JP4000857B2 - 四輪駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後輪への駆動トルク配分を可変に制御する電子制御トルクスプリット四輪駆動車の副駆動系にADD(Automatic Disconnecting Differential)機構付きのディファレンシャルが採用された四輪駆動装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、四輪駆動装置としては、例えば、米国特許第5411110号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、2WDモードと、トルク配分制御4WDモードと、前後輪ロック4WDモードを切換可能な4WDシステムと、副駆動系であるフロントディファレンシャルと右前輪との間に設けられたADD機構とを有し、2WD走行時には、フロントディファレンシャルと前輪を切り離してフロントプロペラシャフトが回転しないようにし、走行抵抗を低減して燃費低減を図るようにし、2WDモードからトルク配分制御4WDモードを選択すると、公報のFig-18のフローチャートに示しているように、後輪駆動系と前輪駆動系との間に介装されたトランスファクラッチを締結し、その後、リヤプロペラシャフトの回転数とフロントプロペラシャフトの回転数が一致するとADD機構をロックする技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の四輪駆動装置のにあっては、ADD機構をロックするにあたって、フロントプロペラシャフトとフロントディファレンシャルとの間のトランスファクラッチを完全締結した後に、ADD機構をロックしているため、加速走行等で前輪と後輪とに回転差が生じるような場合、ADD機構の入出力回転数に差が出てしまい、この時にADD機構をロックすると、入出力回転数落差によりショックが生じる。
【0005】
また、このショックは、上記従来技術のように、トランスファクラッチを強く締結してロック状態にする場合には、トランスファクラッチの締結トルクがそのまま入力され、大きなロックショックを発生してしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、断続機構を切り離し状態から接続状態へ切り換える際、ロックショックの発生を抑制することができる四輪駆動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、
主駆動軸及びディファレンシャルを介して駆動される主駆動輪とからなる主駆動系と、
副駆動軸及びディファレンシャルを介して駆動される副駆動輪とからなる副駆動系と、
前記主駆動軸と副駆動軸との間に介装され、クラッチ締結により副駆動軸を駆動するトランスファクラッチと、
を備えた四輪駆動装置において、
前記副駆動軸と副駆動輪との間を断続可能な断続機構と、
前記断続機構を切り離しと接続の制御を行う断続機構切換制御手段と、
前記副駆動軸の回転数を検出する副駆動軸回転数検出手段と、
車速に同期して回転する副駆動系もしくは主駆動系の回転数を検出する同期回転数検出手段と、
前記副駆動系のディファレンシャル内の油温を測定もしくは推定する油温検出手段と、
を設け、
前記断続機構切換制御手段は、前記断続機構を切り離し状態から接続状態へ切り換える際、前記副駆動系のディファレンシャル内の油温が通常温度域より低い低油温域にある場合に、通常温度域の値より大きな値の必要トルクで前記トランスファクラッチを締結し、その後、前記副駆動軸回転数検出手段で検出した副区同軸回転数と前記同期回転数検出手段で検出した回転数とが同期した時に切り換えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載された四輪駆動装置において、
前記断続機構切換制御手段は、ディファレンシャル油温が低いほど、前記トランスファクラッチを締結する必要トルクを大きな値に設定したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、請求項1または請求項2に記載された四輪駆動装置において、
主駆動輪のみ駆動する二輪駆動モードと、主駆動輪及び副駆動輪で駆動する四輪駆動モードを選択可能なモード選択手段を設け、
前記断続機構切換制御手段は、前記モード選択手段を二輪駆動モードから四輪駆動モードに切り換えた際に、前記断続機構を切り離し状態から接続状態へ切り換えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、請求項3に記載された四輪駆動装置において、
