JP3991967B2 - スプラインシャフト - Google Patents
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Description
一般に、中間軸としては、内軸および外軸に形成された対応する軌道溝間に、中間軸の軸方向に並ぶ列をなす複数のボールを介在させたボールスプライン構造を採用している。
そこで、上記の隙間を精度良く調整するためには、軌道の研磨が必要であった。また、内軸および外軸を軌道溝の寸法精度に応じて複数のグループに選別し、上記の所定の隙間精度を達成できるような内軸と外軸のグループを組み合わせて用いる、いわゆるマッチング組み立てを実施している。しかしながら、これらの場合、製造コストが高くなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、確実にガタを除去することができて耐久性に優れ且つ安価なスプラインシャフトを提供することを目的とする。
本発明は、互いに嵌め合わされた外軸および内軸と、外軸および内軸の長手方向に延び互いに対向する軌道溝と、互いに対向する軌道溝間に形成された軌道路と、各軌道路に沿ってそれぞれ列をなす転動体とを備えるスプラインシャフトにおいて、各軌道路にそれぞれ沿って延び、各軌道路において列をなす転動体をそれぞれ保持する保持器と、各保持器を介して対応する列毎に転動体を内軸の径方向内方および径方向外方に交互に付勢する付勢手段とをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明は、互いに嵌め合わされた外軸および内軸と、外軸および内軸の長手方向に延び互いに対向する軌道溝と、互いに対向する軌道溝間に形成された軌道路と、各軌道路に沿ってそれぞれ列をなす転動体とを備えるスプラインシャフトにおいて、各軌道路にそれぞれ沿って延び、各軌道路において列をなす転動体をそれぞれ保持する保持器をさらに備え、各保持器は対応する軌道路で列をなす転動体を内軸の回転方向の一方および他方に交互に付勢する機能を有することを特徴とするものである。この場合、外軸と内軸の周方向のガタを除去することができる。
また、本発明では、各保持器は、対応する軌道路で列をなす転動体をそれぞれ保持する複数の保持孔を有する板を含み、各板の保持孔は、内軸の回転方向の一方および他方に交互に位置をずらしたジグザグ状に配置される場合がある。この場合、保持器を構成する板の保持孔の位置のレイアウトのみの簡単な構造にて、外軸および内軸の周方向のガタを除去することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るスプラインシャフトが中間軸に適用されたステアリング装置の模式図であり、図2はスプラインシャフトの要部の断面図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、一端に図示しないステアリングホイール等の操舵部材2が固定されたステアリングシャフト3、このステアリングシャフト3と自在継手4を介して一体回転可能に連結されたスプラインシャフトとしての中間軸5と、この中間軸5と自在継手6を介して一体回転可能に連結されたピニオン軸7と、このピニオン軸7に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有して車両の左右方向に延びるラック軸8とを有している。
ラック軸8は図示しない軸受を介してハウジング12により軸方向に移動自在に支持されている。ピニオン軸7、ラック軸8、タイロッド9、ナックルアーム10および操向輪11を含んで舵取り機構Aが構成されている。
中間軸5は筒状の外軸13とこの外軸13に遊びを有して嵌め合わされる内軸14とを備える。外軸13と内軸14は、複数列の転動体としてのボール15を介して軸方向Xに相対移動可能に且つトルク伝達可能に接続されている。
本実施の形態の特徴とするところは、図4に示すように、隣接する保持器19を内軸の径方向内方Yおよび径方向外方Zに交互に付勢するための付勢手段としての環状弾性部材22を設けた点にある。具体的には、環状弾性部材22は、C形形状をなす金属製の輪バネ(スナップリング)からなり、開口端22a,22bを有している。環状弾性部材22は、互いに隣接する保持器19の外面19aおよび内面19bに交互に沿っている。
また、軌道溝16,17の研磨仕上げが等が不要となり、製造コストを安くすることができる。さらに、軌道は外軸13および内軸14に直接設ければ良く、軌道を薄板等の弾性部材に設ける場合と比較して、精度管理が容易であり、この点からも製造コストを安くすることができる。
なお、環状弾性部材22としてOリングを用いることもできる。また、図6に示すように、保持器19の外面19aおよび内面19bには、環状弾性部材22を嵌め合わせることのできる溝23を設けておくことが好ましい。
次いで、図7は本発明の別の実施の形態を示している。図7を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、各保持器24が対応する軌道路18で列をなすボール15を内軸14の回転方向の一方R1および他方R2に交互に付勢する機能を有する点にある。
次いで、図8は本発明のさらに別の実施の形態を示している。本実施の形態では、各保持器27は、対応する軌道路18で列をなすボール15をそれぞれ保持する複数の保持孔28を有する板からなる。板からなる保持器27の保持孔28は、内軸14の回転方向の一方R1および他方R2に交互に位置をずらしたジグザグ状に配置され、対応するボール15を内軸14の回転方向の一方R1および他方R2に交互に付勢する。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことができる。
2 操舵部材
3 ステアリングシャフト
5 中間軸(スプラインシャフト)
7 ピニオン軸
8 ラック軸
13 外軸
14 内軸
15 ボール(転動体)
16,17 軌道溝
18 軌道路
19 保持器
19a 外面
19b 内面
20 保持孔
21 連接部
22 環状弾性部材(付勢手段)
23 溝
24 保持器
25 抱持部
26 緩衝部
27 保持器
28 保持孔
X 軸方向
Y 径方向内方
Z 径方向外方
R1 回転方向の一方
R2 回転方向の他方
Claims (5)
- 互いに嵌め合わされた外軸および内軸と、外軸および内軸の長手方向に延び互いに対向する軌道溝と、互いに対向する軌道溝間に形成された軌道路と、各軌道路に沿ってそれぞれ列をなす転動体とを備えるスプラインシャフトにおいて、
各軌道路にそれぞれ沿って延び、各軌道路においてそれぞれ列をなす転動体を保持する保持器と、
各保持器を介して対応する列毎に転動体を内軸の径方向内方および径方向外方に交互に付勢する付勢手段とをさらに備えることを特徴とするスプラインシャフト。 - 請求項1において、上記付勢手段は環状弾性部材を含み、環状弾性部材は互いに隣接する保持器の外面および内面に交互に沿うことを特徴とするスプラインシャフト。
- 互いに嵌め合わされた外軸および内軸と、外軸および内軸の長手方向に延び互いに対向する軌道溝と、互いに対向する軌道溝間に形成された軌道路と、各軌道路に沿ってそれぞれ列をなす転動体とを備えるスプラインシャフトにおいて、
各軌道路にそれぞれ沿って延び、各軌道路においてそれぞれ列をなす転動体を保持する保持器をさらに備え、
各保持器は対応する軌道路で列をなす転動体を内軸の回転方向の一方および他方に交互に付勢する機能を有することを特徴とするスプラインシャフト。 - 請求項3において、各保持器は対応する軌道路で列をなす転動体の間をジグザグ状に縫うように延びる波形部材を含むことを特徴とするスプラインシャフト。
- 請求項3において、各保持器は、対応する軌道路で列をなす転動体をそれぞれ保持する複数の保持孔を有する板を含み、各板の保持孔は、内軸の回転方向の一方および他方に交互に位置をずらしたジグザグ状に配置されることを特徴とするスプラインシャフト。
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