JP3995131B2 - データ出力回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のチャンネルに接続されるデータ出力回路に関し、データ処理装置から複数のチャンネル中の特定のチャンネルを選択してデータを出力するためのデータ出力回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のチャンネルに接続されデータ出力を行うデータ出力回路は、チャンネルのデータ受信速度がデータ処理装置のデータ出力速度より遅いために、出力バッファを備え、各チャンネルへの出力データは一旦出力バッファに保持した後、選択されたチャンネルにたいして転送を行う場合が多く、このようなシステムのデータ出力回路では、データ処理装置から出力バッファへの転送が完了した後、出力バッファからチャンネルへの転送が完了するまでの期間は、データ処理装置自体は動作していない状態であるにも関わらず、他のチャンネルに対するデータ出力要求に応じることができず、データ処理装置の動作効率が低下してしまう。
【0003】
このようなデータ出力回路において、データ処理装置の動作効率を向上させるため従来の方法として、各チャンネル毎に出力バッファを備えることにより、データ処理装置から出力バッファへの転送が終了するとすぐに他のチャンネルに対するデータ転送を開始して、データ処理装置の動作効率を向上させる方法があった。
【0004】
しかし、各チャンネル毎に出力バッファを備える方法では、チャンネル数が多い場合に非常に大規模な回路が必要になる。また、データ受信速度が速く本来出力バッファを必要としないチャンネルや、使用頻度の低いチャンネルに対しても同等に出力バッファを備えるために、回路規模に比して効率の悪い回路になってしまう。
【0005】
このような大規模な回路増加を伴わずに多チャンネルに対するデータ転送効率を向上させる方法が、特開平5−28082号公報に開示されている。
【0006】
この特開平5−28082号公報では、複数のデータ入力チャンネルを高速チャンネルと低速チャンネルに分類し、低速チャンネル用の出力バッファを共通化することにより、回路規模の低減を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のものにおいては、データ入力回路に関するものであり、データ出力回路にそのまま適用することはできず、また、各チャンネルの特性を考慮した上でバッファと制御回路を設計する必要があり、複雑で汎用性の少ない回路となってしまう。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、大規模な回路増加を伴わずにデータ処理装置の動作効率を向上させ、かつ、各チャンネルに対して同一のインターフェースをもつ汎用的なデータ出力回路を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、データ処理装置からデータを複数のチャンネルのうち特定のチャンネルを選択して出力するデータ出力回路において、
データ処理装置からの上記データを一時保持した後、出力を行なう出力バッファと、
出力バッファを介してチャンネルにデータを転送する第1の経路と、
出力バッファを介さずにチャンネルにデータを転送する第2の経路と、
第1および第2の経路をそれぞれ異なるチャンネルに接続するデータ選択回路と、
第1および第2の経路のデータ転送を制御する転送制御回路であって、
第1の経路を用いて出力バッファからチャンネルへのデータ出力を行っている途中である場合、上記データ処理装置から出力バッファへの転送が終了して当該データ処理装置が動作可能な状態になれば、未処理の転送要求の中に出力バッファを必要としないチャンネルがあるか否かを判断し、そのような出力バッファを必要としない転送要求があれば、第2の経路を用いてデータ出力を開始させる転送制御回路とを備えている。
【0010】
したがって、出力バッファを介して1つのチャンネルにデータの転送を行っている時に、他のチャンネルに対してデータを直接転送させることができ、2つのチャンネルに対してデータ出力を可能とする。
【0012】
力バッファからチャンネルへのデータ出力中に、データ処理装置からもチャンネルへのデータ出力を行うことにより、データ処理装置の動作効率を向上させることが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の転送制御回路は、出力バッファを介する第1の経路が使用されていない場合であっても、優先度の高いチャンネルの転送要求が出力バッファを必要としない場合には、出力バッファを用いない第2の経路を用いてデータ出力を開始する。
【0014】
したがって、出力バッファが不必要な場合のデータ転送速度を向上させることが可能となる。