前記モード選択手段による四輪駆動モードの選択時には、主駆動輪と副駆動輪の回転速度差に応じて前記トランスファクラッチの締結トルクを制御する駆動配分トルク制御手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、請求項1ないし請求項4の何れかに記載された四輪駆動装置において、
前記断続機構は、副駆動系のディファレンシャルと左右副駆動輪のうち一方との間に設けられたことを特徴とする。
【0012】
【発明の作用および効果】
請求項1に係る発明にあっては、油温検出手段において、副駆動系のディファレンシャル内の油温が測定もしくは推定され、副駆動軸と副駆動輪との間を断続可能な断続機構を切り離し状態から接続状態へ切り換える際、断続機構切換制御手段において、副駆動系のディファレンシャル内の油温が通常温度域より低い低油温域にある場合に、通常温度域の値より大きな値の必要トルクでトランスファクラッチが締結され、その後、副駆動軸回転数検出手段で検出した副駆動軸回転数と、同期回転数検出手段で検出した回転数(車速に同期した副駆動系もしくは主駆動系の回転数)とが同期した時に切り離し状態から接続状態へ切り換えられる。
【0013】
よって、断続機構の入出力回転数が同期していることを確認して断続機構が接続されるため、断続機構の入出力回転数落差によるロックショックの発生を抑制することができる。しかも、断続機構の入出力回転数に僅かな落差があっても、トランスファクラッチは副駆動軸が回転を開始する予め定めた必要トルク、言い換えると、副駆動軸を回転させる最小限のトルクで締結されているため、ロックショックの発生を小さく抑えることができる。
【0014】
請求項2に係る発明にあっては、断続機構切換制御手段において、ディファレンシャル油温が低いほど、トランスファクラッチを締結する必要トルクが大きな値に設定される。
【0015】
すなわち、ディファレンシャル油温が低い時は、オイル粘度が増大し、副駆動系のディファレンシャルのフリクショントルクが大きくなり、小さなトルク配分では副駆動系のプロペラシャフトが回転しない、もしくは、必要回転数まで上昇するのに時間を要する。これを防止するため、予め低油温まで見込んだ配分トルクに設定すると、通常温度域で不要に大きなトルクが配分されるため、断接機構がロックした後、本来の駆動トルク配分制御に復帰する際、トルク段差が大きくてショックや異音が発生する。
【0016】
これに対し、ディファレンシャル油温が低いほど、トランスファクラッチを締結する必要トルクを大きな値に設定することで、油温が高いときには必要トルクが小さな値に設定され、油温が低いときでも確実に副駆動軸が回転を開始する必要トルクを付与することができる。
【0017】
よって、低油温時において断接機構のロックによる四輪駆動走行を可能としながら、通常の油温域において断接機構のロックに伴うショックや異音の発生を回避することができる。
【0018】
請求項3に係る発明にあっては、断続機構切換制御手段において、モード選択手段を二輪駆動モードから四輪駆動モードに切り換えた際に、断続機構が切り離し状態から接続状態へ切り換えられるため、二輪駆動モードの選択時における燃費の向上と、二輪駆動モードから四輪駆動モードへの選択時における切り換え応答性の確保と、の両立を達成することができる。
【0019】
請求項4に係る発明にあっては、モード選択手段による四輪駆動モードの選択時には、駆動配分トルク制御手段において、主駆動輪と副駆動輪の回転速度差に応じてトランスファクラッチの締結トルクが制御されるため、四輪駆動モードの選択時に主駆動輪の駆動スリップが抑えられた高い駆動性能による四輪駆動走行を達成することができる。
【0020】
請求項5に係る発明にあっては、断続機構が、副駆動系のディファレンシャルと左右副駆動輪のうち一方との間に設けられているため、1つの断続機構のみにより副駆動軸と副駆動輪の切り離しと接続を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の四輪駆動装置を実現する実施の形態を、請求項1乃至請求項5に係る発明に対応する第1実施例に基づいて説明する。
