JP2004239664A - 電気泳動装置 - Google Patents

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Masayuki Naya
昌之 納谷
Takeharu Tani
武晴 谷
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Abstract

【課題】表面プラズモン共鳴センサや漏洩モードセンサを適用した電気泳動装置において、分析対象物質の泳動状態を高分解能で検出可能にする。
【解決手段】誘電体ブロック10と、その一面に形成された薄膜層11と、光ビーム3を発生させる光源4と、光ビーム3を誘電体ブロック10に対して、それと薄膜層11との界面10aで全反射可能に入射させる入射光学系15と、薄膜層11の上に形成された電気泳動媒体30と、全反射した光ビーム3の強度を検出する2次元光検出手段20とを備えてなる電気泳動装置において、電気泳動媒体30に印加する直流電界を、薄膜層11に沿った向きで、かつ該薄膜層11に対する光ビーム3の入射面と交わる向きの電界とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気泳動装置に関し、特に詳細には、試料中の物質の電気泳動状態を表面プラズモン共鳴等を利用して検出するようにした電気泳動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】
従来、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分析する表面プラズモン共鳴センサが種々提案されている。そして、それらの中で特に良く知られているものとして、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
上記の系を用いる表面プラズモン共鳴センサは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる、該誘電体ブロックよりも低屈折率の金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られる入射角で入射させる入射光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0005】
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを偏向させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、光ビームの偏向にともなって反射角が変化する光ビームを、光ビームの偏向に同期移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
【0006】
上記構成の表面プラズモン共鳴センサにおいて、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が、図4に示すように鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。
【0007】
なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角θSPより表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】
Figure 2004239664
試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることにより、試料の誘電率つまりは屈折率や、それに対応する物性を求めることができる。
【0010】
また、前記金属膜の上に、検体中の特定物質と特異的に結合するセンシング物質を固定しておいた場合は、金属膜の上に供給された検体中にその特定物質が含まれるとその結合によりセンシング物質の屈折率が変化するので、この屈折率変化を検出することにより、上記特定物質の有無を検出することもできる。
【0011】
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似のセンサとして、例えば非特許文献1に記載がある漏洩モードセンサも知られている。この漏洩モードセンサは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られ、かつ光導波層での導波モードの励起による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0012】
上記構成の漏洩モードセンサにおいて、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を測定することができる。
【0013】
なお、前記界面で全反射した光ビームの強度を光検出手段により測定して試料の分析を行なうには種々の方法があり、非特許文献2に記載されているように、複数の波長の光ビームを前記界面に対して全反射条件が得られる入射角で入射させ、この界面で全反射した光ビームの強度を各波長毎に測定して、各波長毎の全反射減衰の程度を検出することによって試料分析を行なってもよい。
