JP3996158B2 - コンクリート補強用ポリプロピレン短繊維 - Google Patents

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Description

この発明は、コンクリート、モルタルなどの水硬性組成物に添加、混合されて、コンクリートの強度を補強するコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維に関する。
コンクリートやモルタルのひび割れ拘束や、剥落防止等の補強には、従来では主として鋼繊維が用いられていたが、近年、非鋼繊維である有機繊維や無機繊維の使用が注目を浴びて来ている。これは、有機繊維や無機繊維が鋼繊維より軽いため作業性が向上したり、錆の発生が無いためコンクリート構造物の品質劣化を低減し得るという利点があるからである。無機繊維の代表例としては、ガラス繊維、炭素繊維等がある。また、有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維等を挙げることが出来る。
無機繊維のうちガラス繊維にあっては、セメント中のアルカリによって劣化し、補強効果が経時と共に徐々に低下するという欠点がある。また、炭素繊維にあっては、耐久性の点では問題は無いが、破断伸度が低く、コンクリートへの練り混ぜ中に繊維自体が損傷し、補強効果が低下するという不都合がある。
これに対して、有機繊維は、引張強度及び弾性係数は低いが、伸び能力が高いことから、これをコンクリートと組み合わせた場合には、コンクリートにひび割れが発生し、ひび割れが大きく進展した後でも補強効果を保持することが期待できる。
しかし、ビニロン繊維にあっては、通常、数十μ程度の細いモノフィラメントを単に集束して固着したものであるため、この状態では、その表面積は特別に増加していないので、ポリプロピレン繊維より幾分親水性を持つとは言え、コンクリートと組み合わせた場合に、コンクリートマトリックスとの間の付着強度は高いとは言えない。この結果として、繊維補強コンクリートとした場合の補強効果は不十分である。
このようなことから、コンクリート補強用繊維として、太いモノフィラメント状のポリプロピレン繊維が着目され、その使用態様について種々提案、検討されて来ているが、現時点では実用面で未だ不十分で、その実用化について更なる改良、開発が進められている。
例えば、特開昭56−9269号公報には、ポリプロピレン繊維をセメントの補強材配合物としての補強効果を高めるため、繊維表面に凹凸を付与せしめたセメント配合物の製造方法が開示されている。そして、これに開示されている繊維表面に付与される凹凸は、繊維の長さ方向に沿って、その太さを大径−小径に繰り返して変化せしめて、凹凸を形成した単純なものが例示されているのみで、更なる補強効果の向上が望まれるものである。
また、特開昭57−156363号公報には、モルタルやコンクリートの水硬性無機質結合材を硬化させて形成される成形体の機械的強度を向上せしめるために、これに混入せしめる補強材として、ポリプロピレン等の合成樹脂繊維モノフィラメントが開示されている。そして、前記補強効果をさらに高めるため合成樹脂繊維モノフィラメントの線状体表面に凹凸模様を付与せしめることが有効であることが記載されている。
その凹凸模様の形成には、交差する2組の平行凹条を多数配したエンボスロールを用いて、合成樹脂繊維モノフィラメントの表面に形成せしめることが示されている。しかしながら、この提案も、単に合成樹脂繊維モノフィラメントの表面に凹凸模様を付与することが、コンクリート補強効果を向上せしめるのに有効であることに留まっているに過ぎず、ポリプロピレン繊維をコンクリートの補強材として実用化するには未だ不十分であり、更なる物理的構成要素の追究が必要である。
さらに、コンクリート補強用繊維として、特開平9−86984号公報には、ポリプロピレン短繊維をモノフィラメント自体で個別にバラ状態の形で使用せずに、分離可能に連結して連糸形状テープの短繊維とすることによって、コンクリートの補強効果を高めることが提案されている、しかし、製造上に問題があったり、コンクリート中への分散の再現性の点に問題があることから、一部実用化されているが、広く実用化されるには至っていない。
また、特開平11−116297号公報には、コンクリート補強用繊維としてのポリプロピレン繊維として、その表面にエンボスロールによって凹凸形状を形成せしめた短繊維が開示されている。そして、その補強性能向上のため、表面に繊維断面の平均偏平率で2/1〜7/1の範囲にある凹凸を形成した単糸繊度200〜10,000drのモノフィラメントを長さ5〜60mmに切断して使用するものである。しかしながら、該ポリプロピレン繊維には凹凸の程度に関する具体的な開示は認められず、コンクリートの引っ張りに対する補強効果を向上せしめるには、更なる開発が望まれる。
さらに、最近公開された特開2004−18352号公報にあっては、コンクリート補強用繊維としてのポリプロピレン繊維に、その表面にエンボスロールによって凹凸形状を形成せしめているが、その特徴は、繊維の繊度と凹凸窪みの深さによって繊維形状、サイズを定める当たって、特定の数式に基づいて算出した範囲の凹凸形状に形成することで、これを混入せしめたコンクリートの補強効果をさらに高めることを図ったものである。
