JP3989190B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方法を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置に係り、特に、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ロール上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像担持体(感光体)上の静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像する非接触現像方法に供されるべき画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ロール上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像担持体(感光体)上の静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像する非接触現像方法は、非接触の1成分現像の手段として検討されてきたが、近年、高速画像形成が可能な現像方法として、特に静電潜像担持体(感光体)上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方法用としても検討されてきた。この方法では、静電潜像担持体(感光体)上に正確にトナーを重ねることで色ズレの少ないカラー画像形成が可能であり、カラーの高画質化に対応する技術として注目されている。
【0003】
こういった技術に関する従来技術として米国特許第3,866,574号公報には、静電潜像担持体(感光体)に対して非接触に設置したドナーロール(現像ロール)上に非磁性トナーで薄層を形成し、交流電界によって静電潜像担持体(感光体)上の潜像に該トナーを飛翔させる提案がなされている。また米国特許第3,929,098号公報には、磁気ロールを用いて現像剤をドナーロールに進ませ、このドナーロール上にトナーを転移させてトナー層を形成する現像装置が示されている。
【0004】
しかしながらこれらの提案では、二成分現像剤を採用してドナーロール上への薄層形成は可能なものの、トナーの帯電が高くなった場合にドナーロール上のトナーの分離が困難になり、強い交流電界が必要とされる。この電界が静電潜像担持体(感光体)上のトナー層を乱してしまうので、色重ねなどには問題を有していた。そのため特開平3−113474号公報には、ドナーロールと静電潜像担持体(感光体)の間にワイヤーからなる補助電極を設け、この補助電極に弱い交流電界を印加して現像されたトナーを乱さないようにした、いわゆるパウダ−クラウド現像法が提案されている。
【0005】
さらにこの種の技術においては、現像ロール上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じると、そのロール上におけるトナーの付着状態とトナーの電位差にばらつきが生じる関係から、前の現像画像の一部が次の現像時に残像(ゴースト)として現れる現象、いわゆる履歴現象が発生するが、これを防止するために複雑な機構が必要で、小型の電子写真プロセスには実用化されていなかった。これを防止するため特開平11−231652号公報には、現像ロール上の現像残トナーを掻き取るための部材と掻き取られたトナーの回収装置に関しての提案がなされている。また、特開平7−72733号公報(USP5,420,375号公報)には、コピーとコピーの間や紙間を利用して電位差で現像ロール上のトナーを磁気ロールに回収し、トナーの帯電を安定させる方法が提案され、さらに磁気ブラシを用いた履歴現象の対応策として特開平7−128983号公報に、磁気ロールの磁束密度の半値幅領域を広く設定することにより、現像ロール上のトナーの回収と供給を図る提案がなされている。
【0006】
そして理論面では、電子写真学会誌第19巻第2号(1981)に東芝(株)から、二成分現像剤を用いた現像ロール上のトナー層の形成についての報告がなされ、特開昭59−121077号公報に特許としての出願がある。また、現像ロール上のトナーを確実に回収する方法として、特開2000−81788公報に専用の回収ロールを用いる提案がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記特開平3−113474号公報に記載されたパウダークラウド現像法は、補助電極のワイヤーが非常に汚れやすく、また、振動による画像劣化等が発生するため、あまり一般的な方法とはなっていない。さらに特開平11−231652号公報、特開平7−72733号公報(USP5,420,375号公報)、特開平7−128983号公報、特開昭59−121077号公報、特開2000−81788公報などに示された装置も、トナーの掻き取り装置や特別な回収バイアスの印加などによってトナーのストレスが増し、トナーの耐久性能劣化の要因になっていた。また長期使用時に、キャリアの耐久性能劣化によってトナーの帯電性が変化し、現像ロール上のトナーの帯電特性が大きく変化して補給トナーや回収トナーの帯電の分布が広くなり、帯電不良によるトナーの飛散やカブリの原因になっていた。さらに劣化したキャリアの交換の煩わしさがあり、実用には至っていないのが実情である。
