JP3994019B2 - 充電制御装置及びデジタル撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充電制御装置及びデジタル撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静止画や動画、あるいはこれら両者を撮影可能なデジタルカメラやデジタルスチルカメラ等のデジタル撮像機器には、撮影時の補助光源となるストロボ装置を備えたものがある。ストロボ装置付きのデジタル撮像機器では、機器の電源を昇圧してストロボ装置の発光部が発光可能な電圧に達するまでコンデンサ等に充電し、発光可能な電圧に達するとストロボ使用による撮影を許可するように構成されている。
ストロボ装置への充電時には、数アンペアの電流が流れるので、機器の故障を知らずに充電が継続されると、機器が発熱する場合が想定される。そこで、ストロボ装置の故障を検出する充電制御装置が提案されている。例えば特開平10−325976号公報に記載の充電制御装置では、充電信号が出力しないときに充電電圧が所定レベル以上出力されると、充電異常と判断してストロボ装置への充電を停止するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の充電制御装置では、充電電圧(充電レベル)が所定レベルまで到達しないと異常判定ができなかったので、設定された所定レベルが高い場合、充電異常検出までの時間を要してしまう。特にストロボ装置の場合、発光に必要な電圧が高いので、異常判定用の電圧(所定レベル)も比較的高く設定されることとなり、その充電電圧になるまで時間を要してしまう。
ストロボ装置が異常であると判断されても、その異常検出結果を記憶しなければ、機器の電源が切られることで異常検出結果がリセットされてしまう。このように異常検出結果がリセットされてしまうと、電源再投入毎に異常検出制御が実行されてしまい、機器の使い勝手が良くない。
本発明は、機器の充電異常検出を短時間で行える充電制御装置とデジタル撮像装置を提供することを目的とする。本発明は、機器の充電異常検出を短時間で行えるとともに、無駄な異常検出動作を無くして使い勝手の良い充電制御装置とデジタル撮像装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ストロボ装置の充電電圧を制御する充電制御装置において、ストロボ装置の充電状態を制御する充電制御手段と、充電電圧を検出する電圧検出手段と、充電電圧に対応して設定された複数の充電ゾーンに対して、前記電圧検出手段で取得した充電電圧が前記何れかの充電ゾーンに該当するかを判定するゾーン判定手段と、今回取得した充電電圧と前回取得した充電電圧から単位時間あたりの変化量を求める変化量算出手段と、複数の充電ゾーンの各充電ゾーンに設定された変化量判定値と、今回取得した充電電圧に該当する充電ゾーンに設定された変化量判定値と、今回取得した充電電圧から求めた変化量を比較して充電異常か否かを判定する充電異常判定手段を有し、充電異常判定手段が充電異常と判断したときは、充電制御手段で充電停止状態に制御することを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の充電制御装置において、充電異常判定手段が充電異常と判定した回数を計数し、この計数値が所定回数に達したか否かを判定する充電異常回数判定手段を有し、充電回数異常判定手段が所定回数に達していないと判断したときは充電電圧の取得を繰り返し、所定回数に達したと判断したときは充電制御手段で充電停止状態に制御することを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の充電制御装置において、充電回数異常判定手段が所定回数に達したと判断したときは充電制御手段で充電停止状態に制御すると共に、計数値をリセットすることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の充電制御装置において、電圧検出手段で取得した充電電圧がストロボ発光可能な充電レベル以上の場合には、充電異常判定手段を実行しないで充電制御手段で充電停止状態に制御することを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項、2、3または4記載の充電制御装置において、不揮発性記憶素子を有し、充電異常判定手段が充電異常と判定し、充電制御手段で充電停止状態に制御する時には、充電異常の発生結果を不揮発性記憶素子に記憶することを特徴としている。
