JP3996027B2 - プラスチック光ファイバーアレーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射部・出射部で任意のピッチを有する1次元及び2次元に配列されたプラスチック光ファイバーアレー、テーパー状プラスチック光ファイバーアレーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバーは低損失で光伝送が可能であり、かつ自由に曲げられる等の特性から、光通信・光実装分野での光伝送用途に限らず、イメージファイバや光ファイバースクリーン等の画像伝送用途、ライン状光源等の特殊形状照明や均質照明等の照明光伝送用途など広い用途での利用が提案され、実現されてきている。
特に溶融紡糸成形で量産されているプラスチック光ファイバーは、軽量性、低コスト性や扱いやすさなどの利点を有することから、ガラス製の光ファイバーに比べ、広く使われてきている。
光通信・光実装分野での光伝送用途においても、光ファイバーの接続工程の簡素化等の点から、光ファイバーのアレー化が求められている。また上記画像伝送用途や照明光伝送用途では、1次元または2次元状に配列されたアレー形状であることが必須であり、さらに拡大光学系/縮小光学系では、入射/出射部でファイバー間隔が異なることが求められている。
【0003】
一般に光ファイバーアレーを作製する方式には以下の如きものがある。
方式1:複数ノズル、集合口金を使用した複合紡糸成形による一括成形方式(例えば特開昭50−10645号公報、特開平2−176605号公報等参照)。
方式2:あらかじめ成形した光ファイバーを密着させる形で並べて相互位置を固定する方式(例えば特開平3−71683号公報、特開平6−300928号公報、特開平9−211438号公報等参照)。
方式3:あらかじめ成形した光ファイバーを基板上のV溝や穴等を利用して離散的に並べて固定する方式(例えば特許第2801329号公報、特開平5−188226号公報、特開2001−133637公報等参照)。
しかしながら方式1にあっては、量産性は優れるものの入射端から出射端まで同じコア径かつ同じファイバー間隔のものしか作れない。
方式2にあっては、スペーサーを挟めば入射端から出射端でファイバー間隔の異なるものも作製できるが、手間がかかり、製造コストが高くなり、挟まない場合には方式1と同様に入射端から出射端まで同じコア径かつ同じファイバー間隔で密接したものしか作れない。
方式3にあっては、高い位置精度で任意のピッチを有する光ファイバーアレーを作製できるが、基板の溝加工等を含め、加工工程及び組み付け工程が多いため、量産性が悪く高コストである。
以上のようにそれぞれ不具合な点を有する。
またエッチング、選択重合、型押し等の方式により光ファイバーアレーと同等の機能を有する光伝送路アレーを作製する方法もあり、これらの方法は、平面内での複雑なパターンや微細形状の伝送路を作製するのには好適であるが、いずれも転写不良及び型の表面粗さ転写等によるコア表面粗さの影響により伝送損失が大きくなるため、主として数cmオーダーでの伝送用途に留まると同時に、加工工程が多く高コストである。特に、2次元状のアレーを作製するのは困難または非常に時間とコストがかかることとなる。
このように入射部及び出射部で任意のピッチを有しかつピッチ精度の高い低コストなプラスチック光ファイバーアレーあるいは光伝送路アレーは実現されていないのが現状である。
【0004】
また光ファイバーあるいは光ファイバーアレーを使用する場合には、他の光機能部品との接続における光入射損失低減が重要であり、以下のような方式が提案・実施されている。
方式4:高精度に加工した基板上のV溝等を利用した光ファイバー高精度位置決め方式(例えば特許第2801329号公報等参照)。
方式5:マイクロレンズ及びマイクロレンズアレー付加による入射効率向上を図る方式(例えば特許第2719804号公報、特開平7−294779号公報等参照)。
方式6:光ファイバー端部あるいは対応する光デバイス端部のコア径拡大による入射効率向上を図る方式(例えば特開平10−50968号公報等参照)。
しかし、方式4については、基板加工を含め加工工程及び組み付け工程が多いため量産性が悪く高コストである。
方式5については、必要な光ファイバーの位置精度は緩和され、ファイバーの組み付けは楽になるが、その分ファイバーに対するレンズの高精度位置決めが必要となり、また部品点数が増えて組み付け工程が増えるため、これも量産性が悪く高コストである。
以上の如き不具合な点が存在する。
また、方式6において、さらにコア部をテーパー状に加工する具体的な方式としては、次の如きものがある。
方式6−1:端部を加熱して熱拡散させることによる端部でのコア部拡大方式(屈折率分布型光ファイバーの場合のみ)(例えば特開平11−52169号公報等参照)。
方式6−2:端部加熱+平面への押し付けによるテーパー部作製方式(例えば特開平8−21929号公報等参照)。
方式6−3:光ファイバーの加熱延伸方式(ガラス光ファイバーの場合のみ)(例えば特開平6−138333号公報等参照)。
方式6−4:接続対象の光伝送路デバイスの方で端部のコア径を拡大する方式(例えば特開平9−297235号公報、特開2000−304955公報等参照)。
これらの方式によれば、コア端部をテーパー状にすることで部品点数を増やすことなく光ファイバーの組み付け工程を簡素化できる。しかし、実際に方式6−1〜6−3はいずれも光ファイバーの2次加工方法であって、形状ばらつきが大きく光学性能の安定したものが作製できず、特に任意のテーパー形状を作製するのは困難であるという課題があり、さらに方式6−1は屈折率分布型でない一般のプラスチック光ファイバーには適用できず、方式6−2はテーパーが急で入射損失が大きく、方式6−3についてはたしかにプラスチック製でもテーパー状の光ファイバーは得られるが安定したばらつきの少なく任意のテーパーを有する光ファイバーを作るのは困難であり、方式6−4は光導波路デバイスの加工コストが大幅に増えるといった不具合な点を有している。
