JP3997556B2 - 電池ホルダー - Google Patents

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池によって作動させられる電気機器に設けられる電池ホルダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ビデオカメラ、携帯型液晶テレビ、あるいは、ノート型パーソナルコンピュータ等においては、通常電源の利用が困難な場所での使用が多いことから、電池を用いて作動を行なわせている。
【0003】
そのために、この種の電気機器においては、内部に電池を収納するための電池ホルダーが設けられており、この電池ホルダーは、図5に示すように、箱形のホルダー本体1と、このホルダー本体1の開口部を覆って取り付けられる蓋体2とを備え、前記ホルダー本体1の内部が電池収納部Cとなされ、また、前記ホルダー本体1の平行な一対の側壁には、前記電池収納部Cに収納される電池の各電極が接触させられる金属端子3(3a〜3d)が装着され、かつ、これらの金属端子3(3a〜3d)の内の2つの金属端子3c・3dには、それぞれリード線4・5が接続され、通常、これらのホルダー本体1および蓋体2等は電気機器の本体と同様にプラスチックで形成されているものが殆どである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した電気機器の用途の殆どが高負荷放電用途であり、また、通常電源が利用できない環境下での使用が多いことから、電池の放電時間の長期化すなわち電池寿命を長くすることが要求されている。
【0005】
しかしながら、前述した電気機器においては、電池の能力の全てを使い切ることなく、能力の幾分かを残したまま使用不能となる場合が殆どであり、その原因の一つとして電池の活物質の活性化が十分に行なわれず、活物質の未反応部分が残されてしまうことが考えられる。
【0006】
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、電池の活物質の活性化を十分に行なって電池寿命を伸ばすことの可能な電池ホルダーを提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の電池ホルダーは、前述した課題を解決するために、電池が収納される電池収納部を有するホルダー本体と、このホルダー本体に装着されて、前記電池収納部に収納される電池を包囲する保温材とを備え、前記保温材が、断熱材の成形体によって形成され、この成形体が前記ホルダー本体内に装着されるとともに、前記電池収納部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の請求項に記載の電池ホルダーは、電池が収納されるホルダー本体と、このホルダー本体に装着されて、電池収納部を形成するとともに、この電池収納部と前記ホルダー本体の内面との間に空気層を形成する中敷きとを備えていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1および図2を参照して説明する。 図1中、符号10は、本実施形態に係わる電池ホルダーを示し、この電池ホルダー1は、電池(図示略)が収納される電池収納部Dを有するホルダー本体11と、このホルダー本体11に、前記電池収納部Dを覆って装着される蓋体12と、前記ホルダー本体11および蓋体12に装着されて、前記電池収納部Dに収納される電池を包囲する保温材13とを備えた概略構成となっている。
【0012】
ついで、これらの詳細について説明すれば、前記ホルダー本体11はプラスチック等によって一部が開口された箱形に形成されており、その開口部11aを覆うようにして前記蓋体12が着脱可能に取り付けられ、本実施形態においては、前記ホルダー本体11の内面と、前記蓋体12の前記電池収納部Dに対向させられる面に、前記保温材13が貼付されている。
【0013】
この保温材13は、石綿、ガラス繊維、発泡スチロール、あるいは、樹脂等の断熱性に優れた材料を用い、これらを板状に成形した後に、前記ホルダー本体11の内面や蓋体12の一面に接着剤等によって貼付されている。
【0014】
また、前記ホルダー本体11の平行な一対の壁部には、それぞれ一対の金属端子14(14a〜14d)が取り付けられており、一方の一対の金属端子14a・14bは、相互に独立して設けられているとともに、それぞれ前記ホルダー本体11の外部へ露出させられており、この露出部分に給電用のリード線15・16が接続されている。
【0015】
また、他方の一対の金属端子14c・14dは、相互に電気的に接続されており、前記電池収納部D内に、円筒型電池を平行に2本装着した場合、これらの電池を直列に接続するようになされている。
【0016】
このように構成された本実施形態に係わる電池ホルダー10は、ホルダー本体11に形成されている電池収納部D内に電池を挿入した後に、前記ホルダー本体11の開口部11aを覆うようにして蓋体12を取り付けることによって使用に供される。
【0017】
ここで、前述したように構成された本実施形態に係わる電池ホルダー10に、LR6(単3型のアルカリマンガン電池)を2本装填して、この電池ホルダー10を低電流発生電源に接続し、室温20℃の室内において、1.5A、1.0A、500mA、および、100mAの低電流連続放電を行ない、電圧が0.9V(この電圧を終止電圧と称す)となるまでに要する時間を測定したところ、表1に示す結果が得られた。