請求項6記載の発明は、ストロボ装置を備えた撮像機器において、請求項1ないし5の何れか1つに記載の充電制御装置を備え、この充電制御装置によりストロボ装置の充電状態が制御されることを特徴としている。
【0005】
本発明の別な態様として、制御手段は、検出された充電レベルと比較する基準電圧が区分した段階毎に設定され、この基準電圧と検知結果である充電レベルとを比較することで現在のストロボ装置の充電状態を判断する判断部を備えていてもよい。各判断部での基準電圧は、予め不揮発性記憶素子に記憶しておくと、電源オフ時にリセットされないので好ましい。
各段階での充電レベルの変化量は、前回値と今回値の差から求め、判断部は、この差が所定の変化量よりも少ない場合に充電異常と判断する。所定の変化量とは、単位時間あたりの充電レベルの変化率であり、この変化率は充電時間の経過や充電電圧の上昇と共に減少するように設定するのが好ましい。これは、ストロボ装置の特性にもよるが、充電初期では単位時間あたりの電化上昇率が大きく、充電時間の経過、電圧が上昇すると、すなわち、ストロボ装置の充電率が進むと、単位時間あたりの電圧上昇率が低減するためである。このため、所定の変化量は、予め制御手段に記憶する形態であっても良いし、一番大きな変化率を初期値として記憶しておき、充電電圧の上昇や充電時間の経過とともに、所定の変化量を随時減少させる態様であってもよい。
【0006】
ストロボ装置の区分した範囲、充電レベルの変化量あるいは充電レベルのサンプリング間隔の何れかを、必要に応じて、予め不揮発性記憶素子に記憶固定データとし、不揮発性記憶素子に記憶させたデータと組み合わせて制御するようなものであっても良い。
充電異常検出は、1回の異常検出ではなく、複数回の異常検出により異常と判断することにより、検出結果の誤差成分を取り除いて異常判定を行えるので好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、デジタル撮像装置の一形態であるデジタルカメラを用いて説明する。図1は、デジタルカメラ(以下「カメラ」と記す)の概略構成を示す。図1に示すカメラは、静止画像と動画の両方を撮影できるタイプのものとして説明するが、静止画像だけを撮影できるタイプのものであっても良いし、動画だけを撮影できるものであっても良い。
【0008】
図1に示すカメラは、ストロボ装置1、ストロボ装置1の充電異常を検出して充電異常の場合にはストロボ装置1への充電を停止制御する充電制御装置2、操作スイッチ5を備えている。操作スイッチ5は、ストロボ装置1を使った撮影形態であるフラッシュモードを選択する場合に用いるスイッチとする。
【0009】
ストロボ装置1は、図示しないコンデンサと昇圧回路を備えた周知の充電回路11と、この回路と接続する発光回路12と、発光回路12を介して充電回路11と接続し、フラッシュモードが設定されている状態で図示しないシャッターボタンが操作されることで発光する発光部13とを備えている。充電回路11には、フラッシュモードが選択されると図示しない電源から電流が供給される。充電回路11では、発光可能な充電電圧となるまで電圧チャージが行われ、所定の電圧となると充電制御装置2によって電力供給が絶たれる。
【0010】
充電制御装置2は、ストロボ装置1の充電状態を複数段階に区分し、各段階において得られる充電電圧(充電レベル)に基づき充電異常を判断する充電異常判定手段3を備えている。充電異常判定手段3は、充電回路11における各段階の充電レベルを検出する充電レベル検出手段4(電圧検知手段)と、充電レベル検出手段4の検出結果に応じて各段階での充電異常を判断する制御手段7とを備えている。制御手段7は、周知のコンピュータであって、不揮発性記憶素子としてROM6、CPU21、RAM22、A/D変換回路23、充電制御端子部24及び充電レベル端子部25と図示しない計測手段としてのタイマを備えている。本形態において、制御手段7は、カメラの全機能を制御するとともに、充電回路11を制御する機能を備えている。
