JP3999800B2 - 位相差層付偏光板 - Google Patents
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Description
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。また、例えば「nx=ny」は、nxとnyが厳密に等しい場合のみならず、nxとnyが実質的に等しい場合も包含する。本明細書において「実質的に等しい」とは、位相差層付偏光板の全体的な偏光特性に実用上の影響を与えない範囲でnxとnyが異なる場合も包含する趣旨である。
(2)面内位相差Re[590]は、23℃における波長590nmの光で測定したフィルム(層)面内の位相差値をいう。Re[590]は、波長590nmにおけるフィルム(層)の遅相軸方向、進相軸方向の屈折率をそれぞれ、nx、nyとし、d(nm)をフィルム(層)の厚みとしたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差Rth[590]は、23℃における波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値をいう。Rth[590]は、波長590nmにおけるフィルム(層)の遅相軸方向、厚み方向の屈折率をそれぞれ、nx、nzとし、d(nm)をフィルム(層)の厚みとしたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。なお、遅相軸とは面内の屈折率の最大となる方向をいう。
図1は、本発明の好ましい実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。この位相差層付偏光板100は、粘着剤層10と位相差層20と、偏光子30とをこの順に有する。位相差層20は、樹脂層21と傾斜配向層22とを含む。図1(a)では、傾斜配向層22が粘着剤層10側となるように配置されているが、図1(b)に示すように、傾斜配向層22が偏光子30側となるように配置されてもよい。好ましくは、位相差層20は、傾斜配向層22が粘着剤層10側となるように配置される。このように配置することで、例えば、液晶表示装置に用いた場合、液晶セルの光学補償が適切に行なわれ、正面および斜め方向のコントラスト比の高い液晶表示装置を得ることができる。
B−1.粘着剤層の概略
上記粘着剤層10は、60℃における保持力(HA)が、300μm以下であり、好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは60〜250μm、特に好ましくは70〜200μmである。保持力(HA)がこのような範囲であれば、高温環境下において発生する表示ムラを抑制し得る。
上記粘着性組成物は、少なくとも(メタ)アクリル系ポリマー(A)と過酸化物(B)とを含む。(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、アクリレート系モノマーおよび/またはメタクリレート系モノマー(本明細書において(メタ)アクリレートという)から合成される重合体または共重合体をいう。(メタ)アクリル系ポリマー(A)が共重合体である場合、その分子の配列状態は特に制限はなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の好ましい分子配列状態は、ランダム共重合体である。
工程1A:上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)を溶剤で希釈してポリマー溶液(1−A)を調製する工程、
工程1B:工程1Aで得られたポリマー溶液(1−A)に、上記過酸化物(B)、必要に応じて上記イソシアネート系化合物および/または上記添加剤を配合する工程。
このような方法を用いることにより、より均一な粘着性組成物が得られる。ここで、各成分の配合方法としては、適宜、適切な方法が採用され得る。好ましくは、ポリマー溶液(1−A)に、過酸化物(B)、イソシアネート系化合物、シランカップリング剤をこの順で加える。さらに、(メタ)アクリル系ポリマー(A)が溶液重合法で重合される場合は、得られた反応溶液を前記ポリマー溶液(1−A)としてそのまま用いてもよい。得られた反応溶液に溶剤を加えた希釈溶液をポリマー溶液(1−A)として用いてもよい。
上記粘着性組成物を架橋させる方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、粘着性組成物を加熱する方法が用いられる。加熱温度は、好ましくは50℃〜200℃、さらに好ましくは70℃〜190℃、特に好ましくは100℃〜180℃であり、最も好ましくは120℃〜170℃である。加熱温度を前記の範囲とすることによって、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と過酸化物(B)との架橋反応が速やかに生じ、優れた粘着特性を有する粘着剤を得ることができる。さらに、副反応を抑制し得る。加熱時間は、特に制限されないが、好ましくは5秒〜20分、さらに好ましくは5秒〜10分、特に好ましくは10秒〜5分である。加熱時間を前記の範囲とすることによって、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と過酸化物(B)との架橋反応が効率良く行なわれる。