【0022】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の四輪駆動装置が適用された後輪駆動ベースの四輪駆動車を示す全体システム図であり、図1において、1はエンジン、2は変速機、3は変速機出力軸、4はトランスファクラッチ、5はリヤプロペラシャフト(主駆動軸)、6はリヤディファレンシャル、7は右リヤドライブシャフト、8は左リヤドライブシャフト、9は右後輪(主駆動輪)、10は左後輪(主駆動輪)、11はフロントプロペラシャフト(副駆動軸)、12はフロントディファレンシャル、13は右フロントドライブシャフト、14は左フロントドライブシャフト、15は右前輪(副駆動輪)、16は左前輪(副駆動輪)、17はADD機構(断接機構)、18はADDアクチュエータ、19は油圧供給装置、20はトランスファユニットである。
【0023】
前記トランスファクラッチ4のクラッチ解放時、エンジン1,変速機2及び変速機出力軸3からの駆動力が、リヤプロペラシャフト5とリヤディファレンシャル6と左右のリヤドライブシャフト7,8を介して、右後輪9及び左後輪10へと伝達される(主駆動系)。
【0024】
前記トランスファクラッチ4のクラッチ締結時、エンジン1,変速機2及び変速機出力軸3からの駆動力の一部が、トランスファクラッチ4からフロントプロペラシャフト11とフロントディファレンシャル12と左右のフロントドライブシャフト13,14を介して、右前輪15及び左前輪16へと伝達される(副駆動系)。
【0025】
前記トランスファクラッチ4は、リヤプロペラシャフト5とフロントプロペラシャフト11との間に介装され、油圧供給装置19からの制御圧により締結される油圧クラッチで、トランスファクラッチ4と油圧供給装置19によりトランスファユニット20を構成している。
【0026】
前記ADD機構17は、フロントディファレンシャル12の右出力部と右フロントドライブシャフト13との間に介装され、ADDアクチュエータ18により駆動されるシフトフォークの移動により、フロントディファレンシャル12の右出力部と右フロントドライブシャフト13とを接続するロック状態と、フロントディファレンシャル12の右出力部と右フロントドライブシャフト13とを切り離すフリー状態とが切り換えられる。ここで、ADDアクチュエータ18としては、バキューム式やモータ式が採用される。
【0027】
前記トランスファクラッチ4とADD機構17の電子制御系を説明すると、図1において、21は4WDコントローラ、22はモードスイッチ(モード選択手段)、23は右後輪速センサ、24は左後輪速センサ、25は右前輪速センサ(同期回転数検出手段)、26は左前輪速センサ、27はリヤプロペラシャフト回転センサ、28はフロントプロペラシャフト回転センサ(副駆動軸回転数検出手段)、29はトランスファ油温センサ、30はフロントデフ油温センサ(油温検出手段)、31はADD位置検出スイッチである。
【0028】
前記4WDコントローラ21は、モードスイッチ22によりトルク配分制御四輪駆動モードを選択している時、後輪9,10と前輪15,16の回転速度差に応じてトランスファクラッチ4の締結トルクを制御する駆動配分トルク制御部21a(駆動配分トルク制御手段)と、モードスイッチ22により二輪駆動モードからトルク配分制御四輪駆動モードへの切り換え時、フロントプロペラシャフト11が回転を開始する必要トルク(フロントデフ油温に応じて設定)でトランスファクラッチ4を締結し、その後、フロントプロペラシャフト回転センサ28で検出した回転数に基づいて算出したADD入力回転数と、右前輪速センサ25で検出したADD出力回転数と、が同期した時にADD機構17を切り離し状態から接続状態へ切り換えるADD制御部21b(断続機構切換制御手段)とを有する。なお、ADD入力回転数は、フロントプロペラシャフト回転数にフロントディファレンシャル12の終減速ギヤ比を掛け合わせることで算出される。
【0029】
前記モードスイッチ22は、ドライバーによるスイッチ操作により、後輪9,10のみを駆動する二輪駆動モードと、回転速度差に応じて前後輪への駆動力配分を制御するトルク配分制御四輪駆動モードと、後輪9,10と前輪15,16をロック状態にする前後輪ロック四輪駆動モードと、のいずれかを選択することができる。そして、ADD制御部21bにおいて、モードスイッチ22を二輪駆動モードからトルク配分制御四輪駆動モードに切り換えた際に、ADD機構17を切り離し状態から接続状態へ切り換える。
【0030】
前記各車輪速センサ23,24,25,26は、右後輪速と左後輪速と右前輪速と左前輪速をそれぞれ検出し、その信号を4WDコントローラ21に送る。
【0031】
前記リヤプロペラシャフト回転センサ27(車速センサ)は、リヤプロペラシャフト5の回転数を検出し、その信号を4WDコントローラ21に送る。
【0032】
前記フロントプロペラシャフト回転センサ28は、フロントプロペラシャフト11の回転数を検出し、その信号を4WDコントローラ21に送る。
【0033】
