JP3997869B2 - 貯湯式給湯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯湯タンク外部で、貯湯水と外部熱負荷との間で熱交換する貯湯式給湯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の浴槽追焚き機能を備えた貯湯式給湯器においては、浴槽の追焚き時に、循環ポンプを運転して貯湯タンクの上部より循環回路に高温水を取り出し、熱交換器で浴槽水と熱交換させ、浴槽水の温度を検出しながら浴槽水の追焚きを行っている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−108292号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の構成では、浴槽水を循環させる循環ポンプが給湯器本体内で高い位置に配置されていると、循環ポンプの吸い込み能力が決まっているため、循環ポンプの配置位置が高いほど浴槽水を吸い込む時間が掛かり、浴槽水を吸い込めない場合は、循環ポンプが空運転してしまい追焚きができない場合がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、正常な追焚き運転ができ、かつ、給湯器本体内を省設置スペース化できる貯湯式給湯器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の貯湯式給湯器は、給湯器本体内に、下部から給水され、上部から出湯される貯湯タンクと、この貯湯タンクに加熱手段で貯湯水を加熱し、前記貯湯タンクの上部から取り出した貯湯水を前記貯湯タンクへ戻す貯湯水循環回路と、この貯湯水循環回路に貯湯タンクから取り出した貯湯水を循環させる循環ポンプと、貯湯タンクから取り出した貯湯水と浴槽水との間で熱交換する熱交換器と、前記浴槽水を前記熱交換器に循環させる循環ポンプとを配置した貯湯式給湯器において、前記浴槽水を循環させる循環ポンプを、前記熱交換器の下方で、かつ前記貯湯水循環回路に設けた循環ポンプよりも下方に配置したしたものである。
【0008】
また、前記貯湯水循環回路に設けた循環ポンプを、給湯器本体の底面近傍に配置したものである。
【0009】
また、前記両循環ポンプを、前記熱交換器の垂直方向の投影空間内に納めるようにして配置したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す貯湯式給湯器の構成図であり、図2は本発明の実施の形態1を示す熱交換器と循環ポンプの配置関係を示す説明図である。図1において、給湯器本体1内に貯湯タンク2が配設され、貯湯水を加熱する発熱体4が貯湯タンク2に取付けてある。この貯湯タンク2の下部には給水管3が接続されている。この給水管3に減圧弁3aが設けられ、前記貯湯タンク2の上部に給湯管5が接続されている。この給湯管5に逃し弁5aが設けられ、貯湯タンク2の上部下部で貯湯水循環回路6が接続されている。この貯湯水循環回路6は貯湯タンク2内に貯湯されたお湯と外部熱負荷である浴槽10内のお湯(外部液体)との間で熱交換する熱交換器7、貯湯タンク2内のお湯を貯湯水循環回路6に循環させる循環ポンプ8、貯湯水循環回路6を通るお湯の循環流量を調整する循環流量調整弁9で構成されている。浴槽10には浴槽水循環回路11が接続され、この浴槽水循環回路11は浴槽水往き循環回路11aと浴槽水を循環させる循環ポンプ12と前記熱交換器7と浴槽水戻り循環回路11bで構成されている。
【0011】
貯湯タンク2の外側面には内部の湯の温度を検出する温度センサ14a,14bが所定間隔を有して取り付けられている。貯湯水循環回路6には熱交換器7への貯湯水の入口温度を検出する貯湯水入口温度センサ15aと熱交換器7からの貯湯水の出口温度を検出する貯湯水出口温度センサ15bが取り付けられている。また、浴槽水循環回路11には熱交換器7への浴槽水の入口温度を検出する浴槽水入口温度センサ15cと熱交換器7からの浴槽水の出口温度を検出する浴槽水出口温度センサ15dが取り付けられている。制御部50は前記各温度センサ14a,14b,15a,15b,15c,15dの検出値を読込み、操作部60の設定に基づいて発熱体4,循環ポンプ8,12、循環流量調整弁9を制御する。
【0012】
ここで、循環流量調整弁9の調節次第で、貯湯水循環回路6の循環量は増減し、浴槽10を加熱する加熱能力が変化する。循環流量調整弁9が全開時は加熱能力が最大で、貯湯水循環回路6の循環量を少なくした場合、加熱能力は低下するが、浴槽10に戻る湯温も低くできる。
