JP3999950B2 - 債券管理システム及び債券管理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の取引先の間での債券の売買の管理を行う債券管理システム及び債券管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
債券などの売買を複数の企業や団体間で行う場合、売りたい企業(A社)が証券会社を通じて債券の売りを発注し、一方、買いたい企業(B社)が証券会社を通じて債券の買いを発注して、証券会社を通じて売買が成立する。この場合、A社からB社に債券が譲渡され、B社からA社にその代金が払い込まれることになる。
【0003】
例えば、売りたい企業(A社)と買いたい企業(B社)が同一グループ内の企業や団体の場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなA社とB社が同一グループ内の企業や団体の場合、グループ企業や団体の有する債券を1つの管理部門や管理会社で一元管理することが効率的で、管理コストの観点からも有効である。
【0005】
本発明の目的は、複数の取引先の債券情報を一元管理して債券取引を行うことができる債券管理システム及び債券管理方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明債券管理システムは、第1及び第2の取引先を含む複数の取引先に設けられた取引先システムと、前記複数の取引先システム間での債券売買処理の管理を行う債券管理サーバと、を備える債券管理システムにおいて、
前記第1の取引先に設けられた第1の取引先システムは、
前記第1の取引先の債券口座における前記第1の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報と他の取引先の債券口座における当該他の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報とを記憶する第1の口座記憶手段と、
前記第1及び第2の取引先の間の債券売買を示す債券の銘柄名、売買数量及び売買区分を含む債券売買情報が入力される入力手段と、
前記入力手段に入力された前記債券売買情報の売買区分が買いを示す情報である場合は、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における当該債券売買情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該債券売買情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第1の更新処理を行い、
前記入力手段に入力された前記債券売買情報の売買区分が売りを示す情報である場合は、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における当該債券売買情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該債券売買情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第1の更新処理を行い、
前記第1の更新処理の後に、前記債券の銘柄名、売買数量及び売買区分を含む前記債券売買情報に基づき、当該債券の銘柄名、売買数量及び売買区分並びに売買相手を特定するための識別子を含む約定情報(以下、「第1の約定情報」という)を生成し、生成した前記第1の約定情報を前記第2の取引先に設けられた第2の取引先システムと前記債券管理サーバに送信する第1の約定処理手段と
を備え、
前記第2の取引先に設けられた第2の取引先システムは、
前記第2の取引先の債券口座における前記第2の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報と他の取引先の債券口座における当該他の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報とを記憶する第2の口座記憶手段と、
前記第1の取引先システムから送信された前記第1の約定情報を受信し、
前記受信した前記第1の約定情報の売買区分が買いを示す情報である場合は、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における当該第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第2の更新処理を行い、
前記受信した前記第1の約定情報の売買区分が売りを示す情報である場合は、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における当該第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第2の更新処理を行い、
前記第2の更新処理の後に、前記債券の銘柄名、売買数量及び売買区分並びに前記識別子を含む前記第1の約定情報に基づき、当該債券の銘柄名、売買数量及び当該売買区分の反対の売買を示す情報並びに前記識別子を含む約定情報(以下、「第2の約定情報」という)を生成し、生成した前記第2の約定情報を前記債券管理サーバに送信する第2の約定処理手段と
を備え、
前記債券管理サーバは、
