JP3991910B2 - コネクタ及び検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リテーナを備えたコネクタ及びその検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リテーナを備えたコネクタにおいてリテーナの装着位置を検知するものの一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、組付が完了したコネクタにおいて内部に収容した端子金具の導通検査を行う検査装置を利用してハウジングに装着したリテーナの装着位置を検知するようにしている。具体的には、ハウジングに対してリテーナが端子金具に対して正規に係止する本係止位置に装着されると、両者の外面が面一状をなす設定とし、リテーナが本係止位置に達する手前の不完全な装着位置にあった場合は、ハウジングの外面からリテーナが浮くようにすることで、この浮いた部分がコネクタを収容するときに検査装置に干渉して収容動作が規制されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−273762号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなコネクタについて小型化を図ろうとした場合、各端子金具間のピッチを小さくすることになるため、仮係止位置から本係止位置へのリテーナの移動距離についても短くせざるを得ない。そうなると、リテーナが不完全な装着位置だったときのハウジングの外面からの浮き代、すなわち検査装置との突き当て代が小さくなるため、リテーナが不完全な装着位置であるにも拘わらず、コネクタを検査装置内に収容できてしまうおそれがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、リテーナの装着位置を正確に検知できるコネクタ及び検査装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
時陽気の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係るコネクタは、コネクタハウジングには、端子金具が後方から挿入可能とされるとともに、端子金具を抜け止めするためのリテーナが装着可能とされ、テーナは、コネクタハウジングに対して完全な装着位置に装着されると、前記端子金具に係止する抜け止め部を備えるとともに、端子金具の挿入方向に対して斜めに移動可能とされており、前記リテーナには、前記完全な装着位置とされたときには、検査装置に設けられた検知部との突き当たりが回避されることで、検査装置内に収容されるのを許容し、前記完全な装着位置に達しない不完全な装着位置とされたときには、前記検知部と突き当たることで、検査装置内に収容されるのを規制可能な被検知部が設けられ、且つこの被検知部は、前記完全な装着位置のときは、前記検知部と前後に位置ずれした配置となることでその突き当たりが回避され、前記不完全な装着位置のときは、前後方向に沿う領域が検知部と突き当たるように形成され、さらには前記リテーナの移動方向が前記端子金具の挿入方向に対してなす角度は、45度未満に設定される一方、前記リテーナには、前記検知部を受け入れ可能な受け入れ凹部が形成され、この受け入れ凹部の前縁部が前記被検知部を構成するとともに、受け入れ凹部の周縁部が弾性変形可能な弾性変形可能部とされ、さらにこの弾性変形可能部には、リテーナが前記完全な装着位置に達したときに前記コネクタハウジングに設けられた係止部に係止することでリテーナを完全な装着位置に保持可能なロック部が設けられているところに特徴を有する。
【0007】
請求項2に係る検査装置は、コネクタハウジングと、コネクタハウジング内に後方から挿入される端子金具と、コネクタハウジングに対して完全な装着位置に装着されると前記端子金具に係止する抜け止め部を備え、且つ端子金具の挿入方向に対して斜めに移動可能とされ、その移動方向が端子金具の挿入方向に対してなす角度が45度未満に設定されるリテーナとから構成されるコネクタを収容可能な収容部を備えており、収容部には、リテーナが前記完全な装着位置とされたときには、リテーナに設けられた被検知部との突き当たりが回避されることで、コネクタが収容部内に収容されるのを許容し、前記完全な装着位置に達しない不完全な装着位置とされたときには、前記被検知部と突き当たることで、コネクタが収容部内に収容されるのを規制可能な検知部が設けられ、且つこの検知部は、前記完全な装着位置のときは、前記被検知部と前後に位置ずれした配置となることでその突き当たりが回避され、前記不完全な装着位置のときは、前後方向に沿う領域が被検知部と突き当たるように形成され、かつ、前記リテーナには、前記検知部を受け入れ可能な受け入れ凹部が形成され、この受け入れ凹部の前縁部が前記被検知部を構成するとともに、受け入れ凹部の周縁部が弾性変形可能な弾性変形可能部とされ、さらにこの弾性変形可能部には、リテーナが前記完全な装着位置に達したときに前記コネクタハウジングに設けられた係止部に係止することでリテーナを完全な装着位置に保持可能なロック部が設けられているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2記載のものにおいて、前記収容部内に収容した前記コネクタに対して進退可能とされるとともに、コネクタ内の前記端子金具に対して導通接触可能な導通検査部が設けられているところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
