JP3991817B2 - 車両駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1駆動源の出力トルクと第2駆動源の出力トルクとにより車両を走行駆動する車両駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の出力トルク不足を補う等を目的として、内燃機関以外に電動モータを備えて、走行時のアシスト処理、特に車両発進時の加速性を高める車両駆動装置が知られている(特開2001−224105)。
【0003】
しかし、このような従来技術においては、トルクコンバータに依らずにクラッチ(例えば自動クラッチ)の係合にて車両発進させる場合には、発進時に直ちにクラッチを係合すると内燃機関の回転数が大きく低下してエンジンストールを生じるおそれがある。このため内燃機関及び電動モータの出力側にあるクラッチに対して、発進時に伝達トルク容量を低レベル状態に維持するような係合制御(スリップ制御)を実行するシステムが知られている(特開平10−68335)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし内燃機関も電動モータも共にスリップ制御を行うクラッチを介して出力トルクを駆動輪側に伝達しているため、電動モータによりアシスト処理を実行してもクラッチの伝達トルク容量に制限されて、十分な加速性を得ることができない。
【0005】
スリップ制御時にも電動モータのアシスト処理により十分な加速性を得ようとする場合には、電動モータを、発進時にスリップ制御を行うクラッチの出力側、すなわちクラッチよりも駆動輪側に配置する必要がある。しかしこのように、スリップ制御を行うクラッチの入力側に内燃機関を配置し、かつ出力側に電動モータを配置するシステムとすると、発進時にクラッチの伝達トルク容量を十分に高くできる状況下においても、電動モータによるアシスト処理が行われることがある。そしてこのことにより、電動モータ駆動による不利益、例えば不必要なエネルギー消費を招くおそれがある。
【0006】
すなわち、電動モータを用いる場合は、内燃機関の出力を一旦電気エネルギーに変換しているのでエネルギー効率が低下する。このため電動モータよりも内燃機関により走行駆動トルクを得る方が有利である。このように発進時に電動モータを駆動することは内燃機関による利点を生かせないことになる。
【0007】
このようなことは、発進時に伝達トルク容量を低レベル状態に維持する場合ばかりでなく、伝達トルク容量の上昇を緩慢化するようなスリップ制御を実行した場合にも同じである。更に、発進時のみでなく、定常走行から加速する場合にもサージを防止して内燃機関の安定回転を維持するためにクラッチの伝達トルク容量を低レベルに維持したりあるいは伝達トルク容量の上昇を緩慢化するスリップ制御を選択的に実行する場合でも同じ問題が生じる。
【0008】
本発明は、このような第1駆動源と第2駆動源とを備えた車両駆動装置において、加速性を確保すると共に燃費増加抑制等の第1駆動源による加速の利点も極力生かすようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の車両駆動装置は、クラッチを介して第1駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第1駆動源トルク伝達系と、第2駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第2駆動源トルク伝達系とを備え、加速要求時に第1駆動源トルク伝達系出力トルクと第2駆動源トルク伝達系出力トルクとにより走行する車両駆動装置であって、前記クラッチを係合するに際して、前記クラッチの伝達トルク容量の大きさが異なる制御パターンの1つを設定する伝達トルク容量制御パターン設定手段と、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて伝達トルク容量の大きい制御パターンが設定されたときには前記第2駆動源の出力トルクの寄与を低くし、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて伝達トルク容量の小さい制御パターンが設定されたときには前記第2駆動源の出力トルクの寄与を高くする駆動源出力トルク設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
駆動源出力トルク設定手段は、伝達トルク容量制御パターン設定手段にて伝達トルク容量の大きい制御パターンが設定されたときには第2駆動源の出力トルクの寄与を低くし、伝達トルク容量制御パターン設定手段にて伝達トルク容量の小さい制御パターンが設定されたときには第2駆動源の出力トルクの寄与を高くする。例えば、クラッチの伝達トルク容量の制御パターンが、第1駆動源の出力トルクを十分に伝達できない状態を生じる場合には、第1駆動源のみでは加速性は十分なものとならない。したがって第2駆動源の出力トルクを、第1駆動源からクラッチを介して出力される出力トルクに、強くあるいは長く加えることで、走行駆動トルクに対する第2駆動源の寄与を高める。このことで加速性が確保できる。逆にクラッチの伝達トルク容量の制御パターンが、第1駆動源の出力トルクを十分に伝達できるものである場合には、第1駆動源による加速性は良好となる。このため第2駆動源の出力トルクを必要最小限に止めることで走行駆動トルクに対する第2駆動源の寄与を低くして、第1駆動源による加速の利点、例えば高エネルギー効率の特徴を生かすことができる。
【0011】
