JP3999717B2 - 光導波路型センサ - Google Patents

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Description

本発明は、屈折率の異なる界面で光が全反射するときにしみ出すエバネッセント光を利用した光吸収分光による分析に用いる光導波路型センサに関する。
物質の特性を知る分析法に、物質の赤外スペクトルを測定する赤外分光法がある。赤外分光法の一つに、ZnSeなどのATR(Attenuated Total Reflection)結晶プリズムを用いた全反射吸収スペクトル法(ATR法)がある。ATR法は、赤外線がATR結晶プリズムの中を全反射する際に、試料が接しているプリズムの外側にわずかにしみ出す光(エバネッセント光)を利用するものであり、固体試料の表面や水溶液試料中の成分を高感度に分析することを可能としている。
上述したATR法による分析では、より感度を向上させるために、プリズムの中で多数回の全反射が生じるように構成している(非特許文献1参照)。また、ATR法により、採血やセンサを埋め込むことなどを必要とせずに、人体の血中のグルコースの濃度を簡便に測定する分析システムなども開発されている(特許文献1参照)。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特公表2002−527136号公報 実用分光法シリーズ(4)分光学の医学応用,1999年9月30日発行、(株)アイピーシー
しかしながら、従来のATR法による分析では、ATR結晶プリズムを小型化することが容易ではなく、分析システム(装置)の小型化が困難であった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より小型な分析システムが構築できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光導波路型センサは、下部クラッド層と、この下部クラッド層の上に形成されて少なくとも一部の面が露出した半導体からなるコアと、このコアから構成された導波路の光入射端と、導波路の光出射端と、コアの配設された領域と所定距離離間して設けられた周囲電極と、コアと周囲電極との間に電位を印加するための電位印加手段とを少なくとも備え、導波路は、シングルモード導波路であり、コアの露出した面と周囲電極とに分析対象物が接触するものである。
このセンサでは、コアと周囲電極との間に電位を印加すると、コア及び周囲電極の両方に接触している分析対象に電位が印加された状態となる。
上記光導波路型センサにおいて、コアの露出した面に形成された酸化膜を備えることで、試料となる液体が接触したときに、この液体とコアとの良好な密着性を得ることができる。また、上記光導波路型センサにおいて、周囲電極を、コアの配設された領域の周囲を囲うように設けるようにしてもよい。また、コアと周囲電極とは、例えば半導体であるシリコンなどの同一材料から構成してもよく、周囲電極は金属から構成してもよい。周囲電極をシリコンから構成する場合、周囲電極の露出した面に酸化膜を形成することで、試料となる液体と周囲電極との良好な密着性を得ることができる。
また、上記光導波路型センサにおいて、電位印加手段は、コアに直接接触するコアと同一材料からなる電圧印加部と、この電圧印加部にオーミック接続する金属配線とから構成することができる。
以上説明したように、本発明では、下部クラッド層の上に半導体からなるコアを形成し、このコアよりシングルモード導波路を構成し、これらの一部において少なくともコアの上面を露出させ、ここに分析対象物を接触させることで、分析対象物における赤外線の吸収などを検出する分光法による分析を可能とした。従って、本発明によれば、従来のATR法における結晶プリズムに代えて、シングルモード導波路を用いることによって、分析システムの小型化を図ることができる。また、小さな曲げ半径で導波方向が変更できる導波路で検出領域が構成できるので、感度を向上させることができるだけの長い導波路を小さな検出領域に配置できるようになる。このように、本発明によれば、感度を低下させることが無く、より小型な分析システムが構築できるようになるという優れた効果が得られる。
また、本発明では、分析対象物に接触する周囲電極を設け、周囲電極とコアとの間に電位を印加することで、印加した電位を分析対象物に作用させることを可能とした。このことにより、分析対象物の液体中の成分を、電気泳動により分離し、コアの近辺における成分濃度をより高くすることが可能となり、分析感度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における光導波路型センサの構成例を示す平面図である。
このセンサの構成について説明すると、まず、入射側の光ファイバー200の端部が固定されるV字状の溝101、出射側の光ファイバー300の端部が固定されるV字状の溝102が設けられている。溝101,102は、一般に市販されているSOI基板の基板部111に形成されている。