【0008】
また従来技術では、トナーの極性に負帯電のものを用いていたため、特に低温低湿環境では現像部と非現像部とでトナーの帯電電位差が大きくなり、現像残像(ゴースト)が顕著になる傾向があった。これはトナー材料が一般的には負に帯電しやすく、繰り返し高い電界に曝されると現像ロール上のトナー層の電位が上昇するようになるためである。
【0009】
また、カブリを防止する技術としては特開平6−186811号公報などに紹介されたものがあるが、これは透明導電性の支持体上に光導電層を設けた感光体の支持体側から露光して画像を形成する画像形成装置において、帯電ローラで感光体を帯電すると共に、現像剤を高抵抗キャリアと低抵抗キャリアと絶縁性磁性トナーにより構成して磁気ブラシを形成し、低抵抗キャリアで感光体の光導電層への電荷注入を行い、高抵抗キャリアをトナーと逆極性に帯電させてトナーの保持と現像性の向上を図り、絶縁性磁性トナーで電荷の減衰を少なくして高効率で転写を行うことができるようにし、転写時に残ったトナーは帯電ローラで帯電して現像器で回収することで、転写性と現像性の向上を図った画像形成装置が示されている。
【0010】
しかしながらこの特開平6−186811号公報に示された装置は、静電潜像担持体(感光体)の裏側から露光するようにした画像形成装置において、低抵抗キャリアで感光体の光導電層への電荷注入を行うことでカブリ現象を低減させることが目的であり、裏側から露光するための複雑な機構を必要とすると共に、転写時に残ったトナーを帯電ローラで帯電して回収しており、このような機構では前記した複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方法用には使用することができない。
【0011】
従って本発明は、現像装置を複雑にすることなく連続現像時の残像(ゴースト)の発生を防ぐと共に、確実に帯電されたトナーを現像ロールに供給できるようにし、複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方法に使用することのできる現像装置を備えた画像形成装置を提供することが課題である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明においては、現像剤として、トナーを帯電させて保持する役割を有したキャリアと、現像時に非現像部として現像ロール上に残ったトナーの回収を行う役割を有するキャリアとの異なった機能を有するキャリアを用いた2成分現像剤で磁気ロール上に磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシでトナーの薄層を現像ロール上に形成した後、感光体との間の空間に直流、交流電界を印加して現像する1成分非接触現像法によりトナーを静電潜像に飛翔させ、現像ロール上に残ったトナーも前記磁気ブラシで回収することで、コンパクトで実用性の高い現像システムを構築すると共に、従来技術で問題となっていた現像の残像(ゴースト)などの履歴現象の問題を解決できるようにした。
【0013】
そのため本発明においては、請求項1に記載したように、前記2成分現像剤は、正極性を有する非磁性トナーであり、前記現像ロール上のトナーの帯電量が5〜20μC/gであるトナーと、平均粒径が50μm以上であり、その飽和磁化が60〜200emu/gのフェライト磁性キャリアの表面に重量平均分子量Mwが50,000以上の高分子量ポリエチレンで表面被覆を形成し、その被覆量がポリエチレン量で1〜5Wt%となるようにすると共に、その表面を導電粒子によって109〜1012Ωcmに抵抗制御した高抵抗キャリアと、キャリアの平均粒径が40μm以下であり、飽和磁化が67emu/g以上である体積固有抵抗108Ωcm以下の低抵抗キャリアとで構成され、該低抵抗キャリアの比率が、キャリア全体の50%〜80%であることを特徴とする。
【0014】
このように現像剤を、体積固有抵抗109Ωcm以上の高抵抗キャリアと、体積固有抵抗108Ωcm以下の低抵抗キャリアとで構成し、かつ低抵抗キャリアの比率をキャリア全体の50%〜80%とすることで、この現像剤でできた磁気ブラシにおける高抵抗キャリアがトナーを保持すると共に最適な帯電を付与することができ、かつ、現像時に現像ロール上に残った非画像部のトナーは低抵抗キャリアで回収できるため、従来技術で問題となっていた現像の残像(ゴースト)などの履歴現象の問題を解決し、複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方法に使用可能なコンパクトで実用性の高い現像装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0015】
【0016】