前記トランスファ油温センサ29は、トランスファクラッチ4内の油温を検出し、その信号を4WDコントローラ21に送る。
【0034】
前記フロントデフ油温センサ30は、フロントディファレンシャル12内の油温を測定し、その信号を4WDコントローラ21に送る。そして、ADD制御部21bにおいて、フロントデフ油温が低いほど、トランスファクラッチ4を締結する必要トルクを大きな値に設定する。
【0035】
前記ADD位置検出スイッチ31は、ADDアクチュエータ18に設けられ、ADD機構17の接続動作(ロック動作)が完了する位置までストロークすると切り換わるスイッチ信号を4WDコントローラ21に送る。
【0036】
次に、作用を説明する。
【0037】
[ADD機構の切換制御処理]
図2は4WDコントローラ21のADD制御部21bで実行されるADD機構17の切り離し状態から接続状態への切換制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、例えば、10msecという一定の制御周期毎に繰り返し実行される。
【0038】
ADD機構17を切り離している二輪駆動モードの選択時に処理が開始され、ステップS1では、必要入力情報として、モードスイッチ22からのスイッチ信号、右前輪速センサ25からの右前輪速信号、フロントプロペラシャフト回転センサ28からの軸回転信号、フロントデフ油温センサ30からのフロントデフ油温信号、ADD位置検出スイッチ31からのスィツチ信号が読み込まれる。
【0039】
ステップS2では、モードスイッチ22からのスイッチ信号が二輪駆動モードを示す信号からトルク配分制御四輪駆動モードを示す信号に切り換わったことにより、ADD機構17のロックを許可するか否かが判断される。
【0040】
ステップS3では、ADD位置検出スイッチ31からADD機構17のロック動作が完了する位置までストロークすることで出力されるロック完了信号が入力されたか否かが判断され、ロック完了信号が入力されるまではステップS4へ移行し、ロック完了信号が入力されるとステップS9へ移行する。
【0041】
ステップS4では、フロントデフ油温センサ30からの電圧信号(アナログ信号)をデジタル値に変換する。
【0042】
ステップS5では、ステップS4で得られたフロントデフ油温のデジタル変換値と、図3に示す必要トルクマップとにより、必要トルクが算出される。
ここで、必要トルクとは、フロントプロペラシャフト11が回転を開始するために必要なトランスファクラッチ4の締結トルクをいう。そして、図3に示すように、フロントデフ油温が最低温度Tminのときに最も大きな値、フロントデフ油温が最低温度から油温T1までは急勾配により低下する値、フロントデフ油温が油温T1から油温T2までは緩勾配により低下する値、フロントデフ油温が油温T2以上の領域では一定値、により与えられる。
【0043】
ステップS6では、ステップS5で算出された必要トルクを得る制御要求が駆動配分トルク制御部21aに出力される。駆動配分トルク制御部21aは、この要求を受けてトランスファクラッチ4を必要トルクにて締結する油圧制御指令を油圧供給装置19に対して出力する。
【0044】
ステップS7では、ADD機構17の入出力回転が同期しているか否かが判断され、Yesの場合はステップS8へ移行し、Noの場合はエンドへ移行する。ここで、ADD機構17の入力回転数は、フロントプロペラシャフト回転数にフロントディファレンシャル12の終減速ギヤ比を掛け合わせることで算出され、ADD機構17の出力回転数は、右前輪速センサ25からの右前輪速信号に基づいて算出され、例えば、ADD機構17の入力回転数と出力回転数が、設定誤差範囲内である場合にADD機構17の入出力回転が同期していると判断される。
【0045】
ステップS8では、ADD機構17のロック実行指令がADDアクチュエータ18に対して出力される。
【0046】
ステップS9では、ステップS3においてADD位置検出スイッチ31からADD機構17のロック完了信号を受けた場合、ADD機構17のロック実行指令が解除される。
【0047】
ステップS10では、左右前輪15,16への配分トルクを通常制御算出値にリカバーする指令が駆動配分トルク制御部21aに対し出力される。
【0048】
[ADD機構の切換制御作用]
ドライバがモードスイッチ22に対する操作により、二輪駆動モードからトルク配分制御四輪駆動モードを選択すると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなり、ステップS6では、フロントデフ油温に応じて算出された必要トルクを得るクラッチ締結力にてトランスファクラッチ4が締結される。
