JP4000464B2 - プラテン、インクジェット式記録装置、液体噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドと対向して設けられて、被記録材を下方から支持するプラテンに関する。また、本発明は、該プラテンを備えたインクジェット式記録装置及び液体噴射装置に関する。
【0002】
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体と前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0003】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置或いは液体噴射装置の1つとしてインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)がある。プリンタには、インクを吐出するインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)と、該記録ヘッドと対向して設けられ、印刷用紙を下から支えることにより前記記録ヘッドと印刷用紙の印刷面との距離を規定するプラテンと、を有している。更にこの様なプリンタにおいては、印刷用紙に余白無く印刷を行う、所謂縁無し印刷を実行可能に構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
縁無し印刷を実行可能なプリンタにおいては、前記プラテンの上面(プラテン面)に凹部(溝)が形成される。該凹部は、前記プラテン面において主走査方向に延びる様に形成される凹部と、印刷用紙の幅に合わせて、印刷用紙の端部に位置する部分に局在する様に設けられる凹部とから構成される。例えば、印刷用紙の始端が主走査方向に延びる様に形成された凹部の上方に位置した時に、印刷用紙の始端から外れた領域にもインクを吐出することにより、始端の縁無し印刷が行われる。このとき、前記凹部に、インクが打ち捨てられることになる。
【0006】
ここで、一般に前記凹部内には、インクを吸収するインク吸収材が設けられる。この様なインク吸収材を設けないと、前記凹部に打ち捨てられたインクがインクミストとなり、印刷品質の低下を招き、或いは、プリンタの駆動部品に付着して正常な印刷動作を妨げる虞があるからである。
【0007】
そして、前記凹部の底面には、複数の貫通穴が設けられている。前記凹部に打ち捨てられたインクはインク吸収材に一旦吸収され、その後、前記貫通穴から下方に滴下する。従って、前記プラテンの下部には、この様に滴下するインクを受ける廃液トレイが設けられる。該廃液トレイ内には、前記凹部と同様にインクを吸収する廃液吸収材が設けられ、これにより、廃液トレイ内に貯留されたインクが、外部へ漏洩しない様確実に保持される様になっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平2002−86821号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記凹部に打ち捨てられたインクはインク吸収材によって吸収されるが、この様に吸収されたインクは、その全てが前記廃液トレイに滴下するとは限らない。即ち、一部のインクは前記貫通穴から前記廃液トレイに向けて滴下するが、その他のインクは、インク吸収材のインク保持性によって、当該インク吸収材の底部に保持されたままの状態となる。
【0010】
この様な状態で例えばユーザの取り扱い或いは輸送の際に、プリンタが大きく傾いた状態に置かれると、前記インク吸収材の底部に保持されたインクはプラテン(凹部)端部に集中し、場合によっては前記凹部から外に溢れ出る虞がある。この様な現象が発生すると、インクがプリンタの構成要素(例えば、駆動系統或いは電気系統)に悪影響を及ぼす他、インクがプリンタ外部にまで漏出してプリンタ外観を汚損する虞がある。
【0011】
そこで本発明はこの様な問題に鑑みなされたものであり、その目的は、前記凹部に打ち捨てられたインクが、プリンタが傾いた状態に置かれることによって前記凹部から溢れ出る問題を防止することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被記録材にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドと対向して設けられ、該インクジェット記録ヘッドと対向する面に、副走査方向に延びるリブが主走査方向に所定の間隔を置いて配設された、被記録材を下方から支持するプラテンであって、前記インクジェット記録ヘッドと対向する面において主走査方向に延びる様に形成された凹部と、該凹部の底面に形成され、前記凹部に打ち捨てられたインクを下方に排出させる貫通穴と、前記凹部に設けられ、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されたインクを吸収するインク吸収材と、を有し、前記凹部の主走査方向端部には、前記凹部の上方を覆う壁部が設けられ、前記インク吸収材の主走査方向端部が、前記壁部によって形成された空間に挿入されていることを特徴とする。
【0013】
上記第1の態様によれば、被記録材の端部からインクを打ち捨てる為の、主走査方向に延びる様に形成された凹部において、その主走査方向の端部には、該凹部の上方を覆う壁部が設けられている。即ち、該壁部により、前記凹部の端部にインクが滞留するポケットが形成されることになる。従って、インクジェット式記録装置が傾いた状態に置かれることにより、前記凹部の端部にインクが集中した場合でも、インクが直ちに溢れ出ることが無い。
