JP3996032B2 - 半導体製造用現像装置及びそれを用いた基板への現像液の供給方法 - Google Patents

半導体製造用現像装置及びそれを用いた基板への現像液の供給方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造用現像装置及びそれを用いた基板への現像液の供給方法に係り、特に、半導体製造装置の現像工程に使用する、現像液の吐出ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、従来の半導体製造用現像装置は、図9に示すように構成されている。
【0003】
図9は従来の半導体製造用現像装置の模式図である。
【0004】
この図において、1は現像液タンク、2は電磁弁、3はノズル配管、4はスプレーノズル(ノズルチップ)であり、スプレーノズル4からの噴霧により基板5の表面上に現像液を盛り付け、その液盛状態で数十秒間放置し、ホトレジスト膜と反応させてパターンを形成するようにしている。
【0005】
ここで、スプレーノズル4を用いた基板5表面上への現像液の液盛は、広範囲を短時間に濡らす必要があるため、現像液を扇形液膜状に吐出するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の現像液の液盛方法によっては、短時間で基板5表面上に現像液の液盛を完了させるためには、スプレーノズル4から噴霧される液膜の噴霧角度は広角であることが望ましい。そのためには、現像液の吐出圧力を高圧に設定する必要があるが、それでは基板5表面への衝撃が大きくなり、レジストパターンの均一性が損なわれてしまうという問題がある。
【0007】
すなわち、スプレーノズル4の内径と吐出圧力の関係で、噴霧角度・衝撃力は変化するが、低圧(衝撃力の低減)・広角(広範囲への噴霧)という相対する条件を満たすノズルが、スプレー式には存在しないのが現状である。
【0008】
また、従来の半導体製造用現像装置のスプレーノズルでは、効率よく液盛を行うため、噴霧と同時に基板を回転させているが、その回転時の基板の遠心力によってかなりの現像液が廃液されてしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上記状況に鑑みて、静止状態の基板に液盛を行い、低圧で広い範囲に効率的な現像液の塗布を行うことができる半導体製造用現像装置及びそれを用いた基板への現像液の供給方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕基板表面上へ現像液を吐出する半導体製造用現像装置において、現像液が供給されるノズル配管と、このノズル配管からの現像液を受けて前記基板上へ吐出する、テーパーを有するスプーン状のノズルとを設け、前記スプーン状のノズルに対して前記ノズル配管から現像液を吐出する位置を調整可能にすることを特徴とする。
【0011】
〔2〕基板表面上へ現像液を吐出する半導体製造用現像装置において、現像液が供給されるノズル配管と、このノズル配管からの現像液を受けて前記基板上へ吐出する、テーパーを有するスプーン状のノズルと、前記ノズル配管とスプーン状のノズルとを同時に静止状態の基板上を走査する走査機構とを設け、前記スプーン状のノズルに対して前記ノズル配管から現像液を吐出する位置を調整可能にすることを特徴とする。
【0012】
〔3〕上記〔2〕記載の半導体製造用現像装置において、前記静止状態の基板上でのスプーン状のノズルの位置を調整するスプーン状のノズルの位置調整機構を具備することを特徴とする。
【0013】
〔4〕上記〔1〕記載の半導体製造用現像装置を用いた基板への現像液の供給方法であって、前記基板を回転させた状態で、前記スプーン状のノズルの所定の位置に向けて前記ノズル配管から供給される現像液を吐出し、この吐出された現像液が前記スプーン状のノズルを介して前記基板の表面上に供給されることを特徴とする。
【0014】
〔5〕上記〔2〕又は〔3〕記載の半導体製造用現像装置を用いた基板への現像液の供給方法であって、前記ノズル配管と前記スプーン状のノズルとが前記基板の表面上方を移動するのにともなって、前記ノズル配管から供給される現像液が吐出される前記スプーン状のノズルの位置をずらして、前記吐出された現像液が前記スプーン状のノズルを介して前記基板の表面上に供給されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施例を示す半導体製造用現像装置の全体模式図、図2はそのスプーン状のノズルの断面図、図3はそのスプーン状のノズルの先端部にノズル配管からの現像液が吐出される場合の噴霧角度を示す上面模式図、図4はそのスプーン状のノズルを用いた液盛を示す模式図である。
