図1は本発明に係るプリントシステム1の全体構成図である。
図1に示すように、プリントシステム1は、ユーザ側データ処理装置5a,5b,5c、センター側データ処理装置4、及び複写機3a,3bが、それぞれ通信回線6によって結ばれることよって構成されている。ユーザ側データ処理装置5a,5b,5c及び複写機3a,3bの台数は任意であり、本実施形態の台数に限定されない。
ユーザ側データ処理装置5a,5b,5cは、例えばそれぞれ異なるユーザの自宅に設置され、センター側データ処理装置4は各ユーザから送信される各種データを集中的に管理するデータ管理センターに設置され、複写機3a,3bは、それぞれ異なる場所にあるコンビニエンスストアに設置される。また他の実施形態によるときは、ユーザ側データ処理装置5a,5b,5cは同じビル内の異なる部屋に設置され、センター側データ処理装置4及び複写機3a,3bはそれと同じビル内の部屋に設置される。ユーザ側データ処理装置5a,5b,5c、センター側データ処理装置4、及び複写機3a,3bの全部又は一部を同一の部屋に設置することも可能である。通信回線6は、例えば公衆のアナログ回線、デジタル回線、専用回線、又はLAN、WAN、インターネットなどのネットワークである。
プリントシステム1は、ユーザ側データ処理装置5a,5b,5cのいずれかにおいて、ユーザはプリント(印刷を含む)したい画像データを格納した画像ファイルを読み出し可能にセットし且つ必要な事項を入力し又は設定しておくことによって、複写機3a,3bのいずれかにおいてその画像ファイルの内容をプリントできるようにしたシステムである。
本実施形態において、画像ファイルとは、種々の形式又は圧縮形式の画像データを格納したファイル、及びデキストデータを格納したテキストファイルなどを総称したものである。複写機3a,3bは、それぞれイメージリーダ部及びプリンタ部を備えたデジタル式のカラー複写機であり、それらのプリンタ部を画像ファイルのプリントのために利用するものである。詳細は後述する。
なお、ユーザ側データ処理装置5a,5b,5c、及び複写機3a,3bは、それぞれ同様な構成及び機能を有するものであるので、以降においてはそれらのうちの1つについてのみ説明する。また、ユーザ側データ処理装置5a,5b,5c又は複写機3a,3bの全部又は一部を「ユーザ側データ処理装置5」「複写機3」と記載することがある。
図2はユーザ側データ処理装置5、センター側データ処理装置4、及び複写機3の構成を機能的に示すブロック図である。
図2において、ユーザ側データ処理装置5は、本体50、ディスプレイ51、キーボード52、及びマウス53から構成されている。ユーザ側データ処理装置5として、例えばパーソナルコンピュータ又はワークステーションなどが用いられ、適当なプログラムがインストールされる。
本体50には、ハードディスク54、フロッピーディスク用のドライブ装置55、CD−ROM用のドライブ装置56、ICカード用のスロット57、メモリ58、処理部59などが設けられている。
ドライブ装置55は、外部からセットされるフロッピーディスクである記憶媒体MM1に対してアクセスし、データの読み書きを行う。ドライブ装置56は、同じくCD−ROMである記憶媒体MM3に対してアクセスし、そのデータを読み込む。スロット57は、同じくICカードなどの記憶媒体MM2に対してデータの読み書きを行う。
ハードディスク54には、ユーザ側データ処理装置5における処理を行ってプリントシステム1を実現するためのプログラムAP、プリントを希望する画像ファイル(画像データ)DF、画像ファイルDFのプリントに必要な情報である画像プリント情報PD、その他のプログラム及びデータが格納される。これらのプリンタ又はデータの一部は、メモリ58に格納されることもある。また、ハードディスク54に格納されたプログラム及びデータは、適時、メインメモリにロードされる。
ディスプレイ51の画面に表示されるように、画像プリント情報PDは、画像ファイルDF、データコードDC、予約日時RD、出力場所PS、料金形態FM、IDコードUC、及びプリント条件PCなどからなる。ディスプレイ51の画面に表示された場合の画像ファイルDFとは、そのファイル名のことである。
これらの画像プリント情報PDは、ディスプレイ51の画面表示にしたがってユーザがキーボード52又はマウス53を操作することによって入力される。ユーザは、自分がプリントを希望する画像ファイルDFについて、上述の事項を入力する。その際に、複数の画像ファイルDFを入力することが可能である。つまり、複数の画像ファイルDFのプリントを1つの画像プリント情報PDによって指定することができる。データコードDCは、各画像ファイルDFに対してユーザが指定する。但し、IDコードUCは、ユーザが入力するのではなく、画像プリント情報PDをセンター側データ処理装置4に送信した後で、その返信としてセンター側データ処理装置4から送信される。データコードDC及びIDコードUCの詳細については後述する。
画像プリント情報PDのうちIDコードUCを除く情報は、ユーザ側データ処理装置5において入力されるとハードディスク54又はメモリ58に格納され、その後、通信回線6を介してセンター側データ処理装置4に送信される。なお、本明細書において、「画像プリント情報PD」と記載した場合には、画像プリント情報PDを構成する総ての情報を指す場合もあり、そのうちの一部の情報、特にIDコードUCを除いた情報を指す場合もある。
ユーザ側データ処理装置5においては、電子マネー又は電子バンキングなどの電子的方法によって、画像ファイルDFのプリントのための料金を送金し又は決裁することが可能である。
処理部59において、ハードディスク54に格納されたプログラムAPが実行され、後述する種々の処理が行われる。
センター側データ処理装置4は、ユーザ側データ処理装置5と同様に例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどからなる。その本体に設けられたハードディスク又はメモリなどの記憶装置41には、センター側データ処理装置4における処理を行ってプリントシステム1を実現するためのプログラムBP、ユーザ側データ処理装置5から送信された画像プリント情報PD、センター側データ処理装置4において生成したIDコードUCなどが格納される。
処理部49において、プログラムBPが実行され、複写機3に対して画像プリント情報PDを送信し、また複写機3から送信されるデータコードDC及びIDコードUCと記憶装置41に格納したそれらとの比較を行うなど、後述する種々の処理を行う。
