JP3993449B2 - 車速感応性が改善された電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

車速感応性が改善された電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御用車速を一つの因子として操舵操作をアシストするアシストトルクが調整される電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の操舵力(ハンドリングに要する力)は、高速走行時には重く、低速走行時には軽いことが好ましい。自動車等に搭載される電動式パワーステアリング装置では、車速を算出する手段と、車速を一つの因子としてアシストトルクを算出する手段を備えている。操舵装置にアシストトルクを加えるモータのトルクを、車速に感応して算出されるアシストトルクに調整することによって、車速感応型の電動式パワーステアリング装置が実現される。アシストトルク算出手段は、車速が早いほど小さなアシストトルクを計算するために、自動車等の操舵力は、高速走行時には重く、低速走行時には軽くなる。
【0003】
車速を算出するために、車輪が所定角回転する毎にパルスを出力する車速センサを用いることが多い。一般には、車輪が90度回転する毎に1パルスを出力する車速センサが用いられる。この場合、車輪が1回転すると4パルスが出力される。
車速センサから出力されるパルスから2種類の車速が算出できる。一つはパルス間時間の逆数から車速を算出するものであり、パルスが出力される毎に更新される最新の車速に対応するものであり、以下では瞬時車速という。瞬時車速の精度が高ければ、瞬時の車速でもってアシストトルクを計算することによって車速感応型パワーステアリング装置の車速追従性が改善される。しかしながら、瞬時車速の精度には問題がある。車輪が90度回転する毎にパルスを出力するはずのものが、例えば89度回転してパルスを出力したり、91度回転してパルスを出力したりするために、パルス入力の毎に更新される瞬時車速の精度には問題があることが多い。
算出される車速の精度を高めるために、直前の過去n回分の瞬時車速を平均することが多い。例えば直前の過去4回の瞬時車速を平均化すると、車輪が1回転する間の平均車速が算出され、90度回転する毎にパルスを出力するはずのものが89度回転してパルスを出力したり、91度回転してパルスを出力したりする誤差の影響が相殺される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自動車が通常に走行している場合には、精度の高い平均車速によってアシストトルクを計算することが好ましい。しかしながら、平均車速によってアシストトルクを計算すると、走行開始直後にアシストトルクが大きくなりすぎて操舵力が軽くなり過ぎることがわかってきた。本発明者がその原因を研究したところ、以下のことがわかった。
(1)車速を精度よく算出するために、直前の過去n回分(例えば4回分)の瞬時車速を平均する。
(2)自動車は走行して停止し再度走行する動作を繰返したとき、直前の過去n回分の瞬時車速を機械的に平均すると、自動車の停止期間に対応する瞬時車速や停止前の瞬時車速まで平均化に用いてしまう。例えば、走行して停止して再走行する場合、再走行の開始後に最初のパルスが入力された段階で直前4回の瞬時車速を平均すると、内の3回については停止直前の車速が平均化の対象とされてしまう。
(3)上記の不合理さを解消するために、パルス間時間が所定時間を超えるときには車両が停止したものとする。その間の瞬時車速は、パルス間時間の逆数でなく、車速ゼロとする。車輪が90度回転するのに1分を要したような場合には、時間あたり5400度回転すると計算するのではなく、その1分間は停止していたとする。
(4)停止後に再度走行し始めるとパルスが入力され始める。図1は停止後に再度走行を開始したときの車速パルスを示した図であり、停止前の最後のパルスを入力した時刻をS0としている。最後のパルスを時刻S0で入力してから所定時間C1以上たっても次のパルスが入力されないために、時刻Tで車両が停止したことが判別される。停止後に再度走行し始めると再びパルスが入力される。最初のパルスを入力した時刻をS1とし、以降パルスを入力した時刻を順にS2,S3,S4,S5,S6・・・としている。停止していた車両が走行を開始すると、車輪が回転し、まず1回目のパルスを入力し(S1)、次いで2回目のパルスを入力する(S2)。1回目のパルスを入力してから2回目のパルスを入力するまでのパルス間時間S1S2から、時刻S2での瞬時車速(1/S1S2)が算出される。
(5)停止後に再走行し始めてからn+1目のパルスが入力されるまでの間は平均に用いるn個のパルス間時間がそろわない。例えば4個の瞬時車速を平均して車速を求める場合には時刻S5になるまでの間は、再走行開始後の瞬時車速が4個そろわない。
