JP3992542B2 - 金型ロールへの芯体コード巻き付け方法及びその装置 - Google Patents
金型ロールへの芯体コード巻き付け方法及びその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3992542B2 JP3992542B2 JP2002159778A JP2002159778A JP3992542B2 JP 3992542 B2 JP3992542 B2 JP 3992542B2 JP 2002159778 A JP2002159778 A JP 2002159778A JP 2002159778 A JP2002159778 A JP 2002159778A JP 3992542 B2 JP3992542 B2 JP 3992542B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- core
- mold
- cord
- rolls
- roll
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝動ベルトの製造工程において、所定の間隔をあけて互いに平行に配設された一対の金型ロール間に、芯体コードを所定ピッチで螺旋状に巻き付ける金型ロールへの芯体コード巻き付ける金型ロールへの芯体コード巻き付け方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、伝動ベルト製作方法として、少なくとも一方が駆動回転される互いに平行な一対の金型ロールを軸間距離が調節可能に配備し、これら一対の金型ロールに芯体コードと未加硫のゴムシートとを巻回して伝動ベルト体を作成する二軸成形法が知られている。
【0003】
このような伝動ベルトの製造において、まず、金型ロール間に芯体コードを所定ピッチで螺旋状に巻き付ける必要がある。
【0004】
この芯体コードの巻き付け方法として、特開2001−205714号公報には、一体の金型ロールの間に芯体コードを等間隔螺旋状に巻き付ける芯体コード巻き付け方法であって、一対の金型ロールの間に、外周面に周方向、等間隔の案内溝部を有する回転自由なガイドローラを、この軸心が金型ロールの軸心と所定の角度にて交差するように設け、芯体コードにガイドローラの案内溝部を通過させて一対の金型ロール間に巻き掛けて、芯体コードに所定の張力を掛けながら、一対の金型ロールを回転させ、芯体コードの全体を自動的に金型ロール間の軸心方向に移動させながら巻き掛けるものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この芯体コードの巻き付け方法では、芯体コードの全体を金型ロール間の軸心方向に移動させながら巻き掛けるために、金型ロール間の芯体コードの整列が移動に伴って崩れる恐れがある。
【0006】
本発明の目的は、金型ロール間の芯体コードの整列が確実にできる金型ロールへの芯体コード巻き付け方法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、所定の間隔をあけて互いに平行に配設された一対の金型ロール間に、芯体コードを所定ピッチで螺旋状に巻き付ける芯体コード巻き付け方法であって、
回転駆動される前記金型ロールの一方の軸方向に沿ってスライド移動するガイドプーリを経て前記芯体コードを前記金型ロール間に所定ピッチの螺旋状に配列させると同時に、
前記金型ロール間であって、金型ロールに対する芯体コードの入り側と出側とに配設され、前記所定ピッチ間隔の溝を有するガイドローラに、配列された前記芯体コードを案内させ、これらのガイドローラを前記ガイドプーリと同期させて前記軸方向にスライド移動させることにより、これらのガイドローラで案内される前記芯体コードを前記金型ロールの軸方向の一端側から他端側へと展開させながら所定ピッチで整列させていくものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ガイドローラの前記溝はV溝である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、所定の間隔をあけて互いに平行に配設された一対の金型ロール間に、芯体コードを所定ピッチで螺旋状に巻き付ける金型ロールへの芯体コード巻き付け装置であって、
回転駆動される前記金型ロールの一方の軸方向に沿ってスライド移動しながら、前記芯体コードを前記金型ロール間に所定ピッチの螺旋状に配列させるガイドプーリと、
