JP3999838B2 - 高強度覆工コンクリートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル又は地下空洞等の施工面等に吹付ける工法に適し、急結剤を用いる覆工コンクリートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、地山壁面やトンネルなどの覆工工法としては、型枠を用いてコンクリートを流し込む工法と、急結剤と圧縮空気とを用いることにより、型枠を用いないでコンクリートを直接施工面に吹付ける、吹付け工法とがある。
【0003】
吹付けコンクリート工法としては、セメント、細骨材、粗骨材および急結剤をあらかじめ混合し、ノズル手前で水を加える方法、すなわち乾式吹付け工法と、セメント、細骨材、粗骨材および水を混練して生コンクリートを製造した後、急結剤をノズル手前で添加する方法、いわゆる湿式吹付け工法が挙げられる。(特開昭61−92263号公報など)。
【0004】
湿式吹付け方式の場合、施工面まで生コンクリートを輸送ホースにおいて円滑に搬送させるためにコンクリートの軟度をかなり大きくしなければならず、従って水セメント比(以下W/Cと略記する)を大きくせざるをえない。ところが、急結剤はW/Cの大小によって鋭敏に影響を受け、W/Cが大きいほど急結効果が小さくなるため、コンクリートの流動性を損なわないで急結剤の急結効果を増大させることが必要となった。このため、あらかじめ練り混ぜたコンクリートにポリカルボン酸系の混和剤を添加し、W/Cが小さくとも流動性を損なわないで急結効果を増大する方法が開発された(特許第1841230号、特公平5−53743号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリカルボン酸系の混和剤を用いたコンクリートは、現場で使用される骨材の種類により凝結性および強度発現性が異なるという問題があり、骨材によっては十分な凝結性および強度が得られないことがある。
【0006】
従って、本発明の目的は、骨材等に影響されることなく、十分な凝結性および強度発現性が得られ、容易に品質管理が可能なコンクリートの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、斯かる実情に鑑み鋭意研究を行った結果、特定の組成を持つセメントにスルホン基を有するナフタレン系混和剤を添加すれば、骨材等に影響されず、十分な凝結性および強度を有する覆工用コンクリートが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は、施工面にあらかじめ練り混ぜたコンクリートに急結剤を添加して施工するコンクリートの覆工工法に使用するコンクリートの製造方法であって、3CaO・SiO2 含有量が45〜75重量%、3CaO・Al23 含有量が6〜12重量%、硫酸アルカリがNa2O換算で0.4〜0.7重量%、並びに残部が主として2CaO・SiO2 および4CaO・Al23・Fe23 であるクリンカー粉末に、不溶性無水石膏を20%以上含む石膏をSO3 換算で2.0〜4.0重量%配合したセメントを用い、これに分子構造の一部にスルホン基を有するナフタレン系混和剤を添加することを特徴とするコンクリートの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるセメントは、低W/Cでも高いコンクリートの流動性を得るためにセメントの構成材料の比率を上記の如く調節したものである。
【0010】
一般に、流動性の高いコンクリートを得るためには、界面活性剤系の高性能減水剤、高性能AE減水剤やその他分散剤を添加し、それらの静電反発力および吸着層の立体障害反発力によってセメント粒子を分散させる方法が用いられている。本発明で用いるナフタレン系混和剤も減水剤又は分散剤として用いられているものである。
【0011】
しかしながら、これら分散剤等は、3CaO・Al23(C3A)および4CaO・Al23・Fe23(C4AF)へ選択的かつ多量に吸着するため、これらを多量に含むセメントに用いても、低W/Cで高流動性を得るのは困難である。一方、市販の急結剤はアルカリ含有量がセメントよりも高く、このアルカリの影響によってC3Aの水和による強度発現が低下する。この影響は、低W/Cのようにセメントや急結剤に対する水の比率が小さい場合に顕著になる。このため、セメント自体の急結性を高める必要がある。分散剤の効果が低下しない範囲で、セメント中でもっとも水和反応の早いC3Aの含有率を求めると、クリンカー粉末中6〜12重量%となる。C3Aのクリンカー粉末中での含有率は、好ましくは6〜10重量%であり、特に好ましくは8〜10重量%である。