【0014】
さらには、非特許文献3に記載されているように、光ビームを前記界面に対して全反射条件が得られる入射角で入射させるとともに、この光ビームの一部をそれが前記界面に入射する前に分割し、この分割した光ビームを前記界面で全反射した光ビームと干渉させ、その干渉後の光ビームの強度を検出することにより試料分析を行なってもよい。
【0015】
なお、試料の物性の分析においては、複数の試料について同一条件で測定したい場合や、試料の2次元的な物性情報を得たい場合等があり、上述した表面プラズモン共鳴センサや漏洩モードセンサはこれらに応用することも可能である(例えば特許文献2および3参照)。表面プラズモン共鳴センサを例に挙げると、前記図4に示す関係は、金属膜上に存在する物質の屈折率が変化すると同図で横軸方向に移動する形で変化する。したがって、前記界面の2次元的な広がりを有する領域に所定の入射角で光ビームを入射させた場合、該領域のうちその入射角で全反射減衰を生じる屈折率となっている部分、すなわち、ある特定の物質が金属膜上に存在する部分に入射した光成分が暗線として検出される。そこで、ある程度広いビーム断面を有する平行光を用い、前記界面で全反射した光ビームの断面内の光強度分布を検出すれば、上記界面に沿った面内での特定物質の分布を測定することができる。また、図4に示すように、所定の入射角θSPの前後ではやはり全反射光の強度が低くなるので、所定の入射角で界面に入射して全反射した光ビームの断面の光強度分布は、金属膜上に存在する物質(試料)の2次元的な屈折率分布を示すものとなる。
【0016】
上述のことは、全反射減衰が表面プラズモン共鳴によって生じる代わりに、前記導波層での導波モードの励起によって生じるという点が異なるだけで、漏洩モードセンサにおいても同様に認められるから、漏洩モードセンサを適用して同じように試料の2次元物性を求めることも可能である。
【0017】
なお上記のように「試料の2次元物性を求める」ということは、本明細書においては、1つの試料の2次元物性を求めることの他、薄膜層上に2次元的に配置された同一種類あるいは異なる種類の複数の試料の各物性を、互いに独立して求めることも含めて指すものとする。
【0018】
また、以上説明した表面プラズモン共鳴センサや漏洩モードセンサは、誘電体ブロックと薄膜層(前者にあっては金属膜であり、後者にあってはクラッド層および光導波層)との界面で光ビームを全反射させることにより、この全反射時に生じるエバネッセント波と表面プラズモンあるいは導波モードとを結合させているものであるが、誘電体ブロックの一面で光ビームを全反射させる代わりに該一面に回折格子を形成して、同様の表面プラズモン共鳴センサや漏洩モードセンサを構成することもできる。つまりその場合は、誘電体ブロック側からその回折格子に光ビームを入射させると、回折により生じて薄膜層側に浸み出したエバネッセント光と表面プラズモンあるいは導波モードとが結合するので、誘電体ブロック側に反射回折する光の強度が減衰する。そこで、この減衰が生じたときの回折格子に対する光ビームの入射角を知ることによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を分析することができる。
【0019】
さらに、以上説明した表面プラズモン共鳴センサや漏洩モードセンサは、全反射光あるいは反射回折光の減衰が生じる光ビームの入射角θが、試料の屈折率に応じて変化することを利用して試料分析するものであるが、入射角θを一定にしておいても同様の試料分析を行うことができる。つまり光ビームの入射角θが一定の場合は、図5に示すようにその光ビームの波長λがある特定値λSPのときに、全反射光あるいは反射回折光の減衰が生じる。そして、この全反射光あるいは反射回折光の減衰が生じる特定波長λSPは試料の屈折率に依存するので、この特定波長λSPを検出することにより、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を分析することができる。
【0020】
このような方式のセンサは、試料の2次元物性を求める上で特に有利なものとなる。つまりその場合は、ある波長幅を有する例えば白色光等からなる光ビームを発生させる光源が用いられるとともに、全反射光あるいは反射回折光を分光検出する2次元光検出手段が用いられ、前記界面や回折格子に対する光ビームの入射角を変化させる必要が無いので、試料の一定個所を安定して照射することが可能になる。
【0021】
また、前述したように試料の2次元物性を求めることができる表面プラズモン共鳴センサの構成を適用して、例えば特許文献4に記載されてように電気泳動装置を構成することも考えられている。この電気泳動装置は基本的に、表面プラズモン共鳴センサの金属膜の上に電気泳動媒体を配置するとともに、この電気泳動媒体に対して、上記薄膜層に沿った向きの直流電界を印加する手段を設けてなるものである。このような構成の電気泳動装置において、電気泳動媒体に試料を供給した後に直流電界を印加すると、試料中の分析対象物質が固有の移動速度で直流電界に沿って移動し、そしてそれ(あるいはそれら)が存在する箇所と存在しない箇所とでは金属膜に近接する部分の屈折率が異なり、また分析対象物質が存在する箇所でもその分析対象物質に応じて屈折率が異なるので、分析対象物質の泳動状態を検出可能となる。
