JP3988463B2 - 生産ラインの制御方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、混在する多種のワークを連続的に生産する生産ラインにおいて、その生産ラインの動作を制御するためのプログラム量を、大幅に削減することができる生産ラインの制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、多くの工場で多品種少量生産が行われている。多品種少量生産は、ロット生産が余儀なくされる工程を除いて、異なる種類のワークを混在させて搬送し、それらのワークに対しそれぞれの工程でワークの種類に応じた作業をすることによって行われる。
【0003】
多品種少量生産を行う生産ラインには、その生産ラインに搬送されるすべての種類のワークの生産ができるように必要な生産設備を設置する。そして、その生産ラインを1つの生産装置に見立てて、生産ラインの制御プログラムを作成する。
【0004】
この生産ラインの制御形態としては、シーケンス制御とステップ制御が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この制御形態のうち、シーケンス制御では、生産ラインの形態に応じた個別の設計が必要なため、設計品質を高く保つことが困難で、また、設計にも多くの時間を要するという問題がある。一方、シーケンス制御のこのような問題が解消できる従来のステップ制御でも、生産ラインに搬送されるすべてのワーク順列を考慮して制御プログラムを作成しなければならないことから、そのプログラム量は膨大な量になるという問題がある。
【0006】
従来のステップ制御の問題点をもう少し詳しく説明する。
【0007】
混在する多種のワークを連続的に生産する生産ラインには、ワークの搬送経路に沿って複数の工程が設けられている。ワークは、生産ラインの上流側から下流側に搬送される。ワークには、それぞれの工程でその種類に応じた所望の作業が行われる。前述のように、従来のステップ制御では生産ラインを1つの生産装置と見るので、その生産ライン内に存在するワークの配列パターンの数だけ制御プログラムを準備することが必要になる。
【0008】
たとえば、生産ラインに2つの工程(X、Y)が存在し、その生産ラインで2種類(A、B)のワークを生産する場合を考えると、2つの工程(X、Y)について、それぞれ(A−A)、(A−B)、(B−A)、(B−B)の4つの配列パターンが考えられるので、4種類の制御プログラムを準備する必要がある。
【0009】
一般的に、生産ラインが持つ工程数をα、その生産ラインで生産するワークの種類の数をβとすると、作成すべき制御プログラムの数はαβとなる。また、その生産ラインで生産するワークの種類の数をn増やそうとしたときには、αβ+n−αβ=αnの制御プログラムを新たに作成する必要がある。
【0010】
このように、1つの生産ラインに設ける工程数とその生産ラインで生産させるワークの種類数が多い場合には、作成すべき制御プログラムの数は膨大な数になるため、その作成や運転確認にかかる工数、制御プログラムを記憶しておく記憶容量などを考慮すると、従来のステップ制御の採用は現実的ではなくなる。
【0011】
このような従来のステップ制御の問題点を解決するには、生産ラインを単位として制御プログラムを作成するのではなく、工程を単位として制御プログラムを作成することが考えられる。ここでの工程は、従来のラダーシーケンス制御における工程を意味するものである。つまり、自分の仕事が完了したら、他の生産装置とは無関係に独自に次の仕事に移ることができる生産機械のグループが工程である。この工程を単位として制御プログラムを作成すれば、生産ラインを単位として制御プログラムを作成する場合と比較して、作成すべきプログラム数を少なくすることができる。
【0012】
たとえば、生産ラインが持つ工程数をα、その生産ラインで生産するワークの種類の数をβとすると、生産ラインを単位とするステップ制御の場合、上述のように、作成すべき制御プログラムの数はαβとなるが、工程を単位とするステップ制御を採用すると、作成すべき制御プログラムの数はα×βとなる。したがって、作成すべきプログラムの数における比較ではかなり改善される。
【0013】
ところが、工程を単位とするステップ制御を採用した場合でも、1つの工程が複数の生産設備で構成されているときには、1つの工程に対して作成しなければならない制御プログラムの数は、生産ラインを単位とするステップ制御の場合と同様に、生産設備の数に応じて変動するため、生産ラインを単位とするステップ制御と同様の問題が生じる。
【0014】
一方、この問題が生じないように、1つの工程に設けられている生産設備の数に関係なく、工程を単位とするステップ制御を適用すると、その工程で1つのワークの作業が終了するまでは次のワークを搬入させることができず、1つの工程におけるサイクルタイムが長くなり、生産効率が低下する。一般的に、生産効率が低下するような生産ラインを作ることは考えられないので、この手法は採用されることはない。
【0015】
