO)および/またはプロピレンオキシド(PO)と使用ジオールとの付加生成物は、このようにして得られる。それゆえ付加生成物は、特定のジオールとの、EO付加物またはPO付加物またはEO/PO付加物である。EO/PO付加物の場合、EOおよびPOの付加を、統計的またはブロック的に行うことができる。
ヒドロキシ官能性化合物とアルキレンオキシドとの反応に関して、エトキシル化およびプロポキシル化が特に重要である。以下の手順を、通常、採用する:第1工程で、必要なヒドロキシル官能性化合物をエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと接触させ、得られた混合物をアルカリ触媒の存在下で温度範囲20〜200℃で反応させる。エチレンオキシド(EO)および/またはプロピレンオキシド(PO)の付加生成物は、このようにして得られる。付加生成物は、好ましくは、特定のヒドロキシル官能性化合物とのEO付加物またはPO付加物またはEO/PO付加物である。EO/PO付加物の場合、EOおよびPOの付加を、統計的またはブロック的に行うことができる。
・R8は、1〜12個の炭素原子を有する単官能性有機基であり、これは、脂肪族、脂環式または芳香族であり得、
・R9は、5〜200個までのポリオキシアルキレン単位、とりわけEOおよび/またはPO単位から構成されるポリオキシアルキレン基であり、
・R10は、水素、または4個までの炭素原子を有する脂肪族基である。
化合物(c)は、好ましくは148〜5,000、とりわけ400〜2,000の範囲の平均分子量(数平均Mn)を有する。
ビスフェノールA
・A.M. Paquin、“Epoxidverbindungen und Epoxidharze”、Springer-Verlag、ベルリン1958年、第V章、第308〜461頁、および
・Lee、Neville “Handbook of Epoxy Resins” 1967年、第2章、第201頁および第2〜33頁。
数種のエポキシ化合物(d)の混合物も、使用することができる。
他の適当な化合物(e)は、直前に記載したアミンと上記α,β-不飽和カルボン酸エステル(a)との反応生成物、および直前に記載したアミンと上記ポリエポキシ化合物(d)との反応生成物である。
(a)1種またはそれ以上のα,β-不飽和カルボン酸エステル(I):
R2R3C=C(R4)COOR1 (I)
〔式中、R1は、15個までの炭素原子を有する芳香族または脂肪族基であり、置換基R2、R3およびR4は、相互に独立に、水素、20個までの炭素原子を有する分枝または未分枝、脂肪族または芳香族基、または-(CH2)n-COOR1基(式中R1は、上記と同じ定義であり、nは、0〜10の数である。)を表す。〕
を、
(c)1種またはそれ以上のモノ-、ジ-またはポリアミノポリアルキレンオキシド化合物と反応させ
(ここで、化合物(a)および(c)を、(c)のアミノ窒素原子上の反応性水素原子対カルボン酸エステル(a)における式(I)で示されるCOOR1基に対してα,β位にあるC=C二重結合の当量比が10:1〜1:10であるような量で使用する。)、
次いで得られた中間生成物Z4を、
(d)1種またはそれ以上のポリエポキシドと反応させ
(ここで、ポリエポキシド(d)中のオキシラン環対モノ-、ジ-またはポリアミノポリアルキレンオキシド化合物(c)中の反応性水素原子の当量比を、100:1〜1.5:1の値に調節する。)、
次いで得られた中間生成物Z5を、
(e)1種またはそれ以上の第1級および/または第2級アミンと反応させる
(ここで、中間生成物Z5中のオキシラン環対(e)のアミノ窒素原子上の反応性H原子の当量比を、1:1.5〜1:20の値に調節する。)
ことにより得ることができる。
E1)タイプの硬化剤に対する前記所見は、他の点で、物質(a)および物質(c)〜(e)に当てはまる。
(a)1種またはそれ以上のα,β-不飽和カルボン酸エステル(I):
R2R3C=C(R4)COOR1 (I)
〔式中、R1は、15個までの炭素原子を有する芳香族または脂肪族基であり、置換基R2、R3およびR4は、相互に独立に、水素、20個までの炭素原子を有する分枝または未分枝、脂肪族または芳香族基、または-(CH2)n-COOR1基(式中R1は、上記と同じ定義であり、nは、0〜10の数である。)を表す。〕
を、
(c)1種またはそれ以上のモノ-、ジ-またはポリアミノポリアルキレンオキシド化合物と反応させ、
(ここで、化合物(a)および(c)を、(c)のアミノ窒素原子上の反応性水素原子対カルボン酸エステル(a)における式(I)で示されるCOOR1基に対してα,β位にあるC=C二重結合の当量比が10:1〜1:10であるような量で使用する。)
次いで得られた中間生成物Z4を、
(g)1種またはそれ以上のポリヒドロキシ化合物と反応させ、
(ここで、中間化合物Z4中のエステル基対ポリヒドロキシ化合物(g)中のヒドロキシル基の当量比を、1:1.1〜1:10の値に調節する。)
次いで得られた中間生成物Z6を、