【0022】
以上のような電気泳動装置は、表面プラズモン共鳴センサに代えて前述の漏洩モードセンサを適用しても同様に構成可能である。その場合は、クラッド層の上に形成された光導波層の上に電気泳動媒体が配置される。
【0023】
【特許文献1】
特開平6−167443号公報
【0024】
【特許文献2】
特開2001−255267号公報
【0025】
【特許文献3】
特開2001−511249号公報
【0026】
【特許文献4】
特開2000−74881号公報
【0027】
【非特許文献1】
「分光研究」、1998年、第47巻、第1号、第21〜23頁および第26〜27頁
【0028】
【非特許文献2】
D.V.Noort,K.Johansen,C.F.Mandenius,“Porous Gold in Surface Plasmon Resonance Measurement”EUROSENSORS XIII,1999年,第585−588頁
【0029】
【非特許文献3】
P.I.Nikitin,A.N.Grigorenko,A.A.Beloglazov,M.V.Valeiko,A.I.Savchuk,O.A.Savchuk,“Surface Plasmon Resonance Interferometry for Micro−ArrayBiosensing”EUROSENSORS XIII, 1999年,第235−238頁
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、表面プラズモン共鳴センサを適用して構成された特許文献4に記載の電気泳動装置においては、分析対象物質の泳動状態を高分解能で求めることが難しいという問題が認められている。これは、表面プラズモン共鳴センサに代えて漏洩モードセンサを適用した場合にも同様に認められることである。
【0031】
また、特許文献4に記載の電気泳動装置において、表面プラズモンを発生させる金属膜は、電気泳動媒体のごく一部だけに対面する小さなサイズのものとされている。すなわち、電気泳動媒体の両端には直流電界印加用の電極が各々取り付けられることから、金属膜を電気泳動媒体に全面的に対面するほどに大きく形成すると、両電極間が金属膜により短絡して電気泳動媒体に直流電界を印加することが不可能になるから、金属膜は必然的にそのような小サイズに形成されることになる。しかし、このように金属膜を小サイズにすると、分析対象物質の泳動状態を、電気泳動媒体の僅かの部分についてしか検出できないという問題が生じる。
【0032】
本発明は上記の事情に鑑みて、表面プラズモン共鳴センサや漏洩モードセンサを適用して、分析対象物質の泳動状態を高分解能で求めることができる電気泳動装置を提供することを目的とする。
【0033】
その上で本発明は、上述のような電気泳動装置において、分析対象物質の泳動状態を、電気泳動媒体の広い範囲について検出可能とすることも目的とするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の電気泳動装置は、先に説明した全反射光の減衰を利用して試料の屈折率変化を検出する構成を前提とするものであり、具体的には、
誘電体ブロックと、
この誘電体ブロックの一面に形成された、該誘電体ブロックよりも低屈折率の薄膜層と、
光ビームを発生させる光源と、
前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように入射させる入射光学系と、
前記薄膜層の上に形成された電気泳動媒体と、
この電気泳動媒体に、前記薄膜層に沿った向きで、かつ該薄膜層に対する前記光ビームの入射面と交わる向きの直流電界を印加する手段と、
前記界面で全反射した光ビームの強度を、そのビーム断面内の複数の位置毎に測定する2次元光検出手段とからなることを特徴とするものである。
【0035】
また、本発明による第2の電気泳動装置は、先に説明した反射回折光の減衰を利用して試料の屈折率変化を検出する構成を前提とするものであり、具体的には、
誘電体ブロックと、
この誘電体ブロックの一面に形成された回折格子と、
この回折格子の上に形成された薄膜層と、
前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、前記回折格子の少なくとも一部を照射するように入射させる入射光学系と、
前記薄膜層の上に形成された電気泳動媒体と、
この電気泳動媒体に、前記薄膜層に沿った向きで、かつ該薄膜層に対する前記光ビームの入射面と交わる向きの直流電界を印加する手段と、
前記回折格子で反射回折した光ビームの強度を、そのビーム断面内の複数の位置毎に測定する2次元光検出手段とからなることを特徴とするものである。
【0036】