通常は、1つの工程に複数の生産設備が設けられていることが多いので、生産ラインを単位とするステップ制御を採用しても、工程を単位とするステップ制御を採用しても、結局のところ、作成すべき制御プログラムの数が膨大な数になるという問題点は解消されない。
【0016】
本発明は、このような従来の問題点を解消するために成されたものであり、生産ラインを構成する生産設備のグループ分けを工夫することによって、その生産ラインの動作を制御するためのプログラム量を、大幅に削減することができる生産ラインの制御方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかる生産ラインの制御方法は、混在する多種のワークを連続的に生産する生産ラインの制御方法であって、搬送された1つのワークに対し一定時間内に協働して作業する生産設備をグループ化して複数のモジュールを形成する段階と、それぞれのモジュールごとに実行されるべき制御プログラムをワークの種類別に作成する段階と、作成された前記制御プログラムに基づいて前記生産ラインを構成する生産設備の動作を前記モジュールを単位としてステップ制御する段階と、を有し、前記ステップ制御する段階は、搬送されるワークの種類に応じて前記モジュールで起動させる制御プログラムの種類を選定する段階を含み、前記ワークの種類に関する情報は、前記ワークがモジュール間を搬送されるときに、上流側のモジュールから下流側のモジュールに転送される、ことを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明にかかる生産ラインの制御方法は、請求項1に記載の生産ラインの制御方法において、前記ステップ制御する段階は、さらに、前記ワークの種類に応じた冶具を準備する段階と、前記モジュール間でインターロックをかける段階と、前記ワークを準備した冶具で支え、選定した制御プログラムを用いて生産設備を動作させ、前記ワークの種類に応じた作業を行う段階と、前記モジュール間のインターロックを解除する段階と、を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明にかかる生産ラインの制御方法は、請求項2に記載の生産ラインの制御方法において、前記インターロックをかける段階と前記インターロックを解除する段階との間に、前記ワークの搬送方向上流側のモジュールおよび前記ワークの搬送方向下流側のモジュールに設置されている生産機械の状態を監視する段階と、前記監視を行っているときに、両モジュール内の生産機械同士の干渉が予測されると、干渉が予測された生産機械を緊急停止させる段階と、をさらに含むことを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載の発明にかかる生産ラインの制御装置は、混在する多種のワークを連続的に生産する生産ラインの制御装置であって、搬送された1つのワークに対し一定時間内に協働して作業する生産設備がグループ化された複数のモジュールと、前記生産ラインに搬送されるワークの種類別にそれぞれの前記モジュールで実行されるべき制御プログラムを記憶する記憶手段と、前記制御プログラムに基づいて前記生産ラインを構成する生産設備の動作を前記モジュール単位でステップ制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、搬送されるワークの種類に応じて前記モジュールで起動させる制御プログラムの種類を選定する手段を含み、前記ワークの種類に関する情報は、前記ワークがモジュール間を搬送されるときに、上流側のモジュールから下流側のモジュールに転送される、ことを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明にかかる生産ラインの制御装置は、請求項4に記載の生産ラインの制御装置において、前記制御装置は、前記ワークの搬送方向上流側のモジュールおよび前記ワークの搬送方向下流側のモジュールに設置されている生産機械の状態を監視する監視手段と、監視を行っているときに、両モジュール内の生産機械同士の干渉が予測されると、干渉が予測された生産機械を緊急停止させる緊急停止手段とを有することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、搬送された1つのワークに対し一定時間内に協働して作業する生産設備をグループ化して複数のモジュールを形成し、このモジュールを単位としてステップ制御するため、少ないプログラム量で、混在する多種のワークを連続的に生産することができる。また、隣り合うモジュールに存在する生産機械同士の干渉を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる生産ラインの制御方法およびその装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明にかかる制御方法が実施される生産ラインの一例を示す図である。この生産ラインには、図示するように、ロボット、搬送装置、冶具などの生産設備が配置されている。