【0011】
CPU21には、RAM22とA/D変換回路23と充電制御端子部24が信号線で接続され、A/D変換回路23には充電レベル端子部25が信号線で接続されている。充電制御端子部24は、CPU21から出力された充電制御用のデジタルな制御信号に基づいて充電回路11を制御するものであり、制御信号がLレベルであると充電を開始させ、Hレベルであると充電を停止させる。充電レベル端子部25は、充電レベル検出手段4からの検出信号のレベルをチェックするための端子である。この端子を通過する検出信号は、A/D変換回路23によってアナログ信号へと変換されて充電回路11の充電時の充電電圧(充電レベル)としてアナログ的にCPU21によって認識される。
【0012】
本形態において、ROM6には、充電レベル検出手段4で検出された充電回路11の充電レベルの変化量に基づき充電異常検出を行う判断部を備えた充電制御プログラム(充電異常判定手段)、充電レベルを判断する際に用いる基準電圧や所定の変化量の各種情報が予め記憶されており、カメラに対する電力供給が絶たれても消えないように構成されている。
【0013】
本形態に係る充電異常検出は、充電時の充電レベルの特性に着目したものである。本形態は、図2に示すように、充電回路11における充電開始から所定の電圧になるまでの充電状態、すなわち、充電レベルの範囲を3つの段階(以下「充電ゾーン」と記す)に区分している。図2において、縦軸は充電電圧(充電レベル)を示し、横軸は時間軸を示している。
【0014】
第1充電ゾーンは、充電電圧の変化量が大きい充電初期の領域であって、本形態の充電回路11の特性においては、0V〜100Vまでの範囲とされている。第2充電ゾーンは、第1充電ゾーンよりも充電電圧の変化量が小さい充電中期の領域であって、本形態では100V〜200Vの範囲とされ、第3充電ゾーンは第2充電ゾーンよりも充電電圧の変化量が小さい充電後期の領域であって、200V〜所定の電圧までの範囲とされている。所定の電圧とは、本形態ではストロボ装置1が発光可能な充電電圧としている。本形態では、所定の電圧から充電回路11がフル充電となる充電レベルまでの範囲を充電禁止ゾーンとしている。
【0015】
充電回路11の充電状態がどの領域にあるかは、充電レベル検出手段4で検出し、A/D変換回路23で変換された変換値と基準電圧によって判断する。本形態では第1充電ゾーンと第2充電ゾーンとの境界のスレッシュ電圧を第1の基準電圧、第2充電ゾーンと第3充電ゾーンとの境界のスレッシュ電圧を第2の基準電圧、第3充電ゾーンと充電禁止ゾーンとの境界、すなわち発光可能な充電レベルとなるスレッシュ電圧を第3の基準電圧としている。
【0016】
第1の基準電圧は100Vであって、本形態では100VとなったときのA/D変換された検出結果を第1の基準電圧として、第2の基準電圧は200Vであって、本形態では200VとなったときのA/D変換された検出結果を第2の基準電圧とし、第3の基準電圧は発光可能な電圧であって、この電圧となったときのA/D変換された検出結果を第3の基準電圧としている。具体的には、第1の基準電圧としては78、第2の基準電圧としては156、第3の基準電圧としては234がROM6に変換値として記憶されている。ROM6には、フル充電されたときのA/D変換された検出結果の変換値250が第4の基準電圧として記憶されている。本形態では、現在の充電回路11の充電電圧をごく短いサイクル(例えば数mS毎)で繰り返し検出している。
【0017】
各ゾーンにおける充電電圧の変化量は、今回検出した充電電圧と前回検出した充電電圧との差で求める。具体的には、充電レベル検出手段4で検出されてA/D変換された変換値を1秒毎に取り込み、前回の変換値との差を変化量とする。本形態では、所定の変化量として、ゾーン毎に変化量のスレッシュレベルを設定している。充電開始直後の第1充電ゾーンでは、1秒毎の変化量が大きいため、大きめの変化量スレッシュを設定するのが好ましく、ここでは8ビット(8LSB)を設定している。充電レベルが100Vを越えた第2充電ゾーンでは、第1充電ゾーンでの変化量スレッシュよりも小さい中間的な変化量スレッシュを設定するのが好ましく、ここでは4ビット(4LSB)を設定している。200Vを越えた第3充電ゾーンでは、単位時間あたりの充電電圧の変化量が少なくなるため、最も小さい変化量スレッシュを設定するのが好ましく、ここでは1ビット(1LSB)を設定している。この所定の変化量となる変化量スレッシュは、充電回路11の電圧チャージ特性によって異なるので、充電回路11の電圧チャージ特性に対応させて適宜変更するのが好ましい。所定の変化量とは、各ゾーンでの単位時間あたりの平均変化量ともいえる。
