JP3999360B2 - 移動ipシステムの移動端末及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は移動IPシステムの移動端末及び記録媒体、更に詳しくはクライアントの移動先から移動IPプロトコルを実現するための移動IPシステムの移動端末及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、計算機(PC,WS)の小型・軽量化による電池駆動が実現し、またインターネットの発達等に伴う通信インフラストラクチャの整備が進んできている。これにより、例えばあるネットワーク(ホームネットワーク)で使用する計算機(移動端末)を他のネットワークに移動させ、インターネット等を介してホームネットワークに接続して使用することも可能となっている。
【0003】
ここで、移動端末の接続場所が変化した場合でも、その移動端末があたかもホームネットワークに接続されているかのように他の計算機からアクセスでき、また他の計算機に対しても同じ計算機環境でアクセスできるようにするために、移動IPプロトコルが開発されている。
【0004】
この移動IPプロトコルはIETFに準拠するものであり、移動IPプロトコルを実現するシステムを移動IPシステムという。移動IPシステムでは、移動端末の移動時にホームネットワークに流される通信相手からの移動端末宛パケットをホームエージェントサーバが代理受信する。そして、このパケットがホームエージェントから当該移動端末の移動先に転送されることで上記環境が実現されることになる。
【0005】
ところで、上記移動IPプロトコルを実現したときのシステム構成には種々の形態が考えられる。この中でもNCG(ネットワーククリプトゲート)システムといわれるものがある。このNCGシステムを例にとって、移動IPシステムについて具体的に説明する。
【0006】
NCGシステムでは、まず端末が移動すると、当該移動端末はホームネットワーク上に存在するホームエージェント宛に自己が移動した旨、並びに移動先で新たに取得した気付けアドレスを通知する。こうしてホームエージェントに移動の登録を行うことで、上記代理受信及び移動先へのパケット転送が行われるようになる。
【0007】
ここで、移動後の移動端末に対し、パケット送信したい通信相手があった場合、その通信相手は移動端末がどこに移動したか知らないため、移動前と同様に移動端末のホームアドレス宛に通信パケットを送ってくる。このパケットは一旦ホームネットワークまで届けられ、ホームエージェントがそのパケットを横取りして、移動先へ転送する。
【0008】
この転送の際に、ホームエージェントから移動端末宛への新たなIPヘッダが、通信相手からのパケットの外側に付加される。こうしてカプセリングされたパケットが送信される。移動端末側では付加されたIPヘッダを取り去った後、元のパケットを処理する。
【0009】
また移動先の端末から通信相手へのパケットはホームアドレスを送信元アドレスとして直接送信される。この結果、NCGシステムにおける移動端末と任意の通信相手との通信は、常にホームエージェントを経由した三角経路で行われることとなる。この場合、通信相手〜ホームエージェント、ホームエージェント〜移動先の端末、移動先の端末〜通信相手がこの三角形の各辺である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、移動端末が移動IPプロトコルを実現して、上記移動IPシステムに対応できるようにするためには、例えば従来のIPプロトコル処理部(IP処理部ともいう)に変更を加え、端末上で移動IP機能を認識し処理するように変更する必要がある。
【0011】
しかしながら、既存のIPプロトコル処理部に変更を加えたのでは、システムの他の部分との整合性を取るのが困難な場合がある。また、例えば移動IPプロトコルに対応していない計算機を、移動IPシステム用の移動端末に改造しようとする場合、従来のIPプロトコル処理部自体を変更するやり方は簡便な方法とはいえない。
【0012】
したがって、より効率的かつ融通性のある移動IPプロトコルの実現手段が求められている。
一方、移動端末が移動IPプロトコルを用いて移動した場合、通信経路が常にホームエージェントを経由した冗長な三角経路となっていることから問題を生じることもある。
【0013】
すなわち移動IPプロトコルでは、移動した先でもあたかもホームネットワーク上に接続されているかのようにアクセスできるという利便性を提供する代わりに、冗長な三角経路によるオーバヘッドの増大を生じているのである。
【0014】
ここで移動端末が上記したような通信相手と通信する場合には、移動IP機能が十分に生かされており、利便性の大きさがオーバヘッドの増大に勝っているといえる。
