JP4001843B2 - 携帯通信端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、国又は地域に跨ってローミングを使用して通話を行う国際ローミングが可能な携帯通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話機にいては、複数の通信事業者のサポート地域に跨ってサービスが受けられるローミングが盛んに利用されている。また、次世代移動体通信システムの規格であるIMT2000などで注目されているように、日本国内で購入した携帯電話機が海外でもそのまま使えるよな国際ローミングも利用され始めている。このように、海外の通信事業者との国際ローミング(相互接続)契約により、諸外国において移動体無線通信システムを利用した通信を可能とする携帯電話機が市場に出回り始めている。また、この種の携帯電話機として、CDMA(Code Division Multiple Access)方式のグローバルパスポート対応の携帯電話なども製品化され始めている。こうした自国のみならず諸外国で通信可能な携帯電話機は、契約した通信事業者により提供されるキャリアがカバーするセルにおいて待ち受けが可能であり、国内や国外の携帯電話機および有線電話機を呼び出すことによって通話が可能となる。
【0003】
ところで、昨今の携帯電話機には、ユーザ側のニーズの多様化により操作性を簡易化するための様々なサービスアプリケーションがインプリメントされている。その一つに通話中の会話を電話機本体のメモリに録音できる音声メモ機能サービスがある。このような音声メモ機能サービスによれば、通話中の会話内容を携帯電話機の釦操作一つで録音することができるので、後で繰り返し再生して通話内容を確認することができるというボイスレコーダの携帯版に相当する便利なものである。
【0004】
このような国際ローミングが可能であって、かつ通話中の会話を録音することができる携帯電話機においては、相手国の法や倫理的な規制により、従来より、通話相手側の電話番号に基づいて録音機能を規制するものがある。また、通話相手側の位置を確認して録音機能を規制するものもある。さらには、基地局から国や地域を特定するカントリーコードを受信して録音機能を規制するものもある。
尚、下記の特許文献1には音声メモ機能を備えた携帯端末に関する技術が報告されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−204298号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような音声メモ機能がインプリメントされた携帯電話機を国際ローミング契約した場合、通話中の会話録音が盗聴(または、傍受)に値するとしてプライバシーの侵害など法律上の規制を実施している諸外国でも簡単に使用される危険性がある。こういったケースでトラブルを発生させないためには、携帯電話機の製造業者側または通信事業者側で音声メモ機能サービスを規制するなどの配慮を行うことが望ましい。しかし、現在のところは、音声メモ機能を備えた携帯電話機を使用して国際ローミング契約されている国や地域と通信を行う場合は、ユーザ側の責任事項として通話中の会話録音をするか否かの操作を行うしか方法がない。
【0007】
また、通話相手側の電話番号に基づいて録音機能を規制したり、通話相手側の位置を確認して録音機能を規制したりする携帯電話機にあっては、自己が録音を規制されている国や地域に存在する場合は、録音機能を制限するか否かはユーザ任せになっている。さらに、基地局から国や地域を特定するカントリーコードを受信して録音機能を規制する携帯電話機にあっては、録音機能を規制するシステムを国際的に統一するように変更しなければならないなど、国際的なルール作りやコスト面での問題があってその実現性は乏しい。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、音声メモ機能を備えた携帯通信端末を用いて国際ローミング契約されている諸外国と通話を行う場合、それぞれの国の法律事情に応じて音声メモ機能の使用の可否が決定できるような携帯通信端末を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の携帯通信端末は、複数の国又は地域でサービスを受けることが可能な国際ローミング機能を備えた携帯通信端末において、通話中の情報を記録する記録手段と、ローミング先で使用する自己の識別番号を記憶する第一の記憶手段と、国又は地域毎に記録手段の規制の有無に関する情報を記憶する第二の記憶手段と、第一の記憶手段に記憶されている識別番号を用いた通話の場合は、その識別番号と第二の記憶手段に記憶されている情報とに基づいて記録手段を規制する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明の携帯通信端末は、国際ローミング先で割り当てられる自己のローミング番号を識別番号として記憶し、この識別番号に基づいて録音機能を制限している。具体的な例としては、携帯通信端末が国際ローミング先で使用する自己の電話番号を検出して、この番号体系と自己のメモリ内容とを比較しながら録音機能を制限するか否かを決定している。尚、検出するのは電話番号に限らず、キャリア特有の識別番号であっても構わない。
