JP3999996B2 - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents
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Description
【発明の技術的分野】
本発明は、密着性及び防汚性に優れた被膜を有する農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被膜を設けた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが、種々開発されている。
しかしながら、近年、市場においては、長期間展張できる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが要望されている。
【0003】
【発明の解決する課題】
市場の要望に対応すべく、今まで以上に、被膜の密着性及び防汚性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの開発が必要であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、請求項1記載の発明は、塩化ビニル系樹脂フィルムの少なくとも片面に、アクリル系樹脂組成物からなる被膜を設けた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムであって、該アクリル系樹脂組成物が、少なくともアクリル系共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)からなる混合樹脂組成物であり、アクリル系共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)の混合割合が、重量換算で、アクリル系共重合体(A)≦アクリル系共重合体(B)の関係にあり、アクリル系共重合体(A)は、アクリル系共重合体(A)を構成するためのモノマーとして、一般式[化1]で表されるモノマー又は/及び一般式[化2]で表されるモノマーを1〜50重量%含んでおり、アクリル系共重合体(B)は、アクリル系共重合体(B)を構成するためのモノマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを1〜40重量%含み、架橋剤が添加されていることを特徴とする農業用塩化ビニル系樹脂フィルムである。
[化1](R1はH又はCH3、R2は有機残基、R3はアルキル基)
[化2](R4はH又はCH3、R5はアルキル基)
【0005】
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂フィルムを形成するための塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体であるポリ塩化ビニルの他、塩化ビニルと他のモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル、フマール酸、イタコン酸、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、高級ビニルエーテル等との共重合樹脂、或いはこれらの樹脂の混合物等が挙げられる。
【0006】
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂フィルムには、必要に応じて、可塑剤や熱安定剤、防滴剤、防霧剤、滑剤又は粘着防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、充填剤、保温剤、着色剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0007】
可塑剤としては、フタル酸ジオクチルエステル(DOP)、フタル酸ジイソノニルエステル(DINP)、フタル酸ブチルベンジルエステル(BBP)、フタル酸ジイソデシルエステル(DIDP)、フタル酸ジウンデシルエステル(DUP)などに代表される一般のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸ジオクチルエステル(DOA)、セバチン酸ジオクチルエステル(DOS)、アゼライン酸ジオクチルエステル(DOZ)に代表される一般の脂肪酸エステル系可塑剤、トリメリット酸トリオクチルエステル(TOTM)に代表されるトリメリット酸エステル系可塑剤、ポリプロピレンアジペート等に代表されるポリエステル系可塑剤などの高分子系可塑剤の他のセバチン酸系可塑剤、塩素化パラフィンなどの一般的な可塑剤、トリクレジルフォスフェート(TCP)、トリキシリルホスフェート(TXP)、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、植物油のエポキシ化物、エポキシ樹脂が使用でき、植物油のエポキシ化物としては、エポキシ化大豆油エポキシ化アマニ油等が挙げられ、エポキシ樹脂としては、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸エチルヘキシル、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルジシクロヘキセンジエポキサイド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとエピクロルヒドリンの重縮合物等のエポキシ系可塑剤が挙げられる。これらの可塑剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0008】
熱安定剤としては、熱安定剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウムなどの金属石鹸、エポキシ化大豆油、グリシジルメタクリレートのホモポリマーなどのエポキシ化合物、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイトなどの有機ホスファイト系安定剤などが使用できる。
また、これらの安定剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
熱安定剤の添加量としては、樹脂100重量部に対し、0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0009】
防滴剤としては、従来から知られているソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル等の多価アルコールと脂肪酸とのエステル、多価アルコールの脂肪酸及び二塩基酸とのエステル、あるいはこれらに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加された化合物が使用でき、具体的には、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンステアレート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソルビタンステアレート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジグリセリンパルミテート、ジグリセリンステアレート、グリセリンパルミテート、グリセリンステアレート、グリセリンパルミテート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレートアジペート・エチレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールステアレートアジペート・エチレンオキサイド2モル付加物、ジグリセリンパルミテートセバケート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールパルミテートアジペート・エチレンオキサイド3モル付加物等が使用できるが、特に好ましくは、ソルビタンパルミテート等のソルビタン系の防滴剤である。これらの防滴剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0010】
