JP3997210B2 - サッシ窓 - Google Patents

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Description

本発明は、引違い窓や片引き窓等のサッシ窓に関し、下枠の上面が略フラットに形成され、室内外の床材上面との段差を小さくしたバリアフリータイプのサッシ窓等に適用できる。
住宅等のテラスやバルコニー等に面した外壁位置には、居住者が室内からテラス等に出入りするための掃出し窓が設けられている。このような掃出し窓としては、外壁に固定された窓枠と、この窓枠内にスライド自在に支持された可動障子とを備えた、引違い窓や片引き窓等のサッシ窓が一般的である。
このサッシ窓としては、障子の下框に設けられた戸車を案内するガイドレールが下枠上面から突出して形成されたものが従来から広く利用されている。また、下枠において、室外の雨水等が室内側に吹き込まないように、室外側に向かって下がる段差を形成し、室外側のガイドレールを室内側のガイドレールよりも低い位置に設けた水密構造が一般的であるが、近年、居住者の高齢化や、車いす利用者の利便性等に配慮したバリアフリータイプの掃出し窓が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された掃出し窓は、下枠上面が略フラット面とされ、このフラット面を戸車を介して開閉される障子を有している。そして、障子の下框室外側側壁から垂下するスライド片を設け、下枠にはこのスライド片をガイドする溝を形成し、障子の室外面に沿って流下する雨水をこの溝から下枠凹部内に案内し、さらに下枠室外側に排水するようにしている。
また、障子の下框内に浸入した水を下框に形成した排水孔を介して下枠上面に排水する構造も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−176671号公報 特開平11−81806号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のサッシでは、障子の室外面を落下する雨水は下枠内に案内できるが、障子の下框内に浸入した雨水の排水に関しては何ら開示されていない。
下框内に浸入した雨水の排水としては、特許文献2に記載のサッシのように、下框に排水孔を設け、この排水孔から下枠上面に排出することが考えられる。
しかしながら、特許文献1のような下枠上面が略フラットなサッシでは、下枠上面に雨水が落下すると、その雨水がフラット面に残り、室内側から視認できてユーザーに不安感を与えたり、室内側に漏水する虞があるという問題が発生する。
本発明の目的は、障子の框内に浸入した水を下枠上面に排出することなく排水でき、室内側への漏水を防止できるサッシ窓を提供することにある。
本発明のサッシ窓は、上枠、下枠および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持された障子とを備えたサッシ窓であって、前記障子は、面材と、この面材を保持する上框、下框および左右の縦框とを備え、前記障子の室外側下端縁には、下方に突出する垂下片が形成され、前記障子の下面には、框内に浸入した水を排水する水抜き穴が所定の位置に形成され、前記下枠は、略フラットな上面と、前記障子を閉めた際に前記障子の水抜き穴の下方となる位置に形成されて前記障子の水抜き穴から排出される水が流入される水受け穴と、この水受け穴に連通された排水路と、排水路内の水を室外空間に排出する逆止弁とを備え、前記障子の垂下片または下枠の一方には、障子を閉じた際に他方に当接してサッシ窓における室内空間と室外空間とを区画する気密ラインを構成する気密材が設けられ、前記水抜き穴、水受け穴および排水路は、前記気密ラインで区画された室内空間に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、障子の框内に浸入した水は、障子の下面に形成された水抜き穴から下枠の水受け穴内に流入する。そして、水受け穴に流入した水は、下枠に形成された排水路および逆止弁を介して外部に排出される。従って、障子から排出される水を下枠上面に排出するのではなく、下枠に形成された水受け穴を介して排水路に排出しているので、下枠上面が略フラットなサッシであっても、その雨水が下枠上面に残ることがなく、雨水が室内側から視認されることもなく、ユーザーに安心感を与えることができるとともに、室内側への漏水を防止することができる。
また、前記水抜き穴、水受け穴、排水路は、気密ラインの室内側の空間に形成され、排水路の水は逆止弁を介して室外側に排出される。従って、排水路内の水が逆止弁を介して室外空間に排出される時以外は、室内空間に位置するこれらの部分が室外空間と連通することがないので、断熱性が損なわれることがないと共に、風等によって排水路内の水が室内側に吹き込むこともなく、室内側への漏水をより確実に防止できる。
ここで、前記障子の下框は左右の端面が縦框の側面に当接された状態で接合され、前記下框には、面材を保持する開口と、この開口内に浸入した水を排水するための排水路とが形成され、前記縦框は、前記下框の排水路に連通する連通孔と、この連通孔に連通された排水路と、縦框の下端に設けられた摺動片とを備え、前記摺動片は、前記縦框の排水路を流下する水を受ける水受け部と、この水受け部の水を下枠の前記水受け穴に排出する前記水抜き穴とを備えることが好ましい。
このような構成によれば、下框の左右の端面に開口された排水路を、縦框内に形成された排水路に連通するための連通孔を形成し、かつ摺動片に水受け部および水抜き穴を形成すればよいため、框への加工を最小限にでき、容易に製造できる。
また、前記下枠は、建物に固定される下枠本体と、前記障子を案内するレール部とを備え、前記下枠の端部には、レール部と縦枠との間に配置されるコーナー部材が設けられ、このコーナー部材に前記水受け穴が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、コーナー部材に水受け穴を形成しているので、レール部分に水受け穴を形成する必要が無く、下枠の加工が不要になって容易に製造できる。また、レール部分に水受け穴を形成する場合、レールの室外側あるいは室内側にずらして形成しなければならず、水受け穴の形成位置や大きさが制限されるが、レールが設けられていない部分に水受け穴を形成すれば、形成位置や大きさの制限が少なくなり、容易に製造できる。