前記金型ロール間であって、金型ロールに対する芯体コードの入り側と出側とに配設され、前記所定ピッチ間隔の溝を有するガイドローラであって、配列された前記芯体コードを案内させ、これらのガイドローラを前記ガイドプーリと同期させて前記軸方向にスライド移動することにより、これらのガイドローラで案内される前記芯体コードを前記金型ロールの軸方向の一端側から他端側へと展開させながら所定ピッチで整列させていくガイドローラと、を備えるものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記ガイドローラの前記溝はV溝である。
【0011】
請求項1,3の構成によると、ガイドプーリのスライド移動により、金型ロールの間に巻き付けられる芯体ロープの整列状態が、ガイドプーリと同期的にスライド移動する同ピッチ配列溝付きのガイドローラでそのままに案内されることになる。また、このガイドローラが、金型ロールに対する芯体コードの入り側と出側とに配設されるため、金型ロールに対する芯体ロープの整列状態が確実になる。
【0012】
請求項2,4の構成によると、ガイドローラの溝がV溝であるため、溝のピッチセンターで芯体ロープが案内される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態の一例を説明する。
図1に、芯体コード巻き付け装置Aの主要部を示す斜視図が示されている。この芯体コード巻き付け装置Aは、伝動ベルト製造装置AAとして構成されており、図5の操作盤6の操作によって制御されるものである。
【0014】
図1に示すように、芯体コード巻き付け装置Aは、一対の金型ロール1,2と、一方の金型ロール1に沿って配設され、金型ロール1,2間に芯体コード3を所定ピッチPの螺旋状に巻回する芯体コード整列供給手段a、金型ロール1,2間に配設され、螺旋状に巻回された芯体コード3の整列が保たれるように案内する芯体コード案内手段aaとを備えて構成される。
【0015】
第1金型ロール1及び第2金型ロール2は互いに同径、同長さの回転自在な円筒体(フラットロール)であり、夫々、第1及び第2主電動モータM1,M2によって駆動回転自在である。これら両主電動モータM1,M2は、図5に示す制御装置7の機能により、第1金型ロール1及び第2金型ロール2を、互いに同方向(矢印で示す方向)で、かつ、互いに同回転速度で駆動回転させる駆動機構を構成している。
【0016】
芯体コード整列供給手段aは、図示しない芯体コードロールから繰り出される芯体コード3を、一対の金型ロール1,2間に螺旋状(スパイラル状)に順次巻き付けるものであり、第1金型ロール1の軸方向(X軸方向)に駆動移動自在に枠体9に支持された移動台10と、この移動台10にX軸方向の支点pで枢支されたガイドプーリ11とで構成されている。
【0017】
一対のガイドレール12,12と、それらの間に配されたネジ軸13及びその第1駆動モータ14による第1ネジ送り機構15により、枠体9に対してX軸方向に移動台10を駆動往復移動自在に構成してある。ガイドプーリ11は、回転駆動される金型ロール1,2の軸方向に沿って制御されたスライド移動が可能である。このガイドプーリ11を第1金型ロール1の外周に接近させた状態や押圧付勢された状態にして、繰り出された芯体コード3を、ガイドプーリ11を通して、回転する第1金型ロール1と第2金型ロール2とに亘って、所定ピッチPで螺旋状に配列させる。
【0018】
芯体コード案内手段aaは、金型ロール1,2の間に配設され、所定ピッチP間隔の溝111を有するガイドローラ101,102,103,104を含んで形成されている。ガイドローラ101は金型ロール1に対する芯体コード3の入り側に配設され、ガイドローラ102は金型ロール2に対する芯体コード3の入り側に配設されている。ガイドローラ103は金型ロール1に対する芯体コード3の出側に配設され、ガイドローラ104は金型ロール3に対する芯体コード3の出側に配設されている。
【0019】
ガイドローラ101,102,103,104の表面には、図2に示すように、断面がV字状のV溝111が所定ピッチPで平行に配設されたものになっている。V溝111の角度αは好ましくは40〜60°の鋭角範囲であって、芯体コード3をV溝111の斜面に当ててピッチセンターで保持できる。
【0020】