【0014】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記貫通穴が前記凹部の端部に設けられ、且つ、該貫通穴の内壁が、前記凹部の端部側壁と略同一面をなす様に形成され、前記インク吸収材が、前記凹部の端部側壁に接する様に設けられていることを特徴とする。
インクジェット式記録装置を傾いた状態に置いた際に、前記貫通穴の内壁と、前記凹部の端部側壁とに段差があると、当該段差形状によってインクの滞留部が生じることになる。即ち、前記貫通穴からインクが円滑に排出されなくなる。そこで、上記第2の態様においては、上述の様なインクの滞留部を無くす為に、前記貫通穴を、前記貫通穴の内壁面が前記凹部の端部側壁と略同一面をなす様に設けるとともに、前記インク吸収材を前記凹部の端部側壁に接する様に設けたので、インクが前記インク吸収材から前記凹部の端部側壁を伝って円滑に排出されるといった作用効果を得ることができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、前記貫通穴の内壁に、インクの流通路となるV溝が鉛直方向に延びる様に形成されていることを特徴とする。
上記第3の態様によれば、前記貫通穴の内壁に、インクの流通路となるV溝が鉛直方向に延びる様に形成されているので、毛細管現象によってインクが前記V溝を速やかに進むことにより、より一層円滑にインクを前記貫通穴から下方に流出させることができる。
【0016】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様において、前記V溝へのインクの入り口形状がR形状をなしていることを特徴とする。
上記第4の態様によれば、前記貫通穴を通って排出されるインクは、前記R形状によって円滑に前記V溝の内部に進むことができ、以て上述した第3の態様の作用効果をより一層発揮させることができる。
【0017】
本発明の第5の態様は、上記第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記凹部を平面視した際に、前記壁部によって形成される前記凹部の角部が、R形状を成していることを特徴とする。
上記第5の態様によれば、前記凹部を平面視した際に、壁部によって形成される前記凹部の角部がR形状を成しているので、前記角部を略直角に形成する場合に比して、毛細管現象によってインクが溢れ出易いといった問題を解消することが可能となる。
【0018】
本発明の第6の態様は、上記第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記凹部の端部側壁が、前記凹部の平面視において階段形状を成す様に形成され、且つ、前記壁部が、階段形状を成す様に形成された前記凹部の端部側壁の一部に設けられ、前記インク吸収材が、階段形状を成す様に形成された前記凹部の端部側壁に合わせて階段形状を成す様に形成され、且つ、その端部が前記凹部の端部側壁に接する様に設けられていることを特徴とする。
【0019】
上記第6の態様によれば、前記凹部の端部側壁が階段形状に形成されると共に、前記インク吸収材が、当該凹部の端部側壁に合わせて階段形状を成す様に形成され、且つ、その端部が、前記凹部の端部側壁に接する様に設けられていることから、設計の都合上前記凹部の端部側壁を平坦面とすることが出来ない場合でも、上述した第1から第5の態様のいずれかと同様な作用効果を得ることが可能となり、設計の自由度が向上する。
【0020】
本発明の第7の態様は、上記第6の態様において、階段形状を成す様に形成された前記インク吸収材の端部において、前記壁部の外側に露呈した部分が、前記凹部の端部側壁に接しない様に成されていることを特徴とする。
階段形状を成す様に形成された前記インク吸収材の端部において、前記壁部の外側に露呈した部分が前記凹部の端部側壁に接していると、当該接触部分には前記壁部が存在しない為、当該接触部分を伝ってインクが外に溢れ出易くなるといった問題が生じる。そこで、上記第7の態様においては、前記インク吸収材の端部において前記壁部の外側に露呈した部分は、前記凹部の端部側壁に接しない様に成したので、これによって上述の問題を防止することが可能となる。
【0021】
本発明の第8の態様は、上記第1から第7の態様のいずれかにおいて、前記凹部の上縁が、略直角となる様に形成されていることを特徴とする。
前記凹部の上縁が例えばR形状に形成されていると、インクが前記凹部から外に溢れ出易くなるが、上記第8の態様によれば、前記凹部の上縁が略直角となる様に形成されているので、前記凹部からのインクの漏出を、表面張力の性質によって可能な限り防止することができる。
【0022】
本発明の第9の態様は、被記録材にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドの上流側に設けられ、前記インクジェット記録ヘッドへ被記録材を搬送する被記録材搬送手段と、前記インクジェット記録ヘッドの下流側に設けられ、記録の行われた被記録材を排出する被記録材排出手段と、を備えたインクジェット式記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドと対向する位置に、上記第1から第8の態様のいずれかに記載した前記プラテンを備えていることを特徴とする。
【0023】
被記録材にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置は、上記第1から第8の態様のいずれかに記載したプラテンを備えているので、上述した第1から第8の態様のいずれかと同様な作用効果を得ることができる。
【0024】
