JP4001141B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主駆動輪を内燃機関(エンジン)などの主駆動源で駆動すると共に、従駆動輪を適宜モータで駆動することで4輪駆動状態となる4WD車両の駆動力制御装置に係り、特にモータから従駆動輪へのトルク伝達経路の途中にクラッチが介挿された車両の駆動力制御装置に関するものである。
従来の車両の駆動力制御装置としては、4輪駆動状態で車両がロールバックしていると判断したとき、モータの電機子電流及び界磁電流の少なくとも一方を通常時の電流値に比べて低い値となるように減少制御することで、発進時にモータから車輪までの動力伝達系に過大な負荷がかかることを防止するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−23887号公報
ところで、モータ駆動当初における動力伝達系のバックラッシュ等に起因するショックを抑制するために、4輪駆動状態に移行する前に、モータから車輪までの動力伝達経路に存在するガタを詰める所謂ガタ詰め制御を行うという方法をとることが想定される。
しかしながら、上記従来の車両の駆動力制御装置にあっては、4輪駆動状態で車両がロールバックしているときに前記減少制御を行うだけであり、上述したような4輪駆動状態に移行する前のガタ詰め制御中に、車両がロールバックする場合を考慮していない。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ガタ詰め制御中に車両がロールバックしている状態のとき、そのロールバック速度に応じた適切な制御を行うことができる車両の駆動力制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る車両の駆動力制御装置は、駆動予測手段で従駆動輪が駆動される可能性のある状態か否かを推定し、前記駆動予測手段で前記従駆動輪が駆動状態に移行する可能性があると判定したとき、ガタ詰め制御手段でクラッチを接続状態にすると共にモータを微小トルク発生状態にするガタ詰め制御を行い、ロールバック検出手段で車両がロールバックしていることを検出し、前記ガタ詰め制御手段でのガタ詰め制御中に、前記ロールバック検出手段で車両がロールバックしていると判定し、且つ車両移動速度が第1の車速以上であると判定すると、界磁電流制御手段で前記モータの界磁電流指令値を、通常のガタ詰め制御時の界磁電流指令値より低下させる。
本発明によれば、ガタ詰め制御中に車両がロールバックしているときには、車両移動速度が所定の車速以上となったときに、モータの界磁電流指令値を通常のガタ詰め制御時の界磁電流指令値より小さい値に低下させるので、モータとジェネレータとの電位差を少なくすることができ、モータに過大な電機子電流が流れることを防止することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る車両のシステム構成を説明する図である。
この図1に示すように、本実施形態の車両は、左右前輪1L、1Rが、内燃機関であるエンジン2によって駆動される主駆動輪であり、左右後輪3L、3Rが、モータ4によって駆動可能な従駆動輪である。上記エンジン2の出力トルクTeは、変速機30及びディファレンスギア31を通じて左右前輪1L、1Rに伝達される。
上記変速機30には、現在の変速のレンジを検出するシフト位置検出手段32が設けられ、該シフト位置検出手段32は、検出したシフト位置信号を4WDコントローラ8に出力する。
上記変速機30は、不図示の変速制御部からのシフト命令に基づき変速操作を行う。変速制御部は、例えば車速とアクセル開度に基づく変速シフトスケジュールをテーブルなどの情報として有していて、現在の車速及びアクセル開度に基づき変速点を通過すると判定するとシフト命令を変速機30に出力する。
上記エンジン2の吸気管路14(例えばインテークマニホールド)には、メインスロットルバルブ15とサブスロットルバルブ16が介装されている。メインスロットルバルブ15は、アクセル開度指示装置(加速指示操作部)であるアクセルペダル17の踏み込み量等に応じてスロットル開度が調整制御される。このメインスロットルバルブ15は、アクセルペダル17の踏み込み量に機械的に連動するか、あるいは当該アクセルペダル17の踏み込み量を検出するアクセルセンサ40の踏み込み量検出値に応じて、エンジンコントローラ18が電気的に調整制御することで、そのスロットル開度が調整される。上記アクセルセンサ40の踏み込み量検出値は、4WDコントローラ8にも出力される。
また、サブスロットルバルブ16は、ステップモータ19をアクチュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により開度が調整制御される。上記ステップモータ19の回転角は、モータコントローラ20からの駆動信号によって調整制御される。なお、サブスロットルバルブ16にはスロットルセンサが設けられており、このスロットルセンサで検出されるスロットル開度検出値に基づいて、上記ステップモータ19のステップ数はフィードバック制御される。ここで、上記サブスロットルバルブ16のスロットル開度をメインスロットルバルブ15の開度以下等に調整することによって、運転者のアクセルペダルの操作とは独立して、エンジン2の出力トルクを制御することができる。
また、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数検出センサ21を備え、エンジン回転数検出センサ21は、検出した信号をエンジンコントローラ18及び4WDコントローラ8に出力する。