このガイドローラ101,102,103,104は、モータ25を含むスライド機構105によって、回転自在に保持された状態で、金型ロール1,2の軸方向に一体となってスライド移動できる。ガイドプーリ16のスライド移動と、ガイドローラ101,102,103,104のスライド移動は、図5の制御装置7によるモータ14とモータ25との関連制御により、同じ速度で移動する同期的なものとなっている。
【0021】
スライド機構105は、ガイドローラ101,102,103,104に対する支持枠121と、支持枠121の全体を金型ロール1,2の軸方向に移動させるスライドレール122と、支持枠121に取り付けられたナット部125と、ナット部125に対するネジ軸126であってスライドレール122に平行に配設されたネジ軸126と、ネジ軸126を回転駆動するモータ25とからなる。モータ25が図5の制御装置7により回転駆動されると、ガイドローラ101,102,103,104が金型ロール1,2の軸方向にスライド移動する。図5の制御装置7によって、ガイドローラ101,102,103,104のスライド移動は、ガイドプーリ16のスライド移動と同じ速度となっている。
【0022】
この芯体コード巻き付け装置Aによる、芯体コード巻き付け工程を説明する。図3は、芯体コード3の巻き付け初期の状態を上面から見た図であり、図4は、芯体コード3の巻き付け状態を側面から見た図である。
【0023】
まず、準備工程として、金型ロール1,2の間に導入ロープ131が巻回され、導入ロープ131に芯体ロープ3が接続される。
図3において、金型ロール1,2の間であって軸方向の一端側に、導入ロープ131が巻回され、ジョイント132で固定される。この導入ロープ131はモノフィラメントのロープが使用される。この導入ロープ131の適所に、ジョイント133により撚り線式の芯体ロープ3の先端が固定される。
【0024】
ガイドプーリ11が、導入ロープ13に接続された芯体ロープ3を案内するように、金型ローラ1の表面に接近させたり押圧状態とされる。一方、ガイドローラ101,102,103,104の先端のV溝111が導入ロープ131とともに巻き掛けられる芯体コード3の最初の部分が掛かる位置にセットされる。
図示例では、ガイドローラ101,102,103,104の先端が一ピッチPの範囲内で僅かにずれているが、芯体コード3がV溝111の中心で案内される状態を明瞭に示すためであって、実際にずらさなくてもよい。その差は、溝111の一ピッチ内の僅かな距離、例えば1.43mmの範囲内であるからである。
【0025】
つぎに、金型ローラ1,2が回転駆動されると同時に、ガイドプーリ11が金型ローラ1,2の軸方向にスライド移動し、金型ローラ1,2の間に所定ピッチPで芯体ロープ3を螺旋状に配列させていく。
このガイドプーリ11のスライド移動と同時に、同じ移動速度となるように同期的に、ガイドローラ101,102,103,104が金型ローラ1,2の軸方向にスライド移動する。
ガイドプーリ11のスライド移動により金型ロール1に新たに巻き付けられる芯体ロープ3は、ガイドローラ101,102,103,104の先端側のV溝111に案内される。一列前の芯体ロープ3は、ガイドローラ101,102,103,104の一つ奥のV溝111に案内される。このとき、導入ロープ131はその途中にあるジョイント132,133によりV溝111を乗り越えることができ、一周の芯体ロープ3が形成されると同時に、導入ロープ131はV溝111を乗り越え、芯体ロープ3には新たなV溝111が供給される。
【0026】
このように、金型ロール1,2間に巻き掛けられる芯体ロープ3は、その配列状態がガイドローラ101,102,103,104のV溝111で案内されることにより、巻き掛けられた状態のまま維持される。そのため、整列状態の芯体コード3が、金型ローラ1,2の軸方向の一端側から他端側へと展開していくことになる。金型ローラ1,2上を軸方向に滑らせる芯体コード3の移動はなくなる。
【0027】
上述した実施形態の巻き付け方法及び巻き付け装置の効果を以下に説明する。
(1)芯体ロープ3が金型ロール1,2上でスライド移動するものではなく、ガイドローラ101,102,103,104がスライド移動して、金型ロール1,2上に巻き掛けられた芯体ロープ3の配列を維持する。そのため、金型ロール1,2上に芯体ロープ3を自然の状態で展開することができ、金型ロール1,2上で芯体ロープ3に余分な力が加わらず、金型ロール1,2の間の芯体ロープ3の所定ピッチPの配列が揃ったままで維持される。
【0028】
