JP3994502B2 - Pcmリレーにおけるサンプリング同期方式とサンプリングデータ同期方式および異常通知方式 - Google Patents

Pcmリレーにおけるサンプリング同期方式とサンプリングデータ同期方式および異常通知方式 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスタ局1局・複数のリモート局及びそれらを接続するシリアル伝送路から構成されるネットワークシステムをベースとしたPCM電流差動リレーにおける、サンプリングタイミング方式とサンプリングデータ同期方式および異常通知方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12に、PCM電流差動リレーの伝送路形態例を示す。図中、MSは親局,RS0〜RS4はリモート局(子局)を示す。マスタ局(親局)MSは、全局間でデータを交換するための情報フレームを連続的に生成する。フレームは、図中の下りルートを伝搬し、折り返し局RS4に到達し、そこから上りルートを経由して再び親局MSに帰ってくる。
【0003】
各フレームを生成した際、親局MSは、フレームにIDを付加する。このIDは、フレームアドレスと呼ばれるもので、情報フィールドに格納される。各局は、自局がアクセスし、データを格納すべきフレームアドレスを認識している。あるフレームを受信した局は、情報フィールドからフレームアドレスを抽出し、自局がアクセスすべきフレームかをチェックする。そうであった場合は、そのフレームに自局の情報を格納する。そうでないときは、そのまま次の局へ送信する。
【0004】
この様に、各局がフレームアドレスを認識して各該当フレームにデータを格納する動作を、データ多重方式と称する。親局MSが生成したフレーム列に各局が続々とデータを多重し、折り返し局RS4に到達する。ここで、全局分のデータが揃っている状態になる。ここまでのルートが下りルートである。
【0005】
折り返し局RS4から、再び親局MSに帰るまでのルートが上りルートで、各局はここで全局分のデータを収集する。親局に到達した上りデータは親局でのデータ収集の後廃棄される。
【0006】
この伝送システムは、各局の情報をフレームと呼ばれる規定のフォーマットに書き込み、他の局は伝送路を介して伝わってきたフレームを読むことにより、情報を取り入れる。図13にそのフレームフォーマットを示す。
【0007】
図13について、フレームはHDLCなどに従っているビット列である。フレーム受信部は、フレーム先頭のフラグパターンを認識し、ここをフレームの始まりとする。フラグパターンは、他の部分には出現しないユニークなビット列を定義する。情報フィールド等でそのパターンが出現するときは、“1”又は“0”のビットを挿入し、フラグのユニーク性を確保する。
【0008】
情報フィールドには、仕様で定義される情報がアサインされる。その中で、フレームのIDとしてフレームアドレスFAが格納される。フレームアドレスは、ある範囲内のサイクリックな数値が定義される。その範囲は、フレームの集合が表す論理的な意味あいにより異なる。FCSは、フレームの信頼性を確保するための冗長部分である。CRC符号などが使用される。
【0009】
図14に各局の基本構成を示す。1局は上り,下りルートで、図14のブロック(21〜28)2組で構成される。図中、21はシリアルデータの受信部で、受信データ・受信クロックを受信する。22はデータ分離部で、受信クロック・フレームのフラグ部を基にしてタイミングを作り、情報フィールド・FCSなどを抽出する。23はFA検出部で、検出したフレームアドレスFAを自局登録分と比較する。ただ下りルートのみ。24は受信バッファで、分離された情報フィールド内のデータが格納される。25はフレーム生成部で、マスタ局下りルートのみ、フレームを連続的に生成する。26はデータ多重部で、送信データをHDLCフォーマットのフレームに構成する。他局フレームも通過する。27は送信バッファで、自局多重フレームに格納する送信データを格納する。ただし下りルートのみ。28はシリアルデータの送信部で、送信データ・送信クロックを送出する、ものである。
【0010】
各局間のデータ多重化の流れを図15に示す。下りルートでデータを収集し、上りルートでデータを分配する。分配されたデータを基に、判定が全端子(局)で行われる。伝送データ・フォーマットは、HDLCフレーム・フォーマットである。このシステムの多重方式は、フレームを最小単位としている。
【0011】
図15において多重されるIXは、1つ以上のフレームに相当する。(1局で2フレーム以上多重する場合もある。)以下に、ルート別の多重・分配・判定の過程を示す。
【0012】
(1)下りルート
各局がデータをフレームに多重するルートである。
【0013】
親局MSは、自ら生成するフレームタイミングを基にして、フレームを絶えず生成し、下りルートに送信する。
【0014】
これにより、リモート局における多重タイミング(フレーム単位のタイム・スロット)が確保される。ここで親局自ら、データを多重する場合もある。
【0015】
生成されるフレームのIDは、フレーム単位のフレームアドレスである。
【0016】
リモート局RSは、これらのフレームを受けて同期を確立した後に、あらかじめ設定されたフレームアドレスから、自局が多重すべきフレームを検出して、自局データを多重する。
【0017】
折り返し局まで到達したフレームの流れは、そこでも他局と同様にデータが多重され、上りルートへ送信される。
【0018】
(2)上りルート
全局分の多重データを各局が分配・判定を行う。
【0019】
折り返し局からのフレームは、各リモート局を経て親局へ戻る。各局では受信したデータがバッファに蓄えられ、端子内のホストコンピュータで処理(判定)される。親局に到達したデータはチェックを受けた後、廃棄される。