また3CaO・SiO2(C3S)にも、セメント自体の急結性を高める効果が期待されるため、そのクリンカー粉末中の含有率を45〜75重量%としたものである。C3Sのクリンカー粉末中の含有率は好ましくは、50〜75重量%、特に好ましくは60〜70重量%である。
【0012】
本発明では、クリンカー粉末中に硫酸アルカリがNaO換算で0.4〜0.7重量%含まれていなければならない。これは次の理由による。
【0013】
3AおよびC4AFへの分散剤(本発明で用いるナフタレン系混和剤も含む)の選択的な吸着は、硫酸塩の影響を受け、セメントペーストの液相中にSO4 2-イオンが存在すると、これと競争吸着を生じ、C3AおよびC4AFへの分散剤の吸着が抑制される。従って、適量の硫酸塩を添加することにより、C3AおよびC4AFへの分散剤の吸着が抑制されるため、低W/Cでのコンクリートの高流動化が可能となる。
【0014】
セメント中の硫酸塩には主として2種類あり、クリンカー中に存在するNa2SO4、K2SO4 および3K2SO4・Na2SO4 等の硫酸アルカリと、粉砕工程中で凝結調整用に添加する硫酸カルシウム(以下石膏と呼ぶ)とがあり、前者は接水直後に溶解してSO4 2-を供給し、後者は比較的に溶解速度が遅い。そして、上記の硫酸アルカリは、クリンカー中の比較的溶解速度の大きいC3AおよびC4AFと比較しても、なお溶解速度が大きく、セメントが接水した直後で十分に溶解・水和をしていない状態において分散剤との競争吸着を大きく支配する。すなわち、硫酸アルカリが少ないと、セメントペーストの液相中のSO4 2-が少なく、C3AやC4AFへの分散剤の吸着が多くなんて流動性が低下する。一方、硫酸アルカリが多すぎると、セメントペーストの液相中のアルカリイオン濃度が高くなりすぎて、静電反発力が消失してしまうため流動性が低下する。従って、高い流動性が確保できる硫酸アルカリ量には適当な範囲があり、ASTM−C−114に規定された水溶性アルカリで示すと、0.4〜0.7重量%(クリンカー粉末中、Na2O換算)となり、好ましくは0.45〜0.65重量%、特に好ましくは0.5〜0.6重量%である。
【0015】
本発明では、上記クリンカー粉末に石膏を加える。石膏はクリンカー中のC3AおよびC4AFと比較して溶解速度は小さく、接水直後の分散剤の吸着にはあまり寄与しないが、接水から1〜2分後のC3AおよびC4AFの急激な水和反応を抑制し、C3AおよびC4AFの水和反応生成物への分散剤の吸着を抑制する。添加する石膏は、その形態として無水塩、半水塩および二水塩からなるものが挙げられるが、不溶性無水石膏を20重量%以上含む石膏を添加することが、高い流動性が得られる点で望ましい。一方、添加量が多すぎると、CaSO4・2H2O水和物が析出し、セメント粒子が凝集して流動性が低下してしまう。そのため石膏の添加量は、セメント中SO3 換算で2.0〜4.0重量%、好ましくは2.3〜3.7重量%、特に好ましくは2.5〜3.5重量%とすることが高い流動性を得る点で望ましい。
【0016】
本発明で使用する分子構造の一部にスルホン基を有するナフタレン系混和剤とは、具体的には、ポリアルキルアリルスルホン酸塩と反応性高分子、アルキルアリルスルホン酸塩と変性リグニン、アルキルナフタレンスルホン酸塩と特殊界面活性剤、変性リグニンとアルカリアリルスルホン酸塩および活性持続ポリマー、アルキルアリルスルホネート等を減水成分として配合している混和剤のことである。
【0017】
この混和剤と上記の特定組成のセメントとを組み合せることにより、ベースコンクリートの流動性および強度発現性が骨材の種類により変化することを防止することができる。従って、この混和剤以外の分散剤を使用した場合、例えばポリカルボン酸系の混和剤の中には、骨材の品質によって所要のコンシステンシー確保のための使用量が増大し、減水効果の持続時間が短く、スランプロスが大きくなり、またベースコンクリートに対する強度発現性が低下する種類のものもある。