<請求項1及び請求項2の発明>
リテーナがコネクタハウジングに対して完全な装着位置に装着された状態では、被検知部と検知部とが前後に位置ずれした配置となることで、相互の突き当たりが回避されて、検査装置内への収容が許容される。一方、リテーナが不完全な装着位置だった場合には、被検知部と検知部とにおける前後方向に沿う領域同士が突き当たることで、検査装置内への収容が規制される。このときリテーナの移動方向が端子金具の挿入方向に対してなす角度が45度未満に設定され、リテーナが移動するときに、前後方向と直交する方向へ変位する距離よりも前後方向に変位する距離の方が大きくなっているから、被検知部と検知部との突き当て代を従来よりも大きく確保することができる。従って、リテーナが不完全な装着位置だったときに検知装置内への収容動作を確実に規制することができ、検知が正確なものとなる。
また、リテーナに受け入れ凹部を形成することで、その周縁部が弾性変形可能な弾性変形可能部となる。この弾性変形可能部にロック部を設けるようにしたから、係止部に対するロック部の係止動作及び係止解除動作が円滑なものとなるとともに、ロック部がへたり難くすることができる。
【0009】
請求項3の発明
リテーナの装着位置の検査とともに、端子金具の有無の検査などを行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図17によって説明する。本実施形態では、雌側のコネクタCと、そのコネクタCに使用される検査装置60を例示する。
【0011】
先にコネクタCについて説明する。このコネクタCは、大まかには、雌コネクタハウジング20(以下、単に雌ハウジング20という)と、雌ハウジング20内に収容される雌端子金具10と、雌ハウジング20に装着されるリテーナ40とから構成されている。なお以下では、雌ハウジング20に対する雌端子金具10の挿入方向を前方とし、逆の抜き取り方向を後方とする。またコネクタCの説明に関して上下方向については、図3及び図6を除く各図を基準とする。
【0012】
雌端子金具10は、所定の展開形状に打ち抜いた金属板に曲げ加工などを施すことにより形成されており、図8に示すように、相手の雄端子金具と導通接続可能な略角筒状をなす本体部11と、電線Wの端末に圧着接続されるバレル部12とを前後に繋げた構成とされている。バレル部12は、前後に一対ずつのかしめ片を対向状に備えており、このうち前側の両かしめ片が電線Wの芯線にかしめ付けられるのに対し、後側の両かしめ片が電線Wの被覆にかしめ付けられる。
【0013】
本体部11の下面(ランス24と対向する外面)の長さ方向略中央には、ランス24の進入を許容する凹部13が形成されるとともにその前縁にランス24の上部が係止されるようになっている。この凹部13の前縁には、ランス24の下部が係止される係止突部14が下方へ突出するよう叩き出して形成されている。本体部11の下面の後端部に形成された段差部分は、リテーナ40が係止される係止段部15とされている。この係止段部15には、上記係止突部14とほぼ同じ高さまで突出するとともにリテーナ40が係止可能な突部16が叩き出して形成されている。この突部16の直前位置には、突部16よりもさらに下方へ突出するスタビライザ17が形成され、このスタビライザ17は、雌端子金具10の挿入動作の安定化や逆挿入防止などに機能する。
【0014】
雌ハウジング20は、合成樹脂製とされ、図2及び図8に示すように、全体が略ブロック状に形成されるとともに、その上面には、図示しない相手の雄ハウジングに弾性的に係止することで、両ハウジングを嵌合状態にロック可能なロックアーム21が突設されている。この雌ハウジング20には、後方から雌端子金具10が挿入可能なキャビティ22が設けられ、このキャビティ22は、雌ハウジング20を前後方向に沿って貫通して形成されるとともに、上下2段、幅方向に複数室ずつ整列して配設されている。
【0015】
各キャビティ22の周壁のうち下壁22aの前部には、雌端子金具10の係止突部14に対して弾性的に係止可能なランス24が設けられている。ランス24は、前方へ片持ち状に延出して形成されるとともに、上下(雌端子金具10の挿抜方向と交差する方向)に撓み変形可能とされている。雌ハウジング20の前面には、ランス24を成形するための金型ピンを型抜きすることで型抜き孔23が前方へ開口して設けられており、雌端子金具10が係止した状態では、この型抜き孔23を介して係止突部14が前方外部へ露出するようになっている。またキャビティ22の下壁22aのうち幅方向略中央には、係止突部14及び突部16を挿通可能な突部挿通溝25が全長にわたって凹み形成され、図2の右側縁(片方のコーナ部)には、スタビライザ17を挿通可能なスタビライザ挿通溝26が凹み形成されている。突部挿通溝25は、上記したランス24の全長にわたって形成され、これにより雌端子金具10の挿入時におけるランス24の撓み量が少なくなっている。またスタビライザ挿通溝26は、ランス24の基端部の少し後方位置まで達し、後方へのみ開放している。なお上段側では、突部挿通溝25よりもスタビライザ挿通溝26の方が深く形成されるのに対し、下段側では、突部挿通溝25がスタビライザ挿通溝26とほぼ同じ深さに設定されている。
【0016】