又本発明は、正極性を有する非磁性トナーを用いることにより、負帯電のトナーを用いたときに生じた、低温低湿環境における現像部と非現像部とのトナーの帯電電位差の拡大による現像残像(ゴースト)を防止できる。負帯電のトナーを用いた場合、トナー材料が一般的には負に帯電しやすく、繰り返し高い電界に曝されると現像ロール上のトナー層の電位が上昇するようになるが、こういったことも防止できる。またトナーの帯電量を5〜20μC/gに制御することにより、トナー飛散・カブリを防止し、なお且つ、低電界で現像することで、現像ロール上に現像履歴現象を残さず、トナーの回収性に優れた現像装置を持つ画像形成装置を提供できる。
【0018】
又本発明によれば、低抵抗キャリアを構成することにより、キャリアの表面積が高まってトナーとの接点が増え、現像ロールと磁気ロール間のニップに形成される磁気ブラシの電極効果による引き剥がし性を高めることができ、トナー回収時の電極効果、磁気ブラシによるかきとり効果を十分に発揮することができる。
【0019】
【0020】
又本発明によれば、高抵抗キャリアをこのように高分子量ポリエチレンで表面被覆を形成したものとすることにより、トナー付着やコ−ト剥がれなどの問題に対して強靭な表面性能を有すると共に、現像器の機械的寿命が尽きるまで被覆剤が剥がれないようにすることができ、トナーへの帯電性能の変化がなくなって、帯電不良によってトナーが飛散して画像が汚染されること、現像性能の低下による選択現像の発生などが防止できる。そして、その表面を導電粒子によって109〜1012Ωcmに抵抗制御することにより、キャリア現像やかぶりの発生、画像濃度低下等の画質劣化などが防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0022】
図1は本発明になる画像形成装置における現像装置を説明するための図であり、図2は、本発明に用いる静電潜像担持体(感光体)のa−Siの基本的な層構成モデルを示したもの、図3は本発明になる画像形成装置における現像装置に印加するバイアス電圧の適正な現像領域を説明するための図、図4は高抵抗キャリアと低抵抗キャリアの含有比率で生じる残像(ゴースト)の発生を説明するための図である。
【0023】
図1において、1は内部に配設された磁石によって現像剤に含まれるキャリア4による磁気ブラシ10を発生させる磁気ロール、2は磁気ブラシ10から供給されたトナー5によるトナー薄層6を担持して静電潜像担持体3上の静電潜像を現像する現像ロール、4はトナーのキャリアで、このうち4−1は低抵抗キャリア、4−2は高抵抗キャリア、5はトナー、6は現像ロール2上のトナー薄層、7は静電潜像担持体(感光体)3と現像ロール2との間に現像バイアスを印加する現像バイアス電源で、7aは直流(DC)バイアス(Vdc1)電源、7bは交流(AC)バイアス電源、8は磁気ロール1の直流(DC)バイアス(Vdc2)電源、9は磁気ロール1上の磁気ブラシ10の厚さを規制する規制ブレードである。
【0024】
図2において20は静電潜像担持体(感光体)3における基材、21は阻止層、22はa−Siで構成した感光層、23は表面保護層である。なお、以下の説明において、a−Si静電潜像担持体(感光体)3の「厚さ」と表現した場合には、静電潜像担持体(感光体)3における基材20の表面から、基材と反対側の静電潜像担持体(感光体)3の表面までの距離を意味する。したがって図2に示すように、静電潜像担持体(感光体)3が阻止層21と感光層22、及び表面保護層23とから構成されている場合には、感光層の厚さは、それぞれの層の厚さを合算した値となる。
【0025】
このように構成した本発明になる画像形成装置の現像装置において、磁気ロール1には、図示していない現像剤容器からトナー5、低抵抗キャリア4−1、高抵抗キャリア4−2で構成された2成分現像剤が供給され、これら現像剤は、磁気ブラシ10を形成して撹拌によってトナー5を正帯電すると共に、規制ブレード9で層厚規制がなされる。そしてこの帯電されたトナー5は、磁気ロール1と現像ロール2間の電位差で現像ロール2側に移って現像ロール2上にトナーのみの薄層6を形成し、さらにこのトナー薄層6は、静電潜像担持体(感光体)3との間に印加された直流(DC)バイアス7a(Vdc1)、交流(AC)バイアス7bの重畳されたバイアスにより、静電潜像担持体(感光体)3上に形成された静電潜像に飛翔し、現像が行われる。現像後に現像ロール2上に残ったトナー薄層6は、磁気ロール1上の磁気ブラシ10が現像ロール2上のトナー層6に接触し、各ロールの周速差によるブラシ効果のみで、掻き取りプレ−ドなどの特別な装置を設けることなく容易にトナーの回収と入れ替えを可能にする。
【0026】
トナーの回収と入れ替えが充分に行われないと、図4(b)のように、先に現像されたベタ画像に対する部分が、次の静電潜像担持体の現像時に充分な現像を行うことができず、ハーフ画像上にゴースト(残像)が発生する。すなわちこの図4に示したように、矩形の黒ベタで構成されたソリッド画像と、それに続くこのソリッド画像より広いハーフトーン画像を連続して現像するように配置すると、トナーの回収と入れ替えが充分に行われない場合、図4(b)のように、先に現像されたベタ画像に対する部分に残像が残る。