ここで、前記障子は、室外側に配置された外障子および室内側に配置された内障子を備え、前記下枠は、外障子および内障子をそれぞれ案内する室外側レール部および室内側レール部と、室内外の各レール部間に着脱自在に設けられたレール間上面部材とを備え、前記各レール部およびレール間上面部材の各々の上端が略同一高さ位置に設けられていることが好ましい。
ここで、各レール部等の各々の上端が略同一高さ位置に設けられるとは、同一の高さ位置に設けられる場合に限らず、居住者や車いす等の移動に際し、障害とならない程度の異なる高さ位置に設けられる場合も含む意味である。
このような構成によれば、レール部間の隙間にレール間上面部材があるため、下枠の上面を隙間が小さいフラットな上面とすることができると共に、下框からの排水が下枠上面に残ってしまうこともなく、利用者に不安感を与えず、室内側への漏水も防止できる。
また、前記室内外の各レール部間の空間は、各障子の召合せ部分に配置された風止板を挟んで、閉鎖位置にある内障子の室外側に形成される室外空間と、外障子の室内側に形成される室内空間とに区画され、前記内障子の水抜き穴に対応する水受け穴は、内障子および下枠間の気密ラインよりも室内側に形成された内障子用排水路に連通され、前記外障子の水抜き穴に対応する水受け穴は、前記レール部間に形成された室内空間によって構成される外障子用排水路に連通され、前記内障子用排水路は、外障子用排水路に連通されていることが好ましい。
このような構成によれば、内障子用排水路に流入した水は、外障子用排水路に流入し、この外障子用排水路を介して室外側に排出される。このため、外部への排出口は外障子用排水路のみに形成すればよく、逆止弁を有する排出口の形成箇所を少なくでき、その分、製造コストを低減できる。
さらに、前記下枠本体は、前記室内側レール部よりも室内側に設けられて上方に開口した室内側凹溝部と、室内外の各レール部間に設けられて上方に開口したレール間凹溝部とを有し、前記室内側凹溝部には、室内側上面部材が着脱自在に取り付けられ、前記内障子用排水路は、室内側凹溝部で形成され、かつ室内側上面部材によって室内側から視認できないように被覆され、前記レール間凹溝部には、前記レール間上面部材が着脱自在に取り付けられ、前記外障子用排水路は、レール間凹溝部で形成され、かつ前記レール間上面部材によって室内側から視認できないように被覆されていることが好ましい。
このような構成によれば、室内側上面部材及びレール間上面部材を取り外すことで、内障子用排水路である室内側凹溝部及び外障子用排水路であるレール間凹溝部を容易に清掃できる。また、内障子用排水路は室内側上面部材で被覆され、外障子用排水路はレール間上面部材で被覆されているので、各排水路を下枠に形成した凹溝部分で構成できるため、下枠に中空溝を形成して排水路を構成する場合に比べて下枠を容易に製造できる。
また、前記下枠本体は、前記室外側レール部よりも室外側に設けられて上方に開口した室外側凹溝部を有し、この凹溝部には、室外側上面部材が着脱自在に取り付けられ、この下枠本体には、室内側から室外側に向かって前記室内側上面部材、室内側レール部、室内側気密材、レール間上面部材、室外側レール部、室外側気密材、室外側上面部材の順に取り付けられており、前記室内側気密材と前記レール間上面部材との間、および前記室外側気密材と前記室外側上面部材との間には、それぞれ隙間が形成され、これらの隙間には、前記室内外の各障子下端に設けられた垂下片が挿入され、これら各障子の垂下片の室内側側面に前記各気密材が当接していることが好ましい。
このような構成によれば、室内外のレール部の室外側に各々隣接して気密材が配置され、これらの気密材の室外側に各々隙間が形成され、これらの隙間に挿入された障子の垂下片に気密材が当接することで、下枠と障子との間の気密ラインが形成される。すなわち、気密材に沿って設けられる隙間としては、障子の垂下片が挿入可能な最小限の幅寸法を有していればよく、最小限の隙間を設けるだけで気密ラインを形成することができるので、大きな隙間や凹凸を設ける必要がないことから、下枠上面をさらにフラットに形成することができる。
また、このような隙間に障子の垂下片を挿入することで、窓の外観上、障子下端縁と下枠上面との隙間が見えず、外観意匠性が向上するとともに、障子下端と下枠との間に室外側からバール等の工具を差し込んで障子を外す行為が防止でき、防犯性を向上させることができる。
なお、各レール部、各気密材、各上面部材の上端は略同一高さ位置に設けられていることが好ましい。この場合、下枠上面のフラット感をより一層向上させることができ、バリアフリー対応の窓とすることができる。
また、本発明のサッシ窓では、前記下枠本体は、室内側に配置される室内部材と、室外側に配置される室外部材と、これら室内部材および室外部材を連結する断熱部材とを備えて構成され、前記内障子用排水路は室内部材に形成され、外障子用排水路は室外部材に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、室内部材と室外部材とが断熱部材で連結された断熱サッシを、下枠上面がフラットに形成されたバリアフリー対応のサッシ窓に適用することができる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るサッシ窓である引違い窓10が設けられた建物の一部を示す断面図である。図2、図3は、引違い窓10を示す縦断面図、および横断面図である。
図1〜3において、建物の外壁部分に設けられた引違い窓10は、建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、気密性や水密性、遮音性等について所定の性能を有している。建物は、例えば戸建て住宅であって、引違い窓10の室外にはテラス1が設けられており、このテラス1には、再生木等からなるデッキ材2が適宜な支持材上に設置されている。そして、このデッキ材2の上面は、室内床面3と略同一の高さ位置となっている。引違い窓10では、後述する下枠12の上面がデッキ材2および室内床面3と略同一の高さ位置でフラットに形成されている。従って、居住者が引違い窓10を通って室内外間を往来する際に、室内外床レベルの段差がないので上り下りする必要がなく、楽に出入りできるとともに、車いすを利用する居住者であっても容易に出入りできるようになっている。すなわち、引違い窓10は、室内外の床段差を小さくした、バリアフリータイプ(ユニバーサルデザイン)の掃出し窓である。