複写機3は、デジタル式のカラー複写機であり、原稿の画像を読み取ってその原稿の画像と同じ画像を再現するコピー装置としての機能と、センター側データ処理装置4などのような外部機器から出力される画像ファイル(画像データ)を受信してその画像ファイルの内容である画像を再現するプリンタ装置としての機能とを合わせて備えている。したがって、複写機3には、通信回線6と接続するためのインタフェース及び通信制御装置などが備えられている。
複写機3には、操作パネル18、制御部100、及び記憶媒体読取り装置39などが設けられている。制御部100には、ハードディスク又は半導体メモリなどからなるメモリ131が設けられている。メモリ131には、プリンタを制御するためのプログラムCP、操作パネル18から入力され又は記憶媒体読取り装置39によって記憶媒体MM1,2から読み取られたデータコードDC及びIDコードUC、並びにセンター側データ処理装置4から送信された画像ファイルDF及び画像プリント情報PDの一部などが格納される。
なお、記憶媒体読取り装置39は、記憶媒体MM1,2などをセットすることによって、そこに記録されているデータコードDC及びIDコードUCを読み取って入力する。詳細は後述する。
図3は本発明に係る複写機3の全体の構成を示す図、図4は複写機3の原稿押さえ19を開いた状態でイメージリーダ部10を上方から見た図、図5は操作パネル18を示す図、図6はベンダーパネル220を示す図、図7は制御部100の構成を示すブロック図である。
図3において、複写機3は、原稿の画像を読み取るイメージリーダ部10、イメージリーダ部10で読み取った画像、又は外部機器から出力された画像ファイルの画像信号を受信してこの画像ファイルに対応する画像を再現するプリンタ部20、及びプリント料金の支払いに用いられるベンダー装置200から構成される。
イメージリーダ部10には、スキャナ部11、原稿ガラス板16、原稿押さえ19、及び操作パネル18などが設けられる。操作パネル18は、イメージリーダ部10の前面又は上面などに設けられる。
スキャナ部11は、原稿を照射する露光ランプ12、原稿からの反射光を集光するロッドレンズアレイ13、及びロッドレンズアレイ13によって集光された光を電気信号に変換する密着型のCCDカラーイメージセンサ(以下「CCDセンサ」という)14を備えている。
図4によく示されるように、原稿押さえ19は、その一辺を軸として上下方向に開閉可能である。原稿押さえ19が閉じられると、スキャン時に原稿ガラス板16上に載置された原稿が動かないように固定されるとともに、露光ランプ12の光が外部に逃げないようになる。
スキャナ部11には、図4の矢印M2の方向(副走査方向)と直交する方向に沿って、原稿ガラス板16の幅にほぼ等しい長さを有する露光ランプ12及びCCDセンサ14などが互いに平行に設けられている。また、原稿ガラス板16の左側には、シェーディング補正に使用される白基準板17が設けられている。
図3に戻って、原稿の読み取り時において、スキャナ部11は、モータ15により駆動されて図3における矢印M1の方向に移動する。このとき、原稿ガラス板16上に載置された1枚の原稿に対して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色に対応して合計4回のスキャンが行われる。CCDセンサ14には、図示しない赤(R)、緑(G)、青(B)のフィルターが設けられており、1回のスキャンで同時に3色の読取りを行う。
スキャナ部11の露光ランプ12で照射された原稿面の画像は、CCDセンサ14において光電変換され、赤(R)、緑(G)、青(B)の多値電気信号として制御部100に取り込まれる。なお、複写機3がプリンタ装置として使用される場合には、外部機器から送信された画像ファイルDFの信号が、赤(R)、緑(G)、青(B)の多値電気信号として制御部100に取り込まれる。
プリンタ部20において、制御部100に取り込まれた赤(R)、緑(G)、青(B)の多値電気信号は、最適な再現画像が得られるように、画像信号処理部120(図7参照)においてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各濃度データに変換される。
これらの各濃度データは、同じく制御部100のプリンタ制御部130(図7参照)において、感光体の階調特性に応じた捕正(γ補正)やディザ処理が施されて、レーザーダイオードを内蔵するプリントへッド部21に出力制御信号として出力される。プリントへッド部21は、当該出力制御信号に基づいて各濃度データに応じた強度のレーザ光を発し、各再現色ごとに感光体ドラム22の表面を露光する。
感光体ドラム22の表面は、上述した露光を受ける前にクリーナ23によって残留トナーを除去され、さらにイレーサランプ24によって照射され除電された後、帯電チャージャ25により一様に帯電される。感光体ドラム22の表面が一様に帯電された状態で露光を受けると、感光体ドラム22の表面の感光体に静電潜像が形成される。
トナー現像部26は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のトナー現像器26a〜26dを備えている。トナー現像部26は、感光体ドラム22の回転に同期して図示しない昇降装置により上下駆動され、トナー現像器26a〜26dのうち静電潜像が形成された色成分のものが選択され、感光体ドラム22の表面上の静電潜像を現像する。
各用紙カセット32,33には、それぞれ光電センサなどからなる用紙サイズ検出センサ37,38が設けられている。用紙サイズ検出センサ37,38の検出信号に基づいて、ユーザの指示又はプリンタ制御部130から送信された指示に対応したサイズのプリント用の用紙が用紙カセット32、33から供給される。用紙カセット32、33から供給された用紙は、その先端が転写ドラム28上のチャッキング機構34により把持され且つ吸着用チャージャ35により静電的に吸着され、位置ずれが生じない状態で転写ドラム28に巻き取られる。感光体ドラム22の表面上に現像された像は、転写チャージャ27によって、転写ドラム28に巻き付いた用紙に転写される。
このような印字行程は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色について繰り返して行われ、総ての色について印字が終了すると、分離爪29が作動し、用紙は転写ドラム28の表面から分離される。