【0027】
また、トナーの帯電不良が発生するとトナーがキャリア表面に充分に保持されず、トナー飛散による画像汚染が発生する。そこで、ゴースト(残像)が発生しているベタ画像対応部分の濃度と、その他の残像が発生していない部分との濃度比を、ベタ画像追随性として求めた。またトナー飛散のレベルを、5段階で数字が大きくなるほど良くなるようにしてランク分けして評価した。この特性値を示したのが図5で、図5(a)は本発明に使用したキャリアの抵抗値による変化を示し、横軸がキャリア抵抗(Ωcm)、縦軸の左がベタ画像追随性(50の曲線)を、右がトナー飛散レベル(51の曲線)を示している。図5(b)は、トナー帯電性(トナーの帯電量)による変化で、横軸がトナー帯電性(μC/g)、縦軸の左がベタ画像追随性(52の曲線)を、右がトナー飛散レベル(53の曲線)を示している。図5(c)、図5(d)はキャリアの粒度(粒径、μm)、キャリアの磁力(emu/g)によるトナー飛散(c)とベタ画像追随性(d)の変化を評価した結果である。
【0028】
図5(a)に示すようにトナー飛散を防止するためには、トナーを保持するキャリアの抵抗は、ほぼ飽和し始める109Ωcm以上が適当である。また、現像ロール上に残ったトナーを回収してベタ画像追随性を確保するためには、現像ロール上のトナーを回収するためのキャリア抵抗を、ベタ画像追随性が飽和し始める108Ωcm以下とするのが適当である。
【0029】
また、図5(c)に示すように、トナーを保持するキャリアの粒度(粒径)は、40μm以下にすることで安定したトナー飛散レベルを得ることができる。また、図5(d)に示すように、ベタ画像追随性は、キャリア磁力が67emu/g以上で飽和し始め、充分なレベルになる。従って、トナーを保持するキャリアについては、抵抗値を109Ωcm以上とすれば充分なトナー飛散レベルが得られると共に、トナー粒度(粒径)は50μmより大きくなるのは適当ではない。また、現像ロール上のトナーを回収するキャリアについては、キャリア抵抗を108Ωcm以下とすると共に、キャリア磁力を67emu/g以上とすればよいことがわかる。さらに、キャリア粒度(粒径)を40μm以下とすると、非常に安定したトナー飛散レベルが得られることから、低抵抗キャリアにおけるトナー飛散レベルの低下を補うための有効な手段であることがわかった。
【0030】
本発明で用いる低抵抗キャリア4−1は、現像ロール2上に残った残留トナーを回収するためのもので、本発明においては、体積固有抵抗が106Ωcm、飽和磁化が70emu/g、平均粒径35μmのフェライトキャリアを用いた。すなわち、現像ロールから現像残のトナーを回収するためには、図5に示したように、108Ωcm以下の低抵抗のキャリアを用い、現像ロールと磁気ロール間のニップで強固に静電的に付着したトナーを磁気ブラシで引き剥がす必要がある。そして、この現像ロールと磁気ロール間のニップに形成される磁気ブラシの電極効果による引き剥がし性を高めるには、低抵抗キャリアの飽和磁化を67emu/g以上の高い磁力に設定すると効果的である。低抵抗キャリアの飽和磁化が67emu/gを下回ると、回収時の電極効果、磁気ブラシによるかきとり効果が低下し、十分な効果が得られない。この時、トナーとの接点を増やすためには40μm以下の小径のキャリアを用い、キャリアの表面積を高めることが好ましい。高磁力でしかも低抵抗キャリアとしては、マグネタイトキャリア、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライトナーなどがあり、これらのキャリアをそのまま用いても良いが、抵抗を上げない範囲で表面処理して用いることも可能である。
【0031】
そして高抵抗キャリア4−2は、負に帯電し、正帯電したトナー5を保持するためのもので、本発明においては、フェライト表面を高分子量のポリエチレンの表面重合体で覆うと共に抵抗調整剤で処理し、トナー付着やコ−ト剥がれなどの問題に対して強靭な表面性能を有するようにし、現像器の機械的寿命が尽きるまで被覆剤が剥がれないようにしたものを用いる。一般的に表面被覆キャリアの場合、表面のコ−ト剤が20%以上剥がれるとトナーへの帯電性能が変化し、本発明の現像方法の場合、5μC/g以下では帯電不良によりトナー飛散による画像汚染が発生し、20μC/g以上では現像性能が低下して選択現像などが発生し易くなる。すなわち図5(b)に示すように、トナーの帯電性(トナーの帯電量)については、ベタ画像追随性とトナー飛散レベルが背反する関係となっているため、本発明の場合、ベタ画像追随性とトナー飛散を共に確保するため、トナーの帯電性を5から20μC/gとすることが必要である。
【0032】
