JP3994537B2 - ティーバッグ用フィルター材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緑茶等の茶の抽出に特に適したティーバッグ用フィルター材料、及びそのフィルター材料を用いて形成したティーバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、緑茶、紅茶、麦茶等の茶の抽出を、急須、茶こし等の抽出具を使用することなく、カップ等の容器内で簡便に行えるようにするため、不織布等の通水性濾過性シートを袋体に成形したティーバッグが種々提案されている(実開昭59−138568号公報等)。
【0003】
一方、茶を入れるに際し、単に水道水あるいは水道水を熱した湯を使用すると水道水のカルキ臭のために茶の美味しさが損なわれる。そこで、美味しく茶を入れるために、活性炭等を充填した浄水器を使用したり、水を沸騰させてカルキ臭をなくすことが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、茶を入れる際に、浄水器を通すことにより、あるいは沸騰によりカルキ臭を解消した水を常時用意できるとは限らない。特に、ティーバッグを用いて簡便に茶を入れようとする場合には、カルキ臭のする通常の水しか利用できない場合が多い。また、浄水器や湯を沸騰させる設備が利用できる場合でも、ティーバッグを用いて簡便に茶を入れようとするときには、それらを利用してカルキ臭のない水を用意することは煩雑に感じられる場合が多い。
【0005】
本発明は以上のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、ティーバッグを用いて簡便に緑茶、麦茶、紅茶等の茶を入れる場合に、同時に、カルキ臭のない美味しい茶が入れられるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するため、キチンキトサン含有繊維、特に、キチンキトサンセルロース繊維を使用した不織布からなるティーバッグ用フィルター材料を提供する。
【0007】
また、緑茶、麦茶、紅茶等の茶の抽出材料を入れる通水性の袋体を有するティーバッグにおいて、その袋体が上述のフィルター材料から形成されているティーバッグを提供する。
【0008】
本発明のティーバッグ用フィルター材料にはキチンキトサン含有繊維が使用されている。このキチンキトサン含有繊維は、水道水のカルキ臭の除去に顕著な効果を発揮する。したがって、このフィルター材料を用いて形成したティーバッグを使用すると、浄水器を通した水や沸騰させた水を用意することなく、随時、簡便にかつ美味しい茶を入れることができる。よって、本発明のフィルター材料は、水出し緑茶や水出し麦茶等のように水から抽出材料を抽出し、かつカルキ臭の影響を受けやすい茶のフィルター材料として特に有用なものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明のティーバッグ用フィルター材料は、キチンキトサン含有繊維を使用した不織布からなる。ここで、キチンキトサンとは、アミノアセチル基を有するキチン構造単位とアミノ基を有するキトサン構造単位とを1分子中に混合して持つ物質をいう。また、キチンキトサン含有繊維とは、かかるキチンキトサンからなる繊維をいい、キチンキトサン単独からなるキチンキトサン繊維や、キチンキトサンとセルロースとからなるキチンキトサンセルロース繊維等を包含する。
【0011】
このキチンキトサン繊維やキチンキトサンセルロース繊維は、特開平9−241928号公報等の記載にしたがって得ることができる。例えばキチンキトサン繊維は、原料キチン、即ち、節足動物、環形動物、軟体動物等の有機骨格物質をアルカリに浸漬し、それをビスコース化し、紡糸することにより得ることができる。また、キチンキトサンセルロース繊維は、(1)原料キチンとセルロースパルプとを混合してアルカリに浸漬し、それをビスコース化し、紡糸するか、(2)アルカリキチンキトサンとアルカリセルロースとを混合してそれをビスコース化し、紡糸するか、(3)キチンキトサンザンテートとセルロースザンテートとを混合して溶解するか、又は(4)キチンキトサンビスコースとセルロースビスコースとを混合したものを紡糸することにより得ることができる。
【0012】
キチンキトサンには優れた塩素吸着能があり、水道水のカルキ臭の除去に顕著な効果を有するが、ティーバッグで入れる通常の茶の量(例えば、カップ一杯分)の水道水からカルキ臭を除去するために、ティーバッグ用フィルター材料を構成する不織布の全てをキチンキトサン繊維から形成する必要はない。必要量以上にキチンキトサン繊維を使用することは、フィルター材料の製造コストを不要に上昇させるものとなる。一方、セルロースも塩素吸着能を有する。そこで、ティーバッグ用フィルター材料とする不織布としては、キチンキトサン繊維とセルロース繊維とを複合させたキチンキトサンセルロース繊維から形成したものが、塩素吸着能とコストとのバランスの点で好ましい。
【0013】
また、本発明においてはフィルター材料となる不織布を、キチンキトサンセルロース繊維等のキチンキトサン含有繊維のみから形成してもよいが、さらに他の繊維を使用してもよい。例えば、キチンキトサンセルロース繊維10〜30重量%と、ポリエステル繊維又はポリオレフィン繊維90〜70重量%を用いることが好ましい。不織布を構成するこれらの繊維の好ましい割合は、不織布の目付、ティーバッグに使用する不織布の大きさ、当該ティーバッグを用いて茶を抽出するときに使用する水の量等にもよるが、通常、カップ一杯の茶を抽出する場合、不織布におけるキチンキトサンセルロース繊維の割合が10重量%未満であるとカルキ臭の除去効果が不十分となり、反対に30重量%を超えると不織布に毛羽立ちが発生すると共に不織布製造コストを不要に高めることとなる。
