JP3996823B2 - 体液成分測定装置と制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液等の体液の臨床検査等を行う場合に、必要量の体液を採取するのと同時に、その採取した体液中の血糖値等の成分を測定する体液成分測定装置と制御方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、血液中の種々の成分を測定するために、血液中の特定成分と反応する特異酸素の反応生成物を測定する方法が検討されてきている。特に、血糖値の測定は、患者の状態をモニタするために重要であり、日常の血糖値の変動を患者自身がモニタする自己血糖測定が推奨されてきている。また、近年、糖尿病患者が増加してきており、簡便で苦痛のない測定方法、測定手段が求められてきている。
この血糖値の測定は、グルコースオキシダーゼやグルコースデヒドロゲナーゼ等の酸素がブドウ糖を酸化する反応を用いて行われる場合が多い。現在、血液中のブドウ糖量に応じて呈色する試験紙を装着し、該試験紙に血液を供給、展開して呈色させ、その呈色の度合いを光学的に測定(測色)して血糖値を定量化する比色式の方法、上記の酸素反応の生成物を電気的に測定する電極式の方法等による血糖測定装置を用いて行われている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
これらの測定方法においては、測定用の血液を採取することが必須である。これらの方法は、穿刺専用器具を用いて、ランセットと称される針状や小刀状の穿刺手段によって患者の指先等の皮膚に傷を形成して血液等の体液を滲出させた後、その体液を別に準備した試験紙あるいはセンサが印刷された電極片等に移して血糖測定装置で測定する。
また、近年、皮膚から血液を得るための穿刺針を有する穿刺具と上記の試験紙とを一体とした成分採取具が開発されている。このような穿刺具と試験紙を一体化することは、血糖測定装置に穿刺具とセンサを別々に装着することがなく、操作を簡略化できるので、非常に使い勝手を向上させることができる(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−183474号公報
【特許文献2】
特開昭60−17344号公報
【特許文献3】
特開昭61−286738号公報
【特許文献4】
特表2001−524343号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、穿刺針を穿刺する穿刺機構と、試験紙や電極センサ等により成分濃度を測定する測定機構を一体化した体液採取具とすることにより、構造が複雑となるため、不具合を有する体液採取具を血糖測定装置に装着してしまったり、一旦使用した穿刺針を有する体液採取具を装着してしまう可能性がある。また、誤って穿刺針を発射してしまった場合、試験紙や電極センサが未使用で穿刺針も清潔であっても、体液採取具を廃棄しなければならない等の課題も有している。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、体液採取具の装着検出、穿刺部材の装着検出、穿刺部材が未使用品であるか否かの判別等を総合的に行うことができるように構成された体液成分測定装置と制御方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の請求項1の体液成分測定装置は、皮膚に傷を形成し体液を滲出させる穿刺部材と、滲出した該体液の成分を検出する成分検出部とを備えた体液採取具が脱着可能に装着される体液採取具装着部と、該体液採取具が該体液採取具装着部に装着された時に、該穿刺部材が先端部に脱着可能に装着される穿刺軸とを備えた体液成分測定装置において、該体液採取具が該体液採取具装着部に装着されていることを検出する体液採取具装着検出手段と、該穿刺部材が該穿刺軸に装着されたことを検出する穿刺部材装着検出手段とを備えたものである。
また、本発明の請求項1に従属する請求項2の体液成分測定装置は、前記穿刺軸は穿刺位置と待機位置とを有し、前記穿刺部材が未使用状態である前記体液採取具が前記体液採取具装着部に装着されるに伴い、該穿刺部材が該穿刺軸を待機位置へ押して該待機位置に係止し、該待機位置での該穿刺軸の係止を解除することによって、該穿刺軸で該穿刺部材を該待機位置から該穿刺位置へ発射する駆動機構とを備え、前記穿刺部材装着検出手段は、前記体液採取具の装着により該穿刺軸が該待機位置へ押し戻されて係止されたことを検出することにより構成されたものである。
また、本発明の請求項2に従属する請求項3の体液成分測定装置は、前記体液採取具が前記体液採取具装着部に装着された状態で、前記駆動機構により発射された前記穿刺部材を前記待機位置へ戻す再チャージ機構を有するものである。
また、本発明の請求項1ないし3に従属する請求項4の体液成分測定装置は、前記体液採取具が、前記穿刺部材の未使用の状態では、該穿刺部材を保持して前記穿刺軸の先端部への装着を可能にし、前記穿刺部材の使用後には、該穿刺部材の保持が解除されて、該体液採取具の前記体液採取具装着部への装着に伴う該穿刺部材の該穿刺軸への装着を不能とする穿刺部材保持部を有するものである。
また、本発明の請求項1ないし請求項4に従属する請求項5の体液成分測定装置は、前記体液採取具装着検出手段と前記穿刺部材装着検出手段のうちの何れか一方が検出不可となった時に、そのことを報知する報知手段を備えたものである。
また、本発明の請求項1ないし請求項5に従属する請求項6の体液成分測定装置は、前記体液採取具装着検出手段が出力する検出信号と、前記穿刺部材装着検出手段が出力する検出信号とを時系列に記憶する記憶手段を備えたものである。
【0007】
また、本発明の請求項7の体液成分測定装置の制御方法は、皮膚に傷を形成して体液を滲出させる穿刺部材と、その滲出された体液の成分を検出する成分検出部とを備えた体液採取具が脱着可能に装着される体液採取具装着部と、前記体液採取具が前記体液採取具装着部に脱着可能に装着された時に、前記穿刺部材が先端部に脱着可能に装着される穿刺軸とを備えた体液成分測定装置において、前記体液採取具が前記体液採取具装着部に脱着可能に装着されて、前記穿刺部材が前記穿刺軸の先端部に脱着可能に装着された時に、該穿刺軸を穿刺位置から待機位置へ押し戻して、その待機位置に係止し、その待機位置での前記穿刺軸の係止を解除することによって、該穿刺軸で前記穿刺部材を待機位置から穿刺位置へ発射する駆動機構と、前記体液採取具が前記体液採取具装着部に脱着可能に装着されたことを検出する体液採取具装着検出手段と、前記穿刺部材が前記穿刺軸の先端部に脱着可能に装着されたことによって前記穿刺軸が前記駆動機構の待機位置まで押し戻されて係止されたことを検出する穿刺部材装着検出手段と、前記体液採取具検出手段からの検出信号と前記穿刺部材装着検出手段からの検出信号とを時系列に記憶する記憶手段とを備え、前記体液採取具が前記体液採取具装着部に脱着可能に装着された時に、前記体液採取具装着検出手段から体液採取具装着状態である旨の信号を受け、前記穿刺部材装着検出手段からは前記穿刺軸が待機位置まで押し戻されていない旨の信号を受けた場合に第1警報を報知し、前記体液採取具装着検出手段から体液採取具装着状態である旨の信号を受けている状態で、一度、前記穿刺部材装着検出手段から前記穿刺軸が待機位置にある旨の信号を受けた後に、該穿刺部材装着検出手段から前記穿刺軸が待機位置にない旨の信号を受けた場合に第2警報を報知するするものである。
【0008】
上記のように構成された本発明の請求項1の体液成分測定装置は、体液採取具装着部に体液採取具が装着された時に、その体液採取具の装着が正しかったか否かを体液採取具装着検出手段によって検出すると共に、体液採取具内の穿刺部材が穿刺軸の先端部に正しく装着されたか否かも、穿刺部材装着検出手段によって検出するものである。
本発明の請求項1に従属する請求項2の体液成分測定装置は、穿刺部材が未使用である体液採取具が体液採取具装着部に装着された時に、穿刺部材で穿刺軸を待機位置へ押して係止し、駆動手段は待機位置での穿刺部材の係止を解除することにより、その穿刺部材を穿刺軸で待機位置から穿刺位置へ発射するようにし、体液採取具の装着時に、穿刺軸に装着された穿刺部材によって、その穿刺軸が待機位置まで押し戻されて係止されたか否かを穿刺部材装着検出手段で検出するものである。
また、本発明の請求項2に従属する請求項3の体液成分測定装置は、体液採取具が体液採取具装着部に装着されている状態で、待機位置から穿刺位置へ駆動機構によって発射された穿刺部材を、再チャージ機構によって穿刺位置から待機位置へ押し戻すことができるものである。
また、本発明の請求項1ないし3に従属する請求項4の体液成分測定装置は、体液採取具の穿刺部材が未使用の時には、体液採取具装着部への体液採取具の装着時に、穿刺部材を保持して穿刺軸の先端部へ装着することにより、その穿刺部材の穿刺軸への装着を可能にし、体液採取具の穿刺部材が使用済みの時には、穿刺部材の保持が解除されて、体液採取具装着部への体液採取具の装着時に、穿刺部材の穿刺軸への装着を不能にするものである。
また、本発明の請求項1ないし4に従属する請求項5の体液成分測定装置は、体液採取具装着検出手段と穿刺部材装着検出手段のうちの何れか一方でも検出不可となった時に報知手段が報知するものである。
また、本発明の請求項1ないし5に従属する請求項6の体液成分測定装置は、体液採取具装着検出手段から出力される検出信号と、穿刺部材装着検出手段から出力される検出信号とを時系列に記憶するものである。
【0009】
また、本発明の請求項7の体液成分測定装置の制御方法は、体液採取具装着時に、体液採取具装着手段から体液採取具装着状態である旨の信号を受け、穿刺部材装着検出手段からは穿刺軸が待機位置まで押し戻されていない旨の信号を受けた場合に、第1警報を報知することにより、穿刺針が体液採取具ないで正規の位置にない異常な状態であることを使用者に認識させることができるものであり、また、体液採取具装着時に、体液採取具装着検出手段から体液採取具装着状態である旨の信号を受けている状態で、一度、穿刺部材装着検出手段から穿刺軸が待機位置にある旨の信号を受けた後に、穿刺部材装着検出手段から穿刺軸が待機位置にない旨の信号を受けた場合に、第2警報を報知するようにしたものであることにより、使用者に再チャージできることを認識させることができる。第1警報と第2警報の報知により、使用済みの体液採取具を使用を防止し、安全を図ると同時に、体液採取具の有効利用を図り、使用者の経済的負担を軽減させるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した体液成分測定装置と制御方法の実施の形態を図を参照して説明する。
まず、図1〜図7によって、この体液成分測定装置1に使用される使い捨て要素である体液採取具(以下、チップと記載する)2について説明すると、このチップ2はモールド部品(合成樹脂成形品であって、以下、単にモールド部品と記載する)等で構成されたチップケース3を有している。このチップケース3の外形は扁平な長方体に形成されていて、内部の中心には円筒状の中空部4が形成されている。この中空部4は先端側が小径に形成され、後端側が大径に形成された段付き形状に形成されている。そして、穿刺部材である円筒状のランセット5がモールド部品等で構成されていて、このランセット5の中空部4内に収納されている。このランセット5の先端5aの中心に穿刺手段である穿刺針6が同心状に埋設され、このランセット5の後端5bの近傍位置の外周には円筒状の大径部5cが同心状に一体成形されている。そして、チップケース3には中空部4の後端近傍位置の内周に一体成形等にて形成されたリング状配列の複数の凸部やリング形状の1本の凸部等で形成されているランセット保持部8が形成されている。そして、ランセット5が中空部4内で軸方向に一定範囲内で移動自在に構成されていて、ランセット5の大径部5cがランセット保持部8内に抜き差し可能に軽圧入されるように構成されている。
【0011】
そして、このチップ2は、ランセット5が未使用品であれば、図5及び図6に示すようにランセット5の後端5bの大径部5cがチップケース3のランセット保持部8内に軽圧入されている。そして、そのランセット保持部8とランセット5の大径部5cとの摩擦力によってランセット5がチップケース3内に保持されて、後述するチップ装着時に、ランセット5の後端5bが後述する穿刺軸23の先端部23aに脱着可能に装着することができるように構成されている。
一方、ランセット5が一度でも使用されて、使用済み品となると、図7に示されているように、ランセット5の後端5bの大径部5cがチップケース3のランセット保持部8内から穿刺針6の先端6a側に離脱(抜け落ちた状態)されている。この結果、使用済みランセット5は後述するチップ装着時に、穿刺軸23の先端部23aに装着することができなくなるように構成されている。
そして、チップ2の先端2aの内部には、血液等の体液を検出する成分検出手段である一対の電極からなる成分検出部9が収容されていて、その成分検出部9への通電用の一対の電極端子10が平行状に埋設されている。そして、この一対の電極端子10の後端がチップケース3の上面に形成された小窓である一対の端子穴11内に露出されている。
【0012】
次に、図1〜図4に示すように、体液成分測定装置1のモールド部品等で構成されているハウジング12の上部に長方形状の表示部13が形成されていて、その表示部13内には液晶表示パネル14と回路基板15が上下に重ねられて収容されている。そして、このハウジング12の下部の中央部を貫通するモールド部品等で構成された円筒部16が設けられている。なお、この円筒部16は前側円筒部16aと後側円筒部16bとに2分割されていて、これら前側円筒部16aと後側円筒部16bは共にハウジング12内に固定されている。そして、前側円筒部16aの先端部に前述したチップ2の後端2b側が脱着可能に装着される体液採取具装着部(以下、チップ装着部と記載する)17が一体成形等されている。なお、このチップ装着部17はハウジング12に一体成形等にて形成することもできる。
そして、このチップ装着部17は扁平な角筒形等に形成されていて、その内部にチップ2の後端2b側で、そのチップ2の全長のほぼ2/3に相当する長さが脱着可能で、同心状に挿入されるように構成されているが、挿入されるチップ2の上下方向の向きを常に正しい状態に確定させるために、例えばチップ2の後端2b側及びチップ装着部17の剪断面形状を台形状等の異形に形成することが好ましい。
そして、このチップ装着部17の後端側の左右両側部には左右一対のチップロックピン18が左右対称状に配置されている。そして、このチップ装着部17内に脱着可能に挿入されたチップ2の後端の両側部に形成されている左右一対の凹部2c内に左右一対のロックピン18が左右一対のロック用ばね19の押圧力によってクリック的に嵌合されて、チップ2をロックするように構成されている。また、このチップ装着部17の上側に左右一対の接続用電極20が平行状に埋設されている。そして、このチップ装着部17内にチップ2の後端2b側が脱着可能に挿入されて、左右一対のロックピン18によってロックされた時に、この左右一対の接続用電極20の先端である圧着端子20aがチップ2の上面の左右一対の端子穴10内に露出されている左右一対の電極端子10に接続(圧着)される。これにより、成分検出部9が左右一対の電極端子10、接続用電極20を介して回路基板15にマウントされていて、後述する制御回路71に電気的に接続されるように構成されている。
【0013】
次に、前側円筒部16a内には円柱状の穿刺軸23が同心状に配置されていて、この穿刺軸23の先端部23aが、例えば剪断面形状がほぼC型に形成されている。そして、この先端部23a内に前述したランセット5の後端5bが軽圧入方式で脱着可能に挿入(装着)されるランセット装着部に構成されている。
そして、円筒部16内に駆動機構24が収容されていて、この駆動機構24は穿刺軸23を待機位置P1と穿刺位置P2との間で矢印a、b方向に駆動するように構成されている。この駆動機構24には、穿刺軸23を図2及び図3に示す待機位置P1から図9に示す穿刺位置P2へ矢印a方向へ発射する圧縮コイルスプリング等からなる発射用ばね25と、その発射直後の穿刺軸23を図9に示す穿刺位置P2から図10に示す中間位置P3へ即座に引き戻す圧縮コイルスプリング等からなるリバウンド用ばね26とを備えている。この際、発射用ばね25は前側円筒部16aの後端部の内側に同心状に一体成形等された小円筒部27の外周に挿入されていて、穿刺軸23の外周に一体成形等にて形成されたばね当接用ばね当接用フランジ部28を矢印a方向に押圧するように構成されている。また、リバウンド用ばね26は小円筒部27より矢印b方向側で穿刺軸23の後端部23bの外周に挿入されていて、その後端部23bにねじ止め等にて同心状に固着された係止用フランジ部29を矢印b方向に押圧するように構成されている。
【0014】
また、この駆動機構24は後述するチップ装着時等において、穿刺軸23を待機位置P1にに係止する係止機構32を備えている。この係止機構32は前側円筒部16aの後端の180°対向位置に一体成形等されて矢印b方向に延出された対称形状の一対の弾性係止アーム33を有していて、これら一対の弾性係止アーム33の先端33a側は矢印b方向へ進むに従って相互に近づくように対称状に傾斜されている。なお、これら一対の弾性係止アーム33には内側方向である矢印c方向への弾性付勢力が予め付与されている。また、これら一対の弾性係止アーム33の長さ方向のほぼ中間部の内側対向位置には対称形状の一対の係止爪34が一体成形等にて形成されている。そして、穿刺軸23が中間位置P3から待機位置P1まで発射用ばね25に抗して矢印b方向へ押し戻された時に、係止用フランジ部29が一対の弾性係止アーム33を外側方向である矢印d方向へ弾性に抗して押し広げながら、一対の係止爪34を矢印b方向へ乗り越える。そして、係止用フランジ部29が一対の係止爪34を矢印b方向へ乗り越えた瞬間に、一対の弾性係止アーム33が矢印c方向へ自動的に閉じて、係止用フランジ部29の両側が一対の係止爪34に係止されるように構成されている。
そして、後側円筒部16内には発射用操作軸37が同心状で、矢印a、b方向に移動自在に収容されていて、その発射用操作軸37の後端にねじ止め等にて同心状に固着された発射ボタン38が後側円筒部16bの後方に突出されている。そして、発射用操作軸37の前端には円錐形状のカム部39が形成されていて、発射用操作軸37と発射ボタン38は圧縮コイルスプリング等からなる戻しばね40によって後側円筒部16bに対して矢印b方向へ移動付勢され、発射ボタン38の前端の外周等に一体成形等された一対の突起41がストッパー部42に矢印b方向から当接されることによって発射用操作軸37及び発射ボタン38が定位置で停止されるように構成されている。
【0015】
次に、この体液成分測定装置1には穿刺深さ調整機構44が備えられていて、この穿刺深さ調整機構44は前側円筒部16aと後側円筒部16bとの間に配置されている。この穿刺深さ調整機構44は、後述する穿刺時に、チップ2の先端2aからの穿刺針6の先端6aの突出量を調整するためのものであり、その突出量の調整は、穿刺軸23の後端部23bに固着されている係止用フランジ部29の停止位置の調整によって行われるものである。
そこで、まず、前側円筒部16aと後側円筒部16bとの間に回転調整筒45が同心状に配置されていて、この回転調整筒45は軸心の周りに回転調整自在に構成されている。そして、穿刺軸23の後端部23bに同心状に固着されている係止用フランジ部29の外周で、一対の弾性係止アーム23に対して直交する2箇所に一対の小突起46が一体成形等にて形成されている。そして、これら一対の小突起46が矢印a方向から衝突する円筒状の一対のストッパー部47が回転調整筒45の前端の内側に一体成形等にて形成されていて、この一対のストッパー部47が矢印a、b方向に対して階段形状で、対称状に形成されている。
そして、回転調整軸45の回転調整により、穿刺軸23と一体の一対の小突起46に対する階段形状の一対のストッパー部47の位相が調整されて、穿刺針6の先端6aの穿刺深さが調整されるように構成されている。
【0016】
なお、回転調整筒45の外周には軸心と平行な多数の凹溝48が形成されていて、前側円筒部16aの後端の外周と後側円筒部16bの前端の外周とに一体成形等にて形成された前後一対のフランジ部49、50間に1本の位置決めピン51が回転調整軸45と平行状に架設されている。そして、この位置決めピン51の両端が一対のフランジ部49、50に形成されている放射方向に伸びる一対の長孔52内に摺動自在に保持されていて、板ばね等からなる押圧ばね53によって、この位置決めピン51が回転調整筒45外周の1つの凹溝48内に矢印e方向から選択的に係合されている。
また、ハウジング12の底部で、回転調整筒45の下部相当位置に窓穴54が開口されていて、その窓穴54内に手指を挿入して、回転調整筒45を回転調整することにより、位置決めピン51が押圧ばね53に抗して矢印e、f方向に平行移動しながら、その回転調整筒45の外周の凹溝48を1つづつ乗り越えるようにして、その回転調整筒45を一定角度づつ、クリック的に位置決めするように構成されている。
【0017】
次に、この体液成分測定装置1には、再チャージ機構57が備えられている。この再チャージ機構57は再チャージ操作部58を有していて、この再チャージ機構57はハウジング12の底部に開口された窓穴59外に突出されて、この窓穴59内で矢印a、b方向にスライド自在に構成されている。そして、この再チャージ操作部58の内側に一体成形等にて形成されたアーム部60が穿刺軸23の先端部23aの近傍位置の外周に円形穴61によって相互に矢印a、b方向に摺動自在に挿入されていて、このアーム部60は穿刺軸23のばね当接用フランジ部28に矢印b方向から当接可能に構成されている。そして、この再チャージ操作部58は前側円筒部16aの外周に挿入されている圧縮コイルスプリング等の戻しばね62によって窓穴59内で矢印a方向に押し戻されるように構成されている。そして、この再チャージ操作部58を戻しばね62に抗して矢印b方向へスライド操作することによって、アーム部60で穿刺軸23のばね当接用フランジ部28を矢印b方向へ押し戻すようにして、後述するように、穿刺軸23を中間位置P3から待機位置P1へ再チャージ操作することができるように構成されている。
【0018】
ここで、以上述べた構成に基づいて、この体液成分測定装置1の取扱操作について説明する。
(1) 未使用のランセット5が収納されているチップ2の装着操作
図5に示すように、チップ2内に収納されているランセット5が未使用品(以下、未使用のチップと記載する)であれば、このランセット5の大径部5cがチップ2のランセット保持部8内に軽圧入されている。一方、このとき体液成分測定装置1の穿刺軸23は図10に示す中間位置P3にある。
そこで、図6に示すように、この未使用のチップ2の後端2b側を体液成分測定装置1のチップ装着部17内に矢印b方向から挿入すると、ランセット5の後端5bが穿刺軸23の先端部23a内に同心状に軽圧入された後に、そのランセット5によって穿刺軸23が発射用ばね25に抗して図10に示す中間位置P3から図3に示す待機位置P1まで矢印b方向に押し戻される。そして、発射用ばね25にばね力がチャージされ、係止用フランジ部29の両側が係止機構32の一対の弾性係止アーム33の一対の係止爪34に係止されて、穿刺軸23が待機位置P1にロックされる。
そして、この後に、図6に示すように、チップ2の後端面2dがチップ装着部17の後端面17aに矢印b方向から突き当てられるが、その直前に、チップ2のランセット保持部8からランセット5の大径部5cが矢印a方向に相対的に抜け落ちる。そして、チップ2の後端面2dがチップ装着部17の後端面17aに矢印b方向から突き当てられるのと同時に、一対のロックピン18が一対のロック用ばね19の押圧力によってチップ2の一対の凹部2c内にクリック的に嵌合されて、チップ2の装着が完了し、チップ2は一対のロックピン18によってそのままロックされることになる。そして、このチップ2の装着により一対の接続用電極20の圧着端子20aがチップ2の一対の電極端子10に一対の端子穴11を通して接続(圧着)されることになる。
【0019】
(2) 使用済みランセット5が収納されているランセット5の装着操作
図7に示すように、チップ2内に収納されているランセット5が一度でも使用された使用済み品(以下、使用済みのチップと記載する)であれば、このランセット5の大径部5cはチップ2のランセット保持部8内から矢印a方向に既に抜け落ちている。
従って、この使用済みのチップ2を体液成分測定装置1のチップ装着部17内に矢印b方向から挿入しても、ランセット5の後端5bを穿刺軸23の先端部23a内に軽圧入することができず、穿刺軸23を発射用ばね25に抗して中間位置P3から待機位置P1まで矢印b方向に押し戻して、係止機構32によって係止することができない仕様に構成されている。
【0020】
(3) 体液の採取と、採取した体液の成分測定操作
図9に示すように、一方の手で体液成分測定装置1を下向けに保持して、下向けにしたチップ2の先端2aに、他方の手の指先等を下方から軽く押し当てる。そして、一方の手の指で発射ボタン38を戻しばね40に抗して矢印a方向に軽く押すと、発射用操作軸37の先端外周のカム部39が係止機構32の一対の弾性係止アーム33の先端33aの間の内側に矢印a方向から挿入されて、これら一対の弾性係止アーム33の先端33aが矢印d方向に押し広げられる。すると、一対の係止爪34による係止用フランジ29の係止状態が解除され、その瞬間に、発射用ばね25にチャージされているばね力によって、ばね当接用ばね当接用フランジ部28が矢印a方向に押されて、穿刺軸23が待機位置P1から穿刺位置P2まで矢印a方向に押し出される。そして、チップ2内のランセット5が穿刺軸23と一体に矢印a方向に押し出されて、ランセット5と一体の穿刺針6が矢印a方向に押し出され、その穿刺針6の先端6aがチップ2の先端2aから下方に突出されて手指に上方から穿刺される。
この際、発射用ばね25は穿刺軸23を待機位置P1から矢印a方向に押し出した直後に開放され、穿刺軸23は矢印a方向への慣性力と重力とによって穿刺位置P2に到達することになり、一方、穿刺軸23が穿刺位置P2に到達する直前に、リバウンド用ばね26にばね力がチャージされる。
従って、穿刺針6の先端6aが指先に上方から穿刺されて、その指先に傷を形成した直後に、穿刺軸23がリバウンド用ばね26のばね力によって穿刺位置P2から中間位置P3まで矢印b方向に押し戻されて、穿刺針6の先端6aが指先から上方へ素早く引き抜かれることになり、使用者に与える痛みを最小限に抑えることができる。
【0021】
そして、指先に形成された傷から血液等の体液が滲出されると、その体液が成分検出部9によって直ちに検出され、その検出データが一対の電極端子10及び一対の接続用電極20を介して回路基板15にマウントされている制御回路中の測定部で測定されて、液晶表示パネル14により表示部13に血糖値のデータが自動的に表示されることになる。
なお、発射ボタン38を矢印a方向に押していた指をその発射ボタン38から離せば、発射ボタン38と発射用操作軸37とが一体に戻しばね40によって図3及び図10に示す元の位置まで矢印b方向に押し戻されて、発射用操作軸37の先端外周のカム部39が係止機構32の一対の弾性係止アーム33の先端33a間から矢印b方向に抜き取られる。すると、一対の弾性係止アーム33の先端33aが矢印c方向に自動的に閉じて、後述する再チャージ時等において、穿刺軸23が待機位置P2まで矢印b方向に押し戻された時に、係止用フランジ部29の両側を一対の弾性係止アーム33の一対の係止爪34によって前述したように再び係止することができるように復元される。
以上の通り、手指を用いて体液を採取、測定する操作方法を説明したが、体液の採取個所は、手指に限らず腕、腹部等の他の個所から採取してもできることは言うまでもない。
【0022】
(4) 再チャージ操作
図10及び図11に示す再チャージ操作は、1回目の穿刺(穿刺針6の先端6aを指先に穿刺する操作を言う)に失敗した時に限り行うものであって、再チャージ機構57の再チャージ操作部58を図10に示す待機位置P4から図11に示す再チャージ位置P5まで戻しばね62に抗して矢印b方向にスライド操作すると、アーム部60が穿刺軸23のばね当接用フランジ部28を矢印a方向に押し戻す。すると、リバウンド用ばね26のばね力が開放される一方、発射用ばね25にばね力が再チャージされながら、穿刺軸23が図10に示す中間位置P3から図11に示す待機位置P1まで矢印b方向に押し戻されて、穿刺軸23が係止機構32によって前述同様に待機位置P1に係止される。従って、この再チャージ後に、発射ボタン38を再び矢印a方向に押せば、前述したように、穿刺軸23を待機位置P1から穿刺位置P2まで矢印a方向に発射して、穿刺針6の先端6aを指先等に穿刺することができる。
【0023】
次に、図12〜図14によって、チップ装着検出手段及びランセット装着検出手段について説明する。
まず、図12は第1の実施の形態を示したものであって、体液採取具装着検出手段であるチップ検出部72が体液成分測定装置1のチップ装着部17内の奥位置に組み込まれている。このチップ検出部72は成分検出部9で兼用することも可能であるが、正確なデータ処理を行うためには別構造が好ましく、例えばマイクロスイッチ72a等で構成することができる。