【0020】
上記従来のデータ伝送システムにおいて、伝送路障害時のリカバリーとして、親局機能が交替し、伝送路の再構成により情報の透過性を確保するが、親局が交替するとき、仮親局を基準に上り,下りの伝送路が確定するため、伝送路障害前後での伝送フレームの連続性が損なわれる。この結果、親局によるサンプリング同期と、仮親局によるサンプリング同期時刻とは異なる位相から開始されてしまう。
【0021】
つまり、親局と仮親局のサンプリング同期に関するクロック源に、同期をとるメカニズムが存在しないので、再びサンプリング同期を取り直すこととなる。この取り直しの間、サンプリング周期の時間歪(一定周期でない期間が存在する)の発生の仕方によっては、このサンプリング周期で処理を行っている処理に遅延が生じてしまい、正常な保護動作ができなくなる恐れがある。
【0022】
そのため、出願人は先にサンプリング同期の時間歪を小さく正常な保護動作をなしうるPCMリレーにおけるサンプリング同期方式を提案した(特願平8−207505号)。
【0023】
上記、先提案のサンプリング同期方式について説明する。
図12に示すPCM電流動作リレーのデータ・伝送システムにおいて、各局で収集・分配される端子データは、データの同時性が要求されている。同時性とは、次の2点である。
【0024】
(1)全局間で、データサンプリングタイミングの同期をとること。(サンプリングクロックの同期化)
(2)全局、同一のサンプリングクロックエッジで収集した端子データを、同一のマルチフレームに多重すること。(データの同期化)
上記(1)は、伝送遅延時間から算出した値で動作する基準クロックで、自局のサンプリングクロックに従属同期をかけることにより、全局間同期を実現する。
【0025】
上記(2)の実現のため、サンプリング信号に同期した、ナンバリング信号を生成する。これを自局のデータ収集モジュールが受け取ることにより、サンプリングタイミング及び、ナンバリングの双方を認識できる。
【0026】
図16に親局から折返局往復の、伝送時間を示す。時間t1で親局から送信されたフレームは、折返局を経て時間t2に親局に帰ってくる。伝送仕様上、この中間点は全局で一致していることになる。この点をサンプリング同期点と定め、サンプリングクロックの基準とする。
【0027】
伝送遅延時間t1〜t2は、各共通フレーム内・サンプリングアドレス(SA)の送受信を基準に測定する。共通フレームの送信間隔は、サンプリング間隔に等しい(位相は異なる)ので、全SAに関するサンプリング(SP)同期点を求めることにより、全局間で同期した、サンプリングクロックの基準信号を作ることができる。
【0028】
各局は、サンプリングクロック用発振器を備えている。これに基準クロックで従属同期をかけることにより、各局同一タイミングのデータサンプリング信号を得ることができる。
【0029】
この信号は、サンプリング同期信号(SYNC1)と呼ばれる。系統周波数の1周期は12サンプリングされるので、これに0…11のナンバをつける。このため、12個おきのSYNC1に同期してアサートされる。SYNC4信号(サンプリング同期ナンバリング信号)を定義する。(図17)
各局のリレーモジュールは、SYNC1をサンプリングトリガとし、SYNC4で順番を知る。SYNC4がアサートされているときのSYNC1でのサンプリングデータに、サンプリングナンバ♯0のタグをつける。それ以降、11までのシーケンシャルなタグをサンプリングデータに付加していくタグ♯0を最初に付けるタイミングを全局で合わせれば、データの同期性が確保できる。
【0030】
図18に上記サンプリング同期方式の主要部回路ブロックを示す。図18において、1は位相比較の基準クロックを発生する基準クロック生成部、2は従属同期の対象となるベースクロック(1.544MHz)を発生するクロック源、3は基準クロックと位相比較し、ベースクロックを分周して従属同期信号を出力する従属同期部、4はこの分周出力とSYNC4強制同期信号からSP同期信号を生成するSYNC信号生成部である。
【0031】
図19に基準クロック生成部の回路ブロックを示す。図19において、10は伝送遅延測定カウンタ、11はSAラッチ部、12および14は下り多重部及び上り分離部の受信SA保持用レジスタ、13及び15は伝送遅延測定カウント値のラッチ用カウンタ、16は発生する補正値(遅延時間)算出部、17はSA−補正値テーブル、18は基準クロックを出力するコンパレータである。
【0032】
伝送遅延測定カウンタ10は、1スーパーフレーム時間の周期を持ち、図20のようにフルカウントでゼロに戻る、自走カウンタである。1スーパーフレームは25704ビットなので、伝送レートから周期を求めると、約16.6mSとなる。カウンタ刻み(補正値精度)は、約640nSとなる。カウンタ幅は、15ビットである。カウンタ周期は、スーパーフレーム周期と等しいが、位相関係は不定である。
【0033】
カウンタ13,15はSA送信・受信タイミングでカウンタ10の出力をラッチし、補正値算出部16はこのカウンタ値からSP同期カウンタ値を求める。この値は、伝送遅延時間の中間点に相当する、カウンタ上の値である。これを補正値と称する。各SA毎の補正値は、SAをインデックスで参照されるテーブル17で管理する。
【0034】
この補正値とカウンタ値をコンパレータ18に設定しておくと、カウンタ10が一周した後に補正値と一致する。ここが、あるサンプリングアドレス(SAn)に対応するSP同期点である。このタイミングでコンパレータ18は基準クロック・補正値一致割り込みを発生させる。一致割り込み発生毎にテーブル上の補正値を更新して行くと、基準クロックが、サンプリング周期で発生する。
【0035】