【0013】
図2に示すように、給湯器本体1内において、循環ポンプ8と循環ポンプ12と風呂用熱交換器7の配置関係は、浴槽水を循環させる循環ポンプ12が給湯器本体1底面近傍に位置して配置され、この循環ポンプ12の設置位置よりも上側に寸法h高い位置に貯湯水循環回路6の循環ポンプ8が配置され、さらに、この循環ポンプ8の上方に熱交換器7が配置され、かつ、熱交換器7の上面(直径Lの円形)で投影された熱交換器7の下部空間、すなわち、熱交換器7の垂直方向の投影空間内に循環ポンプ12と循環ポンプ8が納められるように配置されている。
【0014】
次に、上記のように構成された本実施の形態1における貯湯式給湯器の動作について説明する。
給湯器本体1に電源が投入されるまでは循環流量調整弁9は全開になっており、給水管3から給水された水は所定圧に減圧弁3で減圧され貯湯タンク2に給水され、貯湯タンク2と貯湯水循環回路6に水が満たされる。
電源が投入されると、貯湯タンク2に取付けてある発熱体4で貯湯水を操作部60で設定された温度(例えば90℃)まで沸き上げる。沸き上げ温度は貯湯タンク2に取付けてある温度センサ14a,14bで検出する。
【0015】
この時、沸き上げ開始直後、又は、沸き上げを開始してから所定時間(例えば1時間)経過後、又は、温度センサ14a、14bで所定温度(例えば45℃)を検出後に循環流量調整弁9を全閉にしても、貯湯タンク2と貯湯水循環回路6に水が満たされているので、第1回目の追焚き運転は正常にできる。
以降、循環流量調整弁9が全閉されているので、貯湯水循環回路6は遮断され、貯湯タンク2の湯が貯湯水循環回路6に対流しないので、熱交換器7が熱くならずに、風呂の追焚き運転開始時に浴槽10に熱い湯は出ない。
【0016】
なお、沸き上げ時の貯湯タンク2の膨張水は逃し弁5aより排出される。
また、一般の蛇口などに給湯する場合は、蛇口(図示せず)を開くことによって、給湯管5を通して水源水圧の力で給湯され、給水管3から貯湯タンク2下部に水が供給される。
【0017】
次に、浴槽水の追焚き動作について説明する。
ここで、以下の説明の為、熱交換器7の貯湯水入口温度センサ15aの検出温度である入力値をThi、貯湯水出口温度センサ15bの検出温度である入力値をTho、浴槽水入口温度センサ15cの検出温度である入力値をTci、浴槽水出口温度センサ15dの検出温度である入力値をTcoと定義する。
【0018】
貯湯タンク2内の貯湯水が所定温度(例えば90℃)に沸き上がり、操作部60により浴槽10の追焚き開始の指示を受けると、追焚き動作が開始される。
この時、循環流量調整弁9が全閉されているので、貯湯水循環回路6は遮断され、貯湯タンク2の湯が貯湯水循環回路6に対流しないので、熱交換器7が熱くならず、給湯器本体1内の温度(例えば40℃)になっている。
【0019】
操作部60の操作により追焚き動作が開始されると、まず循環ポンプ12が動作して浴槽10内のお湯が浴槽水循環回路11に導かれ、熱交換器7を通って浴槽10内に戻される。浴槽水入口温度センサ15cの検出温度である入力値をTciと浴槽水出口温度センサ15dの検出温度である入力値をTcoとを比較する。熱交換器7は給湯器本体1内の温度(例えば40℃)になっているので、TciとTcoは浴槽水温度になり、浴槽水入口温度センサ15cと浴槽水出口温度センサ15dが正常品であれば、TciとTcoで温度差はほとんどない。
【0020】
したがって、循環ポンプ12を動作させて所定時間(例えば60秒)経過後、TciとTcoの温度差が所定温度(例えば10℃)以内であれば、浴槽水入口温度センサ15cと浴槽水出口温度センサ15dは正常と判定し、追焚き動作を継続する。TciとTcoの温度差が所定温度(例えば10℃)以上であれば、浴槽水入口温度センサ15cか、又は、浴槽水出口温度センサ15dが不具合を起こしていると判定し、以降の追焚き動作を禁止する。
【0021】
浴槽水入口温度センサ15cと浴槽水出口温度センサ15dは正常と判定してから循環流量調整弁9は全閉から全開に動作し、循環ポンプ8も動作して貯湯タンク2の上部より高温の貯湯水が貯湯水循環回路6に導かれ、熱交換器7を通って貯湯タンク2の下部に戻される。この時、熱交換器7は、貯湯タンク2内に貯湯された高温の貯湯水から低温の浴槽水に熱交換(伝熱)することで、浴槽水を入浴に適した温度に加熱昇温させることができる。