(2)芯体ロープ3が金型ロール1,2上でスライド移動させないため、金型ロール1,2を歯形のないフラットロールとすることができる。そのため、フラットロールにして、芯体ロープ3の内外に未加硫シートを張り付けることにより、歯形を付ける前の種々の形式のベルト(W/Dベルト、リブベルト、タイミングベルトなど)の製造に対応することができる。
【0029】
(3)また、金型ロール1,2をフラットロールにできるので、例えばその表面をウレタンロールとすることにより、カット工程まで同じ金型ロール1,2を使用することが可能になる。
【0030】
(4)ガイドローラ101,102,103,104は、軸方向にガイドプーリ11と同期的にスライド移動するものであり、軸方向に交差させ、その交差角度を調整するものに比べて、調整が楽に出来る。ガイドローラ101,102,103,104の軸方向のずれは最大でも一ピッチ内の僅かな距離に収まるため、金型ロール1,2の間に整列された芯体ロープ3を高精度に維持することができる。
【0031】
(4)配列ピッチPが異なる場合、ガイドローラ101,102,103,104を同じピッチPで溝を有するものに交換し、ガイドプーリ11とガイドローラ101,102,103,104をピッチPに合う速度で同期的にスライド移動させればよい。そのために、ガイドローラ101,102,103,104は、支持枠121に対して交換自在に取り付けられる、又は支持枠121毎交換自在となっているものが好ましい。
【0032】
(5)ガイドローラ101,102,103,104は、V溝111で形成されているため、芯体ロープ3の径のバラツキに左右されることなく、V溝111のセンターで案内される。
【0033】
(6)ガイドローラ101,102は、金型ロール1,2の入り側に接近して配設されているため、金型ロール1,2に対する芯体ロープ3の整列状態が確保される。また、金型ロール1,2の入り側だけでなく、出側にもガイドローラ103,104が配設されており、金型ロール1,2に対する芯体ロープ3の整列状態が更に確実になる。
【0034】
上述した実施形態の巻き付け方法及び巻き付け装置は、以下のように変更して実施することができる。
(1)金型ロール1,2は、フラットロールに限らず、円周方向の歯付きロールであってもよい。この場合でも、芯体ロープの整列状態を良好なものにすることができる。
【0035】
(2)ガイドローラ101,102,103,104のうち、金型ロール1,2の出側のガイドローラ103,104を省くことができる。整列状態が確保し易いため、金型ロール1,2の入り側のガイドローラ101,102だけでも十分機能する。
【0036】
(3)ガイドローラ101,102,103,104の溝111は、V溝が好ましいが、センターで芯体ロープ3を保持できる作用があるなら、U字溝、台形溝であってもよい。
【0037】
上述した芯体コード巻き付け装置は、伝動ベルト製造装置の一部として組み込まれている。この伝動ベルト製造装置AAを図1により説明する。
伝動ベルト製造装置AAは、前述した芯体コード整列供給手段aと、芯体コード案内手段aaとに加えて、一対のロール1,2間に上芯ゴムシート4を巻回する第1供給手段b(図6参照)、一対のロール1,2間にV芯ゴムベルト5を巻回する第2供給手段c(図7参照)、第2金型ロール2を主ロール1に対して遠近移動及び係止維持自在な調節機構d、一対のロール1,2間にて形成されたベルト体veを小幅に切断する切断手段g(図8参照)等を備えて構成されている。
【0038】
第1供給手段bは、一対の金型ロール1,2間に巻回された芯体コード3と第1金型ロール1との間に、未加硫の上芯ゴムシート(第1シート体の一例)4を供給するものであり、図6に示されるように、上芯ゴムシートロール18と、これから繰り出された上芯ゴムシート4を、第1金型ロール1の下端部に案内すべく一対の金型ロール1,2間に45度傾けて配置された回転自在な傾斜供給ローラ19とから構成されている。
【0039】
即ち、上芯ゴムシートロール18から繰り出された上芯ゴムシート4を、傾斜供給ローラ19によって90度向きを変え、既に形成されている側面視長円径で帯状の芯体コード3の下側部分3aにシート先端部4aを載せ付けると、回転駆動されている芯体コード3に引きずられて上芯ゴムシート4が第1金型ロール1方向に移動する。すると、図6(ロ)、(ハ)に示すように、第1金型ロール1の底部と芯体コード下側部分3aとの間にシート先端部4aが挟持された状態で引き込まれ、それによって芯体コード3の内側にて第1金型ロール1と第2金型ロール2間に巻回されるのである。