そして、このチップ検出部72は、前述したチップ装着部17内へのチップ2の矢印a方向からの装着時に、そのチップ2の後端面2dがチップ装着部17内の後端面17aに正しく突き当てられて、一対のロックピン18がチップ2の一対の凹部2c内に嵌合され、チップ2がチップ装着部17内に正しく装着完了された時に限りONとなるように構成されている。
次に、穿刺部材装着検出手段である針待機検出部73が例えばマイクロスイッチ73aで構成されていて、この針待機検出部73が体液成分測定装置1の穿刺軸23の待機位置P1より後方側(矢印b方向側)に組み込まれている。
そして、この針待機検出部73は、前述したように、未使用のチップ2がチップ装着部17内に正しく装着されて、ランセット5の後端5bが穿刺軸23の先端部23a内に軽圧入され、そのランセット5によって穿刺軸23が中間位置P3から待機位置P1まで矢印b方向に押し戻されて係止機構32によって穿刺軸23が待機位置P1に係止された時に、穿刺軸23の係止用フランジ部29等の穿刺軸23に同期して矢印b方向へ押し戻されるスイッチ操作部によって針待機検出部73がONとなり、ランセット5が穿刺軸23の
先端部23aに正しく装着されたこと及び穿刺軸23が待機位置P1まで矢印b方向に正しく押し戻されて係止されたことが同時に検出されるように構成されている。
【0024】
そして、これらチップ検出部72と針待機検出部73は成分検出部9と同様に回路基板15にマウントされている後述する制御回路71に電気的に接続されて、チップ2及びランセット5が体液成分測定装置1に正しく装着された旨の検出信号が制御回路71の記憶手段に時系列に記憶されるように構成されている。
なお、前述したように使用済みのチップ2がチップ装着部17に装着された時には、チップ検出部72はONとなるものの、穿刺軸23が待機位置P1まで矢印b方向に正しく押し戻されることがないので、針待機検出部73はONせず、OFF状態を維持することになる。
【0025】
次に、図13は第2の実施の形態を示したものであって、この場合は、針待機検出部73を円筒部16側に固定されたホール素子73bと穿刺軸23側に取り付けられて矢印a、b方向に移動する磁石73cとからなる非接触スイッチに置換したものである。
そして、前述したように、未使用のチップ2がチップ装着部17内に正しく装着されて、穿刺軸23が待機位置P1まで矢印b方向に正しく押し戻されて、磁石73cがホール素子73bを正しく通過した時に、ホール素子73bがONとなるように構成されている。
そして、この場合も、前述したように、使用済みチップ2がチップ装着部17に装着された時には、チップ検出部72はONとなるものの、穿刺軸23が待機位置P1まで矢印b方向へ正しく押し戻されることがないので、ホール素子73bはONせず、OFF状態を維持することになる。
なお、この場合、針待機検出部73を発光素子と受光素子とからなる非接触式の光センサに置換することも可能である。
【0026】
次に、図14は第3の実施の形態を示したものであって、この場合は、針待機位置検出部73をピエゾ素子等の圧電素子73dに置換したものであり、前述したように、穿刺軸23が中間位置P2から待機位置P1まで矢印b方向に押し戻されて、発射用ばね25にばね力がチャージされる際に、その発射用ばね25の圧縮反発力によって押圧される位置にリング状等の圧電素子73dを配置したものである。
そして、前述した未使用のチップ2の装着により、穿刺軸23が待機位置P1まで矢印b方向に正しく押し戻されて発射用ばね25にばね力がチャージされる際に、その発射用ばね25の圧縮反発力によって圧電素子73dに一定値以上の圧力が印加されることにより、この圧電素子73dがON(圧力が電流に変換されて出力されること)されるように構成されている。
そして、この場合も、前述したように、使用済みのチップ2がチップ装着部17に装着された時には、チップ検出部72はONとなるものの、穿刺軸23が待機位置P1まで矢印b方向へ正しく押し戻されることがないので、圧電素子73dはONせず、OFF状態を維持することになる。
なお、チップ検出部72もマイクロスイッチ72aに限定されることなく、ホール素子と磁石や光センサ等の非接触スイッチ、圧電素子等に置換することが可能である。
【0027】
次に、図15によって、体液成分測定装置1の制御方法について説明する。
この体液成分測定装置1の回路基板15にマウントされている制御回路71はマイクロコンピュータ(CPU)で構成された処理部75を有している。そして、この処理部75には、成分検出部9が測定部76を通して接続され、チップ検出部72及び針待機検出部73が接続されている。また、この処理部75には、電池等の電源部77、各種のスイッチである操作部78、温度検出部79、発振部80、電源電圧検出部81、データ記憶部82、時計部83等が接続されている。また、この処理部75は表示部13や警報手段の1つであるブザー出力部84等に接続されている。
この体液成分測定装置1による前述した血液等の体液の成分の測定に当っては、まず、チップ装着時に、処理部75がチップ検出部72と針待機検出部73からの検出信号をデータ記憶部82に時系列に記憶する。
そして、処理部75がチップ検出部72と針待機検出部73との両方からの検出信号を受けた場合に限り、チップ2及びランセット5がチップ装着部17及び穿刺軸23の先端部23aに共に正しく装着されていて、「ランセット5が未使用である」旨を認識して、データ記憶部82に記憶する。
そして、このチップ装着時に、処理部75がチップ検出部72からの検出信号を受け、針待機検出部73からの検出信号を受けることができなかった場合には、「ランセット5が使用済みである」として、処理部75は、ブザー出力部84を駆動して警報ブザーを鳴らすか、及び/又は、表示部13によって警報ランプを点滅する等の第1警報を報知して、使用済みチップ2の使用の禁止を促す。