【0005】
以上の課題に対しては任意のテーパー形状の光ファイバーアレーの量産工法が確立されれば解決するが、他にも光の入射・出射を含め非常に導光効率が良く明るい画像拡大光学系/縮小光学系(例えば特開平6−186484号公報、特開平10−50968号公報、特開平6−300928号公報、特開2000−131538公報等参照)や拡大光学系/縮小光学系を用いた非常に明るく均質な照明光源(例えば特開平6−118374号公報等参照)の実現のためには、入射部〜出射部にかけてテーパー形状となって端部のコア径が異なる光ファイバーアレーが必要とされており、このような用途でもテーパー形状の光ファイバー及びそのアレーの量産工法の開発が望まれている。
【特許文献1】
特開平11−52169号公報
【特許文献2】
特開平8−21929号公報
【特許文献3】
特開平6−138333号
【特許文献4】
特開平9−297235号公報
【特許文献5】
特開2000−304955公報
【特許文献6】
特開平6−186484号公報
【特許文献7】
特開平10−50968号公報
【特許文献8】
特開平6−300928号公報
【特許文献9】
特開2000−131538公報
【特許文献10】
特開平6−118374号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、プラスチック光ファイバー自体は量産性があり低コストで得られるものの、これを利用した上述したような様々な光機能部品/システムについては、実現困難、もしくは部品点数増、加工・組み付け工程増等によりその製造に非常に高いコストを要する状態にある。
本発明はこれを解決するために、低伝送損失のプラスチック光ファイバーアレーを簡易な工程で、かつ低コストで作製することができるプラスチック光ファイバーアレーの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、複数のコア部及びコア部よりも屈折率の低いクラッド層からなるプラスチック光ファイバーアレーの製造方法であって、加熱されて溶融状態にある透明熱可塑性樹脂に、複数の棒が平行に配列されかつ一体化されている櫛状またはブラシ状の物体を上から挿入してその端部をほぼ同時に該溶融樹脂に接触させた後、該物体を引き上げ、伴って引き上げられた溶融樹脂を冷却固化することにより、複数のコア部を同時に形成することを最も主要な特徴とする。
請求項2に記載の発明では、複数のコア部及びコア部よりも屈折率の低いクラッド層からなるプラスチック光ファイバーアレーの製造方法であって、未硬化のエネルギー硬化性透明樹脂に、複数の棒が平行に配列されかつ一体化されている櫛状またはブラシ状の物体を上から挿入してその端部をほぼ同時に該未硬化樹脂に接触させた後、該物体を引き上げ、伴って引き上げられた未硬化樹脂をエネルギー線を照射して硬化させることにより、複数のコア部を同時に形成することを主要な特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において溶融状態にある樹脂の粘性が一定範囲に収まるように樹脂の温度制御を行うことを主要な特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において上記櫛状またはブラシ状の物体の引き上げ速度を段階的または連続的に変化させることによりコア部断面積を変化させることを主要な特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において上記櫛状またはブラシ状の物体の引き上げが終了した際に、板状あるいは棒状の物体を各コア部端部にほぼ同時に接触させて、各々のコア部端部の位置関係を該板状あるいは棒状の物体により保持させることを主要な特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1、3、4、5のいずれかに記載の発明において上記櫛状またはブラシ状の物体の各々の棒状部分の先端は連続的あるいは段階的に細くなっており、溶融樹脂に接触させるのは細くなっている先端部であることを主要な特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2、4、5のいずれかに記載の発明において上記櫛状またはブラシ状の物体の各々の棒状部分の先端は連続的あるいは段階的に細くなっており、未硬化樹脂に接触させるのは細くなっている先端部であることを主要な特徴とする。
請求項8に記載の発明は、上記櫛状またはブラシ状の物体の各々の棒状部分は上記の引き上げにより形成するコア部の樹脂とほぼ同じ屈折率を有する樹脂からなり、請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法により該棒状部分と一体化したコア部を形成することを主要な特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法で形成されたコア部を、コア部樹脂よりもガラス転移点が低く溶融状態にある透明熱可塑性樹脂に漬けて引き上げ、冷却固化させることにより該コア部の周囲にコア部樹脂よりも低屈折率のクラッド層を形成することを主要な特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法で形成されたコア部を未硬化のエネルギー硬化性樹脂に漬けて引き上げ、一定時間経過した後にエネルギー線を照射して硬化させることにより該コア部の周囲にコア部樹脂よりも低屈折率のクラッド層を形成することを主要な特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法で形成されたコア部を、溶媒に樹脂を溶かした溶液に漬けて引き上げた後に乾燥させることにより該コア部の周囲にコア部樹脂よりも低屈折率のクラッド層を形成することを主要な特徴とする。