前記第1の取引先システムから送信された前記第1の約定情報と前記第2の取引先シス テムから送信された前記第2の約定情報を受け取って約定情報記憶手段に記憶し、当該約定情報記憶手段に記憶された前記第1の約定情報に含まれる債券の銘柄名、売買数量及び前記識別子と前記第2の約定情報に含まれる債券の銘柄名、売買数量及び前記識別子がそれぞれ一致するという第1の条件と、前記第1の約定情報に含まれる売買区分と前記第2の約定情報に含まれる売買区分とが反対の売買を示す情報であるという第2の条件が成立するか判定する口座管理手段を備え、
前記口座管理手段は、前記第1及び第2の条件が成立する場合に、
前記第1の約定情報の売買区分が買いを示す情報であるときは、
前記第1の取引先システムの前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第3の更新処理を行うとともに、
前記第2の取引先システムの前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第4の更新処理を行い、
前記第1の約定情報の売買区分が売りを示す情報であるときは、
前記第1の取引先システムの前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第3の更新処理を行うとともに、
前記第2の取引先システムの前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第4の更新処理を行う、ことを特徴とする。
【0007】
前記口座管理手段は、前記第1又は第2の条件が成立しない場合に、前記第1及び第2の取引先システムからの約定情報が一致しない旨の情報を前記第1及び第2の取引先システムに送信する構成としてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するため、本発明債券管理方法は、第1及び第2の取引先を含む複数の取引先に設けられた取引先システムと、前記複数の取引先システム間での債券売買処理の管理を行う債券管理サーバと、を備える債券管理システムの債券管理方法において、
前記第1の取引先に設けられた第1の取引先システムは、入力手段と、約定処理手段と、前記第1の取引先の債券口座における前記第1の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報と他の取引先の債券口座における当該他の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報を記憶する第1の口座記憶手段とを備えており、
前記第2の取引先に設けられた第2の取引先システムは、約定処理手段と、前記第2の取引先の債券口座における前記第2の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報と他の取引先の債券口座における当該他の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報を記憶する第2の口座記憶手段とを備えており、
(A)前記第1の取引先システムの入力手段が、前記第1及び第2の取引先の間の債券売買を示す債券の銘柄名、売買数量及び売買区分を含む債券売買情報を入力される第1のステップと、
(B)前記第1の取引先システムの約定処理手段が、
前記第1のステップにおいて前記第1の取引先システムの入力手段に入力された前記債券売買情報の売買区分が買いを示す情報である場合は、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における当該債券売買情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該債券売買情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第1の更新処理を行い、
前記第1のステップにおいて前記第1の取引先システムの入力手段に入力された前記債券売買情報の売買区分が売りを示す情報である場合は、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における当該債券売買情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該債券売買情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第1の更新処理を行う第2のステップと、
(C)前記第2のステップにおいて前記第1の更新処理を行った前記第1の取引先システムの約定処理手段が、前記入力手段に入力された前記債券の銘柄名、売買数量及び売買区分を含む前記債券売買情報に基づき、当該債券の銘柄名、売買数量及び売買区分並びに売買相手を特定するための識別子を含む約定情報(以下、「第1の約定情報」という)を生成し、生成した前記第1の約定情報を前記第2の取引先システムと前記債券管理サーバに送信する第3のステップと、
(D)前記第2の取引先システムの約定処理手段が、前記第1の取引先システムから送信された前記第1の約定情報を受信する第4のステップと、
(E)前記第2の取引先システムの約定処理手段が、
前記第4のステップで受信した前記第1の約定情報の売買区分が買いを示す情報である場合は、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における当該第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第2の更新処理を行い、