用紙に転写されたトナー像は、触れるとすぐに剥がれる不安定な状態であるので、定着装置30において用紙を加熱しながら押圧することによりトナーを用紙の繊維の間に固定させて定着させる。その後、排紙トレー31上に排出する。
図5において、操作パネル18には、テンキー181、プリントの可否を示す表示部182、用紙サイズを示す表示部183、用紙のサイズを選択する用紙選択キー184、コピー枚数又はプリント枚数を示す表示部185、コピー又はプリントの開始を指示するスタートキー186、データコード及びIDコードを入力するモードであることを示す表示部187、及びコード入力キー188が設けられている。
テンキー181は、複写機3をコピー装置として使用する場合にはコピー枚数を入力するために用いられ、プリンタ装置として使用する場合には、ユーザのコードであるデータコード及びIDコードを入力するために用いられる。コード入力キー188は、データコード及びIDコードを入力するモードを設定し又は解除するために用いられる。
表示用部187が消灯している状態においては、複写機3はコピー装置として使用可能である。表示部187が点灯している状態においては、複写機3はプリンタ装置として使用可能であり、テンキー181から入力されたコードはデータコードとしてメモリ131に記憶される。また、データコードを入力し終わると表示部187は点滅状態となり、テンキー181から入力されるコードはIDコードとしてメモリ131に記憶される。
図3に戻って、べンダー装置200には、ベンダー制御部210及びベンダーパネル220が設けられている。
ベンダー制御部210は、べンダー装置200の動作を制御するものであり、複写機3の制御部100に接続されている。ベンダーパネル220は、図6に示すように、ユーザがプリント料金の支払いのためにコインを投入するコイン投入口222、及び投入されたコインの残金を表示する表示部221を備える。
次に、制御部100について説明する。
図7において、制御部100は、イメージリーダ制御部110、画像信号処理部120、プリンタ制御部130、及び時計IC140から構成される。
イメージリーダ制御部110は、原稿読み取り時におけるイメージリーダ部10の各動作を制御する。つまり、CCDセンサ14を駆動し、露光ランプ12のON/OFFの切替えを制御し、モータ15を駆動してスキャナ部11のスキャン動作を制御する。
画像信号処理部120は、スキャナ部11のCCDセンサ14から送られた赤(R),緑(G),青(B)の画像信号を処理して、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),黒(K)の再現色の画像データに変換し、最適な再現画像が得られるようにする。
プリンタ制御部130は、プリンタ部20の各部の動作を制御するものであって、画像信号処理部120から出力された画像データについて、γ補正を行い、さらに階調表現法として多値化ディザ法を用いる場合にはディザ処理を施して、プリントへッド部21の出力を制御し、また、用紙カセット32、33からの給紙動作、感光体ドラム22や転写ドラム28の回転動作、トナー現像器26の上下動、及び各チャージャへの電荷の供給などの各動作を同期をとりながら統一的に制御する。
次に、画像プリント情報PDについて説明する。
図8はセンター側データ処理装置4の記憶装置41に格納された画像プリント情報PD1の構成の例を示す図、図9はデータコードDC、IDコードUC、及びプリント条件PCの関係を説明するための図である。
図8に示すように、画像プリント情報PD1として、データコードDC、受信日時JT、送信日時ST、予約日時RD、料金形態FM、画像ファイルDF、予約有無RI、消去残時間ET、IDコードUC、及びプリント条件PCが含まれている。
データコードDCは、各ユーザがそれぞれの画像ファイルDFを識別するためのものである。データコードDCとして、通常、ユーザが、自分の管理する各画像ファイルDFに対して、自身が覚えやすく且つユニークなコードを付与する。したがって、ユーザが自身で管理する画像ファイルDFについては、画像ファイルDFが異なるとデータコードDCも異なるが、他のユーザのデータコードDCとの関係では、画像ファイルDFの異同に係わらず同じデータコードDCが付与される可能性がある。データコードDCとして、一般的には英数字が用いられるが、漢字、平仮名、片仮名を用いることも可能である。本実施形態においては、テンキー181からの入力が可能なように数字のみを用いることとなっている。なお、データコードDCは、画像ファイルDFのファイル名と同じであってもよい。したがって、データコードDCに代えてファイル名を用いることも可能である。データコードを「ユーザコード」と呼称することもある。
データコードDCは、他のユーザに知られても構わないデータである。複写機3においてデータコードDCのリストを表示した場合には、各ユーザは、表示されたリストの中からプリントしたい自分のデータコードDCを容易に選択することが可能である。なお、その場合に、実際にプリントを行うためには、データコードDCとともに、次に説明するIDコードUCを入力する必要がある。
IDコードUCは、各ユーザ毎に割り当てられるコードであり、他のユーザには知られてはいけないコードである。本実施形態においては、画像プリント情報PDがセンター側データ処理装置4に送信される度毎に、それを1人のユーザとみなし、送信された1つの画像プリント情報PDに対して1つのIDコードUCを割り当てるようになっている。なお、1つの画像ファイルDFを1つのユーザとみなすことも可能である。
すなわち、画像プリント情報PDがユーザ側データ処理装置5からセンター側データ処理装置4に送信されたときに、センター側データ処理装置4において、1つの画像プリント情報PDに対して1つのIDコードUCが自動的に生成される。生成されたIDコードUCは、センター側データ処理装置4において画像プリント情報PDの一部として記憶され、且つユーザ側データ処理装置5へ返信される。
1つの画像プリント情報PDには、1つ又は複数のデータコードDC、つまりプリントを希望する1つ又は複数の画像ファイルDFが含まれるが、複数のデータコードDC(画像ファイルDF)が含まれた場合であっても、1つの画像プリント情報PDに対しては1つのIDコードUCが対応する。
ユーザは、自分の指定した画像プリント情報PDに対して得たIDコードUCを、複写機3において入力することによって、その画像プリント情報PDにより指定した画像ファイルDFのプリントを複写機3に行わせることができるのである。つまり、IDコードUCは、自分の指定した画像ファイルDFを他人にプリントさせないようセキュリティを保持するための機能を有する。
