JP3987230B2 - A/dコンバータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力するアナログ信号の大きさを基準信号と比較しながら、該アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータに係り、特に、フィード・スルーその他の影響によって生じる変換前のアナログ信号の定常的な変動を把握し、該把握に基づいて補正できるようにして、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上することができるA/Dコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
A/Dコンバータの変換精度を低下させる原因としては、例えばラダー抵抗を構成する抵抗間のばらつきなどの抵抗の誤差に起因するもの、種々の容量のばらつきに起因するものなどがある。又、チョッパ型のA/Dコンバータでは、いわゆるフィード・スルーと称する問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このフィード・スルーとは、A/D変換する入力のアナログ信号をクロック信号などの制御信号でスイッチングをオフする際に、MOS(metal oxide semiconductor)容量や、寄生容量を介して電荷の移動が生じて起こる、ホールドされたアナログ信号電圧の変動のことをいう。A/D変換前のアナログ信号がフィード・スルーによって変動すると、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度が低下してしまう。
【0004】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、フィード・スルーその他の影響によって生じる変換前のアナログ信号の定常的な変動を把握することができるA/Dコンバータを提供することを第1の目的とする。更に、何らかの手段により上記の変動を把握した後、該把握に基づいて補正できるようにして、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上することができるA/Dコンバータを提供することを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力するアナログ信号の大きさを基準電圧と比較しながら、該アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータにおいて、複数の抵抗を直列接続し、該直列接続全体に加えた入力基準電圧の分圧を、その抵抗間の接続部分から前記基準電圧として引き出すラダー抵抗と、一方に該分圧の基準電圧が入力され、他方に前記アナログ信号が入力されるコンパレータと、該コンパレータの出力を観察する論理回路と、前記アナログ信号に代えて前記基準電圧のいずれか1つを入力する切替回路を備え、前記基準電圧の内で最小のもの及びこの近傍のものを順次、該切替回路により前記アナログ信号に代えて入力しつつ、前記コンパレータの出力を前記論理回路で観測しながらA/D変換に類似した動作を行なって、デジタル信号に変換されるまでの該アナログ信号の電圧の変位量を測定すると共に、該基準電圧の内で最大のもの及びこの近傍のものを順次、該切替回路により前記アナログ信号に代えて入力しつつ、前記コンパレータの出力を前記論理回路で観測しながらA/D変換に類似した動作を行なって、デジタル信号に変換されるまでの該アナログ信号の電圧の変位量を測定することにより、前記第1目的を達成したものである。
又、前記A/Dコンバータにおいて、前記変位量測定の結果に基づいて、前記入力基準電圧を補正する電圧補正回路を備え、前記ラダー抵抗に、該電圧補正回路から該入力基準電圧を加えるようにしたことにより、前記第1目的を達成したものである。
【0006】
更に、上記A/Dコンバータにおいて、前記電圧補正回路は、前記基準電圧の内で最小のもの及びこの近傍のものを順次、前記切替回路により前記アナログ信号に代えて入力しつつ行なった前記変位量測定の結果に基づいて、前記ラダー抵抗の一端に供給される電圧を補正する第1の電圧補正回路と、前記基準電圧の内で最大のもの及びこの近傍のものを順次、前記切替回路により前記アナログ信号に代えて入力しつつ行なった前記変位量測定の結果に基づいて、該ラダー抵抗の他方端に供給される電圧を補正する第2の電圧補正回路とを含むことにより、前記第1目的に加え、前記第2目的を達成したものである。