また、符号34はブレーキペダルであって、そのブレーキペダル34のストローク量がブレーキストロークセンサ35によって検出される。該ブレーキストロークセンサ35は、検出したブレーキストローク量を制動コントローラ36及び4WDコントローラ8に出力する。
制動コントローラ36は、入力したブレーキストローク量に応じて、各車輪1L、2R、3L、3Rに装備したディスクブレーキなどの制動装置37FL、37FR、37RL、37RRを通じて、車両に作用する制動力を制御する。
また、符号39は、駆動モードスイッチであって、2WDと4WDとの切替指令を出力するものである。
また、上記エンジン2の回転トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達されることで、上記発電機7は、エンジン2の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転する。
上記発電機7は、図2に示すように、出力電圧Vを調整するための電圧調整器22(レギュレータ)を備え、4WDコントローラ8の発電機制御部8Eからの発電機制御指令値c1(デューティ比)に応じた界磁電流Ifhに調整することで、エンジン2に対する発電負荷及び発電する電圧Vが制御される。すなわち、電圧調整器22は、発電機制御部8Eから発電機制御指令c1(デューティ比)を入力し、その発電機制御指令c1に応じたデューティ比に発電機7の界磁電流Ifhを調整すると共に、発電機7の出力電圧Vを検出し4WDコントローラ8に出力する。
なお、発電機7の回転数Nhは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算することができる。
その発電機7が発電した電力は、電線9を介してモータ4に供給可能となっている。その電線9の途中にはジャンクションボックス10が設けられている。上記モータ4の駆動軸は、減速機11及びクラッチ12を介して後輪3L、3Rに接続可能となっている。符号13はデフを表す。
また、上記クラッチ12は、油圧クラッチや電磁クラッチであって、4WDコントローラ8からのクラッチ制御指令に応じて接続状態又は切断状態となる。
また、上記ジャンクションボックス10内には電流センサ23が設けられ、該電流センサ23は、発電機7からモータ4に供給される電力の電機子電流値Iatを検出し、当該検出した電機子電流Iatの信号を4WDコントローラ8に出力する。また、電線9を流れる電圧値(モータ4の電圧)が4WDコントローラ8で検出される。符号24は、リレーであり、4WDコントローラ8から指令によってモータ4に供給される電圧(電流)の遮断及び接続が制御される。
また、モータ4は、4WDコントローラ8からの指令によって界磁電流Ifmが制御され、その界磁電流Ifmの調整によって駆動トルクが目標モータトルクTmに調整される。なお、符号25はモータ4の温度を測定するサーミスタである。
上記モータ4の駆動軸の回転数Nmを検出するモータ用回転数センサ26を備え、該モータ用回転数センサ26は、検出したモータ4の回転数信号を4WDコントローラ8に出力する。
また、各車輪1L、1R、3L、3Rには、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRが設けられている。各車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRは、対応する車輪1L、1R、3L、3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
4WDコントローラ8は、図3に示すように、目標モータトルク演算部8A、モータ制御部8B、リレー制御部8C、クラッチ制御部8D、発電機制御部8E、及びガタ詰め処理を行うガタ詰め制御部8Fを備え、駆動モードスイッチ39が4WD状態の場合に作動する。ここで、ガタ詰め処理は、モータから車輪までのトルク伝達経路中にあるクラッチ等の機構に存在するガタを詰めるような処理であり、2輪駆動状態から4輪駆動状態へ移行する間の4輪駆動待機状態に行われる。
リレー制御部8Cは、発電機7からモータ4への電力供給の遮断・接続を制御し、4輪駆動状態となっている間は、リレー24を接続状態とする。
クラッチ制御部8Dは、上記クラッチ12の状態を制御し、4輪駆動状態と判定している間はクラッチ12を接続状態に制御する。
上記目標モータトルク演算部8Aは、余剰トルク演算部8Aa、加速アシストトルク演算部8Ab、及びモータトルク決定部8Acを備える。
余剰トルク演算部8Aaは、前輪の加速スリップに応じた余剰のエンジントルクを演算する手段であって、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づき、図4に示す処理を行う。
すなわち、先ず、ステップS10において、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRからの信号に基づき演算した、前輪1L、1R(主駆動輪)の車輪速から後輪3L、3R(従駆動輪)の車輪速を減算することで、前輪1L、1Rの加速スリップ量であるスリップ速度ΔVFを求め、ステップS20に移行する。
ここで、スリップ速度ΔVFの演算は、例えば、次のように行われる。
前輪1L、1Rにおける左右輪速の平均値である平均前輪速VWf、及び後輪3L、3Rにおける左右輪速の平均値である平均後輪速VWrをそれぞれ算出する。次に、上記平均前輪速VWfと平均後輪速VWrとの偏差から、主駆動輪である前輪1L、1Rの加速スリップ度合を示すスリップ速度(加速スリップ量)ΔVFを、下記式により算出する。