引違い窓10は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠14と、この窓枠14の内側に開閉自在に支持された室内外一組の障子15とを備えて構成されている。窓枠14は、建物の外壁や柱等の躯体に固定されている。障子15は、上框16、下框17、および左右の縦框18を四周框組みした内部に、面材、例えば、ガラスパネル19を嵌め込んで構成されている。また、一組の障子15の室外側には、網戸20が窓枠14内に開閉自在に支持されている。網戸20は、四周枠組みされた網戸枠21と、この網戸枠21に固定されたネット22とを有して構成されている。一組の障子15は、室内側の障子(内障子)15Aと、室外側の障子(外障子)15Bとが、窓枠14の見付け方向(図3中、左右方向)略中央位置の召合せ部分23で重なって閉じるようになっている。そして、室内外の障子15A,15Bは、召合せ部分23の縦框(召合せ框)18A,18Bに設けられた引戸錠であるクレセント24により施錠できるようになっている。さらに、室内外の障子15A,15Bにおける戸先側の縦框(戸先框)18C,18Dには、各障子15A,15Bを開閉操作するためのハンドル25が取り付けられている。
窓枠14の上枠11、下枠12、および縦枠13は、それぞれの室内側に配置される室内部材111,121,131と、室外側に配置される室外部材112,122,132と、これらアルミ押出形材製の室内部材111,121,131および室外部材112,122,132を連結する断熱部材113,123,133とを備えて構成されている。また、障子15の上框16、下框17、および縦框18A,18C,18Dは、それぞれの室内側に配置される室内部材161,171,181と、室外側に配置される室外部材162,172,182と、これらアルミ押出形材製の室内部材161,171,181および室外部材162,172,182を連結する断熱部材163,173,183とを備えて構成されている。すなわち、引違い窓10は、窓枠14および障子15における室内外間の熱の伝達が抑制された断熱サッシから構成されており、冷暖房効率に優れるとともに、冬期における結露の発生が防止できるようになっている。
次に、引違い窓10における下枠12の構造について、図4〜8に基づいて詳しく説明する。図4は、下枠12を示す縦断面図である。図5、6は、それぞれ下枠12を示す斜視図、および分解斜視図である。図7、8は、それぞれ下枠12の中央部分を断面して示す斜視図、および分解斜視図である。
図4〜8において、下枠12は、建物に固定される下枠本体124と、障子15の戸車174を案内する室内側および室外側のレール部30(30A,30B)と、障子15に当接する室内側および室外側の気密材31(31A,31B)と、室内外の各レール部30A,30B間に着脱自在に設けられたレール間上面部材32と、室内側レール部30Aよりも室内側に着脱自在に設けられた室内側上面部材33と、室外側レール部30Bよりも室外側に着脱自在に設けられた室外側上面部材としての網戸レール34とを備えて構成されている。また、下枠12の室内側には、当該下枠12を室内の床材に固定するための固定部材であるアングル材35が下枠本体124の室内部材121に対して着脱自在に設けられている。
レール部30はアルミ押出形材製であり、気密材31はポリ塩化ビニル(PVC)製であって、それぞれ下枠本体124に着脱可能に取り付けられている。なお、気密材31の材質は、前述したものに限らず、特に限定されない。
そして、レール部30の上面には、上方に突出した戸車案内部301が形成されており、この戸車案内部301の上端は、気密材31の上面よりも上方に設けられている。また、網戸レール34の上面には、網戸20の戸車を案内する網戸案内部としてのガイド溝341が形成されている。
ここで、レール間上面部材32、室内側上面部材33、網戸レール34、およびアングル材35の少なくとも上面に、木目模様のラミネートフィルムを貼り付けてもよい。
また、レール間上面部材32、室内側上面部材33、および網戸レール34の上面は、略水平に形成されるとともに、室内外のレール部30A,30B、気密材31A,31B、およびアングル材35と略同一高さ位置に設けられている。つまり、下枠本体124には、室内側から室外側に向かって、アングル材35、室内側上面部材33、室内側レール部30A、室内側気密材31A、レール間上面部材32、室外側レール部30B、室外側気密材31B、および網戸レール34の順に取り付けられており、これらの上面が略フラットに形成されている。
室内側気密材31Aとレール間上面部材32との間、および室外側気密材31Bと網戸レール34との間には、それぞれ隙間が形成されており、これらの隙間に室内外の障子15A,15Bの下框17に形成された垂下片175が挿入されている。そして、これらの垂下片175の室内側側面に室内外の気密材31A,31Bの先端が当接して気密ラインが形成されるようになっている。このように室内外の各気密材31A,31Bの室外側に設けられる隙間の幅寸法は、障子15の下框17の垂下片175を挿通できる必要最低限の寸法になっていればよい。
また、室内側上面部材33、室内側レール部30A、および室内側気密材31Aは、互いに隙間なく接触して取り付けられ、レール間上面部材32、室外側レール部30B、および室外側気密材31Bは、互いに隙間なく接触して取り付けられている。
下枠本体124は、前述の室内部材121、室外部材122、および断熱部材123から構成されている。室内部材121の上部室内端には、上方に突出した室内側側壁部121Aが形成され、この室内側側壁部121Aに対向して室外側には、室内側レール部30Aを支持する室内側レール支持部121Bと、この室内側レール支持部121Bの室外側に隣接して室内側気密材31Aを保持する室内側気密材保持部121Cとが形成されている。そして、室内側側壁部121Aと室内側レール支持部121Bとの間で上方に開口した室内側凹溝部121Dに室内側上面部材33が取り付けられている。また、室内側側壁部121Aの上端には、アングル材35が係合可能になっている。