なお、ナフタレン系混和剤のうちナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系の混和剤は、カルシウムアルミネート系の鉱物に吸着しやすいことが指摘されており(セメント技術年報35,P202参照)、セメント鉱物系の急結剤に吸着して急結効果が阻害されるとの指摘がある。このため吹付け工法において、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系の混和剤は不適切と考えられ、使用例がほとんどなかったのであるが、その後の研究の結果、本発明の如き特定の組成を持つセメントと組み合せれば、急結性を損なわないことが実験により判明した。スルホン基を有するナフタレン系混和剤の使用量は、特に限定されないが、好ましくは前記セメントに対し、固形分で0.05〜1.4重量%、特に好ましくは0.35〜1.2重量%である。
【0018】
また、本発明に用いるコンクリートの単位セメント量は、400〜600kg/m3 、単位水量が175〜220kg/m3 、細骨材の単位量が700〜1200kg/m3 、粗骨材が600〜1100kg/m3 の範囲とすることが好ましい。
本発明によって得られるコンクリートは、ベースコンクリートであり、これに急結剤を添加して吹付け工法等に使用する。ここでいう急結剤とは、コンクリートの凝結を早め、短時間で固化させる目的で使用するもので、その組成は、セメントの水和を著しく阻害せずにコンクリートの付着性を増大させられるものならば、特に限定するものではなく、市販の急結剤を使用することができる。また、急結剤の添加量は、通常の量でもよいが、若干増量することにより、急結剤が良好となる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0020】
製造例1
クリンカーの構成化合物が異なる6種類のセメントを試製し、それぞれのセメントについてJIS R 5201に準じたフロー試験を実施した。各セメントの構成化合物の割合とフロー値の試験結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003999838
【0022】
表1中、本発明に必要な組成を持つセメントはP−1である。
【0023】
実施例1
シルト、粘土鉱物(モンモリロナイト等)などの微細物質や有機不純物を含む低品質骨材をコンクリート用骨材として使用した場合、コンクリートの流動性や凝結性状に異常が生じることが認められ、コンクリートの製造上、問題が大きい。
本実施例では、使用する骨材と組み合せる混和剤の種類の違いが、急結剤を添加するまでのコンクリートの流動性の経時変化におよぼす影響をモルタルにて明確にした。
試験に使用した材料は、以下に示すとおりである。細骨材はJIS A 1103に準じた骨材の洗い試験で異なる結果を得た3種類の陸砂を使用した。細骨材の物性は表2に示す。
【0024】
<使用材料>
セメント:高強度吹付け用セメント(略号P−1)
細骨材 :東北地方産陸砂(略号S1)
中部地方産陸砂(略号S2)
関東地方産陸砂(略号S3)
【0025】
混和剤:
(1)ポリカルボン酸系混和剤
商品名:チューポールHP−11(略号A:竹本油脂(株)製)
ダーレックススーパー200(略号B:デンカグレース(株)製)
(2)ナフタレンスルホン酸塩系混和剤
商品名:レオビルドSP−9HS(略号C:日層マスタービルダーズ(株)製)
【0026】
【表2】
Figure 0003999838
【0027】
モルタルは、セメント100重量部、表2に示す細骨材300重量部、水40重量部および混和剤をホバートミキサで90秒練り混ぜ作製した。モルタル流動性は、JIS R 5201に準じたフロー試験により評価した。
なお、混和剤の使用量は同一のモルタルフロー値200を得られる使用量とし、セメントに対する固形分の重量%で示した。
結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
Figure 0003999838
【0029】