図20に伝送遅延時間と、カウンタ値の関係を示す。図の上側はフレームの時間対距離のパスとSP同期点との関係である。t1で送信された共通フレームにのみ存在しFAの次のフィールドに位置するフレームのSA部がt2で受信され、中間点をSP同期点としている様子を表している。斜線が軌跡である。図の下側が対応するカウンタの値である。横軸が時間・対軸がカウンタ値で、各時間毎のカウンタ値をプロットすると、図中の斜線となる。
【0036】
サンプリング同期点は、SPn・SPn+1…である。これらの点は、伝送路に異常がなければ、全局一致した時間になる。ここで、任意のスーパーフレーム内・n番目のマルチフレームのサンプリングアドレスをSAnとすると、SP同期点は、SPnとなる。SP同期点では、基準クロックSPCLKnが生成される。SPnのSPCLKnは、1周期前のSAnにて求められた補正値である、比較カウント値CPn−1により生成される。
【0037】
図19について、基準クロック生成部1は、一定時間、伝送エラーなどが検出されず、受信データの信頼性が確認された後に、次手順でF/W処理をする。(図25の101〜105参照)
(1)下り多重部(12,13)は、共通フレーム内SAを送信したタイミングで、そのSA値とそのときの伝送遅延測定カウンタ値をラッチし、割り込みを発生する。(下りSA送信割り込み)
(2)上り分離部(14,15)は、共通フレーム内SAを分離したタイミングで、上記同様にSA値とカウンタ値をラッチし、割り込みを発生する。(上りSA受信割り込み)
(3)SA−補正値テーブル17は、SA値(0…11)に対応した12個のバッファを持ち、上記(1),(2)の割り込みに対応したSAの指すバッファに補正値(遅延時間)CSPとして格納する。補正値算出部16における補正値の算出方法は、後に述べる。
【0038】
このときの補正値の誤差が±20μS内になるまで待つ。精度内に収まったら、(4)に進む。
【0039】
(4)バッファ上の補正値をコンパレータ18に設定し、コンパレータをイネーブルにする。
【0040】
(5)カウンタ10が次の1周期に入り、コンパレータ18の設定値と一致すると、カウント一致割り込みが発生する。
【0041】
同時に、基準クロックが1つ発生する。
【0042】
(6)この割り込みにて、F/Wは、補正値バッファ内の次の値をコンパレータに設定する。
【0043】
(7)以降、補正値の精度を監視しながら、上記(5),(6)を繰り返す。
【0044】
補正値算出部16は、下りSA送信割り込みが、t1で発生したときのカウンタ13のカウント値をC1とし、同一SA値の上りSA受信割り込みがt2で発生したときのカウンタ15のカウント値をC2として、補正値CSPを算出する。基本的には(1)式又は(2)式で求める。(実際には、チューニングが必要)
(図21参照)
1<C2のとき(同一カウント内)は、
SP=(C1+C2)/2 ……(1)
1>C2のとき(一度フルカウント→ゼロ)は、
SP=(C1+C2−T)/2 ……(2)
(Tは、フルカウント値)
サンプリングクロック同期において、SAの値は補正値設定時のポインタとなる。このSA値が正しくないと、他SAの補正値を破壊する可能性がある。このため、補正値をテーブル17に格納するとき、受信エラーステータスのチェックを行い、SAの正当性をチェックする必要がある。
【0045】
ただし、遅延値自体の正当性は、属するマルチフレームが正常でないとならない。
【0046】
正常運用中は、極端な伝送遅延の変動は発生し得ないが、上記の原因などにより、今回値が使用できないような場合は、前回の補正値をそのまま使用する。
【0047】
従属同期部3は、基準クロック生成部1で生成された基準クロックを基に、自局サンプリングクロックに従属同期をかけて全局で同期を取る。
【0048】
図22に従属同期部3のブロックを示す。図中、31は分周器、32は位相比較部で、位相比較部は基準クロックと分周器からのF/B信号との位相差から分周比を決定し、分周器は位相比較部で設定された分周比によりベークロックを分周するPLL回路構成となっている。
【0049】
PCMリレーシステム(図12)は、系統60Hzの端子データサンプリングを行う。仕様上、系統1周期あたり12回データサンプリングを行うので、サンプリング周波数は720Hzとなる。それに対し、伝送レートは1.544MHzである。これをベースにすると、系統周波数との間で微少な誤差が生じる。この誤差は蓄積すると、サンプリングデータタイミングの狂いを発生させる。このため、サンプリングタイミングの基本クロックを伝送レートとする。
【0050】
ベースクロックを1.544MHzとし、基本分周比を2142に設定すると、
1.544×106/2142=約720.821662Hz となる。
【0051】
この値に対し、従属同期部3の同期判定は、±32カウントの範囲内とする。この値は仕様(±20μS)を満足する。
【0052】
分周比が1違うときの周期の差は、1/1.544×106なので、約640nSとなる。これの32カウント分は、
(1/1.544×106)×32=約20.73μS である。
【0053】
この原理は、系統50Hzでも問題なく適用が可能である。
【0054】
サンプリング同期は、従属同期回路3からのDPLLステータスが同期完了を示したときに同期成立と判定される。
【0055】
成立条件は、
(補正値が±20μS以内の精度)及び(DPLLが従属同期完了)であり、
同期はずれ条件は、
(補正値が±20μS以上ずれた)又は(DPLLが従属同期はずれ)となる。
【0056】
従属同期部3の出力は、SP同期信号生成部4により、SYNC1・4信号となる。SYNC4は、図17に示すようにSYNC1の12回アサートに1回アサートされる。これらは、従属同期成立・不成立に関わらず出力される。従属同期成立後は、基準クロックに同期した信号となる。