【0007】
以下、本発明の作用について、簡単に説明する。
【0008】
図1は、フィード・スルーの問題を説明するためのA/Dコンバータの入力部分を示す回路図である。
【0009】
図1において、アナログ信号AINは、PチャネルMOSトランジスタTP及びNチャネルMOSトランジスタTNで構成されるトランスファー・ゲートにより、クロック信号Φ及び(Φバー)に同期してオン・オフされる。又、該トランスファー・ゲートがオンになると、アナログ信号AINの電圧の大きさに応じた電荷が、コンデンサCHに蓄えられる。
【0010】
ここで、クロック信号ΦがH状態でクロック信号(Φバー)がL状態で、トランスファー・ゲートがオンになり、アナログ信号AINの電圧に応じた電荷がコンデンサCHに蓄えられると、図中の点bの電圧Vbは、当該アナログ信号AINの電圧に等しくなる(AIN=Vb)。この後に、該トランスファー・ゲートがオフになる場合を考える。
【0011】
この場合、該トランスファー・ゲートを構成しているPチャネルMOSトランジスタTPには、寄生容量CC1が存在する。又、NチャネルMOSトランジスタTNには、寄生容量CC2が存在する。このため、該トランスファー・ゲートがオフの場合の等価回路は、図2のようになる。
【0012】
これら寄生容量CC1及びCC2は何らかの大きさで存在する。又、これら寄生容量CC1及びCC2の影響により、電圧Vbが変動し、(AIN≠Vb)になってしまう。このようになると、アナログ信号AINの電圧と電圧Vbとの差により、A/Dコンバータの変換精度が低下してしまう。これが、フィード・スルーと呼ばれる問題である。
【0013】
ここで、フィード・スルー量(AIN−Vb)は、明らかにアナログ信号AINの電圧レベルに依存する。一般的には、図3のグラフのようなアナログ信号AINとフィード・スルー量との関係がある。
【0014】
例えば、クロック信号ΦのH状態の電圧をVDDとし、L状態電圧を0ボルトとする。すると、この図3に示されるように、アナログ信号AINが(VDD/2)付近ではフィード・スルー量は小さい。一方、アナログ信号AINが高くなると(プラス方向に大)、フィード・スルー量もプラス方向に大きくなる。又、、アナログ信号AINが小さくなると(マイナス方向になるにつれ)、フィード・スルー量がマイナス方向に大きくなる。
【0015】
図4は、アナログ信号AINとサンプル・ホールドされた電圧Vbとの関係を示すグラフである。
【0016】
フィード・スルーの影響がない場合、アナログ信号AINとサンプル・ホールドされたVb電圧との関係は、図4において一点鎖線のようになる。しかしながら、フィード・スルーの影響により、該電圧関係は図4の実線のようになる。又、図中において、符号Ve1はゼロ・スケール誤差であり、符号Ve2はフル・スケール誤差である。
【0017】
図5は、アナログ信号AINとサンプル・ホールドされた電圧Vbをデジタル出力する際の電圧との関係を示すグラフである。
【0018】
フィード・スルーの影響により図4において実線のようになると、アナログ信号AINと、サンプル・ホールドされた電圧Vbをデジタル出力する際の電圧との関係は、この図5のようになる。
【0019】
以下、発明の作用について説明する。
【0020】
発明においては、前記アナログ信号に代えて前記基準電圧を入力する切替回路を備え、デジタル信号に変換されるまでの該アナログ信号の電圧の変位量を測定できるようにしている。従って、例えば図5において、VREFLの電圧のデジタル出力が得られた際に、このときのアナログ信号AINの電圧がVALであったとする。又、VREFHの電圧のデジタル出力が得られた際に、このときのアナログ信号AINの電圧がVAHであったとする。
【0021】
すると、これら電圧VALやVAHから、前述のゼロ・スケール誤差Ve1や、フル・スケール誤差Ve2や、フィード・スルー量の大きさを求めることができる。又、得られたこれら誤差やフィード・スルー量によれば、フィード・スルーによる誤差を把握し、補正することができる。
【0022】
従って、発明によれば、フィード・スルーその他の影響によって生じる変換前のアナログ信号の定常的な変動を把握することができる。従って、例えば以下に説明するようにするなどして、該把握に基づいて補正することができ、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上することができる