なおより具体的に、上記薄膜層を金属膜から形成すれば前述の表面プラズモン共鳴センサからなる電気泳動装置が構成され、また該薄膜層をクラッド層および光導波層から形成すれば、前述の漏洩モードセンサからなる電気泳動装置が構成される。
【0037】
なお上記電気泳動媒体に印加される直流電界は、より好ましくは、前記薄膜層に沿った向きで、かつ該薄膜層に対する前記光ビームの入射面と直交する向きの直流電界とされる。
【0038】
また本発明の電気泳動装置においては、前記薄膜層(表面プラズモン共鳴センサを適用する場合は金属膜であり、漏洩モードセンサを適用する場合はクラッド層および光導波層)の上に、前記光ビームを透過させ得る絶縁層が形成され、この絶縁層の上に電気泳動媒体が形成されることが望ましい。
【0039】
【発明の効果】
本発明者の研究によると、特許文献4に記載の表面プラズモン共鳴センサを適用した電気泳動装置において、分析対象物質の泳動状態を高分解能で求めることが難しいという問題は、金属膜に対する光ビームの入射面と平行な向きの直流電界を電気泳動媒体に印加している点に起因していることが判明した。すなわち、このような直流電界を電気泳動媒体に印加すると、試料中の分析対象物質は当然この電界沿って泳動、分離することになるが、金属膜に入射した光はこの直流電界の向きと同じ方向(上記光ビームの入射面と平行な方向)にある程度進行するため、この方向の分解能が低くなるのである。
【0040】
この知見に基づいて本発明の電気泳動装置においては、金属膜(表面プラズモン共鳴センサを適用する場合)に対する光ビームの入射面と交わる向きの直流電界を電気泳動媒体に印加して、この向きに分析対象物質を泳動させるように構成したので、該入射面と平行な方向に光が進行することによる影響をより小さく抑えて、分析対象物質の泳動状態をより高い分解能で求めることが可能になる。特に、金属膜に対する光ビームの入射面と直交する向きの直流電界を電気泳動媒体に印加するように構成した場合は、上述のように進行する光の影響を全く無くして、この向きに関しては光の回折限界まで分解能を高めることが可能になる。
【0041】
以上、表面プラズモン共鳴センサを適用する場合に関して説明したが、漏洩モードセンサを適用する場合も同様に薄膜層(この場合は光導波層)をある程度光が進行し、それが分解能を低下させる原因になっている。そこで、漏洩モードセンサを適用して本発明の電気泳動装置を構成する場合も、電気泳動媒体に印加する直流電界の向きを上記と同様に設定すれば、同じように分解能向上の効果が得られる。
【0042】
また、本発明の電気泳動装置において、特に薄膜層の上に絶縁層が形成され、この絶縁層の上に電気泳動媒体が形成された場合は、金属膜等からなるこの薄膜層を電気泳動媒体と同等の大きさに形成しても、電気泳動媒体の一端部と他端部とにそれぞれ配される電場印加用の電極が薄膜層によって短絡する不具合が生じない。このように薄膜層を電気泳動媒体と同等の大きさに形成できれば、分析対象物質の泳動状態を、電気泳動媒体の広い範囲について検出可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0044】
図1は、本発明の第1の実施形態による電気泳動装置の側面形状を示すものであり、また図2はその一部の斜視形状を示すものである。本実施形態の装置は、一例として前述の表面プラズモン共鳴センサを適用してなるものであって、透明合成樹脂やBK7等の光学ガラスから形成されて例えばほぼ台形の断面形状を有する誘電体ブロック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる金属膜11と、この金属膜11の上に形成された透明誘電体からなる絶縁層12と、この絶縁層12の上に形成された電気泳動媒体30と、単色の光ビーム3を発するレーザ光源4と、この光源4から発散光状態で発せられた光ビーム3を平行光化した上で、上記金属膜11に向けて誘電体ブロック10に入射させる入射光学系15とを有している。
【0045】
また図1では省略してあるが、上記電気泳動媒体30の一端部、他端部にはそれぞれ負電極31、正電極32が配され、それらにはスイッチ33を介して直流電源34が接続されるようになっている。電気泳動媒体30は各種ゲル、デキストラン等から形成され、負電極31に近い位置においてその上面には、浅い溝からなる試料導入部30aが設けられている。また上記負電極31および正電極32は、金属膜11に対する光ビーム3の入射面(図1の紙面と平行な面)と直交する方向に互いに間隔を置いて配置されている。
【0046】
さらにこの電気泳動装置は、上記誘電体ブロック10と金属膜11との界面10aで全反射した光ビーム3が入射する位置に配されて、この光ビーム3の強度をそのビーム断面内に亘って2次元的に検出するCCDエリアセンサ20を有している。このCCDエリアセンサ20の出力信号は制御部24に入力され、該制御部24が後述のようにして求めた分析結果は表示手段25に表示される。
【0047】