【0057】
SYNC4信号は、SYNC1信号のナンバ“0”でアサートされる。従属同期前は、初期化値で自走しているが、従属同期が完了し、SYNC1のナンバが明確になった時点で、SYNC4をその周期に強制同期させる。
【0058】
強制同期を行うときは、SA11の補正値一致割り込み処理中に、CSRの強制同期イネーブルビットをセットする。次に発生するSA0の補正値一致割り込み発生で、SYNC4が強制同期される。SYNC4は、SYNC1を入力とする12カウンタ回路で生成するので、このときにカウンタをリセットすればよい。
【0059】
SA補正値が収束した後、コンパレータ18での比較を開始するが、開始するSA値を特定しておくと、カウンタ10のカウンタ1周期後に発生する割り込みに対応する、サンプリングナンバを特定することができる。(図19)
例えば、SA補正値の収束後SA0から比較を開始すると、最初の一致割り込みは、SA0のSP同期点となる。この処理を全局で行うと、一致割り込み(基準クロック)は、全局SA0相当から開始される。
【0060】
基準クロックの生成により、サンプリングクロックの従属同期が始まる。同期完了時点で、SYNC1信号と基準クロックは同期している。基準クロックは、SA値で特定されているので、それに同期しているSYNC1も、同様にSA値で特定することができる。
【0061】
信号SYNC4は、サンプリングナンバ0で発生することになっているが、この時点では自走状態になっているので、強制同期をする必要がある。つまり、SA値に同期しているSYNC1が“0”を指したときに、SYNC4を生成するカウンタをリセットする。
【0062】
このときのF/W処理は、次の手順で行う。(図25の106〜108参照)
(1)従属同期部3のDPLLステータスから、従属同期完了を知る。
【0063】
(2)サンプリングナンバ11の一致割り込み(ナンバ0の補正値をロードする)で、CPUにより操作される制御用レジスタ(CSR)の強制同期ビットをセットする。
【0064】
各局はAIモジュールによりSYNC4を基準として端子データ・パケットのタグNo.を決める。この信号のアサートから、タグNo.を0,1,2,3,4…と付けていく。
【0065】
CPU及びサンプリング同期回路は、このタグNo,を基に、送信データの管理を行う。これによると、あるサンプリングクロックでサンプルされるデータは、全局で同じ送信バッファエリアに、格納されることになる、(送信バッファは、サンプリングアドレスに対応した、12個の端子データエリアから構成されている。)
この処理で、データの同期化が実現される。
【0066】
この、強制同期処理が完了して、自局のサンプリング同期が成立する。この同期化の模様を図23に示す。
【0067】
サンプリングクロック(SPCLK)従属同期完了後、各局は端子データ多重を開始する。この時点で、全局一致したポインタ管理による、端子データのアクセス可能になっているので、親局は共通フレームで、このマルチフレームMFには、送信バッファ上の、どのエリアのデータを多重すればよいかを指示する。この値が、共通フレームにのみ位置するSA遅延時間フィールドに格納される。
【0068】
SA遅延時間は、親局が確実にデータを多重できる、最新のサンプリングナンバを表す。
【0069】
図24に示すように、SA遅延時間は回線の伝送遅延量により、ロードされる値が異なる。
【0070】
図24の左側では、遅延時間が短いので、例えば親局は、マルチフレームMF2にはSP0のデータは確実に多重できる。それに対し、図24の右側では、マルチフレームMF2には同期点SP10のデータが多重可能となる。これは、伝送遅延時間が長くなるほど、フレームが折返局に到達する時間が長くなり、その結果MF2に対応するSP2が、相対的に遅れるためである。
【0071】
サンプリングアドレスSAnのマルチフレームに、親局が設定するSA遅延時間値は、親局の伝送遅延時間値は1/2を、マルチフレーム換算した値となる。換算値をmとすると、n−mが、SAn送信直前のSPナンバになる。マルチフレームタイミングと、サンプリングタイミングとの非同期性を考慮して、さらに−1する。
【0072】
図24の左側では、m=1になるので、n=2とするとSPナンバは0になる。同様に、図24の右側では、m=3で、n=2のときSPナンバは10である。
【0073】
サンプリング同期処理過程において、SA遅延時間を設定することにより、各局が有効端子データの多重を開始する。この時のハンドシェイクに、共通フレーム内に定義されているULフラグ(同期確認フラグ)を使用する。F/W処理は次の手順で行う。(図25の109〜111参照)
親局送信時
ULフラグをレディ状態・SA遅延時間を無効値に設定して、共通フレームを送信する。
各子局
サンプリング同期未完のうちは、ULフラグをアンレディ(サンプリング同期未確立)にして送出する。
【0074】
サンプリング同期完了(DPLLステータスが同期完了+保護時間+SYNC4強制同期完了)で、ULフラグをレディ(サンプリング同期確立)状態で送出。
【0075】
SA遅延時間が無効値のうちは、ダミーの端子データを多重
親局受信時
ULフラグをアンレディ状態で受信:サンプリング同期未完の局がある。
【0076】
ULフラグをレディ状態で受信:全局、サンプリング同期完了。
【0077】
この後、SA遅延時間を有効値に設定する。
【0078】
各子局+親局
有効なSA遅延時間を受けて、値に対応する、送信バッファの端子データを多重する。
【0079】
図12の伝送路において、あるステーション(MS│RS_n)から多重されたフレームは、折り返し局RS_4にて折り返され、再び同じ局に帰ってくる。(下りルートにて多重し、上りルートにて各局が情報を得る。)