【0018】
このような構成の充電制御装置を備えたカメラにおける充電異常検出制御について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。図3のフローチャートでは、既にフラッシュモードが選択されているものとする。図3のステップA1では、充電回路11への充電を開始すべく、CPU21からL信号が出力されて充電制御端子部24がLレベルとされる。ステップA2では、充電回路11の充電電圧検出を行い、ステップA3においてゾーン検出を行う。
【0019】
ステップA3において、検出した充電レベルが第1充電ゾーンの範囲内の(100V相当の変換値78よりも低い)場合には、充電回路11の充電状態が第1充電ゾーンにあるものとしてステップA4に進む。ステップA4では第1充電ゾーンでの変化量を算出する。ここでは、前回の充電電圧と今回の充電電圧の差から第1充電ゾーンにおける単位時間あたりの変化量を求めてステップA5に進む。ステップA5では、算出した変化量とROM6から読み出される変化量スレッシュ8LSBとが比較され、算出した変化量が変化量スレッシュ8LSBよりも少ない場合には充電回路11に何らかの異常があったと判定し、ステップA6に進んで充電を停止すべく、CPU21からH信号を出力して充電制御端子部24をHレベルにして制御を終える。算出した変化量が変化量スレッシュ8LSBを下回っていなければ、正常であるものとしてステップA2に戻り、充電回路11の充電状態が継続して検出されて判断されることになる。
【0020】
ステップA3において、充電電圧が100Vを超えている場合には、充電回路11が第1充電ゾーンではないとしてステップA7に進む。ステップA7では充電電圧が第2充電ゾーンであるか否かを判断する。充電電圧が範囲内の(100V〜200V、変換値156よりも低い)場合には、充電回路11の充電レベルが第2充電ゾーンにあるものとしてステップA8に進む。ステップA8では、前回の充電電圧と今回の充電電圧の差から第2充電ゾーンにおける単位時間あたりの変化量を求めてステップA9に進む。ステップA9では算出した変化量とROM6から読み出される変化量スレッシュ4LSBとが比較され、算出した変化量が変化量スレッシュ4LSBよりも少ない場合には、充電回路11に何らかの異常があったと判定し、ステップA6に進んで充電を停止して制御を終える。算出した変化量が変化量スレッシュ4LSBを下回っていなければ正常であるものとしてステップA2に戻り、充電回路11の充電状態が継続して判断されることになる。
【0021】
ステップA7において、充電電圧が200Vを超えている場合には、充電回路11が第2充電ゾーンではないとしてステップA10に進む。ステップA10では充電電圧が第3充電ゾーンであるか否かを判断する。充電電圧が範囲内(200V〜発光可能電圧、変換値234よりも低い)の場合には、充電回路11の充電レベルが第3充電ゾーンにあるものとしてステップA11に進む。ステップA11では、前回の充電電圧と今回の充電電圧の差から第3充電ゾーンにおける単位時間あたりの変化量を算出してステップA12に進む。ステップA12では、算出した変化量とROM6から読み出される変化量スレッシュ1LSBとを比較し、算出した変化量が変化量スレッシュ1LSBよりも少ない場合には、充電回路11に何らかの異常があったと判定し、ステップA6に進んで充電を停止して制御を終える。算出した変化量が変化量スレッシュ1LSBを下回っていなければ正常であるものとしてステップA2に戻り、充電回路11の充電状態が継続して判断されることになる。
【0022】
ステップA10において、検出した充電電圧が発光可能電圧を超えている場合(変換値234以上)には、充電回路11が充電禁止ゾーンにあるものとしてステップA6に進んで充電を停止して制御を終える。
【0023】