ΔVF=VWf−VWr
ステップS20では、上記求めたスリップ速度ΔVFが所定値、例えばゼロより大きいか否かを判定する。スリップ速度ΔVFが0以下と判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていないと推定されるので、ステップS30に移行し、Tm1にゼロを代入した後、復帰する。
一方、ステップS20において、スリップ速度ΔVFが0より大きいと判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていると推定されるので、ステップS40に移行する。
ステップS40では、前輪1L、1Rの加速スリップを抑えるために必要な吸収トルクTΔVFを、下記式によって演算してステップS50に移行する。この吸収トルクTΔVFは加速スリップ量に比例した量となる。
TΔVF=K1×ΔVF ………(1)
ステップS50では、現在の発電機7の負荷トルクTGを、下記式に基づき演算したのち、ステップS60に移行する。
TG=K2・(V×Ia)/(K3×Nh)
ここで、
V :発電機7の電圧
Ia:発電機7の電機子電流
Nh:発電機7の回転数
K3:効率
K2:係数
である。
ステップS60では、下記式に基づき、余剰トルクつまり発電機7で負荷すべき発電負荷トルクThを求め、ステップS70に移行する。
Th=TG+TΔVF
次に、ステップS70では、上記発電負荷トルクThが、仕様等から定まる発電機7の最大負荷容量HQより大きいか否かを判定する。発電負荷トルクThが当該発電機7の最大負荷容量HQ以下と判定した場合には、ステップS90に移行する。一方、目標発電負荷トルクThが発電機7の最大負荷容量HQを越えている場合には、ステップS80にて、発電負荷トルクThを最大負荷容量HQに制限してステップS90に移行する。
ステップS90では、上記発電機負荷トルクThに応じた第1目標モータトルクTm1を求めて処理を終了する。この第1目標モータトルクTm1は、前輪の加速スリップ量に応じた目標モータトルクとなる。なお、上記処理では、一度発電機での負荷トルクを求めてから第1目標モータトルクTm1を演算しているが、前輪の加速スリップ量に直接所定のゲインを乗算して第1目標モータトルクTm1を演算しても良い。
次に、加速アシストトルク演算部8Abの処理について説明する。
加速アシストトルク演算部8Abは、図5に示すマップに基づき、車両速度とアクセル開度θ(運転者による加速指示量)に応じた第2目標モータトルクTm2を演算する。この第2目標モータトルクTm2は、アクセル開度θが大きい程大きく且つ、車両速度が小さい程小さい値となり、所定車両速度以上ではゼロとなるように設定される。所定車両速度とは、例えば、車両が発進状態から脱したと推定される低速の車両速度とする。
この特性値は、第2目標モータトルクの最大値(図5中のCONSTの部分)が通常想定される路面での発進が可能と思われるモータトルクとなるように設定されている。
次に、モータトルク決定部8Acは、上記余剰トルク演算部8Aa及び加速アシストトルク演算部8Abが演算した第1及び第2目標モータトルクTm1、Tm2についてセレクトハイを行い、大きい方の値を目標モータトルクTmとして決定し、モータ制御部8Bに出力する。
次に、モータ制御部8Bの処理について、図6を参照しつつ説明する。モータ制御部8Bは、所定サンプリング時間毎に作動し、まず、ステップS200で、目標モータトルクTmが0より大きいか否かを判定する。Tm>0と判定されれば、前輪1L、1Rが加速スリップしているので、ステップS210に移行する。また、Tm≦0と判定されれば、前輪1L、1Rは加速スリップしていない状態であるので、ステップS290に移行する。
ステップS210では、モータ用回転数センサ21が検出したモータ4の回転数Nmを入力し、そのモータ4の回転数Nmに応じた目標モータ界磁電流Ifmを算出し、当該目標モータ界磁電流Ifmをモータ界磁電流の目標値とした後、ステップS220に移行する。
ここで、上記モータ4の回転数Nmに対する目標モータ界磁電流Ifmは、回転数Nmが所定回転数以下の場合には一定の所定電流値とし、モータ4が所定の回転数以上になった場合には、公知の弱め界磁制御方式でモータ4の界磁電流Ifmを小さくする。すなわち、モータ4が高速回転になるとモータ誘起電圧Eの上昇によりモータトルクが低下することから、上述のように、モータ4の回転数Nmが所定値以上になったらモータ4の界磁電流Ifmを小さくして誘起電圧Eを低下させることでモータ4に流れる電流を増加させて所要モータトルクTmを得るようにする。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ誘起電圧Eの上昇を抑えてモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクTmを得ることができる。また、モータ界磁電流Ifmを所定の回転数未満と所定の回転数以上との2段階で制御することで、連続的な界磁電流制御に比べ制御の電子回路を安価にできる。