伝送路及び、各局の伝送遅延時間は上り/下りで一定であるとすると、あるフレームの自局→折り返し→自局の伝送遅延時間の1/2の値は、全局に関して時間軸上で、ある1点に収束する。これを、連続するマルチフレームに関して測定・計算を行うと、収束点の間隔はマルチフレームタイミング(1.39ms)となる。(=サンプリングタイミング)このタイミングは、全局共通の絶対タイミングとなる。これと、各局が持つサンプリングタイマとの位相補正を行うことにより、全局が同じタイミングで(電流)データをサンプリングすることが可能になる。
【0080】
図26に示すように、任意のマルチフレーム・共通フレームが各局を通過して再び帰ってくるまでの時間を計測している。tMSは、MSが自ら生成したフレームがMSに再び帰ってくるまでの時間を表す。tRS0は、RS_0を通過して再びRS_0に帰ってくるまでの時間で、以下同様にtRS1・tRS2…と続く。折返局では、伝送路遅延はゼロで、自局遅延のみとなる。
【0081】
図26に示すように、各局の遅延時間を1/2した点は、ある点(tSMP)に収束することが判る。
【0082】
上記のサンプリング同期方式は、1.39mS周期のサンプリングタイミング発生回路・位相補正回路(DPLL)・マルチフレームタイミング遅延時間計測回路等により実現される。仕様上の精度は、20μS以下である。この範囲内に、全局のサンプリングタイミングの誤差を収める。
【0083】
このようにして得られたサンプリングタイミングと、他のサンプリングタイミングとの関係は、下記の通りである。
対マルチフレームタイミング:周期は等しいが、位相は各局毎に異なる。
系統の1周期:上記と同じく周期の1/12だが、位相は不定である。
【0084】
(1)サンプリングタイミングとマルチフレームタイミングとの位相差について
マルチフレームは、伝送路・局の遅延時間後にある局RSnに到達する。この局でのマルチフレームタイミングは、この遅延時間分、マスタ局MSに比べて位相が遅れている。サンプリングタイミングは、絶対的なタイミングであるため、マルチフレームタイミングとの位相差は、各局毎に異なることになる。
【0085】
図27に位相差の例を示す。横軸は時間・縦軸は局を表し、図ではマスタ局MSと、あるリモート局RSとの位相差を説明している。時間▲1▼でマスタ局MSが送信したマルチフレームは、時間▲2▼でリモート局RSに到達する。この時間差だけ、リモート局RSのマルチフレームタイミングが遅れる。→サンプリングタイミングとの位相差がMSのそれとは異なる。
【0086】
(2)サンプリングデータをどのマルチフレームに多重するか
あるサンプリングタイミングの送信データは、そこから最小2フレームタイミング後のフレームに多重することとする。言い替えれば、あるフレームタイミングでは、2つ前のサンプリングタイミングで得たデータを多重する、ということである。図28にサンプリングデータ多重の時間的概念を示す。
【0087】
各サンプリングタイミングにてサンプリングされる電流データがTDM(時分割多重通信システム)に引き渡されるまでに、A/Dコンバータに取り込まれた後、約200μS以上のオーバヘッドが発生するが、こうすると、両タイミングの位相差に関わらず、サンプリングデータ処理のオーバヘッドを吸収することができる。しかし、例えば▲1▼→(1)としてしまうと、サンプリングタイミングとフレームタイミングとの位相差が一様でないために、データ処理が終了する前に多重タイムスロットが来てしまう可能性がある。
【0088】
具体的には、次のような処理となる。
・ホスト側(送信バッファ書込側)
サンプリングデータ処理終了次第、送信バッファへデータを書き込み、ホスト側のポインタを進める。
・送信側(送信バッファ読出側)
読み出しポインタを常に2+α分先行させてデータを取り出す。(αは、サンプリングアドレス遅延時間)
リレーシステムは、リアルタイム性が重要視されるため、収集したデータを極力早く処理しなければならない。このためには、上記のオーバヘッドを極力少なくする必要がある。
【0089】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来方式では、
(1)カウンタ10が1周期に入り、コンパレータ18の設定値と一致すると、カウント一致割り込みが発生するので、1回のサンプリングナンバーの全局同期が可能であった。このため、何らかの障害でサンプリングナンバーを再同期させることが困難である。
【0090】
(2)リレーシステムは、リアルタイム性が重視されるため、収集したデータを極力早く処理しなければならない。そのためには、上記オーバヘッドを極力少なくする必要がある。
【0091】
(3)下り側:送信、上り側:受信の受信の基本原則があるが、伝送路断線時の局遷移・復帰に必要な情報が充分に伝送されない。
【0092】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、システム全体のリアルタイム性が向上するPCMリレーにおける、サンプリングタイミング方式とサンプリングデータ同期方式および異常通知方式を提供することにある。
【0093】
【課題を解決するための手段】
この発明は、
(1)親局と複数の子局及びそれらを接続するシリアル伝送路からなるネットワークシステムをベースとするデータ多重方式のPCM電流差動リレーのデータサンプリングクロックを同期化させる、PCMリレーにおけるサンプリング同期方式であって、各局に、伝送遅延時間を各共通フレーム内のサンプリングアドレスの送,受信を基準に測定してその中間点をサンプリングクロックの基準とする基準クロック生成手段と、生成された基準クロックを基に、自局サンプリングクロックに従属同期をかけてサンプリングクロックを同期化させる従属同期化手段と、従属同期化された同期信号を伝送遅延量と最低限必要な処理時間分を加味して修正し、サンプリング同期信号を出力する同期信号生成手段と、を有するサンプリングデータ同期部において、