その凹凸形状の窪みの具体的形状としては、茶碗状、トレイ状、箱状等の各種微細な容器状の形状が用いられ、これを繊維の表裏に押圧入して形成するものである。そして、この容器状の窪みにコンクリートが充填されて、アンカー効果を発揮するものであるとしている。しかしながら、このような特殊な形状のエンボスロールを用いることは、繊細な短繊維の製造に当たって均一性や再現性に不都合が生じ、かかる短繊維の実用化に問題がある。
特開昭56−9269号公報 特開昭57−156363号公報 特開平9−86984号公報 特開平11−116297号公報 特開2004−18352号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、従来の補強材の不都合を解消し、コンクリートやモルタルに添加混入して、これらとの密着性を向上せしめて、コンクリートやモルタルの機械的強度を増強する補強効果が優れた、実用性の高いコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を提供することを本発明の解決すべき課題とするものである。
請求項1にかかる発明は、メルトフローレイトが0.5〜5.0g/10min.の押出延伸グレードのポリプロピレンを溶融紡糸し、高延伸して得られたモノフィラメントにエンボス加工を施し、ついでこれをアニールしてなるポリプロピレン短繊維であって、
繊度が1000〜10000dtexで、繊維の幅が1.0〜1.5mm、見かけ厚さが0.5〜1.0mm、長さが20〜60mm、引張強度が450MPa以上であり、
その表面と裏面には繊維幅にほぼ等しい幅のダイヤ格子パターンまたはその部分パターンのエンボス加工が施されて隆起凸部が形成され、この隆起凸部の高さが繊維厚さの10〜18%であり、
上記隆起凸部において、表面と裏面の隆起凸部のダイヤ格子パターンが、一方の対向する辺が表裏面で整合一致し、他方の対向辺が表裏面で変位してなることを特徴とするコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維である。
請求項2にかかる発明は、メルトフローレイトが0.5〜5.0g/10min.の押出延伸グレードのポリプロピレンを溶融紡糸し、高延伸して得られたモノフィラメントにエンボス加工を施し、ついでこれをアニールしてなるポリプロピレン短繊維であって、
繊度が1000〜10000dtexで、繊維の幅が1.0〜1.5mm、見かけ厚さが0.5〜1.0mm、長さが20〜60mm、引張強度が450MPa以上であり、
その表面と裏面には繊維幅にほぼ等しい幅のダイヤ格子パターンまたはその部分パターンのエンボス加工が施されて隆起凸部が形成され、この隆起凸部の高さが繊維厚さの10〜18%であり、
上記隆起凸部は、表面のダイヤ格子パターンの隆起凸部の囲み内に裏面のダイヤ格子パターンの隆起凸部の角部が位置するよう配されてなることを特徴とするコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維である。
請求項3にかかる発明は、メルトフローレイトが0.5〜5.0g/10min.の押出延伸グレードのポリプロピレンを溶融紡糸し、高延伸して得られたモノフィラメントにエンボス加工を施し、ついでこれをアニールしてなるポリプロピレン短繊維であって、
繊度が1000〜10000dtexで、繊維の幅が1.0〜1.5mm、見かけ厚さが0.5〜1.0mm、長さが20〜60mm、引張強度が450MPa以上であり、
その表面と裏面には繊維幅にほぼ等しい幅のダイヤ格子パターンまたはその部分パターンのエンボス加工が施されて隆起凸部が形成され、この隆起凸部の高さが繊維厚さの10〜18%であり、
上記隆起凸部において、表裏面でダイヤ格子パターンまたはその部分パターンの位置が一致して形成されているポリプロピレン短繊維と
請求項2のポリプロピレン短繊維とが、1対1の比率で混合されてなることを特徴とするコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維である。
請求項4にかかる発明は、請求項1のポリプロピレン短繊維と請求項2のポリプロピレン短繊維とが1対1の比率で混合されてなることを特徴とするコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維である。
本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維は、ポリプロピレン短繊維の表面と裏面にエンボス加工で所定の厚みのダイヤ格子パターンまたはその部分パターンの隆起凸部を形成したので、コンクリートとの密着性が著しく向上すると共に、アンカー効果を高めて、補強効果の極めて優れたコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を得ることが出来る。
また、前記ポリプロピレン短繊維の表面と裏面にエンボス加工によって形成するダイヤ格子パターンまたはその部分パターンの隆起凸部を、表面と裏面とでその配置、凹凸の深さを変化せしめることによって、より一層補強効果を増長せしめるコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を得ることが出来る。