【0011】
したがって、本発明によれば、通話中の会話を電話機本体のメモリに録音できる音声メモ機能を備えた携帯通信端末(例えば、携帯電話機)が、通話中の会話録音が法律上規制されている諸外国において通話を行う場合、携帯電話機に備えられている制御手段が携帯電話機の音声メモ機能を自動的に無効にする。これによって、音声メモ機能がインプリメントされた携帯電話機を国際ローミング契約した場合でも、ユーザは会話録音の法律に触れることなく安心して諸外国の通話相手と通話を行うことができる。
【0012】
また、本発明の携帯通信端末は、前記制御手段が前記記録手段の記録を規制した場合、規制している旨の情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする。すなわち、本発明の携帯通信端末によれば、通話中の会話録音が法律上規制されている諸外国において通話を行う場合、制御手段によって通話録音は規制されるが、このとき、表示手段が規制している旨をディスプレイに表示させるので、ユーザは、規制されていることが分かると共にその国の法律に触れることなく、安心して諸外国の通話相手と通話を行うことができる。
【0013】
また、本発明の携帯通信端末においては、前記第一の記憶手段に記憶される識別番号は、ローミング先で割り当てられた識別番号であることを特徴とする。すなわち、本発明の携帯通信端末によれば、確実に自己の携帯通信端末が規制されるように、ローミング先で自己の携帯通信端末に割り当てられている識別番号(例えば、電話番号やローミング先の通信事業者で用いられる形式の識別番号など)に基づいて自己の録音機能を規制している。これによって、既存の携帯通信端末のシステムを変更することなく、確実に自己の携帯通信端末の録音機能を規制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、移動体無線通信システムで利用される本発明の携帯通信端末について詳細に説明する。尚、以下の実施の形態では、携帯通信端末を携帯電話機とした場合について説明する。図1は、本発明に適用される携帯電話機が国際ローミングシステムを利用する場合のネットワーク構成図である。図1に示すように、このネットワークの構成は、国内無線通信網1と海外無線通信網2とが国際ローミング3で契約された通信接続となっている。国内無線通信網1には基地局4が設置され、携帯電話機である移動局5の通信サービスエリアをカバーしている。また、海外無線通信網2には基地局6が設置され、携帯電話機である移動局7の通信サービスエリアをカバーしている。さらに、海外無線通信網2には図示しない有線ネットワークを介して有線電話8が接続されている。
【0015】
次に、図1のネットワーク構成における通信サービスの動作について説明する。携帯電話機である移動局5は、基地局4を介して国内無線通信網1を利用し、国際ローミング3の契約されている海外無線通信網2と通信接続されている。そして、移動局5は、海外無線通信網2に接続されている移動局7または有線電話8を呼び出して通話を行う。このとき、通話中の移動局5は、自己の音声メモ機能の釦を押すと通話中の会話を録音することができる。もちろん、海外無線通信網2に接続されている移動局7や有線電話8においても、音声メモ機能が設けられていれば、その音声メモ機能の釦を押すことによって通話中の会話を録音することができる。
【0016】
ここで、音声メモ機能を備えた移動局5が海外無線通信網2の移動局7と通話するとき、移動局7は、海外無線通信網2をサービスエリアとする国が会話録音の法律規制を行っている国であるか否かを判断する。会話録音の法律規制を行っていない国であれば、移動局7は、所望により音声メモ機能を有効にし、移動局5との会話を録音する。一方、海外無線通信網2をサービスエリアとする国が会話録音の法律規制を行っている国であれば、移動局7は音声メモ機能を自動的に無効化するので、移動局5との会話は録音されない。また、録音規制された理由が移動局7のディスプレイに表示される。
【0017】
図2は、本発明の携帯通信端末として実現される移動局の構成図である。移動局10は、アンテナ11が設けられ、無線部12、制御部13、音声処理部14、送話部15、受話部16、表示部17、操作部18、ローミング制御部19、音声メモ制御部20、及びガイダンス制御部21を備えた構成となっている。このうち、本発明の携帯通信端末を実現するために付加された要素は、ローミング制御部19、音声メモ制御部20、及びガイダンス制御部21である。
【0018】
まず、移動局10における従来の構成要素について簡単に説明する。無線部12は音声信号を無線処理してアンテナ11との間で送受信する機能を備え、制御部13は移動局10全体の制御を行う機能を備えている。音声処理部14は、音声信号を音声へ変換したり音声を音声信号に変換したりする機能を備えている。送話部15は音声送話を行う機能を備え、受話部16は音声受話を行う機能を備えている。表示部17はディスプレイに情報を表示させる機能を備え、操作部18は各種の操作釦を備えている。