このことにより加速性を確保すると共に、第1駆動源による加速の利点、例えば燃費増加抑制も極力生かすことができる。
尚、「駆動輪側」には、駆動輪に至るまでのトランスミッション等の各種動力伝達系が含まれる。
【0012】
請求項2に記載の車両駆動装置では、クラッチを介して第1駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第1駆動源トルク伝達系と、第2駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第2駆動源トルク伝達系とを備え、加速要求時に第1駆動源トルク伝達系出力トルクと第2駆動源トルク伝達系出力トルクとにより走行する車両駆動装置であって、前記クラッチを係合するに際して、直ちに伝達トルク容量を大きくする制御パターン及び一時的に伝達トルク容量を小さく維持する制御パターンのいずれか1つを車速に応じて設定する伝達トルク容量制御パターン設定手段と、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて前記直ちに伝達トルク容量を大きくする制御パターンが設定されたときには前記第2駆動源の出力トルクの寄与を低くし、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて前記一時的に伝達トルク容量を小さく維持する制御パターンが設定されたときには前記第2駆動源の出力トルクの寄与を高くする駆動源出力トルク設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このように伝達トルク容量の制御パターンが、時間的な伝達トルク容量の変化パターンであるため、加速時において第1駆動源の出力トルクの伝達性に時間差が生じ、加速性に影響することになる。このため駆動源出力トルク設定手段が、伝達トルク容量制御パターン設定手段にて直ちに伝達トルク容量を大きくする制御パターンが設定されたときには第2駆動源の出力トルクの寄与を低くし、伝達トルク容量制御パターン設定手段にて一時的に伝達トルク容量を小さく維持する制御パターンが設定されたときには第2駆動源の出力トルクの寄与を高くすることで、加速性を確保すると共に、第1駆動源による加速の利点も極力生かすことができる。
【0014】
請求項3に記載の車両駆動装置では、クラッチを介して第1駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第1駆動源トルク伝達系と、第2駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第2駆動源トルク伝達系とを備え、加速要求時に第1駆動源トルク伝達系出力トルクと第2駆動源トルク伝達系出力トルクとにより走行する車両駆動装置であって、前記クラッチを係合するに際して、前記クラッチの伝達トルク容量の大きさが異なる制御パターンの1つを設定する伝達トルク容量制御パターン設定手段と、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて設定される制御パターンに応じて、前記車両の加速度が目標加速度となるように前記第2駆動源の出力トルクを設定する駆動源出力トルク設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
要求出力トルクに対し第1駆動源トルク伝達系の出力トルクが小さい状態が発生することがある。この時には、伝達トルク容量制御パターン設定手段にて設定される制御パターンに応じて、車両の加速度が目標加速度となるように前記第2駆動源の出力トルクを設定する。このようにして必要時にトルクを第2駆動源から出力することで加速性が維持できる。
【0016】
請求項4に記載の車両駆動装置では、請求項1又は3において、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段は、車速に基づいて伝達トルク容量の制御パターンを設定することを特徴とする。
【0017】
このように車速に基づいて伝達トルク容量の制御パターンを設定するようにしている場合にも適切に第2駆動源の出力トルクを変更して加速性を確保すると共に第1駆動源による加速の利点も極力生かすことができる。
【0018】
請求項5に記載の車両駆動装置では、請求項1〜4のいずれかにおいて前記第1駆動源は内燃機関であり、前記第2駆動源は電動モータであることを特徴とする。
【0019】
このように電動モータの出力トルクを、内燃機関からクラッチを介して出力される出力トルクに加える場合にも上述した作用・効果を生じる。特に第1駆動源としての内燃機関による加速の利点としては、エネルギー効率が高いので第2駆動源としての電動モータよりも燃費的に有利となる点が挙げられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された車両駆動装置の概略構成を表すブロック図である。
【0021】
車両駆動装置は、内燃機関(以下「エンジン」と称する)と電動モータとからの出力トルクを走行駆動トルクとする、いわゆるハイブリッド車に対する車両駆動装置として構成されている。エンジン2(第1駆動源に相当)は、燃料の燃焼によって動力を出力する形式の装置であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの他、液化石油ガスや天然ガス等のガス燃料を燃焼させるエンジンが含まれる。ここではガソリンエンジンとして説明する。
【0022】