雌ハウジング20におけるロックアーム21が設けられているのと反対側の面には、リテーナ40を装着するためのリテーナ装着孔27が開設されている。リテーナ装着孔27は、雌ハウジング20における下面(リテーナ40の押し込み方向に対面する面)及び両側面(リテーナ40の押し込み方向に沿った面)にかけて三面領域にわたって形成され、したがってリテーナ装着孔27は三方へ開口した形態となっている。このリテーナ装着孔27は、全てのキャビティ22を外部に開口するよう形成されており、上段のキャビティ22における側壁(幅方向のキャビティ22の仕切り壁)を半分程度切り欠くような深さ(挿入される雌端子金具10が側方外部に露出しない程度の深さ)に形成されている。このリテーナ装着孔27によって上段のキャビティ22の下壁22a(下段のキャビティ22の上壁、別言すると上下のキャビティ22の仕切り壁)、下段のキャビティ22の両側壁及び下壁22a(雌ハウジング20の外壁)が前後に分断されている。このリテーナ装着孔27の前側の孔縁は、上下方向に沿ってほぼ真っ直ぐに切り立つようにして形成されているが、後側の孔縁は、後方へ向かって下り勾配をなす傾斜をもって形成され、その傾斜角度は雌端子金具10の挿入方向に対して約35度に(45度よりも小さく)設定されている。また装着されるリテーナ40は、リテーナ装着孔27の後縁の傾斜に沿って移動可能とされる。
【0017】
雌ハウジング20における両側面において、リテーナ装着孔27の側面開口部の上方及び後方にかけての領域は、図1及び図7に示すように、段差面28となっており、前方の領域よりも一段凹ませてある。この段差面28において、リテーナ装着孔27の側面開口部のうち傾斜側にはその傾斜に沿ったリブ状の係止突起29が設けられている。この係止突起29の主たる役割としては、リテーナ40を雌ハウジング20に対し押し込んで装着する際に、押し込み姿勢を安定させるところにある。また、係止突起29の外面は、その長さ方向の中心線を境にして片側(下側、リテーナ装着孔27寄りの側)は、全面に面取り29aが施されており、リテーナ40の誘導溝49に対する嵌め入れ動作を円滑に行うことができるようにしている。さらに、係止突起29の上下両端面はそれぞれ水平面が形成され、かつ上側の端面は水平面に連続する鉛直面も形成されている。
【0018】
また係止突起29の下方の延長線上には、押し込み規制突起30が突出形成されている。この押し込み規制突起30は、係止突起29から所定距離離間して配されており、リテーナ40が仮係止位置(図8ないし図10に示す位置)にあるとき、リテーナ40の誘導溝49の下端に係止することで、所定以上の操作力が付与されない限りはリテーナ40が誤って本係止位置まで押し込まれないよう押し込み規制を行うものである。また押し込み規制突起30は、リテーナ40が本係止位置に移動すると、リテーナ40の後縁に対して係止可能とされる。
【0019】
段差面28において上記した係止突起29の上方には、リテーナ40が本係止位置(図11及び図12に示す位置)にあるときのがたつきを抑えるためのがたつき規制部31が突設されている。がたつき規制部31は、前後方向に沿ってほぼ水平に延出する形態となっている。一方、がたつき規制部31の下面側には、全長にわたって上方へ向かって上り勾配をなすテーパ面31aが形成されている。また、がたつき規制部31の前方には、引掛け片32が突出形成されている。引掛け片32は、その上縁ががたつき規制部31の上縁と連続するよう形成され、リテーナ40が本係止位置となったときにリテーナ40の係止爪52と係止してリテーナ40を本係止位置に保持できるようになっている。但し、引掛け片32の下面側には、上方へ向かって上り勾配をなすテーパ面32aが形成され、係止爪52の乗り上げ動作が円滑になされるようになっている。またリテーナ装着孔27における後側の孔縁のうち、幅方向両端の下端部には、リテーナ40のロック部48が係止することでリテーナ40が本係止位置から後方へ変位するのを規制した状態に保持可能なロック凹部33が設けられている。ロック凹部33のうちロック部48が係止する後面は、上下方向に沿って真っ直ぐに切り立った面とされている。
【0020】
リテーナ40は、雌ハウジング20と同様に合成樹脂材にて形成され、図4ないし図6に示すように、リテーナ装着孔27へ適合して嵌合されるリテーナ本体部41と、このリテーナ本体部41の幅方向両端部に張り出して形成された一対の側板42とから構成されている。このリテーナ40は、後述する仮係止位置と本係止位置との間を雌端子金具10の挿抜方向に対して斜めに移動可能とされる。なお、リテーナ40の後部には、ほぼ全周にわたって厚肉となった操作部43が設けられており、この操作部43のうちリテーナ本体部41から下方へ張り出す部分の幅方向中央には、所定の幅寸法にわたって切り欠き部43aが形成されている。
【0021】
リテーナ本体部41は、雌ハウジング20の各段におけるキャビティ22と同数個の窓枠44が前後に開口して形成されている。各窓枠44は、下段側の各キャビティ22と整合(連通)可能に形成されている。各窓枠44の前面側の開口縁は、リテーナ装着孔27の前側の孔縁と適合するように、上下方向に沿って真っ直ぐに(鉛直に)切り立って形成されているが、各窓枠44の後面側の開口縁は、リテーナ装着孔27の後側の孔縁と適合するような傾斜をもって形成されている。そして、各窓枠44の下部の前半部分及びリテーナ本体部41の上部は、リテーナ40が仮係止位置にあるときはキャビティ22の下壁22aに概ね整合するとともにキャビティ22から退避して配されることで雌端子金具10の挿抜を許容しているものの(図8)、リテーナ40が本係止位置にあるときにはキャビティ22内に進入するとともに雌端子金具10の係止段部15や突部16に対して正規深さに係止可能とされ(図11)、ここが雌端子金具10に対する抜け止め部45を構成している。なお、この本係止位置が特許請求の範囲に記載した完全な装着位置に相当している。
【0022】