図中、R4101、R4102、R4103は、他の生産ラインからこの生産ラインに搬送されてきたワーク(たとえば車体のフロアメインアッシー)を#410の搬送装置に載置するロボットである。#410、#430は、載置されたワークを左に移動させて次の工程に搬送する搬送装置である。#421、#422は、ワークに取り付けられるパーツ(フロアメインアッシーに取り付けられるシルインナー)を載置する載置台である。L4201、L4202は、パーツを支える冶具である。R4201、R4202、R4203、R4204、R4205、R4206は、載置台#421または#422からパーツを搬送したり、パーツをワークに溶接したりするロボットである。#440は、載置されたワークを他の生産ラインに搬送する搬送装置である。
【0027】
この生産ラインでは、概略次のような作業が行われる。
【0028】
まず、他の生産ラインから図2に示すようなフロアメインアッシーが搬送されてくると、R4101、R4102、R4103のいずれかのロボットが、このフロアメインアッシーを#410の搬送装置にセットする。搬送装置#410は、セットされているフロアメインアッシーを、R4201、R4202、R4203、R4204、R4205、R4206の6台のロボットに囲まれる位置まで(図1の搬送装置#430がある位置まで)移動させる。この移動に伴って、搬送装置#430も図1の点線位置まで移動する。
【0029】
載置台#421、#422には、フロアメインアッシーに溶接される図2に示すようなシルインナーが載置されている。ロボットR4202、R4204、R4206のいずれかは載置台#421に載置されているシルインナーを取りに行き、これを冶具L4202にセットする。また、ロボットR4201、R4203、R4205のいずれかは載置台#422に載置されているシルインナーを取りに行き、これを冶具L4201にセットする。
【0030】
冶具L4201、L4202はシルインナーをフロアメインアッシーにセットし、これを6台のロボットR4201、R4202、R4203、R4204、R4205、R4206で溶接する。溶接が終了すると、ロボットR4201、R4202、R4203、R4204、R4205、R4206が搬送装置#410からフロアメインアッシーをすくい上げ、搬送装置#410は、右に移動する。これに伴って搬送装置#430も図1の実線位置まで移動する。ロボットR4201、R4202、R4203、R4204、R4205、R4206は、救い上げたままのフロアメインアッシーを搬送装置#430に載置する。そして、ロボットR4201、R4202、R4205、R4206でシルインナーをフロアメインアッシーに溶接する。
【0031】
溶接が終了すると、搬送装置#430はフロアメインアッシーを図1の点線位置まで移動させる。そして、ロボットR4301は、搬送装置#430に載置されているフロアメインアッシーを搬送装置#440に渡す。搬送装置#440は、フロアメインアッシーを他の工程に搬送する。
【0032】
本発明に係る制御方法が実施される生産ラインの動作は以上のとおりである。
【0033】
本発明に係る生産ラインの制御方法では、まず、グループ分けという作業をする。グループ分けは、生産ラインに配置されている生産設備の中から、単体機とみなせる生産設備を抽出し、抽出した生産設備を、1つのワークに対して同時に作業に取り掛かり、同時に作業が完了できるもの同士でまとめて1つのグループとする作業である。換言すれば、1部品の生産動作において同期して動作できる最小限の集合体を抽出する作業とも言える。このグループ分けの作業は、搬送された1つのワークに対して同時に作業を開始し同時に作業を終了できる生産設備を1つのグループにまとめるという表現で記載することもできるが、請求項1では、搬送された1つのワークに対して一定時間内に協働して作業する生産設備をグループ化するという表現で記載してある。
グループ化によってまとめられた生産設備の全体をモジュールと称する。このグループ化の作業は人間が行う。なお、グループ化によって複数の生産設備が1つのモジュールとされることもあるし、1つの生産設備だけで1つのモジュールとされることもある。なお、各請求項に記載されているワークには、メインのワーク(上記の例ではフロアメインアッシー)とこのメインのワークに取り付けられるパーツ(上記の例ではシルインナー)とを含ませている。
【0034】
たとえば、図1の生産ラインに対してグループ化を行うと、図3に示すように、R4101、R4102、R4103、#410を個々に1つのグループとするモジュールR4101、R4102、R4103、#410と、R4201、R4202をまとめて1つのグループとするモジュール#420Rと、L4201、L4202をまとめて1つのグループとするモジュール#420Sと、R4203、R4204を個々に1つのグループとするモジュールR4203、R4204と、R4205、R4206をまとめて1つのグループとするモジュール#420Lと、#421、#422、#430、R4301、#440を個々に1つのグループとするモジュール#421、#422、#430、R4301、#440の全部で14のモジュールを形成することができる。