電動モータと発電機とを兼ねているモータジェネレータ4,6は、電気的エネルギーを回転運動等の運動エネルギーに変換して出力するモータ機能と、伝達された動力エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機能を併せ持っている。
【0023】
そしてエンジン2の出力トルクは、入力クラッチ(請求項におけるクラッチに相当)8を介して自動変速機10側に伝達され、最終的に駆動輪に伝達される。尚、第1モータジェネレータ4は、エンジン2に直接取り付けられている。又、第2モータジェネレータ6(第2駆動源に相当)は入力クラッチ8と自動変速機10との間に配置されることで、第2モータジェネレータ6の出力トルクは、自動変速機10側に伝達され、最終的に駆動輪に伝達される。
【0024】
ここで自動変速機10は、歯車変速機部と油圧制御部とからなり、入力回転数NCOと出力回転数NOの比(変速比)を自動で適宜変更することのできる装置である。自動変速機10としては、例えば、有段式の変速機や変速比を連続式に変化させることのできる無段変速機等を用いることができる。この自動変速機10の一例を図2に示す。
【0025】
図2に示した自動変速機10はオーバードライブ機構部ODとアンダードライブ機構部UDとを有している。オーバードライブ機構部ODは、入力クラッチ8を介するエンジン2の出力トルク及び入力クラッチ8を介さない第2モータジェネレータ6からの出力トルクが伝達される。このオーバードライブ機構部ODは、サンギヤ、リングギヤ、プラネタリピニオン及びキャリヤからなる1組の遊星歯車装置10aを備え、この遊星歯車装置10aの回転状態は、クラッチC0、ブレーキB0、ワンウェイクラッチF0によって調整されている。
【0026】
アンダードライブ機構部UDは、オーバードライブ機構部ODからトルクが伝達される。このアンダードライブ機構部UDは、2つのサンギヤ(1つは共通のサンギヤ)、3つのリングギヤ、3つのプラネタリピニオン及び3つのキャリヤを組み合わせた3組の遊星歯車装置10b,10c,10dを備えている。この3組の遊星歯車装置10b,10c,10dの回転状態及びオーバードライブ機構部ODとの連結状態は、クラッチC1,C2、ブレーキB1,B2,B3,B4及びワンウェイクラッチF1,F2によって調整されている。
【0027】
そして変速制御用ECU18が、シフトレンジや変速段に応じて、図3に示すごとく前記クラッチC0〜C2、ブレーキB0〜B4を係合・解放する。これに連動してワンウェイクラッチF1,F2の状態も決定する。
【0028】
図1の説明に戻り、モータジェネレータ4,6には、それぞれ、インバータ4a,6aを介してバッテリ12が接続されている。インバータ4a,6aは、その内部の複数のスイッチング素子をオン・オフすることでバッテリ12からの直流電力を所定の交流電力に変換してモータジェネレータ4,6に供給し、またモータジェネレータ4,6における交流の発電電力を直流電力としてバッテリ12に充電のために供給している。
【0029】
そしてコントローラ4b,6bがエンジン2の運転状態に基づいてインバータ4a,6aを制御して、モータジェネレータ4,6の出力トルクや回生制動力を制御している。
【0030】
尚、特に第2モータジェネレータ6の出力軸のトルクは、第2モータジェネレータ6が電動モータとして機能してトルク出力を行っている場合に、入力クラッチ8を介して伝達されるエンジン2の出力トルクと、第2モータジェネレータ6自身の出力トルクの合計となる。そしてこの合計の出力トルクが自動変速機10を介して駆動輪に伝達されることになる。
【0031】
エンジン2の出力制御及びコントローラ4b,6bの制御はエンジン制御用ECU16により実行され、自動変速機10の変速制御は前述したごとく変速制御用ECU18により実行される。これらECU16,18は、それぞれ双方向性バスを介して相互に接続されたRAM、ROM、CPU、入力ポート、出力ポート及び各種駆動回路を備えることで、デジタルコンピュータを中心として構成されている。
【0032】
エンジン制御用ECU16には、クラッチストロークCLSP、エンジン回転数NE、入力回転数NCO、出力回転数NO、スロットル開度TA、アクセル開度ACCP、空燃比その他のエンジン制御上、必要なデータを検出するための信号が入力されている。変速制御用ECU18には、シフトポジションSHFT、自動変速機10の内部状態の検出値、入力回転数NCO、出力回転数NO、アクセル開度ACCP、その他、自動変速機10の制御上必要なデータを検出するための信号が入力されている。又、ECU16,18同士は、相互に必要なデータの交換のためのデータ通信を実行している。
【0033】
尚、クラッチストロークCLSPは入力クラッチ8に備えられたクラッチストロークセンサ20から、エンジン回転数NEはエンジン2のクランク軸の回転数を検出するエンジン回転数センサ22からの信号により検出される。入力回転数NCOは図2に示したごとく自動変速機10の入力軸回転数を検出する入力軸回転数センサ24から、出力回転数NOは自動変速機10の出力軸回転数を検出する出力軸回転数センサ26から、自動変速機10の内部状態は変速メンバーの移動を検出する内部状態センサ27からの信号により検出される。そしてスロットル開度TAは吸気経路28に設けられたスロットルバルブ30の開度を検出するスロットル開度センサ32から、アクセル開度ACCPはアクセルペダル34の踏み込み量を検出するアクセル開度センサ36からの信号により検出される。
【0034】