これら溝101,102に続いてスポットサイズ変換領域が配置され、スポットサイズ変換領域には、入射側に配置されたスポットサイズ変換コア103と、出射側に配置されたスポットサイズ変換コア104とを備えている。これらは、酸化シリコンからなる上部クラッド層107に覆われている。スポットサイズ変換コア103,104は、例えば、シリコン酸窒化物から構成されている。スポットサイズ変換コア103には、光ファイバー200の光ファイバーコア201が接続し、スポットサイズ変換コア104には、光ファイバー300の光ファイバーコア301が接続している。
スポットサイズ変換領域に続いて検出領域が設けられ、検出領域には、半導体であるシリコンから構成されたシリコン細線コア105が形成されている。この領域においては、以降に説明する埋め込み酸化層112を下部クラッド層としたシリコン細線コア105による導波路が構成されている。また、検出領域の周辺部には、シリコン細線コア105の形成領域を囲うように、シリコンからなる周囲電極113が設けられている。シリコン細線コア105は、断面の寸法が約1μm角程度となっている。図2の断面図に示すように、シリコン細線コア105及び周囲電極113は、検出領域において、SOI基板の埋め込み酸化層112の上に配置されている。なお、図2は、図1のAA’断面である。
検出領域において、シリコン細線コア105の基板部111側の下面は、酸化シリコンである埋め込み酸化層112に覆われ、上面及び両側面は露出した状態の導波路となっている。なお、シリコン細線コア105の露出している面に、数nmから数10nm程度の酸化膜が形成されていてもよい。上述したように、シリコン細線コア105は、断面寸法が1μm角程度としてあるので、上記導波路は、波長4μm以下の光がシングルモードで伝搬する。言い換えると、シリコン細線コア105は、これより構成される導波路が、シングルモードとなる寸法に形成されていればよい。例えば、波長1.5μmの光をシングルモードとする場合、コアの断面寸法は、0.3μm角程度とすればよい。
図1に示す光導波路型センサでは、入射側の光ファイバー200に光源を接続し、出射側の光ファイバー300に分光器を接続することで、分光測定のシステムが構成できる。なお、図1では、光の入射端と出射端とを各々設けるようにしているが、これらを同一とした閉回路としてもよい。
このようなシステムにおいて、シリコン細線コア105よりなる導波路に赤外線を導波させた状態で、検出領域で露出するシリコン細線コア105の上面に分析対象の試料が接触していると、シリコン細線コア105よりしみ出した光が、試料の特性に応じて吸収されるため、この吸収の強さに応じて導波する光の強度が低下する。従って、例えば、シリコン細線コア105から構成されている導波路を導波する光の強度をある波長帯域に対して測定すれば、分析対象の試料による吸収スペクトルが得られる。
また、この導波路は、最小曲げ半径が約15μm以下と、非常に小さい曲率で導波方向を変更することが可能である。従って、図1の平面図に示すように、シリコン細線コア105を、狭い間隔で往復させて配置させることが可能となり、狭い検出領域内で、試料と接触する領域をより長くすることが可能となる。
シリコン細線コア105は、SOI構造の基板のシリコン層を加工することで形成されている。シリコン層は、SOI構造の基板の最上層に配置され、基板部111の上の埋め込み酸化層112の上に形成されている。シリコン層に、コアとなる領域を挟むように埋め込み酸化層112にまで貫通する溝を形成することで、図2の断面図に示すように、シリコン細線コア105が形成できる。なお、図2は、図1のAA’断面を示している。
また、図1に示す導波路型センサでは、図3,4,5,6の断面図にも示すように、まず、金属材料から構成された電位均一化配線106,シリコンからなるコア電圧印加部(電圧印加部)121からなる電位印加手段を設け、シリコン細線コア105と周囲電極113との間に電位を印加することを可能としている。電位印加配線106とコア電圧印加部121とは、オーミック接続している。電位均一化配線106には端子108が接続し、周囲電極113には端子114が接続している。コア電圧印加部121は、シリコン細線コア105への光閉じ込め効果を大きくするため、シリコン細線コア105より薄く形成し、シリコン細線コア105に対する有効屈折率を小さくする。なお、図3,4,5,6は、各々、図1のBB’,CC’,DD’EE’断面を示している。
コア電圧印加部121は、シリコン細線コア105に接触して設けられている。図1に示す光導波路型センサでは、複数のコア電圧印加部121が設けられている。複数のコア電圧印加部121は、電位均一化配線106を介して端子108に接続している。これらは、スポットサイズ変換領域に配置され、電位均一化配線106は、上部クラッド層107に覆われている。なお、一部のコア電圧印加部121が、検出領域からスポットサイズ変換領域にわたって配設されている。