(6)この場合、検出されていない瞬時車速はゼロとして車速を計算する。パルス間時間S1S2以前の瞬時車速は、停止していたのだからゼロであったとして平均車速を求める。
(7)この間に算出される平均車速は、実際の車速の増大に追従できずに遅れてしまう。
例えば、時刻S2で算出される平均車速は(0+0+0+1/S1S2)/4で計算され、時刻Sで算出される瞬時車速よりも遅い。時刻S3で算出される平均車速は(0+0+1/S1S2+1/S2S3)/4で計算され、時刻Sで算出される瞬時車速よりも遅い。
(8)走行開始直後には、瞬時車速を平均して精度を高める結果、かえって実際車速よりも遅い車速を算出している。
(9)走行開始直後は低速であり、低速時には車速に応じてアシストトルクが敏感に変えられるために、前記(8)のずれが操舵力を不自然なものとする。特にパワーステアリング装置は、車両停止時と走行時とではアシストトルクを大きく変えるために、前記(8)のずれが無視できない違和感を運転者にもたらす。
【0005】
本発明は走行開始直後から車速によく追従し、運転者に違和感をもたらさないアシストトルクに調整する電動式パワーステアリング装置を実現するために開発された。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】
本発明の電動式パワーステアリング装置は、車輪が所定角回転する毎にパルスを出力する車速センサと、車速センサから出力されるパルスに基づいて制御用車速を算出する手段と、算出された制御用車速を一つの因子としてアシストトルクを算出する手段と、車両が停止したことを判別する車両停止判別手段と、操舵装置にアシストトルクを加えるモータのトルクを算出されたアシストトルクに調整するモータ駆動回路を備えている。
本発明の制御用車速算出手段は、前記車両停止判別手段によって車両が停止したと判別された後に、1または2回目のパルスを入力したときに制御用車速を最低車速とし、3回目以降のパルスを入力したときには直前の過去n回のパルス間時間の逆数を平均して制御用車速を算出し、車両が停止したと判別された後に検出されたパルス間時間が前記n個に満たない間は、n個に対して不足する数のパルス間時間の逆数を最低車速として加算して平均することにより制御用車速を算出する。上記においてnは3以上の整数である。
【0007】
本発明請求項1の電動式パワーステアリング装置によれば、車両停止判別手段によって、自動車の停止状態が判別される。停止したと判別されてからパルスが入力され(それが走行開始後の1回目のパルスとなる)、その後所定時間内に次のパルスが入力されると(それが走行開始後の2回目のパルスとなる)自動車は走行を開始したことがわかる。本発明の制御用車速算出手段は、停止したと判別されてから1回目または2回目のパルスを入力したときに自動車が走行を開始したものとし、アシストトルクの算出に用いる車速(ここではそれを制御用車速という)を最低車速とする。ここでいう最低車速とは、車速に感応してアシストトルクを算出する手段で用いる最低車速をいい、例えば2km/時間といった最低車速である。アシストトルクの決定にあたって、それ以下の車速では停止状態としてアシストトルクを決定し、それ以上の車速では非停止状態としてアシストトルクを決定することによって、運転車に違和感のない操舵フィーリングを与える車速をいう。
本発明の制御用車速算出手段は、走行し始めたときに(走行開始後に1回目または2回目のパルスが得られたときに)、瞬時車速でもなく、平均車速でもなく、最低車速を制御用車速とする。
なお、請求項1における車両停止判別手段は、瞬間車速が最低車速以下となった場合に車両が停止したと判別するものの他、請求項2に記載したように、車速センサから出力されるパルス間時間が所定時間以上となったときに車両が停止したと判別するものであってもよい。
【0008】
本発明の制御用車速算出手段では、3回目以降のパルスを入力したときには直前過去nのパルス間時間の逆数を平均して制御用車速を算出するけれども、そのときに走行開始からnのパルス間時間が検出されていなければ、n個に対して不足する数のパルス間時間の逆数を前記最低車速としたうえで平均して制御用車速を算出する。例えば、n=4の場合、3回目のパルスを入力したときには、走行開始後に2のパルス間時間しか検出しておらず、平均処理に用いる残りの2分が検出されていない。4回目のパルスを入力したときには、走行開始後に3のパルス間時間しか検出しておらず、平均処理に用いる残りの1分が検出されていない。5回目のパルスを入力したときに、やっと平均処理に用いる4個のパルス間時間が検出される。本発明の制御用車速算出手段では、平均処理に用いるパルス間時間であって、平均処理に用いる個数に足らないパルス間時間については、その逆数が前記した最低車速に相当するものとして平均化する。