各抜け止め部45は、リテーナ40が仮係止位置から本係止位置へ移動するときに、キャビティ22内における突部15及び係止段部16の挿通経路へと斜めに移動しつつ進入する。従って、雌端子金具10が正規深さに達しておらず、係止段部15や突部16が抜け止め部45の前面の変位軌跡上に配されていた場合には、リテーナ40の押し込みに伴って、抜け止め部45の前面によって係止段部15や突部16を前方へ押し込むことが可能とされ、これにより雌端子金具10を正規深さに矯正できるようになっている。なおこのリテーナ40は、移動方向が雌端子金具10の挿入方向に対してなす角度が約35度となっているから、高さ方向への移動距離よりも前後方向への移動距離の方が大きく、従って雌端子金具10に対する矯正可能距離を十分に確保できる。また抜け止め部45には、リテーナ40が仮係止位置に装着されたときに各キャビティ22のスタビライザ挿通溝26に連通可能なスタビライザ通過溝46が形成されている。なお、抜け止め部45の後部側には、雌端子金具10の突出部位(バレル部12など)や電線Wなどを逃がすための逃がし凹部47が適宜形成されている。また幅方向両端位置に配された一対の窓枠44における後面下端部(操作部43の後縁部)には、リテーナ40が本係止位置に達したときにロック凹部34に係止する断面略三角形状のロック部48が一対、上方へ突出して設けられている。
【0023】
リテーナ40の両側板42は、雌ハウジング20の両側面間を跨いで挟み込むことができる間隔をもって配され、且つ拡開変形可能である。また両側板42は、リテーナ40が本係止位置になったときにはリテーナ装着孔27の側面開口部を塞ぐとともに、段差面28の所定範囲と対面可能な大きさに形成されている。さらに両側板42は、段差面28の深さとほぼ同じ厚みをもって形成され、リテーナ40が本係止位置にあるときには、雌ハウジング20の外側面とほぼ面一をなす。かくして、リテーナ40の両側板42は、雌ハウジング20における側面部の外壁を兼ねることとなる。
【0024】
両側板42のうちリテーナ本体部41の後側位置には、誘導溝49が貫通して形成されている。誘導溝49は、リテーナ40における各窓枠44の後縁の傾斜に沿った勾配、つまりリテーナ装着孔27の後側の孔縁の傾斜(リテーナ40の移動方向)とほぼ同一勾配をもって形成されている。また誘導溝49は、係止突起29の短尺側の幅寸法とほぼ同じ溝幅をもって形成され、その両端部は、係止突起29の両端部の形状に適合するように形成されている。さらに誘導溝49は、その前後両端に係止突起29及び押し込み規制突起30を共に係止可能であり、このようにすることでリテーナ40を仮係止位置に保持している(図9)。また、リテーナ40を仮係止位置から本係止位置へ移動させる際には、押し込み規制突起30を誘導溝49から退出させるべくここを乗り上げてゆくことになり、この間に両側板42は拡開変形するが、押し込み規制突起30に比較して係止突起29は突出量が大きく、側板42の拡開変形によっても誘導溝49との係止状態が継続するように十分な高さの係止代が設定されている。かくして、係止突起29が誘導溝49の下端側に移動することによってリテーナ40は本係止状態となる(図12)。また両側板42のうち誘導溝49の下方位置には、誘導溝49とほぼ同じ傾斜をもった肉抜き部50が貫通して形成されている。この肉抜き部50は、誘導溝49よりも溝幅が小さく設定されており、両側板42の剛性を適切に低減することで両側板42が拡開変形し易くなっている。
【0025】
また、両側板42の内面において誘導溝49の上方には、前記したがたつき規制部31を嵌め入れ可能な規制凹部51が凹み形成され、その上下両縁にはテーパ面51aが形成されている。規制凹部51は、長さ方向に関しては両側板42のほぼ中央部から後端に至るまでの範囲にわたって形成され、後方へ開放している。規制凹部51は、高さ方向に関しては上方へ開放するとともに、その下縁が誘導溝49の上縁の形状に沿って形成されており、詳しくは前部が前後方向に沿ってほぼ水平に形成されるのに対し、後部が後方へ向かって下り勾配をなす傾斜状に形成されている。そして、リテーナ40が仮係止位置にあるときには、がたつき規制部31の上縁が規制凹部51の上縁とほぼ揃う高さ位置に保持され、規制凹部51の下縁とは所定の隙間が保有されるようになっている(図9)。また、リテーナ40が本係止位置にあるときには、がたつき規制部31の下縁のテーパ面31aが規制凹部51の下縁に形成されたテーパ面51aと適合して当たり合い、上方へのがたつきを規制できるようになっている(図12)。
【0026】
さらに規制凹部51は、さらに前方へ延長されてその凹み領域が拡大されているが、上縁部については係止爪52が形成されるようにしている。この係止爪52は、リテーナ40が仮係止位置にあるときには雌ハウジング20側の引掛け片32とほぼ同じ高さ位置をもって対面する関係にあるが、リテーナ40が本係止状態へ移行したときには、引掛け片32のテーパ面32aを乗り越えて引掛け片32の上縁に係止し、もってリテーナ40を本係止位置で保持できるようになっている。
【0027】
なお、リテーナ40が仮係止位置にあるときには、リテーナ40の前縁とリテーナ装着孔27の前側の孔縁との間に所定の隙間53が保有され、雌ハウジング20の外部からこの隙間53を通して雌端子金具10の挿通状態(挿通の有無など)を確認することができる。
【0028】