【0040】
ところで、上芯ゴムシート4は、予め芯体コード3の内側にて第1金型ロール1と第2金型ロール2間に丁度1回巻回される長さに切断されており、1回転すれば両シート端部4a,4aどうしが当接するように設定されている。尚、傾斜供給ローラ19を電動モータ等の駆動手段を用いて駆動回転型のものに構成しても良い。
【0041】
第2供給手段cは、上芯ゴムシート4が内側に巻回された状の芯体コード3の外周側に、未加硫のV芯ゴムシート(第2シート体の一例)5を供給するものであり、図7に示すように、V芯ゴムシートロール20と、第1金型ロール1の径方向で外方から第1金型ロール1に押圧付勢される押えローラ17とから構成されている。
【0042】
押えローラ17は、枠体9における上部9aに支持された下向きの電動シリンダ21の伸縮ロッド21a先端に回転自在に枢支されており、電動シリンダ21の伸縮作動によって押えローラ17の上下方向位置、及び押圧力を自在に設定できるようになっている。作用としては、図7に示されるように、V芯ゴムシートロール20から繰り出されたV芯ゴムシート5の先端部5aを、第1金型ロール1に巻回されている部分の芯体コード3と押えローラ17との間に供給することにより、それら両者3,17間に引き込まれ、それによって芯体コード3の外側にて第1金型ロール1と第2金型ロール2間に巻回されるのである。
【0043】
尚、図7に示すV芯ゴムシート5は、予め芯体コード3の外側にて第1金型ロール1と第2金型ロール2間に丁度1回巻回される長さに切断されており、1回転すれば両先端部5a,5a同士が当接するように設定されている。又、押えローラ17を第1金型ロール1に対して遠近移動させる手段としては、電動シリンダ21の他、油圧やエアによる流体圧シリンダ、或いは、揺動によって遠近できる機構等種々のものが可能である。
【0044】
調節機構dは、第2金型ロール2を回転自在に支承し、かつ、第2金型ロール2をベルト駆動する第2電動モータM2を支持する移動塔を軸直角方向(Y軸方向)にスライド移動自在とするものに構成されている。即ち、第1金型ロール1と第2金型ロール2との軸間距離wb(図1参照)を調節することができる。従って、調節機構dを作動させることで、作成しようとする伝動ベルトBの周長に適合するよう、第2金型ロール2をY軸方向に移動調節することができる。
【0045】
一対のロール1,2間にて形成されたベルト体veを小幅に切断する切断手段gは、芯体コード整列供給手段aを利用して設けてある。即ち、図1に示すように、切断手段gは、回転刃29と、これをベルト伝動によって駆動回転させる第3駆動モータ30と、これら回転刃29及び第3駆動モータ30を載置支持する中間台31と、この中間台31を移動台10に対してY軸方向に駆動スライド移動させる第2ネジ送り機構32とから構成されている。
【0046】
第2ネジ送り機構32は、一対のガイドレール33,33と、それらの間にてY軸方向に延びるネジ軸34と、ネジ軸34を駆動回転させる第4駆動モータ35とから構成されており、第4駆動モータ35の正逆駆動により、中間台31を、即ち、切断手段gを移動台10に対してY軸方向に移動させることができる。これにより、切断手段gを、その不使用時には第1金型ロール1から十分遠ざかった退避位置に移動させておき、必要時には第1金型ロール1に近づく方向に移動させ、図8に示すように、ベルト体veのみ切断できる作用位置に移動させるのである。
【0047】
次に、伝動ベルト製造装置AAによるラップドVベルトの製造工程について説明する。
▲1▼ 調節機構dを作動させて第2金型ロール2の位置を動かし、第1金型ロール1との軸間距離wbを所望の値に設定する軸間距離設定工程を行う。
【0048】
▲2▼ 芯体コード整列供給手段aを用いて、芯体コード3を、第1金型ロール1と第2金型ロール2との間にスパイラル状に巻回させる芯体コード巻回工程を行う(図3、図4参照)。
【0049】
▲3▼ 第1供給手段bを用いて、上芯ゴムシート4を帯状の芯体コード3と第1金型ロール1との間に引き込ませて、第1金型ロール1と第2金型ロール2との間に上芯ゴムシート4を巻回させる第1シート供給工程を行う(図6参照)。上芯ゴムシート4を1周させ、べベルカットし突合わせ重ねてジョイントする。このようなジョイントのやり方は公知に付き、図示説明は省略する。
【0050】