IDコードUCとして、英数字、漢字、平仮名、片仮名などを用いることが可能であるが、本実施形態においては、テンキー181からの入力が可能なように数字のみを用いることとなっている。
図9に示すように、1つの画像プリント情報PDによって「A」「B」「C」の3つの画像ファイルDFを指定した場合に、それに対応して1つのIDコードUC「1234」が生成され、生成されたIDコードUCがそのユーザに割り当てられる。この場合には、データコードDC「111」「222」「333」のいずれに対しても、同じIDコードUC「1234」が対応する。
ユーザは、自分の入力したデータコードDCと、それに対応するIDコードUCを覚えておく必要がある。そのためには、ディスプレイ51の画面に表示されたそれらをメモしておいてもよいのであるが、本実施形態においては、それらを記憶媒体MM1,2に記録することが可能である。しかも、記録した記憶媒体MM1,2を複写機3の記憶媒体読取り装置39にセットし、データコードDC及びIDコードUCを記憶媒体MM1,2から直接的に複写機3に入力することができる。
したがって、データコードDC及びIDコードUCを自分で覚えたりメモする手間が省け、また複写機3において入力のために操作パネル18を操作する手間が省けるとともに、記憶違いや入力ミスによる間違いを防止し、データコードDC及びIDコードUCを常に正確に入力することができる。
プリント条件PCは、ユーザが画像ファイルDFを複写機3で再現する際に印刷物に対して要求する種々のプリント形態の条件である。
図10はプリント条件PCの各項目を示す図である。図10に示されるようにプリント条件PCは、プリント枚数、出力色(モノクロ/カラー)、両面出力(両面/片面)、ステープル(有り/無し)、パンチ(有り/無し)、用紙サイズ、及び画質などの項目からなる。
これらの各項目は、それぞれユーザ側データ処理装置において各ユーザによって希望の値又は形態に設定され、パターン「a」〜「f」などとして記憶される。このプリント条件PCのパターンは、プリントを希望する画像ファイルDFに対して、ユーザによって割り当てられる。例えば、図9に示される例においては、「A」という画像ファイルはパターン「a」のプリント条件で、また、「F」という画像ファイルはパターン「f」のプリント条件でそれぞれプリントされることになる。
プリント条件PCが設定され、画像ファイルDFへの割当てがなされると、そのプリント条件PCによる画像ファイルDFのプリント料金PFがセンター側データ処理装置4又は複写機3によって計算され、ユーザ側データ処理装置5におけるディスプレイ51に表示される。
このように、ユーザはユーザ側データ処理装置5においてプリント条件PCの設定を行うことができるため、複写機3において、マニュアル操作によってプリント条件PCの設定をする必要がない。したがって、複写機3のマニュアル操作に不慣れなユーザであっても、各操作又は操作ミスによる時間のロスを防ぐことができる。
また、ユーザは複写機3においてプリントが実行される前に予めプリント料金PFを知ることができるので、プリント料金PFが高すぎた場合にプリント条件PCを変更することも可能である。更に、複写機3の設置場所でプリント料金PFを支払う場合に、支払いのための金額が足りなくなるようなことを防ぐこともできる。
図8に戻って、受信日時JTは、センター側データ処理装置4が画像プリント情報PDを受信した日時であり、年月日時分がセンター側データ処理装置4の内部時計によって自動的に記録される。送信日時STは、画像ファイルDFを複写機3に送信した日時(年月日時分)である。予約日時RDは、ユーザがプリントを実行する日時を指定した場合のその日時(年月日時分)である。但し、予約日時RDとして年月日のみが指定され、時分が指定されなかった場合には、夜間プリントが指示されたものと見なされる。
料金形態FMは、プリント料金PFの支払形態を指定するものであり、「前払い」「後払い」「振込み済み」などが記録される。「前払い」又は「振込み済み」とは、ユーザ側データ処理装置5からセンター側データ処理装置4に対して画像プリント情報PDを送信する際に、そのプリントに要する費用を予め支払った旨を示す。そのような料金の支払い方法として、電子マネー、電子バンキング、電子決裁などと呼称されるデータ通信による種々の支払い方法、又は予め開設した銀行口座からの引き落としなどによる支払い方法などが採用可能である。「前払い」とした場合には、例えば画像プリント情報PDがセンター側データ処理装置4に送信されそれに対してIDコードUCが付与された時点で、当該プリントに対する料金が予納額から引き落とされる。当該画像ファイルDFのプリントのためにそれを指定して送金した場合には、例えば「振込み済み」とする。
このように前払い又は振込み済みとすることにより、ユーザにとっては、センター側データ処理装置4における当該画像プリント情報PDの保持時間が延長されるという利点がある。したがって、ユーザは、複写機3におけるプリントの実行が遅くなるかもしれない場合に、前払い又は振込み済みとして料金を先に支払っておくことが、再度の画像プリント情報PDの送信の手間を避けるために望ましい。また、「後払い」とは、複写機3において実際にプリントを実行させる際に、例えばコイン投入口222にコインを投入して支払うことを示す。
画像ファイルDFは、画像ファイルDFの内容としての画像データである。しかし、一般に画像データは他のデータと比較してデータ量が極めて多いので、ここにはファイル名のみを記録し、実データは別に保持するようにしてもよい。画像ファイルDFが消去された場合には「消去済み」と記録される。予約有無RIは、「有り」「無し」などのように、予約日時RDの記録に応じて記録される。消去残時間ETは、記憶装置41に格納された各画像プリント情報PDを消去するまでの残り時間(時分)を示する。
次にプリントシステム1の処理についてシーケンス図を参照しつつ説明する。 図11はプリントシステム1の第1の実施形態における処理を示すシーケンス図である。なお、図11に示すシーケンス図は、プリント料金PFの算出及び表示に関連する処理のみを示すものであり、他の処理又は操作については図14に例を示す。
図11において、まず、ユーザはユーザ側データ処理装置5を操作し、プリントを希望する画像ファイルDF及びプリント条件PCを含む画像プリント情報PDをセンター側データ処理装置4に送信する(S21)。これによって、センター側データ処理装置4に対してプリントの依頼がなされる。