前記第4のステップで受信した前記第1の約定情報の売買区分が売りを示す情報である場合は、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における当該第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第2の更新処理を行う第5のステップと、
(F)前記第5のステップにおいて前記第2の更新処理を行った前記第2の取引先システ ムの約定処理手段が、前記債券の銘柄名、売買数量及び売買区分並びに前記識別子を含む前記第1の約定情報に基づき、当該債券の銘柄名、売買数量及び当該売買区分の反対の売買を示す情報並びに前記識別子を含む約定情報(以下、「第2の約定情報」という)を生成し、生成した前記第2の約定情報を前記債券管理サーバに送信する第6のステップと、
(G)前記債券管理サーバの口座管理手段が、前記第1の取引先システムから送信された前記第1の約定情報と前記第2の取引先システムから送信された前記第2の約定情報を受け取って約定情報記憶手段に記憶し、当該約定情報記憶手段に記憶された前記第1の約定情報に含まれる債券の銘柄名、売買数量及び前記識別子と前記第2の約定情報に含まれる債券の銘柄名、売買数量及び前記識別子がそれぞれ一致するという第1の条件と、前記第1の約定情報に含まれる売買区分と前記第2の約定情報に含まれる売買区分とが反対の売買を示す情報であるという第2の条件が成立するか判定する第7のステップと、
(H)前記債券管理サーバの口座管理手段が、前記第7のステップにおいて前記第1及び第2の条件が成立すると判定された場合に、
前記第1の約定情報の売買区分が買いを示す情報であるときは、
前記第1の取引先システムの前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第3の更新処理を行うとともに、
前記第2の取引先システムの前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第4の更新処理を行い、
前記第1の約定情報の売買区分が売りを示す情報であるときは、
前記第1の取引先システムの前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第3の更新処理を行うとともに、
前記第2の取引先システムの前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第4の更新処理を行う第8のステップと
を有する、ことを特徴とする。
【0013】
(I)前記債券管理サーバの口座管理手段が、前記第7のステップにおいて前記第1又は第2の条件が成立しないと判定された場合に、前記第1及び第2の取引先システムからの約定情報が一致しない旨の情報を前記第1及び第2の取引先システムに送信する第9のステップをさらに有する構成としてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の債券管理システム及び債券管理方法の実施の形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明の債券管理システムの一形態を示す図である。図1において、この債券管理システムは、複数の取引先毎に設けられ、各取引先での債券処理を行う取引先システム(図1では、A社債券システム20及びB社債券システム30)と、前記複数の取引先システム(図1では、A社債券システム20及びB社債券システム30)間での債券売買処理の管理を行う債券管理サーバ10とを備えている。債券管理サーバ10及び前記複数の取引先システム(図1では、A社債券システム20及びB社債券システム30)は、コンピュータネットワーク(以下、単に「ネットワーク」ともいう)40によって、データ通信可能に接続される。また、前記複数の取引先システム(図1では、A社債券システム20及びB社債券システム30)は、公衆回線網50によって、データ通信可能に接続される。
【0019】
図1において、複数の取引先に設けられた取引先システムの一例であるA社債券システム20及びB社債券システム30のそれぞれは、自己の債券情報を有する自己債券口座及び他の取引先の債券情報を有する仮想債券口座を記憶する口座記憶手段でもある口座DB24,34と、公衆回線網50に接続され、相互にファクシミリ通信などを行う通信制御部21,31と、ネットワーク40に接続され、ネットワークを介して他のシステムやサーバとの間の通信を制御するネットワークインタフェース(N/W・IF)22,32と、債券の売買情報などを入力する入力部25,35と、入力された債券の売買情報などを処理し、約定情報などを作成する約定処理部(約定処理手段)23,33と、入力情報や約定処理部23,33での処理結果などを出力する出力部26,36と、を備えている。
【0020】
また、債券管理サーバ10は、ネットワーク40を介してA社債券システム20及びB社債券システム30との間の通信を制御するネットワークインタフェース(N/W・IF)11と、複数の取引先に設けられた取引先システムのうちA社債券システム20の約定処理部23で処理されたA社とB社との間の債券売買の約定情報(以下、「A社約定情報」という)を受け取り、B社債券システム30の約定処理部33で処理されたB社とA社との間の債券売買の約定情報(以下、「B社約定情報」という)を受け取り、A社約定情報とB社約定情報に基づいて、A社債券システムの口座DB(口座データベース)24に記憶されている仮想債券口座に含まれるB社の債券情報を更新し、B社債券システムの口座DB34に記憶されている仮想債券口座に含まれるA社の債券情報を更新する口座管理部(口座管理手段)12と、受け取ったA社約定情報及びB社約定情報などを記憶する約定情報記憶手段である約定情報DB(約定情報データベース)13と、債券売買情報や約定情報などを入力する入力部14と、口座管理部12での処理結果などを出力する出力部15と、を備えている。