エンジン制御用ECU16は、上述したデータに基づいて制御演算を実行して、電子スロットル用のモータ38によりスロットル開度TAを調節し、燃料噴射弁40からの噴射量を調節し、このことでエンジン2の出力トルクTeg(N・m)を調節する。更にエンジン制御用ECU16は入力クラッチ8の断接駆動を行って伝達トルク容量CLtq(N・m)を変更する。このように入力クラッチ8は運転者が直接操作して断接駆動するクラッチではなく、自動的に断接駆動される、いわゆる自動クラッチとして構成されている。更にエンジン制御用ECU16は、第2モータジェネレータ6による出力トルクTmg(N・m)を調節する。エンジン制御用ECU16は、これ以外にもエンジン2の運転のために必要な制御を実行している。
【0035】
次にエンジン制御用ECU16により実行される加速時出力トルクアシスト処理を図4に示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。
本処理が開始されると、まず加速要求が有るか否かが判定される(S100)。この加速要求は、運転者によりアクセルペダル34が或程度以上の速度で踏み込まれた場合に加速要求有りと判定される。
【0036】
加速要求が無い場合には(S100で「NO」)、このまま本処理を終了する。したがって本加速時出力トルクアシスト処理にては実質的な処理は実行されない。
【0037】
加速要求有りと判定された場合には(S100「YES」)、次に加速要求レベルが演算される(S102)。加速要求レベルは、運転者によるアクセルペダル34の踏み込み量と踏み込み速度とにより求められるものであり、例えば、アクセル開度ACCPとアクセル開度ACCPの変化速度とをパラメータとするマップから算出される。アクセルペダル34の踏み込み量が深くかつ踏み込み速度が高ければ加速要求レベルは高くなるように、踏み込み量が浅くかつ踏み込み速度が低ければ、加速要求レベルは低くなるように演算される。
【0038】
次に加速要求レベルに基づいて目標加速度特性が設定される(S104)。この目標加速度特性は図8に示すごとく設定される。すなわち加速要求レベルが低い「通常加速要求」である場合は、目標加速度Gtの初期立ち上がり時において比較的緩やかに上昇する。加速要求レベルが非常に高い「超急加速要求」である場合は、目標加速度Gtの初期立ち上がり時において極めて急峻に上昇する。又、加速要求レベルが「通常加速要求」と「超急加速要求」との中間である「急加速要求」では目標加速度Gtの初期立ち上がり時は、「通常加速要求」と「超急加速要求」との中間程度の上昇となる。
【0039】
次に後述する図5の伝達トルク容量制御パターン設定処理にて通常係合制御が設定されているか否かが判定される(S108)。ここで通常係合制御が設定されていれば(S108で「YES」)、入力クラッチ8はエンジン2が出力するトルクを駆動輪側に十分に伝達可能であるので、高伝達トルク容量時用トルク分担処理の実行が設定される(S110)。又、通常係合制御でなければ(S108で「NO」)、すなわちスリップ制御であれば、入力クラッチ8はエンジン2が出力するトルクを駆動輪側に十分に伝達できなくなる場合があるので、低伝達トルク容量時用トルク分担処理の実行が設定される(S112)。このステップS110あるいはステップS112の処理が終了すれば一旦本処理を終了する。
【0040】
ここで加速要求時において入力クラッチ8を係合する場合に行われる伝達トルク容量CLtqの制御について、図5の伝達トルク容量制御パターン設定処理にて説明する。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。
【0041】
本処理が開始されると、まず加速要求が有るか否かが判定される(S150)。加速要求が無い場合には(S150で「NO」)、このまま本処理を終了する。したがって伝達トルク容量制御パターン設定処理にては実質的な処理は実行されない。
【0042】
加速要求が有る場合には(S150で「YES」)、次に車速が基準車速SPx以上か否かが判定される(S152)。ここで車速は出力軸回転数センサ26から得られる出力回転数NOに基づいて算出される。基準車速SPxは入力クラッチ8を直ちに係合してもエンジン2の回転が不安定化しないか否かを判定するために予め設定されている基準値である。
【0043】
車速≧SPxであれば(S152で「YES」)、入力クラッチ8を直ちに係合する通常係合制御が設定される(S154)。すなわち入力クラッチ8を直ちに係合してもエンジン2の回転が不安定化しない車速であるので通常係合制御が設定される。
【0044】
車速<SPxであれば(S152で「NO」)、入力クラッチ8の係合についてはスリップ制御が設定される(S156)。すなわち入力クラッチ8を直ちに係合するとエンジン2の回転が不安定化する車速であるので、入力クラッチ8を直ちに係合せず、一時的に中間的な係合状態にして低い伝達トルク容量CLtqの状態を維持し、十分に車速が上昇した後に入力クラッチ8を完全係合する。尚、スリップ制御としては、一時的に低い伝達トルク容量CLtqの状態に維持する以外に、伝達トルク容量CLtqの上昇を緩慢化する制御を採用しても良い。
【0045】
このような処理が実行されることにより、加速時にエンジン2の回転を不安定化させずに入力クラッチ8を係合できる。そして、ここにおいて選択される通常係合制御とスリップ制御とに応じて前記加速時出力トルクアシスト処理(図4)のステップS108の判定がなされる。
【0046】