なお、所要のモータトルクTmに対しモータ4の回転数Nmに応じて界磁電流Ifmを調整することでモータトルクTmを連続的に補正するモータトルク補正手段を備えても良い。すなわち、2段階切替えに対し、モータ回転数Nmに応じてモータ4の界磁電流Ifmを調整すると良い。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ4の誘起電圧Eの上昇を抑えモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクTmを得ることができる。また、なめらかなモータトルク特性にできるため、2段階制御に比べ車両は安定して走行できるし、常にモータ駆動効率が良い状態にすることができる。
ステップS220では、上記目標モータ界磁電流Ifm及びモータ4の回転数Nmからモータ4の誘起電圧Eを算出して、ステップS240に移行する。
ステップS240では、上記目標モータトルクTm及び目標モータ界磁電流Ifmを変数として対応する目標電機子電流Iaを算出して、ステップS250に移行する。
ステップS250では、下記式に基づき、上記目標電機子電流Ia、抵抗R、及び誘起電圧Eから発電機7の目標電圧Vを算出し、ステップS260に移行する。
V=Ia×R+E
なお、抵抗Rは、電線9の抵抗及びモータ4のコイルの抵抗である。
ステップS260は、ガタ詰めフラグGATAFLGが「1」つまりガタ詰め処理中か否かを判定し、ガタ詰めフラグGATAFLGが「1」であればステップS270に移行し、「0」であれば、ステップS310に移行する。
ステップS270では、後述するガタ詰め維持フラグGATAFLG1が「1」、つまり4輪駆動状態への移行を禁止してガタ詰め処理を維持している状態か否かを判定し、GATAFLG1=1であるときにはステップS280に移行して、前記ステップS250で算出された目標電圧Vの大きさにかかわらず、Vにガタ詰め用目標電圧GaVを代入して、ステップS310に移行する。
また、前記ステップS270の判定結果がGATAFLG1=0であるときには、ステップS290に移行して、前記ステップS250で算出された目標電圧Vとガタ詰め用目標電圧GaVとを比較し、V≧GaVであるときには、ステップS300でVにガタ詰め用目標電圧GaVを代入して、ステップS310に移行する。一方、V<GaVであるときには、そのままステップS310に移行する。
ステップS310では、当該発電機7の目標電圧Vを発電機制御部8Aに出力したのち、復帰する。
一方、前記ステップS200にて、Tmが「0」の場合にはステップS320に移行する。そして、ガタ詰めフラグGATAFLGが「1」つまりガタ詰め処理中であればステップS330に移行して、Vにガタ詰め用目標電圧GaVを代入して移行して前記ステップS310に移行する。また、前記ステップS320で、ガタ詰めフラグGATAFLGが「0」つまりガタ詰め処理中でなければそのまま処理を終了して復帰する。
ここで、上記余剰トルク変換部8Gでは、モータ側の制御を考慮して目標の発電負荷トルクThに応じた発電機7での目標電圧Vを算出しているが、上記目標発電負荷トルクThから直接に、当該目標発電負荷トルクThとなる電圧値Vを算出しても構わない。
次に、ガタ詰め制御部8Fの処理について説明する。
ガタ詰め制御部8Fでは、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づき、図7に示す処理が行われる。
まず、ステップ410にて、ガタ詰めフラグGATAFLGが「0」か否か、つまり、ガタ詰め処理中か否かを判定し、「0」すなわちガタ詰め処理中でないと判定した場合にはステップS420に移行する。一方、「1」すなわちガタ詰め処理中と判定した場合にはステップS540に移行する。
ステップS420では、シフト位置検出手段31からの信号に基づいて、変速が駆動レンジ(D・R・1・2)つまり、パーキングやニュートラル以外のレンジか否かを判定し、駆動レンジつまりエンジン2から前輪1L、1Rにトルク伝達されている状態と判定した場合には、ステップS430に移行する。一方、非駆動レンジと判定した場合には処理を終了して、復帰する。
ステップS430では、主駆動輪で前輪1L、1Rの車輪速が、ゼロ若しくはほぼゼロか否かを判定し、ゼロ若しくはほぼゼロと判定した場合、つまり車両発進時と判定した場合にはステップS440に移行する。車両発進時で無いと判定した場合には処理を終了して、復帰する。
ここで、本実施形態では、S430の処理のように車両発進時にだけガタ詰め処理を行うようにしているが、走行中についてもガタ詰め処理を行う場合には、ステップS430の処理を、走行速度等に基づき、モータ4の回転数が許容回転数以下か否か、許容回転数越えるおそれがないか否かを判定し、モータ許容回転数を越えている場合にはガタ詰め処理を行わないという処理とすれば良い。
ステップS440では、ブレーキストロークセンサ35からの信号に基づき、ブレーキペダル34が戻される方向に変位、つまり制動指示が小さくなる方向に変位すると判定するとステップS450に移行し、そうでない場合には、処理を終了して復帰する。
または、ブレーキペダル34が解放されたか否かを判定し、解放された時にステップS450へ移行し、そうでない場合には処理を終了して復帰するようにしてもよい。
ステップS450では、上記ブレーキストロークセンサ35からの信号に基づきブレーキストロークの緩め量の変化(減少速度)を求め、その減少速度に応じたガタ詰め用目標モータトルクGaTmを、予め設定したマップや関数から算出した後、ステップS460に移行する。本実施形態では、上記減少量が所定値以上の場合には、ガタ詰め用目標モータトルクGaTmを上記減少量に比例した値としている。もっとも、上記ガタ詰め用目標モータトルクGaTmを、上記減少量に関係なく一定としても良い。その場合、ステップS440及び450の処理は省略することができる。