なお界面10aに対する光ビーム3の入射角θは、臨界角以上でかつ表面プラズモンを励起させる範囲の角度とされる。そこで、光ビーム3は界面10aで全反射する。また光ビーム3は、界面10aに対してp偏光で入射させる。そのようにするためには、例えばレーザ光源4の向きを所定の向きに設定したり、あるいは光ビーム3の光路に波長板や偏光板を組み込んで、その偏光の向きを制御すればよい。
【0048】
以下、上記構成の電気泳動装置の作用について説明する。本装置により試料分析する際には、電気泳動媒体30の上面の試料導入部30aに試料が供給される。次いでスイッチ33が閉じられ、直流電源34から負電極31および正電極32を介して電気泳動媒体30に直流電界が印加される。なお電気泳動する物質は通常負に帯電しているので、本実施形態では試料導入部30aに近い方に負電極31が、遠い方に正電極32が配置されるが、その逆とされても構わない。
【0049】
電気泳動媒体30に直流電界が印加されると、試料導入部30aに供給されていた試料中の複数の分析対象物質が正電極32側に泳動する。その泳動速度は、各分析対象物質に固有であるので、所定時間が経過すると、図2に示すように複数の分析対象物質35a、35b、35c・・・が電気泳動媒体30内で分離される。
【0050】
電界印加を開始してから所定時間が経過するとレーザ光源4が点灯され、そこから発せられた光ビーム3が誘電体ブロック10内に入射する。この光ビーム3は誘電体ブロック10と金属膜11との界面10aで全反射し、誘電体ブロック10から出射してCCDエリアセンサ20に受光される。CCDエリアセンサ20は、光ビーム3の強度をビーム断面内の各位置毎に検出し、その検出光強度を示す光検出信号Sを制御部24に入力する。
【0051】
このとき、光ビーム3の界面10aに対する入射角θが適切に設定されていれば、先に図4に示したように、金属膜11上の物質の屈折率に固有の特定入射角(全反射減衰角)θSPにおいて表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ、それはCCDエリアセンサ20において、検出光強度の著しい低下として検出される。
【0052】
そして図4の曲線は、金属膜11上の物質の屈折率が変化すると、同図において左右方向に移動する形で変化する。そこで、互いに分離している上記分析対象物質35a、35b、35c・・・に応じて金属膜11の近傍の屈折率が変わることにより、全反射光の強度が変化するので、CCDエリアセンサ20の光検出信号Sに基づいて分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を求めることができる。そしてこの泳動状態から、各分析対象物質35a、35b、35c・・・を特定することもできる。制御部24は、このようにして分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を検出し、その検出結果が表示手段25に表示される。
【0053】
ここで、金属膜11に入射した光は、該金属膜11に対する入射面内で金属膜11に沿って僅かに進行する。その進む距離は、一例として金属膜11が銀から形成され、光ビーム3の波長が630nmの場合は、24μm程度である。そこで、この光が進む方向には、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態の検出の分解能を、この光の進む距離以下まで上げることはできない。
【0054】
そこで本実施形態では、負電極31および正電極32を前述の通りに配置することにより、金属膜11に対する光ビーム3の入射面と直交する向きの直流電界を電気泳動媒体30に印加して、この向きに分析対象物質35a、35b、35c・・・を泳動させるように構成したので、該入射面と平行な方向に光が進行することによる影響を無くして、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を高分解能で求めることが可能になっている。この場合は原理的に、光の回折限界まで分解能を高めることが可能である。
【0055】
また本実施形態では、金属膜11の上に光ビーム3に対して透明な絶縁層12が形成され、この絶縁層12の上に電気泳動媒体30が形成されているので、金属膜11を電気泳動媒体30と同等の大きさに形成しても、負電極31および正電極32が金属膜11によって短絡することがない。このように金属膜11を電気泳動媒体30と同等の大きさに形成できれば、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を、電気泳動媒体30の広い範囲について検出可能となる。
【0056】
なお図3に示すように、電気泳動媒体30の上面に、端部が試料導入部とされた溝30bを複数形成し、各試料導入部に互いに異なる試料を供給して、各溝30b毎に異なる試料を電気泳動させるようにしてもよい。
【0057】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態による電気泳動装置の側面形状を示すものである。なおこの図6において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。
【0058】