【0021】
図2は、A社債券システム20及びB社債券システム30の口座DB24、34を示す図である。図2において、A社債券システム20の口座DB24は、自己の債券情報を有するA社口座60Aと、他の取引先の債券情報を有する仮想部店口座70Aと、を備え、仮想部店口座70Aは、A社以外のグループ他社の口座(B社口座、C社口座、・・・、Z社口座)を個別に有している。同様に、B社債券システム30の口座DB34は、自己の債券情報を有するB社口座60Bと、他の取引先の債券情報を有する仮想部店口座70Bと、を備え、仮想部店口座70Bは、B社以外のグループ他社の口座(A社口座、C社口座、・・・、Z社口座)を個別に有している。
【0022】
ここで、債券管理サーバ10の口座管理部12は、A社債券システムの口座DB24に記憶されている仮想部店口座70AとB社債券システムの口座DB34に記憶されている仮想部店口座70Bとを、同一の識別子、例えば、同一の店舗番号999など、を割り当てて管理する。
【0023】
図3は、A社債券システム20の動作を示すフローチャートである。また、図4は、B社債券システム30の動作を示すフローチャートである。また図5は、債券管理サーバ10の動作を示すフローチャートである。ここで、以下においては、A社債券システム20の入力部25からの債券売買情報の入力によって、債券の売買処理が行なわれるものとする。
【0024】
図1〜図3において、先ず、A社債券システム20の約定処理部23は、入力部25から債券の売買情報が入力されると(ステップ301)、債券の売買情報に基づいて、銘柄名、売買単位、売買数量、売りか買いかを判断する(ステップ302)。
【0025】
債券の「売り」の場合には、約定処理部23は、口座DB24に記憶されている自己の債券情報が記録されているA社口座60Aから該当する債券を選択し、指定された数量の減算を行って、A社口座60Aの自己の債券情報を更新する(ステップ303)。
【0026】
一方、債券の「買い」の場合には、約定処理部23は、口座DB24に記憶されている自己の債券情報が記録されているA社口座60Aから該当する債券を選択し、指定された数量の加算を行って、A社口座60Aの自己の債券情報を更新する(ステップ304)。
【0027】
次に、A社債券システム20の約定処理部23は、入力部25から入力された債券の売買情報に基づいて、A社約定情報を生成し、生成したA社約定情報をB社債券システムに、通信制御部21及び公衆回線網50を介して、又は、N/W・IF22及びネットワーク40を介して送信する(ステップ305)。
【0028】
ここで、A社約定情報には、銘柄名、売買単位、売買数量、受渡日、売りか買いかの指示、売買相手(B社)を特定する識別子(例えば、番号999)、債券の流通形態を示す仕法などが含まれる。ここで、仕法としては、現物債、登録債、振決債がある。振決債とは、現物債であるが、これを日本銀行が預かって口座に保管していて、日本銀行の口座間で振替決済を行うものである。
【0029】
次に、A社債券システム20の約定処理部23は、A社約定情報を債券管理サーバ10に、N/W・IF22及びネットワーク40を介して送信する。このとき、約定処理部23は、A社約定情報を出力部26からカード印刷などによって出力し、それを債券管理サーバ10に送付してもよい(ステップ306)。
【0030】
以上が、債券の売買の発生したA社債券システム20での処理となる。次に、売買相手であるB社のB社債券システム30での処理を説明する。
【0031】
図1、図2、図4において、B社債券システム30の約定処理部33は、公衆回線網50及び通信制御部31、又はネットワーク40及びN/W・IF32を介してA社債券システム20からA社約定情報を受信すると(ステップ401)、このA社約定情報に基づいて、銘柄名、売買単位、売買数量、A社の売りか買いかを判断する(ステップ402)。
【0032】
債券の「A社売り」の場合には、約定処理部33は、口座DB34に記憶されている自己の債券情報が記録されているB社口座60Bから該当する債券を選択し、指定された数量の加算を行って、B社口座60Bの自己の債券情報を更新する(ステップ403)。
【0033】
一方、債券の「A社買い」の場合には、約定処理部33は、口座DB34に記憶されている自己の債券情報が記録されているB社口座60Bから該当する債券を選択し、指定された数量の減算を行って、B社口座60Bの自己の債券情報を更新する(ステップ404)。
【0034】
次に、B社債券システム30の約定処理部33は、受信したA社約定情報に基づいて、B社約定情報を生成し、生成したB社約定情報を債券管理サーバ10に、N/W・IF32及びネットワーク40を介して送信する。このとき、約定処理部33は、B社約定情報を出力部36からカード印刷などによって出力し、それを債券管理サーバ10に送付してもよい(ステップ405)。
【0035】