表3より、セメントの構成材料の比率を調整した高強度吹付けコンクリート用セメント(P−1)と混和剤とを用いたモルタルにおいて所定のフロー値を得るのに必要な混和剤の添加量は、用いる混和剤の種類によって異なるのが分かる。また、この所要量は細骨材の種類によっても異なり、組み合わせる混和剤によって細骨剤の影響を受けるものとそうでないものとの明確な違いが確認できる。混和剤AおよびBを使用した場合には、用いる細骨材の種類による添加量の変動が著しく、その後のモルタルフロー値の経時変化にも大きく異なる傾向が認められる。とくに細骨材S1、S2では、細骨材S3を用いたときにくらべて、練り上がり直後からフロー値ロスが著しくなっており、このことは細骨材に起因するコンクリートのワーカビリチーの低下を意味することから、このような骨材と混和材との組み合わせによる覆工用コンクリートにおいては、吹付け作業の可使時間が確保できなくなる。
一方、ナフタレン系混和剤Cを使用した場合には、同じ混和剤の使用量にて、細骨材の種類によらず所定のフロー値を得ることができた。更にモルタルフロー値の経時変化についても、用いる細骨材の種類による差異が現れなくなっており、練り上がり後、長時間を経過しても他の混和剤に比較してフロー値の低下が軽減されていることが明らかである。
【0030】
実施例2
製造例1に記載したセメントのうち、P−1を用い、代表的なナフタレン系混和剤を組み合わせたモルタルの急結性状を表4に示す。なお、混合する石膏の添加量および不溶性無水石膏の比率が異なるセメント(P−3およびP−5)を用いた場合の急結性状も表4に比較して示す。
【0031】
土木学会基準「吹付けコンクリート用急結剤の品質規格(案)(JSCE-D102-1986)」に準じて、以下に示す材料を用いて急結剤を添加したモルタルのプロクター貫入抵抗試験を実施した。
【0032】
セメント100重量部、細骨材125重量部、水40重量部(内混和剤固形分で0.8重量部を含む)モルタルミキサで115秒練り混ぜた後、急結剤4重量部を投入し、5秒間練り混ぜる。練り上がり後手早く、タッピングし練り跡を無くし、20秒〜4分までの貫入抵抗値を測定した。なお、プロクター貫入抵抗値の始発は3.5N/mm2、終結は28.0N/mm2である。
【0033】
<使用材料>
細骨材:関東地方産陸砂S3
混和剤:ナフタレン系混和剤
▲1▼レオビルドSP−9HS(略号C:日曹マスタービルダーズ(株)製)
主成分;変性リグニン、アルキルアリルスルホン酸および活性持続ポリマーの複合物
▲2▼ダーレックススーパー100P(略号D:デンカグレース(株)製)
主成分;ナフタレンスルホン酸塩と特殊界面活性剤
▲3▼マイティー2000ECL (略号E:花王(株)製)
主成分;ポリアルキルアリルスルホン酸塩と反応性高分子
▲4▼サンフローHS−500 (略号F:日本製紙(株)製)
主成分;アルキルアリルスルホン酸塩変性リグニン共縮合物と変性リグニン
【0034】
急結剤:セメント鉱物系急結剤
商品名:T−ROCK((株)小野田製)
【0035】
【表4】
Figure 0003999838
【0036】
表4から、同一コンシステンシーとしたモルタルで急結剤の使用量を同一として試験した場合には、組み合わせるセメントと混和剤の種類により、急結性状は異なる挙動を示しているのが分かる。
ところが、表より、3CaO・SiO2 含有量が65.2重量%、3CaO・Al23 含有量7.9重量%、硫酸アルカリをNa2O換算で0.55重量%からなるクリンカーに不溶性無水石膏を50%を含む石膏をSO3 換算で2.7重量%添加した場合には、いずれの種類のナフタレン系混和剤を用いても優れた急結性状を得られた。
一方、それ以外の構成からなるセメントにおいては、特定のナフタレン系混和剤との組み合わせにおいては、急結剤添加量を同一とした場合にも著しく急結効果が阻害されることが認められた。
【0037】
実施例3
異なる種類の細骨材を用いたモルタルにおいて、組み合わせる混和剤を変化させた場合の急結剤添加した供試体と急結剤を添加しない供試体の強度発現性を表5に示す。
セメントは、高強度吹付け用コンクリート用セメント(P−1)、急結剤にはカルシウムアルミネート系急結剤((株)小野田製T−ROCK)を、それ以外の材料は実施例1に示すものを用いた。モルタルの配合は、水セメント比40%とし、砂セメント比は、急結剤添加モルタルでは1.25、急結剤を添加しないモルタルでは3.0とした。モルタルの凝結性状は、土木学会基準「吹付けコンクリート用急結剤の品質規格(案)(JSCE-D102-1986)」に準じて、プロクター貫入抵抗試験で測定し、これより、所定の急結性状が得られる急結剤の必要添加量を求めた。必要量の急結剤を添加したモルタルの塊からコアを切り出し、コア強度より圧縮強度を求めた。すなわち、急結剤を添加直後に攪拌機で5秒練り混ぜた後、手早くタッピングし、練り跡を無くしたモルタル塊を封かん養生し、所定材齢でφ45mmのコアを切り出し、長さが90mmとなるように端部を切断して作製し試験に供した。載荷面(加圧面)の処理は、切断面を硫黄キャッピングまたは研磨処理を行った。