本実施形態の装置も一例として前述した表面プラズモン共鳴センサを適用してなるものであって、透明合成樹脂やBK7等の光学ガラスから形成されて例えばほぼ台形の断面形状を有する誘電体ブロック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)に互いに独立して形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる金属膜11と、この金属膜11の上に形成された透明誘電体からなる絶縁層12と、この絶縁層12の上に形成された電気泳動媒体30と、白色光13を発する光源14と、この光源14から発散光状態で発せられた白色光13を平行光化し、平行光となった光ビーム13Bを上記金属膜11に向けて誘電体ブロック10に入射させる入射光学系15とを有している。
【0059】
さらにこの電気泳動装置は、上記誘電体ブロック10と金属膜11との界面10aで全反射した光ビーム13Bが入射する位置に配された回折格子16と、この回折格子16を光ビーム13Bの入射角が変化する方向(矢印A方向)に回転させる回折格子駆動手段17と、回折格子16で反射回折した光ビーム13Bを収束させる集光レンズ18と、この集光レンズ18による光ビーム13Bの収束位置に配されたピンホール板19と、このピンホール板19のピンホール19aを通過した光ビーム13Bを2次元的に検出するCCDエリアセンサ20とを有している。
【0060】
上記回折格子駆動手段17の作動は、制御部24によって制御される。また上記CCDエリアセンサ20の出力信号はこの制御部24に入力され、該制御部24が後述のようにして求めた分析結果は表示手段25に表示される。
【0061】
なお界面10aに対する光ビーム13Bの入射角θは、臨界角以上でかつ表面プラズモンを励起させる範囲の角度とされる。そこで、光ビーム13Bは界面10aで全反射する。また光ビーム13Bは、界面10aに対してp偏光で入射させる。そのようにするためには、例えば光源14内に波長板や偏光板を組み込んで、白色光13の偏光の向きを制御すればよい。
【0062】
図6中では省略してあるが、電気泳動媒体30における負電極31および正電極32の配置状態は、第1の実施形態におけるのと同様とされている(図2参照)。つまり本実施形態でも、金属膜11に対する光ビーム13Bの入射面と直交する向きの直流電界を電気泳動媒体30に印加するようにしている。
【0063】
以下、上記構成の電気泳動装置の作用について説明する。図1の装置におけるのと同様にして分析対象物質を電気泳動させた後、光源14が点灯され、平行光とされた白色光である光ビーム13Bが誘電体ブロック10に入射する。この光ビーム13Bは誘電体ブロック10と金属膜11との界面10aで全反射し、誘電体ブロック10から出射して回折格子16において反射回折する。なお、このときの回折角は光ビーム13Bの波長λに応じて異なるので、光ビーム13Bは空間的に分光された状態で回折格子16から出射する。
【0064】
分光された光ビーム13Bは集光レンズ18によって集光され、その収束位置に配されたピンホール板19のピンホール19aを通過して、CCDエリアセンサ20に入射する。CCDエリアセンサ20は、光ビーム13Bの強度をビーム断面内の各位置毎に検出し、その検出光強度を示す光検出信号Sを制御部24に入力する。
【0065】
上述した通り、ピンホール板19に入射する光ビーム13Bは空間的に分光されているので、ある狭い波長領域の光のみがピンホール19aを通過することになる。そして、試料分析に際しては回折格子16が前述のように回転され、それにより、ピンホール19aを通過する光ビーム13Bの波長が掃引される。CCDエリアセンサ20は、こうして掃引される各波長毎に上記光強度を検出する。
【0066】
このとき、掃引する波長範囲が適切に設定されていれば、先に図5に示したように、ある特定の波長λSPにおいて表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ、それはCCDエリアセンサ20において、検出光強度の著しい低下として検出される。上記特定波長λSPの値は金属膜11上の物質の屈折率と一義的に対応し、そしてその屈折率は金属膜11上の分析対象物質35a、35b、35c・・・(図2参照)に応じて変わるので、上記全反射減衰が生じたときの波長λSPの値つまりは回折格子16の回転位置に基づいて、分析対象物質35a、35b、35c・・・がどの位置に存在するか、すなわちそれらの泳動状態を求めることができる。
【0067】
そこで制御部24は、光検出信号Sと、自身が制御する回折格子16の回転位置とに基づいて、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を求める。こうして制御部24が求めた分析結果は、表示手段25に表示される。
【0068】
本実施形態でも、金属膜11に対する光ビーム13Bの入射面と直交する向きに分析対象物質35a、35b、35c・・・を泳動させるように構成したので、該入射面と平行な方向に光が進行することによる影響を無くして、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を高分解能で求めることが可能になっている。
