JP3989315B2 - 半導体レ−ザ素子の選別方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レ−ザに関する。より具体的には、良品半導体レーザの選別方法、特にInGaAsを活性層とする半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
InGaAsを活性層とし、0.98μm前後の波長で発振する半導体レーザはErドープ光ファイバーアンプの励起光源として高出力化が望まれている。しかも通信分野では高い信頼性が特に強く要求され、初期不良品を確実に排除する必要がある。従来の半導体レーザの不良品を除く方法として、定格電流値よりも大きめの電流を所定の時間与えて初期不良を除去する加速試験が一般的に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、InGaAsを活性層とする半導体レーザでは、通常の加速試験で良品と判定されていたものでも通電中のある時点から急速に劣化して破壊状態に至る故障モードが観測されている。すなわち、その時点までは駆動電流がそれほど大きく増加することもなく正常な素子と同じ特性にみえていたものが突如として劣化してしまうのである。特に、高出力のInGaAs半導体レーザでは使用中にこのような突然劣化が起こる可能性が高く、使用上の問題となっている。
本発明の目的は、半導体レ−ザ素子を選別するにあたり、突然劣化および急速劣化しうる不良素子の選別除去を確実に行うことができる方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の選別方法は、通電中に突然劣化と急速劣化が起こる可能性のある素子を確実に排除する方法であり、半導体レーザ素子の光出力特性を測定する予備的過程と、前記半導体レーザ素子に定格電流以上の電流を50℃以上の高温で10時間以上通電する第1の過程と、前記第1の過程後で、半導体レーザ素子に前記定格電流以上の電流よりも大なる最大電流値まで掃引を行なう第2の過程と、前記第1の過程の前後の光出力特性の測定結果から、選別基準にしたがって、不良品を排除する第3の過程、とからなることを特徴とする半導体レーザ素子の選別方法であって、前記選別基準として、スロープ効率および/またはしきい値電流の、前記予備的過程と前記第2の過程との間における変化率を、複数の半導体レーザ素子について正規確率および/またはワイブル確率でプロットした際の、主分布からのずれを利用する、半導体レーザ素子の選別方法である。
本発明の選別方法においては、前記第2の過程において、前記最大電流値での光出力の低下率を基準として、さらに素子の選別を行なうことが好ましい。
本発明の選別方法によって選別された半導体レーザ素子は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
さらに、前記第2の過程において掃引する最大電流値を、前記第1の過程で通電後の素子の、電流と光出力特性の関係から規定すること、第3の過程における不良品の選別基準を、複数の半導体レーザ素子による第1の過程前後に測定する光出力特性値変化率の統計分布によって規定すること、により、良品の選別を行うことが好ましい。
【0005】
【作用】
InGaAs半導体レーザの突然劣化は端面での溶融で起こり、瞬時光学損傷(COD)と呼ばれる。その発生原因は、光と端面での光の相互作用によるものと推測される。光密度が一定の条件で駆動しているにもかかわらず、通電中のある時点でCODが起こるのは通電中にCODレベルが低下しているためであり、これが使用中の通電条件での光出力値まで下がったときに突然劣化が起こるものと考えられる。このとき、素子の中には、CODレベルの低下と同時にしきい値電流の上昇やスロープ効率の低下を伴うものも存在している。
【0006】
本発明によれば、50℃以上の環境下で最大定格電流よりも大きい第1の過程の電流を所定の時間通電することにより、不良素子のCODレベルを強制的に低下させる。これによって、その後の不良素子の排除を光出力特性をみることで行い易くなる。そして、通電後に第2の過程の最大電流まで掃引することにより、良品にはダメージを与えない程度に不良品への負荷を与えることで、より選別が確実なものとなる。さらに、通電終了前後での光出力特性の変化率から実験より求めた選別基準に基づいて不良品を排除することにより突然劣化、急速劣化を示す可能性のある素子を確実に排除することができる。
【0007】
第2の過程において掃引する最大電流値は、第1の過程で通電後の素子の、電流と最大光出力特性の関係を実験により規定する。最大電流値は不良素子を確実に排除でき、良品素子に対しては、劣化を引き起こす可能性のあるダメージを与えないできるだけ低いレベルが望ましい。
【0008】
第3の過程における不良品の選別基準は、複数の半導体レーザ素子による第1の過程通電前後に測定する光出力特性値、例えば通電前のしきい値電流Ith(Start)と通電後の値Ith(End)から求められる変化率dIth={Ith(End)-Ith(Start)}/Ith(End)の統計分布によって規定する。例えば、正規確率紙にプロットしたときに変化率が主分布から大きめにずれはじめるポイントを判定の基準とする。この考え方はCODレベルの低下と同様に、不良素子における劣化速度が早めに進行するものを排除するというものである。素子によってはワイブルプロットなど正規分布以外の分布を適用したほうが望ましい場合もありうる。
【0009】