防霧剤としては、[化3]に示すようなフッ素系化合物が使用できる。
【化3】
【0011】
滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸;流動パラフィン、ポリエチレンワックス類、塩素化炭化水素類等の炭化水素類;ステアリン酸、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸及び脂肪酸アミド;ステアリン酸ブチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸モノグリセリド等の脂肪酸エステル等の滑剤が使用できる。
これらの滑剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0012】
紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリロニトリル置換体等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−tert−オクチル−6−ベンゾトリアゾール)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリチレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等のオキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0013】
光安定剤としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキシサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス{4,6−ビス[N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ビペリジル)ブチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−tert−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
【0014】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、有機亜リン酸エステル、芳香族アミン等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0015】
充填剤としては、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、酸化珪素、長石、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タルク、ハイドロタルサイト等の無機充填剤;アルキルメタクリレートを主体とする重合体からなるアクリル系粒子等の有機系充填剤が使用できる。
上記の充填剤としては、平均粒径が0.5〜10μmのものが好ましい。
【0016】
保温剤としては、各種ハイドロタルサイト類等が使用できる。
例えば、一般式
M(1-x)・Alx・(OH)2/Xx/n・mH2O
で表されるものであり、式中のMはアルカリ土類金属又はZnを示し、Xはn価のアニオンを示す。また、x及びmは下記式の条件を満足するものである。
0<x<0.5
0≦m≦2
n価のアニオンとしては、Cl-、Br-、NO3 -、ClO4 -、SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 2-、HBO3 2-、PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)4 4-、CH3COO-、C6H4(OH)COO-、(COO-)2、C6H4(COO-)COO-、C10H7SO3 -等のアニオンが例示できる。
【0017】
また、上記ハイドロタルサイト類は表面処理剤で処理して利用することができ、合成樹脂に対する分散性ないし親和性を一層向上させて、フィルムの加工適性や平行光線透過性を向上させることができる。
このような表面処理剤としては、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ラウリル酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、リノール酸ナトリウム、リノール酸カリウム等の高級脂肪酸のアルカリ金属塩;ラウリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、リノール酸等の高級脂肪酸;イソプロピルトリイソステアロイルタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイオホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、ビニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマグリシドオキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤等が使用できる。
【0018】
有機系顔料としては、一般に使用されているものが使用でき、具体的には難溶性アゾレーキ、可溶性アゾレーキ、不溶性アゾキレート、縮合性アゾキレート、その他のアゾキレート等のアゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、アントラキノン、ペリノン、ペリレン、チオインジゴ等のスレン系顔料、アチン系顔料、ニトロ系顔料、イソインドリノン系顔料、建築染料系顔料、ニトロソ系顔料、酸性染料系レーキ、塩基性染料系レーキ、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。
【0019】
本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムのベースとなる塩化ビニル系樹脂フィルムは、前述したような樹脂を用い、必要に応じて添加剤を加えて、カレンダー法、押出法、インフレーション法等の適宜の手段により、所望厚さに成形される。
上記の塩化ビニル系樹脂フィルムの厚さについては、0.05〜0.2mm程度が一般的である。
塩化ビニル系樹脂フィルムは、単層でもよく、複数層の積層フィルムでもよい。
【0020】
本発明で用いるアクリル系共重合体(A)は、アクリル系共重合体(A)を構成するためのモノマーとして、一般式[化1]で表されるモノマー又は/及び一般式[化2]で表されるモノマーを1〜50重量%含んでいる。ここで、一般式[化1]における有機残基とは、炭素と水素からなる直鎖状又は分岐した炭化水素鎖のことである。また、一般式[化1]で表されるモノマー又は/及び一般式[化2]で表されるモノマーと共重合する他のモノマーとしては、種々のアクリル化合物が用いられるが、中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
上記のアクリル系共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、どのような共重合体でも構わない。
【0021】
アクリル系共重合体(A)中の一般式[化1]で表されるモノマー又は/及び一般式[化2]で表されるモノマーの割合が、1重量%未満だと、目的の汚れ性が得られない。また、一般式[化1]で表されるモノマー又は/及び一般式[化2]で表されるモノマーの割合が50重量%を超えると、密着性が低下する。
【0022】