下枠本体124における室外部材122の上部室外端には、上方に突出した室外側側壁部122Aが形成され、この室外側側壁部122Aに対向して室内側には、室外側レール部30Bを支持する室外側レール支持部122Bと、この室外側レール支持部122Bの室外側に隣接して室外側気密材31Bを保持する室外側気密材保持部122Cとが形成されている。そして、室外側側壁部122Aと室外側気密材保持部122Cとの間で上方に開口した室外側凹溝部122Dに網戸レール34が取り付けられている。また、室外側レール支持部122Bの室内側には、支持部材36が係止されており、この支持部材36上にレール間上面部材32が取り付けられている。
以上のように下枠本体124に設けられた室内外のレール支持部121B,122Bは、上方に開口した凹溝状に形成されており、その開口部分に設けられた突起と、室内外のレール部30A,30B下端に設けた係止片とが係合可能になっている。このように係合させることで、レール部30A,30Bが下枠本体124に支持され、容易に外れないようになっている。そして、レール部30A,30Bは、その室内側側面に形成された溝部にドライバ等の工具を差し込み、上方に持ち上げることで、レール支持部121B,122Bから取り外すことができるようになっている。また、室内外の気密材保持部121C,122Cは、上方に開口した断面略半円形の凹溝状に形成されている。そして、気密材31A,31Bは、その下部に設けた略円柱状の係止部を気密材保持部121C,122Cに圧入することで、下枠本体124に保持され、上方に引っ張り上げることで、気密材保持部121C,122Cから取り外すことができるようになっている。
次に、図5、6に示すように、室内外のレール部30A,30Bおよび気密材31A,31Bは、それぞれ下枠12の長手方向略全長に渡る長さ寸法を有し、途中で分割されず一体に形成されている。
また、網戸レール34は、断面略コ字形のアルミ押出形材製であって、下枠12の長手方向略全長に渡る長さ寸法を有して一体に形成され、その両端部が下枠本体124の室外部材122にビス止め固定されている。なお、網戸レール34は、下枠本体124に固定された別部品に対してビス止め固定することで下枠本体124に固定してもよい。
レール間上面部材32は、下枠12の長手方向途中位置で四分割されており、図5、6中、下方左側から第1〜第4のレール間上面部材32A,32B,32C,32Dの4つの部材から構成されている。
そして、障子15を閉じた際にその上面が室内側空間に表出する(位置する)レール間上面部材32A,32Bは、角形中空形状の樹脂押出形材製のレール間上面部材本体部321と、このレール間上面部材本体部321の両端に取り付けられた取手部322とを有して形成されている。
一方、障子15を閉じた際にその上面が室外側空間に表出する(位置する)レール間上面部材32C,32Dは、角形中空形状のアルミ押出形材製のレール間上面部材本体部321と、このレール間上面部材本体部321の両端に取り付けられた取手部322とを有して形成されている。
取手部322は、樹脂製であって、レール間上面部材32を着脱する際に手で掴むための凹みを有している。
なお、樹脂押出形材製のレール間上面部材32A,32Bは、アルミ製の支持部材36とビス等で連結することで温度変化や経年変化等によって生じる樹脂特有の伸びや縮を抑えることができるとともに、レール間上面部材32A,32Bの上方からかかる荷重を支持部材36で支えるように構成されている。
また、アルミ押出形材製のレール間上面部材32C,32Dは、レール間上面部材32A,32Bと同様に、支持部材36を介して下枠本体124に取り付けてもよいし、レール間上面部材32C,32Dと支持部材36とを一体的に形成してもよい。
第1のレール間上面部材32Aは、一端側(図5、6中、下方左側)の取手部322を下枠本体124に設けたコーナー部材37に当接し、他端側の取手部322を第2のレール間上面部材32Bの取手部322に当接して取り付けられている。第2のレール間上面部材32Bは、図7、8に示すように、第1のレール間上面部材32Aと反対側の取手部322を下枠本体124に設けた風止板38に当接して取り付けられている。第3のレール間上面部材32Cは、一端側の取手部322を風止板38に当接し、他端側の取手部322を第4のレール間上面部材32Dの取手部322に当接して取り付けられている。第4のレール間上面部材32Dは、第3のレール間上面部材32Cと反対側の取手部322を縦枠13側面に当接して取り付けられている。そして、レール間上面部材32は、室内外の障子15A,15Bを窓枠14のいずれか一方側に寄せた状態で、他方側の第1のレール間上面部材32A(または第4のレール間上面部材32D)を取り外し、次いで第2のレール間上面部材32B(または第3のレール間上面部材32C)を他方側にスライドさせて取り外すことができるようになっている。
室内側上面部材33は、下枠12の長手方向途中位置で二分割されており、図5、6中、下方左側から第1および第2の室内側上面部材33A,33Bの2つの部材から構成されている。各室内側上面部材33A,33Bは、断面略L字形のアルミ押出形材製の室内側上面部材本体部331と、この室内側上面部材本体部331の縦枠13側端部に取り付けられた取手部332とを有して形成されている。そして、第1および第2の室内側上面部材33A,33Bは、図7、8に示すように、互いの下枠中央側端部を当接するとともに、図5、6に示すように、第1の室内側上面部材33Aの取手部332をコーナー部材37に当接し、第2の室内側上面部材33Bの取手部322をコーナー部材39に当接して取り付けられている。そして、取手部332は、その一部の押し下げ操作により他の一部が上方に突出するようになっており、この突出した部分を引き上げることで、室内側上面部材33を取り外すことができるようになっている。
以上において、レール部30は、上方に突出した凸状の戸車案内部301(図4)を有して形成されていたが、これに限らず、図9に示すように、上面を凹ませた凹状の戸車案内部302を有するレール部30を採用してもよい。
すなわち、凸状または凹状いずれかの戸車案内部301,302を選択することができ、いずれのレール部30を用いた場合でも、レール支持部121B,122Bの形状は変わらず、下枠本体124を共通化できるようになっている。
[障子の排水構造]