ステップS460では、上記ガタ詰め用目標モータトルクGaTmを変数として対応するガタ詰めに用いる目標電機子電流GaIaを算出し、続いてステップS470で、通常のガタ詰め制御時の界磁電流指令値として所定値に設定されたガタ詰め用モータ界磁電流GaIfmとモータの回転数Nmとからモータの誘起電圧GaEを算出し、ステップS480に移行する。なお、車両発進時にのみガタ詰め制御を実施するのであれば、モータの誘起電圧GaEの変動を無視して、モータの誘起電圧GaEの算出を行うことなく所定値として処理をしても構わない。
ステップS480では、前記ステップS460で算出されたガタ詰めに用いる目標電機子電流GaIa、抵抗R及び前記ステップS470で算出されたモータの誘起電圧GaEに基づいて発電機のガタ詰め用目標電圧GaVを算出し、続いて、ステップS490で、上記目標電圧GaVを変数として対応する目標発電負荷トルクGaThを算出し、ステップS500にて出力した後、ステップS510に移行する。
ステップS510では、ガタ詰めフラグGATAFLGを「1」にした後、ステップS520に移行する。ガタ詰めフラグGATAFLGを「1」とすることで、余剰トルク変換部8Gなどによって上記出力した目標電圧GaVや目標発電負荷トルクGaThに応じたモータトルクなどの処理が行われる。すなわち、ガタ詰めのために、モータ4が微小トルク発生状態となる。
ステップS520では、クラッチ12の入力軸と出力軸との入出力回転数差ΔVcがゼロもしくはほぼゼロであるか否かを判定し、入出力回転数差ΔVcがゼロもしくはほぼゼロであると判定した場合にはステップS530に移行し、そうでない場合には、処理を終了して復帰する。
ここで、上記入出力回転数差ΔVcは、入力側であるモータ4のモータ回転数検出センサの検出値に減速機11の減速比を乗じた値と、出力側である後輪3L、3Rの車輪回転速度の左右平均値とリヤデフ3のギア比と、の差から算出することができる。
なお、上記ステップS520の入出力回転数差ΔVcの処理は、クラッチ接続時のショックを出来るだけ小さく抑えるために行われる処理であり、必ずしも必要ではない。また、発進時の場合には上記ステップS520の処理は不要である。
ステップS530では、クラッチ制御部8Dを介してクラッチ12を接続状態にした後、処理を終了して復帰する。
一方、前記ステップS410でガタ詰めフラグGATAFLG=0でない、つまりガタ詰め処理中と判定した場合にはステップS540に移行する。
ステップS540では、後述する界磁電流制御処理を行い、車両のロールバック速度(車両移動速度)に応じてモータの界磁電流の大きさを制御すると共に、アクセル操作に応じてガタ詰め処理の終了判断を行ってから処理を終了する。
この図7の処理において、ステップS420〜S440の処理が駆動予測手段に対応している。
図8は、図7のステップS540で実行される界磁電流制御処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS541で車両がロールバックしているか否かを判定する。この判断は、変速機30のシフトが前進駆動レンジか否かを判定し、その後、前進駆動レンジと判断した場合には、モータ電圧Vm、モータ電機子電流Ia及びモータ抵抗Rに基づいて、次式をもとに算出したモータ誘起電圧Erが所定のロールバック閾値ErTHを下回っているか否かを判断することによって行う。ここで、ロールバック閾値ErTHは、例えば0.6V程度とする。
Er=Vm−Ia×R
そして、Er<ErTHであるときには、車両がロールバックしているものと判断してステップS542に移行し、Er≧ErTHであるときには後述するステップS548に移行する。
ここで、誘起電圧Erが所定のロールバック判断閾値ErTHより小さいか否かで、ロールバック状態であるか否かを判定できるのは、例えば、車両が前進するときにモータが回転する方向と同じ方向にモータが回転した場合に誘起電圧Erが正の方向に出力されるように設定しておくと、逆に回転した場合は、誘起電圧Erが負値となる。演算上、誘起電圧Erが負値の場合に、“0”とする処理を行うと、車輪速が所定値より高い(車輪が回転している)状態にあるにもかかわらず、誘起電圧Erが“0”となるので、ロールバック判断閾値ErTHより小さくなり、モータが前進方向に回転する場合と逆に回転しているとして、ロールバック状態を検出することができる。
また、上記ロールバック判断は、変速機のシフトが前進駆動レンジにあるときに後進してしまう状態として説明しているが、本発明はこれに限らず、変速機のシフトが後進駆動レンジにあるときに車両が前進してしまう状態もロールバック状態と判断することができる。この場合、変速機のシフトが後進駆動レンジにあるか否かを判定し、変速機のシフトが後進駆動レンジにあり、且つ、モータが車両前進方向に回転していると判定したときにロールバック状態であると判定することができる。
ステップS542では、後輪速VWrが第1の車速VWr1以下であるか否かを判定し、VWr≦VWr1であるときにはステップS543に移行し、VWr>VWr1であるときには後述するステップS548に移行する。ここで、第1の車速VWr1は、例えば−2km/hとする。
ステップS543では、ガタ詰め用モータ界磁電流GaIfmを通常値から制限値GaIfm1(例えば、2A)に制限し、この制限値GaIfm1を用いて前述した図7のステップS470〜S490と同様の処理を行って、目標電圧GaVと目標発電負荷トルクGaThとを算出し、出力する。