次に、雌ハウジング20に対するリテーナ40の装着位置と、雌端子金具10の挿入の有無や雌端子金具10の挿入深さを検査するための検査装置60について説明する。検査装置60は、図15に示すように、ベース61の一端部にコネクタCを保持するためのコネクタホルダ64が固定されるとともに、ベース61の他端部にコネクタホルダ64と対向する検知ユニット62が配されている。検知ユニット62は、図示しない操作レバーを操作することによってコネクタホルダ64に対して前後方向に沿って所定ストローク分だけ進退可能とされている。検知ユニット62には、各ランス24の型抜き孔23に対応する位置に導通プローブ63が複数本設けられており、各導通プローブ63は、検知ユニット62がコネクタホルダ64側に接近するのに伴い、各型抜き孔23内に進入するとともにそこに配された雌端子金具10の係止突部14の前面に接触可能とされている(図16)。各導通プローブ63は、リード線を介して図示しない導通検査装置に接続され、これにより雌端子金具10に対する接触(導通)の可否に基づいて雌端子金具10が正規深さまで挿入されているか否かや、雌端子金具10の有無を電気的に検知できるようになっている。なお、雌端子金具10の挿入の有無を検査する理由は、このコネクタCでは、全てのキャビティ22に雌端子金具10を挿入するとは限らず、空室となるキャビティ22が生じることがあり、その場合に雌端子金具10が空室とすべきキャビティ22に誤って挿入されていないかなどをチェックするためである。
【0029】
コネクタホルダ64は、図14に示すように、図示上方へ開口する略筒状に形成されるとともに、上方からコネクタCを横に寝かせた姿勢(幅方向両側面を上下に向けた姿勢)で収容できるようになっている。コネクタホルダ64は、雌ハウジング20のうちロックアーム21を設けた側の端部(図15では上端部)を前後方向から挟み込むとともに、雌ハウジング20のうちリテーナ装着孔27よりも前側部分を雌ハウジング20における高さ方向から挟み込むことにより、雌ハウジング20を前後方向及び高さ方向について位置決めするので、コネクタCをほぼがたつきなく収容できるようになっている。コネクタホルダ64のうち、リテーナ40との対向部65には、全長にわたって所定深さの切欠部66が形成されている。またコネクタホルダ64のうち、前部には、各導通プローブ63の進入を許容すべく所定範囲が前方へ開口し、また後部には、コネクタCから導出される各電線Wを逃がすための電線逃がし部67が切欠形成されている。
【0030】
さて、検査装置60のコネクタホルダ64におけるリテーナ40との対向部65には、図15に示すように、検知部68が設けられている。検知部68は、対向部65の全高さにわたってその内壁面から内方へ突出して形成されており、突出端後側にテーパ面68aを備えた略ブロック状に形成されている。なおこのテーパ面68aは、リテーナ40の移動方向とほぼ同じ傾斜をなしている。一方、リテーナ40には、雌ハウジング20に対して本係止位置に装着されたときにのみ検知部68に整合してこれを受け入れ可能な受け入れ凹部54が形成されている。受け入れ凹部54は、図6に示すように、リテーナ40のうち操作部43における下面両側部に一対設けられ、幅方向に沿って延出する溝状をなすとともに側方及び下方へ開口して形成されている。また検知部68における高さ寸法(図14に示す上下方向の長さ寸法)は、受け入れ凹部54の幅寸法と同じかそれよりも小さく設定されている。受け入れ凹部54は、検知部68の外形に沿うような形状に形成されており、その周縁部には、リテーナ40が本係止位置に達する手前の不完全な装着位置にあったときに、検知部68が突き当たるようになっている。
【0031】
詳しくは、不完全な装着位置のときは、図17に示すように、受け入れ凹部54の周縁部のうち上縁部が、本係止位置のときよりも下方へ突出した分(図示A寸法)だけ検知部68の突出先端部に突き当たるとともに、受け入れ凹部54の周縁部のうち前縁部が、本係止位置のときよりも後方へ突出した分(図示B寸法)だけ検知部68の前縁部に突き当たるようになっている。このときの突き当て代は、受け入れ凹部54の上縁部の突き当て代Aよりも前縁部の突き当て代Bの方が大きくなっており、この受け入れ凹部54の前縁部が特許請求の範囲に記載した被検知部55となっている。このことは、既述したようにリテーナ40の移動方向が雌端子金具10の挿入方向に対してなす角度が約35度(45度未満)であることから、本係止位置のときと不完全な装着位置のときとにおけるリテーナ40の各部位の位置ずれ量について、雌端子金具10に対する抜け止め部45の接離方向(進退方向)である高さ方向(前後方向と直交する方向)よりも、雌端子金具10の挿抜方向である前後方向についての方が大きくなることに基づいている。なおこの被検知部55は、リテーナ40が本係止位置のときは、検知部68と前後に位置ずれした(前後に並んだ)配置となることでその突き当たりが回避されるものの、不完全な装着位置のときは、検知部68と前後方向について重なり合う位置関係となることで、その重なり合う部分(前後方向に沿う領域)が検知部68に突き当たるようになっている。また不完全な装着位置では、リテーナ40の操作部43の下縁部が対向部65の内縁部に突き当たるが、その突き当て代は、受け入れ凹部54の上縁部と検知部68との突き当て代と同じAとなっている。
【0032】
受け入れ凹部54は、その深さ寸法が操作部43における下方への張り出し寸法より僅かに小さい程度の大きさとされており、これにより受け入れ凹部54の周縁部は、弾性変形可能な弾性変形可能部56となっている。弾性変形可能部56は、窓枠44のうち傾斜した後縁と受け入れ凹部54の傾斜面54aとに挟まれた薄肉部分56aが最も弾性変形し易くなっており、この薄肉部分56aから後端部にかけての領域の後面に既述したロック部48が設けられている。従って、ロック部48がロック凹部33の後縁を乗り越えるときに弾性変形可能部56の薄肉部分56aが弾性変形することで、その乗り越えに必要な操作力を小さく抑えることができるようになっている。