次に伝達トルク容量制御パターン設定処理(図5)にて通常係合制御が選択された場合に、加速時出力トルクアシスト処理(図4)のステップS110にて実行が設定される高伝達トルク容量時用トルク分担処理を図6に示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。
【0047】
本処理が開始されると、まず高伝達トルク容量時用トルク分担処理の実行設定がなされているか否かが判定される(S200)。前記ステップS110にて実行設定がなされていなければ(S200で「NO」)、このまま本処理を終了し、実質的な処理はなされない。
【0048】
前記ステップS110にて実行設定がなされていれば(S200で「YES」)、加速要求レベルに応じたエンジン出力制御が実行される(S202)。すなわち前記ステップS104にて求められている目標加速度特性のパターン(図8)に沿うようにエンジン2の出力トルクの調節がなされる。ここではスロットルバルブ30の開度制御と燃料噴射弁40による燃料噴射量制御により出力トルクが調節される。
【0049】
次に出力軸回転数センサ26の出力から車両実加速度Gを算出する(S204)。そして目標加速度Gtに対する車両実加速度Gの不足を補償するためのトルクを、第2モータジェネレータ6から出力するよう設定する(S208)。尚、目標加速度Gtは、前記ステップS104にて求められている目標加速度特性のパターン(図8)に基づいて加速要求時からの経過時間により得られる。
【0050】
このように入力クラッチ8を介してそのまま伝達されてくるエンジン2の出力トルクでは加速度が不足な場合に、第2モータジェネレータ6に対してインバータ6aから必要な電力が供給される。この時には入力クラッチ8を介するエンジン2の出力トルクに、入力クラッチ8を介さない第2モータジェネレータ6の出力トルクが加えられて、合計のトルクが駆動輪側(ここでは自動変速機10側)に出力される。
【0051】
尚、入力クラッチ8の伝達トルク容量CLtqは十分に大きいので、加速要求処理期間におけるほとんどの領域では、エンジン2の出力トルクのみで十分に目標加速度特性のパターンを達成できる。したがって図9(A)に一例を示すごとく、ピークの加速度を設定する期間(ta〜tb)以外は特に第2モータジェネレータ6によるアシスト処理はなされていない。
【0052】
次に本トルク分担処理は終了か否かが判定される(S210)。例えば、前記目標加速度特性パターンが終了した場合、運転者がアクセルペダル34を直ちに戻した場合、あるいはブレーキを踏んだ等の加速要求に伴う処理を停止しなくてはならない場合に、本トルク分担処理は終了と判定される。
【0053】
ここでトルク分担処理が終了でなければ(S210で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。したがって次の制御周期では、再度ステップS200にて「YES」と判定されて、前述したステップS202〜S208が実行される。以後、トルク分担処理が終了と判定されるまでは、上記処理を繰り返す。
【0054】
そして、トルク分担処理が終了であると判定されると(S210で「YES」)、本処理の実行設定がキャンセルされる(S212)。このため次の制御周期では、ステップS200で「NO」と判定されるようになり、本処理を実質的に終了する。
【0055】
次に伝達トルク容量制御パターン設定処理(図5)にてスリップ制御が選択された場合に、加速時出力トルクアシスト処理(図4)のステップS112にて実行が設定される低伝達トルク容量時用トルク分担処理を図7に示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。
【0056】
本処理が開始されると、まず低伝達トルク容量時用トルク分担処理の実行設定がなされているか否かが判定される(S300)。前記ステップS112にて実行設定がなされていなければ(S300で「NO」)、このまま本処理を終了し、実質的な処理はなされない。
【0057】
前記ステップS112にて実行設定がなされていれば(S300で「YES」)、次にクラッチストロークセンサ20が検出するクラッチストロークCLSPの値に基づいて、入力クラッチ8の現在の伝達トルク容量CLtqが算出される(S302)。例えば、クラッチストロークCLSPをパラメータとするマップから算出される。そして、出力軸回転数センサ26の出力から車両実加速度Gを算出する(S304)。
【0058】
次に前記伝達トルク容量CLtqに応じたエンジン出力制御がなされる(S306)。ここでは入力クラッチ8はスリップ制御がなされているために、伝達トルク容量CLtqが直ちに大きくならないので、エンジン2が高出力となっても伝達トルク容量CLtqより大きなトルクを自動変速機10に伝達することができない。このため、エンジン2の出力トルクを、伝達トルク容量CLtqに応じて通常よりも抑制することにより無駄な燃料消費と過剰回転を防止している。
【0059】
そして第2モータジェネレータ6からは加速要求レベルが達成されるトルクが出力されるように設定される(S308)。
すなわち入力クラッチ8を介するエンジン2側の出力のみでは、入力クラッチ8の低い伝達トルク容量CLtqに制限されて、前記ステップS104にて求めた目標加速度特性のパターン(図8)を実現することはできない。したがって第2モータジェネレータ6を駆動して、車両実加速度Gが目標加速度Gtに近づくように出力制御することにより、すなわち要求出力トルクに基づいて出力制御することにより目標加速度特性のパターン(図8)を実現する処理が行われる。すなわち図9(B)に一例を示すごとく、前述した図9(A)の場合よりも走行駆動トルクに対する第2モータジェネレータ6の出力トルクの寄与が高くされることになる。尚、図9(B)では時刻tc〜tdがスリップ制御期間であり、時刻teで入力クラッチ8が完全係合している。