本発明は、(i)データ処理装置からデータを複数のチャンネルのうち特定のチャンネルを選択して出力するデータ出力回路において、
(ii)データ処理装置は、そのデータ処理装置の動作状態を示すデータ処理装置状態通知信号eを出力し、
(iii)出力バッファ制御信号gに応答し、データ処理装置からの上記データを一時保持した後、出力を行なう出力バッファであって、この出力バッファの動作状態を示す出力バッファ状態通知信号dを出力する出力バッファと、
(iv)出力バッファを介してチャンネルにデータを転送する第1の経路と、
(v)出力バッファを介さずにチャンネルにデータを転送する第2の経路と、
(vi)データ選択回路制御信号hに応答し、第1および第2の経路をそれぞれ異なるチャンネルに接続するデータ選択回路であって、第2の経路を介するデータ処理装置からの上記データと、出力バッファから出力されるデータとを、上記チャンネルのうちの1つに伝えるデータ選択回路と、
(vii)第1および第2の経路のデータ転送を制御する転送制御回路であって、
データ処理装置から対応チャンネルへのデータ転送を要求するデータ転送要求信号aと、
各チャンネル毎に用意され、チャンネルの転送要求が出力バッファを必要とする転送であるか否かを示すバッファ利用要求信号bと、
同時に複数の転送要求が発生した場合に、処理を行なう優先度を各チャンネル毎に設定するチャンネル優先度信号cと、
上記出力バッファ状態通知信号dと、
上記データ処理装置状態通知信号eとに応答し、
上記出力バッファ制御信号gを発生して出力バッファに与え、上記データ選択回路制御信号hを発生してデータ選択回路に与え、さらに制御信号fを発生してデータ処理装置に与え、
第1の経路を用いて出力バッファからチャンネルへのデータ出力を行っている途中である場合、上記データ処理装置から出力バッファへの転送が終了して当該データ処理装置が動作可能な状態になれば、転送に出力バッファを用いない転送要求に応答して第2の経路を用いてデータ出力を開始させ、データ処理装置が動作中でない場合、出力バッファが動作中でなければ、上記バッファ利用要求信号bによって第1または第2の経路を使用するかを選択して出力バッファおよびデータ選択回路を制御し、未処理のデータ転送要求の中で優先度の最も高いチャンネルを選択し、データ処理装置から選択されたチャンネルに対するデータ転送を開始し、
力バッファを介する第1の経路が使用されていない場合であっても、優先度の高いチャンネルの転送要求が出力バッファを必要としない場合には、出力バッファを用いない第2の経路を用いてデータ出力を開始する転送制御回路とを備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のデータ出力回路の実施形態を図1及び図2とともに説明する。
【0016】
図1は、本実施形態にかかるデータ出力回路の構成を示すブロック図であり、この図に示すように、本データ出力回路はデータ処理装置と複数のチャンネル1〜チャンネルNを接続し、要求に応じて複数のチャンネル1〜チャンネルNのうちの1つのチャンネルを選択してデータ処理装置からのデータ出力を行うものである。
【0017】
まず、本データ出力回路の構成について説明する。
【0018】
図1に示すように、データ出力回路1は、出力バッファ1aと、データ選択回路1bおよび転送制御回路1cとを備えている。
【0019】
上記出力バッファ1aは、データ処理装置2からのデータ処理装置出力データiを転送制御回路1cからの出力バッファ制御信号gにしたがって一時保持した後、データ選択回路1bに出力を行うものである。
【0020】
上記データ選択回路1bは、転送制御回路1cからのデータ選択回路制御信号hにしたがって、出力バッファ出力データjとデータ処理装置出力データiを、それぞれチャンネル1〜チャンネルNのうちの1つに伝えるものである。
【0021】
上記転送制御回路1cは、各チャンネルに対応するデータ転送要求信号aと、バッファ利用要求信号bと、チャンネル優先度cと、出力バッファ状態通知信号dと、データ処理装置状態通知信号eとを元に、上記出力バッファ1aと、データ選択回路1bと、データ処理装置2とに対する制御信号g,h,fを発生する回路である。
【0022】
ここで、データ転送要求信号aとは、各チャンネルに対応してチャンネル数分用意される信号であり、データ処理装置2から対応チャンネルへのデータ転送を要求する信号である。同様に、バッファ利用要求信号bも各チャンネル毎に用意され、チャンネルの転送要求が出力バッファを必要とする転送であるか否かを示す。チャンネル優先度信号cは、同時に複数の転送要求が発生した場合に、処理を行う優先度を各チャンネル毎に設定する信号である。また、出力バッファ状態通知信号dとデータ処理装置状態通知信号eとはそれぞれ出力バッファ1aおよびデータ処理装置2の現在の動作状態を示す信号である。