この高抵抗キャリア4−2は、特にトナー5への帯電付与に重要であり、トナー5に帯電を付与すると同時に、交流(AC)を印加した時に現像ロール2からのトナー飛散の抑制にも効果がある。すなわち、回収を重視した低抵抗キャリア4−1は、現像残像(ゴースト)対策には有効であるが、正確な帯電をトナー5に付与してカブリの発生の無い現像を維持することは困難であり、さらに長期間運転した場合に現像ロール2表面からトナー薄層6が飛散し、帯電器や露光ユニットを汚染する不具合を発生させてしまうので、帯電性能を有する高抵抗キャリア4−2を併用することが不可欠である。
【0033】
この高抵抗キャリア4−2は、平均粒径が50μm以上であり、その飽和磁化が60〜200emu/gのフェライト磁性キャリアの表面に重合触媒を保持させ、エチレンガスを導入して重合成長させて重量平均分子量Mwが50,000以上の高分子量ポリエチレンで表面被覆を形成し、その被覆量がポリエチレン量で1〜5Wt%となるようにすると共に、その表面を導電粒子によって109〜1012Ωcmに抵抗制御した静電潜像現像用キャリアが好ましい。抵抗値が108Ω・cm未満であると、キャリア現像やかぶりが発生するおそれがあり、1012Ω・cmを越えると画像濃度低下等画質劣化のおそれがある。なお、ここに表示した抵抗値は、電極面積5cm2、荷重1kgに0.5cmの厚さのキャリア層を設け、上下の電極に、1〜500Vの電圧を印加し、底に流れる電流値を測定して換算して求めたものである。
【0034】
こういった高抵抗キャリアについては、例えば本件出願人が特開平10−142843号公報で提案したように、磁性を備えたキャリア芯材と、このキャリア芯材の表面を被覆する高分子量ポリエチレン樹脂からなる被覆層とを有し、その高分子量ポリエチレン樹脂からなる被覆層が、少なくともその最外殻層として、帯電調整剤、抵抗調整剤、流動性調整剤などを含有するようにしたものなどがあり、高分子量ポリエチレン表面に各種の外添剤を設定することで、耐久性と帯電制御が可能となる。なお高抵抗のキャリアとしては、上記のキャリアの他に高耐久性能が確認されれば、抵抗の高い処理剤で処理したキャリア等も使用可能である。
【0035】
上記高抵抗キャリア4−2と低抵抗キャリア4−1の混合比率は、現像ロール2に残ったトナー薄層6の回収性能とトナー5の帯電付与の観点から、全キャリア4中の低抵抗キャリア4−1の比率が50%〜80%程度であることが適当である。50%以下ではトナー薄層6の十分な回収が出来ずに残像(ゴースト)の発生が認められ、また80%以上ではトナー5の飛散を防止することが出来ない。
【0036】
また、本発明におけるトナー5の混合割合は、キャリア4およびトナー5の合計量に対し、トナー5が2〜40Wt%、好ましくは3〜30Wt%、より好ましくは4〜25Wt%である。すなわち、トナーの混合割合が2Wt%未満であると、トナー5の帯電量が高くなって十分な画像濃度が得られなくなり、40Wt%を超えると、十分な帯電量が得られなくなってトナーが現像器から飛散し、画像形成装置内を汚染したり画像上にトナーカブリが生じる。
【0037】
このように双方のキャリアを一定の比率で組み合わせることで、現像ロール上のトナー薄層6を回収しつつ、確実に帯電させたトナー5を現像ロール2に再度投入することが可能になる。トナー5は5〜20μC/gに制御され、トナー飛散・カブリを防止し、なお且つ、低電界で現像することで、現像ロール2上に現像履歴現象を残さず、トナー薄層6の回収性に優れた画像形成装置における現像方法が提供できる。
【0038】
静電潜像担持体(感光体)3における表面電位(帯電電位)については、250V以下で、且つ、露光後電位が100V以下に設定することで、現像ロール2に印加する電位を低くしながらも十分な画像濃度を得ることができる。画像形成装置に用いる静電潜像担持体(感光体)3としては、従来から正帯電の有機感光体(OPC)が知られており、静電潜像担持体(感光体)3としてこの有機感光体(OPC)を用いた場合、残留電位を100V以下にするために感光層の膜厚を25μm以上に設定し、電荷発生材料の添加量を増やすことが重要である。特に単層構造の有機感光体(OPC)は、感光層の中に電荷発生材を添加することから有利である。
【0039】
しかしながら、OPC感光体は感光層表面が軟らかく、クリ−ニングプレ−ドの摺擦により感光層が削れやすいという問題がある。そこで、OPC感光体と比較して表面が硬質であると共に耐久性や機能保持性(メンテナンスフリー)に優れていることから、感光層の厚さが25μm以上のa−Si感光体が近年使用されている。しかしながら、a−Si感光体はグロ−放電分解法等を用いて製膜するため、このように感光層が厚いと製造時間や製造コストがかかり、経済的に不利である。そこで本件出願人は、特開平7−175276号公報において、感光層の厚さを25μm未満に設定したa−Si感光体について提案をしている。
【0040】
静電潜像担持体(感光体)3に感光材料として、a−Si感光体を用いた場合、その表面の露光後電位は10V以下の非常に低い特徴を有しているが、その膜厚を薄くすると飽和帯電電位が低下し、絶縁破壊に至る耐電圧が低下する。その一方、潜像形成した時の静電潜像担持体(感光体)3における表面の電荷密度は向上し、現像性能は向上する傾向がある。この特性は誘電率が約10程度と高いa−Si感光体では25μm以下、さらに好ましくは20μm以下の場合に特に顕著である。