次に、障子15A,15B内に浸入した雨水等の排水構造に関して図10から図24を参照して説明する。なお、図10〜16は、外障子15Bの戸先框18D側の排水構造を示し、図17〜23は、内障子15Aの戸先框18C側の排水構造を示す。
各障子15A,15Bの下框17は、図10,17に示すように、ガラスパネル19を保持する保持溝176と排水路177とを備えている。排水路177は、室内部材171、室外部材172、断熱部材173で囲まれた中空部で構成されている。保持溝176の下面には、複数の排水孔178が形成され、保持溝176内に浸入した雨水を、排水孔178を介して排水路177内に排出可能に構成されている。なお、本実施形態では、排水孔178は、断熱部材173や、室内部材171において断熱部材173を保持するフランジ部分等に形成すればよい。
下框17は、押出成形によって長手方向に連続して形成されているので、排水路177も下框17の長手方向に連続して形成されている。このため、排水路177の左右両端面は開口されており、この端面は縦框18の内側面、具体的には縦框18においてガラスパネル19を保持する保持溝186の底面に当接されている。
図11,18に示すように、縦框18において、下框17の端面が当接された内側面には開口184が形成されている。この開口184の高さ位置は、前記排水路177の高さ位置に合わせており、開口184は排水路177に連通している。
縦框18は、前記保持溝186と排水路187とを備えている。排水路187は、室内部材181、室外部材182、断熱部材183で囲まれた中空部で構成されている。縦框18も押出成形で形成されるため、排水路187も上下方向に連続して形成されている。
なお、本実施形態においては、縦框18の2本の断熱部材183のうち、保持溝186側に設けられた断熱部材183の下端部は、縦框18の室内部材181、室外部材182の下端まで延長されておらず、下端から所定寸法上方の位置までしか設けられていない。そして、この断熱部材183の下方には、摺動片210,220がそれぞれ配置され、各摺動片210,220とその上方の断熱部材183との間に前記開口184がそれぞれ形成されている。
従って、前記開口184は、室内部材181、室外部材182、各断熱部材183で囲まれて区画された排水路187に連通している。
外障子15Bの戸先框18Dの下端には摺動片210が取り付けられ、内障子15Aの戸先框18Cの下端には摺動片220が取り付けられている。
摺動片210は、図12に示すように、縦框18Dの下面開口を塞ぐ蓋部211を備え、この蓋部211の下面に水抜き穴212が形成されている。
摺動片220は、図19(A),(B)に示すように、縦框18Cの下面開口を塞ぐ蓋部221を備え、この蓋部221の下面に水抜き穴222が形成されている。
下枠12において、外障子15Bの縦框18Dが当接される縦枠13との接合部分(コーナー部分)に配置されたコーナー部材37は、図13に示すように、水受け穴371が形成されている。
具体的には、コーナー部材37は、図14,15にも示すように、略ボックス状に形成され、その上面に水受け穴371を区画形成する切欠372が形成されている。また、コーナー部材37の室外側側面には、図16に示すように、下枠12の室外側レール支持部122Bに係合する係合突起373が突設されている。
コーナー部材37は、例えば、下枠12の端面から挿入し、係合突起373を室外側レール支持部122Bに係合することなどで取り付けられている。この際、コーナー部材37の上面部分の室外側端面は気密材31(31B)に当接されており、この気密材31Bおよび切欠372で区画される穴部分で水受け穴371が構成されている。
一方、下枠12において、内障子15Aの縦框18Cが当接される縦枠13との接合部分に配置されたコーナー部材39は、図20に示すように、水受け穴391が形成されている。
具体的には、コーナー部材39は、図21,22にも示すように、略ボックス状に形成され、その上面に水受け穴391を形成する傾斜片392が形成されている。傾斜片392の室外側端縁は、コーナー部材39の室外側端縁よりも室内側に引っ込んでおり、図23に示すように、コーナー部材39の室外端縁を気密材31Aに当接させた際に、傾斜片392と気密材31Aとの間に水受け穴391が形成されている。
下枠12の室外側レール支持部122Bの一部分は、前記水受け穴371から流入した水を下方に落とすために切り欠かれている。この切欠部分は、係合突起373に対して下枠12の長手方向にずれた位置に形成されている。
従って、水受け穴371から流下した水は、樋状に形成されている室外側レール支持部122Bで受けられ、レール支持部122Bの切欠部分から落下する。この落下した水は、下枠12において、各レール支持部121B,122B間に形成されたレール間凹溝部125に落下する。なお、各レール支持部121B,122B間のレール間凹溝部125は、風止板38によって外障子15Bの室内側に位置する室内空間と、内障子15Aの室外側に位置する室外空間とに区画されており、レール間凹溝部125の室内空間によって下枠12の排水路(外障子用排水路)230が形成されている。つまり、下枠12部分においては、気密材31B、風止板38、気密材31Aによって気密ラインが形成されているので、内障子15Aが配置されている領域においては、気密材31Aの室内側が室内空間とされ、外障子15Bが配置されている領域においては、気密材31Bの室内側が室内空間とされている。
なお、図16に示すように、この排水路230の底面は室外側に向かって斜め下方となるように傾斜され、流入した水を排水路230の室外側の側壁231側に案内するように構成されている。
側壁231には、排水孔232が1つあるいは複数形成されている。この排水孔232の形成位置は適宜設定できるが、本実施形態では、図13に示すように、水受け穴371に対して下枠12の長手方向にずれた位置、特に、水受け穴371よりも召合せ框18B側にずれた位置に形成されている。
そして、この排水孔232には、排水弁(逆止弁)234を有する排水弁部材233が取り付けられている。
このため、排水路230に流入した水は、排水孔232から排水弁部材233内に流入し、その流入した水によって排水弁234に加わる圧力が、この排水弁234に加わる外気圧よりも大きくなった場合のみ排水弁234が開いて室外側に排水される。