アクリル系共重合体(B)は、アクリル系共重合体(B)を構成するためのモノマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを1〜40重量%含んでいる。2−ヒドロキシエチルメタクリレートと共重合する他のモノマーとしては、種々のアクリル化合物が用いられるが、中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
上記のアクリル系共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等どのような共重合体でも構わない。
【0023】
アクリル系共重合体(B)中の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの割合が、1重量%未満だと、目的の汚れ性が得られない。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの割合が50重量%を超えると、密着性が低下する。
【0024】
本発明においては、少なくともアクリル系共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)を含む樹脂組成物をアクリル系樹脂組成物と定義している。該アクリル系樹脂組成物は、重量比で、アクリル系共重合体(A)≦アクリル系共重合体(B)の割合となるようにアクリル系共重合体(A)及びアクリル系共重合体(B)を含んでいる。
アクリル系共重合体(A)の割合がアクリル系共重合体(B)の割合よりも多いと、密着性が低下する。
【0025】
本発明におけるアクリル系樹脂組成物としては、少なくとも前述したアクリル系共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)を含むものであり、アクリル系共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)からなるものでもよいが、他の樹脂分を混合しても良い。他の樹脂成分としては、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル−ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられるが、アクリル系樹脂を使用した方が、各樹脂分の親和性が良く好ましい。
【0026】
また、本発明においては、アクリル系樹脂組成物に、架橋剤や溶剤等が添加されてアクリル系塗料を製造し、塩化ビニル系樹脂フィルムに塗布し、架橋させて被膜を形成し、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを得る。アクリル系共重合体や他の樹脂分を架橋させる方法としては、紫外線や熱等を使用する方法がある。
【0027】
アクリル系樹脂組成物に添加する溶剤としては、特に限定されるものではないが、アクリル系樹脂組成物を十分に溶解又は分散できるものが好ましい。具体的には、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、これらは一種類のみで使用してもよいし、複数種を混合して使用しても良い。
【0028】
アクリル系塗料の塗布方法としては、ナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、エアーナイフコーター、スプレーによる噴霧等種々の方法が使用できる。
【0029】
アクリル系塗料を塗布して形成する被膜の厚さとしては、0.1〜10μmが好ましい。
【0030】
本発明において、塩化ビニル系樹脂フィルムの片面にアクリル系塗料を塗布する場合は、他面に、防滴剤や防霧剤等を配合した被膜を設けても良い。防滴剤、防霧剤として、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナなど親水性物質を添加してもよい。
【0031】
【実施例】
(塩化ビニル系樹脂フィルムの成形)
表1に記載した配合よりなるポリ塩化ビニル樹脂フィルムをカレンダー法にて、厚さ0.1mmに成形した。
【0032】
【表1】
*1 LA−63(旭電化社製)
*2 DS−401(ダイキン工業社製)
【0033】
表2及び表3に示したモノマーを重合してなるアクリル系樹脂組成物(A)と溶媒を混合することにより、塗工液(A)を製造した。また、表2に示したモノマーを重合してなるアクリル系組成物(B)と溶媒を混合することにより、塗工液(B)を製造した。さらに、これら2種類の塗工液を、表2に示した混合比にて混ぜ合わせることによって、アクリル系塗料を得た。
ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの片面に、被膜形成後の厚さが1μmになるように、アクリル系塗料をグラビア法にて塗布し、90℃×30秒の乾燥を行い被膜を設けた。
【0034】
【表2】
*1 イソプロピルアルコール/酢酸エチル/トルエン=3/1/1
*2 コロネートHL(日本ポリウレタン社製)
*3 6ヶ月間農業用ハウスに展張したのち、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの表面の汚れ方を目視により評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:全く汚れていない
○:若干の汚れ付着はあるがきれいである
□:若干汚れが付着している
△:汚れている
×:かなり汚れている
*4 農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの塗膜を形成した面に、セロハンテープを貼り、指で10回擦った後、セロハンテープを剥がした後の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム表面の状態を目視により評価した。評価基準は以下の通りである。
○:塗膜は全く剥がれない
□:塗膜が若干剥がれる
△:セロハンテープを貼った面積の半分以上の面積において、塗膜が剥がれている
×:セロハンテープを貼った面積全てにおいて、塗膜が剥がれている
【0035】
【表3】
*1〜4は、表2と同じ
【0036】
【発明の効果】
本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、上記の構成を採用することにより、塩化ビニル系樹脂フィルムと被膜の密着性を向上させ、かつ汚れの付きにくい農業用塩化ビニル系樹脂フィルムとすることができる。
Claims (1)
- 塩化ビニル系樹脂フィルムの少なくとも片面に、アクリル系樹脂組成物からなる被膜を設けた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムであって、該アクリル系樹脂組成物が、少なくともアクリル系共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)からなる混合樹脂組成物であり、アクリル系共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)の混合割合が、重量換算で、アクリル系共重合体(A)≦アクリル系共重合体(B)の関係にあり、アクリル系共重合体(A)は、アクリル系共重合体(A)を構成するためのモノマーとして、一般式[化1]で表されるモノマー又は/及び一般式[化2]で表されるモノマーを1〜50重量%含んでおり、アクリル系共重合体(B)は、アクリル系共重合体(B)を構成するためのモノマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを1〜40重量%含み、架橋剤が添加されていることを特徴とする農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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