【0009】
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の製造方法により、コア部及びクラッド層を形成した後、さらにその周囲に遮光層あるいは保護層を形成することを主要な特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれかに記載の製造方法により同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーの端部を順に密着させる形で束ね、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定することを主要な特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれかに記載の製造方法により同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーの端部をランダムに束ね、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定することを主要な特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至14のいずれかに記載の製造方法により同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーについて、それぞれ所定の間隔を保ったまま、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定することを主要な特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項1乃至14のいずれかに記載の製造方法により同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーについて、上記櫛状またはブラシ状の物体の棒の間に移動可能な細棒あるいは薄板状のガイド材を光ファイバー形成前に挿入しておき、光ファイバー形成後に下部に移動するか、あるいは光ファイバー形成後に挿入した後、該ガイド材を基準として各光ファイバーを束ね、その後接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定することを主要な特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を次のような実施例を用いて具体的に説明する。
実施例1
1次元テーパー状光ファイバーアレー(口径変換用光ファイバーアレー)(アレー数:6、ファイバー間ピッチ:2mm、幅:15mm、長さ:30mm)の製造行程を、図1を参照しつつ説明する。この製造工程は、コア部形成行程(図1(A)(B)(C))と、クラッド層形成行程(図1(D))と、保護部形成及び端面仕上げ行程(図1(E)(F))とからなる。
最初に、コア部形成工程について説明する。
ポリスチレン樹脂にて射出成形され移動装置(図示せず)に取り付けられた櫛状成形品1(基部1a、棒1b)を移動して、容器内に収容した未硬化UV硬化性樹脂2に棒1bの先端のみを漬ける(図1(A))。このとき、櫛状成形品1に一体的かつ平行に配列された同じ長さの各棒1bの端部が同時につくように樹脂2の液面に対して平行に保ちながらゆっくり移動させる。上記未硬化UV硬化性樹脂2は、温度制御が行われて溶融状態にあり、その粘性が一定範囲に収まるように管理されている。また櫛状成形品1の各棒1bは、根元より先端が連続的に細くなっている。
次いで、櫛状成形品1の棒1bの先端に樹脂2がついてから一定時間経過後(ここでは15秒)、櫛状成形品1を所要速度で引き上げる(図1(B))。ここでの移動速度は、(a)一定速度:6cm/分、(b)一定速度:1cm/分、(c)途中で速度変更:6cm/分→0.5cm/分と、3パターン変えて実施した。
櫛状成形品1の樹脂2からの引き上げが終了した際に、棒状の樹脂性保持部材3を、各棒1bの先端から垂れ下がって延びる樹脂2から成る各コア部4端部に、ほぼ同時に接触させて、各々のコア部4端部の位置関係を保持させる(図1(C))。なお、上記樹脂性保持部材3は板状であってもよい。
櫛状成形品1を樹脂2から引き上げる途中、及び引き上げた後、照射器5により弱い紫外線を引き上げられた樹脂2に対して照射して硬化させることにより、樹脂のコア部4を形成する(図1(B)(C))。
【0012】
次に、クラッド層形成工程について説明する。
上記のようにしてコア部4を形成した後、コア部4を構成する樹脂材料よりも屈折率の低い未硬化UV硬化性樹脂液6にコア4部全体を漬けて、一定時間経過後(ここでは30秒)、櫛状成形品1の基部1aを保持した形で引き上げ、再び照明器5により紫外線を照射してコア部4の外周面にクラッド層を形成する(図1(D))。クラッド層の厚み調整は、未硬化UV硬化性樹脂液6にコア4部全体を漬けておく時間や、未硬化UV硬化性樹脂液6の粘度により行うことができる。
次に、保護部形成及び端面仕上げ工程について説明する。
クラッド層を形成した後に櫛状成形品1の基部1aを吊り上げた形で、即ちクラッド層形成品7を吊り上げた形で、未硬化で低粘性の熱硬化性樹脂8とともに容器9に入れ、その後に容器9ごと加熱して全体を硬化させ、保護部を形成する。然る後に櫛状成形品1を含む両端部を切断し、断面を研磨して、1次元テーパー状光ファイバーアレー(口径変換用光ファイバーアレー)10を製造する(図1(E)(F))。