一方、下枠12の室内側レール支持部121Bの一部分も、前記水受け穴391から流入した水を下方に落とすために切り欠かれている。この切欠部分の形成位置は、特に限定されないが、コーナー部材39の配置位置に対して下枠12の長手方向にずれた位置に形成されている。
従って、水受け穴391から流下した水は、樋状に形成されている室内側レール支持部121Bで受けられ、その切欠部分から下枠12の室内側凹溝部121Dに落下する。従って、この室内側凹溝部121Dによって下枠12の排水路(内障子用排水路)240が形成されている。なお、図23に示すように、この排水路240の底面は室外側に向かって斜め下方となるように傾斜され、流入した水を排水路240の室外側の側壁241部分に案内するように構成されている。
室内側凹溝部121Dは、下枠12の長手方向全長に渡って形成されている。そして、図24に示すように、排水路240(室内側凹溝部121D)の側壁241において、障子を閉じた際に外障子15Bが配置される領域に、排水孔242が1つあるいは複数形成されている。この排水孔242の形成位置は適宜設定できるが、本実施形態では、外障子15B領域において、召合せ框18Aに近い位置に形成されている。
排水孔242に対応して支持部材36にも排水孔361が形成されている。従って、排水路240から排水孔242を介して排出された水は、断熱部材123の上面および排水孔361を介して排水路230に流入する。そして、この水は排水路230に形成された前記排水孔232および排水弁部材233を介して室外に排水される。
従って、各障子15A,15Bにおいて、保持溝176,186に浸入した水は、排水孔178、排水路177、開口184、排水路187を介して各摺動片210,220の蓋部211,221で受けられ、水抜き穴212,222から落下する。
各障子15A,15Bが閉められている状態では、水抜き穴212,222の下方には水受け穴371,391が開口されているので、前記水は水受け穴371,391内に落下する。
水受け穴371に落下した水は、レール支持部122Bの切欠を介して排水路230に流入し、排水孔232を介して排水弁部材233から室外に排出される。
一方、水受け穴391に落下した水は、レール支持部121Bの切欠を介して排水路240に流入し、さらに、排水孔242,361を介して排水路230に流入し、排水孔232を介して排水弁部材233から室外に排出される。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)障子15A,15Bの框内に浸入した水を排出する水抜き穴212,222を障子の下面に形成し、下枠12に、障子15A,15Bを閉めた際に前記水抜き穴212,222の下方に位置する水受け穴371,391を形成し、水受け穴371,391内に流入した水を室外側まで案内する排水路230,240を形成したので、下枠12上面が略フラットなサッシであっても、障子15A,15Bから排出された水が下枠12の上面に残ることを防止できる。このため、水が室内側から視認されることもなく、ユーザーに安心感を与えることができるとともに、室内側への漏水を防止することができる。
(2)また、前記水抜き穴212,222、水受け穴371,391、排水路230,240は、気密ラインの室内側の空間に形成され、排水路230,240に流入した水は、排水弁234を有する排水弁部材233を介して室外側に排出される。このため、排水路230,240内の水が排水弁234を介して室外空間に排出される時以外は、室内空間に位置するこれらの部分が室外空間と連通することがないので、断熱性が損なわれることがないと共に、風等によって排水路230,240内の水が室内側に吹き込むこともなく、室内側への漏水をより確実に防止できる。
(3)障子15A,15Bにおいては、縦框18、下框17の中空部分を排水路177,187として利用しており、水抜き穴212,222は摺動片210,220に形成しているので、框の加工は排水孔178、開口184のみでよく、簡単に製造できる。
また、水抜き穴212,222を、戸先框18C,18Dに設けられた摺動片210,220に形成しているので、下枠12に形成する水受け穴371,391を下枠12の両端部に形成できる。このため、レール部30が設けられていないコーナー部分に水受け穴371,391を形成でき、このため、水受け穴371,391の形成位置や大きさの制限が少なくなり、水抜き穴212,222から落下する水を確実に受けることができる。さらに、コーナー部材37,39に水受け穴371,391を形成しているので、レール部30に水受け穴371,391を形成する必要が無く、下枠12の加工が不要になって容易に製造できる。
(4)内障子側排水路240が形成された室内側凹溝部121Dには、室内側上面部材33が取り付けられて、レール支持部121Bの下方に形成される内障子側排水路240を室内側から視認できないように被覆しているので、排水路240に流入した水が利用者に視認されることがなく、意匠性を損なうこともない。
また、室内側上面部材33は着脱可能であるため、排水路240の清掃も容易に行うことができる。
同様に、排水路230部分は、レール間上面部材32で上方が塞がれて被覆されているので、排水路230に流入した水が利用者に視認されることがなく、意匠性を損なうこともない。また、レール間上面部材32も着脱可能であるため、排水路230の清掃も容易に行うことができる。
(5)下枠12に取り付けた室内外の各レール部30A,30B、室内外の各気密材31A,31B、レール間上面部材32、室内側上面部材33、および網戸レール34の上端が略同一高さ位置に設けられているので、下枠12の上面をフラットに形成することができ下枠12の上面を足で踏んだ際の違和感や、車いすで通過する際のがたつき等を減少させて、バリアフリー対応可能な引違い窓10を構成することができる。
(6)また、レール間上面部材32や室内側上面部材33、網戸レール34を取り外すことで、レール部30を取り外すことなくレール間凹溝部125や室内外の凹溝部121D,122Dの清掃ができるので、清掃時に障子15が脱落するおそれもなく、清掃作業を安心して実行することができる。