さらに、表面と裏面にエンボス加工によって形成するダイヤ格子パターンまたはその部分パターンの隆起凸部を、表面と裏面とでその配置、凹凸の深さを変化せしめて形成したポリプロピレン短繊維と、これとダイヤ格子パターンまたはその部分パターンの隆起凸部の配置が異なる配置を表・裏面に形成したポリプロピレン短繊維とを混合して補強材として使用することによって、コンクリートの曲げ靭性係数を向上させることが出来る。
このため、本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を使用することにより、日本道路公団が制定したトンネル施工管理要領の繊維補強トンネル覆工コンクリート工品質管理基準における曲げ靭性係数の規格値を著しく上回るコンクリートを構築することが出来、コンクリートやモルタルのひび割れ拘束や、剥落防止効果を高める。
本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維に用いられるポリプロピレンとしては、まずアイソタクチックポリプロピレンで代表されるプロピレン単独重合体、ついでプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体等の共重合体が挙げられる。プロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等を挙げることができる。これらのα−オレフィンの共重合割合は10モル%以下であることがポリプロピレンの剛性を発揮させるために好適である。
また、本発明におけるポリプロピレンとしては、上記したプロピレンの単独重合体や共重合体の混合物を使用することもできる。また、それらにポリプロピレン以外の前記種々のα−オレフィンの単独重合体を少量加えた混合物を使用できる。これらのなかでも、分子量分布が狭く、立体規則性の優れたプロピレン単独重合体であるアイソタクチックポリプロピレンが特に好ましい。
また、本発明で使用されるポリプロピレンには、必要に応じて種々の添加剤成分を少量加えることもできる。それらの成分としては、例えば滑剤、帯電防止剤、表面活性剤、有機充填剤、無機充填剤、顔料その他の着色剤、核剤、酸化防止剤その他の各種安定剤等々を挙げることができる。
そして、本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維は、メルトフローレイトが0.5〜5.0g/min.の押出延伸グレードのポリプロピレンを溶融紡糸し、高延伸してなるポリプロピレン短繊維からなるものである。
ここで、メルトフローレイトが0.5g/10min.未満のポリプロピレンであると、押出および延伸が困難となり、また15g/10min.を越えたポリプロピレンではポリプロピレンの分解成分が多くなると見られ、ポリプロピレン短繊維の強度不足を招く。より好適なものは、メルトフローレイトが1〜3g/10min.のポリプロピレンである。
かかるグレードのポリプロピレンを、延伸時の延伸倍率を10〜15倍の高倍率で延伸し、引張強度を450MPa以上にして、繊度1000〜10000dtexのポリプロピレン繊維を得る。そして、このポリプロピレン繊維にエンボス加工によって、その表面と裏面にダイヤ格子パターンまたはダイヤ格子の部分パターンでなる隆起凸部を形成したテープ状の繊維とし、これを所定の長さに切断して補強用ポリプロピレン短繊維としたものである。
以下図面により本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を説明する。
図1は本発明におけるコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維の参考例として示す第1の実施形態を説明する斜視図であり、図2は第1の実施形態の変形を説明する斜視図である。なお、この第1の実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれないものである。
図1において、この例のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10にあっては、テープ状の外観を呈したポリプロピレン短繊維1の幅が1〜1.5mmで、見かけ厚さ0.5〜1.0mmで、長さを20〜60mmに切断してなる偏平状を呈してなるものである。
このようなテープ状のポリプロピレン短繊維1の表面1a、裏面1bにはエンボス加工によって微細なダイヤ格子パターンの隆起凸部2が、繊維幅にほぼ等しい幅で長手方向に沿って連続して形成されている。そして、この隆起凸部2の高さがポリプロピレン短繊維1の見かけ厚さの10〜18%となっている。
この高さはコンクリート等との密着性に関連するもので、その高さが10%未満では、このポリプロピレン短繊維1をコンクリートなどの水硬性組成物中に分散させたときの密着性が低いものとなる。また、18%を越えると、短繊維1の厚さが相対的に小さくなることになり、短繊維1自体の引張強度の不足を招く。また、ダイヤ格子パターンの大きさはポリプロピレンの短繊維1の幅や、見かけ厚さ等にもよるが、縦寸法が1.0〜3.0mm、横寸法が1.0〜1.5mmの範囲にすることが好ましい。
上記ダイヤ格子パターンの隆起凸部2は、ポリプロピレン短繊維1の表面1a及び1bに形成せしめるが、この第1の実施形態では、表面1aと裏面1bとのダイヤ格子パターンの位置が整合一致して配置されている。