図1において、櫛状成形品1を、(a)一定速度:6cm/分で引き上げた場合のテーパー状光ファイバーアレー9の形状は図2(A)のようになり、また櫛状成形品1を(b)一定速度:1cm/分で引き上げた場合のテーパー状光ファイバーアレー9の形状は図2(B)のようになり、さらに櫛状成形品1を(c)途中で速度変更:6cm/分→0.5cm/分と変えて引き上げた場合のテーパー状光ファイバーアレー9の形状は図2(C)のようになった。即ち図2(A)の成形品1は引き上げ速度が速いため出射側端面の径と入射側端面の径との差が大きいテーパー形状となっている。また、図2(B)の成形品1は、図2(A)の場合よりも引き上げ速度が遅いため、入射側へ向かうほど径が緩やかに漸減するテーパー状となっている。また、図2(C)の成形品1は、出射側の径が最大で、入射側へ向かう程、図2(A)の場合と同等の減少率で径が漸減し、途中から径が漸増する形状となる。
上記いずれの引き上げ速度の場合も光伝送損失上まったく問題のない、同じピッチ間隔を有するテーパー状光ファイバーアレーが簡易な装置を用いた単純な工程で得られた。また伝送損失が少ない光ファイバーが得られたのは、型を使用せずコア/クラッド境界面が表面張力のみが作用した自由表面として形成されているために滑らかになったからであると考えられる。さらに入射部ファイバー径(出射側径よりも小さい)としては、(a)の引き上げ速度の場合はφ0.22mm、(b)の引き上げ速度の場合はφ0.52mm、(c)の引き上げ速度の場合はφ0.75mmであり、また途中のファイバー径については(a)(b)の引き上げ速度の場合は入射部から出射部にかけて緩やかにファイバー径が拡大しているのに対し、(c)の引き上げ速度の場合は途中部分が最もファイバー径が小さく(φ0.3mm)、中央から両端部にかけて緩やかにファイバー径が拡大する形となっており、引き上げ速度を制御することにより、異なるテーパー形状を有する光ファイバーアレーを形成できることを確認できた。さらにまた櫛状成形品1を樹脂2の液面に対してほぼ平行に引き上げているため、各アレーの形状にばらつきは殆んど見られなかった。
上述の実施例1において、櫛状成形品1の代わりに後述のブラシ状成形品11を用いてもよいし、櫛状成形品1の棒状部分をコア部の樹脂とほぼ同じ屈折率を有する樹脂から形成してもよい。
【0013】
実施例2
本実施例に使用するブラシ状成形品11について図3を参照しつつ説明する。
アクリル樹脂にてブラシ状成形品11を射出成形する。このとき、出射面に対応する面は一定荒さに加工した金型面を転写し、光学的拡散面11Aを形成させておく(図3(A))。また、ブラシ状成形品11の各棒11Bの先端11Cは段階状に細くなった部分を形成させる(図3(B)(C))。
上記ブラシ状成形品11を用いて2次元テーパー状光ファイバーアレーからなる画像拡大光学系部品(アレー数:25×15、出射面側ファイバー間ピッチ:1mm×1mm、出射面サイズ:50mm×30mm、出射面側ファイバー間ピッチ:0.25mm×0.25mm(100picel/inch)、入射面側サイズ:12.5mm×7.5mm、高さ:25mm)の製造工程について図4を参照しつつ説明する。この工程は、コア部形成工程(図4(A)(B)(C))と、クラッド層・遮光層形成工程(図4(D)(E))と、接着剤コーティング工程(図4(F))と、ファイバー束ね工程(図4(G)(H)(I)(J)(K))と、仕上げ工程(図4(L))と、からなる。
【0014】
まず、コア部形成工程について説明する。
加熱プレート12上に載置した容器13の中にアクリル樹脂(透明熱可塑性樹脂)14を入れて、約200℃に加熱して溶融させる。この温度はコア部形成工程中維持して粘性が一定範囲に収まるようにする。斯かる状態において、ブラシ状成形品11を移動装置(図示せず)にて加熱溶融樹脂面に対し平行に下降して加熱溶融樹脂14につけた後、引き上げる。この加熱溶融樹脂14につけるのはブラシ状成形品11の棒11B先端部の一段細くなった部分11Cのみとする(図4(A))。引き上げ速度は一定の1cm/分とした。
ブラシ状成形品11による樹脂引き上げの最終段階からは、あらかじめ容器13中に出入れ自在に入れておいた保持部材15をブラシ状成形品11と同じ速度で引き上げ(図4(B))、容器13から引き上げ終わった後は、保持部材15とブラシ状成形品11の位置関係を保ったまま、即ちブラシ状成形品11の溶融樹脂からの引き上げにより生じたコア部16の先端部を保持部材15に接着して吊り下げた状態で、コア部16樹脂を室温の空気雰囲気中で冷却固化させてコア部16の形成を行う(図4(C))。
次に、クラッド層・遮光層形成工程と接着剤コーティング工程について説明する。
上記のようにしてコア部16を形成した後、さらにコア部16より低屈折率の樹脂(透明な樹脂を含む)を有機溶媒に溶かした溶液(クラッド用樹脂溶液)17にコア部全体を漬けて引き上げた後、溶媒を乾燥させて、クラッド層を形成する(図4(D))。このようにしてクラッド層形成後、さらに遮光用黒色インク溶液(遮光性溶液)18にクラッド層形成品(ファイバーアレー全体)を漬けて引き上げた後、溶媒を乾燥させて遮光層を形成する(図4(E))。その後に熱硬化性の接着剤溶液19に光ファイバーアレー全体を漬け、接着剤をファイバー全体にコーティングする(図4(F))。上記溶液17において溶媒に溶かす量を調整することによりクラッド層の厚みを調整することができる。
【0015】
次に、ファイバー束ね工程及び仕上げ工程について説明する。
複数の金属薄板(或いは、細い棒)を所定のピッチにて平行に支持したガイド部材20を、各金属薄板が光ファイバーアレーの各列の間に入り込むように挿入し(図5(G))、その後に下部の保持部材15を切り離す(図5(H))。ついでこのガイド部材20に沿った形でガイド部材20の方向に2組の束ね用冶具21、22を矢印方向へ移動させて、ファイバーを密着させる形で束ねて、その後ガイド部材20を抜き取り(図5(I))、束ね用冶具21、22の位置を保持したまま、束ね用冶具23にて直交方向に密着する形で光ファイバー列を束ねる(図5(J))。両方向とも密着する形で束ねた後、全体を加熱して接着材を硬化させて光ファイバーの位置関係を固定させる。束ね用治具21、22間における入射側端部をカットし(図5(K))、研磨して仕上げし、画像拡大光学系24を形成する(図5(L))。