【0041】
しかし感光層22の厚さが10μm未満となると、静電潜像担持体(感光体)3の電位の調節が困難となり、いわゆる黒点やカブリが発生しやすくなる。また、感光層22の厚さが10μm未満となると、飽和帯電電位が低下し、必要な帯電電位を確保できない傾向がある。一方、感光層22の厚さが25μmを超えると、低電位現像が困難となり、オゾンが発生しやすくなったり、あるいは、感光層の製造時間が長くなるなどして経済的に不利になりやすい。さらには、感光層22における電荷発生層で発生した正孔が感光層の表面まで移動する時間が長くなるため、静電潜像担持体(感光体)3の電位の調節が困難となり、いわゆるかぶりが発生したり、画像濃度が低下しやすいなどの問題が生じやすい。よって、静電潜像担持体(感光体)3の電位の調節や、経済性等とのバランスがより優れている観点から、静電潜像担持体(感光体)3における感光層22の厚さを、11〜25μmの範囲の値とするのがより好ましく、12〜18μmの範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0042】
また、より好ましい感光層22の状態として、表面保護層23の厚さを0.3μm以上、5μm以下の値とするのが好ましい。すなわち表面保護層23の厚さが0.3μm未満となると、感光層22の飽和帯電電位、耐磨耗性、耐環境性等の特性が低下する傾向があるためであり、一方、表面保護層23の厚さが5μmを超えると、画質劣化の要因になり、また製造時間が長くなり経済的に不利となる。したがって、感光層22の飽和帯電電位と製造時間等とのバランスがより良好な観点から、表面保護層23の厚さを0.3〜3μmの範囲内の値とするのがより好ましい。
【0043】
感光層22を構成する材料は、アモルフアスシリコン(a−Si)であれば特に制限されるものではなく、好ましい材料として、a−Si、a−SiC、a−SiO、a−SiON等の無機材料を例示することできる。また、表面保護層23としては、a−SiCが特に高抵抗であり、より優れた飽和帯電電位、耐磨耗性、耐環境性が得られることより、本実施形態における感光層材料として好適である。また、a−SiCのうち、SiとC(炭素)との比率が特定のものを使用するのが好ましく、このようなa−SiCとしては、a−Si(1−X)CX(0.3≦X≦1.0)があげられ、さらに好ましくは、a−Si(1− X )CX(0.5≦X≦0.95)である。この理由は、このようなa−SiCは1012〜1013Ω・cmという特に高い抵抗を有しており、優れた飽和帯電電位、耐摩耗性、耐環境性(耐湿性)が得られるためである。
【0044】
現像ロール2と静電潜像担持体(感光体)3との間のバイアスは、直流バイアス電源7a(Vdc1)、交流バイアス電源7bで決定されるが、現像残のトナーを磁気ロール1で効率良く回収するためには、バイアス8(Vdc2)の電位は500V以下であるのが好ましい。直流バイアス電源7a(Vdc1)にて150V以上の電圧を印加すると、現像ロール2にトナーが付着する静電気力が増大し、磁気ブラシでの回収が困難になる。また、交流バイアス電源7bにて交番電界を用いることにより、静電潜像担持体(感光体)3への現像が正確に出来、磁気ロール1への現像残トナーの回収が容易になるなどのメリットがある。
【0045】
図3は、本発明の現像装置における現像残像(ゴースト)やカブリが生じない良好な現像直流バイアス電位7a(Vdc1)と8(Vdc2)の範囲を示したものである。横軸は電位差|Vdc2−Vdc1|を表し、縦軸はバイアス電位(Vdc1)を表す。そして、図3に示すように、バイアス電位(Vdc1)が150Vよりも高いとゴーストが発生し、電位差|Vdc2−Vdc1|が100V未満になってもゴーストが発生する。そのため現像ロール2の直流バイアス電位7a(Vdc1)としては150V以下で、且つ、磁気ロール1の直流バイアス電位8(Vdc2)と現像ロール2の直流バイアス電位7a(Vdc1)との電位差|Vdc2−Vdc1|が、100Vから350Vの範囲であれば高品質の画質が得られることがわかり、現像ロール2に印加する交流(AC)バイアス電源7bとしては、そのピ−ク間電圧(Vp−p)が500〜2000V、周波数が1〜3kHzの範囲となるように設定するとよい。
【0046】
この様に現像バイアスを低く設定することは、静電潜像担持体(感光体)3のa−Si薄膜の絶縁破壊を抑制するとともに、トナー5の過剰帯電を防止し、現像の履歴現象の発生を抑止するのに有効である。また、現像ロール2上に10〜100μm、好ましくは30〜70μmのトナー薄層6を形成し、現像ロール2と静電潜像担持体(感光体)3とのギャップを150〜400μm、好ましくは200〜300μmとし、この空間を直流と交流電界によってトナーを静電潜像担持体(感光体)3上に飛翔させることで鮮明な画像を得ることができる。