前記同期信号生成手段を、各局の遅延時間を設定する遅延量設定レジスタと、サンプリング信号に遅延時間をかけてサンプリング同期信号を出力する遅延回路と、この遅延回路からのサンプリング同期信号を1/12分周して同期ナンバリング信号を出力する分周器で構成してデータサンプリングからデータ送信までのオーバヘッド時間を最小限としたことを特徴とする。
【0094】
(2)前記サンプリングデータ同期部によるサンプリングデータの同期処理を、プログラマブルタイマを使用したワンショットタイマにて処理することを特徴とする。
【0095】
(3)前記親局と折返し子局それぞれ、予備系受信状態をモニタおよびセットするモニタ・セット回路を設け、伝送路不良ビットを上り送信ないし下り受信にも対応させたことを特徴とする。
【0096】
(4)親局と複数の子局全局に、それぞれ隣接局の異常を通知するための予備系受信状態をモニタおよびセットするモニタ・セット回路を設け、伝送不良ビットを上り送信ないし下り受信にも対応したことを特徴とする。
【0097】
【発明の実施の形態】
実施の形態1(図1〜図4)
図27のように伝送路上の局の位置・伝送路の遅延時間によりその局のフレームタイミング対サンプリングタイミングの位相差が決定されてしまう。実施の形態1は、そのような位相差を解消することによりサンプリングデータ処理時間の短縮化を図り、システム全体のリアルタイム性を向上させるものである。
【0098】
まず、原理を図4について説明する。図中、MFnはマルチフレームタイミング(フレーム送信タイミング)、SPnはサンプリングタイミングである。従来は、SPnをデータサンプリングタイミングとしていたが、前述したようにマルチフレームタイミングとの位相差は局・伝送遅延量により一定でない。このため、サンプリングデータ送信においてオーバヘッドが生じていた。
【0099】
本発明では、データサンプリングタイミングを図4のMSPnに移動させることにより、このサンプリングタイミングによるデータをMFnで送信する。MSPnとMFnとの間の時間tspは、データサンプリング処理に最低限必要なオーバヘッド時間である。(データサンプルモジュールの処理時間+システムバス転送時間など)
親局がこのタイミングにて送信できれば、子局も同様に同一フレームへの送信が可能になる。MSPnは全局共通タイミングであるためである。
【0100】
これにより、データサンプリングから送信までのオーバヘッド時間を最小限に押えることが可能になる。
【0101】
図1,図2に実施の形態1にかかるサンプリング同期部のブロック図を示す。図1において、1は位相比較の基準を発生する基準クロック生成部、2は従属同期の対象となるベースクロック(1.544MHz)を発生するベースクロック源、3は基準クロックと位相比較し、ベースクロックを分周して従属同期信号を出力するPLL回路で構成された従属同期部。(従来図18と同じ)
1は従属同期部3からの従属同期信号を図3のようなSYNC信号とする第1のSYNC信号生成部、42は図2に示すように、各局毎の遅延時間(伝送遅延値+tsp)を設定する遅延量設定レジスタ41と、上記SYNC信号に上記設定された時間分遅延をかけSYNC1信号を出力するレジスタ,シフトレジスタ・カウンタ等からなる遅延回路42と、この遅延回路からのSYNC1信号を12回カウントし、SYNC4信号を出力する1/12分周器43と、この分周器に出力し、シーケンシャルに出力されるSYNC4信号に強制動期をかけるリセット回路44で構成されている。なお、SYNC4信号はサンプリングナンバー0(SP0)に対応するもので、同期確立後リセットをかける必要がある。
【0102】
この実施の形態1によれば、(1週期)−(伝送遅延+tsp)の分だけ進ませる処理によりデータサンプリングタイミングを図3に示すようにSP0の点をMF0+マージンの点に移動させることができるので、SP0のデータをMF0に多重することが可能となり、早く送信することができ、データサンプリングからデータ送信までのオーバヘッド時間を最小限にすることが可能となると共に、システム全体のリアルタイム性が向上する。また、従来形式のSYNC1,SYNC4及び強制コマンド部を流用してこれらの信号を生成した後に、進相させているので、効率的である。
【0103】
実施の形態2(図5〜図7)
従来図19の基準クロック生成部の動作(1)〜(7)の(5)では1回のみサンプリングナンバの全局同期が可能であった。このため、何らかの障害でサンプリングナンバを再同期させることが困難である。実施の形態5は、サンプリングデータ同期ずれに対し、各局が同期を取って効率的にサンプリング点を同一化するものである。
【0104】
図5に実施の形態2にかかるサンプリングデータ同期部の基本構成を示す。サンプリングデータ同期部はサンプリングタイミングの同期が終了してから、サンプリングタイミングと、サンプリングデータとの関連づけ(サンプリングナンバを付与)を行いサンプリング点を同期化する。
【0105】
図中、61はプログラマブルタイマ(PTC)、62は本回路を制御しているCPUローカルデータバス、63は監視部からのSLフラグ受信信号SL_ONを受けてタイマ61のゲートを制御するゲート制御部、64はタイマ61,ローカルバス62,ゲート制御部63間に接続されCPUにより制御されるコマンドステータスレジスタ(CSR)である。
【0106】