センター側データ処理装置4は、画像プリント情報PDを受信すると、複写機3に対して画像ファイルDF及びプリント条件PCを送信する(S22,S23)。
複写機3では、画像ファイルDFをプリント条件PCに基づいてプリントの実行に対応するプリント料金PFが算出される。算出されたプリント料金PFは、複写機3からセンター側データ処理装置4に送信され(S24)、更にセンター側データ処理装置4からユーザ側データ処理装置5に送信されてディスプレイ51に表示される(S25)。
プリント料金PFがディスプレイ51に表示され、ユーザがその料金でよいと判断したら、ユーザは複写機3の設置場所に出向き、画像ファイルDFの印刷物を得る。ユーザが画像ファイルDFの印刷物を得るまでの具体的な処理については、図14におけるシーケンス図に基づいて後述する。
もし、複写機3が機能不足等の理由によりユーザが設定したプリント条件PCのとおりにプリントできない場合にはプリント料金PFは算出されず、出力不可情報NPが複写機3からセンター側データ処理装置4に送信される(S27)。 また、センター側データ処理装置4からユーザ側データ処理装置5に対して、プリンタ情報PIが送信されてディスプレイ51に表示される(S26)。プリンタ情報PIは、画像ファイルDFをプリント条件PCに基づいてプリントすることが可能な複写機3について、その複写機3の性能の詳細及びその複写機3でプリントを行う際のプリント料金PFの情報を提供する。
図13はプリンタ情報PIの内容を示す図である。図13に示されるようにプリンタ情報PIには、図10に示されたプリント条件PCの各項目における設定可能な範囲及び形態に加えて、単価、マシン名称、及び各複写機3の設置場所等が含まれている。
ユーザはプリンタ情報PIの中から希望のプリント条件PCを満足する複写機3を選択することによって、希望のプリント条件PCでの印刷物を得ることができる。
図12はプリントシステム1の第2の実施形態における処理を示すシーケンス図である。
第1の実施形態と同様に、ユーザはユーザ側データ処理装置5を操作し、プリントを希望する画像ファイルDF及びプリント条件PCを含む画像プリント情報PDをセンター側データ処理装置4に送信する(S31)。
センター側データ処理装置4において、画像ファイルDFをプリント条件PCに基づいてプリントの実行に対応するプリント料金PFが算出される。算出されたプリント料金PFは、センター側データ処理装置4からユーザ側データ処理装置5に送信されてディスプレイ51に表示される(S32)。
なお、センター側データ処理装置4に結ばれた多数台の複写機3の中からユーザが希望したプリント条件PCのとおりにプリントすることの可能な複写機3をセンター側データ処理装置4の処理によって検索し、検索された複写機3のみについてのプリント料金PFをディスプレイ51に表示させることも可能である。この場合には、ユーザは最も料金の安い複写機3を選択することができる。
次に、ユーザが複写機3において、画像ファイルDFの印刷物を得るまでの具体的な処理について説明する。
図14は、ユーザがユーザ側データ処理装置5からプリントを希望する画像ファイルDFを設定し、複写機3において画像ファイルDFの印刷物を得るまでの処理及び操作を示すシーケンス図である。なお、図14に示すシーケンスは、図11及び図12に示すシーケンス図において省略した部分、特にプリントを実行する処理又は操作の例を示すものであり、第1及び第2の実施形態の両方に対して適用可能である。
まず、ユーザはユーザ側データ処理装置5を操作し、プリントを希望する画像画像プリント情報PDを、センター側データ処理装置4に送信する(S1)。これによって、センター側データ処理装置4に対してプリントの依頼がなされる。なお、このときに、プリントの料金を電子的にセンター側データ処理装置4に対して送金し又は決裁することも可能である。
センター側データ処理装置4において、画像プリント情報PDを受信すると、各ユーザ毎に、つまり各画像プリント情報PD毎に、それぞれ異なるIDコードUCを生成し、生成した各IDコードUCを対応するユーザ側データ処理装置5に送信する(S2)。ユーザ側データ処理装置5において、受信したIDコードUCはディスプレイ51の画面に表示される。ユーザは、受信したIDコードUCを、記憶媒体MM1,2に記録する。記憶媒体MM1,2がない場合には、ユーザは画面に表示されたIDコードUCを覚えておく。
センター側データ処理装置4では、IDコードUCの送信を行うとともに、対象となる複写機3に対して、画像ファイルDFを保持していることを示す情報(画像保持情報)をデータコードDCとともに送信する。その際に、予約日時RD及び料金形態FMの情報をも送信する(S3)。送信された情報は、複写機3のメモリ131に格納される。
これと同時に、受信した画像プリント情報PDの一式を消去するタイミングを得るための時間カウント(計時)を開始する(S4)。この時間カウントが終了すると、そのIDコードUCに対応する画像ファイルDFを消去し、対象の複写機3に対してデータコードDC及び画像ファイルDFを破棄したことを示す情報を送信する(S13)。
ユーザは、ユーザ側データ処理装置5から画像プリント情報PDを送信した後、それに対応して受信したIDコードUCを記録した記憶媒体MM1,2を持って、指定した場所、例えば指定した複写機3のあるコンビニエンスストアに出向く。
そこの複写機3において、ユーザは操作パネル18を操作し、且つ記憶媒体MM1,2を記憶媒体読取り装置39にセットし、ユーザコードであるデータコードDC及びIDコードUCを入力する(S5)。記憶媒体MM1,2がない場合には、操作パネル18からそれらを入力する。
ユーザコードが入力されると、複写機3において、入力されたデータコードDCが、メモリ131に格納されているデータコードDCの中に存在するか否かを照合し又はチェックし、存在する場合には、センター側データ処理装置4に対して、画像ファイルDFを要求する情報(画像要求)をIDコードUCとともに送信する(S6)。
センター側データ処理装置4は、画像要求を受信すると、受信したIDコードUCと記憶装置41に記憶したIDコードUCとを照合し、それらが一致しているか否かをチェックする(S8)。それらのIDコードUC及び対応するデータコードDCが一致していれば、それに対応する画像ファイルDF、料金の振込みが完了しているか否かの情報、及びデータコードDCを、複写機3に送信する(S7)。
つまり、先にユーザ側データ処理装置5に送信したIDコードUCとユーザにより複写機3において入力されたIDコードUCとが一致する場合にはプリント可能であるが、一致しない場合にはプリントすることができない。これによって、誤った画像ファイルDFのプリント、及び他人による画像ファイルDFの無断プリントなどが防止される。
ユーザが操作パネル18のスタートキー186を押すことにより、複写機3は指定した画像ファイルDFのプリントを開始する(S9)。なお、ユーザは、予め所定の口座に料金の振込みを行っておくか、又はベンダー装置200のコイン投入口222にコインを投入するなどの方法で料金を支払う必要がある。
複写機3においてプリントが正常に終了すると(S11)、複写機3からセンター側データ処理装置4に対し、データ消去指示情報をデータコードDCとともに送信する(S12)。センター側データ処理装置4において、データ消去指示情報を受信すると、そのデータコードDCに対応する画像プリント情報PDを記憶装置41から消去する。これによって、記憶装置41の利用率が向上する。
また、複写機3でのプリント中に用紙不足などによってプリントが中断された場合には、複写機3からセンター側データ処理装置4にデータ保持指示情報を送信する(S10)。センター側データ処理装置4において、データ保持指示情報を受信すると、それに対応する画像プリント情報PDを消去するための時間カウントを一時停止するか、又はカウント時間を延長する。
また、複写機3において画像ファイルDFのプリントが行われない場合であっても、センター側データ処理装置4の記憶装置41に記憶された画像プリント情報PDは、時間カウントが終了したときに強制的に消去される。
ところで、夜間は複写機3の利用者が少なく空いており、しかも電気料金が安いので、夜間を狙ってプリントを行う場合がある。予約日時RDとして夜間が指定されていたり、また時刻の指定がない場合には、夜間に入ったときに自動プリント指示が行われる(S14)。
自動プリント指示が行われると、センター側データ処理装置4から複写機3に対し、自動プリント指示情報をデータコードDC及び画像ファイルDFとともに送信する(S15)。複写機3は、自動プリント指示情報を受信すると、その画像ファイルDFのプリントを実行する。その際に、プリントを行った画像にデータコードDCなどの情報を自動的に付加しても良い。この場合に、プリントされた用紙は、後日、該当ユーザに料金と引き替えに渡す。料金が振込み済みの場合であれば、ユーザがデータコードDC及びIDコードUCを提示することによって入手することができる。
次に、プリントシステム1の第1の実施形態及び第2の実施形態における各部の処理動作をフローチャートに基づいて説明する。
図15はセンター側データ処理装置4における全体的な処理を示すフローチャートである。図15において、センター側データ処理装置4では、ユーザ側データ処理装置5及び複写機3からのデータの受信処理(#200)、及び、画像ファイルDFをプリント条件PCに基づいてプリントする際の料金を計算する料金データ処理(#220)が行われる。これらの処理は、センター側データ処理装置4の記憶装置41に格納されたプログラムBPの実行により行われる。
図16は受信処理の内容を示すフローチャートである。
図16において、受信処理では、ユーザ側データ処理装置5から画像プリント情報PDを受信すると(#202でイエス)、受信した画像プリント情報PDを受信日時JTとともに記憶し、IDコードUCを生成してユーザ側データ処理装置5に送信する(#204)。そして、複写機3に対し、画像ファイルDFを保持したことを示す画像保持情報をデータコードDCとともに送信する(#206)。これによって、複写機3において、受信したデータコードDCをメモリ131に記録する。また、同時に、記憶した画像プリント情報PDを消去するタイミングを得るためのタイマーTM(N)をユーザ毎にセットし、計時を開始する(#208)。
複写機3からの画像ファイルDFの要求がある場合には(#210でイエス)、要求に係るIDコードUCと同じIDコードUCが記憶装置41に格納されているか否かをチェックし(#212)、一致するものがあれば、それに対応する画像ファイルDFと料金振込み情報をデータコードDCとともに複写機3に送信する(#214)。
図17は第1の実施形態における料金データ処理の内容を示すフローチャートである。
図17において、第1の実施形態における料金データ処理では、ユーザ側データ処理装置5から画像ファイルDF及びプリント条件PCの含まれた画像プリント情報PDを受信すると(#226でイエス)、受信した画像ファイルDFを複写機3に送信する(#227)。次に、プリント条件PCを複写機3に送信する(#228)。複写機3で計算されたプリント料金PFを受信すると(#229でイエス)、プリント料金PFをユーザ側データ処理装置5に送信し(#230)、複写機3から受信したプリンタ情報PIをユーザ側データ処理装置5に送信する(#232)。
図18は第2の実施形態における料金データ処理の内容を示すフローチャートである。
図18において、ユーザ側データ処理装置5から画像ファイルDF及びプリント条件PCの含まれた画像プリント情報PDを受信すると(#242でイエス)、料金計算処理を行い(#244)、計算結果をユーザ側データ処理装置5に送信する(#246)。プリント条件PCに基づいたプリントの可能な全ての複写機についての料金計算処理が終了したら(#248でイエス)、本ルーチンを終了する。
図19は図18のステップ#244の料金計算処理の内容を示すフローチャートである。
図19において、まず、プリント料金PFの合計金額を0に初期化し(#252)、1枚あたりのプリント料金PFであるプリント単価を0に初期化する(#254)。次に、ユーザの指定したプリント条件PCに基づいて、用紙サイズによる単価の計算であるサイズ単価処理を行い(#256)、次に、用紙種類による単価の計算である用紙種類処理を行い(#258)、次に、出力色による用紙の単価の計算である出力色処理を行い(#260)、これらを合計してプリント料金PFを計算する(#262)。全画像ファイルDFについてプリント料金PFの計算が終了したら(#264でイエス)、本ルーチンを終了する。
図20は図19のステップ#256のサイズ単価処理の内容を示すフローチャート、図21は図19のステップ#258の用紙種類処理の内容を示すフローチャート、図22は図19のステップ#260の出力色処理の内容を示すフローチャートである。