▲4▼ 第2供給手段cを用いて、V芯ゴムシート5を帯状の芯体コード3の外周側に重なるようにして、第1金型ロール1と第2金型ロール2との間に巻回させる第2シート供給工程を行う(図7参照)。上芯ゴムシート4の場合と同様に、V芯ゴムシート5を1周させ、べベルカットし突合わせ重ねてジョイントする。この第2シート供給工程の終了に伴う、上芯ゴムシート4、芯体コード3、V芯ゴムシート5の三層による所定幅で未加硫のベルト体veが作成される。
【0051】
▲5▼ 切断手段gを用いて、幅広のベルト体veをX軸方向の端から順次切断し、所定幅で複数の小割りベルトvcを作成するベルト分断工程を行う(図8参照)。分断された複数の小割りベルトvcは、一対のロール1,2から掛け外されて、仕掛かり台車に懸架され、次工程のスカイブ工程が行われる作業場へと搬出される。
【0052】
▲6▼ 図9に示すように、スカイブ工程では、内外が反転された小割りベルトvcにおけるV芯ゴムシート5部位が、V形断面にカットされる。そして、カバリング工程でゴム体カバーGが被覆される。これらの工程を経てから加硫工程に移行され、ラップドVベルトが完成するのである。尚、カバリング工程とは、V形断面カットされた未加硫の小割りベルトvcに、ゴム付き外皮帆布でカバーする工程のことである。又、加硫工程には、ポット加硫やプレス加硫等がある。
【0053】
〔別実施形態〕
《1》 第1金型ロール1と第2金型ロール2との間に芯体コード3をスパイラル状に巻回する芯体コード巻回工程の後に、先ず、芯体コード3の外周側にV芯ゴムシート5を巻き付ける第2シート供給工程を行い、それから、芯体コード3と各ロール1,2との間に上芯ゴムシート4を引込ませて巻回する第1シート供給工程を行うようにしても良い。
【0054】
《2》 本発明による伝動ベルト製造方法、並びに製造装置Aによって製造される伝動ベルトBとしては、タイミングベルト、ローエッジベルト、リブドベルト等、種々のものが可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による芯体コード巻き付け方法及びその装置によれば、ガイドプーリのスライド移動により、金型ロールの間に巻き付けられる芯体ロープの整列状態が、ガイドプーリと同期的にスライド移動する溝付きガイドローラで案内されるため、そのまま維持される。その結果、金型ロールの間の芯体ロープの整列状態が良好なものになる。また、ガイドプーリと同期的にスライド移動だけであるため、微調整の必要もなく、確実に芯体ロープの整列状態を保持できる。また、このガイドローラが、金型ロールの少なくとも入り側に接近して配設されるため、芯体ロープの案内が確実となる。また、ガイドローラが金型ロールに対する芯体コードの入り側と出側とに配設されており、金型ロールに対する芯体ロープの整列状態が確実になる。
【0056】
請求項2,4の構成によると、ガイドローラの溝がV溝であるため、溝のピッチセンターで芯体ロープが案内される。その結果、ガイドローラによる芯体ロープの整列状態が確実に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】芯体コード巻き付け装置の主要部を示す斜視図である。
【図2】ガイドローラの溝の断面を示す図である。
【図3】芯体コードの巻き付け状態を示す上面図である
【図4】芯体コードの巻き付け状態を示す側面図である。
【図5】芯体コード巻き付け装置の機器配置図である。
【図6】(イ)は第1シート供給工程を示す平面図、(ロ)、(ハ)は上芯ゴムシートがを主ロールと芯体コードとの間に引き込まれる作用図である
【図7】第2シート供給工程を示し、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である
【図8】ベルト分断工程を示す平面図である
【図9】小割りベルトの仕上げ工程を示す作用図である
【符号の説明】
1,2 金型ロール
3 芯体コード
11 ガイドプーリ
101,102,103,104 ガイドローラ
105 スライド機構
111 V溝(溝)
a 芯体コード整列供給手段
aa 芯体コード案内手段
b 第1供給手段
c 第2供給手段
ve ベルト体
vc 小割りベルト
Claims (4)
- 所定の間隔をあけて互いに平行に配設された一対の金型ロール間に、芯体コードを所定ピッチで螺旋状に巻き付ける芯体コード巻き付け方法であって、
回転駆動される前記金型ロールの一方の軸方向に沿ってスライド移動するガイドプーリを経て前記芯体コードを前記金型ロール間に所定ピッチの螺旋状に配列させると同時に、