本発明の第10の態様は、被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドと対向して設けられ、前記液体噴射ヘッドと対向する面に、副走査方向に延びるリブが主走査方向に所定の間隔を置いて配設された、被噴射媒体を下方から支持するプラテンと、前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられ、前記液体噴射ヘッドへ被記録材を搬送する被噴射媒体搬送手段と、前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられ、噴射の行われた被噴射媒体を排出する被噴射媒体排出手段と、を備えた液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドと対向する面において主走査方向に延びる様に形成された凹部と、該凹部の底面に形成され、前記凹部に打ち捨てられた液体を下方に排出させる貫通穴と、前記凹部に設けられ、前記液体噴射ヘッドから噴射された液体を吸収する液体吸収材と、を有し、前記凹部の主走査方向端部には、前記凹部の上方を覆う壁部が設けられ、前記液体吸収材の主走査方向端部が、前記壁部によって形成された空間に挿入されていることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
先ず、図1乃至図4を参照しながら、本発明に係るインクジェット式記録装置或いは液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」と言う)の記録部の構成について概説する。ここで、図1及び図3はプリンタ記録部の側断面図、図2はプリンタ記録部の平面図、図4は本発明に係るプラテン50の平面図である。
【0026】
図1において、プリンタ記録部の最も上流(用紙搬送経路の上流)には、被記録材(被噴射媒体)搬送手段を構成する、搬送駆動ローラ3aと搬送従動ローラ3bとからなる搬送ローラ3が設けられている。搬送駆動ローラ3aは図示しない駆動モータによって回動駆動され、搬送従動ローラ3bは、搬送駆動ローラ3aに圧接することにより従動回動する。搬送ローラ3は搬送駆動ローラ3aと搬送従動ローラ3bとによって、上流側から図示しない給送装置によって給送された、被記録材或いは被噴射媒体の一例である印刷用紙(以下「用紙P」と言う)をニップし、そして当該ニップ状態で搬送駆動ローラ3aが回動駆動されることにより、用紙Pが、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)1の下へと搬送(精密送り)される。
【0027】
記録ヘッド1は、主走査方向に往復駆動されるキャリッジ(図示せず)の底部に設けられるとともに、液体の一例であるインクを吐出するノズルアレイ2を有している。記録ヘッド1の下部に搬送された用紙Pは、ノズルアレイ2から印刷面にインクを吐出されることによって記録が行われる。このとき、用紙Pは、記録ヘッド1の下部に、記録ヘッド1と対向する様に設けられたプラテン50に下方から支持されることにより、ノズルアレイ2との距離(PG:ペーパーギャップ)を規定される。
【0028】
プラテン50から下流側には、被記録材(被噴射媒体)排出手段を構成する排紙駆動ローラ5aと、排紙従動ローラ5bとからなる排紙ローラ5が設けられている。排紙駆動ローラ5aは、図示しない駆動モータによって回動駆動される排紙駆動ローラ軸6に、図2に示す様に用紙Pの幅方向に局在する様に設けられ、排紙従動ローラ5bは、排紙駆動ローラ5aに接することにより、排紙駆動ローラ5bの回動に従って従動回動する。そして、排紙駆動ローラ5aと排紙従動ローラ5bとによって用紙Pをニップし、且つ、排紙駆動ローラ5aが回動駆動されることにより、印刷の行われた用紙Pが、下流側に向けて排紙される。尚、補助ローラ9は、排紙従動ローラ5bのやや上流側に設けられ、用紙Pのプラテン50からの浮き上がりを防止する。
【0029】
ここで、搬送ローラ3と排紙ローラ5とは、協働して以下の様な作用効果を奏している。即ち、図1に示す様に、搬送ローラ3において搬送駆動ローラ3aと搬送従動ローラ3bとのニップ点がやや下流側に設定されることにより、搬送駆動ローラ3aの軸心及び搬送従動ローラ3bの軸心を結ぶ線と、垂直線との成す角度がαとなる様に構成されている。また、排紙ローラ5においては、排紙駆動ローラ5aと排紙従動ローラ5bとのニップ点がやや上流側に設定されることにより、排紙駆動ローラ5aの軸心及び排紙従動ローラ5bの軸心と、垂直線との成す角度がβとなる様に構成されている。
【0030】
従ってこれにより、搬送ローラ3と排紙ローラ5との間においては、用紙Pは下に凸となる様な緩やかな湾曲状態となり、これによって用紙Pがプラテン50に押し付けられる様な状態となる。その結果、用紙Pのプラテン50からの浮き上がりが防止され、印刷面と記録ヘッド1との距離が一定に保たれるので、印刷品質の低下を効果的に防止できる様になっている。
【0031】
また、後述する縁無し印刷時においては、用紙Pの後端が搬送ローラ3から外れると(図3(B)の状態)、当該用紙Pの後端はフリーな状態となる為プラテン50から浮き上がり易くなるが、上述の様に用紙P後端が搬送ローラ3を外れた後においても、排紙ローラ5が奏するプラテン50への用紙Pの押さえ付け作用によって、用紙P後端の浮きが防止される。同様に、用紙P先端が排紙ローラ5にニップされる前においても(図3(A)の状態)、搬送ローラ3が奏するプラテン50への用紙Pの押さえ付け作用により、用紙P先端の浮きが防止される。
尚、本実施形態においては、角度αは10〜13°に設定され、角度βは約9〜11°(好ましくは、10°)に設定されていて、これにより、上述の作用効果を確実に得ることができる様になっている。