具体的には、GaIfm1に制限したガタ詰め用モータ界磁電流とモータの回転数Nmからモータの誘起電圧GaEを算出し、この誘起電圧GaE、ガタ詰めに用いる目標電機子電流GaIa及び抵抗Rに基づいて発電機のガタ詰め用目標電圧GaVを算出する。また、算出されたガタ詰め用目標電圧GaVを変数として対応する目標発電負荷トルクGaThを算出する。
次いでステップS544で、後輪速VWrが第2の車速VWr2以下であるか否かを判定し、VWr≦VWr2であるときにはステップS545に移行し、VWr>VWr2であるときには後述するステップS548に移行する。ここで、第2の車速VWr2は、通常運転者が遭遇し得るロールバック速度とし、例えば−4km/hとする。
ステップS545では、ガタ詰め維持フラグGATAFLG1を、ガタ詰め処理の解除を禁止すなわち4輪駆動状態への移行を禁止することを意味する“1”にセットしてステップS546に移行し、後輪速VWrが第3の車速VWr3以下であるか否かを判定する。
そして、VWr≦VWr3であるときにはステップS547に移行して、クラッチオフすることによりガタ詰め処理を終了して2輪駆動状態に移行すると共に、ガタ詰めフラグGATAFLG及びガタ詰め維持フラグGATAFLG1を“0”にリセットしてステップS548に移行する。
なお、本実施形態では、ロールバック速度が第3の車速以上となったときにクラッチオフして2輪駆動状態に移行する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、クラッチオフに加えてモータ界磁電流をゼロに設定するようにしてもよい。
また、前記ステップS546の判定結果がVWr>VWr3であるときには、そのまま処理を終了する。ここで、第3の車速VWr3は、例えば−8km/hとする。
ステップS548では、アクセルセンサからの信号に基づいてアクセル開度を求め、該アクセル開度が5%を越えているか否かを判定し、アクセル開度が5%を越えていると判定すると、ステップS549に移行しガタ詰めフラグGATAFLG及びガタ詰め維持フラグGATAFLG1を“0”にリセットして処理を終了し、復帰する。
一方、前記ステップS548にてアクセル開度が5%以下と判定した場合には、ステップS550に移行し、前記入出力回転数差ΔVcがゼロもしくは略ゼロであると判定した場合で、まだクラッチ12が接続状態でなければクラッチ12を接続状態とするクラッチ締結処理を行ってから処理を終了する。
この図8の処理において、ステップS541の処理がロールバック検出手段に対応し、ステップS542及びS543の処理が界磁電流制御手段に対応し、ステップS544及びS545の処理がガタ詰め制御継続手段に対応し、ステップS546及びS547の処理がガタ詰め制御終了手段に対応している。
次に、エンジンコントローラ18の処理について説明する。
エンジンコントローラ18では、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づいて図9に示すような処理が行われる。
すなわち、まずステップS300にて、主駆動輪である前輪1L、1Rの加速スリップ量ΔVを求めてステップS310に移行して、その加速スリップ量ΔVが目標スリップ量Tslipを越えているか否かを判定し、目標スリップ量Tslipを越えている場合にはステップS400に移行する。一方、加速スリップ量ΔVが目標スリップ量Tslip以下の場合には、ステップS320に移行する。なお、目標スリップ量Tslipは、例えばスリップ率で10%程度に設定される。
ステップS320では、アクセルセンサ40からの検出信号等に基づいて、運転者の要求する目標出力トルクTeNを演算して、ステップS321に移行する。
ステップS321では、ガタ詰めフラグGATAFLG=1つまりガタ詰め処理中であるか否かを判定する。ガタ詰め処理中と判定した場合には、ステップS322に移行する。一方、ガタ詰め処理中でないと判定した場合にはステップS340に移行する。ステップS322では、目標出力トルクTeNをガタ詰め用目標負荷トルクGaTh分だけ増大してステップS330に移行する。
ステップS330では、スロットル開度やエンジン回転数Neなどに基づき、現在の出力トルクTeを算出してステップS340に移行する。
ステップS340では、現在の出力トルクTeに対する目標出力トルクTeNの偏差分ΔTeを下記式に基づき出力して、ステップS350に移行する。
ΔTe=TeN−Te
一方、ステップS400では、いわゆるエンジンTCS制御を行い、所定のTCSトルク変化分を上記偏差分ΔTeに代入してステップS350に移行する。
また、ステップS350では、その偏差分ΔTeに応じたスロットル開度θの変化分Δθを演算し、その開度の変化分Δθに対応する開度信号を上記ステップモータ19に出力して、復帰する。なお、上述の説明では、説明を分かりやすくするために、偏差分ΔTeに対応する開度信号Δθを出力するとしているが、実際には、トルク等の変化を滑らかにするために、起動のたびに所定のトルク増加分若しくはトルク減少分ずつ変化させている。
次に、本実施形態の動作について説明する。
路面μが小さいためや運転者によるアクセルペダル17の踏み込み量が大きいなどによって、エンジン2から前輪1L、1Rに伝達されたトルクが路面反力限界トルクよりも大きくなると、つまり、主駆動輪である前輪1L、1Rが加速スリップすると、その加速スリップ量に応じた発電負荷トルクThで発電機7が発電することで、前輪1L、1Rに伝達される駆動トルクが、当該前輪1L、1Rの路面反力限界トルクに近づくように調整される。この結果、主駆動輪である前輪1L、1Rでの加速スリップが抑えられる。