(d)1種またはそれ以上のポリエポキシドと反応させ、
(ここで、ポリエポキシド(d)中のオキシラン環対中間生成物Z6中のヒドロキシル基の当量比を、1.5:1〜6:1の値に調節する。)
次いで得られた中間生成物Z7を、
(e)1種またはそれ以上の第1級および/または第2級アミンと反応させる
(ここで、中間生成物Z7中のオキシラン環対(e)のアミノ窒素原子上の反応性H原子の当量比を、1:1.5〜1:20の値に調節する。)
ことにより得ることができる。
E1)タイプの硬化剤に対する前記所見は、他の点で、物質(a)および物質(c)〜(e)に当てはまる。
ポリエーテルアミンの適当なポリエーテルブロックは、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、例えばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのコポリマー、ポリ(1,2-ブチレン)グリコール、ポリ(テトラメチレン)グリコールである。
・EP-B-634 424 の場合: 第6頁第23行〜第7頁第36行、
・WO-A-97/03108 の場合: 第29頁第1行〜第31頁最終行。
・Jeffamine D-400
・Jeffamine D-2000
・Jeffamine D-4000
・Jeffamine ED-600
・Jeffamine ED-900
・Jeffamine ED-2001
・Jeffamine ED-4000
・Jeffamine ED-6000
・Jeffamine T-3000
・Jeffamine T-5000
・Jeffamine ET-3000
これらの Jeffamine タイプは、個々で、または相互との混合物の形態で使用することができる。
ポリエーテルアミンE4)は、好ましくは400〜12,000、とりわけ400〜6,000の範囲の平均分子量(数平均;Mn)を有する。
他の適当なポリエーテルアミンE4)は、市販されている、専門家に既知の「Pluronic」タイプ(製造業者:BASF)および「PC Amines」(製造業者:Nitroil)である。
関連する専門家に既知の添加剤および/または加工助剤を、成分F)として、本発明の方法の経過中に添加することができる。その例は、顔料、セメント、砂利、脱気剤、脱泡剤、分散助剤、沈降防止剤、促進剤、遊離アミン、流れ調整添加剤、導電改良剤を含む。以下の添加剤および/または加工助剤が特に重要である:
・フィラー(成分F1)、
・開放時間延長剤(成分F2)、
・レオロジー添加剤(成分F3)。
フィラーの組合せは、貯蔵安定性および最終塗膜の耐薬品性について重大な効果を有する。フィラーとしての炭酸カルシウムは、当然、酸性化学品に対して比較的不良な耐性を示す。砂(必要な膜厚を得るために重要なフィラー)は、通常のフィラーと比べてその粗い粒子構造の故に、単一フィラーとして使用するには適していない。他の不活性添加剤との組合せは、少しの程度だけこの挙動を減少させるが、良好な適用性が保持される場合にその不良な沈降を補うことはできない。しかしながらフィラーの使用は、特別な表面効果を得るためには欠くことができない。光沢度および塗膜コスト、およびまた上記したその耐薬品性は、フィラーの適正な組合せを使用することに結び付く要因に依存する。
適当なフィラーは、2〜3g/cm3、好ましくは2.4〜2.7g/cm3の比重を有し、特に0.6〜1.0g/cm3のかさ密度を有する。
沈降の問題を回避するため、および重要な加工粘度を確立するため、粒度分布0〜100μm、好ましくは0〜50μmを有するフィラーが、特に適切である。粒度分布は、粒度の分布関数であり、粒度分析により測定され、粒度分布曲線として説明される(例えば DIN 66165-1: 1097-04 についての粒度分布曲線)。
1つの実施態様において成分F1)を、20〜60質量%の量で使用する。
1つの実施態様において成分F2)を、0.1〜2.0質量%の量で使用する。
疎水変性ポリエーテルウレタン(HEUR)または疎水変性ポリエーテル(HMPE)と組合せた層状ケイ酸塩を、好ましくは使用する。疎水変性は、疎水性基が、上記化合物群の分子中に存在することを意味する。特に好ましいHEURは、G. Schulte、J. Schmitz および R. Hoefer、Additive fuer waessrige Systeme und umweltfreudliche Lacke、Welt der Farben、28-31 (12/1997) に記載されている無溶剤HEUR、および DE-A-42 42 687 に記載されている偽可塑性HEURである。
1つの実施態様において成分F3)を、0.1〜3.0質量%の量で使用する。
本発明は、
A)0.5〜90質量%の自己分散性エポキシ樹脂ではないエポキシ樹脂、
B)0.5〜90質量%のポリオール(メタ)アクリレート、
C)5.0〜98.0質量%の水、
D)0または0.1〜3質量%の有機溶剤、および
X)0.5〜10質量%の1種またはそれ以上の分散剤
からなり、