図20において、ユーザが指定した用紙のサイズがA3サイズであれば(#272でイエス)、プリント単価を例えば20円に設定する(#277)。ユーザが指定した用紙のサイズがA4サイズ、B4サイズ、又はB5サイズであれば(#273〜275のいずれかでイエス)、プリント単価を例えば10円に設定する(#278)。ユーザが指定した用紙のサイズがこれらのサイズのいずれにも該当しない場合には(#272〜275のいずれにおいてもノー)、出力不可情報を設定する(#276)。
図21において、ユーザが指定した用紙の種類が普通紙であれば(#282でイエス)、本ルーチンを終了する。厚紙であれば(#284でイエス)、プリント単価に例えば20円を加算する(#286)。色紙であれば(#285でイエス)、プリント単価に例えば10円を加算する(#287)。ユーザが指定した用紙の種類がこれらのいずれでもない場合には(#282〜285のすべてにおいてノー)、出力不可情報NPを設定する(#288)。
図22において、ユーザが指定した出力色がモノクロであれば(#292でイエス)、本ルーチンを終了する。モノカラーであれば(#294でイエス)、プリント単価に例えば20円を加算する(#296)。いずれでもない場合には(#292及び#294においてノー)、プリント単価に例えば40円を加算する(#298)。
図23は第1の実施形態における複写機3の全体的な処理を示すフローチャートである。なお、図23においてステップ#720の「コピー料金処理」を除いたものが第2の実施形態における複写機3の全体的な処理を示すフローチャートとなる。
図23において、複写機3に通電すると、まず、このルーチンの1ルーチン分の時間を規定するタイマーを設定する初期設定が行われる(#500)。そして、センター側データ処理装置4に画像ファイルDFを要求する画像要求処理(#600)、受信した画像ファイルDFなどを破棄するデータ消去処理(#700)、画像ファイルDFをプリントする際の料金を計算するコピー料金処理(#720)、センター側データ処理装置4からの画像ファイルDFの受信と受信した画像ファイルDFのプリントを行うプリント処理(#800)、その他の処理(#900)を順次行い、一定時間を計時したときに(#999でイエス)ステップ#600に戻る。
図24は画像要求処理の内容を示すフローチャート、図25はデータ消去処理の内容を示すフローチャート、図31はプリント処理の内容を示すフローチャートである。なお、図24、図25、及び図31に示すフローチャートは、第1の実施形態及び第2の実施形態のいずれにも適用される。
これらの処理は、複写機3のメモリ131に格納されたプログラムCPの実行により行われる。
図24において、操作パネル18のコード入力キー188が押されたか否かを判断し(#602)、コード入力キー188が押される度毎に、表示部187の点灯と消灯とを切り替える(#604,606,608)。表示部187が点灯すると、ユーザコード、つまりデータコードDC及びIDコードUCを入力するモードとなる。
テンキー181からの入力があったときに(#610でイエス)、表示部187が点灯していれば(#612でイエス)、入力された数値列をデータコード
DCとしてメモリ131に記憶する(#614)。入力されたデータコードDCのチェックが行われ、一致するデータコードDCがあれば(#616でイエス)、表示部187を点滅状態とする(#618)。
表示部187が点滅状態のときにテンキー181からの入力があると(#610でイエス、#612でノー、#620でイエス)、入力された数値列をIDコードUCとしてメモリ131に記憶する(#622)。そして、センター側データ処理装置4へ画像要求を送信し(#624)、その後、表示部187を消灯する(#626)。
また、記憶媒体読取り装置39に記憶媒体MM1,2がセットされていることが検知されると(#628)、記憶媒体MM1,2からデータコードDC及びIDコードUCをロードする(#630)。ロードされたデータコードDCのチェックが行われ、一致するデータコードDCがあれば(#632でイエス)、センター側データ処理装置4へ画像要求を送信する(#634)。
図25において、センター側データ処理装置4からデータ破棄情報を受信したか否かを判断する(#702)。データ破棄情報を受信した場合には、ユーザが一旦はプリントを希望したにも係わらず所定の時間内又は期間(例えば数日間)内にプリントを実行させなかったのであるから、プリントを行う意思がないものとみなし、複写機3のメモリ131に記憶しているデータコードDCを削除する(#710)。その後、データコードDCに対応する画像ファイルDFをメモリ131に保持している場合には、その画像ファイルDFも消去する(#714)。
ステップ#702でデータ破棄情報を受信していなかった場合には、複写機3でのプリントを総て終了しているか否かを判断する(#704)。プリントを総て終了している場合には、ステップ#710でデータコードDCを削除する。
プリントが終了していない場合には、投入したコインを総て返却したか否かを判断し(#706)、コインを総て返却している場合は、総てのプリントを終了する前に中断したとみなし、センター側データ処理装置4に対し画像プリント情報PDをすぐには消去しないようにデータ保持のための指示を出す(#712)。 ステップ#706でコインの返却作業がなかった場合には、センター側データ処理装置4からデータコードDCを受信してからタイマーTM1による計時時間が経過したか否かを判断する(#708)。計時時間を経過している場合には、プリントが中断されたまま放置されたとみなし、ステップ#712でデータ保持指示を送信する。
図26は図23のステップ#720のコピー料金処理の内容を示すフローチャートである。
図26において、センター側データ処理装置4から画像ファイルDF及びプリント条件PCを受信すると(#722でイエス)、料金計算処理を行い(#724)、出力不可情報NPがセットされているか否かを判断し(#726)、出力不可情報NPがセットされている場合には(#726でイエス)、出力不可情報NPをセンター側データ処理装置4に送信する(#728)。出力不可情報NPがセットされていない場合には(#726でノー)、算出したプリント料金PFをセンター側データ処理装置4に送信する(#730)。
図27は図26のステップ#724の料金計算処理の内容を示すフローチャートである。