【0033】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用について説明する。まずコネクタCの組付作業を説明する。図8に示すように、リテーナ40を雌ハウジング20に対して仮係止位置に装着した状態で各キャビティ22内に雌端子金具10を挿入すると、係止突部14及び突部16が突部挿通溝25へ、スタビライザ17がスタビライザ挿通溝26及びスタビライザ通過溝46へ、それぞれ前側から順に挿通されることで雌端子金具10の挿入動作が円滑に案内される。雌端子金具10が所定深さまで挿入されると、係止突部14によってランス24が押圧されて下方へ一旦撓み変形される。そして、雌端子金具10が正規深さに達すると、図10に示すように、係止突部14がランス24を乗り越えるとともに、ランス24は、弾性復帰して凹部13内に進入してその前縁及び係止突部14の後端面に対して係止される。
【0034】
必要な雌端子金具10を全て挿入し終えたら、リテーナ40を仮係止位置(図9)から本係止位置(図12)へ移動させる作業を行う。リテーナ40を斜め上前方へ向けて押し込むと、誘導溝49の下端部周辺が押し込み規制突起30を乗り上げるべく変形して誘導溝49から退出する。移動過程では、リテーナ40は係止突起29と誘導溝49との嵌め合いによる案内作用を受けて円滑に斜め上方へと押し込まれる。この過程では、ロック部48がロック凹部33の後縁に乗り上げるとともに弾性変形可能部56の薄肉部分56aが斜め下前方へ弾性変形される。そして、リテーナ40が本係止位置に至ると、図11に示すように、各抜け止め部45が各キャビティ22内に正規深さまで進入して、対応する雌端子金具10の係止段部15や突部16の後端面に対して正規に係止することで、雌端子金具10が二重に抜け止めされる。このリテーナ40を本係止位置に装着した状態では、雌ハウジング20の前半部分の下面とリテーナ40の前部(操作部43が設けられていない部分)の下面がほぼ面一をなしている。
【0035】
この本係止位置では、図12に示すように、係止突起29が誘導溝49の下端に係止するとともに、押し込み規制突起30が側板42の後縁に係止するのに加えて、係止爪52が引掛け片32のテーパ面32aを乗り越えて引掛け片32の上縁に係止し、さらにはロック部48がロック凹部33内に進入してその後面がロック凹部33の前面に係止するから、リテーナ40が本係止位置にしっかりと保持される。さらに、がたつき規制部31の下縁が規制凹部51の下縁に係止することで、リテーナ40の上方へのがたつきも併せて規制される。なお本係止位置では、リテーナ装着孔27の前側の孔縁にリテーナ本体部41の前縁がほぼ当たり合い、両者間がほぼ隙間無く閉止されるので、ごみ等がキャビティ22内に侵入するのを防止することができる。
【0036】
一方、コネクタCの組付過程において、雌端子金具10をキャビティ22内に挿入するときに、雌端子金具10が正規深さに達する手前の位置に留められ、いわゆる半挿入状態とされる場合がある。このとき、図13に示すように、係止段部15及び突部16の後面が抜け止め部45の前面の変位軌跡上に配されるような深さに雌端子金具10が挿入されていれば、リテーナ40を仮係止位置から斜め上前方へ押し込むと、同図想像線に示すように、抜け止め部45の前面が係止段部15や突部16の後面に当接する。この状態からリテーナ40をさらに押し込むのに伴って、斜め上前方へ変位する抜け止め部45によって係止段部15や突部16を前方へ押し込むことができ、リテーナ40が本係止位置に達すると、雌端子金具10を正規深さに矯正することができる。なお、上記した半挿入状態よりも雌端子金具10の挿入深さがさらに不足していて、係止段部15及び突部16が抜け止め部45の前面の変位軌跡よりも後方に配されていた場合には、抜け止め部45の上面が突部16の下面に当接することで、リテーナ40の押し込み動作が規制されることになるので、これをもって雌端子金具10の挿入不足を検知できるようになっている。
【0037】
上記のようにしてコネクタCの組み付けが完了したら、検査装置60による検査を行う。検査を行うには、まず横に寝かせた姿勢としたコネクタCをコネクタホルダ64内に図14に示す上方から収容する。このとき、雌ハウジング20に対してリテーナ40が本係止位置に装着されていれば、図15に示すように、操作部43と対向部65とがコネクタCの高さ方向に位置ずれするとともに、受け入れ凹部54と検知部68とが整合し、被検知部55と検知部68とが前後に位置ずれして互いに突き当たりが回避された(非干渉となる)位置関係にあるので、検知部68が受け入れ凹部54内に受け入れられてコネクタCの収容動作が許容される。またコネクタCから導出する電線Wは、電線逃がし部67によって逃がされる。
【0038】