【0014】
また、キチンキトサンセルロース繊維等のキチンキトサン含有繊維と複合するポリエステル繊維又はポリオレフィン繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等の繊維の一種又は複数種を使用することが好ましく、中でも茶の抽出の点からポリエチレン等のコンジュゲート繊維を使用することが好ましい。
【0015】
キチンキトサンセルロース繊維等のキチンキトサン含有繊維、又はキチンキトサン含有繊維とポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維等から不織布を形成する方法は、従前のティーバッグ用フィルターに使用されている不織布と同様に形成することができる。
【0016】
また、茶の抽出に適した通水性等を不織布に付与する点から、不織布は目付を10〜50g/m2、より好ましくは16〜25g/m2、空隙率を15〜65%、厚みを50〜250μm、より好ましくは50〜150μm程度とすることが好ましく、特に、緑茶抽出用には、目付を20g/m2程度、厚みを70μm程度とすることが好ましいい。
【0017】
さらに、ティーバッグ用フィルター材料には、内容物の充填時の機械適正を付与するため、上述のキチンキトサン含有繊維からなる不織布に加えてポリエステルからなる不織布を積層することが好ましい。
【0018】
本発明のティーバッグは、上述の本発明のティーバッグ用フィルター材料を用いて、茶の抽出材料を入れる通水性の袋体を形成し、ティーバッグに成形したものである。このティーバッグは、茶の抽出材料を入れる袋体が上述のティーバッグ用フィルター材料から形成されている限り種々の形状をとることができる。例えば、実開昭59−138568号公報に記載されているように、フィルター材料を折り畳んで袋体を形成すると共に、その袋体の開口部にフィルター材料の折り返しによりカバー片を形成したものとすることができる。このタイプのティーバッグでは、通常、末端消費者が茶等の抽出材料を袋体に入れた後、カバー片を反転させて袋体の開口部を閉じ、水や湯に浸漬させて茶の抽出を行う。
【0019】
この他、ティーバッグの形状としては袋体に、その袋体をつり下げる吊り紐や、カップ等の容器に袋体を掛止する掛止部材を取り付けたものとしてもよい。このタイプのティーバッグは、通常、予め矩形、錐体の袋体に茶の抽出材料を充填し、封口した態様で末端消費者に提供される。
【0020】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0021】
実施例1
キチンキトサンセルロース繊維(クラビオン、オーミケンシ株式会社)30重量%と、ポリエチレン・ポリプロピレン複合繊維70重量%とから不織布(目付20g/m2)を作製し、得られた不織布を用いて、表面と裏面がそれぞれ70mm×100mmの矩形の袋体からなるティーバッグを作製した。
【0022】
このティーバッグのカルキ分解能を次のように試験した。まず、水道水を1分間蛇口から流した後、140mLを採取し、そこに上述のティーバッグを浸漬し、浸漬直後から浸漬後120分まで溶液中のカルキ濃度を比色計で計測した。また、水道水にティーバッグを浸漬しない以外は同様の操作を繰り返し、空試験を行った。これらの結果を表1に示す。
【0023】
一方、次亜塩素酸カリウムを蒸留水で希釈して0.1mg/L溶液を調製し、この溶液140mLに上述のティーバッグを浸漬し、浸漬直後から浸漬後120分まで溶液中のカルキ濃度を比色計で計測した。溶液にティーバッグを浸漬しない以外は同様の操作を繰り返し、空試験を行った。これらの結果を表2に示す。
【0024】
比較例1
ポリエステル繊維からなる不織布(目付20g/m2)(フルベール、大紀商事株式会社)を用いて実施例1と同様にティーバッグを作製し、そのカルキ分解能を水道水及び次亜塩素酸カリウム溶液で試験した。これらの結果を表1及び表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
表1及び表2の結果から、キチンキトサンセルロース繊維を使用した実施例1のティーバッグは、水道水或いは溶液中のカルキ分を急激に低減させられることがわかる。これに対して、比較例1のティーバッグは、カルキ分解能がほとんどないことがわかる。
【0028】
【発明の効果】
本発明のティーバッグ用フィルター材料から形成したティーバッグを用いると、緑茶、麦茶、紅茶等の茶を簡便に、かつ、カルキ臭なく入れることが可能となる。
Claims (4)
- (a) キチンキトサンセルロース繊維10〜30重量%とポリエステル繊維又はポリオレフィン繊維90〜70重量%からなる不織布と、 (b) ポリエステルからなる不織布とが積層されているティーバッグ用フィルター材料。
- キチンキトサンセルロース繊維10〜30重量%とポリエステル繊維又はポリオレフィン繊維90〜70重量%からなる不織布が、厚さ50〜250μm、空隙率15〜65%、目付量10〜50g/m2である緑茶抽出用の請求項1記載のティーバッグ用フィルター材料。
- 茶の抽出材料を入れる通水性の袋体を有するティーバッグにおいて、該袋体が請求項1又は2記載のフィルター材料から形成されているティーバッグ。
- 水出し緑茶又は水出し麦茶用の請求項3記載のティーバッグ。
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