なお車両が停止したと判別された後に最初に検出されたパルス間時間(図1のS1S2)については、実際に検出された時間を平均に用いることの他、請求項3に記載したように、パルス間時間の逆数に換えて最低車速を用いて前記平均を算出してもよい。
【0009】
本発明の制御用車速算出手段によってアシストトルクの算出に用いる制御用車速を算出すると、走行開始の直後から車速に感応した自然な操舵フィーリングが得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1) 瞬時車速は車輪が90度回転する毎に更新され、直前の4個のパルス間時間を用いて車輪が1回転する間の平均車速を算出する。これをアシストトルクの算出に用いる車速とする。
(形態2) アシストトルクは、制御用車速と運転者が加えている操舵力をキーとするマップによって算出される。即ち、制御用車速と運転者が加えている操舵力をキーとしてマップを参照することによってアシストトルクが読出される。
(形態3) アシストトルクを決定するマップは、車速別に複数が用意されており、走行開始後に2回目のパルスを得たときに、停止時用マップから最低車速用マップに切換える。
(形態4) アシストトルクを決定するマップは、車速別に複数が用意されており、走行開始後に1回目のパルスを得たときに、停止時用マップから最低車速用マップに切換える。
【0011】
【実施例】
本発明を具現化した第1実施例を図1〜図4を用いて説明する。図1は車速センサから出力されるパルスを示した図であり、図2は本実施例の電動式パワーステアリング装置で制御用車速を演算する処理手順を示すフローチャートであり、図3は本実施例で算出される制御用車速を従来のそれと対比して示すグラフであり、図4は電動式パワーステアリング装置の構成を略示するものである。
【0012】
この実施例で用いる電動式パワーステアリング装置は、図4に示すように、スライドすることで車輪58の方向を変えるボールネジ42に螺合している図示されていないナットを回転させる電動モータ44を備えており、電動モータ44のトルクでアシストトルクが決定される。車輪の方向を変えるに要するトルクは、運転者が加えるトルクにモータ44が加えるトルクを加えたものとなる。モータ44が加えるアシストトルクが大きいほど、運転者に求められる操舵力は軽くなる。
この実施例で用いる電動パワーステアリング装置は、運転者が加えている操舵力を検知するセンサ46を備えている。また後記する車速センサ56と制御用車速算出装置54を備えている。さらに、模式的にいうと、横軸に運転者が加えている操舵力をとり、縦軸に制御用車速をとった二次元のマップにモータに発生させるトルクを記憶しているマップ50を記憶している。マップ50は、操舵力と制御用車速が決まればモータトルクを決めるものであり、操舵力と制御用車速をキーとする2次元のマップである。この実施例で用いるモータ44は、モータトルクとモータに通電する電流が比例する性質を持ち、モータ電流を決定するとモータトルクが決まる。
なお、車速とか、モータトルクとか、モータ電流の単位は、コンピュータで処理するのに都合のよい任意の単位で記述することができる。例えば、モータトルクやモータ電流がモータへの通電をオンオフ制御するスイッチのデューティ比で記述されていてもよい。
本実施例の制御用車速算出装置54や、制御用車速と操舵力を因子としてアシストトルクを算出する手段50は、コンピュータによって構成されている。コンピュータの構成自体は周知であり、詳しい説明はしない。
本実施例の電動パワーステアリング装置は、モータ44に加える電流をオンオフ制御するスイッチと、そのスイッチのオンオフを制御する回路からなるモータ駆動回路52を備えている。スイッチのオンオフを制御する回路はコンピュータによって制御され、モータ電流はデューティ比制御される。モータ電流ひいてはモータトルクはコンピュータによって制御され、実際のモータトルクはコンピュータによって計算されたモータトルクに調整される。モータ電流をデューティ比制御するモータ駆動回路52も周知であり、詳しい説明は省略する。なお、48は、操舵力センサ46の出力から操舵力を算出する回路である。
【0013】
自動車の車輪58の近傍には車速センサ56が取付けられており、車輪には90度おきに4個の検知体が固定されている。車速センサ56は、前面に検知体が存在するときにハイ電圧を出力し、前面に検知体が存在しないときにロウ電圧を出力する。車輪が回転すると、車速センサ56からパルス状に変化する電圧が出力される。この電圧は、車輪が90度回転する毎にハイとなり、車輪が1回転する間に4パルス出力される。先のパルスを入力した時刻(Sn)から次のパルスを入力した時刻(Sn+1)までのパルス間時間SnSn+1の逆数から瞬時車速が計算できる。検知体は正確に90度おきに固定されているとは限らず、若干の誤差を有する。瞬時車速は、実際車速によく追従する反面、精度に不安を持っている。