(7)さらに、下枠12の外観上目立つ部分であるレール間上面部材32や室内側上面部材33、網戸レール34を、障子15を支持するレール部30と別部材で構成したので、これらの各部材32,33,34で重い障子15を支持する必要がなく、かつ障子15による傷もつかないため、これらの各部材32,33,34には強度や耐摩耗性等がさほど要求されず、木目模様のラミネートフィルムを貼り付ける等の各種のデザインを施す、あるいはデザイン性を有する樹脂で各部材32,33,34を形成することができ、下枠12の外観意匠性を向上させることができる。
(8)また、レール部30が下枠12の長手方向に関して途中に継ぎ目のない1本の連続した部材から構成されるので、障子15を開閉操作する際に、戸車174が継ぎ目に引っ掛かってガタついたり音が鳴ったりすることなく、障子15の戸車174を円滑に案内することができる。
(9)さらに、レール部30が下枠本体124に対して着脱自在になっているので、レール部30が傷ついた場合であっても、レール部30を交換することができる。また、障子15の戸車174の形態に応じて、レール部30の戸車案内部301,302を凸状や凹状などに変更した場合にも、下枠本体124の形状を変更する必要がなく、レール部30のみを交換するだけで対応することができる。
(10)また、室内外の気密材31A,31Bの室外側に各々隙間が形成され、これらの隙間に挿入された障子15の垂下片175に気密材31A,31Bが当接することで、下枠12と障子15との間の気密ラインが形成される。そして、気密材31A,31Bに沿って設けられる隙間の幅寸法としては、垂下片175が挿入可能な最小限の寸法を有していればよく、最小限の隙間を設けるだけで気密ラインを形成することができるので、大きな隙間や凹凸を設ける必要がないことから、下枠12上面をさらにフラットに形成することができる。
(11)さらに、気密材31A,31Bに沿った隙間に障子15の垂下片175を挿入することで、窓の外観上、障子15下端縁と下枠12上面との隙間が見えず、外観意匠性が向上するとともに、障子15下端と下枠12との間に室外側からバール等の工具を差し込んで障子15を外す行為が防止でき、防犯性を向上させることができる。
(12)また、気密材31A,31Bが下枠12の上面側から着脱可能に設けられているので、気密材31A,31Bが摩耗した場合であっても、下枠12の上方から容易に気密材31A,31Bを交換することができる。
(13)また、レール間上面部材32が下枠12の長手方向途中位置で四分割されているので、障子15を窓枠14のいずれか一方側に寄せるだけで、障子15を外さなくてもレール間上面部材32を容易に脱着することができる。
(14)また、図4に示すように、レール部30の戸車案内部301を凸状に形成し、気密材31の上端よりも上方に設ければ、下枠12の上面を通行する際の足裏や車いすの車輪が気密材31に直接接触することが避けられ、気密材31の摩耗や変形等を防止し、長寿命化することができる。一方、図9に示すように、レール部30の戸車案内部302を凹状に形成し、レール部30および気密材31の上端をフラットにすれば、気密材31を滑り止めとして機能させることができる。
(15)また、室内部材121と室外部材122とが断熱部材123で連結された下枠本体124において、障子15を閉じた際に室内側空間に位置する室内側のレール部30A、室内側上面部材33、および気密材31Aを室内部材121に設け、障子15を閉じた際に室内側空間に位置するレール間上面部材32A,32Bを樹脂製とすることで、断熱サッシである引違い窓10の断熱効果を確実にすることができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態は、外障子15B、内障子15Aを備える引違い窓であったが、本発明は、一方の障子のみが可動とされた片引き窓においても適用可能である。
また、本発明は、障子を案内するレールを備えたサッシ窓に限らず、開き窓や辷り出し窓でもよく、要するに、障子を閉めた際に、障子下面に形成された水抜き穴と下枠に形成した水受け穴とが上下方向に揃って配置されるように構成できるサッシ窓であればよい。
また、前記実施形態では、下枠12の凹溝部分で排水路230,240を形成していたが、下枠に中空部を形成し、この中空部で排水路を構成してもよい。但し、前記実施形態のように構成すれば、レール間上面部材32や室内側上面部材33を取り外すことで排水路を清掃できる利点がある。
障子15A,15Bの水抜き穴212,222は、戸先框18C,18Dの摺動片210,220に形成するものに限らず、召合せ框18A,18Bの摺動片に形成してもよいし、摺動片に形成せずに下框17に形成してもよい。
また、下枠12の水受け穴371,391も、水抜き穴212,222の位置に応じて、下枠12の長手方向中間部つまりレール部30が形成された部分に形成してもよい。
前記実施形態では、レール部30を下枠本体124に対して着脱可能に取り付けたが、これに限らず、レール部を下枠本体に一体に形成してもよく、またレール部を途中で複数に分割してもよい。
また、前記実施形態では、窓枠14の各枠材11,12,13や障子15の各框材16,17,18を室内部材、室外部材、および断熱部材から構成したが、これに限らず、各枠材や框材を一体のアルミ形材製としてもよく、また断熱部材を用いずに、樹脂押出形材製の室内部材とアルミ押出形材製の室外部材とを連結した複合サッシとしてもよい。
また、前記実施形態では、レール部30の室外側に隣接して気密材31を取り付け、気密材31の室外側に障子15の垂下片175を挿入する隙間を設けたが、このような構成に限定されない。例えば、障子15の垂下片175に気密材31を設け、下枠12に当接させてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るサッシ窓が設けられた建物の一部を示す断面図である。 前記サッシ窓を示す縦断面図である。 前記サッシ窓を示す横断面図である。 前記サッシ窓における下枠を示す縦断面図である。 前記下枠を示す斜視図である。 前記下枠を示す分解斜視図である。 前記下枠の中央部分を断面して示す斜視図である。 前記下枠の中央部分を断面して示す分解斜視図である。 前記実施形態の変形例に係る下枠を示す縦断面図である。 前記実施形態の外障子の下框における排水構造を示す概略斜視図である。 前記外障子の縦框における排水構造を示す概略斜視図である。 前記外障子の摺動片を示す斜視図である。 前記下枠の外障子側のコーナー部材を示す斜視図である。 前記コーナー部材を示す斜視図である。 前記コーナー部材を示す斜視図である。 前記外障子の排水経路を示す断面図である。 前記実施形態の内障子の下框における排水構造を示す概略斜視図である。 前記内障子の縦框における排水構造を示す概略斜視図である。 前記内障子の摺動片を示す斜視図である。 前記下枠の内障子側のコーナー部材を示す斜視図である。 前記コーナー部材を示す斜視図である。 前記コーナー部材を示す斜視図である。 前記内障子の排水経路を示す断面図である。 前記内障子の排水経路を示す断面図である。