コネクタCをコネクタホルダ64内に正規深さに収容した後、操作レバーを操作することで、検知ユニット62をコネクタCに向けて接近させて所定の位置に至らせる。この検知ユニット62の前進に伴って、図16に示すように、各導通プローブ63が雌ハウジング20の型抜き孔23内に進入するとともに、その奥に配された雌端子金具10の係止突部14の前面に接触される。このとき、必要なキャビティ22に雌端子金具10が挿入されていない場合や、空室とすべきキャビティ22に誤って雌端子金具10が挿入されていた場合には、導通検査装置のランプが点灯するなどして、作業者に異常が知らされる。また雌端子金具10の挿入深さが不足していて、係止突部14がランス24の前方領域に達していない場合(例えば、上段側の雌端子金具10の前端部がリテーナ装着孔27よりも後方に配されていて、抜け止め部45が雌端子金具10に干渉することなくリテーナ40を本係止位置まで押し込むことができた場合)にも同様に作業者に異常が知らされる。その場合は、コネクタCを取り出してリテーナ40を仮係止位置に戻した後、改めて必要なキャビティ22に雌端子金具10を挿入し、誤って挿入した雌端子金具10を抜き取り、また挿入深さが不足した雌端子金具10を正規深さまで挿入するようにする。なおリテーナ40を仮係止位置に戻す際には、ロック部48が係止状態を解除されつつロック凹部33の後縁に乗り上げるが、このときも弾性変形可能部56の薄肉部分56aが弾性変形するようになっている。
【0039】
ところで、コネクタCの組み付け過程において、リテーナ40の押し込みが不足していてリテーナ40が本係止位置に達する手前の不完全な装着位置に装着されていることがあり得る。その状態でコネクタCをコネクタホルダ64内に収容しようとすると、リテーナ40の操作部43が切欠部66内に進入するとともに対向部65に対して図14に示す上方に対向する。そして、コネクタCが所定深さに達したところで、図17に示すように、操作部43の下縁部が対向部65の内縁部に、受け入れ凹部54の上縁部が検知部68の突出先端部に、受け入れ凹部54の前縁部である被検知部55が検知部68の前縁部にそれぞれ突き当たることで、コネクタCの収容動作が規制される。このとき、被検知部55の突き当て代Bは、操作部43の下縁部の突き当て代Aよりも大きくなっているから、仮に被検知部55及び検知部68を形成せずに操作部43の下縁部のみを突き当てるようにした場合と比較すると、コネクタホルダ64内へのコネクタCの収容動作をより確実に規制することができる。これにより、リテーナ40が不完全な装着位置であったことを確実に検知することができる。
【0040】
以上説明したように本実施形態によれば、リテーナ40が本係止位置に装着されていた場合には、被検知部55と検知部68とが前後に位置ずれして互いの突き当たりが回避されることで、コネクタCの検査装置60内への収容動作が許容され、リテーナ40が不完全な装着位置に装着されていた場合には、被検知部55と検知部68とにおける前後方向に沿う領域が突き当たることで、コネクタCの検査装置60内への収容動作が規制される。このときリテーナ40の移動方向が雌端子金具10の挿入方向に対してなす角度を約35度(45度未満)に設定され、リテーナ40が移動するときにコネクタCにおける高さ方向(前後方向と直交する方向)に変位する距離よりも前後方向に変位する距離の方が大きくなっているから、被検知部55と検知部68との突き当て代を従来よりも大きく確保することができる。従って、リテーナ40が不完全な装着位置だったときに検知装置60内へのコネクタCの収容動作を確実に規制することができ、リテーナ40の装着位置の検知が正確なものとなる。
【0041】
その上、リテーナ40の移動方向が雌端子金具10の挿入方向に対してなす角度が約35度(45度未満)に設定され、リテーナ40の前後方向への移動距離が長くなることにより、キャビティ22内への雌端子金具10の挿入深さが不足したときの抜け止め部45による雌端子金具10の矯正可能距離を大きく確保することができる。
【0042】
しかも、リテーナ40に検知部68を受け入れ可能な受け入れ凹部54を凹み形成することで、その周縁部を弾性変形可能な弾性変形可能部56とし、そこにロック部48を設けるようにしたから、ロック部48がロック凹部33に係止する動作及び、係止解除される動作が円滑なものとなってリテーナ40の着脱操作性が良好になるとともに、ロック部48をへたり難くすることができる。
また検査装置60に導通プローブ63を備えた検知ユニット62を設けるようにしたから、リテーナ40の装着位置の検査とともに、雌端子金具10の有無の検査などを行うことができる。
【0043】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した実施形態では、コネクタを横に寝かせた姿勢でコネクタホルダ内に収容する場合を示したが、コネクタを寝かせることなく図11に示す姿勢のままコネクタホルダ内に上方から収容するようにしたものも本発明に含まれる。またコネクタをコネクタホルダに対して側方から収容するようにすることも可能である。
【0044】
(2)上記した実施形態では、リテーナの下端部に受け入れ凹部を形成した場合を示したが、その配設位置は任意に設定することが可能である。
(3)上記した実施形態では、リテーナ側に受け入れ凹部を形成してその前縁部を被検知部とした場合を示したが、逆にリテーナ側に被検知部を突設し、コネクタホルダ側に被検知部を受け入れる受け入れ凹部を形成するとともにその前縁部を検知部としたものも本発明に含まれる。また受け入れ凹部を形成せず、リテーナ側に被検知部を突設するとともに、コネクタホルダ側に検知部を突設するようにしたものも本発明に含まれる。
(4)上記した実施形態以外にも、リテーナの移動方向が雌端子金具の挿入方向に対してなす角度について45度未満であれば、任意に設定することが可能である。
【0045】
(5)上記した実施形態では、上下2段のキャビティを有するコネクタを例示したが、1段や上下3段以上のコネクタにも本発明は適用可能である。なおキャビティを1段としたコネクタでは、リテーナをハウジングに装着しない状態でキャビティ内に端子金具を挿入し、その後リテーナをハウジングに対して正規の装着位置に装着して端子金具を抜け止めすることが可能である。つまり、リテーナの仮係止位置を省略するようにしてもよい。