【0014】
図1は、走行の停止が判別された後、走行再開後に入力したパルスを示した図であり、時刻S0でパルスが入力してから所定時間C1だけパルスが入力しないので、時刻Tにおいて自動車が停止していることが判別される。停止状態の判別後に自動車が再度走行を開始するとパルスが入力され始める。再走行開始後に1回目のパルスを入力した時刻をS1とし、以降パルスを入力した時刻を順にS2,S3,S4,S5,S6・・・とする。1回目のパルスを入力した時刻S1から2回目のパルスを入力した時刻S2までのパルス間時間をS1S2とし、以降、2回目のパルスを入力してから3回目のパルスを入力するまでのパルス間時間をS2S3、3回目のパルスを入力してから4回目のパルスを入力するまでのパルス間時間をS3S4、4回目のパルスを入力してから5回目のパルスを入力するまでのパルス間時間をS4S5、5回目のパルスを入力してから6回目のパルスを入力するまでのパルス間時間をS5S6・・・とする。
【0015】
次に、本実施例の電動式パワーステアリング装置の制御用車速を演算する処理手順について図2を用いて説明する。ステップS10では、パルスを最後に入力してから所定時間C1が経過したか否かを確認する。このとき、所定時間C1を経過していなければ(NO)、次のパルスが入力したか否かを判別する(ステップS20)。所定時間C1以内に次のパルスが入力されないと、ステップS10でYESとなる。図1の時刻Tにおいて、ステップS10はYESとなる。この場合、走行が停止したものとする(ステップS30)。なお、本実施例ではこれらステップS10〜S30が車両停止判別手段を構成する。
ステップS40では、停止と判別された後に、最初のパルスが入力するのを待つ。図1の場合時刻S1でステップS40がYESとなる。ステップS50では停止と判別された後に、2個目のパルスが入力するのを待つ。図1の場合時刻S2でステップS50がYESとなる。時刻S2に2回目のパルスを入力すると、制御用車速を2km/hとする(ステップS60)。なお、この2km/hという値は、操舵力と制御用車速をキーとしてアシストトルクを記述している2次元マップが持っている最低車速である。マップには、2km/hよりも遅い車速はなく、その場合には自動車が停止しているものとする。時刻S2で算出する車速は、時刻S1とS2間の瞬間車速でもなく、直前過去4回の瞬間車速の平均値でもなく、操舵力と制御用車速からアシストトルクを決定するマップ中で採用されている最低車速とする。
【0016】
ステップS70では、停止と判別された後に、3個目のパルスが入力するのを待つ。図1の場合時刻S3でステップS70がYESとなる。時刻S3で3回目のパルスを入力すると、2回目のパルスを入力してから3回目のパルスを入力するまでのパルス間時間S2S3を計時する(ステップS80)。時刻S2から時刻S3までの瞬時車速は、パルス間時間S2S3の逆数である1/S2S3となる。車速の単位は任意でよいために、逆数である1/S2S3を車速とすることができる。
【0017】
ステップS90では、時刻S2から時刻S3までの瞬時車速を用いて平均化処理して制御用車速を算出する。この実施例では、直前の4個の瞬時車速を平均して制御用車速を算出する。しかしながら、時刻S3では、走行開始後のパルス間時間が2個しか算出されていない。即ちS1S2と、S2S3しか検出されていない。平均に用いる4個のパルス間時間のうちの2個しか検出されていないのである。そこで、ステップS90では、検出されていない過去の2個のパルス間時間から算出される瞬時車速が2km/hという最低車速であったとして平均化する。また最初のパルス間時間S1S2は誤差が多く、これもまた2km/hという最低車速であったとして平均化する。結局ステップS90では、直前の4個の瞬時車速のうち、3個は2km/hという最低車速であったとする。最後のパルス間時間S2S3については、検出された時間を平均処理に用いる。
【0018】
ステップS100では、停止と判別された後に、4個目のパルスが入力するのを待つ。図1の場合時刻S4でステップS100がYESとなる。時刻S4で4回目のパルスを入力すると、3回目のパルスを入力してから4回目のパルスを入力するまでのパルス間時間S3S4を計時する(ステップS110)。時刻S3から時刻S4までの瞬時車速は、パルス間時間S3S4の逆数である1/S3S4となる。車速の単位は任意でよいために、逆数である1/S3S4を車速とすることができる。
【0019】