【0015】
しかし、例えば移動先のネットワークに接続されたプリンタなどのローカル資源にアクセスする場合は、通信の効率が極めて悪いものとなる。この場合は、物理的には同一ネットワークに接続されているにもかかわらず、通信は常にホームネットワークを経由しなければならない。したがって、通信オーバヘッドの増大は無視できないものである。
【0016】
また、移動端末はホームネットワークのアドレスで他の計算機にアクセスすることから、移動先のシステム環境によってはネームサービス等の各種サービスが利用できない場合もある。
【0017】
このような問題を回避し直接移動先の計算機やプリンタ等のローカル資源にアクセスするためには、移動先で移動IPプロトコルを使用せずに、移動端末がその移動先ネットワークに属するクライアントとなればよい。しかし、そのためには移動端末自体のIPアドレスの変更が必要であり、端末計算機の再立ち上げを行わなければならない。また、端末のIPアドレスを変更すると、移動前の環境でのアクセスはできなくなってしまう。
【0018】
本発明は、このような実情を考慮してなされたもので、その第1の目的は、移動IPプロトコルを用いて移動先ネットワークにて通信する場合に、既存IPプロトコル処理部に変更を加えることなく移動IP機能を実現できる移動IPシステムの移動端末及び記録媒体を提供することにある。
【0019】
第2の目的は、移動IP機能を確保しつつも、移動先ネットワークのローカル資源に対してアクセスする場合には、ホームエージェントを介することなく直接通信することを可能として三角経路のオーバヘッドを削減できる移動IPシステムの移動端末及び記録媒体を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明は、移動IPプロトコルに対応した処理を行う移動IPシステムに用いられる移動端末についてなされたものである。
【0021】
この端末においては、移動IPプロトコルを実現する移動IP処理部が設けられるとともに、この移動IP処理部がIPプロトコルの処理を行うIP処理部の下位に配置されている。
【0022】
したがって、IP処理部における移動IPプロトコル処理機能を不要とし、移動IPプロトコルを用いて移動先ネットワークにて通信する場合に、既存のIPプロトコル処理部に変更を加えることなく移動IP機能を実現することができる。
【0023】
次に、第2の発明は、移動IPプロトコルに対応した処理を行う移動IPシステムに用いられる移動端末についてなされたものである。この移動端末には、送受信パケットに対し、移動IPプロトコルに対応した処理を行う第1の処理部と、送信パケットの送信元アドレスを移動先のネットワークで取得したアドレスに入れ替えるとともに、受信パケットの送信先アドレスを移動前のホームアドレスに入れ替えることで、下位処理部分に対しては移動先のネットワークに属する端末であるように見せかける第2の処理部とが設けられている。
【0024】
そして、送受信パケットに対する処理は、第1及び第2の処理部と間で切り替え可能に構成されている。
したがって、移動IP機能を確保しつつも、移動先ネットワークのローカル資源に対してアクセスする場合には、ホームエージェントを介することなく直接通信することを可能として三角経路のオーバヘッドを削減することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(発明の第1の実施の形態)
図1は本発明の実施の形態に係る移動端末を適用する移動IPシステムの一例を示す構成図である。
【0030】
この移動IPシステムは、NCGシステムとして構成されるものであり、ホームネットワークとしてのネットワークAにホームエージェントサーバ1、当該ネットワークに所属するクライアントである移動端末2、その他図示しない管理サーバ等が接続されている。このネットワークAは、ルータ3を介してインターネット4に接続され、さらにネットワークB,C等の他のネットワークに接続されている。
【0031】
ここでネットワークCには、移動端末2の通信相手となるクライアント5が設けられている。また、ネットワークBは、本実施形態において移動端末2が移動する訪問ネットワークであり、プリンタ6やDHCPサーバ7等のハードウエア資源が設けられたものである。
【0032】
移動端末2は、IPプロトコルを処理するIP処理部を備えたIPネットワーク用のシステムであり、携帯用のパーソナルコンピュータやワークステーション等からなる。移動端末2はネットワークAに属する固有のIPアドレスN(以下、単にホームアドレスともいう)を有している。
【0033】