【0019】
次に、移動局10における本発明の構成要素について説明する。ローミング制御部19は、発信国と相手国の音声メモ機能サービスの規制状況のチェックを行い、その結果を制御部13へ渡す機能を備えている。音声メモ制御部20は、ローミング制御部19が行ったチェックの結果が規制なしのときに制御部13によって起動され、通話中の会話内容を録音する機能を備えている。ガイダンス制御部21は、ローミング制御部19が行ったチェックの結果が規制ありのときに制御部13によって起動され、規制理由の情報をガイダンス表示として編集し、編集した規制理由の情報を表示部17へ渡してディスプレイに表示させる機能を備えている。
【0020】
ここで、音声メモ制御部20は通話中の情報を記録する記録手段を備えている。また、ローミング制御部19は、ローミング先で使用する自己の識別番号を記憶する第一の記憶手段と、国又は地域毎に記録手段の規制の有無に関する情報を記憶する第二の記憶手段と、第一の記憶手段に記憶されている識別番号を用いた通話の場合に、その識別番号と第二の記憶手段に記憶されている情報とに基づいて記録手段を規制する制御手段とを備えている。さらに、表示部17は、制御手段が記録手段の記録を規制した場合に、規制している旨の情報を表示する表示手段を備えている。
【0021】
次に、フローチャートを参照しながら、従来の移動局と本発明の移動局による国際ローミング処理の違いを説明する。図3は本発明の移動局における国際ローミング処理の流れを示すフローチャートであり、図4は従来の移動局における国際ローミング処理の流れを示すフローチャートである。
【0022】
まず、図1と図4を参照して、従来の移動局における国際ローミング処理の流れを説明する。図4に示すように、従来の移動局においては、通話中の移動局5は、音声をメモする録音釦が押されたか否かを判断し(ステップS11)、録音釦が押された場合には(ステップS11でYesの場合)、発信国や相手国が会話録音を法律規制している国であるか否かに関わらず、無条件に音声メモ機能のサービスを実行し、通話中の会話の録音を行う(ステップS12)。
【0023】
次に、図1、図2、及び図3を参照して、本発明の移動局における国際ローミング処理の流れを説明する。図3に示すように、本発明の移動局においては、通話中の移動局7は、音声をメモする録音釦が押されたか否かを判断し(ステップS1)、録音釦が押された場合には(ステップS1でYesの場合)、ローミング制御部19は、発信操作を行った国は音声メモ機能のサービスが規制されている国であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0024】
ここで、発信操作を行った国が音声メモ機能のサービスが規制されていない国である場合は(ステップS2でNoの場合)、ローミング制御部19は、相手国が音声メモ機能サービスの規制されている国であるか否かを判断する(ステップS3)。そして、相手国が音声メモ機能サービスを規制していない国である場合は(ステップS3でNoの場合)、つまり、発信国と相手国の両方が音声メモ機能サービスを規制していない国である場合は、音声メモ制御部20が、通常通りに音声メモ機能サービスを実行し、通話中の会話を録音させる(ステップS4)。
【0025】
一方、ステップS2において、発信操作を行った国が音声メモ機能サービスの規制されている国である場合は(ステップS2でYesの場合)、ガイダンス制御部21が、音声メモ機能サービスが規制されている理由を示す理由表示1として、「発信国の音声メモ機能のサービスは規制されています。」という情報を表示部17のディスプレイにガイダンス表示させる(ステップS5)。これによって、移動局5は、音声メモ機能サービスは実行されず、通話中の会話を録音することができない。
【0026】
また、ステップS3において、相手国が音声メモ機能サービスを規制している国である場合は(ステップS3でYesの場合)、ガイダンス制御部21は、音声メモ機能サービスが規制されている理由を示す理由表示2として、「相手国の音声メモ機能サービスは規制されています。」という情報を表示部17のディスプレイにガイダンス表示させる(ステップS5)。これによって、移動局5は、音声メモ機能サービスは実行されず、通話中の会話を録音することができない。
【0027】
このように、移動局10である携帯電話機にローミング制御部19を設けることにより、国際ローミングサービスを提供する場合において、諸外国の法律事情にしたがって音声メモ機能を制御することができる。また、携帯電話機にガイダンス制御部21を設けることによって、ユーザに音声メモ機能サービスを規制する理由を知らせることができると共に、ユーザに対して音声メモ機能のサービスを規制することを促すことができる。
尚、音声メモ機能を規制している場合、通話中にそのための表示をしても良く(例えばアイコンなどを用いても良い)、又、音声メモのボタンが押された時に規制している旨の報知をしても良い。
【0028】