【0049】
このトランスファクラッチ4の締結により、リヤプロペラシャフト5に伝達されていた駆動トルクの一部がトランスファクラッチ4を介してフロントプロペラシャフト11に伝達され、ADD機構17の切り離しにより回転を停止していたフロントプロペラシャフト11が回転を開始する。
【0050】
そして、ステップS6からステップS7へ進み、ステップS7において、ADD機構17の入出力回転が同期していると判断されると、ステップS8へ進み、ステップS8において、ADD機構17をロックする指令が出力される。
【0051】
そして、ADD機構17がADDアクチュエータ18により駆動されるシフトフォークの移動により、フロントディファレンシャル12の右出力部と右フロントドライブシャフト13とを接続するロック状態になると、ADD位置検出スイッチ31からADD機構17のロック完了信号が出力されるため、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS9→ステップS10へと進む流れとなり、左右前輪15,16への配分トルクを前後輪回転速度差に応じて算出し、トランスファクラッチ4のクラッチ締結力を制御する通常の駆動配分トルク制御に受け渡される。
【0052】
よって、ADD機構17の入出力回転数が同期していることを確認してADD機構17がロックされるため、ADD機構17の入出力回転数落差によるロックショックの発生を抑制することができる。しかも、ADD機構17の入出力回転数に僅かな落差があっても、トランスファクラッチ4はフロントプロペラシャフト11が回転を開始する予め定めた必要トルク、言い換えると、フロントプロペラシャフト11を回転させる最小限のトルクで締結されているため、ロックショックの発生を小さく抑えることができる。
【0053】
[ADD機構の切換制御の対比作用]
ADD機構17をロック側に切り換える際、フロントプロペラシャフト11へ必要トルクを配分する場合と、フロントプロペラシャフト11へ予め定めた一定トルクを配分する場合との対比作用について説明する。
【0054】
まず、フロントディファレンシャル12内の油温が低い時は、オイル粘度が増大し、前輪駆動系(副駆動系)のフロントディファレンシャル12のフリクショントルクが大きくなり、トランスファクラッチ4からの小さなトルク配分ではフロントプロペラシャフト11が回転しない、もしくは、必要回転数まで上昇するのに時間を要する。
【0055】
これを防止するため、予め低油温まで見込んだ大きな値による一定トルクに設定すると、図6に示すように、通常温度域では、不要に大きなトルクが配分されるため、ADD機構がロックした後、本来の駆動トルク配分制御に復帰する際、トルク段差が大きくてショックや異音が発生する。
【0056】
そこで、常温時にトルク段差によるショック等を防止するため、図5に示すように、常温以上の油温域を想定し、小さな値による一定トルクに設定し、低油温域ではADD機構が切り換わらないようにする案がある。
【0057】
しかし、この場合、低油温時には四輪駆動モードによる走行ができなくなり、低油温であるか否かにかかわらず、四輪駆動走行が重視されるオフロード走行を想定した車両では、寒冷地悪路走行等においてドライバの要求する四輪駆動走行が行えなくなる。
【0058】
これに対し、第1実施例では、図4に示すように、フロントディファレンシャル12内の油温が低いほど、トランスファクラッチ4を締結する必要トルクを大きな値に設定することで、低油温時にはトルク落差によるショックが発生し得るが、低油温時のみに限定されることで、その頻度は小さく、実質上、問題とはならない。しかも、油温が高くなればなるほどトルク段差は小さくなりショックを小さくすることができる。そして、常温域においては、トルク段差が小さく抑えられ、ショックはほとんど発生しない。
【0059】
よって、第1実施例にあっては、フロントディファレンシャル12内の油温が低温域では確実にフロントプロペラシャフト11が回転を開始する必要トルクを付与し、フロントディファレンシャル12内の油温が常温から高温域では必要トルクを小さな値に設定するようにしたため、低油温時においてADD機構17のロックによる四輪駆動走行を可能としながら、通常の油温域において断接機構のロックに伴うショックや異音の発生を回避することができる。すなわち、オフロード走行を想定した車両への適用に好適である。
【0060】
次に、効果を説明する。
【0061】