【0018】
【表1】
Figure 0003997556
【0019】
また、比較のために、図5に示す従来のプラスチック製の電池ホルダーに同様にLR6を2本装填して、同様の放電試験を行ないその結果を表1に示した。
【0020】
この結果から明らかなように、全ての負荷状態において、従来の電池ホルダーと比較して、本実施形態に係わる電池ホルダー10を用いた場合には、電池の放電時間すなわち電池寿命が長くなっており、高負荷放電になるにしたがってその差が顕著に現われ、最も高負荷放電である1.5A連続放電においては、50%もの能力向上が図られている。
【0021】
そして、1.5A連続放電時における電池表面の最高温度を測定してみたところ、本実施形態においては約41℃で、前記従来の電池ホルダー10においては約30℃であった。
【0022】
これらの結果を総合してみると、本実施形態においては、電池の放電に伴う自己発熱の熱が、前記保温材13によって電池ホルダ10内に滞留させられることにより、電池の温度が上昇して、電池の活物質の活性化が良好に行なわれ、この結果、活物質の反応が促進されて電池寿命が伸びるものと考察される。
【0023】
このように、本実施形態に係わる電池ホルダー10においては、高負荷連続放電になるほど電池寿命の改善が図れることから、高負荷放電用途であるビデオカメラ、携帯型液晶テレビ、あるいは、ノート型パーソナルコンピュータ等の電気機器に用いた場合、これらの使用可能時間が大幅に改善される。
【0027】
ところで、図1では、保温材13を断熱材料からなる板材とし、この保温材13をホルダー本体11や蓋体12の内面側に貼付した例について示したが、本発明の実施形態では、前記保温材13に代えて、図2に示すように、断熱材料を所定形状に成形して、電池収納部17aを備えた保温材17とし、この保温材17を前記ホルダー本体11内に装着するような構成とした
このような構成とすることにより、保温材17を単にホルダー本体11内に挿入することにより、このホルダー本体11を保温構造とすることができ、組立作業が簡素化される。
【0028】
あるいは、図3に示すように、薄肉プラスチック等を所定形状に成形して、電池収納部18aを備え、下方が開放された空間部Gを有する中敷き18を形成しておき、この中敷き18を図4に示すように、前記ホルダー本体11内に装着することにより、この中敷き18と前記ホルダー本体11の下面との間に、前記空間部Gによって空気断熱層を形成して、前記ホルダー本体11からの放熱を抑制するようにしてもよい。
【0029】
このような構成とすることにより、前述した図2に示す実施形態と同様に組み立て作業が簡素化されるとともに、保温のための中敷き18が薄く形成されることにより、ホルダー本体11内における設置スペースが小さくなり、中敷き18を設置することによるホルダー本体11内の容積の拡大が抑えられて、電池ホルダー10の大型化が抑制される。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係わる電池ホルダーによれば、収納される電池を保温材によって包囲して、放電時において発生する熱の放出を抑制することにより電池温度を高め、これによって、電池の活物質の活性化を図ってその反応を促進するとともに電池寿命を長くすることができる。
また、保温材を断熱材の成形体によって構成し、この成形体に電池収納部を形成するとともにホルダー本体に装着する構成としたことにより、保温材をホルダー本体に単に装着するのみで保温構造とすることができるので、組立作業を簡素化することができる。
【0033】
さらに、本発明の請求項に係わる電池ホルダーによれば、保温材をホルダー本体に単に装着するのみで保温構造とすることができ、これによって、組立作業を簡素化することができ、また、空気層によって断熱効果を維持しつつ、薄肉の中敷きを使用して設置スペースの拡大を抑制し、この結果、電池ホルダーの大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる電池ホルダーを示す外観斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態を示す保温材の外観斜視図である。
【図3】 本発明の他の実施形態を示すもので、一部を破断した中敷きの外観斜視図である。
【図4】 図3に示す中敷きをホルダー本体に装着した状態を示す縦断面図である。
【図5】 従来の一構造例を示す外観斜視図である。

Claims (2)

  1. 電池が収納される電池収納部(17a)を有するホルダー本体(11)と、このホルダー本体(11)に装着されて、前記電池収納部(17a)に収納される電池を包囲する保温材とを備え、前記保温材が、断熱材の成形体によって形成され、この成形体が前記ホルダー本体(11)内に装着されるとともに、前記電池収納部(17a)が形成されていることを特徴とする電池ホルダー。
  2. 電池が収納されるホルダー本体(11)と、このホルダー本体(11)に装着されて、電池収納部(18a)を形成するとともに、この電池収納部(18a)と前記ホルダー本体(11)の内面との間に空気層(G)を形成する中敷き(18)とを備えていることを特徴とする電池ホルダー。
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