レジスタ64は、例えば、ENB(イネーブル)をビット0、TIMUPをビット1に定義する。SLフラグ正常の条件でビット0をCPUがセットすると、タイマ61が動作を開始し、タイマ61がタイムアップしたかを知るために、CPUはビット1をモニタする。
【0107】
図6を用いてサンプリングデータ同期処理の手順を説明する。(*記号と丸数字は図6に対応する。)
*SPCLK割込
この割込はサンプリング同期部が、整定値一致を検出する度に発生する割込である。サンプリングクロック(SPCLK)同期確立時点で、このタイミングは、ある精度内で全局一致している。この割込ルーチン内で、タイマ(PTC)61がタイムアップしているか(OUT=“1”であるか)をテストする。タイマ61がタイムアップしていた割込(図6の▲4▼)が、全局共通のサンプリングデータ一致点である。
【0108】
▲1▼タイマ準備・ULフラグリセット
サンプリングアドレス同期・検定終了後、サンプリングデータ処理の準備をする。
(1)タイマ61をセットアップする。モード0で設定後、カウント値をセットする。1カウント=1μSである。
カウント値は、サンプリング同期部で計測した伝送遅延時間の半分−αである。
カウンタ値設定時点で、タイマ61の出力(OUT)は、ネゲート(“0”)とされる。
(2)ULフラグ送信処理を終了する。(共通フレーム内、ULフラグのセット送信を止める。)
これで親局に、SA同期完了を知らせる。
【0109】
▲2▼カウント開始
タイマ61の起動タイミングは、SLフラグを含むマルチフレームの次のマルチフレーム先頭である。
【0110】
・SLフラグは、フレーム内の1ビットなので、ビットセットの検出だけでは正当性が保証できない。
・親局・折返局に関しては、現状ではタイマの起動が不可能である。
親局:ULフラグを自ら生成するので、監視部から検出信号が出力されない。
【0111】
折返局:共通フレーム内のULフラグの位置が、サンプリングデータ同期点を時間的に越えている。
図7に、タイマ・GATE信号アサートタイミングを示す。
【0112】
▲3▼カウンタ・タイムアップ
タイマのカウンタはダウンカウントの後、ゼロとなりOUTをアサート(“1”)する。SPCLK割込処理で、OUTの値をポーリングしているので、タイムアップを検出することができる。
ここで、F/WはCSM[システムコントローラ(ホストプロセッサ)]に対して、データ同期メッセージを送信する。CSMは、SPCLKを受けているので、このメッセージを受け取った直前のSPCLKが、データ同期点であることを知る。
【0113】
▲4▼GATEクリア
終了処理として、F/WはGATE出力をクリアする。CSRをクリアする。
なお、上記タイマのカウントする値は、5mS最大なので、分解能を1μSとすると1388hカウントとなり、16ビットカウンタで充分である。このため、入力するクロックは1MHz以上となる。(5mS/1μS=1388hカウント)
この実施の形態2によれば、サンプリングデータ同期ずれに対し、各局が同期を取って何度も実行できる。また、各子局が同一方式にて収束するので、効率的にサンプリング点を同一化することができる。
【0114】
実施の形態3(図8〜図10)
実施の形態3は、伝送路断線時の局遷移・復帰に必要な情報を充分伝達しうるようにしたものである。図8に示すように、親局MS−折返局TB間で、双方の局状態での予備系受信状態をセット・モニタ可能な回路5を追加する。この追加回路を備えた親局(又は折返局)の構成を図9に示す。同図において、21は受信部(レシーバ)、22はデータ分離部、26はデータ多重部、28は送信部(トランシーバ)、29はマイクロプロセッサのローカルバス、51は分離部22とローカルバス29との間に追加されたNGビットモニタ部、52はローカルバスと多重部26との間に追加されたNGビットセット部である。
【0115】
分離部22は、受信データ上のフレームアドレス・サンプリングアドレスなどを基に、伝送路断線時の局遷移・復帰に必要な情報を抽出すべきビットの位置を特定する。そのビットのタイミングをNGビットモニタ51が検出した時点でNGビットセット部52がそのビット値を多重部26のレジスタにセットする。多重部26はモニタ51と同様にセットタイミングを検出し、レジスタにセットされた値を送信データに多重する。
【0116】
この場合、異常フラグ(2ビット)は、図10に示すような共通フレーム内に置く。レジスタ値は、例えば、0:正常,1:異常とする。なお、図10における「FAフィールドを、データフィールド0とする」の意味は、フレーム内の最小データを、フィールドと定義し、先頭のフィールドの番号を0としたときに、図示のフィールドが11,12に該当する、ということである。実際には、回路・処理の構成により、どのフィールドのどのビットを使用しても構わない。
【0117】
この実施の形態3によれば、PCMリレーシステムにおいて、伝送路断線時の局遷移・復帰に必要な情報が充分に伝達される。
【0118】
実施の形態4(図11)
実施の形態3では親局−折返局間で、双方の局の状態での予備系受信状態をセット・モニタ可能な回路を追加したが、実施の形態4は、全局間で、双方の局状態での予備系受信状態をセット・モニタ可能な回路を追加する。
【0119】
この追加回路は図11に示すように、親局MS、中間局RS、折返局TBの各局に、それぞれ、上りNGモニタ+上りNGセット部53と下りNGモニタ+下りNGセット部54の回路として追加する。この場合、各回路のNGビットモニタ部及びNGセット部はそれぞれ上記図9と同様に、分離部22とCPUローカルバス51の間及びCPUローカルバス29と多重部26の間に設ける。
【0120】
また、異常フラグ(2ビット)は、上記図10と同様に共通フレーム内に置く。しかして、異常フラグは2局間でのみセットないしモニタされるが、上り・下りの2ビットあればよいことになる。