一方、周囲電極113は、両端がスポットサイズ変換領域にまで延在し、スポットサイズ変換領域の部分は、上部クラッド層107に覆われている。また、周囲電極113の上部クラッド層107に覆われている一部は、図5にも示すように、上部クラッド層107の上に設けられた端子114に接続している。この周囲電極113には、高濃度に不純物が導入され、これの所定領域に設けられた接続部分にオーミック接続する金属層113aが形成され、金属層113aに端子114が接続されている。
これらの構成により、シリコン細線コア105と周囲電極113との間に電位を印加することを可能とし、検出領域に接触する試料溶液中において、シリコン細線コア105と周囲電極113との間で、電気泳動を起こさせることを可能としている。なお、周囲電極113は、コの字状に検出領域のシリコン細線コア105を覆う必要はなく、検出領域においてシリコン細線コア105の周囲に配置されているようにすればよい。
また、スポットサイズ変換領域において、シリコン細線コア105の両端は、先端に行くほど幅が狭くなる先細りの形状となり、図5,7の断面図にも示すように、上部及び側部をスポットサイズ変換コア103,104に覆われ、この領域がスポットサイズ変換部となる。スポットサイズ変換コア103,104は、高さ,幅が、光ファイバーコア201,301の半分程度からほぼ同程度までの寸法となっている。図7は、図1のFF’断面である。
スポットサイズ変換領域においては、「シリコン細線コア105の屈折率>スポットサイズ変換コア103,104の屈折率>上部クラッド層107の屈折率」となっている。このように構成したスポットサイズ変換領域により、光ファイバー200を導波してきた赤外線を、損失を低減した状態でスポットサイズを変換し、シリコン細線コア105の一端に結合させることを可能としている。
また、光ファイバー200、300の端部が固定される領域では、図8の断面図に示すように、基板部111に設けられたV字状の溝101,102に、例えば紫外線硬化型の接着剤などにより固定されている。図8は、図1のGG’断面を示している。
なお、シリコン細線コア105,周囲電極113,及びコア電圧印加部121の露出する領域には、膜厚が数nmの酸化膜を設けるようにしてもよい。この酸化膜は、例えば熱酸化法により形成すればよい。酸化膜を形成しておくことで、コアなどの表面を保護するとともに、表面を親水性として分析対象の溶液などとの良好な密着性を得ることが可能となる。酸化膜(SiO2膜)は、シリコンより屈折率が小さいため、シリコン細線コア105による導波路としての機能を阻害することがない。
また、例えば、界面活性剤などを用いることにより、シリコン細線コア105の表面を界面活性の高い状態とすることで、分析対象の溶液などとの良好な密着性を得るようにしてもよい。また、シリコン細線コア105の表面に、酸化チタンなどの超親水性薄膜(膜厚10nm以下)を形成するようにしてもよい。このことにより、親水性が高い状態が得られるととともに、より低い電圧で電気泳動現象を誘起できるようになる。
次に、上述した光導波路型センサの製造方法について、簡単に説明する。
まず、SOI(Silicon on Insulator)基板を用意する。SOI基板は、埋め込み絶縁層(埋め込み酸化層)の上のシリコン層(単結晶シリコン層)が、高抵抗p形あるいは高抵抗n形であればよい。また、シリコン層は、所望の厚さより薄い高抵抗p形の単結晶シリコン層の上に、ノンドープの単結晶シリコンを結晶成長させて所望の厚さとしたものでもよい。同様に、シリコン層は、所望の厚さより薄い高抵抗n形の単結晶シリコン層の上に、ノンドープの単結晶シリコンを結晶成長させて所望の厚さとしたものでもよい。
上述したようなSOI基板を用意したら、シリコン層を、公知のリソグラフィ技術とエッチング技術とにより微細加工し、シリコン細線コア105及び周囲電極113となるパターンを、厚さ方向に途中まで形成する。エッチングを途中で停止することで、上記パターンを途中まで形成した後、上記パターンを形成するためのマスクパターンに加え、新たに、コア電圧印加部121を形成するためのマスクパターンを、途中までエッチングされたシリコン層の上に形成する。
この後、すでに形成されているマスクパターンと新たに形成したマスクパターンとをマスクとし、残っているシリコン層を選択的にエッグすることで、図9の平面図に示すように、埋め込み酸化層112の上に、シリコン細線コア105,周囲電極113及びコア電圧印加部121を形成する。スポットサイズ変換領域では、シリコン細線コア105の先端部分の先細りとなるようにする。また、光ファイバー200、300が固定されるファイバー固定領域では、シリコン層を除去して埋め込み酸化層112を露出させる。
ここで、形成したシリコンのパターンの露出面に、例えば熱酸化法により、数nm程度の膜厚の酸化膜を形成するようにしてもよい。