このIPアドレスNはネットワークAに対応したIPアドレスであり、端末の移動後も変更されることはない。すなわちIP処理部は、常に、自己にIPアドレスNが割り当てられたものとして動作する。また、移動端末2には、移動IPプロトコルに対応する処理部を備え、ネットワークAからネットワークBへの移動があってもホームエージェントサーバ1を介する通信が可能となっている。
【0034】
なお、図1に示すように、ホームエージェントサーバ1にはIPアドレスHA、ネットワークBへ移動後の移動端末2には気付けIPアドレス(以下、単に気付けアドレスともいう)CoA、クライアント5にはIPアドレスCH、プリンタ6にはIPアドレスPが割り当てられている。
【0035】
ここで本実施形態におけるポイントの一つは、移動端末2にていかに移動IPプロトコルを実現させるかということであり、その手法が図2に示されている。
図2は本実施形態の移動端末のシステム構成例を示す図である。
【0036】
同図(a)及び(b)に示すように、移動端末のシステムは、上位から下位に向けて順に、アプリケーションやOS(オペレーティングシステム)からなる上位処理部分11、ソケットI/F12、TCP/IP処理部13、IP処理部14、移動IP処理部15、デバイスドライバ16及びハードウエア17が設けられることで構成されている。
【0037】
この移動端末2の特徴は、IP処理部14と一般的なデバイスドライバ16との間に移動IP処理部15が挿入されることで、移動IPプロトコルが実現されていることである。すなわちIP処理部14自体には移動IPプロトコルに対応する変更が加えられることはない。
【0038】
IP処理部14は、移動端末2の移動にかかわらず常にホームネットワークで取得したIPアドレスNを保持し通常のIPプロトコルを処理する。これにより、当該IP処理部14より上位のレベルでは、IPプロトコルに関する処理はすべてホームアドレスNを用いて実行される。
【0039】
移動IP処理部15は、移動端末2がホームネットワーク以外のネットワークに移動したときには移動先のネットワーク情報を保持し、移動IPプロトコルに関する処理,すなわち移動IP機能を実現する。また、IPアドレスの変換等の処理を行って、ネットワーク移動に伴う状態変更を全て吸収し、IP処理部14に対してその状態変更(端末移動)を意識させないようにしている。
【0040】
なお、図2(a)は、OSとしてUNIX等を用いた場合の構成例であり、図2(b)は、OSとしてウインドウズ等を用いた場合の構成例である。ここで図2(b)に示す移動IP処理部15では、IP処理部14の出力を一旦擬似デバイスドライバ15aで受け、これを移動IP処理本体15bに引き渡して実態的な処理を行う。
【0041】
次に移動IP処理部15のより具体的な構成について説明する。
図3は本実施形態の移動端末の一例を示すブロック構成図である。
同図に示すように移動IP処理部15は、入力スイッチ21,カプセリング処理部22,アドレス変換部23,出力スイッチ24及び移動IP管理部25から構成されている。
【0042】
ここでまず入力スイッチ21は、移動IP管理部25からの指示に従って送信パケットを処理すべき処理部として、カプセリング処理部22又はアドレス変換部23を選択する。
【0043】
カプセリング処理部22は、移動IP管理部25から気付けアドレスを取得し、移動IPプロトコルのカプセリング処理(デカプセリング処理)を行う。
アドレス変換部23は、移動IP管理部25から気付けアドレスを取得し、これを用いて移動先の計算機等に直接パケットを送信する場合のアドレス変更及びパケット再構成を行う。
【0044】
出力スイッチ24は、移動IP管理部25からの指示に従って受信パケットを処理すべき処理部として、カプセリング処理部22又はアドレス変換部23を選択する。
【0045】
図4は本実施形態の移動IP管理部の構成例を示すブロック図である。
移動IP管理部25は、移動IP処理の状態を管理し、デフォルトルート情報等を管理する。具体的には図4に示すように、気付アドレス等取得部31,気付アドレス等格納部32,移動IP登録部33,振分設定情報格納部34及び入力スイッチ切替指示部35とからなっている。
【0046】
これらの構成によって、移動IP管理部25には、気付けIPアドレスCoAや必要なMACアドレス,その他の移動先で必要な情報を取得し、入力スイッチ21,カプセリング処理部22,アドレス変換部23及び出力スイッチ24に提供する機能と、これらの取得情報及びホームネットワークの情報から自己のホームエージェントサーバ1に移動登録を行う機能とが設けられている。
【0047】
ここでまず気付アドレス等取得部31は、DHCPサーバ7やDNSサーバ等に依頼し、気付けIPアドレス等を格納して気付アドレス等格納部32に格納する。気付アドレス等格納部32には、気付IPアドレス等の移動先で必要な情報やホームネットワークでのIPアドレス等の移動元での情報を格納する。