符号の説明
10…サッシ窓である引違い窓、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、14…窓枠、15…障子、16…上框、17…下框、18…縦框、30…レール部、31…気密材、32…レール間上面部材、33…室内側上面部材、34…室外側上面部材である網戸レール、37,39…コーナー部材、38…風止板、124…下枠本体、175…垂下片、176,186…保持溝、177,187…排水路、178…排水孔、184…開口、210,220…摺動片、211,221…蓋部、212,222…水抜き穴、230,240…排水路、232…排水孔、233…排水弁部材、234…排水弁(逆止弁)、242,361…排水孔、371,391…水受け穴。301…戸車案内部。

Claims (8)

  1. 上枠、下枠および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持された障子とを備えたサッシ窓であって、
    前記障子は、面材と、この面材を保持する上框、下框および左右の縦框とを備え、
    前記障子の室外側下端縁には、下方に突出する垂下片が形成され、
    前記障子の下面には、框内に浸入した水を排水する水抜き穴が所定の位置に形成され、
    前記下枠は、略フラットな上面と、前記障子を閉めた際に前記障子の水抜き穴の下方となる位置に形成されて前記障子の水抜き穴から排出される水が流入される水受け穴と、この水受け穴に連通された排水路と、排水路内の水を室外空間に排出する逆止弁とを備え、
    前記障子の垂下片または下枠の一方には、障子を閉じた際に他方に当接してサッシ窓における室内空間と室外空間とを区画する気密ラインを構成する気密材が設けられ、前記水抜き穴、水受け穴および排水路は、前記気密ラインで区画された室内空間に形成されているサッシ窓。
  2. 前記障子の下框は左右の端面が縦框の側面に当接された状態で接合され、
    前記下框は、面材を保持する開口と、この開口内に浸入した水を排水するための排水路とが形成され、
    前記縦框は、前記下框の排水路に連通する連通孔と、この連通孔に連通された排水路と、縦框の下端に設けられた摺動片とを備え、
    前記摺動片は、前記縦框の排水路を流下する水を受ける水受け部と、この水受け部の水を下枠の前記水受け穴に排出する前記水抜き穴とを備える請求項1に記載のサッシ窓。
  3. 前記下枠は、建物に固定される下枠本体と、前記障子を案内するレール部とを備え、
    前記下枠の端部には、レール部と縦枠との間に配置されるコーナー部材が設けられ、このコーナー部材に前記水受け穴が形成されている請求項1または請求項2に記載のサッシ窓。
  4. 前記障子は、室外側に配置された外障子および室内側に配置された内障子を備え、
    前記下枠は、外障子および内障子をそれぞれ案内する室外側レール部および室内側レール部と、室内外の各レール部間に着脱自在に設けられたレール間上面部材とを備え、
    前記各レール部およびレール間上面部材の各々の上端が略同一高さ位置に設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載のサッシ窓。
  5. 前記室内外の各レール部間の空間は、各障子の召合せ部分に配置された風止板を挟んで、閉鎖位置にある内障子の室外側に形成される室外空間と、外障子の室内側に形成される室内空間とに区画され、
    前記内障子の水抜き穴に対応する水受け穴は、内障子および下枠間の気密ラインよりも室内側に形成された内障子用排水路に連通され、
    前記外障子の水抜き穴に対応する水受け穴は、前記レール部間に形成された室内空間によって構成される外障子用排水路に連通され、
    前記内障子用排水路は、外障子用排水路に連通されている請求項4に記載のサッシ窓。
  6. 前記下枠本体は、前記室内側レール部よりも室内側に設けられて上方に開口した室内側凹溝部と、室内外の各レール部間に設けられて上方に開口したレール間凹溝部とを有し、
    前記室内側凹溝部には、室内側上面部材が着脱自在に取り付けられ、
    前記内障子用排水路は、室内側凹溝部で形成され、かつ室内側上面部材によって室内側から視認できないように被覆され、
    前記レール間凹溝部には、前記レール間上面部材が着脱自在に取り付けられ、
    前記外障子用排水路は、レール間凹溝部で形成され、かつ前記レール間上面部材によって室内側から視認できないように被覆されている請求項5に記載のサッシ窓。
  7. 前記下枠本体は、前記室外側レール部よりも室外側に設けられて上方に開口した室外側凹溝部を有し、この凹溝部には、室外側上面部材が着脱自在に取り付けられ、
    この下枠本体には、室内側から室外側に向かって前記室内側上面部材、室内側レール部、室内側気密材、レール間上面部材、室外側レール部、室外側気密材、室外側上面部材の順に取り付けられており、
    前記室内側気密材と前記レール間上面部材との間、および前記室外側気密材と前記室外側上面部材との間には、それぞれ隙間が形成され、これらの隙間には、前記室内外の各障子下端に設けられた垂下片が挿入され、これら各障子の垂下片の室内側側面に前記各気密材が当接している請求項6に記載のサッシ窓。
  8. 前記下枠本体は、室内側に配置される室内部材と、室外側に配置される室外部材と、これら室内部材および室外部材を連結する断熱部材とを備えて構成され、
    前記内障子用排水路は室内部材に形成され、外障子用排水路は室外部材に形成されている請求項1から請求項7のいずれかに記載のサッシ窓。
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