次に、図9の点線で囲う領域901と周囲電極113とに、選択的にイオン注入し、コア電圧印加部121の一部には、高濃度不純物領域を形成し、周囲電極113には高い導電性を与える。上記シリコン層がn形のときは、リンあるいはヒ素を不純物としてイオン注入し、シリコン層がp形のときは、ホウ素を不純物としてイオン注入すればよい。イオン注入をした後、例えば900℃程度に加熱し、イオン注入した領域の活性化と損傷の回復とを行う。
次いで、ECRプラズマCVD法によるステンシルマスクを用いた選択的な堆積により、スポットサイズ変換領域におけるシリコン細線コア105を覆うシリコン酸窒化膜を形成する。このシリコン酸窒化膜を、公知のリソグラフィ技術とエッチング技術とにより微細加工し、図10の平面図に示すように、スポットサイズ変換コア103,104を形成する。
さらに、蒸着法あるいはスパッタ法によるステンシルマスクを用いた選択的な堆積により、例えばアルミニウムなどの金属材料の膜を形成し、電位均一化配線106を形成し、同時に、周囲電極113の所定箇所に金属層113aを形成する。前述したように、図9に示した領域901においては、n形もしくはp形の不純物が高濃度に添加されているので、領域901においてコア電圧印加部121と電位均一化配線106とは、オーミックコンタクトが形成される。
同様に、n形もしくはp形の不純物が高濃度に添加されている周囲電極113に形成された金属層113も、周囲電極113との接触部分は、オーミックコンタクトが形成される。なお、周囲電極113の全域に不純物を高濃度に添加する必要はなく、金属層113aを形成する領域に高濃度に不純物を導入するようにしてもよい。ただし、周囲電極113の全域に不純物を高濃度に添加することで、周囲電極113における導電性をより高くすることができ、より低い電圧で電気泳動現象を誘起できるようになる。
次に、図11に示すように、スポットサイズ変換領域において、スポットサイズ変換コア103,104,及び電位均一化配線106を覆うように、上部クラッド層107となるシリコン酸化膜を選択的に形成する。このシリコン酸化膜の形成も、ECRプラズマCVD法によるステンシルマスクを用いた選択的な堆積により行う。
次いで、公知のリソグラフィ技術とエッチング技術とにより、上部クラッド層107の所定領域に開口部を形成し、電位均一化配線106に到達する貫通孔1101と金属層113aに到達する貫通孔1102を形成する。この後、貫通孔1101を介して電位均一化配線106に接続する金属の層を形成することで端子108を形成し、貫通孔1102を介して金属層113aに接続する金属の層を形成することで端子114を形成する。
次に、検出領域及びスポットサイズ変換領域を覆うマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとしたエッチングを行い、スポットサイズ変換領域の垂直な入射端面及び出射端面を形成し、また、ファイバー固定領域の埋め込み酸化層112を選択的に除去する。このエッチングでは、例えばリアクティブイオンエッチングなど、垂直異方性を有するドライエッチング技術を用いればよい。
最後に、ファイバー固定領域において、露出している基板部111の所定領域に、V字状の溝101,102を形成する。これらの溝は、例えば、開口部の間隔を徐々に広げた複数のマスクパターンによる選択的なエッチングを、繰り返すことで形成できる。また、基板部111として(111)面の単結晶シリコンを用いれば、水酸化カリウムなどのアルカリ溶液によるウエットエッチングで、自動的にV字状の溝が形成できる。
以上に説明した光導波路型センサによる分析方法の一例について、簡単に説明する。本センサによる分析では、図12に示すように、試料となる溶液を滴下して検出領域に試料の溶液が保持され、試料がシリコン細線コア105及び周囲電極113の両方に接触した状態とする。この状態で、シリコン細線コア105側を接地電位とし、周囲電極113にプラス電位を印加することで、図12に示すように、試料となる溶液中の成分を電気泳動により分離し、シリコン細線コア105の領域における分析対象物質の濃度を高くすることが可能となる。
例えば、シリコン細線コア105の近傍における陽イオンの濃度を高くした状態で、分析をすることができる。例えば、血液中のタンパク質は、構成要素であるアミノ酸が各々pHにより荷電状態が異なり、荷電状態の差を利用して電気泳動法により分画可能である(文献:”最新電気泳動実験法”日本電気泳動学会編、医歯薬出版株式会社、2003年発行)。本実施の形態によれば、これらタンパク質の分析が可能となる。
また例えば、試料溶液中に、測定対象物質に対する妨害物質が高濃度に存在している場合、妨害物質がイオンの状態で存在していれば、シリコン細線コア105より遠ざかるように電圧を印加させることで、妨害物質による影響を低減することができる。
このように、シリコン細線コア105の近辺における分析対象物質の濃度を高くすることができるので、図1に示す光導波路型センサによれば、検出感度を向上させることができる。また、本実施の形態では、シリコン細線コア105及び周囲電極113の表面に酸化膜を形成することで親水性としてあるため、これらの表面に接触する試料となる溶液は、対流などの動きが束縛されるようになり、電気泳動による分離がより容易となる。