(1) フロントプロペラシャフト11と右前輪15との間を断続可能なADD機構17を切り離し状態から接続状態へ切り換える際、ステップS6において、フロントプロペラシャフト11が回転を開始する予め定めた必要トルクでトランスファクラッチ4を締結し、その後、ステップS7において、ADD機構17の入力回転数と出力回転数とが同期したと判断された時、ステップS8において、ADD機構17を切り離し状態からロック状態へ切り換えるようにしたため、ADD機構17の入出力回転数落差によるロックショックの発生を抑制することができる。
【0062】
(2) フロントデフ油温センサ30において、フロントディファレンシャル12内の油温を測定し、ステップS5において、フロントデフ油温が低いほど、トランスファクラッチ4を締結する必要トルクを大きな値に設定するようにしたため、低油温時における四輪駆動走行と、通常の油温域におけるショックや異音の発生回避との両立を図ることができる。
【0063】
(3) ステップS2において、モードスイッチ22を二輪駆動モードからトルク配分制御四輪駆動モードに切り換えた際に、ADD機構17を切り離し状態からロック状態へ切り換えるロック許可を出すようにしたため、二輪駆動モードの選択時には、フロントプロペラシャフト11等による前輪駆動系を切り離すことで、走行抵抗が減り燃費が向上するし、二輪駆動モードからトルク配分制御四輪駆動モードへの選択時には、切り離された前輪駆動系を即座に接続するため、高い切り換え応答性により四輪駆動走行を確保することができる。
【0064】
(4) モードスイッチ22によるトルク配分制御四輪駆動モードの選択時には、駆動配分トルク制御部21aにおいて、左右後輪9,10と左右前輪15,16の前後輪回転速度差に応じてトランスファクラッチ4の締結トルクを制御するようにしたため、トルク配分制御四輪駆動モードの選択時に左右後輪9,10の駆動スリップが抑えられた高い駆動性能による四輪駆動走行を達成することができる。
【0065】
(5) ADD機構17を、フロントディファレンシャル12の右出力部と右前輪15との間に設けらたため、1つのADD機構17のみによりフロントプロペラシャフト11と左右前輪15,16の切り離しと接続を行うことができる。
【0066】
(他の実施例)
以上、本発明の四輪駆動装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0067】
例えば、第1実施例では、トランスファクラッチとして油圧締結による油圧クラッチの例を示したが、締結トルクを可変に制御できるものであれば電磁クラッチ等であっても良い。
【0068】
第1実施例では、フロントディファレンシャル内の油温をフロントデフ油温センサ30により直接的に測定する油温検出手段とする例を示したが、外気温度や二輪駆動状態や四輪駆動状態の継続時間等により、フロントディファレンシャル内の油温を推定演算により検出する手段としても良い。
【0069】
第1実施例では、ドライバにより駆動モードを自由に選択可能なモードスイッチ22を用い、二輪駆動モードからトルク配分制御四輪駆動モードに切り換えた際に、ADD機構17を切り離し状態から接続状態へ切り換える例を示したが、車両の走行状態に応じて二輪駆動モードと四輪駆動モードを自動的に切り換えるシステムにおいて、二輪駆動モードと四輪駆動モードへの切り換え指令が出力されたら、ADD機構17を切り離し状態から接続状態へ切り換えるものにも適用することができる。
【0070】
第1実施例では、駆動配分トルク制御部21aにおいて前後輪回転速度差に応じてトランスファクラッチ4の締結トルクを制御する例を示したが、例えば、横加速度やアクセル開度や車速等の車両情報や走行情報を、前後輪速度差情報と共に、もしくは、前後輪速度差情報とは独立に用いてトランスファクラッチ4の締結トルクを制御するようにしても良い。
【0071】
第1実施例では、フロントプロペラシャフトの回転数(副駆動軸回転数)と、前輪の回転数(副駆動輪)と、を比較してADD機構の入出力回転の同期判断を行う例を示したが、要するに、副駆動軸であるフロントプロペラシャフトが車速に応じた回転をしていることを判断すれば良く、例えば、フロントプロペラシャフトの回転数(副駆動軸回転数)と、リヤプロペラシャフト(主駆動軸)や後輪(主駆動輪)の回転数と、を比較してADD機構の入出力回転の同期判断を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の四輪駆動装置が適用された後輪駆動ベースの四輪駆動車を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例装置の4WDコントローラのADD制御部で実行されるADD機構の切り離し状態から接続状態への切換制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1実施例装置のADD機構の切換制御で用いられるフロントデフ油温に対する必要トルクマップである。
【図4】第1実施例装置においてフロントデフ油温に対するADD機構締結前の配分トルクとADD機構締結のための必要トルクとADD締結後の配分トルクを示すトルク特性図である。
【図5】第1実施例装置と対比される四輪駆動装置においてフロントデフ油温に対するADD機構締結前の配分トルクとADD機構締結のための必要トルクとADD締結後の配分トルクとADD機構切換不可領域を示す図である。
【図6】第1実施例装置と対比される四輪駆動装置においてフロントデフ油温に対するADD機構締結前の配分トルクとADD機構締結のための必要トルクとADD締結後の配分トルクとトルク段差を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 変速機
3 変速機出力軸
4 トランスファクラッチ
5 リヤプロペラシャフト(主駆動軸)
6 リヤディファレンシャル
7 右リヤドライブシャフト
8 左リヤドライブシャフト
9 右後輪(主駆動輪)
10 左後輪(主駆動輪)
11 フロントプロペラシャフト(副駆動軸)
12 フロントディファレンシャル
13 右フロントドライブシャフト
14 左フロントドライブシャフト
15 右前輪(副駆動輪)
16 左前輪(副駆動輪)
17 ADD機構(断接機構)
18 ADDアクチュエータ
19 油圧供給装置
20 トランスファユニット
21 4WDコントローラ
22 モードスイッチ(モード選択手段)
23 右後輪速センサ
24 左後輪速センサ
25 右前輪速センサ(同期回転数検出手段)
26 左前輪速センサ
27 リヤプロペラシャフト回転センサ
28 フロントプロペラシャフト回転センサ(副駆動軸回転数検出手段)
29 トランスファ油温センサ
30 フロントデフ油温センサ(油温検出手段)
31 ADD位置検出スイッチ
Claims (5)
- 主駆動軸及びディファレンシャルを介して駆動される主駆動輪とからなる主駆動系と、
副駆動軸及びディファレンシャルを介して駆動される副駆動輪とからなる副駆動系と、
前記主駆動軸と副駆動軸との間に介装され、クラッチ締結により副駆動軸を駆動するトランスファクラッチと、
を備えた四輪駆動装置において、
前記副駆動軸と副駆動輪との間を断続可能な断続機構と、
前記断続機構の切り離しと接続の制御を行う断続機構切換制御手段と、
前記副駆動軸の回転数を検出する副駆動軸回転数検出手段と、
車速に同期して回転する副駆動系もしくは主駆動系の回転数を検出する同期回転数検出手段と、
前記副駆動系のディファレンシャル内の油温を測定もしくは推定する油温検出手段と、
を設け、
前記断続機構切換制御手段は、前記断続機構を切り離し状態から接続状態へ切り換える際、前記副駆動系のディファレンシャル内の油温が通常温度域より低い低油温域にある場合に、通常温度域の値より大きな値の必要トルクで前記トランスファクラッチを締結し、その後、前記副駆動軸回転数検出手段で検出した副区同軸回転数と前記同期回転数検出手段で検出した回転数とが同期した時に切り換えることを特徴とする四輪駆動装置。 - 請求項1に記載された四輪駆動装置において、
前記断続機構切換制御手段は、ディファレンシャル油温が低いほど、前記トランスファクラッチを締結する必要トルクを大きな値に設定したことを特徴とする四輪駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載された四輪駆動装置において、
主駆動輪のみ駆動する二輪駆動モードと、主駆動輪及び副駆動輪で駆動する四輪駆動モードを選択可能なモード選択手段を設け、
前記断続機構切換制御手段は、前記モード選択手段を二輪駆動モードから四輪駆動モードに切り換えた際に、前記断続機構を切り離し状態から接続状態へ切り換えることを特徴とする四輪駆動装置。 - 請求項3に記載された四輪駆動装置において、
前記モード選択手段による四輪駆動モードの選択時には、主駆動輪と副駆動輪の回転速度差に応じて前記トランスファクラッチの締結トルクを制御する駆動配分トルク制御手段を設けたことを特徴とする四輪駆動装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れかに記載された四輪駆動装置において、
前記断続機構は、副駆動系のディファレンシャルと左右副駆動輪のうち一方との間に設けられたことを特徴とする四輪駆動装置。
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