【実施例】
図1は、本発明の選別方法の対象となる半導体レーザの断面構造を示すものである。まずこの構造を説明する。n-GaAs基板1上に、n-GaAsバッファ層2、n-AlGaAsクラッド層3、n-AlGaAs導波層4、InGaAs量子井戸活性層、p-AlGaAsサイドバリア層、p-AlGaAsキャリアブロック層からなる活性層5、p-AlGaAs導波層a6、p-AlGaAs導波層b7、n- AlGaAs電流ブロック層8、p-AlGaAsクラッド層9により形成される。さらにp-コンタクト層とp-電極、さらにn-GaAs基板側にn-電極が形成されている。また、端面近傍ストライプ領域にn-電流狭窄層25μmが存在し、電流が流れない構造となっており、これにより端面劣化が起こり難くなっている。ストライプ幅は4μm、共振器長1.8mm、チップ前面2%の低反射膜、後面に96%の高反射膜が施されている。また、チップはpサイドダウンでCuWサブマウント上にボンディングし、さらにステム上のヒートシンク上に接合、キャン封止をした上で、実験に用いた。
【0010】
次に、このような半導体レーザに対して適用する本発明の一実施例である選別方法を説明する。まず、室温での定格動作電流が700mAである50個の前記構造の半導体レーザ素子を用意し、第2の過程である通電前の光出力特性を25℃で1.5Aまでステップ電流3mAのCW駆動で全数測定した。このとき、1.5Aまでの掃引でCODを起こした素子は1素子もみられなかった。そして第1の過程である環境温度75℃電流値950mAの定電流で300時間連続通電し、その後第2の過程である通電後での光出力特性を25℃で2.0AまでCWで全数測定した。
【0011】
このとき、素子によってはCODレベルが低下し、2.0Aに至るまでにCODを起こす素子が6素子存在した。これらの素子はこの段階で不良品素子として排除される。図2にこれら不良と判定された素子の電流-光出力特性を示す。図3には、2.0Aまでの電流でCODを示さなかった素子の光出力特性の一部を示す。図2と図3より、実施例で用いた半導体レーザ素子における第2の過程において掃引する最大電流値を〜1.5Aに設定するのが適切であることがわかった。
【0012】
さらに第3の過程として、前述の通電前後に全数素子の光出力特性を測定した結果からしきい値電流、スロープ効率の変化率%を算出し、正規確率紙上にプロットした。ここで、しきい値電流とスロープ効率は光出力レベルが30mWから300mWまでの範囲の測定点からの最小二乗法により、求めている。その結果の一例であるしきい値電流の場合を図4に示す。この図からしきい値変化率の主分布から変化率が大きい方に分布している素子を不良素子として排除するのが適切と判断でき、この場合の選別基準値は+3%となる。
以上の第2の過程および第3の過程により選別された結果をまとめると以下のようになる。
ここで、例えば6/50とは全50素子中6素子が不良素子と判定されたことをあらわす。また、いずれかの基準で不良と判定されたものは排除するものとしている。
【0013】
この結果良品素子として50素子中32素子を、単一横モード500mW光出力を一定にした試験を50℃の環境温度下で行った。図5に示すように500mWという高出力にもかかわらず、50℃という高温の状態で5000時間以上安定して推移しており、これらの選別法の有効性を確認できた。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体レ−ザ素子を選別するにあたり、突然劣化および急速劣化しうる不良素子の選別除去を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の選別方法が適用される半導体レ−ザの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例である選別方法で不良品と判定された半導体レ−ザの光出力特性を示す図である。
【図3】本発明の一実施例である選別方法で良品と判定された半導体レ−ザの光出力特性を示す図である。
【図4】本発明の一実施例である選別方法で良品と不良品を判別するための半導体レ−ザのしきい値電流の通電前後の変化率分布を示す図である。
【図5】本発明の一実施例である選別方法で良品と判定された半導体レ−ザの定光出力でのエージング特性を示す図である。
Claims (3)
- 半導体レーザ素子の光出力特性を測定する予備的過程と、前記半導体レーザ素子に定格電流以上の電流を50℃以上の高温で10時間以上通電する第1の過程と、前記第1の過程後で、半導体レーザ素子に前記定格電流以上の電流よりも大なる最大電流値まで掃引を行なう第2の過程と、前記第1の過程の前後の光出力特性の測定結果から、選別基準にしたがって、不良品を排除する第3の過程、とからなることを特徴とする半導体レーザ素子の選別方法であって、
前記選別基準として、スロープ効率および/またはしきい値電流の、前記予備的過程と前記第2の過程との間における変化率を、複数の半導体レーザ素子について正規確率および/またはワイブル確率でプロットした際の、主分布からのずれを利用する、半導体レーザ素子の選別方法。 - 前記第2の過程において、前記最大電流値での光出力の低下率を基準として、さらに素子の選別を行なう、請求項1に記載の半導体レーザ素子の選別方法。
- 請求項1または2に記載の選別方法によって選別された半導体レーザ素子。
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