【0023】
つぎに、本データ出力回路の動作について図2とともに説明する。
【0024】
図2は本データ出力回路の動作を示すフローチャートであり、この図に示すように、本データ出力回路にデータ転送要求が入力されると(S1)、転送制御回路1cは未処理の転送要求が存在するか否かを判断する(S2)。未処理の転送要求が残っていない場合はS1に戻る。
【0025】
未処理のデータ転送要求が残っている場合は、データ処理装置2が動作中であるか否かを判断し(S3)、データ処理装置2が動作中であれば、新しい転送要求に応答することはできないのでS2に戻る。
【0026】
データ処理装置2が動作中でない場合は、出力バッファ1aが動作中であるか否かを判断する(S4)。出力バッファ1aが動作中でなければ、その時点ではデータ転送は全く行われていない状態であるので、未処理のデータ転送要求の中で優先度の最も高いチャンネルを選択し、データ処理装置2から選択されたチャンネルに対するデータ転送を開始し(S5)、S2に戻る。この際、選択されたチャンネルに対応するバッファ利用要求信号bによって、出力バッファ1aを介する第1の経路Aを使用するか、出力バッファ1aを介さない第2の経路Bを使用するかを選択して出力バッファ1aおよびデータ選択回路1bの動作を制御する。
【0027】
出力バッファ1aが動作中である場合は、データ処理装置から出力バッファ1aへの転送は終了してデータ処理装置2自体は動作していないが、出力バッファ1aからチャンネルに対するデータ転送がまだ完了していないことを示している。このため、続いて未処理の転送要求の中に出力バッファ1aを必要としないチャンネルがあるか否かを判断し(S6)、出力バッファ1aを必要としない転送要求がない場合にはそのままS2に戻る。
【0028】
出力バッファ1aを必要としない転送要求があれば、その中で優先度の最も高いチャンネルを選択して、出力バッファ1aを介さない第2の経路Bを用いてデータ処理装置2からチャンネルに対するデータ転送を開始し(S7)、S2に戻る。
【0029】
以上のように、本データ出力回路1では、データ処理装置2が動作中でない場合には、出力バッファ1aが使用中であっても、出力バッファ1aを必要としない転送要求の中から転送先チャンネルを選択してデータ転送を開始することにより、データ処理装置2の動作効率を向上させることができる。
【0030】
また、出力バッファ1aを増設せずに迂回経路と制御回路を付加するだけで実現できるため、最小限の回路増加でデータ処理装置2の動作効率の向上を図ることができる。
【0031】
なお、本実施形態中に示したデータ転送要求信号a、バッファ利用要求信号b、チャンネル優先度cは、それぞれ、チャンネル側から入力してもよく、また、データ処理装置2側から入力してもよい。チャンネル側から入力する場合には、本回路はスレーブ型のデータ出力回路として動作し、また、データ処理装置2側から入力する場合には、マスタ型のデータ出力回路として動作することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、データ処理装置からデータを複数のチャンネルのうち特定のチャンネルを選択して出力するデータ出力回路において、出力バッファを介してチャンネルにデータを転送する第1の経路と、出力バッファを介さずにチャンネルにデータを転送する第2の経路を有し、この2つの経路をそれぞれ異なるチャンネルに接続するデータ選択回路と、2つの経路のデータ転送を制御する転送制御回路とを備えているので、出力バッファを介して1つのチャンネルにデータの転送を行っている時に、他のチャンネルに対してデータを直接転送させることができ、2つのチャンネルに対してデータ出力を行うことができ、データ処理効率を向上させることができる。
【0033】
また、本発明の転送制御回路は、第1の経路を用いて出力バッファからチャンネルへのデータ出力を行っている途中である場合、上記データ処理装置から出力バッファへの転送が終了して当該データ処理装置が動作可能な状態になれば、転送に出力バッファを用いない転送要求に応答して第2の経路を用いてデータ出力を開始させているので、出力バッファからチャンネルへのデータ出力中に、データ処理装置からもチャンネルへのデータ出力を行うことにより、データ処理装置の動作効率を向上させることができる。
【0034】