すなわち、本発明の携帯通信端末によれば、「発信国の音声メモ機能のサービスは規制されています。」、又は「相手国の音声メモ機能のサービスは規制されています。」と表示された場合は、携帯通信端末の発信時に使用する国際ローミング先で割り当てられた識別番号(例えば、移動局識別番号:Mobile Identification Number)、又は事前に国際ローミング契約時に割り当てられた国際ローミング先で使用する識別番号と、第二の記憶手段に記憶されている録音規制情報とに基づいて、発信時に録音機能を自動的に規制することができる。
【0029】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。上記の実施の形態では、発信側の移動局に対して音声メモ機能サービスを規制する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、受信側の移動局に対しても音声メモ機能サービスを規制することができることは云うまでもない。もちろん、受信側の有線電話に対しても音声メモ機能サービスを規制することができることは当然である。さらに、上記の実施の形態では、携帯通信端末において、国際ローミング先における録音機能の規制について説明したが、これに限ることはなく、例えば、テレビ電話などにおける録画機能の規制にも適用されることは云うまでもない。また、通話時にローミング制御部が起動されることで本発明の機能を行うものでも良い。
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、通話中の会話を電話機本体のメモリに録音できる音声メモ機能を備えた携帯電話機が、通話中の会話録音が盗聴(または、傍受)に値するとして法律上規制している諸外国において通話を行う場合、その携帯電話機の音声メモ機能を自動的に規制することができる。これによって、音声メモ機能がインプリメントされた携帯電話機を国際ローミング契約した場合でも、携帯電話機の音声メモ機能が通話中の会話録音を法律規制している諸外国で使用されるという危険性を免れることができる。このとき、音声メモ機能の規制理由が表示されるので、ユーザは規制理由を理解して安心して諸外国の通話相手と通話を行うことができる。
【0031】
また、本発明の携帯電話機によれば、通話録音の規制なしと判断したときには、必要に応じて、有効化された音声メモ機能を実行して通話中の会話を録音することができる。これによって、通話中の会話録音が法律上規制されていない諸外国の通話相手と通話を行う場合、携帯電話機に備えられている音声メモ機能を実行して通話中の会話を任意に録音することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通話中の会話を電話機本体のメモリに録音できる音声メモ機能を備えた携帯電話機が、通話中の会話録音が盗聴(または、傍受)に値するとして法律上規制している諸外国において通話を行う場合、その携帯電話機の音声メモ機能を自動的に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に適用される携帯電話機が国際ローミングシステムを利用する場合のネットワーク構成図である。
【図2】 本発明の携帯端末として実現される移動局の構成図である。
【図3】 本発明の移動局における国際ローミング処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】 従来の移動局における国際ローミング処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…国内無線通信網、2…海外無線通信網、3…国際ローミング、4,6…基地局、5,7…移動局、8…有線電話、10…移動局、11…アンテナ、12…無線部、13…制御部、14…音声処理部、15…送話部、16…受話部、17…表示部、18…操作部、19…ローミング制御部、20…音声メモ制御部、21…ガイダンス制御部

Claims (3)

  1. 複数の国又は地域でサービスを受けることが可能な国際ローミング機能を備えた携帯通信端末において、
    通話中の情報を記録する記録手段と、
    ローミング先で使用する自己の識別番号を記憶する第一の記憶手段と、
    国又は地域毎に前記記録手段の規制の有無に関する情報を記憶する第二の記憶手段と、
    前記第一の記憶手段に記憶されている前記識別番号を用いた通話の場合は、その識別番号と前記第二の記憶手段に記憶されている情報とに基づいて前記記録手段を規制する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする携帯通信端末。
  2. 前記制御手段が前記記録手段の記録を規制した場合、規制している旨の情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端未。
  3. 前記第一の記憶手段に記憶される識別番号は、ローミング先で割り当てられた識別番号であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯通信端末。
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