しかも、発電機7で発電した余剰の電力によってモータ4が駆動されて従駆動輪である後輪3L、3Rも駆動されることで、車両の加速性が向上する。
このとき、主駆動輪1L、1Rの路面反力限界トルクを越えた余剰のトルクでモータ4を駆動するため、エネルギー効率が向上し、燃費の向上に繋がる。
ここで、常時、後輪3L、3Rを駆動状態とした場合には、力学的エネルギー→電気的エネルギー→力学的エネルギーと何回かエネルギー変換を行うために、変換効率分のエネルギー損失が発生することで、前輪1L、1Rだけで駆動した場合に比べて車両の加速性が低下する。このため、後輪3L、3Rの駆動は原則として抑えることが望まれる。これに対し、本実施形態では、滑り易い路面等では前輪1L、1Rに全てのエンジン2の出力トルクTeを伝達しても全てが駆動力として使用されないことに鑑みて、前輪1L、1Rで有効利用できない駆動力を後輪3L、3Rに出力して加速性を向上させるものである。
また、発進時などにおいて、車両の加速等のために、踏み込まれていたブレーキペダルが戻されると、その戻し始めのブレーキペダルのストローク速度に比例したガタ詰め用目標モータトルクGaTmに応じたモータ4の目標電圧GaVが算出されてモータ4が微小トルク発生状態となると共にクラッチ12が接続状態となる。この結果、従駆動輪である後輪3L、3Rを駆動できるほどではない微小トルクが、モータから後輪3L、Rまでのトルク伝達経路に作用して、当該トルク伝達経路中にあるクラッチ12、減速機11、ディファレンシャル・ギヤ3などの機構に存在するガタが詰められた状態となる。
その後、前輪1L、1Rに加速スリップが生じて4輪駆動状態に移行する際には、上記ガタ詰めが行われているので、上記動力伝達系のバックラッシュなどに起因するショックの発生が防止できるばかりか、動力伝達系のガタが詰められた状態となっているので、モータ駆動による後輪3L、3Rの応答が向上、つまり4輪駆動状態への移行する際の応答が向上する。そして、4輪駆動のためのモータトルクが上記微小のモータトルクGaThよりも大きくなると、4輪駆動のためのモータトルクに実際のモータトルクが移行する。
このとき、ブレーキペダルの戻り始めの速度が速い場合には、すぐにアクセルペダル17が踏まれて加速開始・発進開始つまり、4輪駆動状態への移行が早期に行われる可能性が高いが、本実施形態では、ブレーキペダル34の戻り始めの速度が速いほどモータの微小トルクGaThを大きくして早めにガタ詰めを行うことで、上記早期の4輪駆動状態への移行であっても対応可能としている。
また、エンジン2が駆動状態であっても、エンジン2の出力トルクが主駆動輪である前輪1R、1Lにトルクが伝達されない非駆動レンジ状態では、ガタ詰めをする必要がない。したがって、図7のステップS420でガタ詰め処理に移行することを防止することで、無用に微小トルク発生をしない、すなわち、発電機で微小電流を発生することを防止して、電気エネルギーの無駄を防ぐ。なお、ガタ詰め処理中であっても、例えば図8のステップS541の前で駆動レンジか否かを判定し、非駆動レンジの場合にガタ詰め処理を中止するようにしても良い。
また、アクセル開度が所定量(ステップS548では4%を例示)を越えると、ガタ詰め処理を中止する。ここで、上記アクセル開度の所定量は、0%でもよいが少し車両が動いてから加速スリップ発生し4WDになる場合、ガタ詰めしておいたにも関わらず少し動く間にガタが出る可能性がある。このため、少しアクセルペダルが踏まれて車両が発進し始めるか加速スリップが起き始めるであろう4%とした。すなわち、上記所定量としては、一般に、少しアクセルペダルが踏まれて車両が発進し始めるか加速スリップが起き始めるであろうアクセル開度とすることが好ましい。
次に、図8の演算処理による作用について図10のタイムチャートを用いて説明する。この図10において、上段はモータの界磁電流、下段は後輪速VWrを示している。今、前述したようなガタ詰め処理中に、車両がロールバックしているものとする。そして、時刻t1で後輪速VWrが−2km/h以下、即ちロールバック速度が2km/h以上となると、図8のステップS542の判定によりステップS543に移行して、ガタ詰め用モータ界磁電流を1速での通常値3Aから制限値2Aに制限する。これにより、2Aに制限されたモータ界磁電流に基づいた微小なモータトルクが発生される。
この状態で、運転者がアクセルペダルを踏み込んでアクセル開度が5%を超えると、ステップS548の判定によりステップS549に移行して、ガタ詰めフラグGATAFLG=0即ちガタ詰め処理を行っていない状態として、4輪駆動状態に移行する。
一方、運転者がアクセル操作することなく、時刻t2で後輪速VWrが−4km/h以下、即ちロールバック速度が4km/h以上となると、ステップS544の判定によりステップS545に移行してガタ詰め維持フラグGATAFLG1=1にセットすることにより、ガタ詰め処理の解除を禁止する。つまり、この状態で運転者がアクセルペダルを踏み込んでアクセル開度が4%を越えた場合であっても、ガタ詰め処理を継続するので、4輪駆動状態には移行せず、モータトルクは立ち上がらない。
この状態から、時刻t3で後輪速VWrが−8km/h以下、即ちロールバック速度が8km/h以上となると、ステップS546の判定によりステップS547に移行して、クラッチオフすることによりガタ詰め処理を終了し、2輪駆動状態に移行する。