【0035】
以上のようなモジュールを形成するのは、次のような理由からである。
【0036】
ロボットR4201、R4202のグループおよびロボットR4205、R4206のグループは、フロアメインアッシーに対して同時に溶接作業に取り掛かり、同時に溶接作業を終了できるので、それぞれ1つのモジュール#420Rおよび#420Lとした。また、冶具L4201、L4202は、フロアメインアッシーにシルインナーを同時にセットし、同時に終了できるので、モジュール#420Sとした。その他の生産設備は、いずれも、相互に、1つのワークに対して同時に作業に取り掛かり、同時に作業が完了できるものではないため、それぞれの生産設備1つ1つを1つのモジュールとしている。
【0037】
つぎに、グループ分けによって形成されたこれらのモジュールで実行されるべき制御プログラムをワークの種類別に作成する。この制御プログラムは、モジュールがワークに対して行う作業を、1ステップごとに記述したプログラムである。この制御プログラムは、ワークの種類に応じて異なる。したがって、制御プログラムは、ワークの種類の数だけモジュールごとに作成する。この制御プログラムの作成は、もちろん人間が行う。作成したモジュールは、この生産ラインの全体の動作を制御する上位コンピュータ200の記憶部210に記憶される。
【0038】
本発明に係る生産ラインの制御方法によれば、生産ラインを単位とする従来のステップ制御に比較すれば、新たな生産ラインの製作時またはワークの種類の増加時において、作成しなければならないプログラム量は格段に減少する。たとえば、生産ラインが持つ工程数(本発明の場合はモジュール数)をα、その生産ラインで生産するワークの種類の数をβとすると、生産ラインを単位とするステップ制御の場合、作成すべき制御プログラムの数はαβとなるが、本発明におけるステップ制御を採用すると、作成すべき制御プログラムの数はα×βとなる。またワークの種類をn増やそうとしたときには、生産ラインを単位とするステップ制御の場合、αβ+n−αβ=αnの制御プログラムを新たに作成する必要があるが、本発明におけるステップ制御を採用すると、作成すべき制御プログラムの数はα×nとなる。
【0039】
最後に、上記のように作成された制御プログラムに基づいて、生産ラインを構成する生産設備の動作をモジュール単位でステップ制御する。この制御は、上位コンピュータ200の制御部220によって行われる。本発明に係る生産ラインの制御方法では、生産ライン内に複数のモジュールが存在することになる。また、モジュールごとにワークの種類に応じた制御プログラムがあるので、ワークの生産に使われる部品データもモジュールごとに設けている。もちろん、この部品データも上位コンピュータ200の記憶部210に記憶されている。
【0040】
本発明では、モジュールがどの種類のワークの作業を行うべきかがわかるように、ワークの種類に関する情報をモジュール間で転送している。このワークの種類に関する情報は、ワークがその搬送方向上流側のモジュールを出て下流側のモジュールに搬送されるときに転送される。換言すれば、ワークの加工順序にしたがって前工程を担うモジュールから後工程を担うモジュールに転送される。上位コンピュータ200の制御部220には、データバッファが設けられ、ワークの種類に関する情報は、各モジュールに対応するデータバッファ内で転送される。この転送の制御は制御部220が行う。
【0041】
また、本発明では、生産ライン内の生産設備に危険な状態が発生したか否かを上位コンピュータ200の監視部230で監視する。この監視は、監視プログラムによって行い、ワークの搬送方向上流側のモジュールと下流側のモジュールに設置されている生産設備に対して行う。監視プログラムには、あらかじめ設定された異常状態の発生を監視するロジックが組み込まれており、上記の両モジュールの生産機械の動作に異常が生じ、生産機械間の干渉が予測されたときには、そのモジュールの制御プログラムに強制停止信号を出力する。なお、監視プログラムは、各モジュールの生産機械の動作を制御する制御プログラムとは別のプログラムであり、生産機械を停止させるためだけに機能するプログラムである。この監視プログラムも上位コンピュータ200の記憶部210に記憶される。
【0042】
なお、生産ラインに存在する生産設備のうち、危険な状態の発生が予想される生産設備に対してのみ監視するようにすれば、この監視プログラムのプログラム数は最小限に抑えることができる。
【0043】
つぎに、モジュールの制御プログラムのステップ動作を、図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、モジュールR4101、R4102、R4103のいずれかは、他の生産ラインから搬送されてきたワーク(図2のフロアメインアッシー)をR4101、R4102、R4103の内のいずれかのロボットに、#410の搬送装置に載置するという作業を行わせる。
【0044】