ここで、B社約定情報には、A社約定情報と同様に、銘柄名、売買単位、売買数量、受渡日、売りか買いかの指示、売買相手(A社)を特定する識別子、債券の流通形態を示す仕法などが含まれるが、A社約定情報が買いの場合には、B社約定情報は売りとなり、A社約定情報が売りの場合には、B社約定情報は買いとなる。また、売買相手(A社)を特定する識別子は、A社約定情報と同一のもの(例えば、番号999)を使用する。
【0036】
以上が、債券の売買の約定情報を受けたB社債券システム30での処理となる。次に、債券管理サーバ10によるA社債券システム20とB社債券システム30とで発生した債券売買の管理処理を説明する。
【0037】
図1、図2、図5において、債券管理サーバ10の口座管理部12は、ネットワーク40及びN/W・IF11を介して、又は、送付されてきたカード情報などによりA社約定情報を受け取ると(ステップ501)、それを約定情報DB13に記憶する。このとき、債券の売買相手(B社)を把握する。
【0038】
次に、債券管理サーバ10の口座管理部12は、ネットワーク40及びN/W・IF11を介して、又は、送付されてきたカード情報などによりB社約定情報を受け取ると(ステップ502)、それを約定情報DB13に記憶する。
【0039】
ここで、債券管理サーバ10の口座管理部12は、先に受け取ったA社約定情報の内容により、売買相手がB社であることを認識しているため、約定情報DB13に記憶しているA社約定情報とB社約定情報の内容を検証する(ステップ503)。
【0040】
A社約定情報とB社約定情報の内容が一致すれば(このとき、双方の売り買いの指定は逆となる)(ステップ504)、A社債券システム20の口座DB24に記憶されている仮想部店口座70Aに含まれるB社口座の債券情報と、B社債券システム30の口座DB34に記憶されている仮想部店口座70Bに含まれるA社口座の債券情報をそれぞれ更新する(ステップ505)。
【0041】
一方、A社約定情報とB社約定情報の内容が一致しなければ(ステップ504)、その旨をA社債券システム20及びB社債券システム30に通知したり、データの修正などのエラー処理を行う(ステップ506)。
【0042】
以上が、A社債券システム20、B社債券システム30及び債券管理サーバ10での処理となる。次に、これらの処理を時系列的に説明する。
【0043】
図6は、A社債券システム20、B社債券システム30及び債券管理サーバ10での処理を示す遷移図である。なお、図6において、丸囲みの数字は、処理順序を示し、丸囲みの数字の後の数字は、図3〜図5における各ステップ番号を示す。
【0044】
図1〜図6において、A社債券システム20の入力部25からの債券売買情報の入力に応じて(I:301)、A社債券システム20の約定処理部23は、入力された債券の売買情報に基づいて、口座DB24に記憶されているA社口座60Aを更新すると共に、A社約定情報を生成する(II:302〜304)。そして、生成したA社約定情報をB社債券システム30に、通信制御部21及び公衆回線網50を介して、又は、N/W・IF22及びネットワーク40を介して送信する(III:305)。
【0045】
B社債券システム30の約定処理部33は、公衆回線網50及び通信制御部31、又はネットワーク40及びN/W・IF32を介してA社債券システム20からA社約定情報を受信すると(IV:401)、受信したA社約定情報に基づいて、口座DB34に記憶されているB社口座60Bを更新すると共に、B社約定情報を作成する(V:402〜404)。
【0046】
一方、A社債券システム20の約定処理部23は、A社約定情報の作成日の翌日などに、A社約定情報を債券管理サーバ10に、N/W・IF22及びネットワーク40を介して送信する。このとき、約定処理部23は、A社約定情報を出力部26からカード印刷などによって出力し、それを債券管理サーバ10に送付してもよい(VI:ステップ306)。
【0047】
債券管理サーバ10の口座管理部12は、ネットワーク40及びN/W・IF11を介して、又は、送付されてきたカード情報などによりA社約定情報を受け取ると(VII:501)、それを約定情報DB13に記憶する。このとき、債券の売買相手(B社)を把握する。
【0048】
同様に、B社債券システム30の約定処理部33は、B社約定情報の作成日の翌日などに、B社約定情報を債券管理サーバ10に、N/W・IF32及びネットワーク40を介して送信する。このとき、約定処理部33は、B社約定情報を出力部36からカード印刷などによって出力し、それを債券管理サーバ10に送付してもよい(VIII:ステップ405)。
【0049】
債券管理サーバ10の口座管理部12は、ネットワーク40及びN/W・IF11を介して、又は、送付されてきたカード情報などによりB社約定情報を受け取ると(IX:502)、それを約定情報DB13に記憶する。このとき、債券の売買相手(A社)を把握する。
【0050】
その後、債券管理サーバ10の口座管理部12は、上述した図5のステップ503〜506の債券管理処理を行う(X:503〜506)。
【0051】
以上のように、本発明の債券管理システム及び債券管理方法によれば、それぞれの企業で他の企業の仮想口座(同一番号)を持つことによって、債券口座を債券管理サーバで一元管理することができる。したがって、債券管理サーバ側でグループ各社の債券を集中管理し、グループ企業間での債券の売買を、実際の債券の受け渡しをすることなく情報の通信のみで行うことができる。これにより、債券取引を正確且つ迅速に行うことができる。
【0054】