【0017】
これらの図において、11は現像液タンク、12は電磁弁、13はノズル配管、14はテーパーを有するスプーン状のノズル(以下、単にスプーン状のノズルという)、14Aはスプーン状のノズル14の先端部、14Bはスプーン状のノズル14の中央部、θは現像液の噴霧角度、15は基板(ウエハ)である。
【0018】
ノズル配管13からスプーン状のノズル14へ現像液を吐出する吐出位置によって、現像液の噴霧角度(液膜の広がり)θに差が生じる。すなわち、スプーン幅の大きな部分では液膜は広角になり、スプーン幅の小さな部分では殆ど広がらない。例えば、図3に示すように、スプーン状のノズル14の先端部14Aにノズル配管13から現像液が吐出されると、その現像液の噴霧角度θは小さく、スプーン状のノズル14の中央部14Bに現像液が吐出されると、現像液の噴霧角度θは大きくなる。
【0019】
要するに、本発明によれば、このスプーン状のノズル14によって、低圧で広角な液膜を形成できるとともに、現像液の吐出位置を変えるだけで一定圧力のまま噴霧角度θを変化させることができる。
【0020】
この実施例では、基板15の最も広い幅がカバーできるように、スプーン状のノズル14の現像液の吐出位置を設定し、基板15をスピン(回転)させて液盛を行う。すなわち、図4に示すように、ノズル配管13とスプーン状のノズル14はともに固定し、基板15を回転させることで液盛を行う。液盛を行う際、現像液膜直径Aが噴霧位置(基板15)の直径と同じになるよう、ノズル配管13とスプーン状のノズル14の位置をあらかじめ調整しておく。
【0021】
以上のように、第1実施例によれば、吐出圧力や、スプーン状のノズルの規格を変更することなく、一定圧力で広角の液膜を形成することができる。
【0022】
図5は本発明の第2実施例を示す半導体製造用現像装置の全体模式図、図6はその半導体製造用現像装置のスプーン状のノズルによる現像液の液盛の説明図である。ここで、16はスプーン状のノズルの調整機構である。
【0023】
この実施例では、基板を回転させないで、固定しておき、ノズル配管とスプーン状のノズルの位置をスプーン状のノズルの調整機構16により調整することにより液盛を行うようにしている。ここで、15Aは基板の第1部位(右端部)、15Bは基板の第2部位(1/4位置)、15Cは基板の第3部位(2/4位置)、15Dは基板の第4部位(3/4位置)、15Eは基板の第5部位(左端部)である。すなわち、基板15に液盛を行うためには、スプーン状ノズル14を位置(1)から(5)までスライドさせる。その際、現像液膜の幅Aが基板15の噴霧位置のそれぞれの幅と一致するよう、スプーン状ノズル14への現像液の吐出位置を、ノズル配管13をスライドさせることによって調節する。
【0024】
例えば、基板15の第1部位15Aから第3部位15Cへ液盛を行う際は、スプーン状ノズル14を位置(1)から(3)へと移動させると同時に、ノズル配管13からの現像液がスプーン状ノズル14の先端部14A(噴霧角度θ小)からスプーン状ノズル14の中央部14B(噴霧角度θ大)へ吐出されるよう、ノズル配管13を横方向(X軸方向)にスキャンする。本実施例では、液盛の際に基板15を回転させない。そのため、廃液を低減することができる。
【0025】
図7はノズル配管とスプーン状のノズルのスキャン機構とその動作(その1)を示す図、図8はノズル配管とスプーン状のノズルのスキャン機構とその動作(その2)を示す図である。
【0026】
これらの図において、21はノズル配管13とスプーン状のノズル14とを一体化したノズルブロック、22はノズルブロック本体、23はノズルブロック本体22へのノズル配管13の取付具、24はスプーン状のノズル14の調整機構(例えば、圧電伸縮装置)、25はノズルブロック21の駆動機構(例えば、リニアモータ)である。
【0027】
ノズル配管13に対して、スプーン状のノズル14の位置は、スプーン状のノズル14の調整機構24によって調整することができる。つまり、ノズル配管13に対するスプーン状のノズル14上の現像液の吐出位置が、先端部14Aから中央部14Bをへて先端部14Aへとくるように調整を行わせることができる。
【0028】
ノズルブロック21はノズルブロック21の駆動機構25によってその位置を可変にすることができ、図6に示したように、基板15を固定した状態でスムーズな現像液の液盛を行うことができる。
【0029】