まず、図3に示す生産ラインに、種類aのワーク(フロアメインアッシー)が搬送されてくると、このワークの種類に関する情報は、図5に示すように、データバッファに転送される。上位コンピュータ200の制御部220は、このワークの種類に関する情報を見て、モジュールR4101、モジュールR4102、モジュールR4103でそれぞれ個別に起動させるべき制御プログラムを選定し、記憶部210から種類aのワークについてのそれぞれのモジュール用の制御プログラムを取り出す(S1)。
【0045】
制御部220は、取り出した制御プログラムに基づいて、各モジュールを動作させ、種類aのワークを生産するための生産準備を行う。それぞれのモジュールでは、R4101、R4102、R4103のいずれかのロボットが、ワークを#410の搬送装置に載置するという作業を行うので、各ロボットが、必要に応じて、搬送すべきワークに合ったハンドをセットするなどの作業を行う(S2)。
【0046】
そして、制御部220は、図6に示すように、モジュール間のインターロックをかけるが、モジュールR4102は最上流のモジュールであるので、インターロックをかける必要はない。なお、モジュール#440は、最下流のモジュールであるので、やはりインターロックをかける必要はない。しかし、たとえばモジュール#420Rの場合には、ワークをモジュール#410からモジュール#420Sに搬送するときに、モジュール#410とモジュール#420Rとの間でインターロックをかける。このインターロックは、上流側のモジュールを構成する生産機械とその下流側のモジュールを構成する生産機械との干渉などの危険を回避するために設けている。このワークの搬送に伴って、図5に示すように、ワークの種類に関する情報がモジュール#410に対応するデータバッファに転送される。(S3)。
【0047】
つぎに、制御部220は、取り出した制御プログラムに基づいて、各モジュールを構成する生産設備を動作させる。すなわち、R4101、R4102、R4103のいずれかのロボットは、搬送されてきたワークを#410の搬送装置に載置する(S4)。
【0048】
この作業が終了すると、制御部220は、図5に示すように、モジュール#410とモジュール#420Rとの間でインターロックをかける。インターロックがかけられると、図5に示すように、ワークの種類に関する情報がモジュール#410に対応するデータバッファからモジュール#420Rに対応するデータバッファに転送され、ワークがモジュール#410からモジュール#420Sに向けて搬送される(S5)。
【0049】
ワークの種類に関する情報の転送とワークの搬送が終了すると、作業を完了する(S6)。
【0050】
モジュールの制御プログラムのステップ動作を説明したが、生産ライン内に複数の種類のワークが混在している場合、生産ラインに含まれる各モジュールでは、搬送されてきたワークの種類に応じたステップ動作が行われる。たとえば、モジュール#410に種類aのワークが搬送され、モジュール#420Sに種類aのパーツが搬送され、モジュール#421に種類aのパーツが搬送され、モジュール#422に種類bのパーツが搬送され、モジュール#430に種類aのワークが搬送され、モジュール#440に種類bのワークが搬送されたときには、各モジュールで搬送されたワークの種類に応じた制御プログラムが、図4のフローチャートに基づいて実行される。
【0051】
上記の場合、R4101、R4102、R4103のいずれかのロボットが、種類aのワーク(フロアメインアッシー)を#410の搬送装置に載置する。#421には、種類aのパーツが搬送され、#422には種類bのパーツが搬送される。
【0052】
#410の搬送装置と#430の搬送装置が同時に左にスライドし、#410の搬送装置がR4201、R4202、R4203、R4204、R4205、R4206の6台の溶接ロボットに囲まれる。L4201、L4202の冶具は、種類aのパーツ(シルインナー)を受け入れる準備に入る。R4203のロボットは、#422の載置台に、また、R4204のロボットは、#421の載置台に、それぞれ載置されている種類aおよび種類bのワークを取りに行く。そして、R4203のロボットは、L4201の冶具に、また、R4204のロボットは、L4202の冶具に、持っている種類aおよび種類bのパーツをセットする。そして、L4201の冶具とL4202の冶具が種類aおよび種類bのパーツを#410の搬送装置にセットする。さらに、R4201、R4202、R4203、R4204、R4205、R4206の6台の溶接ロボットで#410の搬送装置にセットされている種類aのワークに種類aおよび種類bのパーツを溶接する。溶接が終了したら、R4201、R4202、R4203、R4204、R4205、R4206の6台の溶接ロボットが種類aのワークを救い上げるようにして受け取り、#410の搬送装置は種類aのワークを受け渡す。そして、#410の搬送装置と#430の搬送装置が右にスライドする。以上の動作によって、ワークの搬送、溶接が行われる。以上の動作は、繰り返し行われる。
【0053】