このように、充電回路11の異常検出を、充電状態を複数のゾーンに区分して各ゾーンにおいて得られる充電レベルに基づき充電異常を判断し、異常の場合には充電を停止するので、充電初期の状態からでも異常を検知することができ、充電異常検出までの時間を短くすることができる。充電回路11の充電電圧が充電禁止ゾーンに到達している場合には充電動作を停止するので、無駄な充電動作を低減することができる。ストロボ装置が発光しない場合せずに、自然放電により充電レベルが上がった場合でも、次の充電動作時に問題を発見することができる。充電電圧の検出間隔であるサンプリング間隔は、上記の間隔に限定されるものではなく、充電回路11の回路特性や同回路11に供給される電流量等の変動要件に応じて適宜変更することで、カメラに使用される充電回路に応じた充電異常検出制御を実現することができる。
【0024】
図4は、図3のフローチャートに符号30で示す誤検知防止手段を構成するステップ群を追加したものである。以下、このステップ群を中心にして図4のフローチャートを説明する。
【0025】
誤検知防止手段30は、ステップA15,A16,A17の各ステップから構成され、ステップA5とA6の間で実行される。例えば、ステップA5において、算出した変化量が変化量スレッシュ8LSBよりも少なく、充電回路11に異常ありと判定した場合、ステップA15に進んで異常判定回数を図示しないカウンターでカウントしてステップA16に進む。ステップA16では、例えば予めROM6等に記憶しておいた所定異常回数と、カウンターでのカウント回数とを比較し、所定異常回数となるとステップA2からの一連の異常検出を実行する。そして、ステップA16において、所定異常回数となるとステップ17に進んでカウンターをリセットしてステップA6に進んで充電を停止してこの制御を終える。
【0026】
このように充電停止のステップA6の前に、誤検出防止手段30を設けて、ステップA5での異常判定が複数回あった場合に充電回路11の異常と判定するので、ノイズなどの影響による判定ミスが低減して検知精度を高めることができる。
【0027】
図5は、図3のフローチャートに符号40で示す安定処理手段を構成するステップ群を追加したものである。以下、このステップ群を中心にして図5のフローチャートを説明する。
【0028】
安定処理手段40は、ステップA20とステップA21の各ステップから構成されている。ステップA20は、ステップA1よりも早い時期に実行され、ステップ21は、ステップA5とステップA6の間で実行される。例えば、ステップA5において、算出した変化量が変化量スレッシュ8LSBよりも少なく、充電回路11に異常ありと判定した場合には、ステップA21に進んで充電回路11に異常があることを示す異常フラグをROM6に記憶してからステップA6に進んで充電を停止する。
【0029】
次回の制御開始時では、ステップA20によって異常フラグが記憶されているか否かを判断し、異常フラグがない場合にはステップA1に進んで充電回路11への充電を開始し、異常フラグが記憶されている場合にはこの制御を終了する。
【0030】
このように、充電回路11に異常があったことを不揮発性記憶素子であるROM6に記憶すると、図示しない電源の交換時やオフ時にも、充電異常状態が消えずに記憶される。このため、電源交換後の再投入時や電源オン後に、この記憶された充電異常情報を用いて過去の異常状態を判断し、過去に異常がある場合には充電を実行させない制御を実行できるので、不必要な充電異常検出動作をしなくて済み、使い勝手が良くなるとともに、異常状態らおけるストロボ装置への不要な電流供給を防止することができる。
【0031】
上記各構成によると、充電異常検出制御をプログラムで行うので、充電回路11に対する回路が煩雑となる過充電防止回路の追加をしなくても充電制御を行えコスト的にも安価な構成で実現できる。過充電が防止されるので、これを起因とする機器の発熱を抑制することができ、発熱検出のための温度センサ等の構成や回路を追加しなくて済む。新規な回路構成を追加しなくて済むので、カメラの製造上、部品上のバラツキが読めない場合でも、生産可能な柔軟性のあるシステムとすることができるとともに、製造上、部品上のバラツキをプログラムによりテストできる。また、充電回路11に一定レベルの充電電圧が残っている場合でも、その時点での充電電圧を検出して、基準電圧や所定の変化量と比較することで充電回路11の状態を検出することができ、充電異常を検出できないといった不具合を防止することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、ストロボ装置の異常検出を、充電状態を複数のゾーンに区分し、各ゾーンにおいて得られる充電レベルに基づき充電異常を判断し、異常の場合には充電を停止するので、充電初期の状態からでも異常を検知することができ、充電異常検出までの時間を短くすることができる。