このようなダイヤ格子パターンの隆起凸部2は、微細な凹凸によってコンクリートとの密着性を高めると共に、摩擦抵抗や柔軟性を増大させる。しかもこの隆起凸部2を表裏面の両面に賦形することで、より一層これらの効果が増大し、コンクリートの機械的強度を補強するのに効果的に作用する。
図2は、前記第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10を変形したコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維15である。このコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維15は、前記第1の実施形態でのポリプロピレン短繊維1の表面1a及び裏面1bに形成するダイヤ格子パターンの隆起凸部2を幅方向に沿って変移せしめたものである。そして、ダイヤ格子の部分パターンの隆起凸部12を、表面1a、裏面1bに整合一致した態様で配置形成せしめたもので、その他は前記第1の実施形態と共通する構成となっている。
そして、この変形のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維15も、第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10と同様の作用効果を奏する。
次に本発明の第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維と、第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維について説明する。これらの実施形態の特徴は、ポリプロピレン短繊維1に形成するダイヤ格子パターンまたはダイヤ格子の部分パターンの隆起凸部を、表面1aと裏面1bとで異なった配置状態で形成して、コンクリートの機械的強度の補強効果をより一層向上せしめたものである。以下にこれらを図面を参照して説明する。
図3は、第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を説明する平面図で、図3(A)は表面の平面図、図3(B)は裏面の透視平面図である。 この第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維20は、ポリプロピレン短繊維1の表面1aに、第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10と同様に、ポリプロピレン短繊維の幅とほぼ同等の幅の微細なダイヤ格子パターンの隆起凸部2がエンボス加工で形成されている。
一方、その裏面1bには、表面1aのダイヤ格子パターンの隆起凸部2でのダイヤ格子パターンの4辺2a、2b、2c、2dの中の対向辺2a−2cと、裏面1bのダイヤ格子パターンの4辺3a、3b、3c、3dの中の対向辺3a−3cが整合一致して配置された隆起凸部と、表面1aのダイヤ格子パターン隆起凸部2の他の対向辺2b−2dの配置位置と変位して設けた対向辺3b−3dの隆起凸部とで、微細なダイヤ格子パターンの隆起凸部3が賦形されている。
このように、第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維20は、ポリプロピレン短繊維1の表面1aと裏面1bとに形成するそれぞれのダイヤ格子パターンの隆起凸部2と3を、一方の対向する辺、即ち表面1aの対向辺2a−2cと、裏面1bの対向辺3a−3cを整合一致して配置し、他方の対向辺、即ち表面1aの対向辺2b−2dと裏面1bの対向辺3b−3dを変位した位置に配置するようにして、表・裏面に形成したポリプロピレン短繊維としたもので、これによりコンクリートの強度の補強効果を高めたものである。
次に、第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を図4を参照して説明する。
図4は、第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維の平面図で、図中、実線はポリプロピレン短繊維1の表面1aに配置されるダイヤ格子パターンの隆起凸部2を示すもので、また点線は裏面1bに配置されるダイヤ格子パターンの隆起凸部4を示している。この実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維30の特徴は、ポリプロピレン短繊維1の表面1aと裏面1bに形成される繊維幅にほぼ等しい幅のダイヤ格子パターンの隆起凸部2、4がそれぞれ変位せしめて形成したものである。
即ち、上記ポリプロピレン短繊維1の表面1aと裏面1bに形成される、変位したダイヤ格子パターンの隆起凸部は、ポリプロピレン短繊維1の裏面1bに形成するダイヤ格子パターンの隆起凸部4を、これのダイヤ格子パターンの各角部4e、4f、4g,4hが、表面1aに形成されるダイヤ格子パターンの隆起凸部2の囲み内に位置するように配置するようにして形成されてなるものである。 これにより、コンクリートとの密着性が向上すると共に、隆起凸部による障害個所が増し、アンカー効果と摩擦抵抗が増大し手コンクリートの機械的強度を補強する効果を高めるものである。