(6)上記した実施形態では、雌側のコネクタを例示したが、雄端子金具を収容する雄側のコネクタにも本発明は適用可能である。
(7)上記した実施形態では、検知ユニットを有する検査装置を例示したが、検知ユニットを省略してリテーナの装着位置のみを検査するような検査装置も本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る雌ハウジングの側面図
【図2】雌ハウジングの背面図
【図3】雌ハウジングの底面図
【図4】リテーナの側断面図
【図5】リテーナの背面図
【図6】リテーナの正面図
【図7】係止突起及び誘導溝のそれぞれ周辺部分を示す斜視図
【図8】雌端子金具とリテーナを仮係止位置に装着した雌ハウジングの側断面図
【図9】リテーナを仮係止位置に装着した雌ハウジングの一部切欠側面図
【図10】雌端子金具を正規深さまで挿入した状態を示す側断面図
【図11】リテーナを本係止位置に配した状態を示す側断面図
【図12】リテーナを本係止位置に配した状態を示す一部切欠側面図
【図13】雌端子金具が半挿入とされた状態でリテーナを押し込む動作を示す側断面図
【図14】検査装置におけるコネクタホルダの概略を示す斜視図
【図15】リテーナを本係止位置に装着したコネクタをコネクタホルダ内に収容した状態を示す一部切欠平面図
【図16】導通プローブが係止突部に接触した状態を示す一部切欠平面図
【図17】リテーナを不完全な装着位置に装着したコネクタの収容動作が規制された状態を示す平断面図
【符号の説明】
10…雌端子金具(端子金具)
20…雌ハウジング(コネクタハウジング)
33…ロック凹部(係止部)
40…リテーナ
45…抜け止め部
48…ロック部
54…受け入れ凹部
55…被検知部
56…弾性変形可能部
60…検査装置
62…検知ユニット(導通検査部)
64…コネクタホルダ(収容部)
68…検知部
C…コネクタ

Claims (3)

  1. コネクタハウジングには、端子金具が後方から挿入可能とされるとともに、端子金具を抜け止めするためのリテーナが装着可能とされ、
    リテーナは、コネクタハウジングに対して完全な装着位置に装着されると、前記端子金具に係止する抜け止め部を備えるとともに、端子金具の挿入方向に対して斜めに移動可能とされており、
    前記リテーナには、前記完全な装着位置とされたときには、検査装置に設けられた検知部との突き当たりが回避されることで、検査装置内に収容されるのを許容し、前記完全な装着位置に達しない不完全な装着位置とされたときには、前記検知部と突き当たることで、検査装置内に収容されるのを規制可能な被検知部が設けられ、且つこの被検知部は、前記完全な装着位置のときは、前記検知部と前後に位置ずれした配置となることでその突き当たりが回避され、前記不完全な装着位置のときは、前後方向に沿う領域が検知部と突き当たるように形成され、さらには前記リテーナの移動方向が前記端子金具の挿入方向に対してなす角度は、45度未満に設定される一方、
    前記リテーナには、前記検知部を受け入れ可能な受け入れ凹部が形成され、この受け入れ凹部の前縁部が前記被検知部を構成するとともに、受け入れ凹部の周縁部が弾性変形可能な弾性変形可能部とされ、さらにこの弾性変形可能部には、リテーナが前記完全な装着位置に達したときに前記コネクタハウジングに設けられた係止部に係止することでリテーナを完全な装着位置に保持可能なロック部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
  2. コネクタハウジングと、コネクタハウジング内に後方から挿入される端子金具と、コネクタハウジングに対して完全な装着位置に装着されると前記端子金具に係止する抜け止め部を備え、且つ端子金具の挿入方向に対して斜めに移動可能とされ、その移動方向が端子金具の挿入方向に対してなす角度が45度未満に設定されるリテーナとから構成されるコネクタを収容可能な収容部を備えており、
    収容部には、リテーナが前記完全な装着位置とされたときには、リテーナに設けられた被検知部との突き当たりが回避されることで、コネクタが収容部内に収容されるのを許容し、前記完全な装着位置に達しない不完全な装着位置とされたときには、前記被検知部と突き当たることで、コネクタが収容部内に収容されるのを規制可能な検知部が設けられ、且つこの検知部は、前記完全な装着位置のときは、前記被検知部と前後に位置ずれした配置となることでその突き当たりが回避され、前記不完全な装着位置のときは、前後方向に沿う領域が被検知部と突き当たるように形成され、
    かつ、前記リテーナには、前記検知部を受け入れ可能な受け入れ凹部が形成され、この受け入れ凹部の前縁部が前記被検知部を構成するとともに、受け入れ凹部の周縁部が弾性変形可能な弾性変形可能部とされ、さらにこの弾性変形可能部には、リテーナが前記完全な装着位置に達したときに前記コネクタハウジングに設けられた係止部に係止することでリテーナを完全な装着位置に保持可能なロック部が設けられていることを特徴とする検査装置。
  3. 前記収容部内に収容した前記コネクタに対して進退可能とされるとともに、コネクタ内の前記端子金具に対して導通接触可能な導通検査部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の検査装置。
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