上記工程によれば、入射部及び出射部でファイバー径が異なる光ファイバーが2次元に配列され、そのピッチ間隔もばらつきのない画像用の拡大光学系を、簡易な装置を用いた単純な工程で短時間で得ることができた。またブラシ状成形品においてあらかじめ出射面の拡散面も形成しているので、従来方法に比べ、出射部の端面カット、研磨及び拡散面加工の必要がなく、さらに単純な工程で視野角の広い画像拡大光学系となっている。上記実施例1の場合と同様に、光ファイバーのコア部/クラッド部の境界面が滑らかなため、光伝送損失も少なく、明るい光学系となっている。さらにUV硬化性樹脂に比べ、一般に低コストな熱可塑性樹脂を使用しているため、さらに低コストな画像拡大系を作製できた。しかも実施例2の光学系を画像縮小光学系、照明用の拡大/縮小光学系として使用しても良く好都合である。
上述の実施例2において、ブラシ状成形品11の代わりに櫛状成形品1を用いてもよいし、ブラシ状成形品11の棒状部分をコア部の樹脂とほぼ同じ屈折率を有する樹脂から形成してもよい。
【0016】
実施例3
本発明の2次元テーパー状光ファイバーアレーからなる照明用拡大光学系(ライトガイド)(出射面:φ50mmの円形、入射面:φ15mmの円形、アレー数:600、出射部ファイバー径:φ2mm、入射部ファイバー径:φ0.5mm、高さ:50mm)の製造工程について図6を参照しつつ説明する。この工程は、コア部、クラッド層及び保護層形成工程と、接着剤コーティング工程と、束ね工程と、最終仕上げ工程(接着剤硬化、端面カット)とからなる。
コア部、クラッド層及び保護層形成工程、接着剤コーティング工程について説明する。
コア部、クラッド層及び保護層形成は上述の実施例2と同様の方法で行い、コア部16の保持部材15側の端部(光ファイバー束の保持部材15側の端部)を破線で示すようにカットする(図6(A))。熱硬化性の接着剤溶液19にファイバー全体をつけて接着剤をコーティングする(図6(B))。
次に、束ね工程、最終仕上げ工程について説明する。
下部のファイバー保持部材15側の部分をさらに破線で示すごとくカットして先端を揃えた後、各光ファイバーをランダムに束ね、テープ25で円状に固定する(図6(C))。ついで全体を加熱して接着剤を硬化させ、光ファイバーの位置関係を固定させ、入射側端部をカットして研磨し仕上げを行い照明用拡大光学系(ライトガイド)26を形成する(図6(D))。
本実施例においても、実施例2と同様に、入射部及び出射部でファイバー径が異なる光ファイバーが2次元に配列された照明用の拡大光学系を、簡易な装置を用いた単純な工程で短時間で得ることができた。実施例1、2と同様に光ファイバーのコア部/クラッド部の境界面が滑らかなため、光伝送損失も少なく、明るい光学系となっている。さらに実施例2と同様にUV硬化性樹脂に比べ、一般に低コストな熱可塑性樹脂を使用しているため、さらに低コストな拡大系を作製できている。さらにまたランダムにファイバーを配列しているため、光源に光量ムラがあっても均質な照明を実現できる。しかも本実施例の光学系を照明用の縮小光学系として使用しても良く、コア部がテーパー状であって入射面及び出射面とも光ファイバーが密に詰まった状態であるため、光の入射損失が少なく非常に明るい照明を実現できて好都合である。
【0017】
実施例4
本発明の1次元テーパー状光ファイバーアレーからなるLDアレー及び光ファイバー間接続部品(アレー数:24、入射部ファイバー間ピッチ:0.3mm、出射部ファイバー間ピッチ:1.2mm、出射部ファイバー径:φ1mm、入射部ファイバー径:φ0.3mm、幅:30mm、長さ:15mm)の製造工程について図7を参照しつつ説明する。この工程は、コア部、クラッド層及び保護層形成工程と、束ね、接着及び端面カット等の仕上げ工程とからなる。
コア部、クラッド層及び保護層形成工程について説明する。
コア部及びクラッド層を実施例1、2と同様の方法で形成する。ただし、入射端及び出射端側ともコア径が拡大するように引き上げ速度は途中で変化させる。
熱硬化性の接着剤溶液にファイバー全体をつけて接着剤をコーティングし、ついでファイバーの下部(保持部材側端部)を破線で示すようにカットする(図7(A))。
束ね、接着、端面カット等の仕上げ工程について説明する。
各光ファイバーをガイド板27で挟み、密着させる形で束ねる(図7(B))。その後に全体を加熱して接着剤を硬化させ、ガイド板27ごと光ファイバーの位置関係を固定させる。さらに入射側端部をカットし、研磨して仕上げを行いLD・PDアレー及び光ファイバー間接続用部品28を形成する(図7(C))。
本実施例において、実施例1、2と同様に、入射部及び出射部でファイバー径が異なる光ファイバーが1次元に配列された拡大光学系を、簡易な装置を用いた単純な工程で短時間で得ることができた。また実施例1〜3と同様に光ファイバーのコア部/クラッド部の境界面が滑らかなため、光伝送損失も少なく、明るい光学系となっている。また本実施例の光学系を照明用の縮小光学系として使用しても良く、コア部がテーパー状であって入射面及び出射面とも光ファイバーが密に詰まった状態であるため、光の入射損失が少なく非常に明るい照明を実現できる。さらにこの拡大光学系はLDアレー及び一般の光ファイバーの間をつなぐ接続部品として形成された部品であり、ファイバーの両端のコア径がテーパー状に拡大し、さらにそれぞれの接続先の光学スポット径と同等にしてあるため、LDアレーと一般の光ファイバーを直接接続した場合、あるいは間に光導波路部品を使用した場合に比べ、接続が容易で接続損失の少ない光伝送系を低コストに実現することができる。
【0018】