【0047】
規制ブレード9と磁気ロール2とのギャップは0.3〜1.5mm、磁気ロール1と現像ロール2間のギャップは同様に0.3〜1.5mm程度とする。このようにすることで、現像ロール上のトナーの薄層6は、10〜100μm、好ましくは30〜70μmの厚さに設定される。この厚さはトナー5の平均粒径を7μmとした場合にトナー5の5層から10層程度に相当する値である。現像ロール2と静電潜像担持体(感光体)3との間のギャップは150〜400μm、好ましくは200〜300μmである。150μmより狭いとカブリの要因になり、400μmより広いとトナー5を静電潜像担持体(感光体)3に飛翔させることが困難になり、十分な画像濃度を得ることが出来ない。また、選択現像を発生させる要因になる。
【0048】
このように構成した本発明になる画像形成装置における現像装置において、静電潜像担持体(感光体)3を層厚15μmのa−Siで構成して表面電位を230Vとし、現像ロール2への直流バイアス7a(Vdc1)を50V、交流(AC)バイアス7bをピ−ク間電圧(Vp−p)1.1kVで周波数を3.0kHz、磁気ロール1への直流バイアス8(Vdc2)を200Vに設定し、低抵抗キャリア4−1と、高抵抗キャリア4−2の比率をいろいろ変化させてゴーストの有無を評価した例を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
ゴーストの評価基準
図4に示した画像パタ−ンを印字して以下の基準で判断した。
○:ハーフ画像上にゴースト画像がまったく見えないこと。
Δ:ハーフ画像上にゴースト画像が現像ロール22の1周目にうっすら見え
ること、2周目からはまったく見えないこと。
×:ハーフ画像上にゴースト画像が1周目にはっきり見えること。
濃度はMacbeTh社の反射濃度計RD914にて5点測定して平均値を記載した。
【0051】
評価機は、京セラ(株)のFS−1750(14枚/分)の現像器を改造して用いた。使用した現像剤における低抵抗キャリアはMn−Mg系フェライトで、抵抗は1.4×106Ωcm、平均粒径は35μm、飽和磁化は72emu/g、高抵抗キャリアはCu−Zn系フェライトにポリエチレンを3%表面処理したもので、抵抗は5.5×1010Ωcm、平均粒径は65μm、飽和磁化は63emu/g、トナーは非磁性の正帯電トナーを10%添加した。トナーの帯電量は、現像ロール上に形成されたトナーの薄層を面積約1cm2につき、トレック社の静電容量計(QMメ−タ−)によって吸引して室温で測定した。初期画像の場合は現像器を設定して5枚印字後に測定した値である。
【0052】
このゴーストの評価基準としては、図4に示したように、矩形の黒ベタで構成されたソリッド画像と、このソリッド画像より広いハーフトーン画像を連続して現像するように配置し、その際に黒ベタのソリッド画像の残像が現れるか否かで判断した。ここではハーフトーン画像の濃度を、ソリッド画像の濃度の25%としたが、このようにすると比較的残像が現れやすいためである。そしてこれらの画像パタ−ンを印字し、(a)のようにハーフ画像上にゴースト画像がまったく見えない場合は○を、(b)のようにハーフ画像上にゴースト画像が現像ロール2の1周目にうっすら見え、2周目からはまったく見えない場合にΔを、ハーフ画像上にゴースト画像が1周目にはっきり見えた場合は×を付した。濃度は、MacbeTh社の反射濃度計RD914にて5点測定して平均値を記載した。
【0053】
この表1から明らかなように、比較例1として示した高抵抗キャリアと低抵抗キャリアの比率が1:9の場合は、初期画像も50000枚印字後も残像の状態は良好だが現像器におけるトナー飛散が見られ、この比率が6:4から8:2の比較例2から4は、現像器におけるトナー飛散は良好だが初期画像も50000枚印字後も残像の発生が見られる。それに対して実施例1から4として示した高抵抗キャリアと低抵抗キャリアの比率が2:8から5:5の場合は、初期画像も50000枚印字後も残像の発生が見られず、現像器におけるトナー飛散も見られない。
【0054】
このように、全キャリア4中の低抵抗キャリア4−1の比率を50%〜80%程度にすることにより、現像ロール2に残ったトナー薄層6の回収とトナー5の帯電付与が可能となり、トナー薄層6の十分な回収によって残像(ゴースト)の発生がなく、またトナー5の飛散も防止することが出来る。このように双方のキャリアを一定の比率で組み合わせることで、現像ロール上のトナー薄層6を回収しつつ、確実に帯電させたトナー5を現像ロール2に再度投入することが可能になり、現像ロール2上に現像履歴現象を残さず、トナー薄層6の回収性に優れた現像装置を有する画像形成装置を提供できる。
【0055】
【発明の効果】