工程1C:上記ポリマー溶液(1−B)を基材に塗工する工程、
工程1D:工程1Cで形成された塗工物を、例えば、50℃〜200℃で加熱、乾燥し、基材の表面に粘着剤層を形成する工程。
工程1Cは、ポリマー溶液を基材の上に薄く展開し、薄膜状の塗工物を得るために行なわれる。工程1Dは、塗工物の溶剤を蒸発させ、且つ、過酸化物とポリマーとを架橋させるために行なわれる。なお、工程1Dの乾燥は、例えば、異なる温度が設定された複数の温度制御手段を用いて、多段階に行ってもよい。このような方法によれば、厚みバラツキの小さい粘着剤層を効率よく得られるとともに、過酸化物とポリマーとの架橋反応が適切に行なわれて、粘着特性に優れた粘着剤層を得ることができる。
上記工程1A〜工程1Dにより得られた粘着剤層は、例えば、以下の工程1Eを含む方法によって、位相差層に積層される。
工程1E:工程1Dで得られる基材の表面に形成された粘着剤層を、位相差層に積層して、積層体を得る工程。
このような方法によれば、位相差層の光学特性が変化しにくく、優れた光学特性を有する位相差層付偏光板を得ることができる。さらに、表面均一性に優れた位相差層付偏光板が得られ得る。積層に際し、粘着剤層は、基材から剥離してから位相差層に積層してもよいし、基材から剥離しながら位相差層に積層してもよいし、位相差層に積層したのち基材から剥離してもよい。
工程1F:工程1Eで得られた積層体を少なくとも3日間保存する工程。
前記工程1Fは、前記粘着剤層を熟成させるために行なわれる。本明細書において「熟成(エージングともいう)」とは、粘着剤層に含まれる物質の拡散や化学反応を進行させ、好ましい性質、状態を得ることをいう。
上記位相差層20は、樹脂層21と傾斜配向層22とを含む。以下、各層について説明する。
上記樹脂層21は、任意の適切なものが選択され得る。好ましくは、樹脂層は屈折率楕円体がnx≧ny>nzの関係を有する。樹脂層の厚みは、好ましくは20〜100μmである。樹脂層の厚みをこのような範囲に設定することで、機械的強度に優れる位相差層を得ることができる。
上記傾斜配向層22は、ディスコチック化合物を含有する液晶性組成物から形成され、かつ、ディスコチック化合物が傾斜配向している層である。このような傾斜配向層を含む位相差層を備えることにより、画面コントラストに優れた位相差層付偏光板が得られ得る。本明細書において、「液晶性組成物」とは、液晶相を呈し液晶性を示すものをいう。「傾斜配向」は、液晶分子が一定の角度で傾斜し、かつ、同一方位に配列している状態(いわゆる、傾斜一軸配向)であってもよいし、厚み方向で液晶分子の傾斜角度(ティルト角)が、連続的または間欠的に、増加または減少している状態(いわゆる、ハイブリッド配向)であってもよい。
工程2A:基材(支持体)の表面に配向処理を施す工程、
工程2B:配向処理が施された基材の表面に、液晶性組成物の溶液または分散液を塗工し、配向させる工程、
工程2C:前記液晶性組成物を乾燥させて、固化層を形成する工程。
工程2D:上記工程2Cで得られた固化層に、紫外線を照射して、該液晶性組成物を硬化させる工程。
この場合、光架橋性を示すディスコチック化合物を用いるか、または、上記液晶性組成物に光架橋性の化合物を添加することが好ましい。
上記樹脂層と上記傾斜配向層との積層方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。積層方法の具体例として、樹脂層の表面に、傾斜配向層を形成する塗工液(上記液晶組成物の溶液または分散液)を塗工し、固定化する方法が挙げられる。好ましくは、塗工液を塗工する前に、予め、上記樹脂層に、上記液晶組成物を配向させるための配向膜が形成される。別の積層方法としては、前記塗工液を基材(例えば、ポリスチレンテレフタレート等)に塗工して固定化させて傾斜配向層を形成した後、当該傾斜配向層を、接着層を介して、上記樹脂層の表面に転写する方法が挙げられる。この場合、樹脂層の傾斜配向層が転写される表面に、予め、アンカーコート層を形成してもよいし、任意の適切な表面処理が施されていてもよい。表面処理の具体例としては、コロナ処理が挙げられる。なお、前記基材は、通常、転写の前後、あるいは転写と同時に剥離される。
上記位相差層20のRe[590]は、目的に応じて任意の適切な値に設定され得る。好ましくは20〜80nm、さらに好ましくは28〜70nm、特に好ましくは36〜60nmである。Re[590]を前記の範囲とすることによって、斜め方向から画面を見た場合に、360°どの方位から見ても、コントラスト比が一定である液晶表示装置を得ることができる。なお、Re[590]は、位相差層の平均傾斜角度や厚み、上記ディスコチック化合物の種類、配合量等を適宜選択することで、所望の値に調節することが可能である。