以上の動作に並行して、#430の搬送装置がR4301のロボットに種類aのワークを渡し、R4301のロボットが#440の搬送装置に種類aのワークを置く。そして、#440の搬送装置が他の生産ラインに種類bのワークを搬送する。このように、制御プログラムの基本構成からなるモジュールを複数つなぎ合わせて生産設備の制御を行う。
【0054】
上記のS3及びS5のステップでモジュール間のインターロックをかけているが、本発明ではステップ制御を採用しているので、これ以外のステップではモジュール内外の生産設備間で危険な状態が発生したか否かが判断できない。このため、この監視を上位コンピュータ200の監視部230で行っている。
【0055】
もし、各モジュールおよびモジュール間の生産設備に異常が生じ、生産設備間の干渉など、危険な状態が発生したときには、この監視を行っていないと、それぞれの生産設備を停止させることができなくなる。つまり、簡単に干渉などの危険な状態が発生してしまい、生産設備の破損につながるのである。これは、混在する多種のワークを連続的に生産する生産ラインにおいて複数のモジュールで複数の種類のワークをステップ制御によって生産する場合の弱点である。
【0056】
従来のように、モジュールの制御プログラム自体にそのモジュールのすべての生産設備とそれらの生産設備の動作状態をチェックする情報を入れ込んでしまうと、1つの制御プログラム量が膨大になり、隣り合うモジュールがお互いの動作に制約を受けて、非同期に別々の種類のワークの生産ができなくなる。
【0057】
本発明では、このような問題が生じないように、制御プログラムと監視プログラムとを完全に分離させている。
【0058】
以上のように、本発明では、モジュール単位でワークの種類の数と対応する数の制御プログラムがあればワークの生産が可能になる。したがって、その生産ラインで生産されるワークの種類をn種類増加しても、生産ラインとして新たに追加しなければならない制御プログラムの数はモジュールごとにn個で良い。また、1つの制御プログラム内に設ける部品データは、生産ラインのすべての生産設備に対するものではなく、モジュール内に存在する生産設備のものでよくなるので、1つの制御プログラムの部品データは、生産ラインを単位とするステップ制御の場合と比較すれば、1/モジュール数となる。
【0059】
このため、ワークの種類を増加するときに、新たに作成することになる制御プログラムの作成時間や、その制御プログラムの動作確認に要する時間が短縮される。また、作成した制御プログラムの情報量が少なくなるので、それを記憶しておく上位コンピュータの記憶装置の記憶容量も少なくてすみ、記憶装置の空き容量にもよるが、記憶装置を増設することなく、現存する記憶装置でも記憶することができる。
【0060】
また、本発明では、モジュールを構成する生産機械の状態の監視を、制御プログラムとは別の監視プログラムによって行うようにしているため、制御プログラムは生産設備の動作に関するプログラムだけで良く、1つの制御プログラムの情報量を最小限に抑えることができる。
【0061】
さらに、生産機械同士の干渉が予測されると、干渉しそうな生産機械が緊急停止するので、生産機械の破損を防止することができる。また、モジュール間の無駄なインターロックも取る必要がなくなり、各モジュールは効率的に作業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる制御方法が実施される生産ラインの一例を示す図である。
【図2】ワーク(フロアメインアッシー)とパーツ(シルインナー)の具体例を示す図である。
【図3】図1の生産ラインに形成された複数のモジュールを示す図である。
【図4】生産ラインをステップ制御する場合の処理を示すフローチャートである。
【図5】データバッファにおけるワークの種類に関する情報の転送状態の説明に供する図である。
【図6】モジュール間のインターロックに関する説明に供する図である。
【符号の説明】
200…上位コンピュータ、
210…記憶部、
220…制御部、
230…監視部、
410、420、421、422、430、440…モジュール。
Claims (1)
- 混在する多種のワークを連続的に生産する生産ラインの制御方法であって、
搬送された1つのワークに対し一定時間内に協働して作業する生産設備をグループ化して複数のモジュールを形成する段階と、
それぞれのモジュールごとに実行されるべき制御プログラムをワークの種類別に作成する段階と、
作成された前記制御プログラムに基づいて前記生産ラインを構成する生産設備の動作を前記モジュールを単位としてステップ制御する段階と、を有し、
前記ステップ制御する段階は、搬送されるワークの種類に応じて前記モジュールで起動させる制御プログラムの種類を選定する段階を含み、
前記ワークの種類に関する情報は、前記ワークがモジュール間を搬送されるときに、上流側のモジュールから下流側のモジュールに転送される、
ことを特徴とする生産ラインの制御方法。
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