尚、本発明は、図示し説明した実施例に限定されることなく、例えば相対的に櫛状またはブラシ状の物体が引き上げられれば良いので、溶融樹脂/未硬化樹脂を容器ごと下げるようにしても良く、各実施例において形成されたコア部の樹脂よりもガラス転移点が低く溶融状態にある透明熱可塑性樹脂を用いてコア部樹脂よりも低屈折率のクラッド層を形成するようにしても良いこと、一本の棒で単独の光ファイバーを作製するようにしても良く、さらに複数の光ファイバーを一括で形成した後にカッティングしてそれぞれ単独の光ファイバー(光ファイバー)として使用しても良いし、さらに機能面処理としては、拡散面のほかに縮小面、遮光部形成、レンズアレー面形成などを必要な機能に応じて自由に選択できることはいうまでもなく,その他本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、
1)コア表面が自由表面となるため滑らかとなり光伝送損失の非常に少ない光ファイバーアレーが簡易な製造装置を用いて短時間で作製できる。
2)複数の棒を同時に溶融樹脂につけ一斉に引き上げることにより、同じ形状を有するテーパー状の光ファイバーを一括して複数作製することができ、これをアレー化することにより各ファイバーが同じ光学性能を有するテーパー状光ファイバーアレーを作製できる。
3)2次元上に棒が配列したブラシ状の物体を溶融樹脂につけて引き上げることにより、従来非常に工程数が多く形成が困難であった2次元光ファイバーアレーを簡易な工程で短時間に作製できる。
4)一般に低コストな熱可塑性樹脂を使用することにより、材料面からも低コストな光ファイバーアレーを作製できる。
等の種々の優れた効果を発揮する。
請求項2に記載の本発明によれば、
1)コア表面が自由表面となるため滑らかとなり光伝送損失の非常に少ない光ファイバーアレーが簡易な製造装置で短時間で作製できる。
2)複数の棒を同時に未硬化樹脂につけ一斉に引き上げることにより、同じ形状を有するテーパー状の光ファイバーを一括して作製することができ、これをアレー化することにより各ファイバーが同じ光学性能を有するテーパー状光ファイバーアレーを作製できる。
3)2次元状に棒が配列したブラシ状の物体を溶融樹脂につけて引き上げることにより、従来非常に工程数が多く形成が困難であった2次元光ファイバーアレーを簡易な工程で短時間に作製できる。
4)未硬化状態において粘性が安定して一様であるエネルギー硬化性樹脂を使用することにより、形状精度の安定したばらつきのない光ファイバーアレーを実現できる。
5)様々な粘性を有する樹脂を選択可能なエネルギー硬化性樹脂を使用することにより、様々なファイバー径を有する光ファイバーを作製でき、特に非常に細い光ファイバーを安定して作製することができる。
等の種々の優れた効果を発揮する。
【0020】
請求項3に記載の本発明によれば、溶融樹脂の温度制御を行って樹脂の粘性が容器内で一定に保たれるため、形状ばらつきの少ない高精度な光ファイバーアレーを作製できる。
請求項4に記載の本発明によれば、引き上げ速度を変えることにより、樹脂の固化または硬化速度が変わるため、途中でコア径の異なる任意のテーパー状の光ファイバーアレーを作製できる。
請求項5に記載の本発明によれば、板状あるいは棒状の物体により、コア部形成時に各ファイバーの位置関係をそれぞれ隙間を有する形でそのまま保持するため、その後のクラッド層・保護層・遮光層形成工程において、ムラなく機能層を形成することができると共に、束ね工程においても、ファイバーの配列状態が保持されているため、簡単に束ねることができる。
請求項6、7に記載の本発明によれば、各棒状部分の連続的または段階的に細くなっている部分で溶融樹脂あるいは未硬化樹脂と接続することにより、棒状部分から樹脂を引き上げて作製したコア樹脂部分にかけて太らずに滑らかにつながった形状を作製できるため、径のばらつきがない光ファイバーアレーを作製できる。また棒状部分もコア部として使用した場合にも棒状部分と樹脂を引き上げて作製したコア部分での接続損失の少ない光ファイバーアレーを作製できる。
【0021】
請求項8に記載の本発明によれば、
1)棒状部分と引き上げにより作製したコア部分がほぼ同じ屈折率を有する樹脂からなって、これを一体化させたコア部を形成させることにより、棒状部分と引き上げにより作製したコア部分の間で接続損失の少ない光ファイバーアレーが作製できる。
2)射出成形等により成形されているため棒部分のピッチ精度が良い櫛状またはブラシ状成形品の棒状部分をコア部として使用するため、さらにピッチ精度の良いプラスチック光ファイバーアレーを作製できる。
3)さらに櫛状またはブラシ状成形品の棒状部分をつなぐ部分もそのまま光ファイバーアレーからなる光学機能部品の一部として使用する場合には光ファイバーアレー作製時の端面処理が片側で不要となるため、低コストに光ファイバーアレーを作製することができる。
等の優れた効果を発揮する。
請求項9に記載の本発明によれば、コア部樹脂を液体に漬けて引き上げるという簡易な装置構成による単純な工程のみでクラッド層を形成できるため、プラスチック光ファイバーアレーを短時間で低コストに作製することができる。
請求項10に記載の本発明によれば、
1)コア部樹脂をクラッド用樹脂溶液に漬けて引き上げ、紫外線等のエネルギー線を照射するという簡易な装置構成による単純な工程のみでクラッド層を形成できるため、プラスチック光ファイバーアレーを短時間で低コストに作製することができる。
2)未硬化状態において粘性が安定して一様であるエネルギー硬化性樹脂を使用することにより、クラッド層の厚みの均一な光ファイバーアレーを実現できる。
3)様々な粘性を有する樹脂を選択可能なエネルギー硬化性樹脂を使用することにより、クラッド層の厚みを樹脂の選択により調整でき、特に厚みの薄いクラッド層を有する光ファイバーアレーを安定して作製することができる。
等の優れた効果を発揮する。
【0022】