第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維の変形として、図5に図示する平面図の如く、ダイヤ格子の部分パターンの隆起凸部2、4を表裏面に形成したポリプロピレン短繊維1をコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維35とすることも出来る。これは、図4に図示した第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維30での、ポリプロピレン短繊維1の表面1aと裏面1bとに賦形する微細なダイヤ格子パターンを、短繊維1の幅方向に沿って変移せしめた態様にして、エンボス加工で表面1aの隆起凸部2と裏面1bの隆起凸部4を形成せしめたものである。
この場合、これらの隆起突部2、4はダイヤ格子の部分パターンの形で形成されるが、裏面1bに形成するダイヤ格子パターンの隆起凸部4は、ダイヤ格子パターンの各角部4e、4f、4g,4hが、表面1aに形成されるダイヤ格子パターンの隆起凸部2の囲み内に位置するように配置して形成することは第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維と同様である。そして、このコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維35は第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維30と同様の作用効果を奏することは勿論である。
さらに、本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維では、上記した第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10または15、第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維20、及び第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維30または35を、適宜の比率に混合してコンクリートに混入せしめて使用すると、コンクリートの補強効果をより一層向上せしめることが出来る。
例えば、上記した第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10または15と第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維20とを重量比率で、1対1に混合することや第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10または15と第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維30または35を重量比率で1対1に混合することなどが可能であり、これらの混合比率は用途等によって適宜変更できる。
次に本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維の製造方法について説明する。
先ず、繊維、糸、紐、バンド等に使用されるアイソタクチックポリプロピレンの中で、メルトフローレイトが0.5〜5.0g/10min.(JIS K 7210により、測定温度230℃、荷重2.16kg)の、押出し延伸グレードと称せられるペレットを、押出機に供給し、溶融温度230℃で開口径2mmのノズルからモノフィラメント状として押出す。
次いで、この押し出されたモノフィラメントを冷却バスなどの冷却装置で、急速冷却した後、延伸装置に送り込む。延伸装置においては、ポリプロピレンのガラス転移温度以上で融点以下の温度、例えば50〜150℃の温度条件でこのモノフィラメントを延伸する。この時の倍率は、得られる短繊維1の引張強度を左右することから、好ましくは10〜15倍にして、延伸することで、引張強度が450MPa以上のポリプロピレンのモノフィラメントを得る。
次いで、上記した延伸後のモノフィラメントはエンボス加工機に送り込まれて、その表面と裏面にエンボス加工を施す。
このエンボス加工は、2本の金属製エンボスロールを対峙させ、互いに逆方向に回転させておき、これらエンボスロール間に複数のモノフィラメントを通し、モノフィラメントを圧潰する方法で行われる。各エンボスロールの周面には、上記した第1ないし第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維のポリプロピレン短繊維に賦形する繊細なダイヤ格子パターンの隆起凸部2、3、及び4に対応する凹部が刻設されている。そして、エンボスロールを温度80〜120℃に保つことにより、モノフィラメントが半溶融状態となり、容易に隆起凸部2、3、及び4が形成される。
このエンボス加工によって、モノフィラメントが圧縮され、断面が円形のモノフィラメントから、図1および図2図に示すような断面が矩形状のモノフィラメントに変化する。
また、2本のエンボスロールは、一方のロールが位置を容易に調整出来る機構となっていて、ロールのトラバース方向や、モノフィラメントの流れ方向に移動可能になっていて、モノフィラメントの表面と裏面のダイヤ格子パターンの隆起凸部の配置位置関係を容易に調整して、図1ないし図5に図示した第1ないし第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維のように、ポリプロピレン短繊維の表裏面のダイヤ格子パターンの隆起凸部の配置を種々変化せしめてエンボス加工することができる。