このように、上記実施形態では、ガタ詰め処理中に車両がロールバックしているときには、そのロールバック速度に応じてモータの界磁電流指令値を制御するので、ロールバック速度が大きくなるにしたがってモータの誘起電圧が小さくなることに起因するモータの過電流を防止することができる。
また、ガタ詰め制御中にロールバック速度が第1の車速以下となったときに、界磁電流指令値を通常のガタ詰め制御時の界磁電流指令値より小さい値に制限するので、モータとジェネレータとの電位差を少なくすることができ、モータに過大な電機子電流が流れることを防止することができると共に、部品保護の効果が得られる。
さらに、ガタ詰め処理中のロールバック速度が第1の車速より大きい第2の車速以下となったときには、運転者がアクセル操作を行った場合であっても、ガタ詰め処理を継続して4輪駆動状態への移行を禁止するので、このようにロールバック速度が大きい状態でモータトルク指令を出そうとすることに起因するモータの過電流を確実に防止することができる。
また、第2の車速を運転者が通常遭遇し得るロールバック速度に設定するので、通常あり得るロールバック状態において運転者がアクセル操作したときには、通常の4輪駆動状態に移行してモータトルクを立ち上げることができ、運転者に違和感のない制御を行うことができる。
さらに、ガタ詰め処理中のロールバック速度が第2の車速より大きい第3の車速以下となったときには、クラッチを解放してガタ詰め処理を終了し、2輪駆動状態に移行するので、ロールバック速度が大きいことに起因するガタ詰め処理中のモータの過電流を防止することができ、確実に部品保護を行うことができる。
本発明の実施形態を示す概略構成図である。 本発明の実施形態を示すシステム構成図である。 図1における4WDコントローラを示すブロック図である。 余剰トルク演算部で実行する処理を示すフローチャートである。 アクセル開度と第2目標モータトルクとの関係を示す図である。 モータ制御部で実行する処理を示すフローチャートである。 ガタ詰め処理部で実行する処理を示すフローチャートである。 図7の界磁電流制御処理を示すフローチャートである。 エンジンコントローラで実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の動作を説明するタイムチャートである。
符号の説明
1L、1R 前輪
2 エンジン
3L、3R 後輪
4 モータ
6 ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
8A 目標モータトルク演算部
8Aa 余剰トルク演算部
8Ab 加速アシストトルク演算部
8Ac モータトルク決定部
8B モータ制御部
8C リレー制御部
8D クラッチ制御部
8E 発電機制御部
8F ガタ詰め制御部
9 電線
10 ジャンクションボックス
11 減速機
12 クラッチ
14 吸気管路
15 メインスロットルバルブ
16 サブスロットルバルブ
18 エンジンコントローラ
19 ステップモータ
20 モータコントローラ
21 エンジン回転数センサ
22 電圧調整器
23 電流センサ
26 モータ用回転数センサ
27FL、27FR、27RL、27RR 車輪速センサ
30 変速機
31 ディファレンシャル・ギヤ
32 シフト位置検出手段
34 ブレーキペダル
35 ブレーキストロークセンサ
36 制動コントローラ
37FL、37FR、37RL、37RR 制動装置
39 駆動モードスイッチ
40 アクセルセンサ

Claims (4)

  1. 主駆動輪を駆動する内燃機関と、その内燃機関で駆動される発電機と、前記発電機の電力で駆動されて従駆動輪を駆動するモータと、該モータから前記従駆動輪までのトルク伝達経路に介装されたクラッチとを備える車両の駆動力制御装置において、
    前記従駆動輪が駆動される可能性のある状態か否かを推定する駆動予測手段と、該駆動予測手段で前記従駆動輪が駆動状態に移行する可能性があると判定したとき、前記クラッチを接続状態にすると共に前記モータを微小トルク発生状態にするガタ詰め制御を行うガタ詰め制御手段と、車両がロールバックしていることを検出するロールバック検出手段と、前記ガタ詰め制御手段でのガタ詰め制御中に、前記ロールバック検出手段で車両がロールバックしていると判定し、且つ車両移動速度が第1の車速以上であると判定すると、前記モータの界磁電流指令値を、通常のガタ詰め制御時の界磁電流指令値より低下させる界磁電流制御手段とを備えることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 前記ガタ詰め制御中に、前記ロールバック検出手段で車両がロールバックしていると判定し、且つ車両移動速度が前記第1の車速より大きい第2の車速以上であると判定すると、4輪駆動状態への移行を禁止して、前記ガタ詰め制御手段でのガタ詰め制御を継続するガタ詰め制御継続手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
  3. 前記第2の車速は、通常運転者が遭遇し得る車両移動速度に設定することを特徴とする請求項2に記載の車両の駆動力制御装置。
  4. 前記ガタ詰め制御中に、前記ロールバック検出手段で車両がロールバックしていると判定し、且つ車両移動速度が前記第2の車速より大きい第3の車速以上であると判定すると、前記ガタ詰め制御手段でのガタ詰め制御を終了するガタ詰め制御終了手段を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の駆動力制御装置。
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