【0060】
次に本トルク分担処理は終了か否かが判定される(S310)。この判定条件は前記ステップS210にて説明したごとくである。
トルク分担処理が終了でなければ(S310で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。したがって、次の制御周期では、再度ステップS300にて「YES」と判定されて、前述したステップS302〜S308が実行される。以後、トルク分担処理が終了と判定されるまでは、上記処理を繰り返す。
【0061】
そして、トルク分担処理が終了であると判定されると(S310で「YES」)、本トルク分担処理の実行設定がキャンセルされる(S312)。このため次の制御周期では、ステップS300で「NO」と判定されるようになり、本処理を実質的に終了する。
【0062】
図10,11に本実施の形態による制御例を示す。図10は加速要求時に(t0)入力クラッチ8を係合する際に、車速≧SPxであることにより、直ちに入力クラッチ8を係合する通常係合制御が行われた例を示す。この場合には、直ちに伝達トルク容量CLtqは最大となるので(t1)、エンジン2の出力トルクは入力クラッチ8を介して駆動輪側に十分に伝達される。このためエンジン2の出力トルクにより加速がなされる(t0〜t2)。ただし目標加速度Gtは、良好な加速性を得るために時刻t2〜t5にかけて非常に高く設定されている。このため時刻t2〜t5にかけてエンジン2の出力トルクの不足分は、第2モータジェネレータ6を駆動することにより、要求通りの加速度Gを実現している。勿論、目標加速度Gtの程度が、エンジン2の出力トルクにて十分に実現可能な設定で有れば、第2モータジェネレータ6の駆動はしなくても良い。
【0063】
図11は加速要求時に(t10)入力クラッチ8を係合する際に、車速<SPxであることにより、スリップ制御にて一時的に伝達トルク容量CLtqを低レベルに維持した(t11〜t13)後に入力クラッチ8を完全に係合した例を示す。この場合には、エンジン2の出力トルクを急増しても低い伝達トルク容量CLtqにより制限されるので、エンジン2の出力トルクのみでは所望の加速は不可能である。このため加速当初(t10)から第2モータジェネレータ6を駆動して、図10の場合に比較して第2モータジェネレータ6の出力トルクの寄与を高くして、要求される加速を得ている。そして車速の上昇に伴ってスリップ制御を停止して入力クラッチ8が完全係合に移行すると(t13〜t14)、エンジン2の出力トルクにて十分に加速要求に対応できるようになるため、第2モータジェネレータ6の駆動も停止する。
【0064】
上述した構成において、エンジン2から入力クラッチ8を介して自動変速機10へエンジン2の出力トルクを伝達する機構が第1駆動源トルク伝達系に相当し、入力クラッチ8を介さずに自動変速機10側へ第2モータジェネレータ6の出力トルクを伝達する機構が第2駆動源トルク伝達系に相当する。伝達トルク容量制御パターン設定処理(図5)が伝達トルク容量制御パターン設定手段としての処理に、加速時出力トルクアシスト処理(図4)が駆動源出力トルク設定手段としての処理に相当する。
【0065】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).通常係合制御時には入力クラッチ8による伝達トルク容量CLtqは直ちに大きくされることからエンジン2による加速性は良好であると判断できる。したがって加速時出力トルクアシスト処理(図4)では、駆動輪側への走行駆動トルクの出力においては、第2モータジェネレータ6の出力トルクの寄与を低くすることにより、アシスト処理を必要最小限に止めている。具体的には、加速性能上、エンジン2自体の出力トルクでは不足するピーク加速度領域、すなわち要求出力トルクより小さくなるピーク加速度領域においてのみ、第2モータジェネレータ6を駆動している。したがって不必要に電気エネルギーを消費させないので、エネルギー効率を高めることができる。
【0066】
そしてスリップ制御時には、一時的に入力クラッチ8の伝達トルク容量CLtqが低い状態に維持されているあるいは伝達トルク容量CLtqの上昇が緩慢化されている。このことによりエンジン2の出力トルクによる加速性は不十分となるので、走行駆動トルクにおける第2モータジェネレータ6の寄与を大きくして、アシスト処理を十分なものとしている。具体的には、加速開始時から入力クラッチ8が完全係合するまで、第2モータジェネレータ6を駆動している。したがって入力クラッチ8の係合が遅いことにより伝達トルク容量CLtqが不十分であっても加速性を良好にすることができる。
【0067】
このようにして加速要求時において車両の加速性を確保すると共に燃費増加も抑制することができる。
(ロ).入力クラッチ8がスリップ制御されている時には、加速要求レベルが達成されるように第2モータジェネレータ6の出力トルクが設定されることで、必要で十分な走行駆動トルクを駆動輪側に伝達することができる。こうして要求に対応した加速性を得ることができる。
【0068】
[実施の形態2]
本実施の形態では、低伝達トルク容量時用トルク分担処理(図7)の代わりに、図12に示す低伝達トルク容量時用トルク分担処理を実行する。本処理は短時間周期で繰り返し実行される。他の構成は前記実施の形態1と同じである。
【0069】