次に、エンボス加工が終了したモノフィラメントをポリプロピレンの結晶化温度付近の温度でその長さが5%減少するまでアニールし、ついでこれを所定の長さに切断してコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維として、表裏面に所定のダイヤ格子パターンの隆起凸部を賦形したポリプロピレン短繊維を得る。
このアニールを行わないと、製造した短繊維が経時的にカールし、コンクリート、モルタルなどに均一に分散せず、いわゆるファイバボールが形成されてしまう。
このようにして得られたコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維にあっては、高延伸倍率での延伸を施しているので、その引張強度が高く、450MPa以上の値を示し、日本道路公団が制定したトンネル施工管理要領のトンネル覆工コンクリート用非鋼繊維品質規格を満足し、さらに繊維補強覆工コンクリート工の品質管理基準を満足する。
なお、上記方法で得られるポリプロピレン短繊維には、生産時に所定するエンボス加工のダイヤ格子パターンの配置と異なる配置の隆起凸部を有するものが少量含まれることがあるが、少量であるので問題はない。
また、本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維にあっては、本発明の目的を阻害しない範囲で、所望によりその表面に種々の物理的、化学的な処理を施すことを妨げない。その目的は、本発明繊維がコンクリートの水性スラリー中で団塊化したり、浮上分離したりしないように、また水性スラリー中に均一、安定に分散するように、またセメントの強アルカリ性に対する耐性を付与するためであり、例えばコロナ放電処理、火炎または熱風処理、赤外線、電子線その他の放射線照射、界面活性剤溶液への浸漬、各種安定剤被膜による表面被覆等々が例示される。
これらの表面処理は、繊維表面にダイヤ格子パターンのエンボス加工を施す際の前後を問わず、本発明の目的を阻害しない範囲で実施できる。また、ポリプロピレン繊維を芯とし、その外周面に異種ポリマー等による被覆層を形成して芯鞘構造を形成することにより表面異性化する場合には、本発明でのエンボス加工は鞘の外面に施すことを妨げない。
(実施例1)
本発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維の性能を確認するため、上記した第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10、第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維20、および第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維30を作製した。
メルトフローレイトが2g/10min.であるアイソタクチックポリプロピレンホモポリマーを原料として、これを押出機に投入して、溶融温度230℃で、開口径2mmのノズル孔から押し出し、径約2.5mmのモノフィラメントとした。これを30℃まで急速冷却した後、延伸装置にて温度80℃、延伸倍率10倍にて延伸した。
ついで、これをエンボス加工機に送り込み、温度100℃にてエンボス加工を行った。これにより、繊度が4000dtex、幅1.2mm、エンボス加工を施した見かけ厚さ0.60mmで、表面および裏面に、図1ないし図5に示す第1の実施形態ないし第3の実施形態で賦形するエンボス凸部の高さが、見かけ厚さの16.7%(約0.1mm)、エンボス凸部の幅が基部で約0.2mmで、横寸法が1.2mm、縦寸法が2.64mmのダイヤ格子パターンの隆起凸部を有するモノフィラメントとした。これを110℃の温度で、長さが5%減少する迄アニーリングした後、長さ30mmに切断して所定のポリプロピレン短繊維を得た。
かかる方法によって、図1ないし図5に示す第1の実施形態ないし第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を、以下の試料I,試料II、試料IIIとして作製した。
試料I:表面1aと裏面1bに形成するダイヤ格子パターンの隆起凸部2の配置位置が整合一致しているポリプロピレン短繊維(図1に図示する第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維10に相当)。
試料II:表面1aと裏面1bの隆起凸部のダイヤ格子パターンが、一方の対向する辺が表裏面で整合一致し、他方の対向辺が表裏面で変位してなるポリプロピレン短繊維(図3に図示する第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維20に相当)。
試料III:表面1aのダイヤ格子パターンの隆起凸部内2に裏面1bのダイヤ格子パターンの隆起凸部4の角部が位置するよう配されてなるポリプロピレン短繊維(図4に図示する第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維30に相当)。
試料I、試料IIおよび試料IIIの各補強材の引張強度を、JIS L1013に準じて、長繊維の状態で測定した。引張強度は、試料Iで486MPa、試料IIで482MPa、試料IIIで488MPaであり、ダイヤ格子パターンの種類で引張強度の差はないことが確認された。