【0069】
また本実施形態でも、金属膜11の上に光ビーム13Bに対して透明な絶縁層12が形成され、この絶縁層12の上に電気泳動媒体30が形成されているので、金属膜11を電気泳動媒体30と同等の大きさに形成しても、負電極31および正電極32(図2参照)が金属膜11によって短絡することがない。このように金属膜11を電気泳動媒体30と同等の大きさに形成できれば、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を、電気泳動媒体30の広い範囲について検出可能となる。
【0070】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図7は本発明の第3の実施形態による電気泳動装置の側面形状を示すものである。この第3実施形態の装置も一例として表面プラズモン共鳴センサを適用してなるものであるが、図6に示した電気泳動装置と比べると、誘電体ブロック10に代えて、上面(金属膜11が形成される面)に回折格子71が形成された誘電体ブロック70が用いられた点が異なるものである。なお回折格子71は誘電体ブロック70の上面に凹凸を形成してなるもので、その凹凸の高さおよびピッチは、典型的にはそれぞれ数十nm、1μm程度である。
【0071】
本装置においては、光ビーム13Bが回折格子71で反射回折して折り返す。そしてこの場合も、光ビーム13Bの波長λがある特定値λSPを取るとき、回折により生じて金属膜11側に浸み出したエバネッセント光と表面プラズモンとが結合して、誘電体ブロック70側に反射回折する光ビーム13Bの強度が鋭く減衰する。そこでこの装置においても、図6の装置と同様にして、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を求めることができる。
【0072】
なお図7中では省略してあるが、電気泳動媒体30における負電極31および正電極32の配置状態は、第1および第2の実施形態におけるのと同様とされている(図2参照)。こうして本実施形態でも、金属膜11に対する光ビーム13Bの入射面と直交する向きに分析対象物質35a、35b、35c・・・が泳動するようになっており、それにより、該入射面と平行な方向に光が進行することによる影響を無くして、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を高分解能で求めることが可能になっている。
【0073】
また本実施形態でも、金属膜11の上に光ビーム13Bに対して透明な絶縁層12が形成され、この絶縁層12の上に電気泳動媒体30が形成されているので、金属膜11を電気泳動媒体30と同等の大きさに形成しても、負電極31および正電極32(図2参照)が金属膜11によって短絡することがない。このように金属膜11を電気泳動媒体30と同等の大きさに形成できれば、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を、電気泳動媒体30の広い範囲について検出可能となる。
【0074】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図8は本発明の第4の実施形態による電気泳動装置の側面形状を示すものである。この第4実施形態の装置は先に説明した漏洩モードセンサを適用してなるものであり、図6に示した電気泳動装置と比べると、金属膜11に代えて、誘電体ブロック10の上面にクラッド層80および光導波層81がこの順に形成されている点が異なるものである。
【0075】
誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やBK7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラッド層80は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層81は、クラッド層80よりも高屈折率の誘電体、例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド層80の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5nm、光導波層81の膜厚は、例えばPMMAから形成する場合で700nm程度とされる。
【0076】
上記構成の電気泳動装置において試料分析する際には、電気泳動媒体30において分析対象物質を電気泳動させた後、光ビーム13Bを誘電体ブロック10を通してクラッド層80に対して臨界角以上の入射角で入射させる。このとき、該光ビーム13Bが誘電体ブロック10とクラッド層80との界面10cで全反射するが、クラッド層80を透過して光導波層81に入射した特定波長の光は、該光導波層81を導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層81に取り込まれるので、上記界面10cで全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