前記金型ロール間であって、金型ロールに対する芯体コードの入り側と出側とに配設され、前記所定ピッチ間隔の溝を有するガイドローラに、配列された前記芯体コードを案内させ、これらのガイドローラを前記ガイドプーリと同期させて前記軸方向にスライド移動させることにより、これらのガイドローラで案内される前記芯体コードを前記金型ロールの軸方向の一端側から他端側へと展開させながら所定ピッチで整列させていく金型ロールへの芯体コード巻き付け方法。 - 前記ガイドローラの前記溝はV溝である請求項1に記載の金型ロールへの芯体コード巻き付け方法。
- 所定の間隔をあけて互いに平行に配設された一対の金型ロール間に、芯体コードを所定ピッチで螺旋状に巻き付ける金型ロールへの芯体コード巻き付け装置であって、
回転駆動される前記金型ロールの一方の軸方向に沿ってスライド移動しながら、前記芯体コードを前記金型ロール間に所定ピッチの螺旋状に配列させるガイドプーリと、
前記金型ロール間であって、金型ロールに対する芯体コードの入り側と出側とに配設され、前記所定ピッチ間隔の溝を有するガイドローラであって、配列された前記芯体コードを案内させ、これらのガイドローラを前記ガイドプーリと同期させて前記軸方向にスライド移動することにより、これらのガイドローラで案内される前記芯体コードを前記金型ロールの軸方向の一端側から他端側へと展開させながら所定ピッチで整列させていくガイドローラと、を備える金型ロールへの芯体コード巻き付け装置。 - 前記ガイドローラの前記溝はV溝である請求項3に記載の金型ロールへの芯体コード巻き付け装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002159778A JP3992542B2 (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 金型ロールへの芯体コード巻き付け方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002159778A JP3992542B2 (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 金型ロールへの芯体コード巻き付け方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004001281A JP2004001281A (ja) | 2004-01-08 |
JP3992542B2 true JP3992542B2 (ja) | 2007-10-17 |
Family
ID=30429421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002159778A Expired - Fee Related JP3992542B2 (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 金型ロールへの芯体コード巻き付け方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3992542B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005314850A (ja) * | 2004-04-30 | 2005-11-10 | Atsusato Kitamura | シームレスベルトの作製方法及び装置 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3803898B2 (ja) * | 1999-07-06 | 2006-08-02 | ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 | 伝動ベルトの芯線巻き付け装置 |
JP2001150564A (ja) * | 1999-11-29 | 2001-06-05 | Mitsuboshi Belting Ltd | 長尺無端歯付ベルトの製造装置と製造方法 |
JP2001205714A (ja) * | 2000-01-26 | 2001-07-31 | Bando Chem Ind Ltd | ベルト成形金型への芯体コード巻付け方法とその装置 |
JP2001232692A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-08-28 | Mitsuboshi Belting Ltd | 長尺無端歯付ベルトの製造方法および装置 |