以上種々述べてきたように本発明によれば、現像剤を、体積固有抵抗109Ωcm以上の高抵抗キャリアと、体積固有抵抗108Ωcm以下の低抵抗キャリアとで構成し、かつ低抵抗キャリアの比率をキャリア全体の50%〜80%とすることで、この現像剤でできた磁気ブラシにおける高抵抗キャリアがトナーを保持すると共に最適な帯電を付与することができ、かつ、現像時に現像ロール上に残った非画像部のトナーは低抵抗キャリアで回収できるから、従来技術で問題となっていた現像の残像(ゴースト)などの履歴現象の問題を解決し、複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方法に使用可能なコンパクトで実用性の高い現像装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0056】
そして本発明によれば、正極性を有する非磁性トナーを用いることにより、負帯電のトナーを用いたときに生じた、低温低湿環境における現像部と非現像部とのトナーの帯電電位差の拡大による現像残像(ゴースト)を防止できる。負帯電のトナーを用いた場合、トナー材料が一般的には負に帯電しやすく、繰り返し高い電界に曝されると現像ロール上のトナー層の電位が上昇するようになるが、こういったことも防止できる。またトナーの帯電量を5〜20μC/gに制御することにより、トナー飛散・カブリを防止し、なお且つ、低電界で現像することで、現像ロール上に現像履歴現象を残さず、トナーの回収性に優れた現像装置を持つ画像形成装置を提供できる。
【0057】
そして本発明によれば、低抵抗キャリアを平均粒径が40μm以下で飽和磁化が67emu/g以上に構成することにより、キャリアの表面積が高まってトナーとの接点が増え、現像ロールと磁気ロール間のニップに形成される磁気ブラシの電極効果による引き剥がし性を高めることができ、トナー回収時の電極効果、磁気ブラシによるかきとり効果を十分に発揮することができる。
【0058】
そして本発明によれば、高抵抗キャリアを高分子量ポリエチレンで表面被覆を形成したものとすることにより、トナー付着やコ−ト剥がれなどの問題に対して強靭な表面性能を有すると共に、現像器の機械的寿命が尽きるまで被覆剤が剥がれないようにすることができ、トナーへの帯電性能の変化がなくなって、帯電不良によってトナーが飛散して画像が汚染されること、現像性能の低下による選択現像の発生などが防止できる。そして、その表面を導電粒子によって109〜1012Ωcmに抵抗制御することにより、キャリア現像やかぶりの発生、画像濃度低下等の画質劣化などが防止できる。
【0059】
このように本発明によれば、正帯電性感光体を用い低電界現像すること、少量のキャリアで正帯電トナーを繰り返し帯電してもキャリアの表面劣化が少なく、現像ロール上に安定した帯電トナー層を形成することで、静電潜像担持体(感光体)を適正に現像する事が可能になる。また、タッチダウン現像法やハイブリッド現像法の問題点の一つであった現像残トナーの入れ替えと選択現像による現像性の低下に関し、正確にトナーを帯電させること、150V以下の低電界での現像によって現像ロール上の現像残トナーとフレッシュトナーとの入れ替えを容易に行うことが可能になるなど、大きな効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる画像形成装置における現像装置を説明するための図である。
【図2】 本発明に用いる静電潜像担持体(感光体)のa−Siの基本的な層構成モデルを示したものである。
【図3】 本発明になる画像形成装置における現像装置に印加するバイアス電圧の適正な現像領域を説明するための図である。
【図4】 高抵抗キャリアと低抵抗キャリアの含有比率で生じる残像の発生を説明するための図である。
【図5】 キャリアの特性によるベタ画像追随性とトナー飛散のレベルを表したグラフである。
【符号の説明】
1 磁気ロール
2 現像ロール
3 静電潜像担持体
4−1 低抵抗キャリア
4−2 高抵抗キャリア
5 トナー
6 トナー薄層
7a 直流(DC)バイアス電源
7b 交流(AC)バイアス電源
8 直流(DC)バイアス電源
9 規制ブレード
10 磁気ブラシ
Claims (1)
- 電子写真現像法により画像を形成する画像形成装置における感光体に対面配置し、2成分現像剤で磁気ロール上に形成した磁気ブラシからのトナーで薄層を形成して前記感光体上の潜像を現像する現像ロールを有した現像装置を備えた画像形成装置において、
前記2成分現像剤は、正極性を有する非磁性トナーであり、前記現像ロール上のトナーの帯電量が5〜20μC/gであるトナーと、平均粒径が50μm以上であり、その飽和磁化が60〜200emu/gのフェライト磁性キャリアの表面に重量平均分子量Mwが50,000以上の高分子量ポリエチレンで表面被覆を形成し、その被覆量がポリエチレン量で1〜5Wt%となるようにすると共に、その表面を導電粒子によって109〜1012Ωcmに抵抗制御した高抵抗キャリアと、キャリアの平均粒径が40μm以下であり、飽和磁化が67emu/g以上である体積固有抵抗108Ωcm以下の低抵抗キャリアとで構成され、該低抵抗キャリアの比率が、キャリア全体の50%〜80%であることを特徴とする画像形成装置。
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