本明細書において、偏光子とは、自然光や偏光から任意の偏光に変換し得る素子をいう。上記偏光子30としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。好ましくは、偏光子は、自然光または偏光を直線偏光に変換するものである。このような偏光子は、通常、入射する光を直交する2つの偏光成分に分け、一方の偏光成分を通過させ、他方の偏光成分を、吸収、反射および/または散乱させる。上記偏光子の厚みは、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは20〜40μmである。
上記偏光子30を積層する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、偏光子30は、接着層(図示せず)を介して、上記位相差層20に貼着される。本明細書において「接着層」とは、隣り合う光学部材の面と面とを接合し、実用上十分な接着力と接着時間で一体化させるものをいう。接着層としては、例えば、接着剤層、粘着剤層、アンカーコート層等が挙げられる。
実用的には、偏光子30の位相差層20が積層されていない側に、任意の適切な保護層(図示せず)が設けられる。保護層を設けることにより、偏光子が収縮や膨張することを防いだり、紫外線による劣化を防いだりすることができる。保護層の厚みは、好ましくは20〜100μmである。厚みを前記範囲とすることによって、機械的強度や耐久性に優れた位相差付偏光板が得られ得る。
1.粘着剤層について
(1)保持力の測定方法
後述のように、10mm×30mmの試験片S(位相差層付偏光板)を作製した。図5に示すように、試験片Sの上端部10mm×10mmをベーク板Pに、粘着剤層を介して貼着して試験板Bを得た。次いで、得られた試験板Bを50℃、5気圧の条件下で15分間、オートクレーブ処理した後、室温で1時間放置した。
その後、図5に示すように、60℃の恒温槽内で、試験片Sの下端部に500gの荷重Wを負荷して1時間放置した。放置後の試験片Sとベーク板Pとのズレ幅(保持力HA)を、レーザー式クリープ試験機により測定した。
上述のように試験板Bをオートクレーブ処理した後、23℃の室内で、試験片Sの下端部に500gの荷重Wを負荷して1時間放置した。放置後の試験片Sとベーク板Pとのズレ幅(保持力HB)を、レーザー式クリープ試験機により測定した。
(2)厚みの測定方法
厚みが10μm未満の場合、薄膜用分光光度計[大塚電子(株)製 製品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」]を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ製デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。
(3)透過率(T[590])の測定方法
紫外可視分光光度計[日本分光(株)製 製品名「V−560」]を用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。
(4)粘着剤のゲル分率の測定方法
予め重量を測定した粘着剤のサンプルを、酢酸エチルを満たした容器に入れ、23℃で7日間放置した後、粘着剤を取り出して、溶剤をふき取った後、重量を測定した。ゲル分率は、次式:{(WA−WB)/WA×100}から求めた。ここで、WAは酢酸エチルに投入前の粘着剤層の重量であり、WBは酢酸エチルに投入後の粘着剤層の重量である。
(5)ガラス転移温度(Tg)の測定方法
セイコー電子工業(株)製 示差走査熱量計 製品名「DSC220C」を用いて、JIS K 7121に準じたDSC法により求めた。
(6)水分率の測定方法
150℃の空気循環式恒温オーブンに粘着剤層を投入し、1時間経過後の重量減少率{(W1−W2)/W1×100}から求めた。ここで、W1は空気循環式恒温オーブンに投入前の粘着剤層の重量であり、W2は空気循環式恒温オーブンに投入後の粘着剤層の重量である。
(7)分子量の測定方法
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法よりポリスチレンを標準試料として算出した。具体的には、以下の装置、器具および測定条件により測定した。測定サンプルは、得られた粘着剤をテトラヒドフランに溶解して0.1重量%の溶液とし、一晩静置した後、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過したろ液を用いた。
・分析装置:TOSOH製「HLC−8120GPC」
・カラム:TSKgel SuperHM−H/H4000/H3000/H2000
・カラムサイズ:各6.0mmI.D.×150mm
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流量:0.6ml/min.