本発明によれば、充電異常判定結果を不揮発性記憶素子に記憶するので、電源交換時のように、機器から電源がはずされても充電異常判定結果がリセットされることがなく、機器の充電異常検出を短時間で行いながら、同時に無駄な異常検出動作を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すデジタル撮像機器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 ストロボ装置の充電電圧特性を示す線図である。
【図3】 充電異常検出装置における充電異常検出の制御の一例を示すフローチャートである。
【図4】 図3に示すフローチャートに安定処理手段を追加したフローチャートである。
【図5】 図3に示すフローチャートに誤検知防止手段を追加したフローチャートである。
【符号の説明】
1 ストロボ装置
2 充電制御装置
3 充電異常判定手段
4 充電レベル検出手段(電圧検知手段
6 不揮発性記憶素子
7 制御手段

Claims (6)

  1. ストロボ装置の充電電圧を制御する充電制御装置において、
    ストロボ装置の充電状態を制御する充電制御手段と、
    充電電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記充電電圧に対応して設定された複数の充電ゾーンに対して、前記電圧検出手段で取得した充電電圧が前記何れかの充電ゾーンに該当するかを判定するゾーン判定手段と、
    今回取得した充電電圧と前回取得した充電電圧から単位時間あたりの変化量を求める変化量算出手段と、
    複数の充電ゾーンの各充電ゾーンに設定された変化量判定値と、
    今回取得した充電電圧に該当する充電ゾーンに設定された変化量判定値と、今回取得した充電電圧から求めた変化量を比較して充電異常か否かを判定する充電異常判定手段を有し、
    前記充電異常判定手段が充電異常と判断したときは、前記充電制御手段で充電停止状態に制御することを特徴とする充電制御装置。
  2. 請求項1記載の充電制御装置において、
    前記充電異常判定手段が充電異常と判定した回数を計数し、この計数値が所定回数に達したか否かを判定する充電異常回数判定手段を有し、
    前記充電回数異常判定手段が所定回数に達していないと判断したときは充電電圧の取得を繰り返し、所定回数に達したと判断したときは前記充電制御手段で充電停止状態に制御することを特徴とする充電制御装置。
  3. 請求項2記載の充電制御装置において、
    前記充電回数異常判定手段が所定回数に達したと判断したときは前記充電制御手段で充電停止状態に制御すると共に、計数値をリセットすることを特徴とする充電制御装置。
  4. 請求項1、2または3記載の充電制御装置において、
    前記電圧検出手段で取得した充電電圧がストロボ発光可能な充電レベル以上の場合には、前記充電異常判定手段を実行しないで前記充電制御手段で充電停止状態に制御することを特徴とする充電制御装置。
  5. 請求項、2、3または4記載の充電制御装置において、
    不揮発性記憶素子を有し、
    前記充電異常判定手段が充電異常と判定し、前記充電制御手段で充電停止状態に制御する時には、充電異常の発生結果を前記不揮発性記憶素子に記憶することを特徴とする充電制御装置。
  6. ストロボ装置を備えた撮像機器において、
    請求項1ないし5の何れか1つに記載の充電制御装置を備え、この充電制御装置により、前記ストロボ装置の充電状態が制御されることを特徴とする撮像機器。
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