【0022】
ここで、熱交換器7の近傍には、貯湯水入口温度センサ15a、貯湯水出口温度センサ15b、浴槽水入口温度センサ15c、浴槽水出口温度センサ15dが設けており、これらの温度センサで各部分の温度を検出し、この温度により、循環流量調整弁9を調整して追焚き制御を行なう。
【0023】
熱交換器7の浴槽水入口温度センサ15cの入力値Tciが、操作部60などであらかじめ設定されている浴槽設定温度以上か否かを確認する。Tciが設定温度以上ならば、循環ポンプ8をOFF、循環流量調整弁9を全閉にし、循環ポンプ12をOFFにして、浴槽10内の追焚きを終了する。Tciが設定温度未満ならば、追焚きを継続する。
【0024】
ところで、循環ポンプ12及び循環ポンプ8の吸い込み能力は決まっているが、浴槽10の設置高さは各家庭の設置環境によって変化し、浴槽10が給湯器本体1より下方に設置される場合に循環ポンプ12の吸い込み能力を大きくしなければならない。
一方、循環ポンプ8は貯湯水循環回路6の構成で決まり、吸込み能力を大きくしなければならない循環ポンプ12を循環ポンプ8より下に配置したほうが追焚き運転の不具合が少なくなる。
【0025】
さらに、循環ポンプ12で浴槽水循環回路11内と熱交換器7内の空気を抜いて浴槽水で満たすには、循環ポンプ12の上方に熱交換器7を配置する方が熱交換器7の空気が容易に抜けて、追焚き運転の不具合が少ない。
【0026】
このように、実施の形態1によれば、浴槽水循環回路11の循環ポンプ12が給湯器本体1の底面近傍に配置され、この循環ポンプ12の上方に貯湯水循環回路6の循環ポンプ8が配置され、さらに循環ポンプ8の上方に熱交換器7が配置されているので、浴槽水循環回路11、貯湯水循環回路6、及び熱交換器7の空気が確実に抜けて、正常な追焚き運転ができる。
【0027】
また、循環ポンプ12と循環ポンプ8を熱交換器7の垂直方向の投影空間内に納めるように配置しているので、給湯器本体1外装板と貯湯タンク2の間のデッドスペースに効率良く配置でき、給湯器本体1内の省設置スペース化が図れる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る貯湯式給湯器によれば、浴槽水を熱交換器に循環させる循環ポンプを、前記熱交換器の下方で、かつ貯湯水循環回路に設けてある循環ポンプよりも下方に配置しているので、追焚き運転の不具合を少なくでき、また、熱交換器の空気も容易に抜くことができて、正常な追焚き運転ができる。また、熱交換器の垂直方向の投影空間内に両循環ポンプを納めるように配置しているので、給湯器本体内の省設置スペース化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す貯湯式給湯器の構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1を示す熱交換器と循環ポンプの配置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 給湯器本体
2 貯湯タンク
6 貯湯水循環回路
7 熱交換器
8 循環ポンプ
10 浴槽(外部熱負荷)
11 浴槽水(外部液体)循環回路
12 循環ポンプ
Claims (3)
- 給湯器本体内に、下部から給水され、上部から出湯される貯湯タンクと、この貯湯タンクに加熱手段で貯湯水を加熱し、前記貯湯タンクの上部から取り出した貯湯水を前記貯湯タンクへ戻す貯湯水循環回路と、この貯湯水循環回路に貯湯タンクから取り出した貯湯水を循環させる循環ポンプと、貯湯タンクから取り出した貯湯水と浴槽水との間で熱交換する熱交換器と、前記浴槽水を前記熱交換器に循環させる循環ポンプとを配置した貯湯式給湯器において、前記浴槽水を循環させる循環ポンプを、前記熱交換器の下方で、かつ前記貯湯水循環回路に設けた循環ポンプよりも下方に配置したことを特徴とする貯湯式給湯器。
- 前記外部液体を循環させる循環ポンプを、給湯器本体の底面近傍に配置したことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯器。
- 前記両循環ポンプを、前記熱交換器の垂直方向の投影空間内に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の貯湯式給湯器。
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