【0048】
移動IP登録部33は、移動端末2がホームネットワーク以外のネットワークに移動したときに、気付アドレス等格納部32に格納された情報を用いてホームエージェントサーバ1に対する移動登録を行う。
【0049】
振分設定情報格納部34は、図3に示す指示インターフェース18を介して発信パケットの振り分け設定情報を格納する。このパケット振り分け設定情報は、移動端末2が他ネットワークに移動した場合に、その送信パケットの送信元アドレスに気付けアドレスを付けるか、ホームアドレスを付けるかの判定基準となる情報である。この情報は、端末移動後に使用者の判断により、あるいは取得されたローカル資源についての情報に基づき自動的に振分設定情報格納部34に設定される。
【0050】
入力スイッチ切替指示部35は、振り分け設定情報を入力スイッチ本体36に与え、同入力スイッチ本体36に送信パケットの振り分けを実行させる。
なお、図4においては、振分設定情報格納部34及び入力スイッチ切替指示部35は、入力スイッチ21及び移動IP管理部25の双方に共通する構成として示されている。これは指示インターフェース18からの設定情報が管理部としての移動IP管理部25を経由することを示すもので、実態的な構成はいずれに属していてもよい。また、振分設定情報格納部34及び入力スイッチ切替指示部35を完全に移動IP管理部25のみに属する構成とし、入力スイッチ21から必要な設定情報を問い合わせるような構成としてもよい。
【0051】
次に、以上のように構成された本実施形態における移動IPシステムの移動端末の動作を説明する。
図1において、例えばネットワークAがある会社の支社に設置されており、またネットワークBはその会社の本社に設けられているとする。
【0052】
移動端末2の所持者は出張等で本社に出向き、当該端末2をネットワークBに接続したとする。
移動端末2では移動が検知され、もしくは利用者から移動したことがを通知されると、気付アドレス等取得部31からDHCPパケットが出力され、当該ネットワークBにおける気付けIPアドレスCoAが取得される。
【0053】
この気付IPアドレスは移動IP管理部25の気付アドレス等格納部32に設定され、ホームエージェントサーバ1への移動登録送信やカプセル化処理に使用される。また移動IP管理部32の気付アドレス等格納部32には、気付けアドレスだけでなくデフォルトゲートウェイアドレスやデフォルトのネームサービスのサーバアドレス等が設定される。これらの情報は気付アドレス等取得部31により自動で、もしくは手動で取得され登録される。
【0054】
ネットワークBにて必要な各種情報が取得されると、移動IP管理部25の移動IP登録部33により、ネットワークAのホームエージェントサーバ1に対して気付けアドレスCoAが送付され移動登録がなされる。
【0055】
この移動登録後、移動端末2におけるパケット送受信については、通常はカプセリング処理部22が動作して移動IPプロトコルの処理が行われる。このときIP処理部14から見ると、移動IP処理部15が擬似的なデフォルトゲートウェイとして動作し、IP処理部14より上位には移動端末2が移動したことが認識されないこととなる。
【0056】
例えばネットワークCのクライアント5にパケット送信する場合や、当該クライアント5からのパケットがホームエージェントサーバ1で代理受信されて転送されてきたような場合には、カプセリング処理部22にて移動IPプロトコルに対応した処理が施される。これにより、NCGシステムにおける三角通信経路が確保される。
【0057】
上位(指示インターフェース18)からの指示により、移動先の計算機への直接アクセスが要求された場合、入力スイッチ21が切り替わり、パケット処理はアドレス変換部23により行われる。なお、この指示情報は振り分け設定情報として振分設定情報格納部33に管理されている。このときアドレス変換部23では送信パケットの送信元アドレスが端末のホームアドレスから気付けアドレスに変更され、チェックサムなどの再計算が行われる。
【0058】
また受信パケットの処理は、通常はカプセリング処理部22で処理される移動IPプロトコル対応モードとなっている。しかし、上位(指示インターフェース18)からの指定があった場合には、受信したパケットの状態によりカプセリング処理部22へか、アドレス変換部23へかが振り分けられる自動振り分けモードとなる。
【0059】
この場合、受信パケットにホームエージェントによるカプセル化が施されていればカプセリング処理部22に渡され通常の移動IPパケットの処理が行われる。
【0060】
一方、カプセリングされておらずかつ宛先アドレスが気付けアドレスであった場合には、宛先アドレスが気付けアドレスからホームアドレスNに変換されてIP処理部14に渡される。このときは、移動先のローカルな計算機等からの送信パケットが、冗長な三角経路を通ることなく移動端末2に直接着信する。
【0061】
以上の処理について図1、図3及び図5を用いて具体的に説明する。
図5は移動後の移動端末と他ネットワーク上の通信相手との通信及び移動端末とその移動ネットワーク上のローカル資源との通信について説明する図である。
【0062】
まず同図(a)に示すように、移動端末2からネットワークC上のクライアント5へのパケット送信を説明する。
まず、IP処理部14から移動端末2のホームアドレスNを送信元アドレスとし、クライアント5のIPアドレスCHを送信先アドレスとしたパケットが出力される(図5:a1)。
【0063】
このパケットは入力スイッチ21によりカプセリング処理部22に送られ、当該カプセリング処理部22からそのままの送受信アドレスでネットワークBからクライアント5に送信される(図5:a2)。クライアント5では、この受信パケットの送信元アドレスを見てネットワークAの移動端末2からパケットを受け取ったと認識する。
【0064】
次に、図5(b)に示すように、このクライアント5が移動端末2に返信する場合を考える。
この場合、クライアント5からは、移動端末2のホームアドレスNを送信先アドレスとしたパケットが送出され、当該パケットはネットワークAに到着する(図5:b1)。
【0065】
ネットワークAの伝送路上に流された上記パケットは、ホームエージェントサーバ1により代理受信される。さらに送信元アドレスHAをホームエージェントとし、送信先アドレスCoAをネットワークB上の移動端末Bの気付けアドレスとしたパケットが作成され送出される(図5:b2)。なお、先に代理受信されたパケット部分はカプセル化され暗号化されている。
【0066】
ホームエージェントからネットワークBに送信されたパケットは、移動端末2に受信され、ホームエージェントからの転送パケットであることが検知される。これにより出力スイッチ24からカプセリング処理部22に振り分けられる。そして、カプセリング処理部22でカプセル化されたオリジナルのパケット(代理受信前のパケット)が取り出され、IP処理部14に引き渡される。
【0067】
したがって、IP処理部14からすれば、ネットワークAに接続されている場合と同一状態のパケットを受け取ることになる。
以上は、移動IPプロトコルが実現された場合の処理であるが、次に、ネットワークB上のプリンタ6と通信する場合について図5(c)及び(d)を用いて説明する。
【0068】
まず、IP処理部14からは、ホームアドレスNを送信元として、プリンタ6のIPアドレスPが送信先として付された送信パケットが出力される(図5:c1)。
【0069】
この場合は、当該プリンタ6に送信するときはアドレス変換をするように振り分け設定情報格納部34に情報設定されているとする。この設定情報に基づき、上記パケットは入力スイッチ21によりアドレス変換部23に振り分けられる。
【0070】
パケットはアドレス変換部23により送信元アドレスをCoAとするように再構成され、プリンタ6に送出される(図5:c2)。
このパケットを受け取ったプリンタ6では、必要に応じ、移動端末2にパケット送信を行う。プリンタ6は、送信元アドレスをCoAとしてパケット受信しているので、このアドレスCoAに対して返信する。したがって、当該パケットは、送信元アドレスをPとし、送信先アドレスをCoAとなるように作成され送出される(図5:d1)。
【0071】
このパケットは、ネットワークBの伝送路上で移動端末2により直接受信される。そして、その送信元受信先アドレスによりホームエージェントからの送信ではないと出力スイッチ24により判断され、アドレス変換部23に割り振られる。
【0072】
割り振られたパケットは、アドレス変換部23によって、その送信先アドレスがNになるように再構成され、IP処理部14に引き渡される(図5:d2)。こうして、IP処理部14ではネットワークAに接続されているのと同一環境で処理が実行できる。
【0073】
上述したように、本発明の実施の形態に係る移動IPシステムの移動端末は、移動IP処理部15をIP処理部14と別途に設け、これをIP処理部14とデバイスドライバ16の間に挿入して移動IPプロトコルを実現するようにしたので、移動IPプロトコルを用いて移動先ネットワークにて通信する場合に、既存のIPプロトコル処理部分に変更を加えることなく簡便に移動IP機能を実現させることができる。
【0074】