また、図1において符号Tで示す直線は、搬送駆動ローラ3aの外周と、リブ8(後述)の上面とに接する直線であり、符号Sで示す直線は、排紙駆動ローラ5aと、排紙従動ローラ5bとのニップ点における接線を示したものである。ここで、本実施形態においては、直線Tと搬送駆動ローラ3aとが接する点と、直線Tと直線Sとの交点とを結ぶ距離(符号Lで示す)とが約30〜32mm(好ましくは、31mm)に設定されていて、これにより、用紙Pのプラテン50からの浮きが確実に防止される様になっている。
【0032】
続いて、用紙Pへの余白無し印刷(縁無し印刷)について説明する。図2に示す様に、プラテン50は主走査方向(図2の左右方向)に長い形状をなしていて、プラテン面(プラテン50の上面:記録ヘッド1と対向する面)には、図1にも示す様にリブ7、8がそれぞれ搬送方向上流(図2の上側)から下流(図2の下側)に向かって連なる様に、且つ、それぞれが主走査方向に所定の間隔をおいて形成されている。
【0033】
更に、プラテン50のプラテン面には、主走査方向に延びる2つの凹部10、11が形成され、用紙Pの側端に位置すべき部分には、方形の凹部12乃至20(図4も参照)が形成されている。凹部10、11は、断面視においては図1に示す様に記録ヘッド1から所定の深さを有する様に形成されていて、また、凹部12乃至20についても、凹部10、11とほぼ同じ深さに形成されている(図示は省略)。尚、凹部10乃至20には、インクを吸収するインク吸収材42が配設され、これにより、記録ヘッド1から吐出されたインクが速やかに吸収され、インクミストの浮遊による不具合が防止される様になっている。尚、インク吸収材42の詳細については後に説明する。
【0034】
凹部10、11及び12乃至20は、縁無し印刷時におけるインク打ち捨て用の凹部であり、用紙Pの端部から外れた部分に吐出されるインクを、該凹部10乃至20に打ち捨てる様になっている。例えば、用紙P始端の余白無し印刷においては、図3(A)に示す様に、用紙Pの始端が搬送方向下流側に位置する凹部11の上部にさしかかったとき、ノズルアレイ2の一部2bのみを駆動して、用紙Pにインクを吐出する。そしてこれにより、用紙P始端から外れたインクが凹部11内に打ち捨てられ、従ってプラテン面がインク滴で汚損されることが無い様になっている。
【0035】
一方、用紙P終端の余白無し印刷においては、図3(B)に示す様に、用紙P終端が搬送方向上流側に位置する凹部10の上部にさしかかったとき、ノズルアレイ2の一部2aのみを駆動して、用紙Pにインクを吐出する。これにより、用紙P終端から外れたインク滴が凹部10内に打ち捨てられ、従ってプラテン面がインクで汚損されることが無い様になっている。
【0036】
尚、用紙Pの両側端の縁無し無し印刷においては、凹部12乃至20が同様な機能を果たす。即ち、図2において仮想線で示した用紙Pにあっては、凹部12及び19に、側端から外れた部分に吐出されるインクが打ち捨てられる様になっている。また、図4に示す様に、凹部12乃至20は主走査方向に所定の間隔を置いて局在する様に設けられている。具体的には、凹部12は全てのサイズの用紙Pの一方の側端が通過する場所に配設されていて、凹部13乃至20は、予め定められた所定の用紙サイズ(例えば、A3サイズ、B4サイズ、A4サイズ、ハガキサイズ、L判写真サイズ(幅89mm)、等)の用紙Pの、他方の側端が通過する場所に配設されている。従ってこれにより、予め定められた所定サイズの用紙への四辺縁無し印刷が実行可能となる。
【0037】
以上がプリンタ100の概要であり、続いて、図4乃至図13を参照しながら、プラテン50の構成について詳述する。ここで、図5はプラテン50を主走査方向に切断した際の断面図、図6乃至図8はプラテン50の部分拡大斜視図、図9はプラテン50の正面図(一部断面図)である。また、図10、12、13はプラテン50の部分拡大斜視図、図11は凹部12の断面図である。
【0038】
先ず、図4において、上述した様にプラテン50のプラテン面には複数のリブ7、8が形成されている。ここで、リブ7、8は主走査方向に所定の間隔を置いて形成されているが、これは、補助ローラ9(図1参照)との協働作用により、用紙Pに規則的なコックリング(波打ち)を強制的に発生させ、以て印刷面と記録ヘッド1との距離を均一化する為である。即ち、記録ヘッド1から用紙Pにインクが吐出されると、用紙Pがインクを吸収し膨潤することによって主走査方向に波打つ現象(コックリング)が発生する。この様なコックリングが例えば平坦面上で発生すると、不規則な波打ちによって印刷面と記録ヘッド1との距離のばらつきが主走査方向で大きくなり、これによって印刷品質が低下するばかりか、場合によっては印刷面が記録ヘッド1に擦れることもある。
【0039】
そこで、プラテン50のプラテン面に、リブ7、8を主走査方向に所定の間隔を置いて形成すると共に、当該リブ7、8のほぼ中間に位置する場所に、補助ローラ9を配した(図示は省略)。この結果、コックリングの頂部(山)がリブ7、8によって形成されると共に、コックリングの底部(谷)が補助ローラ9によって形成され、そして規則的な周期のコックリング状態が形成される。即ち、補助ローラ9と、リブ7、8との協働作用によって、用紙Pには一定周期のコックリング状態が強制的に形成され、従って不規則な周期のコックリング状態が形成されず、印刷面と記録ヘッド1との距離が大きくばらつかず、以て印刷品質の低下が防止されることになる。
【0040】