・(メタ)アクリレートB)は、1分子あたり少なくとも2つの反応性(メタ)アクリル基を有し、
・成分A)、B)、C)、D)およびX)の質量割合(%)の合計は、100質量%であり、
・23℃で測定した組成物のブルックフィールド粘度は、15,000mPas未満であることを条件とする組成物の、塗膜を製造するための使用にも関する。
本発明は、平滑化および絶縁化合物として、とりわけ建築産業における上記塗料組成物の使用にも関する。床のための該塗料組成物の使用が特に好ましい。
Chem-Res E 30:ビスフェノールA/Fをベースとする液状エポキシ樹脂(Cognis Deutschland GmbH)
Photomer 4006:トリメチロールプロパントリアクリレート(製造業者:Cognis Deutschland GmbH)
Photomer 4094:1モルのグリセロールと3モルのプロピレンオキシドとの反応生成物のトリアクリレート(製造業者:Cognis Deutschland GmbH)
Disponil 23:市販分散剤(製造業者:Cognis Deutschland GmbH)
Waterpoxy 751:エポキシ樹脂硬化剤(製造業者:Cognis Deutschland GmbH)
実施例1(本発明)
以下の組成物を、各成分を組み合わせて、攪拌することにより製造した:
・60質量部の Chem Res E 30
・10.4質量部の Photomer 4006
・40質量部の水
・2質量部の Disponil 23。
実施例2(本発明)
Photomer 4094 を Photomer 4006 の代りに使用したこと(同じ質量)以外は、実施例1と同じである。
実施例3(本発明)
71.2質量部の Waterpoxy 751 を実施例1の組成物に添加した。該混合物を、金属基材に膜厚30μmで適用し、硬化させた。
実施例4(本発明)
71.2質量部の Waterpoxy 751 を実施例2の組成物に添加した。該混合物を、金属基材に膜厚30μmで適用し、硬化させた。
以下の組成物を、各成分を組み合わせて、攪拌することにより製造した:
・60質量部の Chem Res E 30
・40質量部の水
・2質量部の Disponil 23。
71.2質量部の Waterpoxy 751 を、この組成物に添加した。該混合物を、金属基材に膜厚30μmで適用し、硬化させた。
Claims (4)
- 硬化性成分を含有する水性塗料組成物であって、
A)0.5〜90質量%の自己分散性エポキシ樹脂ではないエポキシ樹脂、
B)0.5〜90質量%のポリオール(メタ)アクリレート、
C)5.0〜98.0質量%の水、
D)0または0.1〜3質量%の有機溶剤、および
X)0.5〜10質量%の1種またはそれ以上の分散剤
からなり、
・(メタ)アクリレートB)は、1分子あたり少なくとも2つの反応性(メタ)アクリル基を有し、
・成分A)、B)、C)、D)およびX)の質量割合(%)の合計は、100質量%であり、
・23℃で測定した組成物のブルックフィールド粘度は、15,000mPas未満であることを条件とする
ことを特徴とする組成物。 - 成分B)の水溶性が0.1g/L未満であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 塗膜の製造方法であって、
A)0.5〜90質量%の自己分散性エポキシ樹脂ではないエポキシ樹脂、
B)0.5〜90質量%のポリオール(メタ)アクリレート、
C)5.0〜98.0質量%の水、
D)0または0.1〜3質量%の有機溶剤、および
X)0.5〜10質量%の1種またはそれ以上の分散剤
からなり、
・(メタ)アクリレートB)は、1分子あたり少なくとも2つの反応性(メタ)アクリル基を有し、
・成分A)、B)、C)、D)およびX)の質量割合(%)の合計は、100質量%であり、
・23℃で測定した組成物のブルックフィールド粘度は、15,000mPas未満であることを条件とする組成物と、
E)エポキシ樹脂A)を基準に1〜200質量%の水希釈性硬化剤、および
F)全成分の総量を基準に0〜90質量%の他の添加剤および/または加工助剤
とを接触させ、得られた混合物を、要求される形態にし、硬化させることを特徴とする方法。 - A)0.5〜90質量%の自己分散性エポキシ樹脂ではないエポキシ樹脂、
B)0.5〜90質量%のポリオール(メタ)アクリレート、
C)5.0〜98.0質量%の水、
D)0または0.1〜3質量%の有機溶剤、および
X)0.5〜10質量%の1種またはそれ以上の分散剤
からなり、
・(メタ)アクリレートB)は、1分子あたり少なくとも2つの反応性(メタ)アクリル基を有し、
・成分A)、B)、C)、D)およびX)の質量割合(%)の合計は、100質量%であり、
・23℃で測定した組成物のブルックフィールド粘度は、15,000mPas未満であることを条件とする組成物の、塗膜を製造するための使用。
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