また、本実施形態の移動端末は、移動IP処理部15に、カプセリングによる移動IP処理を実行するカプセリング処理部22とアドレス変換により移動先の資源に直接アクセスする処理を実行するアドレス変換部23とを設け、これらの処理を切り替えるようにしたので、当該移動端末2を移動させた場合でも、移動前と同様な環境で他の計算機にアクセスできるという移動IPの利点を保持しつつ、移動先のローカル資源に対しては冗長な三角経路を取ることなく直接通信が行えるようにすることができる。したがって、かかる場合の通信オーバーヘッドの増大を削減することができる。
【0075】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
例えば実施形態では移動IP処理を移動端末本体上のソフトウェア処理で実現するようにしているが、本発明はこのような場合に限られるものではない。例えば移動IP処理部15の移動IP機能をLANボードやLANカードのなどのハードウェアで実現するようにしてもよい。
【0076】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含むものである。本装置を実現する計算機は、記憶媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。
【0077】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、移動IPプロトコルを用いて移動先ネットワークにて通信する場合に、既存IPプロトコル処理部に変更を加えることなく移動IP機能を実現できる移動IPシステムの移動端末及び記録媒体を提供することができる。
【0078】
また本発明によれば、移動IP機能を確保しつつも、移動先ネットワークのローカル資源に対してアクセスする場合には、ホームエージェントを介することなく直接通信することを可能として三角経路のオーバヘッドを削減できる移動IPシステムの移動端末及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動端末を適用する移動IPシステムの一例を示す構成図。
【図2】同実施形態の移動端末のシステム構成例を示す図。
【図3】同実施形態の移動端末の一例を示すブロック構成図。
【図4】同実施形態の移動IP管理部の構成例を示すブロック図。
【図5】移動後の移動端末と他ネットワーク上の通信相手との通信及び移動端末とその移動ネットワーク上のローカル資源との通信について説明する図。
【符号の説明】
1…ホームエージェントサーバ
2…移動端末
3…ルータ
4…インターネット
5…クライアント
6…プリンタ
7…DHCPサーバ
11…上位処理部分
12…ソケットI/F
13…TCP/IP処理部
14…IP処理部
15…移動IP処理部
16…デバイスドライバ
17…ハードウエア
18…指示インターフェース
21…入力スイッチ
22…カプセリング処理部
23…アドレス変換部
24…出力スイッチ
25…移動IP管理部
31…気付アドレス等取得部
32…気付アドレス等格納部
33…移動IP登録部
34…振分設定情報格納部
35…入力スイッチ切替指示部
36…入力スイッチ本体
A,B,C…ネットワーク
Claims (2)
- 移動IPプロトコルに対応した処理を行う移動IPシステムに用いられる移動端末であって、
移動先のネットワークのハードウェア資源に関連する振り分け設定情報を格納する振分設定情報格納手段と、
送受信パケットに対し、前記移動IPプロトコルに対応した処理を行う第1の処理部と、
送信パケットの送信元アドレスを移動先のネットワークで取得したアドレスに入れ替えるとともに、受信パケットの送信先アドレスを移動前のホームアドレスに入れ替えることで、
移動先のネットワークに属する端末であるように見せかける第2の処理部と、
送受信パケットに対する処理を前記第1及び第2の処理部の何れで処理するかについて、前記振り分け設定情報に基づいて切り替える切替手段と、
を備えたことを特徴とする移動IPシステムの移動端末。 - 移動IPプロトコルに対応した処理を行う移動IPシステムに用いられる移動端末を制御するプログラムであって、
移動先のネットワークのハードウェア資源に関連する振り分け設定情報を格納する振分設定情報格納手段、
送受信パケットに対し、前記移動IPプロトコルに対応した処理を行う第1の処理部、
送信パケットの送信元アドレスを移動先のネットワークで取得したアドレスに入れ替えるとともに、受信パケットの送信先アドレスを移動前のホームアドレスに入れ替えることで、移動先のネットワークに属する端末であるように見せかける第2の処理部、
送受信パケットに対する処理を前記第1及び第2の処理部の何れで処理するかについて、前記振り分け設定情報に基づいて切り替える切替手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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