次に、長さ30mm、幅16mm、高さ11mmの直方体容器2個を使い、その内の1個の16mm×11mmの面の中央部に上記短繊維の一端から15mmが埋設されるようにセメント混練物を詰めた。短繊維の他端も同様に処理し、2個のセメント混練物が接する中央部を未硬化のセメント混練物が接触しないように薄い離型用膜材で分離した。
このようにして、3種の試料についても同様に処置し、7日間の固化日数経過後、セメント固化物の直方体部分をチャックに掴んだ状態で、引張試験機にかけて、引抜け抵抗力を調べた。
この試験方法は、先に先行技術に挙げた特開2004−18352号公報に記載された実験例1に倣ったものである。
また、セメント混練物の配合は、この種の試験において特に記載されることなく通常採用される配合の、セメントに対して水60wt%、セメントと砂との重量比1:2とした。
その結果、引抜け抵抗力は、以下のようになった。
試料I 165N
試料II 168N
試料III 176N
この結果は、特開2004−18352号公報に記載の短繊維が示す引抜け抵抗力の最大値である4400dtexの短繊維での値の14.97kg(約147N)を大幅に上回った。
(実施例2)
実施例1と同様にして、ダイヤ格子パターンが異なる3種の試料I、II、IIIを作製した。但し、その長さは45mmとした。
この3種の試料を表1に表示する比率で混合してコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を、一定量混合して得た補強コンクリート固化物の曲げ靭性試験を行って、ダイヤ格子パターンの異なる短繊維の配合割合の相違によるコンクリート固化物の補強度合いの相違を比較した。
Figure 0003996158
コンクリート固化物の曲げ靱性試験は、日本道路公団試験方法JHS 730−2003「繊維補強覆工コンクリートの曲げ靱性試験方法」に基づくものとし、コンクリートの配合は、土木学会規格JSCE−F552およびJSCE−G552に準じて、普通ポルトランドセメント340kg/m、水量175kg/m、砂842kg/m、砂利869kg/mで、補強材混入率0.3容量%とし、曲げ試験のコンクリート試供体の寸法は150×150×530mmとした。その試験結果を表2に表示する。
Figure 0003996158
表2で明らかなように、混合1,混合2,混合3で示される、本発明の第1の実施形態の補強材10、第2の実施形態の補強材20,及び第3の実施形態の補強材30とも、これらを使用したそれぞれのコンクリートの曲げ靭性係数は、日本道路公団の定める規格値の曲げ靭性係数1.40N/mmを上回る値を示していて、本発明の補強材はコンクリートの補強効果を著しく向上せしめることが確認された。
さらに、混合4,混合5,混合6,及び混合7で示される、本発明の第1の実施形態の補強材10、第2の実施形態の補強材20,及び第3の実施形態の補強材30を適宜の混合比率で混合するようにして、コンクリートの補強材に使用することによって、コンクリートの曲げ靭性係数をより一層向上せしめることが確認された。
特に第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維20と第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維30との混合物でなる混合6を使用したコンクリートの曲げ靭性係数は、他の混合補強材を使用したものの曲げ靭性係数を大幅に上回って、補強効果の著しい向上が認められた。
(比較例)
比較のため、市販の補強用短繊維について、実施例1、2の試験を行った。
市販品は、A社製ポリプロピレン繊維(先行技術として開示した特開平11−116297号公報記載の補強材と思われる)、B社製ビニロン繊維、C社製ポリエチレン/ポリプロピレン繊維である。C社製補強材に含まれるポリエチレンは高密度ポリエチレンと推測されるが、その混合率は不明で、その比重はカタログから0.92となっている。
これらの市販品の製品仕様を表3に示す。
Figure 0003996158
なお、引張強度の試験は、試験体が短繊維であるため、JIS L1013に準じた方法では試験できず、掴み具間隔を10mm、引張速度を10mm/分に変更して行った。この方法では、試験体が掴み具によりダメージを受けるため、その影響により強度の低下が起こりやすい。
この方法で、実施例1での各試料の引張強度は、試料Iで472MPa、試料IIで467MPa、試料IIIで470MPaに、それぞれ低下した。
試験の結果を表3に併せて示した。
表3の結果から、市販品の引抜け抵抗力は、試料I、II、IIIでの値よりも低かった。これは、シボ加工がなされていないため、またはシボ加工がされていても効果的なシボが付されていないためと見られ、本発明でのダイヤ格子パターンによる改良効果が明白となった。
また、市販品の曲げ靱性係数は、規格値である1.40N/mmを越えているが、実施例1での混合1〜7に基づく本発明品の曲げ靱性係数は、これら市販品の値を大きく上回った。
このことから、素材の相違、繊維に付与された引張強度の大きさならびにシボ加工の有無、および形成されたシボの形状の相違が相俟って、本発明でのコンクリート補強効果がもたらされることが明白となった。