図27において、まず、プリント料金PFの合計金額を0に初期化し(#732)、1枚あたりのプリント料金PFであるプリント単価を0に初期化する(#734)。次に、ユーザの指定したプリント条件PCに基づいて、用紙サイズによる単価の計算であるサイズ単価処理を行い(#736)、用紙種類による単価の計算である用紙種類処理を行い(#738)、出力色による用紙の単価の計算である出力色処理を行い(#740)、これらを合計してプリント料金PFを計算する(#742)。全画像ファイルDFについてプリント料金PFの計算が終了したら(#744でイエス)、本ルーチンを終了する。
図28は図27のステップ#736のサイズ単価処理の内容を示すフローチャート、図29は図27のステップ#738の用紙種類処理の内容を示すフローチャート、図30は図27のステップ#740の出力色処理の内容を示すフローチャートである。
図28において、ユーザが指定した用紙のサイズがA3サイズであれば(#752でイエス)、プリント単価を例えば20円に設定する(#760)。ユーザが指定した用紙のサイズがA4サイズ、B4サイズ、又はB5サイズであれば(#754〜758のいずれかでイエス)、プリント単価を例えば10円に設定する(#762)。それらのいずれにも該当しない場合には(#752〜758のいずれにおいてもノー)、出力不可情報NPを設定する(#764)。
図29において、ユーザが指定した用紙の種類が普通紙であれば(#772でイエス)、本ルーチンを終了する。厚紙であれば(#774でイエス)、プリント単価に例えば20円を加算する(#778)。色紙であれば(#776でイエス)、プリント単価に例えば10円を加算する(#780)。ユーザが指定した用紙の種類が普通紙でも厚紙でも色紙でもない場合には(#772〜776のいずれにおいてもノー)、出力不可情報NPを設定する(#782)。
図30において、ユーザが指定した出力色がモノクロであれば(#792でイエス)、本ルーチンを終了する。モノカラーであれば(#794でイエス)、プリント単価に例えば20円を加算する(#796)。いずれでもない場合には(#792及び#794のいずれもノー)、プリント単価に例えば40円を加算する(#798)。
図31において、まず、画像保持情報及びデータコードDCをセンター側データ処理装置4から受信したか否かを判断する(#802)。受信した場合には、各ユーザ毎に画像データを消去するための時間計測を行うタイマーTM1をセットし、その計時を開始する(#804)。また、受信したデータコードDCをメモリ131に記憶する(#806)。メモリ131に記憶されたデータコードDCは後で複写機3においてユーザが入力するデータコードDCと比較される。
受信したデータの中に予約日時RDの情報が含まれている場合には(#808でイエス)、受信した画像ファイルDFをメモリ131に記憶する(#810)。
次に、ユーザが複写機3のところまで出向いてきて操作パネル18のスタートキー186を押したか否かを判断する(#812)。スタートキー186が押された場合には、料金が振込み済みであるか(#816でイエス)又は必要なコインをコイン投入口222に投入しており(#818でイエス)、他のプリントの条件が総て整っている場合に(#820でイエス)、該当するタイマーTM1をリセットし(#822)、プリントの実行を開始する(#824)。
ステップ#812でスタートキー186が押されていない場合には、センター側データ処理装置4から自動プリント指示を受信したか否かを判断し(#814)、自動プリント指示を受信していれば、ステップ#816以降を実行する。
図32はユーザ側データ処理装置5における表示処理の内容を示すフローチャートである。
図32において、センター側データ処理装置4からプリント料金PF及びプリンタ情報PIを受信すると(#1002でイエス)、プリント料金PF及びプリンタ情報PIをディスプレイ51に表示する(#1004)。
上述の実施形態において、ユーザはユーザ側データ処理装置5においてプリント条件PCの設定を行うことができるため、複写機3において、マニュアル操作によってプリント条件PCの設定をする必要がない。したがって、複写機3のマニュアル操作に不慣れなユーザであっても、各操作又は操作ミスによる時間のロスを防ぐことができる。
また、ユーザは複写機3においてプリントが実行される前に予めプリント料金PFを知ることができるので、プリント料金PFが高すぎた場合にプリント条件PCを変更することも可能である。更に、複写機3の設置場所でプリント料金PFを支払う場合に、支払いのための金額が足りなくなるようなことを防ぐこともできる。
もし、複写機3が機能不足等の理由によりユーザが設定したプリント条件PCのとおりにプリントできない場合であっても、プリント条件PCに基づいてプリントすることが可能な複写機についての情報が含まれたプリンタ情報PIがディスプレイ51に表示されるので、ユーザはプリンタ情報PIの中から希望のプリント条件PCを満足する複写機を選択することができる。したがって、その複写機の設置場所に出向いたときに希望したプリント条件PCに基づいてプリントされた印刷物を確実に得ることができる。
上述の実施形態において、センター側データ処理装置4と複写機3とを、ユーザ側データ処理装置5をも含めた共通のネットワークで結ぶことも可能であり、また、センター側データ処理装置4と複写機3とを、センター側データ処理装置4とユーザ側データ処理装置5との間を結ぶネットワークとは別の専用の回線によって結ぶことも可能である。また、1台の複写機3に対して1台のセンター側データ処理装置4を設けてこれらを接続しておき、ユーザがユーザ側データ処理装置5からプリントを依頼する際に、当初からプリントを行う複写機3のセンター側データ処理装置4に対して画像プリント情報PDを送信するようにしてもよい。また、複写機3とセンター側データ処理装置4とを一体に構成してもよい。プリントシステム1をクライアントサーバシステムとして実現してもよい。
上述の実施形態において、画像ファイルDFをプリントするためにデジタル式の複写機3を用いたが、単体のプリンタ装置を用いてもよい。つまり、例えば、センター側データ処理装置4に高性能のプリンタ装置を接続して用いることも可能である。また、ファクシミリ機能が付加された装置など、画像ファイルDFをプリント可能な種々のプリンタ装置を用いることが可能である。
上述の実施形態において、ユーザ側データ処理装置5、センター側データ処理装置4、及び複写機3の構造、回路、機能、操作方法、処理内容又は順序、それぞれのフローチャートの内容又は順序、処理の分担などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。