ところで、用紙Pの種類によっては、記録ヘッド1によってインクを吐出した際に、インクを吸収することによって側端部近傍に膨らみが発生するものがある。図5(A)はこの様子を示したものであり、用紙Pの種類によっては、凹部12からやや内側において、符号Cで示す膨らみ部が発生する。この様な膨らみ部Cが発生すると、記録ヘッド1との距離が不均一となり、印刷品質が低下する。そこで、本実施形態においては、図5(B)に示す様に、膨らみ部Cを山とした場合に、谷となる部分と接するリブ8を、符号8’で示す様に低く成すことにより、膨らみ部Cの高さを低くして(符号C’で示す膨らみ)、印刷品質の低下を防止している。
【0041】
続いて、凹部10乃至20に配設されるインク吸収材42について説明する。図2に示した様に、インク吸収材42は、プラテン50に形成された凹部10乃至20に充填される様に設けられ、凹部10乃至20に打ち捨てられたインクを、先ず最初に吸収する。ここで、インク吸収材42は高いインク吸収性を有し、かつインクによって冒されにくい(耐インク性が高い)性能を有するものであればどの様なものでも良く、例えばポリエチレンテレフタレート、アクリル、レーヨン等の合成繊維やパルプなどを原料とするフェルト材、或いは、スポンジなどの多孔質材を用いることができる。これは、後に説明する廃液吸収材22についても共通するものである。尚、本実施形態では、インク吸収材42として発泡性の軟質材(所謂スポンジ材:例えば、商品名「エバーライト」、ブリジストン(株)製)を用いている。
【0042】
インク吸収材42は、プラテン50に形成されたリブ7、8の部分を避ける為に複数の孔(図示せず)が形成され、これにより、全ての凹部10乃至20を、一つの(一体的に形成された)インク吸収材42によって充填することができる様になっている。
【0043】
次に、凹部12乃至20の底部には、図4に示す様に貫通穴32乃至40(斜線で示す部分。以下、適宜「貫通穴」と言う。)がそれぞれ形成されていて、インク吸収材42によって吸収されたインクは、インク吸収材42の底部へと進み、貫通穴32乃至40を通って下部に排出される様になっている。
【0044】
プラテン50の下部には、図9に示す様に主走査方向に長い略箱形の形状を成す廃液トレイ23が配設されていて、該廃液トレイ23内には、廃液吸収材22が廃液トレイ23内に隙間無く充填される様にして配設されている。そして、貫通穴32乃至40を通って下部に排出されるインクは、最終的に、廃液吸収材22に吸収・保持される。
尚、廃液吸収材22としては、上述した通り高いインク吸収性を有し、かつインクによって冒されにくい(耐インク性が高い)性能を有するものであればどの様なものでも良いが、本実施形態においては不織布(例えば、王子キノクロス(株)製)を用いている。
【0045】
以下、インクを貫通穴から円滑に排出させる為の構成について説明する。先ず、図6に示す様に、凹部10、11の底部は、その隅部(例えば、符号10aで示す部分)が直角を成す様に形成されていて、これにより、インクは毛細管現象によって円滑に流通する様になっている。次に、凹部12乃至20においては、それぞれに形成された貫通穴の両側部分(主走査方向両側部分)に、インクの流通路となる、主走査方向に平行なガイド溝30がそれぞれ形成されている。このガイド溝30は、凹部10の上流側壁面(図6の左上側の壁面)からそれぞれの貫通穴に向かって延び、また、凹部11の下流側壁面(図6の右下側の壁面)からそれぞれの貫通穴に向かって延びることで、それぞれの貫通穴に向けてインクをガイドする。
【0046】
加えて、貫通穴は平面視において方形の形状を成す様に形成され、且つ、その隅部が直角となる様に形成されている(例えば、符号35aで示す部分)。従って、貫通穴の隅部においては毛細管現象によってインク流動性が良く、インクが円滑に下方に流れることができる。また、前述のガイド溝30は、それぞれこの様にインクを下方に円滑に流すことができる貫通穴の隅部に到達する様に形成されている。従ってこれにより、より一層円滑にインクを下方に排出することができる様になっている。
【0047】
更に加えて、平面視において方形の形状を成す様に形成された貫通穴において主走査方向に平行な2つの壁面(側壁)には、図7に詳しく示す様にインクの流通路となるV溝31が形成されていて、これにより、インクは毛細管現象によって円滑に下方へと流通する様になっている。ここで、貫通穴の壁面(平坦面)からV溝31への入り口形状は、符号31aで示す様にR形状をなす様に形成されていて、これにより、インクが円滑にV溝31内部へと進むことができる様になっている。
【0048】
ところで、プラテン50には、図4に示す様にプラテン50の端部近傍に、記録ヘッド1のフラッシング動作用の貫通穴41が形成されている。以下、該貫通穴41について説明する。
記録ヘッド1においては、ノズル開口にインクやインク乾燥物、異物等が付着して目詰まりすることにより、吐出が不良又は不能となることがある。従って、かかる不良原因を除去して良好な吐出状態を保持・回復するため、定期的にメンテナンス動作を行う必要がある。かかるメンテナンス動作のひとつにフラッシング動作があり、最後のインク吐出から所定時間が経過した場合に、記録ヘッド1をフラッシング位置(貫通穴41が形成された位置)まで記録ヘッド1を移動させ、空吐出を行わせることにより、記録ヘッド1のインク吐出性能の低下を防止する様になっている。
【0049】
この貫通穴41には、凹部10乃至20と同様にインク吸収材が配設され、フラッシング動作によって記録ヘッド1から吐出されたインクは、当該インク吸収材に吸収される。また、貫通穴41内には図8に示す様に鉛直面に沿った板状部21aが複数設けられている。板状部21aは、貫通穴41内に配設されるインク吸収材を下から支持すると共に、該インク吸収材から下方に排出すべきインクの流通路を形成して、インクを下方に円滑に排出する機能を果たしている。
【0050】
ところで、上述した凹部10乃至20に打ち捨てられたインクは、インク吸収材42によって吸収されるが、この様にインクを吸収した状態で例えばユーザの取り扱い或いは輸送の際に、プリンタが大きく傾いた状態に置かれると、インク吸収材42の底部に滞留したインクはプラテン端部、より具体的には、主走査方向に延びる凹部10、11の両端部に位置する凹部12、或いは、凹部20に集中する。その結果、場合によっては凹部12或いは凹部20から外にインクが溢れ出ることがあり、この様な現象が発生すると、インクがプリンタの構成要素(例えば、駆動系統或いは電気系統)に悪影響を及ぼす他、インクがプリンタ外部にまで漏出してプリンタ外観を汚損する虞がある。従って、インク吸収材42に吸収されたインクは、速やかに下方に排出する必要がある。加えて、インクが凹部12或いは凹部20に集中した場合でも、当該凹部12、20に形成した貫通穴32、40から、速やかにインクが排出され、以てインク溢れを可能な限り防止できる様な構成となっていることが望ましい。
【0051】
そこで、本実施形態においては、この様な問題に鑑みて、以下に説明する種々の手段を用いている。
先ず、凹部12及び凹部20にそれぞれ形成された貫通穴32及び貫通穴40に、図9に示す様に下方に垂下する形状を成すインクガイド部24、25を設け、該インクガイド部24、25の下端を、廃液吸収材22の上面22aに接触させる様にした。
【0052】
即ち、貫通穴32、40から、インクを自然落下によって滴下させることにより排出する様な場合には、インクが一定量集まる迄下方に排出されない。しかし、インクの流通路となるインクガイド部24、25を設け、該インクガイド部24、25の下端部を、下方に配設される廃液吸収材22の上面22aと接触させることで、廃液吸収材22のインク吸引力がインクガイド部24、25に作用し、これによってインクガイド部24、25を介してインクが凹部12、20から円滑に下方に排出される。
【0053】
従って、インクが凹部12、20に滞留せず、これによってプリンタを取り扱い時或いは輸送時等に大きく傾けた場合でも、凹部10乃至20の底部に滞留したインクが凹部12、20に集中し、そして外部に溢れ出るといった問題を招く危険性を低減させることが可能となる。
【0054】
図11は、一例として凹部12を主走査方向に平行に切断した断面図である。図示する様に、インクガイド部24、より具体的には、インクガイド部24において貫通穴32の内壁面と連接するガイド面24aが、廃液吸収材22の上面22aに接している(図10も参照)。加えて、図10、11に示す様に、ガイド面24aには鉛直方向に延びるV溝24bが複数形成されている。このV溝24bは、図7を参照しながら説明したV溝31と同様な機能を果たすものであり、即ち、毛細管現象によって、インクをより一層円滑に下方に排出する機能を果たす。また、V溝24bへの入り口形状も、図7に示したV溝31と同様にR形状を成していて、これにより、ガイド面24aを伝って下方に流れるインクが、V溝24b内に流れ込み易い様になっている。
【0055】
また、図11に示す様に、凹部12の側壁(主走査方向に延びる凹部10、11の端部側壁)と、貫通穴32の側壁と、ガイド面24aとがほぼ同一面(鉛直面)を成す様に形成されていることから、段差形状がある場合の様にインクの滞留部が形成されず、これによってより一層円滑にインクが下方に流れる様になっている。
【0056】
次に、図11に示す様に凹部12(主走査方向に延びる凹部10及び11の端部)においては、凹部12の上方を覆う壁部45が設けられ、インク吸収材42の端部42aが、壁部45によって形成された空間(ポケット)に挿入された状態となっているので、プリンタを傾斜姿勢に置くことによって凹部12にインクが集中した場合でも、インクが直ちに溢れ出ることが無い。
【0057】
加えて、図11に示す様に、インク吸収材42の端部42aは、凹部12の側壁(主走査方向に延びる凹部10、11の端部側壁)に接する様に設けられている。従って、インク吸収材42に吸収されたインクを、インク吸収材42の端部42aから、凹部12の側壁を伝って迅速に排出することが可能となっている。
【0058】
更に加えて、図12に示す様に凹部12において壁部45によって形成される角部(符号12aで示す部分)が、R形状を成す様に形成されている。即ち、凹部12を平面視した際に、壁部45によって形成される凹部12の角部12aが直角であると、毛細管現象によってインクが外部に溢れ出易いが、本実施形態においては凹部12を平面視した際に、壁部45によって形成される凹部12の角部12aがR形状を成しているので、角部12aを直角に形成する場合に比して、毛細管現象によってインクが溢れ出易いといった問題を解消することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態においては、凹部10、11、12、20の上縁(例えば図12において符号29で示す部分)が直角となる様に形成されているので、これにより、表面張力の性質が働いて、凹部10、11、12、20からのインクの漏出を可能な限り防止することができる様になっている。
【0060】
尚、図8に示す記録ヘッド1のフラッシング動作用の貫通穴41においても、インクガイド部24、25と同様な作用効果を奏するインクガイド部26が設けられていて(図9参照)これにより、貫通穴41に配設されたインク吸収材から、廃液吸収材22へと円滑にインクが流れる様になっている。また、平面視において方形の形状を成す様に形成された貫通穴41は、その隅部(符号41aで示す部分)がR形状を成す様に形成されているので、上記と同様に、隅部41aを直角に形成する場合に比して、毛細管現象によってインクが溢れ出易いといった問題を解消することが可能となっている。尚、貫通穴41の上縁(符号41bで示す部分)は、本実施形態においてはR形状をなす様に形成されていて(R面取り)、これによってインク吸収材を貫通穴41に配設する際の作業性を向上しているが、符号41bで示す上縁についても、上述と同様に直角となる様に形成することにより、表面張力の性質が働いて、プリンタを傾斜姿勢に置いた際の、貫通穴41からのインクの漏出を可能な限り防止することもできる。
【0061】
ところで、上述した凹部12側における種々の手段は、本実施形態においては凹部12と反対側の端部に形成された凹部20においても採用されている。即ち、凹部20に形成された貫通穴40(図4参照)に設けられたインクガイド部25(図9参照)には、図10に示したV溝24bと同様なV溝が形成されていて、インクをより一層円滑に下方に流すことができる様になっている(図示は省略)。また、図13に示す様に凹部20における角部(符号20aで示す部分)が、R形状を成す様に形成されているので、角部20aを直角に形成する場合に比して、毛細管現象によってインクが溢れ出易いといった問題を解消している。
【0062】
ここで、凹部20の側においては、凹部12の側と異なり、凹部20の側壁(凹部10及び凹部12の端部側壁)が、平面視(図13において壁部46が無い場合の平面視)において階段形状を成す様に形成され、且つ、壁部46は、階段形状を成す様に形成された凹部20の側壁の一部に設けられている。また、インク吸収材42の端部42bが、階段形状を成す様に形成された凹部20の側壁に合わせて階段形状を成す様に形成され、且つ、端部42bが凹部20の端部側壁に接する様に設けられている。
【0063】
つまり、換言すれば、凹部20の側においてはインク吸収材42の端部を全て挿入するのではなく、階段形状を形成する一部分としての端部42bのみを、壁部46によって形成された空間(穴部)に挿入する様な状態となっている。これによって、プラテン50の設計の都合上、インク吸収材42の端部を全て挿入することが出来ない様な場合でも、プリンタを傾斜姿勢に置いた際の、インク溢れの問題を防止することが可能となる。
【0064】
ここで、インク吸収材42の端部42bは、凹部12の側と同様にインクガイド部25のガイド面(図示せず)に接触する様に設けられている。従って、インク吸収材42の端部42bから、インクガイド部25へ円滑にインクが伝わる様になっている。
【0065】
更に、階段形状を成す様に形成されたインク吸収材42の端部において、壁部46の外側に露呈した部分(符号42cで示した部分)が、凹部20の側壁(符号20bで示す部分)に接しない様に構成されている。これは、以下の様な理由による。即ち、階段形状を成す様に形成されたインク吸収材42の端部において、壁部46の外側に露呈した部分42cが凹部20の側壁20bに接していると、当該接触部分には壁部46が存在しない為、プリンタを傾斜姿勢に置いた際にインクが当該接触部分を伝って外に溢れ出易くなるといった問題が生じる。そこで、上述の通り、インク吸収材42の端部において壁部46の外側に露呈した部分42cを、凹部20の側壁20bに接しない様に成したので、これによって上述の問題を防止することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプリンタの記録部の側断面図である。
【図2】 本発明に係るプリンタの記録部の平面図である。
【図3】 本発明に係るプリンタの記録部の側断面図である。
【図4】 本発明に係るプラテンの平面図である。
【図5】 本発明に係るプラテンの断面図である。
【図6】 本発明に係るプラテンの部分拡大斜視図である。
【図7】 本発明に係るプラテンの部分拡大斜視図である。
【図8】 本発明に係るプラテンの部分拡大斜視図である。
【図9】 本発明に係るプラテンの正面図である。
【図10】 本発明に係るプラテンの部分拡大斜視図である。
【図11】 本発明に係るプラテン(凹部)の断面図である。
【図12】 本発明に係るプラテンの部分拡大斜視図である。
【図13】 本発明に係るプラテンの部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録ヘッド、2 ノズルアレイ、3 搬送ローラ、3a 搬送駆動ローラ、3b 搬送従動ローラ、5 排紙ローラ、5a 排紙駆動ローラ、5b 排紙従動ローラ、6 排紙駆動ローラ軸、7、8 リブ、9 補助ローラ、10〜20 凹部、22、122 廃液吸収材、23 廃液トレイ、24、25 インクガイド部、24a ガイド面、24b V溝、29 上縁、30ガイド溝、31 V溝、32〜41 貫通穴、42 インク吸収材、45、46 壁部、50 プラテン
Claims (12)
- 被記録材にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドと対向して設けられ、被記録材を下方から支持するプラテンであって、
前記インクジェット記録ヘッドと対向する面において被記録材搬送方向と直交する方向に延びる凹部と、
該凹部の底面に形成され、前記凹部に打ち捨てられたインクを下方に排出させる貫通穴と、
前記凹部に設けられ、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されたインクを吸収するインク吸収材と、を有し、
前記凹部の被記録材搬送方向と直交する方向の端部には、前記凹部の上方を覆う壁部が設けられ、
前記インク吸収材の被記録材搬送方向と直交する方向の端部が、被記録材搬送方向全体に渡って前記壁部の下に潜り込むように、前記壁部によって形成された空間に挿入されている、
ことを特徴とするプラテン。 - 被記録材にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドと対向して設けられ、被記録材を下方から支持するプラテンであって、
前記インクジェット記録ヘッドと対向する面において被記録材搬送方向と直交する方向に延びる凹部と、
該凹部の底面に形成され、前記凹部に打ち捨てられたインクを下方に排出させる貫通穴と、
前記凹部に設けられ、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されたインクを吸収するインク吸収材と、を有し、
前記凹部の被記録材搬送方向と直交する方向の端部には、前記凹部の上方を覆う壁部が設けられ、
前記壁部は、前記凹部の端部を被記録材搬送方向全体に渡って覆っており、
前記インク吸収材の被記録材搬送方向と直交する方向の端部が、被記録材搬送方向全体に渡り、前記壁部によって形成されたポケットに挿入されている、
ことを特徴とするプラテン。 - 請求項1または2に記載のプラテンにおいて、前記貫通穴が、前記壁部と対向する位置に配置されている、
ことを特徴とするプラテン。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のプラテンにおいて、前記貫通穴が前記凹部の端部に設けられ、且つ、該貫通穴の内壁が、前記凹部の端部側壁と略同一面をなす様に形成され、
前記インク吸収材が、前記凹部の端部側壁に接している、
ことを特徴とするプラテン。 - 請求項4に記載のプラテンにおいて、前記貫通穴の内壁に、インクの流通路となるV溝が鉛直方向に延びる様に形成されている、
ことを特徴とするプラテン。 - 請求項5に記載のプラテンにおいて、前記V溝へのインクの入り口形状がR形状をなしている、
ことを特徴とするプラテン。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載のプラテンにおいて、前記凹部を平面視した際に、前記壁部によって形成される前記凹部の角部が、R形状を成している、
ことを特徴とするプラテン。 - 被記録材にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドと対向して設けられ、被記録材を下方から支持するプラテンであって、
前記インクジェット記録ヘッドと対向する面において被記録材搬送方向と直交する方向に延びる凹部と、
該凹部の底面に形成され、前記凹部に打ち捨てられたインクを下方に排出させる貫通穴と、
前記凹部に設けられ、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されたインクを吸収するインク吸収材と、を有し、
前記凹部の被記録材搬送方向と直交する方向の端部には、前記凹部の上方を覆う壁部が設けられ、
前記インク吸収材の被記録材搬送方向と直交する方向の端部が、前記壁部によって形成された空間に挿入されており、
前記凹部の端部側壁が、前記凹部の平面視において階段形状を成す様に形成され、且つ、前記壁部が、階段形状を成す様に形成された前記凹部の端部側壁の一部に設けられ、
前記インク吸収材が、階段形状を成す様に形成された前記凹部の端部側壁に合わせて階段形状を成す様に形成され、且つ、その端部が前記凹部の端部側壁に接している、
ことを特徴とするプラテン。 - 請求項8に記載のプラテンにおいて、階段形状を成す様に形成された前記インク吸収材の端部において、前記壁部の外側に露呈した部分が、前記凹部の端部側壁に接しない様に成されている、
ことを特徴とするプラテン。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載のプラテンにおいて、前記凹部の上縁が、略直角に形成されている、
ことを特徴とするプラテン。 - 被記録材にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドと、
前記インクジェット記録ヘッドの上流側に設けられ、前記インクジェット記録ヘッドへ被記録材を搬送する被記録材搬送手段と、
前記インクジェット記録ヘッドの下流側に設けられ、記録の行われた被記録材を排出する被記録材排出手段と、を備えたインクジェット式記録装置であって、
前記インクジェット記録ヘッドと対向する位置に、請求項1から10のいずれか1項に記載した前記プラテンを備えている、
ことを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドと対向して設けられ、被噴射媒体を下方から支持するプラテンと、
前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられ、前記液体噴射ヘッドへ被噴射媒体を搬送する被噴射媒体搬送手段と、
前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられ、噴射の行われた被噴射媒体を排出する被噴射媒体排出手段と、を備えた液体噴射装置であって、
前記液体噴射ヘッドと対向する面において被噴射媒体搬送方向と直交する方向に延びる凹部と、
該凹部の底面に形成され、前記凹部に打ち捨てられた液体を下方に排出させる貫通穴と、
前記凹部に設けられ、前記液体噴射ヘッドから噴射された液体を吸収する液体吸収材と、を有し、
前記凹部の被噴射媒体搬送方向と直交する方向の端部には、前記凹部の上方を覆う壁部が設けられ、
前記液体吸収材の被噴射媒体搬送方向と直交する方向の端部が、被噴射媒体搬送方向全体に渡って前記壁部の下に潜り込むように、前記壁部によって形成された空間に挿入されている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
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