また、このチップ装着時に、処理部75がチップ検出部72からの検出信号を受けている状態で、一度、針待機検出部73からの検出信号を受けた後に、その針待機検出部73からの検出信号が切れた場合には、「ランセット5が待機位置P1に正しく係止(ロック)されていない」として、同様に、警報ブザーを鳴らすか、及び/又は、警報ランプを点滅する等の第2警報を報知して、再度のチップ装着を促す。
なお、このチップ装着時に、そもそも、処理部72がチップ検出部72からの検出信号を受けることができなかった場合には、「チップ装着が不完全である」として、警報ブザーを鳴らすか、及び/又は、警報ランプを点滅する等の第3の警報を報知して、やはり、再度のチップ装着を促す。
【0028】
そして、前述したように、指先等への穿刺針6の穿刺によって血液等の体液を滲出させて、その体液を成分検出部9が検出すると、測定部76が血糖値等の体液の成分を測定する。そして、その成分の測定値が測定部76から処理部75によって読み出されて、表示部13に液晶表示パネル14によって表示されると共に、データ記憶部82に記憶されることになる。
【0029】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明の体液成分測定装置と制御方法は、次のような効果を奏することができる。
【0031】
請求項1の体液成分測定装置は、体液採取具装着部に体液採取具が装着された時に、その体液採取具の装着が正しかったか否かを体液採取具装着検出手段によって検出すると共に、体液採取具内の穿刺部材が穿刺軸の先端部に正しく装着されたか否かも、穿刺部材装着検出手段によって検出するようにしたので、体液採取具及び穿刺部材の両方の装着の良否が明確となり、チップ装着時の操作性が向上する。
【0032】
請求項1に従属する請求項2の体液成分測定装置は、穿刺部材が未使用である体液採取具が体液採取具装着部に装着された時に、穿刺部材で穿刺軸を待機位置へ押して係止し、駆動手段は待機位置での穿刺部材の係止を解除することにより、その穿刺部材を穿刺軸で待機位置から穿刺位置へ発射するようにし、体液採取具の装着時に、穿刺軸に装着された穿刺部材によって、その穿刺軸が待機位置まで押し戻されて係止されたか否かを穿刺部材装着検出手段で検出するようにしたので、体液採取具内の穿刺部材が使用済みであることに気付かずに、その使用済みの穿刺部材を誤って装着して使用したために、血液感染を生じるような危険を未然に回避することができて、使用上の安全性が向上する。
【0033】
請求項2に従属する請求項3の体液成分測定装置は、体液採取具が体液採取具装着部に装着されている状態で、待機位置から穿刺位置へ駆動機構によって発射された穿刺部材を、再チャージ機構によって穿刺位置から待機位置へ押し戻すことができるようにしたので、穿刺に失敗した場合に、穿刺部材を待機位置へ容易に押し戻して係止し、再度の穿刺を行なうことができる。
【0034】
請求項1ないし3に従属する請求項4の体液成分測定装置は、体液採取具の穿刺部材が未使用の時には、体液採取具装着部への体液採取具の装着時に、穿刺部材を保持して穿刺軸の先端部へ装着することにより、その穿刺部材の穿刺軸への装着を可能にし、体液採取具の穿刺部材が使用済みの時には、穿刺部材の保持が解除されて、体液採取具装着部への体液採取具の装着時に、穿刺部材の穿刺軸への装着を不能にするようにしたので、使用済みの穿刺部材が誤って穿刺部材に装着されることを機械的に防止することができ、信頼性が向上する。
【0035】
請求項1ないし4に従属する請求項5の体液成分測定装置は、体液採取具装着検出手段と穿刺部材装着検出手段のうちの何れか一方でも検出不可となった時に報知手段が報知するようにしたので、体液採取具及び穿刺部材の不完全な装着を容易に認識することができて、体液採取具の正しい装着操作を容易に行なえる。
【0036】
請求項1ないし5に従属する請求項6の体液成分測定装置は、体液採取具装着検出手段から出力される検出信号と、穿刺部材装着検出手段から出力される検出信号とを時系列に記憶するようにしたので、チップ内の穿刺部材が未使用か、使用済みであるかの検出等を明確に行える。
【0037】
請求項7の体液成分測定装置の制御方法は、体液採取具装着時に、体液採取具装着手段から体液採取具装着状態である旨の信号を受け、穿刺部材装着検出手段からは穿刺軸が待機位置まで押し戻されていない旨の信号を受けた場合に、第1警報を報知し、また、体液採取具装着時に、体液採取具装着検出手段から体液採取具装着状態である旨の信号を受けている状態で、一度、穿刺部材装着検出手段から穿刺軸が待機位置にある旨の信号を受けた後に、穿刺部材装着検出手段から穿刺軸が待機位置にない旨の信号を受けた場合に、第2警報を報知するようにしたので、体液採取具内の穿刺部材が未使用であるか、使用済みであるかの判別や、再チャージの必要性の認識等を明確に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の体液成分測定装置の実施の形態を説明する正面図である。
【図2】同上の体液成分測定装置のチップの装着を説明する図3におけるA−A矢視での断面図である。
【図3】同上の体液成分測定装置のチップの装着を説明する図2におけるB−B矢視での断面図である。
【図4】図2のC−C矢視及びD−D矢視での断面図である。
【図5】同上の体液成分測定装置における未使用のチップの装着動作を説明する要部の拡大断面図である。
【図6】同上の体液成分測定装置における未使用のチップの装着完了を説明する要部の拡大断面図である。
【図7】同上の体液成分測定装置における使用済みのチップの装着動作を説明する要部の拡大断面図である。
【図8】同上の体液成分測定装置における穿刺深さ調整機構を説明する回転調整筒の正面図及び階段状ストッパー部の展開側面図である。
【図9】同上の体液成分測定装置における体液の採取と、採取した体液の成分測定の操作を説明する断面図である。