請求項11に記載の本発明によれば、
1)コア部樹脂を液体に漬けて引き上げ、全体を加熱して溶媒を乾燥させるという簡易な装置構成による単純な工程のみでクラッド層を形成できるため、プラスチック光ファイバーアレーを短時間で低コストに作製することができる。
2)短時間で乾燥可能な溶媒に溶融できる樹脂であれば様々な樹脂が使用可能であるので、樹脂の選択性が広がり、より屈折率の低い樹脂、あるいはより低コストな樹脂を選択できるため、より高性能、低コストな光ファイバーアレーを実現できる。
3)溶媒への溶かす量により粘性を調整できるため、クラッド層の厚みを調整でき、特に厚みの薄いクラッド層を有する光ファイバーアレーを安定して作製することができる。
等の優れた効果を発揮する。
請求項12に記載の本発明によれば、クラッド層の周りに遮光層あるいは保護層を形成するので、より光学性能が良く、耐久性のある光ファイバーアレーを作製できる。
請求項13に記載の本発明によれば、同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーの端部を順に密着させる形で束ね、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定するので、簡易な工程で低コストにピッチ精度の良い光ファイバーアレーを作製できると共に、ファイバー間の隙間の少ない状態となるため、画像伝送用途、照明伝送用途等において光の入射損失の少ない光ファイバーアレーを作製することができる。
請求項14に記載の本発明によれば、同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーの端部をランダムに束ね、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定するので、簡易な工程で光ファイバーがランダムかつ密接に固定された状態となり、基の光源に光量ムラがあっても光量ムラのない均質な照明が得られる照明用光ファイバーアレーを低コストに作製できる。
【0023】
請求項15に記載の本発明によれば、同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーについて、それぞれ所定の間隔を保ったまま、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定するので、従来のV溝基板等を使用する方法に比べ、非常に簡易な工程で一定のピッチ間隔を有する光ファイバーアレーを作製することができる。
請求項16に記載の本発明によれば、移動可能な細棒あるいは薄板状のガイド材を用いて、これを基準として各光ファイバーを束ね、その後接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定するので、従来配列に非常に時間とコストが必要であった2次元光ファイバーアレー及びこれを用いた拡大及び縮小光学系を短時間に低コストで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバーアレーの製造方法の手順を示し(A)(B)(C)はコア形成手順の工程を示す説明図、(D)はクラッド層形成工程を示す説明図、(E)(F)は保護部形成及び端面仕上げ工程を示す説明図である。
【図2】本発明のプラスチック光ファイバーアレーの製造方法によるテーパー状光ファイバーアレーの形状を示し(A)(B)(C)はコア形成工程における櫛状成形品引き上げ速度の異なる場合におけるテーパー状光ファイバーアレーの形状を示す斜視図である。
【図3】本発明のプラスチック光ファイバーアレーの製造方法に使用するブラシ状成形品の形状を示し(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(B)のX部拡大図である。
【図4】図3に示すブラシ状成形品を用いて2次元テーパー状光ファイバーアレーからなる画像拡大光学系部品を製造する本発明の製造手順を示し(A)(B)(C)はコア部形成手順の工程を示す説明図、(D)(E)はクラッド層・遮光層形成工程を示す説明図、(F)は接着剤コーティング工程を示す説明図である。
【図5】(G)(H)(I)(J)(K)はファイバー束ね工程の手順を示す説明図にして(G)(H)(I)において上側は平面よりまた下側は側面より見た図、(J)は(I)の下側の図を90度回転させた図、(L)は仕上げ工程を示す説明図である。
【図6】2次元テーパー状光ファイバーアレーからなる照明用拡大光学系(ライトガイド)を製造する本発明の製造手順を示し(A)はコア部、クラッド層及び保護層形成工程を示す説明図、(B)は接着剤コーティング工程を示す説明図、(C)は束ね工程を示す説明図、(D)は最終仕上げ工程(接着剤硬化、端面カット等の仕上げ工程)を示す説明図である。
【図7】1次元テーパー状光ファイバーアレーからなるLDアレー及び光ファイバー間接続部品を製造する本発明の製造手順を示し(A)はコア部、クラッド層及び保護層形成工程を示す説明図、(B)は束ねる工程を示す説明図、(C)は仕上げ工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 櫛状成形品、2 未硬化UV硬化性樹脂(透明熱可塑性樹脂)、3 樹脂性保持部材、4 コア部、5 照射器、6 未硬化UV硬化性樹脂液、7 クラッド層形成品、8 熱硬化性樹脂、9 容器、10 テーパー状光ファイバーアレー、11 ブラシ状成形品、11A 光学的拡散面、11B 棒、11C 先端、12 加熱プレート、13 容器、14 アクリル樹脂(熱可塑性樹脂)、15 保持部材、16 コア部、17 溶液(クラッド用樹脂溶液)、18 遮光用黒インク溶液、19 接着剤溶液、20 ガイド部材、21〜23 束ね用治具、24 画像拡大光学系、25 テープ、26 照明用拡大光学系(ライトガイド)、27 ガイド板、28 LD・PDアレー及び光ファイバー間接続用部品