この第2実施例によれば、ノズル配管13とスプーンノズル14とを同時にスキャンするスキャン機能を用いることにより、静止状態の基板15に液盛を行うことができるので、廃液を抑えて効率よく液盛が実施できる。
【0030】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0032】
(A)吐出圧力や、スプーン状のノズルの規格を変更することなく、一定圧力で広角の液膜を形成することができる。
【0033】
(B)基板を静止状態にしておき、現像液の液盛を行うことができるので、廃液を抑えて効率よく液盛が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す半導体製造用現像装置の模式図である。
【図2】 本発明の第1実施例を示す半導体製造用現像装置のスプーン状のノズルの断面図である。
【図3】 本発明の第1実施例を示す半導体製造用現像装置のスプーン状のノズルの先端部にノズル配管からの現像液が吐出される場合の噴霧角度を示す上面模式図である。
【図4】 本発明の第1実施例を示す半導体製造用現像装置のスプーン状のノズルを用いた液盛を示す模式図である。
【図5】 本発明の第2実施例を示す半導体製造用現像装置の全体模式図である。
【図6】 本発明の第2実施例を示す半導体製造用現像装置のスプーン状のノズルによる現像液の液盛の説明図である。
【図7】 本発明の第2実施例を示す半導体製造用現像装置のノズル配管とスプーン状のノズルのスキャン機構とその動作(その1)を示す図である。
【図8】 本発明の第2実施例を示す半導体製造用現像装置のノズル配管とスプーン状のノズルのスキャン機構とその動作(その2)を示す図である。
【図9】 従来の半導体製造用現像装置の模式図である。
【符号の説明】
11 現像液タンク
12 電磁弁
13 ノズル配管
14 テーパーを有するスプーン状のノズル
14A スプーン状のノズルの先端部
14B スプーン状のノズルの中央部
θ 現像液の噴霧角度
15 基板(ウエハ)
15A 基板の第1部位(右端部)
15B 基板の第2部位(1/4位置)
15C 基板の第3部位(2/4位置)
15D 基板の第4部位(3/4位置)
15E 基板の第5部位(左端部)
16,24 スプーン状のノズルの調整機構
21 ノズルブロック
22 ノズルブロック本体
23 ノズルブロック本体へのノズル配管の取付具
25 ノズルブロックの駆動機構

Claims (5)

  1. 基板表面上へ現像液を吐出する半導体製造用現像装置において、
    (a)現像液が供給されるノズル配管と、
    (b)該ノズル配管からの現像液を受けて前記基板上へ吐出する、テーパーを有するスプーン状のノズルとを設け、
    (c)前記スプーン状のノズルに対して前記ノズル配管から現像液を吐出する位置を調整可能にすることを特徴とする半導体製造用現像装置。
  2. 基板表面上へ現像液を吐出する半導体製造用現像装置において、
    (a)現像液が供給されるノズル配管と、
    (b)該ノズル配管からの現像液を受けて前記基板上へ吐出する、テーパーを有するスプーン状のノズルと、
    (c)前記ノズル配管とスプーン状のノズルとを同時に静止状態の基板上を走査する走査機構とを設け、
    (d)前記スプーン状のノズルに対して前記ノズル配管から現像液を吐出する位置を調整可能にすることを特徴とする半導体製造用現像装置。
  3. 請求項2記載の半導体製造用現像装置において、前記静止状態の基板上でのスプーン状のノズルの位置を調整するスプーン状のノズルの位置調整機構を具備することを特徴とする半導体製造用現像装置。
  4. 請求項1記載の半導体製造用現像装置を用いた基板への現像液の供給方法であって、
    前記基板を回転させた状態で、前記スプーン状のノズルの所定の位置に向けて前記ノズル配管から供給される現像液を吐出し、該吐出された現像液が前記スプーン状のノズルを介して前記基板の表面上に供給されることを特徴とする現像液の供給方法。
  5. 請求項2又は3記載の半導体製造用現像装置を用いた基板への現像液の供給方法であって、
    前記ノズル配管と前記スプーン状のノズルとが前記基板の表面上方を移動するのにともなって、前記ノズル配管から供給される現像液が吐出される前記スプーン状のノズルの位置をずらして、前記吐出された現像液が前記スプーン状のノズルを介して前記基板の表面上に供給されることを特徴とする現像液の供給方法。
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