なお、上述では、シリコン細線コア105としたが、化合物半導体であるGaNなど他の半導体から、検出領域のコアを形成するようにしてもよい。また、上述では、周囲電極113を、シリコン細線コア105と同一の半導体であるシリコンから構成するようにしたが、これに限るものではない。例えば、周囲電極113を、白金などの耐腐食性のある金属材料から構成するようにしてもよい。周囲電極113に金属材料を用いることで、より低い電圧で、上述した電気泳動現象を誘起できるようになる。ただし、周囲電極113をシリコン細線コア105と同一の半導体より構成することで、本光導波路型センサの製造が、異なる材料を用いる場合に比較してより容易になる。
また、図1では、電位均一化配線106とコア電圧印加部121とにより、シリコン細線コア105に電位を印加する構成としたが、これに限るものではない。電位印加手段により印加する電位が、シリコン細線コア105以外で試料となる溶液に印加されなければ、他の構成とした電位印加手段により、シリコン細線コア105に電位を印加する構成としてもよい。例えば、下部クラッド層となる埋め込み酸化層112の側より、シリコン細線コア105に接続する配線を設けることで、シリコン細線コア105に電位を印加する構成としてもよい。
本発明の実施の形態における光導波路型センサの構成例を示す平面図である。 実施の形態における光導波路型センサの一部構成例を示す断面図である。 実施の形態における光導波路型センサの一部構成例を示す断面図である。 実施の形態における光導波路型センサの一部構成例を示す断面図である。 実施の形態における光導波路型センサの一部構成例を示す断面図である。 実施の形態における光導波路型センサの一部構成例を示す断面図である。 実施の形態における光導波路型センサの一部構成例を示す断面図である。 実施の形態における光導波路型センサの一部構成例を示す断面図である。 実施の形態における光導波路型センサの製造過程を示す平面図である。 実施の形態における光導波路型センサの製造過程を示す平面図である。 実施の形態における光導波路型センサの製造過程を示す平面図である。 実施の形態における光導波路型センサを用いた分析過程を説明するための説明図である。
符号の説明
101,102…溝、103,104…スポットサイズ変換コア、105…シリコン細線コア、106…電位均一化配線、107…上部クラッド層、108…端子、111…基板部、112…埋め込み酸化層、113…周囲電極、113a…金属層、114…端子、121…コア電圧印加部、200,300…光ファイバー、201,301…光ファイバーコア。

Claims (7)

  1. 下部クラッド層と、
    この下部クラッド層の上に形成されて少なくとも一部の面が露出した半導体からなるコアと、
    このコアから構成された導波路の光入射端と、
    前記導波路の光出射端と、
    前記コアの配設された領域と所定距離離間して設けられた周囲電極と、
    前記コアと前記周囲電極との間に電位を印加するための電位印加手段と
    を少なくとも備え、
    前記導波路は、シングルモード導波路であり、
    前記コアの露出した面と前記周囲電極とに分析対象物が接触する
    ことを特徴とする光導波路型センサ。
  2. 請求項1記載の光導波路型センサにおいて、
    前記コアの露出した面に形成された酸化膜
    を備えることを特徴とする光導波路型センサ。
  3. 請求項1または2記載の光導波路型センサにおいて、
    前記周囲電極は、前記コアの配設された領域の周囲を囲うように設けられた
    ことを特徴とする光導波路型センサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路型センサにおいて、
    前記コア及び周囲電極は、同一の材料から構成されたものである
    ことを特徴とする光導波路型センサ。
  5. 請求項4記載の光導波路型センサにおいて、
    前記周囲電極の露出した面に形成された酸化膜
    を備えることを特徴とする光導波路型センサ。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路型センサにおいて、
    前記周囲電極は、金属から構成されたものである
    ことを特徴とする光導波路型センサ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光導波路型センサにおいて、
    前記電位印加手段は、前記コアに直接接触する前記コアと同一材料からなる電圧印加部と、
    この電圧印加部にオーミック接続する金属配線と
    から構成されたものであることを特徴とする光導波路型センサ。
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