以上、本発明の債券管理システム及び債券管理方法について説明したが、図1示した、通信制御部21〜公衆回線網50〜通信制御部31間のデータ通信をファクシミリによって行うことができる。
【0055】
また、口座DB24,34は、ポジションを記憶する口座DBとしてもよい。ここで、ポジションとは株式や債券などの有価証券を保有、あるいは空売りしている状態を示し、有価証券を保有している状態を「ロング・ポジションを持っている」といい、空売りしている状態を「ショート・ポジションを持っている」という。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の取引先システムに第1及び第2の取引先の間の債券売買情報を入力することで、第1の取引先システムの口座記憶手段における第1の取引先の債券口座の債券情報について債券売買情報の債券売買に応じた更新をすることができる。
また、この第1の取引先システムからの債券売買情報及び識別子を含む第1の約定情報を第2の取引先システムが受信することで、第2の取引先システムにより第2の取引先システムの口座記憶手段における第2の取引先の債券口座の債券情報について債券売買情報が示す債券売買の反対の売買に応じた更新をすることができる。
そして、第1及び第2の取引先システムからの同一識別子を含む第1及び第2の約定情報を債券管理サーバが受け取ることで、債券管理サーバにより第2の取引先システムの口座記憶手段における第1の取引先の債券口座の債券情報について債券売買情報の債券売買に応じた更新をすることができるとともに、第1の取引先システムの口座記憶手段における第2の取引先の債券口座の債券情報について債券売買情報が示す債券売買の反対の売買に応じた更新をすることができる。
このように、本発明によれば、第1及び第2の取引先システムの各口座記憶手段における第1及び第2の取引先の債券口座を一元管理して債券取引を行うことができる債券管理システム及び債券管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の債券管理システムの一例を示す図である。
【図2】本発明の口座DBの一例を示す図である。
【図3】本発明の債券システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の債券システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の債券管理サーバの動作の一例を示す図である。
【図6】本発明の債券管理システムの債券管理処理の一例を示す遷移図である。
【符号の説明】
10 債券管理サーバ
11、22、32 N/W・IF
12 口座管理部
13 約定情報DB
14、25、35 入力部
15、26、36 出力部
20 A社債券システム
21、31 通信制御部
23、33 約定処理部
24、34 口座DB
30 B社債券システム
40 ネットワーク
50 公衆回線網
60A A社口座
60B B社口座
70A、70B 仮想部店口座

Claims (4)

  1. 第1及び第2の取引先を含む複数の取引先に設けられた取引先システムと、前記複数の取引先システム間での債券売買処理の管理を行う債券管理サーバと、を備える債券管理システムにおいて、
    前記第1の取引先に設けられた第1の取引先システムは、
    前記第1の取引先の債券口座における前記第1の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報と他の取引先の債券口座における当該他の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報とを記憶する第1の口座記憶手段と、
    前記第1及び第2の取引先の間の債券売買を示す債券の銘柄名、売買数量及び売買区分を含む債券売買情報が入力される入力手段と、
    前記入力手段に入力された前記債券売買情報の売買区分が買いを示す情報である場合は、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における当該債券売買情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該債券売買情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第1の更新処理を行い、
    前記入力手段に入力された前記債券売買情報の売買区分が売りを示す情報である場合は、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における当該債券売買情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該債券売買情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第1の更新処理を行い、
    前記第1の更新処理の後に、前記債券の銘柄名、売買数量及び売買区分を含む前記債券売買情報に基づき、当該債券の銘柄名、売買数量及び売買区分並びに売買相手を特定するための識別子を含む約定情報(以下、「第1の約定情報」という)を生成し、生成した前記第1の約定情報を前記第2の取引先に設けられた第2の取引先システムと前記債券管理サーバに送信する第1の約定処理手段と
    を備え、
    前記第2の取引先に設けられた第2の取引先システムは、
    前記第2の取引先の債券口座における前記第2の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報と他の取引先の債券口座における当該他の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報とを記憶する第2の口座記憶手段と、
    前記第1の取引先システムから送信された前記第1の約定情報を受信し、
    前記受信した前記第1の約定情報の売買区分が買いを示す情報である場合は、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における当該第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第2の更新処理を行い、
    前記受信した前記第1の約定情報の売買区分が売りを示す情報である場合は、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における当該第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第2の更新処理を行い、
    前記第2の更新処理の後に、前記債券の銘柄名、売買数量及び売買区分並びに前記識別子を含む前記第1の約定情報に基づき、当該債券の銘柄名、売買数量及び当該売買区分の反対の売買を示す情報並びに前記識別子を含む約定情報(以下、「第2の約定情報」という)を生成し、生成した前記第2の約定情報を前記債券管理サーバに送信する第2の約定処理手段と
    を備え、
    前記債券管理サーバは、
    前記第1の取引先システムから送信された前記第1の約定情報と前記第2の取引先シス テムから送信された前記第2の約定情報を受け取って約定情報記憶手段に記憶し、当該約定情報記憶手段に記憶された前記第1の約定情報に含まれる債券の銘柄名、売買数量及び前記識別子と前記第2の約定情報に含まれる債券の銘柄名、売買数量及び前記識別子がそれぞれ一致するという第1の条件と、前記第1の約定情報に含まれる売買区分と前記第2の約定情報に含まれる売買区分とが反対の売買を示す情報であるという第2の条件が成立するか判定する口座管理手段を備え、
    前記口座管理手段は、前記第1及び第2の条件が成立する場合に、
    前記第1の約定情報の売買区分が買いを示す情報であるときは、
    前記第1の取引先システムの前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第3の更新処理を行うとともに、
    前記第2の取引先システムの前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第4の更新処理を行い、
    前記第1の約定情報の売買区分が売りを示す情報であるときは、
    前記第1の取引先システムの前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第3の更新処理を行うとともに、
    前記第2の取引先システムの前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第4の更新処理を行う
    ことを特徴とする債券管理システム。
  2. 前記口座管理手段は、前記第1又は第2の条件が成立しない場合に、前記第1及び第2の取引先システムからの約定情報が一致しない旨の情報を前記第1及び第2の取引先システムに送信する
    ことを特徴とする請求項1記載の債券管理システム。
  3. 第1及び第2の取引先を含む複数の取引先に設けられた取引先システムと、前記複数の取引先システム間での債券売買処理の管理を行う債券管理サーバと、を備える債券管理システムの債券管理方法において、
    前記第1の取引先に設けられた第1の取引先システムは、入力手段と、約定処理手段と、前記第1の取引先の債券口座における前記第1の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報と他の取引先の債券口座における当該他の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報を記憶する第1の口座記憶手段とを備えており、
    前記第2の取引先に設けられた第2の取引先システムは、約定処理手段と、前記第2の取引先の債券口座における前記第2の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報と他の取引先の債券口座における当該他の取引先の保有債券の銘柄名及び数量からなる債券情報を記憶する第2の口座記憶手段とを備えており、
    (A)前記第1の取引先システムの入力手段が、前記第1及び第2の取引先の間の債券売買を示す債券の銘柄名、売買数量及び売買区分を含む債券売買情報を入力される第1のステップと、
    (B)前記第1の取引先システムの約定処理手段が、
    前記第1のステップにおいて前記第1の取引先システムの入力手段に入力された前記債券売買情報の売買区分が買いを示す情報である場合は、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における当該債券売買情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該債券売買情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第1の更新処理を行い、
    前記第1のステップにおいて前記第1の取引先システムの入力手段に入力された前記債券売買情報の売買区分が売りを示す情報である場合は、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における当該債券売買情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該債券売買情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第1の更新処理を行う第2のステップと、
    (C)前記第2のステップにおいて前記第1の更新処理を行った前記第1の取引先システムの約定処理手段が、前記入力手段に入力された前記債券の銘柄名、売買数量及び売買区分を含む前記債券売買情報に基づき、当該債券の銘柄名、売買数量及び売買区分並びに売買相手を特定するための識別子を含む約定情報(以下、「第1の約定情報」という)を生成し、生成した前記第1の約定情報を前記第2の取引先システムと前記債券管理サーバに送信する第3のステップと、
    (D)前記第2の取引先システムの約定処理手段が、前記第1の取引先システムから送信された前記第1の約定情報を受信する第4のステップと、
    (E)前記第2の取引先システムの約定処理手段が、
    前記第4のステップで受信した前記第1の約定情報の売買区分が買いを示す情報である場合は、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における当該第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第2の更新処理を行い、
    前記第4のステップで受信した前記第1の約定情報の売買区分が売りを示す情報である場合は、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における当該第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して当該第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第2の更新処理を行う第5のステップと、
    (F)前記第5のステップにおいて前記第2の更新処理を行った前記第2の取引先システムの約定処理手段が、前記債券の銘柄名、売買数量及び売買区分並びに前記識別子を含む前記第1の約定情報に基づき、当該債券の銘柄名、売買数量及び当該売買区分の反対の売買を示す情報並びに前記識別子を含む約定情報(以下、「第2の約定情報」という)を生成し、生成した前記第2の約定情報を前記債券管理サーバに送信する第6のステップと、
    (G)前記債券管理サーバの口座管理手段が、前記第1の取引先システムから送信された前記第1の約定情報と前記第2の取引先システムから送信された前記第2の約定情報を受け取って約定情報記憶手段に記憶し、当該約定情報記憶手段に記憶された前記第1の約定情報に含まれる債券の銘柄名、売買数量及び前記識別子と前記第2の約定情報に含まれる債券の銘柄名、売買数量及び前記識別子がそれぞれ一致するという第1の条件と、前記第1の約定情報に含まれる売買区分と前記第2の約定情報に含まれる売買区分とが反対の売買を示す情報であるという第2の条件が成立するか判定する第7のステップと、
    (H)前記債券管理サーバの口座管理手段が、前記第7のステップにおいて前記第1及び第2の条件が成立すると判定された場合に、
    前記第1の約定情報の売買区分が買いを示す情報であるときは、
    前記第1の取引先システムの前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券 の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第3の更新処理を行うとともに、
    前記第2の取引先システムの前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第4の更新処理を行い、
    前記第1の約定情報の売買区分が売りを示す情報であるときは、
    前記第1の取引先システムの前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を加算することにより、前記第1の口座記憶手段に記憶された前記第2の取引先の債券口座の債券情報を更新する第3の更新処理を行うとともに、
    前記第2の取引先システムの前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座における前記第1の約定情報に含まれる銘柄名により識別される前記保有債券の数量に対して前記第1の約定情報に含まれる売買数量を減算することにより、前記第2の口座記憶手段に記憶された前記第1の取引先の債券口座の債券情報を更新する第4の更新処理を行う第8のステップと
    を有する
    ことを特徴とする債券管理方法。
  4. (I)前記債券管理サーバの口座管理手段が、前記第7のステップにおいて前記第1又は第2の条件が成立しないと判定された場合に、前記第1及び第2の取引先システムからの約定情報が一致しない旨の情報を前記第1及び第2の取引先システムに送信する第9のステップをさらに有する
    ことを特徴とする請求項3記載の債券管理方法。
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