・検出器:RI
・カラム温度:40℃
・注入量:20μl
2.光学特性について
(1)フィルムの平均屈折率の測定方法
アッベ屈折率計[アタゴ(株)製 製品名「DR−M4」]を用いて、23℃における波長589nmの光で測定した屈折率より求めた。
(2)位相差値(Re[590]、Rth[590])および平均傾斜角度の測定方法
王子計測機器(株)製 商品名「KOBRA21−ADH」を用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。なお、23℃における各波長の面内の位相差値(Re)、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値(R40)、位相差層の厚み(d)及び位相差層の平均屈折率(n0)を用いてコンピュータ数値計算によりnx、ny及びnzを求め、Rthを計算できる。
(3)偏光板の単体透過率、偏光度、色相a値、色相b値の測定方法
分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT−3」]を用いて、23℃で測定した。偏光度は、偏光子の平行透過率(H0)および直交透過率(H90)を測定し、式:偏光度(%)={(H0−H90)/(H0+H90)}1/2×100より求めることができる。平行透過率(H0)は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせて作製した平行型積層偏光層の透過率の値である。直交透過率(H90)は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせて作製した直交型積層偏光層の透過率の値である。なお、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
(4)液晶表示装置のコントラスト比の測定方法
23℃の暗室でバックライトを点灯させてから30分経過した後、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」を用いて、白画像および黒画像を表示した場合のXYZ表示系のY値を測定した。白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、斜め方向のコントラスト比「YW/YB」を算出した。なお、液晶パネルの長辺を方位角0°とし、法線方向を極角0°とした。
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた反応容器に、ブチルアクリレート99重量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート1.0重量部と、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部と、酢酸エチルとを加え、溶液を調製した。次に、この溶液に窒素ガスを吹き込みながら攪拌して、60℃で4時間重合反応を行い、重量平均分子量165万のアクリル系コポリマーを得た。
ポリビニルアルコールを主成分とする高分子フィルム[クラレ(株)製 商品名「9P75R(厚み75μm、平均重合度=2,400、ケン化度=99.9モル%)」]をヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃±3℃)にて、ロール延伸機を用いて、染色しながら2.5倍に一軸延伸した。次いで、ホウ酸とヨウ化カリウム配合の水溶液中(60±3℃)で、架橋反応を行いながら、ポリビニルアルコールフィルムの元長の6倍となるように一軸延伸した。得られたフィルムを50℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で30分間乾燥させて、偏光子を得た。
樹脂層と、ディスコチック化合物を含有する液晶性組成物から形成され、当該ディスコチック化合物が傾斜配向している傾斜配向層とを含む位相差層として、富士写真フィルム(株)製 商品名「WVフィルムEA」を用いた。当該フィルムのRe[590]は40nm、Rth[590]は155nm、Nz係数は3.9、平均傾斜角度は16.0°であった。
上記位相差層の傾斜配向層側に、コロナ処理(1.2kW/15m/分)を施した。コロナ処理面に、上記基材の表面に形成された粘着剤層を積層して、積層体Aを得た。その際、粘着剤層がコロナ処理面側となるように積層した。次いで、積層体Aを、70℃の空気循環式恒温オーブン中で7日間熟成させた。なお、粘着剤層の厚みは、21μmであった。熟成させた積層体Aの位相差層(樹脂層)側に、ポリビニルアルコール系接着剤(厚み0.1μm)を介して、上記で得られた偏光子を積層した。さらに、偏光子のもう片側(積層体Aが積層されていない側)に、ポリビニルアルコール系接着剤(厚み0.1μm)を介して、保護層[トリアセチルセルロースフィルム、富士写真フィルム製、商品名:フジタック]を積層し、位相差層付偏光板を得た。
市販のTNモードの液晶セルを含む液晶表示装置[BenQ製 商品名「FP71E+」]から液晶パネルを取り出し、液晶セルの上下に配置されていた偏光板等の光学フィルムを全て取り除いた。得られた液晶セルのガラス基板(表裏)を洗浄し、液晶セルAを得た。液晶セルAの両側に、上記で得られた位相差層付偏光板を貼り付けて液晶パネルAを得た。その際、図6に示すように、各偏光子30,30´の吸収軸が互いに実質的に直交するように貼り付けた。また、偏光子30(30´)の吸収軸が、隣接する液晶セル40のガラス基板41(42)の配向方向と実質的に平行となるように貼り付けた。得られた液晶パネルAをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Aを得た。
トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネートを、上記アクリレート系コポリマー100重量部に対して0.02重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、位相差層付偏光板および液晶表示装置を作製した。得られた粘着剤層の保持力(HA)は380μm、保持力(HB)は250μm、透過率(T[590])は92%、ゲル分率は72%、ガラス転移温度(Tg)は−38℃、水分率は0.27%であった。
位相差層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、偏光板および液晶表示装置を作製した。
20 位相差層
21 樹脂層
22 傾斜配向層
30 偏光子
100 位相差層付偏光板
Claims (17)
- 粘着剤層と、樹脂層と傾斜配向層とを含む位相差層と、偏光子とをこの順に有し、
該粘着剤層の60℃における保持力(HA)が、300μm以下であり、
該位相差層の遅相軸方向が、該偏光子の吸収軸方向と実質的に直交であり、
該傾斜配向層はディスコチック化合物を含有する液晶性組成物から形成され、かつ、当該ディスコチック化合物が傾斜配向している、位相差層付偏光板:
ここで、保持力(H A )は、10mm×30mmの位相差層付偏光板の上端部10mm×10mmをベーク板に粘着剤層を介して貼着し、50℃、5気圧の条件下で15分間オートクレーブ処理して室温で1時間放置した後、60℃の恒温槽内で位相差層付偏光板の下端部に500gの荷重を負荷して1時間放置したときの、荷重の負荷前後における位相差層付偏光板とベーク板とのズレ幅を表す。 - 前記粘着剤層の60℃における保持力(HA)と23℃における保持力(HB)との差(HA−HB)が、100μm以下である、請求項1に記載の位相差層付偏光板:
ここで、保持力(H B )は、10mm×30mmの位相差層付偏光板の上端部10mm×10mmをベーク板に粘着剤層を介して貼着し、50℃、5気圧の条件下で15分間オートクレーブ処理した後、23℃の室内で位相差層付偏光板の下端部に500gの荷重を負荷して1時間放置したときの、荷重の負荷前後における位相差層付偏光板とベーク板とのズレ幅を表す。 - 前記粘着剤層の水分率が1.0%以下である、請求項1または2に記載の位相差層付偏光板。
- 前記粘着剤層のゲル分率が75%以上である、請求項1から3のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記粘着剤層が、少なくとも(メタ)アクリル系ポリマー(A)と過酸化物(B)とを含む粘着性組成物を架橋させて形成された、請求項1から4のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)が、アルキル(メタ)アクリレート(a1)と水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)との共重合体である、請求項5に記載の位相差層付偏光板。
- 前記過酸化物(B)の配合量が、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して0.01〜1重量部である、請求項5または6に記載の位相差層付偏光板。
- 前記粘着性組成物が、イソシアネート系化合物をさらに含む、請求項5から7のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記イソシアネート系化合物の配合量が、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して0.04〜1重量部である、請求項8に記載の位相差層付偏光板。
- 前記樹脂層の屈折率楕円体が、nx≧ny>nzの関係を有する、請求項1から9のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記樹脂層が、セルロース系樹脂を含有する高分子フィルムである、請求項1から10のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記ディスコチック化合物が、トリフェニレン系ディスコチック化合物である、1から11のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記位相差層の面内位相差Re[590]が20〜80nmである、請求項1から12のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記位相差層の厚み方向の位相差Rth[590]が100〜300nmである、請求項1から13のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記位相差層のNz係数が2〜8である、請求項1から14のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記位相差層の平均傾斜角度が8〜24°である、請求項1から15のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
- 前記偏光子が、ヨウ素または二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする延伸フィルムである、請求項1から16のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
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