Claims (16)
- 複数のコア部及びコア部よりも屈折率の低いクラッド層からなるプラスチック光ファイバーアレーの製造方法であって、加熱されて溶融状態にある透明熱可塑性樹脂に、複数の棒が平行に配列されかつ一体化されている櫛状またはブラシ状の物体を上から挿入して各棒の端部をほぼ同時に該溶融樹脂に接触させた後、該物体を引き上げ、各棒に伴って引き上げられた溶融樹脂を冷却固化することにより、複数のコア部を同時に形成することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 複数のコア部及びコア部よりも屈折率の低いクラッド層からなるプラスチック光ファイバーアレーの製造方法であって、未硬化のエネルギー硬化性透明樹脂に、複数の棒が平行に配列されかつ一体化されている櫛状またはブラシ状の物体を上から挿入して各棒の端部をほぼ同時に該未硬化樹脂に接触させた後、該物体を引き上げ、各棒に伴って引き上げられた未硬化樹脂にエネルギー線を照射して硬化させることにより、複数のコア部を同時に形成することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 溶融状態にある樹脂の粘性が一定範囲に収まるように樹脂の温度制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 上記櫛状またはブラシ状の物体の引き上げ速度を段階的または連続的に変化させることによりコア部断面積を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 上記櫛状またはブラシ状の物体の引き上げが終了した際に、板状あるいは棒状の物体を各コア部端部にほぼ同時に接触させて、各々のコア部端部の位置関係を該板状あるいは棒状の物体により保持させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 上記櫛状またはブラシ状の物体の各々の棒状部分の先端は連続的あるいは段階的に細くなっており、溶融樹脂に接触させるのは細くなっている先端部であることを特徴とする請求項1、3、4、5のいずれかに記載のプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 上記櫛状またはブラシ状の物体の各々の棒状部分の先端は連続的あるいは段階的に細くなっており、未硬化樹脂に接触させるのは細くなっている先端部であることを特徴とする請求項2、4、5のいずれかに記載のプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 上記櫛状またはブラシ状の物体の各々の棒状部分は上記の引き上げにより形成するコア部の樹脂とほぼ同じ屈折率を有する樹脂からなり、請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法により該棒状部分と一体化したコア部を形成することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法で形成されたコア部を、コア部樹脂よりもガラス転移点が低く溶融状態にある透明熱可塑性樹脂に漬けて引き上げ、冷却固化させることにより該コア部の周囲にコア部樹脂よりも低屈折率のクラッド層を形成することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法で形成されたコア部を未硬化のエネルギー硬化性樹脂に漬けて引き上げ、一定時間経過した後にエネルギー線を照射して硬化させることにより該コア部の周囲にコア部樹脂よりも低屈折率のクラッド層を形成することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法で形成されたコア部を、溶媒に樹脂を溶かした溶液に漬けて引き上げた後に乾燥させることにより該コア部の周囲にコア部樹脂よりも低屈折率のクラッド層を形成することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の製造方法により、コア部及びクラッド層を形成した後、さらにその周囲に遮光層あるいは保護層を形成することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の製造方法により同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーの端部を順に密着させる形で束ね、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の製造方法により同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーの端部をランダムに束ね、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載の製造方法により同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーについて、それぞれ所定の間隔を保ったまま、接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載の製造方法により同時に形成された複数のプラスチック光ファイバーについて、上記櫛状またはブラシ状の物体の棒の間に移動可能な細棒あるいは薄板状のガイド材を光ファイバー形成前に挿入しておき、光ファイバー形成後に下部に移動するか、あるいは光ファイバー形成後に挿入した後、該ガイド材を基準として各光ファイバーを束ね、その後接着剤または樹脂により光ファイバーの相互位置関係を固定することを特徴とするプラスチック光ファイバーアレーの製造方法。
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