【0121】
実施の形態4によれば、全局「上下隣接局の異常情報」を知ることが可能となる。また、上下で2ビット使い回すことにより、ビットアサインを節約することができる。
【0122】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0123】
(1)親局交代時及び、初期段階におけるサンプリング同期ずれに対し、各子局側が時間をかけて収束することにより、一定周期処理の時間歪を小さくできる。
【0124】
(2)各子局が、同一方式にて収束するので、効率的にサンプリング点を同一化することができる。
【0125】
(3)DPLL回路を使用しているため、引っ込み時間が高速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかるサンプリング同期関連回路のブロック図。
【図2】往復の伝送時間を示すグラフ。
【図3】基準クロック生成部のブロック図。
【図4】伝送遅延時間とカウンタ値のタイミング図。
【図5】補正値の算出の説明図。
【図6】従属同期部のブロック図。
【図7】信号のタイミング図。
【図8】同期化の説明図。
【図9】多重フレームの伝送時間とサンプリング同期信号の関係を示すグラフ。
【図10】サンプリング同期化の処理フロー図。
【図11】実施の形態2にかかるサンプリング同期部のブロック図。
【図12】SYNC4信号生成部(2)を示すブロック図。
【図13】同期部の要部動作を説明するタイムチャート。
【図14】原理を示すグラフ。
【図15】実施の形態3にかかる親局,折返局の構成説明図。
【図16】セット・モニタ回路の説明図。
【図17】異常フラグの説明図。
【図18】実施の形態4にかかる各局の構成説明図。
【図19】実施の形態5にかかるサンプリングデータ同期部の構成説明図。
【図20】サンプリングデータ同期の概タイミング図。
【図21】タイマ・ゲート信号アサートタイミング図。
【図22】PCM電流作動リレーの伝送路の形態図。
【図23】フレームフォーマットの説明図。
【図24】局の基本構成を示すブロック図。
【図25】データ多重化の流れの説明図。
【図26】サンプリングタイミング測定例を示すグラフ。
【図27】マルチフレームタイミングの位相差を示すグラフ。
【図28】サンプリングデータ多重の時間的概念説明図。
【符号の説明】
1…基準ブロック生成部
2…ベースクロック源
3…従属同期部
4…SYNC信号生成部
5…NGビットモニタ・セット回路
6…サンプリングデータ同期部
10…伝送遅延測定カウンタ
11…SAラッチ部
12…下り多重部の受信SA保持用レジスタ
13…下り多重部のラッチ用カウンタ
14…上り分離部の受信SA保持用レジスタ
15…上り分離部のラッチ用カウンタ
16…補正値算出部
17…SA−補正値テーブル
18…コンパレータ
21…受信部,レシーバ
22…データ分離部
23…FA検出部
24…受信バッファ
25…フレーム生成部
26…データ多重部,送信多重部
27…送信バッファ
28…送信部,トランシーバ
29…CPUローカルバス
31…分周器
32…位相比較部
41…遅延量設定レジスタ
42…遅延回路
43…1/12分周回路
44…リセット回路
51…NGビットモニタ部
52…NGビットセット部
61…プログラマブルタイマ(PTC)
62…CPUローカルデータバス
63…ゲート制御部
64…レジスタ(CSR)
MS…親局
RS0〜RS4…リモート局(子局,中間局)
TB…折返局

Claims (4)

  1. 親局と複数の子局及びそれらを接続するシリアル伝送路からなるネットワークシステムをベースとするデータ多重方式のPCM電流差動リレーのデータサンプリングクロックを同期化させる、PCMリレーにおけるサンプリング同期方式であって、各局に、伝送遅延時間を各共通フレーム内のサンプリングアドレスの送,受信を基準に測定してその中間点をサンプリングクロックの基準とする基準クロック生成手段と、生成された基準クロックを基に、自局サンプリングクロックに従属同期をかけてサンプリングクロックを同期化させる従属同期化手段と、従属同期化された同期信号を伝送遅延量と最低限必要な処理時間分を加味して修正し、サンプリング同期信号を出力する同期信号生成手段と、を有するサンプリングデータ同期部において、
    前記同期信号生成手段を、各局の遅延時間を設定する遅延量設定レジスタと、サンプリング信号に遅延時間をかけてサンプリング同期信号を出力する遅延回路と、この遅延回路からのサンプリング同期信号を1/12分周して同期ナンバリング信号を出力する分周器で構成してデータサンプリングからデータ送信までのオーバヘッド時間を最小限としたことを特徴とするPCMリレーにおけるサンプリング同期方式。
  2. サンプリングデータ同期部によるサンプリングデータの同期処理を、プログラマブルタイマを使用したワンショットタイマにて処理することを特徴とする請求項1記載のPCMリレーにおけるサンプリングデータ同期方式。
  3. 前記親局と折返し子局それぞれ、予備系受信状態をモニタおよびセットするモニタ・セット回路を設け、伝送路不良ビットを上り送信ないし下り受信にも対応させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のPCMリレーにおけるサンプリングデータ同期方式。
  4. 親局と複数の子局全局に、それぞれ隣接局の異常を通知するための予備系受信状態をモニタおよびセットするモニタ・セット回路を設け、伝送不良ビットを上り送信ないし下り受信にも対応したことを特徴とする請求項1乃至3記載のPCMリレーにおけるサンプリングデータ同期方式。
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