JP4073781B2 (ja) * | 2001-12-28 | 2008-04-09 | 三ツ星ベルト株式会社 | 伝動ベルト製造方法、及び伝動ベルト製造装置 |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002159778A patent/JP3992542B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004001281A (ja) | 2004-01-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7201200B2 (en) | Device and method for applying a strip to a rotary surface | |
EP1785263B1 (en) | Device to apply rubber tape | |
KR100290324B1 (ko) | 타이어 제조방법과 타이어용 크라운 보강재 제조기 | |
US3418191A (en) | Apparatus for applying elastomeric material to a vehicle tire carcass | |
JP4637574B2 (ja) | 細帯体の方向転換機構を備えたタイヤ補強構造物の製造装置 | |
JP4073781B2 (ja) | 伝動ベルト製造方法、及び伝動ベルト製造装置 | |
JP2001526116A (ja) | スクリュー製造方法とその方法を実行するための装置 | |
EP1535727B1 (en) | Device and method for adhering tire component member | |
US4409059A (en) | Reinforced structures | |
US5567269A (en) | Tire bead making apparatus with two winding tension levels | |
JP3992542B2 (ja) | 金型ロールへの芯体コード巻き付け方法及びその装置 | |
JPH06312469A (ja) | 帯状ゴム引き布をタイヤメーキングドラムへ装着する方法と該方法を実施する装置 | |
JP2001205714A (ja) | ベルト成形金型への芯体コード巻付け方法とその装置 | |
WO2011007833A1 (ja) | タイヤ構成部材の製造装置及び製造方法 | |
JP2544117B2 (ja) | 細幅帯状体の供給装置 | |
EP1792713A2 (en) | Tire cord application station and method | |
KR100763024B1 (ko) | 케이블 레이드 글로멧 제조 장치 및 방법 | |
JPH0474178B2 (ja) | ||
JP2005096257A (ja) | 伝動ベルト製造方法 | |
JP4901441B2 (ja) | タイヤコード取付けヘッド用のコードの緊張および搬送機構ならびにコード取付け方法 | |
WO2010004869A1 (ja) | タイヤ補強部材の製造装置及び製造方法 | |
JP2007152950A (ja) | タイヤコードを取付ける二方向工具ヘッド | |
JP2004090369A (ja) | 金型ロールへの心線コード巻き付け方法及びその装置 | |
JP4316346B2 (ja) | 伝動ベルトの製造方法 | |
JP4348110B2 (ja) | コードプライの製造方法、及び製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060523 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060724 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070724 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070724 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3992542 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |