JP3999055B2 - 信号検出処理回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光信号を電気信号に変換して検出し、その電気信号に増幅および周波数帯域制限等の処理をする信号検出処理回路に関し、特にバーコード記号等を読み取る光学的情報読取装置の性能を向上させるのに適した信号検出処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光信号を電気信号(アナログ信号)に変換して検出し、その電気信号に増幅や帯域制限などの信号処理を行なう信号検出処理回路が、各種の光信号受信器や検知器など多種多様な装置の入力部に広く使用されている。
ところで、光信号を電気信号に変換する場合、環境条件や光信号の大きさに応じて電気信号の振幅が大きく変化する。例えば、光反射率の異なる部分を有するバーコード記号を光学的に読み取って電気信号に変換するバーコードスキャナ等の光学的情報読取装置の場合、光信号を光電変換した電気信号の振幅は、例えばバーコード記号の白いバー(スペース)の幅が広ければ大きくなり、狭ければ小さくなるが、さらに、照明の強さや窓から入射する自然光の状況、人影などの環境条件や、読み取り距離などによって大きく変化する。
【0003】
このような振幅差が激しい電気信号(以下、単に「信号」と云う)を一般的な定利得の増幅器で増幅した場合、振幅が小さい信号は充分な振幅レベルにまで増幅されず、振幅が大きい信号は飽和してしまうことがあり、増幅回路以降で行うデジタル信号処理などを正確に行えなくなる恐れがある。
そこで、従来からこのような電気信号を増幅する増幅回路には、その増幅出力信号の振幅に応じて増幅の利得を制御する自動利得制御(Auto Gain Control:AGC)を行い、増幅出力信号の振幅があまり変動しないようにしている。
ここで、バーコードスキャナに使用されている従来の信号検出処理回路の構成例を図8にブロック図で示す。
【0004】
この信号検出処理回路100は、光信号を入力してアナログの電気信号に変換する信号変換部110と、その電気信号を増幅する増幅部120と、その増幅部120で増幅された電気信号のうち所定周波数以下の低域成分の信号だけを通過させて出力するローパスフィルタ130と、その出力信号に応じて増幅部120における増幅の利得を制御する自動利得制御(AGC)部140とからなる。
【0005】
信号変換部110に入力する光信号は、バーコードスキャナがLEDやレーザビーム発生器等の発光体からバーコードに向けて照射した光の反射光である。信号変換部110は、その光信号を受光して電流信号に変換するフォトダイオード(PD)などの光電変換素子111と、その電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換部(以下、「I/V変換部」と云う)112とからなり、入力された光信号を電気信号(電圧信号)に変換する。その電圧信号を増幅部120で増幅し、ローパスフィルタ130によって高域成分を除去した後、アナログの出力信号として出力する。
【0006】
増幅部120は、前置増幅器121と可変利得増幅器(AGCアンプ)122からなる。AGCアンプ122の利得は自動利得制御部140によって生成される制御信号Scに応じて変化する。
その自動利得制御部140は、ローパスフィルタ130の出力部から分岐してAGCアンプ122に帰還する閉ループ型の制御系であり、ピーク値検出器141と比較器142と基準レベル設定回路143とからなる。
ピーク値検出器141は、ローパスフィルタ130の出力信号の振幅のピーク電圧(ピーク値)を検出してある時定数で保持し、それを比較器142が基準レベル設定回路143によって設定された基準電圧値と比較し、その比較結果に応じた制御信号Scを出力してAGCアンプ122の利得を制御する。
【0007】
この場合の比較器142は差動増幅器の機能を持ち、ピーク値Vpと基準電圧値Vsとの差に応じた制御信号Scを出力し、それをAGCアンプ122の制御端子に入力させる。その制御信号Scは、Vp>Vsのときは正、Vp=Vsのときは0、Vp<Vsのときは負となる。AGCアンプ122ではこの制御信号Scと反比例するように増幅の利得を可変する。すなわち、出力信号の振幅が小さくなると、ピーク値Vpが基準電圧値Vsより小さくなるので制御信号Scが負になり、AGCアンプ122の利得が大きくなる。逆に、出力信号の振幅が大きくなると、ピーク値Vpが基準電圧値Vsより大きくなるので制御信号Scが正になり、AGCアンプ122の利得が小さくなる。それによって、出力信号の平均的な振幅をほぼ一定にする。
バーコードスキャナでは、この信号検出処理回路100の出力信号(アナログの電気信号)を、次のデジタル処理回路によってA/D変換してデジタル信号にし、それをデコードしてバーコード記号を読み取る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような信号検出処理回路100における信号変換部110は多数の電子素子で構成されるので、その電子素子が持つ寄生容量や寄生インダクタンスなどによる分布定数がここで行う信号処理に影響を与えてしまう。特に、入力する光信号が小さいときにその影響は強く出てしまう。
したがって、このような従来の信号検出処理回路を用いたバーコードスキャナでは、入力する光信号が小さいとき(暗い場所で使用するときなど)には、光電変換素子であるフォトダイオード(PD)や、I/V変換部の抵抗素子のような入力部周辺の電子素子の寄生容量等の分布定数の影響が大きくなり、バーコード記号の読取深度(レンズの焦点位置からの読み取り可能なずれ量)が低下してしまうという問題があった。
さらに、空気中を伝送する光信号は伝送距離の二乗に反比例して減衰するため、従来はバーコードスキャナが正確に読み取り動作可能なバーコードとの距離(読取距離)を伸ばすことができなかった。レンズ光学系にもよるが、読取距離を400mm以上にするのは困難であった。
【0009】
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、光信号を入力して電気信号に変換して処理する信号検出処理回路において、その使用環境や回路内部の分布定数の影響を少なくして出力信号のS/N比を向上させることを、従来の回路構成を大幅に変更することなく、比較的単純な回路構成で、低コストで実現することを目的とする。
特に、バーコードスキャナ等の光学的情報読取装置に適用することにより、バーコード等からの光信号の入力が小さくても精度良くそのバーコード記号を読み取れるようにし、バーコードスキャナの読取距離および読取深度を延ばすことも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、光信号を入力して電気信号に変換する信号変換部と、その電気信号を増幅する増幅部と、その増幅部で増幅された電気信号のうち所要周波数帯域の信号を通過させて出力する電気的フィルタと、その電気的フィルタもしくは増幅部の出力信号に応じて該増幅部の利得を制御する自動利得制御部とからなる信号検出処理回路において、上記の目的を達成するため、上記信号変換部が、光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、その光電変換素子によって変換された電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換部とからなり、その電流/電圧変換部がディエンファシス回路を兼ねており、上記電流信号を電圧信号に変換する際にノイズを多く含む高域成分を減少させる。
そして、上記電流/電圧変換部によって高域成分を減少させて変換された電圧信号を増幅する上記増幅部もしくは該増幅部と前記電気的フィルタとの間に、上記増幅部の出力信号の高域成分を増加させるエンファシス回路を設けたものである。
【0011】
上記電流/電圧変換部を、電源とグランドとの間に光電変換素子と直列に且つグランド側に接続した第1の抵抗と、その光電変換素子と第1の抵抗との接続点に一端を接続したコンデンサと、そのコンデンサの他端と上記電源より電圧が小さい基準電源との間に接続した第2の抵抗とによって構成し、上記コンデンサの他端から上記電圧信号を出力させるようにするとよい。
そして、上記第1の抵抗の抵抗値を、光信号に応じて決定される通常の抵抗値の3倍以上の抵抗値にすることによってディエンファシス回路を兼ねるようにすることができる。
【0012】
あるいは上記電流/電圧変換部を、上記光電変換素子を2つの入力端子間に接続したオペアンプと、そのオペアンプの出力端子と一方の入力端子との間に接続した抵抗とによって構成し、その抵抗の抵抗値を、光信号に応じて決定される通常の抵抗値の3倍以上の抵抗値にすることによっても、ディエンファシス回路を兼ねるようにすることができる。
上記第1の抵抗、あるいは上記オペアンプの出力端子と一方の入力端子との間に接続した抵抗の抵抗値は、60kΩ〜120kΩの範囲にするのが望ましい。
【0013】
一方、上記増幅部を、第1アンプと第2アンプ、およびその第1アンプと第2アンプの間に設けたエンファシス回路とによって構成し、そのエンファシス回路が、上記自動利得制御部からの制御信号によって抵抗値が制御される可変抵抗素子を有し、その可変抵抗素子の抵抗値によって通過信号の周波数特性と振幅を制御する回路にすることができる。
その可変抵抗素子を電界効果トランジスタにするとよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
ここでは、この発明の一実施形態として光学的情報読取装置であるバーコードスキャナに使用する信号検出処理回路について説明する。図1はその構成を示すブロック図である。
この図1に示す信号検出処理回路1は、基本的には図8に示した従来例と同様な回路構成である。すなわち、光信号を入力して電気信号に変換する信号変換部10と、その電気信号を増幅する増幅部20と、その増幅部20で増幅された電気信号のうち所要周波数帯域の信号を通過させて出力する電気的フィルタであるローパスフィルタ30と、その出力信号に応じて増幅部20における増幅の利得を制御する自動利得制御(AGC)部40とからなる。
その信号変換部10と増幅部20とローパスフィルタ30によって主信号系を構成し、自動利得制御部40が帰還制御系を構成している。
【0015】
主信号系の信号変換部10は、入力する光信号を電気信号に変換する光電変換素子11とその光電変換素子11によって変換された電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換部(I/V変換部)12とからなるが、この実施形態ではさらに、光電変換素子11とその電源との間を交流的に非結合にするためのデカップリング回路13を設けている。しかし、このデカップリング回路13は、この発明に必須のものではない。
そして、この信号変換部10のI/V変換部12は、変換した電気信号の高域成分を減少させるディエンファシス回路を兼ねている。これは、この発明に特有の構成である。
【0016】
増幅部20は、プリアンプである第1アンプ21とメインアンプである第2アンプ22を備え、その第1アンプ21と第2アンプ22の間にエンファシス回路23とカップリング回路24を設けている。そのエンファシス回路23は、自動利得制御部40からの制御信号Scによって抵抗値が制御される可変抵抗素子23aを有し、その可変抵抗素子23aの抵抗値によって通過信号の周波数特性と振幅を制御し、それによって第1アンプ21の出力信号の高域成分を増加させるとともに、増幅部20全体の利得を制御する。
第1アンプ21と第2アンプ22は、図8に示した従来例における前置増幅器121と可変利得増幅器122に相当するが、第2アンプ22は可変利得増幅器である必要はない。カップリング回路24は、エンファシス回路23と第2アンプ22とを交流的に結合するための回路であるが、この発明に必須のものではない。
【0017】
また、ローパスフィルタ30は、複数の抵抗および複数のコンデンサなどで構成する従来の多段の積分回路からなる電気的フィルタであり、増幅部20で増幅された電気信号のうち所定周波数帯域の成分のみを通過させて高周波成分を遮断するフィルタである。
このローパスフィルタ30は、バーコードスキャナがバーコードを読み取る時に正規の信号(バーコードからの反射光)以外に拾ってしまった余分な信号を除去するために設けている。その余分な信号は正規の信号よりも大きく、ノイズを多く含んでいる可能性があるため、この信号検出処理回路1以降で行うデジタル信号処理における誤動作の原因になる。そのため、このような余分な信号をローパスフィルタ30で濾波し、正規の信号のみを出力信号として出力させる必要がある。
なお、バーコードスキャナでは、通常このような余分な信号は高周波帯域にあるが、装置を使用する環境によっては余分な信号が低周波帯域にあることも有るし、高周波帯域と低周波帯域の両方にある場合もある。そのような場合には、図1におけるローパスフィルタ30の代りにハイパスフィルタあるいはバンドパスフィルタを設ければよい。
【0018】
帰還制御系の自動利得制御部40は、図8に示した従来例の自動利得制御部140と同様な構成であり、ピーク値検出器41と比較器42と基準レベル設定回路43とからなる。これらの作用も従来例の自動利得制御部140と略同様であるから、その説明を省略する。
なお、この自動利得制御部40では、ピーク値検出器41がローパスフィルタ30の出力信号Veの振幅のピーク値を検出しているが、平均値を検出するようにしてもよく、さらに別の信号検知方法を用いてよい。その場合は、基準値レベル設定回路43で生成する基準電圧値を検出器によって検出する信号レベルに合わせて設定すればよい。また、増幅部20の第2アンプ22の出力電圧Vdのピーク値又は平均値を検出するようにしてもよい。
【0019】
次に、この信号検出処理回路1における信号変換部10と増幅部20の具体的な回路構成例を図2によって説明する。
なお、この図2では、図1に示したローパスフィルタ30と自動利得制御部40については図示を省略している。さらに、この信号検出処理回路1の各部を動作させるための電圧を供給する電源回路とその給電ラインも図示を省略している。
まず、信号変換部10の回路構成について説明する。
信号変換部10の光電変換素子11は、バーコードスキャナが図示しない半導体レーザなどの発光体からバーコード(ラベル等に印刷されている)に向けて照射した光の反射光を光信号として受光して電流信号に変換する素子であり、ここではフォトダイオードPDを用いている。このフォトダイオードPDに代えて、フォトトランジスタやCCDなど他の光電変換素子を用いてもよい。
【0020】
このフォトダイオードPDのカソード端子は、デカップリング回路13の抵抗R13aを介して正の電源電圧+Vが印加される電源端子50に接続されている。
デカップリング回路13は、その抵抗R13aと、その抵抗R13aとフォトダイオードPDとの接続点とグランドGNDとの間に接続したコンデンサC13bとによって構成されている。このデカップリング回路13は、電源電圧+Vを供給する図示しない電源回路と光電変換素子11以降の回路とを直流的に結合し、交流的には非結合にする回路であり、電源電圧+Vに含まれる交流成分(AC成分)を遮断して直流電圧だけを印加させることにより、光電変換素子11及びI/V変換部12に電源からのノイズが混入しないようにする。したがって、電源電圧+Vが完全な直流電圧源であれば、このデカップリング回路13を省略できる。
【0021】
I/V変換部12は、フォトダイオードPDのアノード端子とグランド(回路のアース)GNDとの間に接続した第1の抵抗である抵抗R12aと、そのフォトダイオードPDと抵抗R12aとの接続点に一端を接続したコンデンサC12cと、そのコンデンサC12cの他端と電源電圧+Vより電圧が小さい基準電圧Vrが印加される基準電源端子60との間に接続した第2の抵抗である抵抗R12bとからなる。したがって、電源端子50とグランドGNDとの間に、デカップリング回路13の抵抗R13aと光電変換素子11と電流/電圧変換部12の第1の抵抗R12aが直列に接続される。そして、その光電変換素子11と第1の抵抗R12aとの接続点に一端を接続したコンデンサC12cの他端から電圧信号Vbを出力する。
なお、電源電圧+Vが2.5Vの場合、基準電圧Vrはその電源電圧より電圧が小さく、例えばその半分の1.25Vにする。
【0022】
この信号変換部10は、光信号の入力に応じて光電変換素子11であるフォトダイオードPDに電流iが流れ、光信号が電気信号に変換される。その電流はI/V換部12の第1の抵抗R12aにも流れ、その両端子間に電圧が発生して、電流/電圧変換が行われる。その電圧の変動成分(交流分)をコンデンサC12cを介して電圧信号Vbとして増幅部20へ出力する。
さらに詳細に言えば、第1の抵抗R12aとコンデンサC12cと第2の抵抗R12bの合成インピーダンス値によって、電流/電圧変換を行っている。その際、電気信号の高域成分を低減させるディエンファシスの作用も行う。したがって、このI/V換部12はディエンファシス回路も兼ねている。
そのため、第1の抵抗R12aの抵抗値を、光信号に応じて決定される通常の抵抗値の3倍以上の抵抗値にしている。
【0023】
ここで抵抗R12aの両端子間に発生する電圧値は、そこに流れる電流iの値に抵抗値を乗じた大きさになるため、電流信号の振幅が同じであっても、抵抗R12aの抵抗値が大きければ電圧信号の振幅は大きくなり、抵抗値が小さければ電圧信号の振幅は小さくなる。つまり、抵抗R12aの抵抗値はI/V変換部12の利得を決定する。
このI/V変換部12の利得とS/N比は略比例関係にある。つまり、抵抗R12aの抵抗値を大きくするとI/V変換部12の利得が大きくなり、S/N比が大きくなる。
【0024】
また、このI/V変換部12の利得と信号の帯域とは略反比例の関係にある。つまり、抵抗R12aの抵抗値を大きくするとI/V変換部12の利得が大きくなると共に、出力される電圧信号(以下、単に「信号」と云う)Vbの高域成分が減少して帯域が狭くなる。さらに、抵抗器R12aの抵抗値を大きくすると寄生容量や寄生インダクタンスおよび入力される外的ノイズ光などに依存した予期しない寄生要素などからなる分布定数が大きくなるので、一層信号Vbの高域成分が減少する。
【0025】
そこで、この信号変換部10のI/V変換部12では、抵抗R12aの抵抗値を従来のバーコードスキャナにおけるI/V変換部の抵抗の抵抗値よりも大きくし、I/V変換器12の利得を大きくすると共に信号の帯域を制限している。つまり、逆方向バイアスされたフォトダイオードPDとI/V変換部12の抵抗R12aとによって、あたかも積分回路のように動作する擬似積分回路(一種のローパスフィルタ)を構成しているのである。それによって、信号の高域成分を低減するディエンファシス回路の機能を持たせている。
この抵抗R12aの抵抗値は、通常の抵抗値が20kΩの場合に、その3倍以上で3〜6倍の60kΩ〜120kΩ程度がよく、特に90kΩ前後がよい。この例では91kΩにしている。
【0026】
図3の(a)は、I/V変換部12の抵抗R12aの抵抗値を通常の値(20kΩ)にした場合に出力される電圧信号Va(図2におけるVbに相当する)の波形の例であり、大きい振幅Laの波形は、バーコードの太い白バー(スペース)を示し、小さい振幅Maの波形は同じく細い白バーを示している。バーコードスキャナでは、このように信号の振幅がバーコードの白バー(スペース)の幅に応じて変化する。つまり、白バーの幅が広いとそこで反射する光が多いため、入力する光信号が多くなるので、信号の振幅がLaのように大きくなる。逆に、白バーの幅が狭いと、入力する光信号が少なくなるので、信号の振幅はMaのように小さくなる。この電圧信号Vaにはノイズ成分が含まれている。
【0027】
図3の(b)は、I/V変換部12の抵抗R12aの抵抗値を前述のように通常の値より大きい91kΩにした場合に出力される電圧信号Vbの波形の例であり、大きい振幅Lbの波形が太い白バーを、小さい振幅Mbの波形が細い白バーを示している。
この図3の(b)に示す波形は、I/V変換部12でディエンファシスされて出力される電圧信号Vbであるから、(a)の信号波形と比較して信号の立上り立下りが鈍った積分波形状になり、ノイズ成分が除去されている。
図4にこのI/V変換部12の出力である電圧信号Vbの波形の一部を拡大して実線で示す。この信号の振幅比、つまり、(Mb/Lb)×100%がバーコードスキャナの分解能比を示す。
【0028】
ここで、抵抗R12aの抵抗値を大きくしていくと、それに伴ってフォトダイオードPDと抵抗R12aによって構成される擬似積分回路の時定数が大きくなるため、図4に破線で示すように、信号波形の立上りと立下りがより緩やかになって鈍りが大きくなる。そして、ある程度以上時定数を大きくすると、波形が立上りきれない状態(へばった状態)になるため、図4にLb′およびMb′で示すように振幅が小さく(特に振幅の小さいMb′の低下が著しく)なり、分解能比も劣化して読み取りできなくなってしまう。
【0029】
そのため、抵抗R12aの抵抗値は、分解能比を15〜40%程度を保てる読取可能な範囲内で、なるべく大きな値に設定することが望ましい。さらに、当然のことながら、出力信号の最大振幅が、後述する増幅部20の第1アンプ21のダイナミックレンジの範囲内あるようにする必要がある。
そこで、前述のように、この抵抗R12aの抵抗値を、通常の抵抗値が20kΩの場合に、その3倍以上で3〜5倍の60kΩ〜120kΩ程度、特に90kΩ前後にするとよい。
【0030】
ところで、バーコードスキャナの場合、太陽光や照明の光などの外的ノイズがバーコードからの反射光である正規の光信号に加わってしまうので、入力段階でS/N比が小さくなるのは避けられない。そのため、なるべくI/V変換部の利得を増やして信号を大きくしてS/N比を向上させる必要がある。しかし、従来のバーコードスキャナでは、信号の帯域を確保するためにI/V変換部の利得を充分に大きくすることができず、充分なS/N比を得ることができなかった。
それに対して、この発明によれば、I/V変換部12にディエンファシス回路の機能を持たせて信号の帯域を制限するので、I/V変換部12の利得を大きくすることができ、充分なS/N比を得ることができる。
【0031】
さらに、そのディエンファシス回路の機能によってノイズを多く含む高域成分を減少させるため、ノイズ成分が少なくなり、より一層S/N比が向上する。
なお、この信号変換部10のディエンファシス回路を兼ねたI/V変換部12で減少させた信号の高域成分は、後述する増幅部20のエンファシス回路23で補正する。エンファシス回路とは、デエンファシス回路と逆の特性を持ち、出力電圧が周波数に略比例するような処理を施す回路であり、信号の高域成分を強調させる機能を持つ。
【0032】
次に、増幅部20について引き続き図2によって説明する。
増幅部20は、図1によっても説明したように、プリアンプである第1アンプ21とメインアンプである第2アンプ22と、その第1アンプ21と第2アンプ22の間に設けたエンファシス回路23とカップリング回路24とによって構成されている。
第1アンプ21は負帰還の非反転増幅器であり、オペアンプ21aとその反転入力端子(−)とグランドGNDとの間に接続した抵抗R21bと、反転入力端子と出力端子の間に接続した帰還抵抗である抵抗R21fとからなる。前述した信号変換部10から出力される電圧信号Vbをオペアンプ21aの非反転入力端子(+)に入力する。そして、抵抗R21bと抵抗R21fの抵抗値をそれぞれR21b,R21fとすると、電圧信号Vbを1+(R21f/R21b)倍して出力する。
【0033】
なお、この倍率である第1アンプ21の利得は、例えば2倍程度に設定するが、それは一義的なものではなく、最適値は第1アンプ21の性能などによって異なる。また、この第1アンプ21に使用する増幅回路は上記に限るものではなく、他の増幅回路を用いてもよい。例えば、反転増幅回路を用いてもよい。また、増幅素子はオペアンプに限らず、トランジスタやFETなどの複数の部品を接続して構成してもよい。
【0034】
この第1アンプ21の出力信号はエンファシス回路23に入力する。そのエンファシス回路23は、第1アンプ21の出力点と後段のカップリング回路24の入力点との間に直列接続した抵抗R23bと、その抵抗R23bに並列接続したコンデンサC23cと、その抵抗R23bとコンデンサC23cの出力側の接続点qと基準電源端子60との間に接続した可変抵抗素子23aとからなる。
この例では、その可変抵抗素子23aとして、電界効果トランジスタの一種であるJFET(接合型FET:Junction Field Effect Transistor)を使用し、そのドレイン端子Dを接続点qに、ソース端子Sを基準電圧Vrが印加される基準電源端子60にそれぞれ接続し、ゲート端子Gに図1に示した自動利得制御部40からの制御信号Scを入力させるようにしている。
【0035】
この制御信号Scは、図8に示した従来の自動利得制御部140の制御信号Scと同様に、図1に示すローパスフィルタ30の出力信号Veのピーク値Vpのレベルに応じて0Vを中心に正負に変化する電圧の信号である。そして、JFET23aは、図5に示すようにゲート・ソース間電圧VGSが0Vでも所定のドレイン電流IDSが流れるディプレッション型で動作させる。
そして、図1に示すローパスフィルタ30の出力信号Veのピーク値Vpが所望レベルのときには制御信号Scが0Vになり、JFETのゲート・ソース間電圧VGSが図5に破線で示すように適切なバイアス電圧(−Vr=−1.25V)になるので、所望のドレイン電流IDSが流れ、ドレイン・ソース間抵抗が所望の抵抗値になる。このとき、エンファシス回路23の利得が所望値となって、増幅部20全体の利得も予め設定した目標値になる。
【0036】
ローパスフィルタ30の出力信号Veのピーク値Vpのレベルが上記所望レベルより上がると、その増加量に応じて制御信号Scが正電圧(Sc>0)になり、JFET23aのゲート・ソース間電圧VGSがゼロバイアスに近づく(図5に示すバイアスが浅くなる)ので、ドレイン電流IDSが増加し、ドレイン・ソース間抵抗の抵抗値が減少する。それによって、エンファシス回路23の利得が減少し、増幅部20全体の利得も予め設定した目標値から減少する。
ローパスフィルタ30の出力信号Veのピーク値Vpのレベルが上記所望レベルより下がると、その低下量に応じて制御信号Scが負電圧(Sc<0)になり、JFET23aのゲート・ソース間電圧VGSのバイアスが深くなるので、ドレイン電流IDSが減少し、ドレイン・ソース間抵抗の抵抗値が増加する。それによって、エンファシス回路23の利得が増加し、増幅部20全体の利得も予め設定した目標値から増加する。
【0037】
このように、自動利得制御部40からの制御信号Scによって、可変抵抗素子であるJFET23aのドレイン・ソース間抵抗の抵抗値を制御し、抵抗R23bとの分圧比をダイナミックに可変することにより、増幅部20全体の利得を制御して出力信号Veの平均的な振幅を略一定に保つ。
また、このエンファシス回路23のコンデンサC23cと抵抗器R23b及び可変抵抗素子23aは、一種の微分回路を構成し、その微分作用によって通過する信号の高域補正を行う。しかし、コンデンサC23cおよび抵抗器R23bのみでエンファシス回路を構成すると、信号の振幅に比例して微分を行ってしまう。つまり、高域補正は一定値で行われるが、振幅の大きな信号は大きいまま微分され、振幅の小さい信号は小さいまま微分されてしまい、その波形は一定にならない。
【0038】
そこで、このエンファシス回路23では、可変抵抗素子23aであるJFETを用いてエンファシスの周波数特性を可変にしている。つまり、信号の振幅が大きい場合はJFET23aのドレイン・ソース間の抵抗値が小さくなるため、微分の時定数を小さくできる。逆に、信号が小さい場合はJFET23aのドレイン・ソース間の抵抗値が大きくなり、微分の時定数を大きくできる。
なお、この実施形態では、可変抵抗素子23aとしてJFETを用いたが、これに限るものではなく、他のトランジスタなどによる可変抵抗素子を用いてもよい。
【0039】
図3の(c)にエンファシス回路23から出力する電圧信号Vcの波形を示す。
この波形は、図3の(b)に示したI/V変換部12が出力する電圧信号Vbの波形と比較して、信号の立上り立下りが急峻な微分波形になり。さらに、中低域の大小の振幅Lc,Mcは(b)の波形より大きくなる。
このように、信号変換部10のディエンファシス回路を兼ねたI/V変換部によって減少させた信号の高域成分は、このエンファシス回路23によって増加されて補正されるので、信号の周波数特性は正規の状態に戻る。
【0040】
図2に戻って、このエンファシス回路23から出力した電圧信号Vcは、カップリング回路24を通して第2アンプ22に入力する。
カップリング回路24は、エンファシス回路23の出力側の接続点qと第2アンプ22を構成するオペアンプ22aの非反転入力端子との間に接続したコンデンサC24bと、そのコンデンサC24bの出力側と基準電圧Vrを供給する基準電源端子60との間に接続した抵抗R24aとからなる。そして、エンファシス回路23と第2アンプ22とを交流的に結合し、直流的には非結合にする。
このカップリング回路24は、電圧信号Vcの直流成分をカットし、交流成分のみを第2アンプ22に入力させる。
【0041】
第2アンプ22は、第1アンプ21と同様に負帰還の非反転増幅器であり、オペアンプ22aと、その反転入力端子(−)とグランドGND間に接続した抵抗器R22bと、オペアンプ22aの反転入力端子(−)と出力端子の間に接続した帰還抵抗である抵抗R22fとからなる。
そして、抵抗R22bと抵抗R22fの抵抗値をそれぞれR22b,R22fとすると、入力信号を1+(R22f/R22b)倍して出力する。
図3の(d)は、この第2アンプ22から出力する電圧信号Vdの波形を示している。この波形は大小の振幅がLd,Mdで、同図(c)に示した電圧信号Vcをそのまま増幅した波形となる。
【0042】
そして、この第2アンプ22から出力する電圧信号Vdを、図1に示したローパスフィルタ30を通して高域成分を除去して出力する。その出力信号Veの波形を図3の(e)に示す。このように、この信号検出処理回路1の出力信号Veは、オーバシュートが除去され、バーコードの白バー(スペース)の幅に応じたパルス幅及び大小の振幅Le,Meを持つ波形になる。
つまり、この実施形態によれば、信号変換部10に強さの異なる光信号が入力しても、この信号検出処理回路1の出力信号Veの平均的な振幅は略一定になるので、以後の2値化及びデジタル処理回路の誤動作を防ぐことができ、バーコード記号の読取精度および読取深度を高めることができる。
【0043】
ここで、この信号検処理回路1の周波数特性を、図8に示した従来の信号検出処理回路100の周波数特性と比較して図6に示す。この図6において、太い実線A、一点鎖線B、および破線Cは、図1に示した増幅部20の周波数特性を示し、また細い実線a、一点鎖線b、および破線cは、図8に示した従来の増幅部120の同様な周波数特性を示す。その実線A,aは振幅中、一点鎖線B,bは振幅小、破線C,cは振幅大の場合のそれぞれ周波数−利得(ゲイン)曲線である。
【0044】
この図6に示すように、この実施形態による信号検出処理回路1は、入力信号の振幅の大きさに係らず、常に従来の信号検出処理回路100より利得が大きい。これは、信号変換部10において前述した抵抗器R12aの抵抗値を従来よりも大きくした結果によるものである。
さらに、カットオフ周波数近傍の高域部5における各周波数特性に示すとおり、従来の回路の周波数特性(曲線a,b,c)が高域部5で一様に利得が下がるのみであるのに対し、この実施形態の信号検出処理回路1の周波数特性(曲線A,B,C)は高域部5で利得が一旦もち上がった後に下がる。これは、前述したエンファシス回路23を設けた結果である。つまり、この回路は従来よりも利得を大きくしたにも係らず、その周波数範囲は従来の回路の周波数範囲と比較して同等かそれ以上であり、高域特性が補正されている。
【0045】
なお、この実施形態では、ローパスフィルタ30の出力信号Veを分岐部して自動利得制御部40のピーク値検出器41に入力したが、増幅部20から出力する電圧信号Vdを自動利得制御部40のピーク値検出器41に入力させるようにしてもよい。また、ローパスフィルタ30を省略することもできる。あるいは、ローパスフィルタの代りにハイパスフィルタやバンドパスフィルタを使用して、所要周波数帯域の信号を出力するようにしてもよい。
また、エンファシス回路を増幅部内に設けた例について説明したが、増幅部と電気的フィルタとの間に設けてもよい。
【0046】
次に、この発明による信号検出処理回路における信号変換部の他の例を図7によって説明する。
この図7に示す信号変換部10′は、光電変換素子であるフォトダイオードPDと、I/V変換部12′と、抵抗R51,R52、およびコンデンサC50によって構成されている。そのI/V変換部12′は、出力端子と反転入力端子とを抵抗R50を介して接続したオペアンプ15からなっている。
フォトダイオードPDのカソード側をオペアンプ15の反転入力端子(−)に接続し、アノード側をオペアンプ15の非反転入力端子(+)に接続すると共に、第1バイアス抵抗R51を介して電源端子50に接続している。このフォトダイオードPDのアノード側とオペアンプ15の非反転入力端子との接続点gとグランドGNDとの間に、第2バイアス抵抗R52とコンデンサC50を並列に接続している。
【0047】
第1,第2バイアス抵抗R51,R52とコンデンサC50は、オペアンプ15の動作点を任意に与えるためのもので、第1バイアス抵抗R51と第2バイアス抵抗R52は分圧抵抗であり、例えば5Vの電源電圧を2.5Vに分圧する。コンデンサC50は所謂ノイズフィルタである。
オペアンプ15は、通常片(単)電源で使用され、現実には0〜5Vあるいは0〜12Vの電圧で動作する。そして、入力する光信号に応じてフォトダイオードPDが発生する起電力によって流れる電流信号をオペアンプ15の出力端子から電圧信号に変換して出力し、増幅部の第1アンプ21に入力させる。
【0048】
このオペアンプ15の出力端子と反転入力端子との間に接続した抵抗R50の抵抗値を、光信号に応じて決定される通常の抵抗値(20kΩ程度)の3倍以上、好ましくは3〜5倍の抵抗値にする。それによって、このI/V変換部12′がディエンファシス回路を兼ね、出力する電圧信号は高域成分(ノイズ成分)が減衰され、S/N比が向上する。
この高域の減衰分は、前述の実施形態の場合と同様に、次段の増幅部のエンファシス回路によって増強され、信号波形のなまりはなくなる。
光学系にもよるが、本実施形態の回路により、従来より最低300mm読取距離をのばすことができる。
【0049】
ここで、以上説明してきたこの発明による信号検出処理回路を、光学的情報読取装置のようなレンズを用いた光学装置に用いた場合の効果について説明する。光学装置におけるレンズの焦点の前後では光量の推移が異なることはよく知られている。ここでは、焦点からレンズまでの領域をインフォーカス、レンズに対して焦点より遠方の領域をアウトフォーカスと称す。そのインフォーカス領域では光量は距離の二乗で増加し、アウトフォーカス領域では光量は距離の二乗で減少する。そのため、焦点から離れた光信号は、アウトフォーカス領域にせよインフォーカス領域にせよ、分解能比が低く、いわゆるピンぼけしたものになってしまう。
【0050】
そのピンぼけした光信号を光電変換し、さらにI/V変換すると、なまった積分波形のような電気信号になってしまい、情報伝達上好ましくない。
この発明による信号検出処理回路では、信号変換部ではディエンファシス回路を兼ねたI/V変換部によってノイズ成分を除去する高域低減を行うが、充分な振幅のI/V変換出力を得るようにしており、増幅部のエンファシス回路によって微分をかけ、高域を補正しているので、分解能比が定まった読取可能な信号となる。
【0051】
かつ、図2によって説明した前述のエンファシス回路23にはAGC信号を帰還させており、コンデンサC23cと抵抗R23bとJFET23aのドレイン・ソース間の抵抗による時定数を、上述したピンぼけ信号を的確に補正する値に定めている。つまり、そのエンファシス回路23で微分が大きくなり過ぎてしまう過補償現象が生じないようにしている。
その結果、この発明による信号検出処理回路を用いることにより、オートフォーカス機能などを搭載しなくても、情報伝達を確実に行える信号を後段に送ることができる。したがって、光学的情報読取装置の読取深度が深くなり、焦点からある程度までずれた位置の情報でも読み取り可能になる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明による信号検出処理回路は、光信号を検出して増幅および周波数帯域の制限等の処理を行う際に、簡単な構成でS/N比を大幅に向上させることができ、検出信号の周波数補正も確実に行うことができる。
それによって、この回路をバーコードスキャナに使用すれば、読取深度を高めたり、読取距離を長くすることができる。
しかも、従来の回路を大幅に変更することなく、僅かな変更によって安価に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示すバーコードスキャナに使用される信号検出処理幅回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における信号変換部と増幅部の具体的な回路構成を示す回路図である。
【図3】同じくその実施形態の各部の信号の波形を示す波形図である。
【図4】図3の(b)に示した電圧信号Vbの一部を拡大して示す波形図である。
【図5】図2に示した可変抵抗素子であるJFETの動作を説明するためのゲート・ソース間電圧VGSとドレイン電流IDSとの関係を示す線図である。
【図6】この発明による信号検出処理回路と従来の信号検出処理回路の周波数特性を比較して示す線図である。
【図7】この発明による信号検出処理回路の信号変換部の他の例を示す回路図である。
【図8】従来の信号検出処理回路の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:信号検出処理回路 10,10′:信号変換部
11:光電変換素子(フォトダイオードPD)
12,12′:ディエンファシス回路を兼ねた電流/電圧変換部
13:デカップリング回路 20:増幅部
21:第1アンプ 22:第2アンプ
23:エンファシス回路 24:カップリング回路
30:ローパスフィルタ 40:自動利得制御部
41:ピーク値検出器 42:比較器
43:基準レベル設定回路 50:電源端子
60:基準電源端子
Claims (7)
- 光信号を入力して電気信号に変換する信号変換部と、その電気信号を増幅する増幅部と、該増幅部で増幅された電気信号のうち所要周波数帯域の信号を通過させて出力する電気的フィルタと、該電気的フィルタもしくは前記増幅部の出力信号に応じて該増幅部の利得を制御する自動利得制御部とからなる信号検出処理回路において、
前記信号変換部が、光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、該光電変換素子によって変換された電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換部とからなり、該電流/電圧変換部がディエンファシス回路を兼ねており、前記電流信号を電圧信号に変換する際にノイズを多く含む高域成分を減少させ、
該電流/電圧変換部によって高域成分を減少させて変換された電圧信号を増幅する前記増幅部もしくは該増幅部と前記電気的フィルタとの間に、前記増幅部の出力信号の高域成分を増加させるエンファシス回路を設けたことを特徴とする信号検出処理回路。 - 請求項1記載の信号検出処理回路において、
前記電流/電圧変換部が、電源とグランドとの間に前記光電変換素子と直列に且つ前記グランド側に接続した第1の抵抗と、その光電変換素子と第1の抵抗との接続点に一端を接続したコンデンサと、該コンデンサの他端と前記電源より電圧が小さい基準電源との間に接続した第2の抵抗とからなり、前記コンデンサの他端から前記電圧信号を出力する回路であり、前記第1の抵抗の抵抗値を、前記光信号に応じて決定される通常の抵抗値の3倍以上の抵抗値にすることによって前記ディエンファシス回路を兼ねるようにしたことを特徴とする信号検出処理回路。 - 前記第1の抵抗の抵抗値が60kΩ〜120kΩである請求項2記載の信号検出処理回路。
- 請求項1記載の信号検出処理回路において、
前記電流/電圧変換部が、前記光電変換素子を2つの入力端子間に接続したオペアンプと、該オペアンプの出力端子と一方の入力端子との間に接続した抵抗とからなり、該抵抗の抵抗値を、前記光信号に応じて決定される通常の抵抗値の3倍以上の抵抗値にすることによって前記ディエンファシス回路を兼ねるようにしたことを特徴とする信号検出処理回路。 - 前記抵抗の抵抗値が60kΩ〜120kΩである請求項4記載の信号検出処理回路。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の信号検出処理回路であって、
前記増幅部が、第1アンプと第2アンプを備え、その第1アンプと第2アンプの間に前記エンファシス回路を設けており、
そのエンファシス回路が、前記自動利得制御部からの制御信号によって抵抗値が制御される可変抵抗素子を有し、該可変抵抗素子の抵抗値によって通過信号の周波数特性と振幅を制御する回路であることを特徴とする信号検出処理回路。 - 前記可変抵抗素子が電界効果トランジスタである請求項6記載の信号検出処理回路。
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