この発明のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維は、コンクリートやモルタルのひび割れ拘束や剥落防止に有効に活用され、コンクリート製の建築物、コンクリート製の建築土木資材、高架道路、橋梁等の耐荷重・耐震強度の一般的増強はもとより、表面の経時劣化による亀裂・剥落の防止に有効に活用される。また道路、鉄道等のトンネル(隧道)の内壁面を構成するコンクリートやモルタルの経時劣化による、その表面の亀裂・剥落を防止し、それによって建築・土木分野における保安を図り、その信頼性を高めるのに効果的に使用される。
本発明における第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を説明する斜視図。 第1の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維の変形を説明する斜視図。 本発明の第2の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を説明する平面図で、図3−(A)は表面の平面図、図3−(B)は裏面の透視平面図。 本発明の第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維を説明する平面図。 本発明の第3の実施形態のコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維の変形を説明する平面図。
符号の説明
10、15、20、30、35…コンクリート補強用ポリプロピレン短繊維、
1…ポリプロピレン短繊維、 1a…ポリプロピレン短繊維の表面、1b…ポリプロピレン短繊維の裏面、2…ダイヤ格子パターンの隆起凸部、2a、2b、2c、2d…ダイヤ格子パターンの隆起凸部2の4辺、3、4…ポリプロピレン短繊維の裏面にエンボス加工されるダイヤ格子パターンの隆起凸部、3a、3b、3c、3d…ダイヤ格子パターンの隆起凸部3の4辺、 4e、4f、4g、4h…ダイヤ格子パターンの隆起凸部4の4角の各角部

Claims (4)

  1. メルトフローレイトが0.5〜5.0g/10min.の押出延伸グレードのポリプロピレンを溶融紡糸し、高延伸して得られたモノフィラメントにエンボス加工を施し、ついでこれをアニールしてなるポリプロピレン短繊維であって、
    繊度が1000〜10000dtexで、繊維の幅が1.0〜1.5mm、見かけ厚さが0.5〜1.0mm、長さが20〜60mm、引張強度が450MPa以上であり、
    その表面と裏面には繊維幅にほぼ等しい幅のダイヤ格子パターンまたはその部分パターンのエンボス加工が施されて隆起凸部が形成され、この隆起凸部の高さが繊維厚さの10〜18%であり、
    上記隆起凸部において、表面と裏面の隆起凸部のダイヤ格子パターンが、一方の対向する辺が表裏面で整合一致し、他方の対向辺が表裏面で変位してなることを特徴とするコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維。
  2. メルトフローレイトが0.5〜5.0g/10min.の押出延伸グレードのポリプロピレンを溶融紡糸し、高延伸して得られたモノフィラメントにエンボス加工を施し、ついでこれをアニールしてなるポリプロピレン短繊維であって、
    繊度が1000〜10000dtexで、繊維の幅が1.0〜1.5mm、見かけ厚さが0.5〜1.0mm、長さが20〜60mm、引張強度が450MPa以上であり、
    その表面と裏面には繊維幅にほぼ等しい幅のダイヤ格子パターンまたはその部分パターンのエンボス加工が施されて隆起凸部が形成され、この隆起凸部の高さが繊維厚さの10〜18%であり、
    上記隆起凸部は、表面のダイヤ格子パターンの隆起凸部の囲み内に裏面のダイヤ格子パターンの隆起凸部の角部が位置するよう配されてなることを特徴とするコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維。
  3. メルトフローレイトが0.5〜5.0g/10min.の押出延伸グレードのポリプロピレンを溶融紡糸し、高延伸して得られたモノフィラメントにエンボス加工を施し、ついでこれをアニールしてなるポリプロピレン短繊維であって、
    繊度が1000〜10000dtexで、繊維の幅が1.0〜1.5mm、見かけ厚さが0.5〜1.0mm、長さが20〜60mm、引張強度が450MPa以上であり、
    その表面と裏面には繊維幅にほぼ等しい幅のダイヤ格子パターンまたはその部分パターンのエンボス加工が施されて隆起凸部が形成され、この隆起凸部の高さが繊維厚さの10〜18%であり、
    上記隆起凸部において、表裏面でダイヤ格子パターンまたはその部分パターンの位置が一致して形成されているポリプロピレン短繊維と
    請求項2のポリプロピレン短繊維とが、1対1の比率で混合されてなることを特徴とするコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維。
  4. 請求項1のポリプロピレン短繊維と請求項2のポリプロピレン短繊維とが1対1の比率で混合されてなることを特徴とするコンクリート補強用ポリプロピレン短繊維。
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