低伝達トルク容量時用トルク分担処理(図12)が開始されると、まず低伝達トルク容量時用トルク分担処理の実行設定がなされているか否かが判定される(S400)。前記ステップS112にて実行設定がなされていなければ(S400で「NO」)、このまま本処理を一旦終了し、実質的な処理はなされない。
【0070】
前記ステップS112にて実行設定がなされていれば(S400で「YES」)、次に前記実施の形態1のステップS302と同様に、クラッチストロークセンサ20が検出するクラッチストロークCLSPの値に基づいて、入力クラッチ8の現在の伝達トルク容量CLtqが算出される(S402)。尚、入力クラッチ8の伝達トルク容量CLtqはクラッチストロークCLSPの値ではなく、入力クラッチ8を駆動するための油圧制御回路が出力する油圧に基づいて算出するようにしても良い。このことは前記実施の形態1のステップS302においても同様である。
【0071】
そして加速要求レベルに応じた第2モータジェネレータ6の出力トルクの設定が行われる(S404)。例えば、前記ステップS104にて求められた目標加速度特性のパターン(図8)の初期上昇部分に沿って時間の経過に応じて一律に第2モータジェネレータ6の出力トルクが上昇するように設定する。このことにより第2モータジェネレータ6の出力トルクが加速度Gの上昇に大きく寄与するようになる。
【0072】
尚、ここでの第2モータジェネレータ6の出力トルクは、加速要求レベルに必要なトルクよりも小さく設定されるが、伝達トルク容量CLtq以内のエンジン出力トルクが加われば、十分に加速要求レベルを達成できる大きさに制御される。
【0073】
そして出力軸回転数センサ26の出力から車両実加速度Gを算出する(S406)。
次に最終的に駆動輪側へのトルク出力が加速要求レベルに達するようにエンジン出力制御がなされる(S408)。すなわちエンジン2の出力トルクにより、車両実加速度Gが目標加速度Gtに近づくように出力制御することにより、要求出力トルクに対する第2モータジェネレータ6の出力トルクの不足分を補って、目標加速度特性のパターン(図8)を実現する処理が行われる。
【0074】
次に本トルク分担処理は終了か否かが判定される(S410)。この判定条件は前記実施の形態1のステップS210にて説明したごとくである。
トルク分担処理が終了でなければ(S410で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。したがって、次の制御周期では、再度ステップS400にて「YES」と判定されて、前述したステップS402〜S408が実行される。以後、トルク分担処理が終了と判定されるまでは、上記処理を繰り返す。
【0075】
そして、トルク分担処理が終了であると判定されると(S410で「YES」)、本処理の実行設定がキャンセルされる(S412)。このため次の制御周期では、ステップS400で「NO」と判定されるようになり、本処理を実質的に終了する。
【0076】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).入力クラッチ8がスリップ制御されている時には、エンジン2の出力トルクを調整して加速要求レベルを実現するようにしている。このため必要で十分なトルクを駆動輪側に伝達することができる。こうして要求に対応した加速性を得ることができる。
【0077】
(ロ).前記実施の形態1の(イ)の効果を生じる。
[その他の実施の形態]
(a).前記伝達トルク容量制御パターン設定処理(図5)では、車速に基づいて通常係合制御かスリップ制御かを選択していた。しかし、運転者がアクセルペダル34を極めて急激に踏み込んでエンジン2の出力トルクを極めて急激に上昇させた場合には、発進時などで車速が低くてもエンジン2はエンジンストールを生じることなく加速される場合がある。このため、車速に基づく設定でなく、ダッシュボードなどに「スポーツ」・「ノーマル」の切り換えスイッチを備えて、運転者が「スポーツ」を選択した場合には通常係合制御実行を設定し、「ノーマル」を選択した場合にはスリップ制御実行を設定するようにしても良い。
【0078】
あるいは、アクセルペダル34の踏み込み速度を利用して、極めて急激な踏み込みが生じた場合には通常係合制御の実行を設定し、これ以外ではスリップ制御の実行を設定するようにしても良い。
【0079】
(b).前記各実施の形態あるいは上記(a)に述べたごとく車速や運転者の各種操作により、伝達トルク容量制御パターンの設定を行うのではなく、これ以外の操作や信号などをトリガーとして、伝達トルク容量制御パターンの設定を行っても良い。例えば、車両組み立て時の設定、修理工場での設定、同乗者による操作、あるいは車両外部からの通信手段による信号等により、伝達トルク容量制御パターンの設定を行っても良く、何をトリガーにするかは任意である。
【0080】
(c).前記各実施の形態では、通常係合制御かスリップ制御かの伝達トルク容量制御パターンの設定後に、この伝達トルク容量制御パターンに応じて第2駆動源である第2モータジェネレータ6の出力トルクを設定していた。しかし応答性等を考慮して、通常係合制御かスリップ制御かの設定を予め予測して、これから設定される可能性のある伝達トルク容量制御パターンに応じて第2モータジェネレータ6の出力トルクを設定するようにしても良い。例えば車速の変化等を含む車両の走行状態から予測しても良い。
【0081】
(d).前記各実施の形態では、変速機として自動変速機を用いたが、手動変速機でも良い。