【0038】
【表5】
Figure 0003999838
【0039】
表5より、急結剤を添加した場合、ナフタレンスルホン酸塩系混和剤Cを用いたモルタルではセメントが同じにもかかわらず、必要な急結剤の添加量はポリカルボン酸系の混和剤Aにくらべて若干多くなる傾向にある。
しかし、急結剤添加モルタルの強度発現は、急結剤の使用量が増加した混和剤Cにおいても、全ての材齢でポリカルボン酸系の混和剤Aに比べて同等の強度に到達している。
一方、急結剤無添加モルタルの強度発現には、混和剤と細骨材の種類の違いによる影響が大きく現れており、特にポリカルボン酸系の混和剤Aと細骨材S1、S2の組み合わせの時に著しい強度低下が認められる。従って、ポリカルボン酸系混和剤においては用いる細骨材により大きく異なることから、細骨材の品質が変動する実際の現場では、急結剤を添加しないコンクリートの圧縮強度で急結剤を添加したコンクリートの圧縮強度を推定することは、所定の強度に達しない覆工コンクリートを打設する可能性がある。
【0040】
しかし、ナフタレンスルホン酸系の混和剤Cを用いた場合には、急結剤を添加しないモルタルの強度発現は細骨材による差異がほとんど認められず、品質の安定した覆工コンクリートを製造できることが分かる。
以上より、急結剤無添加および急結剤添加時のモルタルの強度発現率の細骨材の種類による変動が、ナフタレンスルホン酸系混和剤で改善され、優れた品質を有する高強度覆工コンクリートの製造が可能となることが分かった。
【0041】
実施例4
セメントの構成材料の比率を調整した、高強度吹付けコンクリート用セメント(P−1)を用いた覆工用コンクリートを、0.5m3 のパン型強制ミキサで練り混ぜた。表6にコンクリートの配合を示す。
練り混ぜは、セメント(P−1)、細骨材S1(比重=2.57、粗粒率=2.87)、粗骨材(関東地方産砕石1505、比重=2.63)を順次投入して15秒空練りした。スランプが20±2cmの範囲に入るように、各混和剤A、B、Cをセメント100重量部に対して固形分で0.22〜0.46重量部の範囲で練り混ぜ水と同時に添加して2分間練り混ぜた。これらの覆工用コンクリートを湿式吹付け機で吹付けた。コンクリートの圧縮強度を表7に示す。
【0042】
【表6】
Figure 0003999838
【0043】
【表7】
Figure 0003999838
【0044】
その結果、ナフタレン系混和剤Cとの組み合わせの時に、最も高強度を得ることができた。吹付けに必要な急結剤の使用量は、ナフタレン系混和剤Cでカルボン酸系A、Bに比べて若干多くなる傾向にあったが、いずれも優れた急結性状を呈し、モルタルでの成果を確認できた。
【0045】
【発明の効果】
本発明の製造法により得られたコンクリートは、骨材の種類により、凝結性や強度発現性に差がみられず、安定した強度が得られる。従ってコンクリートの品質管理を容易に行うことができる。

Claims (2)

  1. 施工面に、あらかじめ練り混ぜたコンクリートに急結剤を添加して施工するコンクリートの覆工工法に使用するコンクリートの製造方法であって、3CaO・SiO2 含有量が45〜75重量%、3CaO・Al23 含有量が6〜12重量%、硫酸アルカリがNa2O換算で0.4〜0.7重量%、並びに残部が主として2CaO・SiO2 および4CaO・Al23・Fe23 であるクリンカー粉末に、不溶性無水石膏を20%以上含む石膏をSO3 換算で2.0〜4.0重量%配合したセメントを用い、これに分子構造の一部にスルホン基を有するナフタレン系混和剤を添加することを特徴とするコンクリートの製造方法。
  2. コンクリートの単位セメント量が400〜600kg/m3 であり、単位水量が175〜220kg/m3 であり、細骨材の単位量が700〜1200kg/m3 であり、かつ粗骨材が600〜1100kg/m3 である請求項1記載のコンクリートの製造方法。
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