【図10】図9で説明した操作の引き続きの動作を説明する断面図である。
【図11】同上の体液成分測定装置における再チャージ機構を説明する断面図である。
【図12】同上の体液成分測定装置におけるチップ検出部と針待機検出部の第1の実施の形態を説明する概略断面図である。
【図13】同上の体液成分測定装置におけるチップ検出部と針待機検出部の第2の実施の形態を説明する概略断面図である。
【図14】同上の体液成分測定装置におけるチップ検出部と針待機検出部の第3の実施の形態を説明する概略断面図である。
【図15】同上の体液成分測定装置における制御回路を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 体液成分測定装置
2 体液採取具であるチップ
5 穿刺部材であるランセット
6 穿刺手段である穿刺針
8 穿刺部材保持部であるランセット保持部
9 成分検出手段である成分検出部
12 ハウジング
16 円筒部
17 体液採取具装着部であるチップ装着部
23 穿刺軸
23a 穿刺軸の先端部
24 駆動機構
25 発射用ばね
26 リバウンド用ばね
29 係止用フランジ部
32 係止機構
33 弾性係止アーム
34 係止爪
38 発射ボタン
44 穿刺深さ調整機構
57 再チャージ機構
71 制御回路
72 体液採取具装着検出手段であるチップ検出部
73 穿刺部材装着検出手段である針待機検出部

Claims (7)

  1. 皮膚に傷を形成し体液を滲出させる穿刺部材と、滲出した該体液の成分を検出する成分検出部とを備えた体液採取具が脱着可能に装着される体液採取具装着部と、
    該体液採取具が該体液採取具装着部に装着された時に、該穿刺部材が先端部に脱着可能に装着される穿刺軸とを備えた体液成分測定装置において、
    該体液採取具が該体液採取具装着部に装着されていることを検出する体液採取具装着検出手段と、
    該穿刺部材が該穿刺軸に装着されたことを検出する穿刺部材装着検出手段とを備えたことを特徴とする体液成分測定装置。
  2. 前記穿刺軸は穿刺位置と待機位置とを有し、前記穿刺部材が未使用状態である前記体液採取具が前記体液採取具装着部に装着されるに伴い、該穿刺部材が該穿刺軸を待機位置へ押して該待機位置に係止し、該待機位置での該穿刺軸の係止を解除することによって、該穿刺軸で該穿刺部材を該待機位置から該穿刺位置へ発射する駆動機構とを備え、
    前記穿刺部材装着検出手段は、前記体液採取具の装着により該穿刺軸が該待機位置へ押し戻されて係止されたことを検出することにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の体液成分測定装置。
  3. 前記体液採取具が前記体液採取具装着部に装着された状態で、前記駆動機構により発射された前記穿刺部材を前記待機位置へ戻す再チャージ機構を有することを特徴とする請求項2に記載の体液成分測定装置。
  4. 前記体液採取具が、前記穿刺部材の未使用の状態では、該穿刺部材を保持して前記穿刺軸の先端部への装着を可能にし、前記穿刺部材の使用後には、該穿刺部材の保持が解除されて、該体液採取具の前記体液採取具装着部への装着に伴う該穿刺部材の該穿刺軸への装着を不能とする穿刺部材保持部を有することを特徴とする請求項1ないし3に記載の体液成分測定装置。
  5. 前記体液採取具装着検出手段と前記穿刺部材装着検出手段のうちの何れか一方が検出不可となった時に、そのことを報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4に記載の体液成分測定装置。
  6. 前記体液採取具装着検出手段が出力する検出信号と、前記穿刺部材装着検出手段が出力する検出信号とを時系列に記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし5に記載の体液成分測定装置。
  7. 皮膚に傷を形成して体液を滲出させる穿刺部材と、その滲出された体液の成分を検出する成分検出部とを備えた体液採取具が脱着可能に装着される体液採取具装着部と、
    前記体液採取具が前記体液採取具装着部に脱着可能に装着された時に、前記穿刺部材が先端部に脱着可能に装着される穿刺軸とを備えた体液成分測定装置において、
    前記体液採取具が前記体液採取具装着部に脱着可能に装着されて、前記穿刺部材が前記穿刺軸の先端部に脱着可能に装着された時に、該穿刺軸を穿刺位置から待機位置へ押し戻して、その待機位置に係止し、その待機位置での前記穿刺軸の係止を解除することによって、該穿刺軸で前記穿刺部材を待機位置から穿刺位置へ発射する駆動機構と、
    前記体液採取具が前記体液採取具装着部に脱着可能に装着されたことを検出する体液採取具装着検出手段と、
    前記穿刺部材が前記穿刺軸の先端部に脱着可能に装着されたことによって前記穿刺軸が前記駆動機構の待機位置まで押し戻されて係止されたことを検出する穿刺部材装着検出手段と、
    前記体液採取具検出手段からの検出信号と前記穿刺部材装着検出手段からの検出信号とを時系列に記憶する記憶手段とを備え、
    前記体液採取具が前記体液採取具装着部に脱着可能に装着された時に、前記体液採取具装着検出手段から体液採取具装着状態である旨の信号を受け、前記穿刺部材装着検出手段からは前記穿刺軸が待機位置まで押し戻されていない旨の信号を受けた場合に第1警報を報知し、
    前記体液採取具装着検出手段から体液採取具装着状態である旨の信号を受けている状態で、一度、前記穿刺部材装着検出手段から前記穿刺軸が待機位置にある旨の信号を受けた後に、該穿刺部材装着検出手段から前記穿刺軸が待機位置にない旨の信号を受けた場合に第2警報を報知することを特徴とする体液成分測定装置の制御方法。
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