(e).前記図1の構成では第2モータジェネレータ6以外に第1モータジェネレータ4が存在したが、第2モータジェネレータ6のみの構成でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としての車両駆動装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】実施の形態1の自動変速機の概略構成を示すスケルトン図。
【図3】シフトポジションに応じた上記自動変速機の内部状態説明図。
【図4】実施の形態1のエンジン制御用ECUが実行する加速時出力トルクアシスト処理のフローチャート。
【図5】同じく伝達トルク容量制御パターン設定処理のフローチャート。
【図6】同じく高伝達トルク容量時用トルク分担処理のフローチャート。
【図7】同じく低伝達トルク容量時用トルク分担処理のフローチャート。
【図8】実施の形態1の目標加速度特性のパターンを示すグラフ。
【図9】実施の形態1の加速時の制御の一例を示すタイミングチャート。
【図10】実施の形態1の加速時の制御の一例を示すタイミングチャート。
【図11】実施の形態1の加速時の制御の一例を示すタイミングチャート。
【図12】実施の形態2の低伝達トルク容量時用トルク分担処理のフローチャート。
【符号の説明】
2…エンジン、4…第1モータジェネレータ、4a,6a…インバータ、4b,6b…コントローラ、6…第2モータジェネレータ、8…入力クラッチ、10…自動変速機、12…バッテリ、16…エンジン制御用ECU、18…変速制御用ECU、20…クラッチストロークセンサ、22…エンジン回転数センサ、24…入力軸回転数センサ、26…出力軸回転数センサ、27…内部状態センサ、28…吸気経路、30…スロットルバルブ、32…スロットル開度センサ、34…アクセルペダル、36…アクセル開度センサ、38…電子スロットル用モータ、40…燃料噴射弁。
Claims (5)
- クラッチを介して第1駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第1駆動源トルク伝達系と、第2駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第2駆動源トルク伝達系とを備え、加速要求時に第1駆動源トルク伝達系出力トルクと第2駆動源トルク伝達系出力トルクとにより走行する車両駆動装置であって、
前記クラッチを係合するに際して、前記クラッチの伝達トルク容量の大きさが異なる制御パターンの1つを設定する伝達トルク容量制御パターン設定手段と、
前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて伝達トルク容量の大きい制御パターンが設定されたときには前記第2駆動源の出力トルクの寄与を低くし、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて伝達トルク容量の小さい制御パターンが設定されたときには前記第2駆動源の出力トルクの寄与を高くする駆動源出力トルク設定手段と、
を備えたことを特徴とする車両駆動装置。 - クラッチを介して第1駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第1駆動源トルク伝達系と、第2駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第2駆動源トルク伝達系とを備え、加速要求時に第1駆動源トルク伝達系出力トルクと第2駆動源トルク伝達系出力トルクとにより走行する車両駆動装置であって、
前記クラッチを係合するに際して、直ちに伝達トルク容量を大きくする制御パターン及び一時的に伝達トルク容量を小さく維持する制御パターンのいずれか1つを車速に応じて設定する伝達トルク容量制御パターン設定手段と、
前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて前記直ちに伝達トルク容量を大きくする制御パターンが設定されたときには前記第2駆動源の出力トルクの寄与を低くし、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて前記一時的に伝達トルク容量を小さく維持する制御パターンが設定されたときには前記第2駆動源の出力トルクの寄与を高くする駆動源出力トルク設定手段と、
を備えたことを特徴とする車両駆動装置。 - クラッチを介して第1駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第1駆動源トルク伝達系と、第2駆動源の出力トルクを駆動輪側に伝達する第2駆動源トルク伝達系とを備え、加速要求時に第1駆動源トルク伝達系出力トルクと第2駆動源トルク伝達系出力トルクとにより走行する車両駆動装置であって、
前記クラッチを係合するに際して、前記クラッチの伝達トルク容量の大きさが異なる制御パターンの1つを設定する伝達トルク容量制御パターン設定手段と、
前記伝達トルク容量制御パターン設定手段にて設定される制御パターンに応じて、前記車両の加速度が目標加速度となるように前記第2駆動源の出力トルクを設定する駆動源出力トルク設定手段と、
を備えたことを特徴とする車両駆動装置。 - 請求項1又は3において、前記伝達トルク容量制御パターン設定手段は、車速に基づいて伝達トルク容量の制御パターンを設定することを特徴とする車両駆動装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記第1駆動源は内燃機関であり、前記第2駆動源は電動モータであることを特徴とする車両駆動装置。
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