【0077】
光導波層81における導波光の波数は、該光導波層81の上の物質の屈折率に依存し、そしてその屈折率は光導波層81の上に存在する分析対象物質35a、35b、35c・・・(図2参照)に応じて変わるので、上記全反射減衰が生じたときの波長λSPの値つまりは回折格子16の回転位置に基づいて、分析対象物質35a、35b、35c・・・がどの位置に存在するか、すなわちそれらの泳動状態を求めることができる。
【0078】
そこで制御部24は、光検出信号Sと、自身が制御する回折格子16の回転位置とに基づいて、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を求める。こうして制御部24が求めた分析結果は、表示手段25に表示される。
【0079】
本実施形態でも、光導波層81に対する光ビーム13Bの入射面と直交する向きに分析対象物質35a、35b、35c・・・を泳動させるようにしたので、該入射面と平行な方向に光が進行することによる影響を無くして、分析対象物質35a、35b、35c・・・の泳動状態を高分解能で求めることが可能になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による電気泳動装置を示す概略側面図
【図2】図1の装置の一部を示す斜視図
【図3】図1の装置に用いられ得る電気泳動媒体の別の例を示す平面図
【図4】表面プラズモン共鳴センサにおける測定光入射角と検出光強度との関係を示すグラフ
【図5】表面プラズモン共鳴センサにおける測定光波長と検出光強度との関係を示すグラフ
【図6】本発明の第2の実施形態による電気泳動装置を示す概略側面図
【図7】本発明の第3の実施形態による電気泳動装置を示す概略側面図
【図8】本発明の第4の実施形態による電気泳動装置を示す概略側面図
【符号の説明】
3、13B 光ビーム
4 レーザ光源
10、70 誘電体ブロック
10a 誘電体ブロックと金属膜との界面
10c 誘電体ブロックとクラッド層との界面
11 金属膜
12 絶縁層
13 白色光
13B 光ビーム
14 白色光源
15 入射光学系
16 回折格子
17 回折格子駆動手段
18 集光レンズ
19 ピンホール板
20 CCDエリアセンサ
24 制御部
25 表示手段
30 電気泳動媒体
31 負電極
32 正電極
34 直流電源
71 回折格子
80 クラッド層
81 光導波層

Claims (6)

  1. 誘電体ブロックと、
    この誘電体ブロックの一面に形成された、該誘電体ブロックよりも低屈折率の薄膜層と、
    光ビームを発生させる光源と、
    前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように入射させる入射光学系と、
    前記薄膜層の上に形成された電気泳動媒体と、
    この電気泳動媒体に、前記薄膜層に沿った向きで、かつ該薄膜層に対する前記光ビームの入射面と交わる向きの直流電界を印加する手段と、
    前記界面で全反射した光ビームの強度を、そのビーム断面内の複数の位置毎に測定する2次元光検出手段とからなる電気泳動装置。
  2. 誘電体ブロックと、
    この誘電体ブロックの一面に形成された回折格子と、
    この回折格子の上に形成された薄膜層と、
    前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、前記回折格子の少なくとも一部を照射するように入射させる入射光学系と、
    前記薄膜層の上に形成された電気泳動媒体と、
    この電気泳動媒体に、前記薄膜層に沿った向きで、かつ該薄膜層に対する前記光ビームの入射面と交わる向きの直流電界を印加する手段と、
    前記回折格子で反射回折した光ビームの強度を、そのビーム断面内の複数の位置毎に測定する2次元光検出手段とからなる電気泳動装置。
  3. 前記薄膜層が金属膜からなることを特徴とする請求項1または2記載の電気泳動装置。
  4. 前記薄膜層が、前記誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層および、さらにその上に形成された光導波層からなることを特徴とする請求項1または2記載の電気泳動装置。
  5. 前記電気泳動媒体に印加される直流電界が、前記薄膜層に沿った向きで、かつ該薄膜層に対する前記光ビームの入射面と直交する向きの直流電界であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の電気泳動装置。
  6. 前記薄膜層の上に、前記光ビームを透過させ得る絶縁層が形成され、この絶縁層の上に前記電気泳動媒体が形成されていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の電気泳動装置。
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