さらに、本発明の転送制御回路は、出力バッファを介する第1の経路が使用されていない場合であっても、優先度の高いチャンネルの転送要求が出力バッファを必要としない場合には、出力バッファを用いない第2の経路を用いてデータ出力を開始するので、出力バッファが不必要な場合のデータ転送速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ出力回路の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明のデータ出力回路の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 データ出力回路
1a 出力バッファ
1b データ選択回路
1c 転送制御回路
2 データ処理装置
A 第1の経路
B 第2の経路

Claims (3)

  1. データ処理装置からデータを複数のチャンネルのうち特定のチャンネルを選択して出力するデータ出力回路において、
    データ処理装置からの上記データを一時保持した後、出力を行なう出力バッファと、
    出力バッファを介してチャンネルにデータを転送する第1の経路と、
    出力バッファを介さずにチャンネルにデータを転送する第2の経路と、
    第1および第2の経路をそれぞれ異なるチャンネルに接続するデータ選択回路と、
    第1および第2の経路のデータ転送を制御する転送制御回路であって、
    第1の経路を用いて出力バッファからチャンネルへのデータ出力を行っている途中である場合、上記データ処理装置から出力バッファへの転送が終了して当該データ処理装置が動作可能な状態になれば、未処理の転送要求の中に出力バッファを必要としないチャンネルがあるか否かを判断し、そのような出力バッファを必要としない転送要求があれば、第2の経路を用いてデータ出力を開始させる転送制御回路とを備えることを特徴とするデータ出力回路。
  2. 上記転送制御回路は、出力バッファを介する第1の経路が使用されていない場合であっても、優先度の高いチャンネルの転送要求が出力バッファを必要としない場合には、出力バッファを用いない第2の経路を用いてデータ出力を開始することを特徴とする請求項1記載のデータ出力回路。
  3. (i)データ処理装置からデータを複数のチャンネルのうち特定のチャンネルを選択して出力するデータ出力回路において、
    (ii)データ処理装置は、そのデータ処理装置の動作状態を示すデータ処理装置状態通知信号eを出力し、
    (iii)出力バッファ制御信号gに応答し、データ処理装置からの上記データを一時保持した後、出力を行なう出力バッファであって、この出力バッファの動作状態を示す出力バッファ状態通知信号dを出力する出力バッファと、
    (iv)出力バッファを介してチャンネルにデータを転送する第1の経路と、
    (v)出力バッファを介さずにチャンネルにデータを転送する第2の経路と、
    (vi)データ選択回路制御信号hに応答し、第1および第2の経路をそれぞれ異なるチャンネルに接続するデータ選択回路であって、第2の経路を介するデータ処理装置からの上記データと、出力バッファから出力されるデータとを、上記チャンネルのうちの1つに伝えるデータ選択回路と、
    (vii)第1および第2の経路のデータ転送を制御する転送制御回路であって、
    データ処理装置から対応チャンネルへのデータ転送を要求するデータ転送要求信号aと、
    各チャンネル毎に用意され、チャンネルの転送要求が出力バッファを必要とする転送であるか否かを示すバッファ利用要求信号bと、
    同時に複数の転送要求が発生した場合に、処理を行なう優先度を各チャンネル毎に設定するチャンネル優先度信号cと、
    上記出力バッファ状態通知信号dと、
    上記データ処理装置状態通知信号eとに応答し、
    上記出力バッファ制御信号gを発生して出力バッファに与え、上記データ選択回路制御信号hを発生してデータ選択回路に与え、さらに制御信号fを発生してデータ処理装置に与え、
    第1の経路を用いて出力バッファからチャンネルへのデータ出力を行っている途中である場合、上記データ処理装置から出力バッファへの転送が終了して当該データ処理装置が動作可能な状態になれば、転送に出力バッファを用いない転送要求に応答して第2の経路を用いてデータ出力を開始させ、データ処理装置が動作中でない場合、出力バッファが動作中でなければ、上記バッファ利用要求信号bによって第1または第2の経路を使用するかを選択して出力バッファおよびデータ選択回路を制御し、未処理のデータ転送要求の中で優先度の最も高いチャンネルを選択し、データ処理装置から選択されたチャンネルに対するデータ転送を開始し、
    出力バッファを介する第1の経路が使用されていない場合であっても、優先度の高いチャンネルの転送要求が出力バッファを必要としない場合には、出力バッファを用いない第2の経路を用いてデータ出力を開始する転送制御回路とを備えることを特徴とするデータ出力回路。
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