ステップS120では、時刻S3から時刻S4までの瞬時車速を用いて平均化処理して制御用車速を算出する。時刻S4では、走行開始後のパルス間時間が3個しか算出されていない。即ちS1S2とS2S3とS3S4しか検出されていない。平均に用いる4個のパルス間時間のうちの3個しか検出されていないのである。そこで、ステップS120では、検出されていない過去の1個のパルス間時間から算出される瞬時車速を2km/hという最低車速であったとして平均化する。また最初のパルス間時間S1S2は誤差が多く、これもまた2km/hという最低車速であったとして平均化する。結局ステップS120では、直前の4個の瞬時車速のうち、2個は2km/hという最低車速であったとする。2個目のパルスから3個目のパルスまでのパルス間時間S2S3と、3個目のパルスから4個目のパルスまでのパルス間時間S3S4については、検出された時間を平均処理に用いる。
【0020】
ステップS130では、停止と判別された後に、5個目のパルスが入力するのを待つ。図1の場合時刻S5でステップS130がYESとなる。時刻S5で5回目のパルスを入力すると、4回目のパルスを入力してから5回目のパルスを入力するまでのパルス間時間S4S5を計時する(ステップS140)。時刻S4から時刻S5までの瞬時車速は、パルス間時間S4S5の逆数である1/S4S5となる。車速の単位は任意でよいために、逆数である1/S4S5を車速とすることができる。
【0021】
ステップS150では、時刻S4から時刻S5までの瞬時車速を用いて平均化処理して制御用車速を算出する。時刻S5では、走行開始後のパルス間時間が4個算出されている。しかしながら最初のパルス間時間S1S2は誤差が多く、これについては2km/hという最低車速であったとして平均化する。ステップS150では、直前の4個の瞬時車速のうち、1個は2km/hという最低車速であったとする。2個目のパルスから3個目のパルスまでのパルス間時間S2S3と、3個目のパルスから4個目のパルスまでのパルス間時間S3S4と、4個目のパルスから5個目のパルスまでのパルス間時間S4S5については、検出された時間を平均処理に用いる。
【0022】
ステップS160では、停止と判別された後に、6個目のパルスが入力するのを待つ。図1の場合時刻S6でステップS160がYESとなる。時刻S6で6回目のパルスを入力すると、5回目のパルスを入力してから6回目のパルスを入力するまでのパルス間時間S5S6を計時する(ステップS170)。
【0023】
ステップS180では、時刻S5から時刻S6までの瞬時車速を用いて平均化処理して制御用車速を算出する。時刻S6では、走行開始後のパルス間時間が5個算出されている。そこで、2個目のパルスから3個目のパルスまでのパルス間時間S2S3と、3個目のパルスから4個目のパルスまでのパルス間時間S3S4と、4個目のパルスから5個目のパルスまでのパルス間時間S4S5と、5個目のパルスから6個目のパルスまでのパルス間時間S5S6を平均処理に用いる。時刻S6になると、信頼のできる直前4個の瞬時車速が得られる。
【0024】
ステップS190では、時刻S7において直前4個の瞬時車速を平均することができるように読み替えておく。即ち、パルス間時間S3S4をS2S3に置換し、パルス間時間S4S5をS3S4に置換し、パルス間時間S5S6をS4S6に置換する処理が行われる。ここで、エンジンの停止が認められれば(ステップS200でYES)処理が終了する。また、エンジンの停止が認められなければ(ステップS200でNO)、再びステップS10に戻り、走行中であるか否かが判別される。走行中であれば(NO)ステップS20に進み、この場合、時刻S7に7回目のパルスを入力したか否かが判別される。パルスを入力すれば(YES)、そのときまでのパルス間時間をS5S6とし(ステップS170)、先にステップS190で置換しておいたパルス間時間S2S3,S3S4,S4S5と一緒に平均する。ステップS180で実行される処理は、直前の4個の瞬時車速を平均化することである。エンジンが停止されるまでステップS180が繰返し実行され、パルスが入力される毎に瞬時車速が更新され、新たに得られた直前4個の瞬時車速を平均して制御用車速が算出される。
【0025】
図3は、本実施例の電動式パワーステアリング装置で算出した制御用車速(実線)と、従来の電動式パワーステアリング装置で算出した制御用車速(破線)とを比較したグラフである。従来は、制御用車速を演算する際、直前過去4回分の瞬時車速を平均化するため、走行開始時に停止中の瞬時車速である0km/hという値を含めて平均化されてしまう。このため、制御用車速を実際の車速より低く算出してしまっていた。アシストトルクは制御用車速に基づいて出力され、車速が低速であるほどアシストトルクが大きくなるよう制御されている。制御用車速が実際の車速より低く計算させると、必要以上のアシストトルクを出力してしまう。このために運転者は操舵しすぎやすく、あるいは、手ごたえ感が得られない。走行開始時の操舵フィーリングに不具合が生じる。本実施例によると、自然な操舵フィーリングが得られる。
【0026】
次に本発明の具現化した第2実施例を説明する。本実施例と第1実施例とは、車両停止後に再走行を開始した直後の制御用車速の設定方法、ひいてはアシストトルクの制御方法が異なる。第1実施例では、図2に示したように、走行開始後に2回目のパルスを入力した時に制御用車速がゼロから最低車速に置換えられる。それに対して本実施例では、1回目のパルスを入力した時に制御用車速をゼロから最低車速に置換える。第2実施例では、ステップS40で1回目のパルスの入力があったら(YES)、ステップS50で2回目のパルスの入力されるのを待たずにステップS60を実行するので、時刻S1で制御用車速を2km/hとする。その後に2個目のパルスが入力するのを待ち、2個目のパルスを入力した時刻S2では制御用車速を最低車速2km/hに維持する。ステップS70以降は、第1実施例と同様の処理が行われる。
【0027】
第1実施例では、図1の時刻S2までは停止しているものとみなされ、大きなアシストトルクに調整される。本実施例では、時刻S1までは停止しているものとみなされて大きなアシストトルクに調整されるが、時刻S1で最低車速で走行し始めたものとしてアシストトルクを減じる。
いずれの実施例によっても車速感応性が改善され、より自然な操舵フィーリングを得られる。
【0028】
以上に述べた2つの実施例では、走行開始時の制御用車速を演算する際に、検出されていない瞬時車速を最低車速であったとして平均化する。このことによって、制御用車速を実際の車速によく追従させることができ、実際の車速より低く算出してしまうことがなくなる。
本発明の電動式パワーステアリング装置によれば、アシストトルクを決定する制御用車速を演算するとき、実際の車速によく追従した制御用車速を算出することができる。このため、特に走行開始時のステアリング操作に対し、実際の車速に合った適切なアシストトルクを得ることができ、走行開始時の車速感応性を向上させることが可能となる。
【0029】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車速パルスを示した図。
【図2】 本実施例の電動式パワーステアリング装置の制御用車速を演算する処理手順を示すフローチャート。
【図3】 同電動式パワーステアリング装置において算出される制御用車速を、本実施例と従来例と比較して示すグラフ。
【図4】 同電動式パワーステアリング装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
42:ボールネジ
44:電動モータ
46:センサ
48:操舵力算出回路
50:マップ
52:モータ駆動回路
54:制御用車速算出装置
56:車速センサ
58:車輪

Claims (3)

  1. 車輪が所定角回転する毎にパルスを出力する車速センサ、車速センサから出力されるパルスに基づいて制御用車速を算出する手段、算出された制御用車速を一つの因子としてアシストトルクを算出する手段、車両が停止したことを判別する車両停止判別手段、操舵装置にアシストトルクを加えるモータのトルクを算出されたアシストトルクに調整するモータ駆動回路を備え、
    前記制御用車速算出手段は、前記車両停止判別手段によって車両が停止したと判別された後に、1または2回目のパルスを入力したときに制御用車速を最低車速とし、3回目以降のパルスを入力したときには直前の過去nのパルス間時間の逆数を加算して平均することにより制御用車速を算出するものでありただし、3回目以降のパルスが入力されていても車両が停止したと判別された後に検出されたパルス間時間が前記n個に満たない間は、前記n個に対して不足する数のパルス間時間の逆数を前記最低車速として加算して平均することにより制御用車速を算出するものであり、nは3以上の整数であることを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 前記車両停止判別手段は、車速センサから出力されるパルス間時間が所定時間以上となったとき車両が停止したと判別するものであることを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。
  3. 前記パルス間時間の逆数を加算して平均することにより制御用車速を算出する際に、前記車両が停止したと判別された後に最初に検出されたパルス間時間については、このパルス間時間の逆数に換えて前記最低車速を用いて前記平均を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の電動式パワーステアリング装置。
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