【0023】
以下、このような補正の一例の作用について説明する。
【0025】
ここで、該直列接続全体に加えるための電圧を入力基準電圧と呼ぶものとする。すると、このようなラダー抵抗は、該入力基準電圧の分圧を、その抵抗間の接続部分から引き出すことができる。ここで、このようにラダー抵抗で分割されて得られた電圧それぞれを、基準電圧と呼ぶものとする。
【0026】
まず、該ラダー抵抗から引き出された電圧を用いて、入力基準電圧を補正する電圧補正回路を備える。、ラダー抵抗に与える入力基準電圧を補正することで、A/D変換誤差を補正する。従って例えば発明によりフィード・スルーその他の影響によって生じる変換前のアナログ信号の定常的な変動を把握することができれば、上記の電圧補正回路を用い該把握に基づいて補正でき、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上することができる。
【0027】
なお、以下に述べる実施形態では、発明を適用して、フィード・スルーその他の影響によって生じる変換前のアナログ信号の定常的な変動を把握している。更に、上述の説明のようにして、該把握に基づいて補正し、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上している。しかしながら、発明の適用は、このようなものに限定されるものではない。
【0028】
例えば、発明を適用して、フィード・スルーその他の影響によって生じる変換前のアナログ信号の定常的な変動を把握する。そうしてから、該変動の把握に基づいて、例えば上述以外の手段により、該変動を補正し、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上することもできる。例えば、デジタル変換後のデジタル出力をA/Dコンバータ内部で、デジタル数値演算で補正してもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
図6は、発明が適用された実施形態のA/Dコンバータの全体概要を示す回路図である。
【0032】
本実施形態では、外部から入力される電圧VREFH及び電圧VREFLにおいて、(VREFH−VREFL)の電圧を等分割した電圧を得るため、ラダー抵抗を備えている。ここで、電圧VREFH及び電圧VREFLを入力基準電圧と呼ぶことにする。又、ラダー抵抗で分割されて得られた電圧それぞれを、基準電圧と呼ぶものとする。
【0033】
該ラダー抵抗は、複数の抵抗Rを直列接続し、該直列接続全体に加えた入力基準電圧の分圧を、その抵抗間の接続部分から引き出すようにしている。該分圧は、上述の基準電圧であって、本実施形態では電圧VREFH及び電圧VREFLの間の電圧にあって等間隔になるようにしている。即ち、抵抗Rの抵抗値は全て等しい。
【0034】
なお、厳密には、変位量測定に基づいて入力基準電圧を補正するようにしているため、電圧VREFH及び電圧VREFLをラダー抵抗に直接加えていない。即ち、電圧補正回路RGA及びRGBを経由して間接的に、これらの電圧を加えるようにしている。該電圧補正回路RGAを用いることで、ラダー抵抗の一端に加える電圧VREFLに対して、入力基準電圧の補正をかけている。又、該電圧補正回路RGBを用いることで、ラダー抵抗の他方端に加える電圧VREFHに対して、入力基準電圧の補正をかけている。これら電圧補正回路RGA及び電圧補正回路RGBは、それぞれ本発明の第1の電圧補正回路、第2の電圧補正回路となる。
【0035】
本実施形態においては、上述の複数の基準電圧毎にコンパレータCPを設けるようにしている。これらコンパレータCPそれぞれは、一方に基準電圧が入力され、他方にアナログ信号AINが入力されている。該コンパレータCPは、個々に入力している基準電圧に比べてアナログ信号AINの電圧が高いと、H状態を出力する。
【0036】
論理回路LGは、これらコンパレータCPからの入力に基づいて、アナログ信号AINの電圧をバイナリ数値に変換した、デジタル出力DOUTを出力する。このようにして本実施形態は、入力するアナログ信号AINの大きさを、入力基準電圧より得られる、基準信号の基準電圧と比較しながら、該アナログ信号AINをデジタル信号に変換して出力し、A/Dコンバータとして機能する。
【0037】
なお、本実施形態においては、マルチプレクサMA、MB1、MB2、MC1、及びMC2、スイッチSW1及びSW2、電圧補正回路RGA及びRGBは、コントロール回路CTにて制御されている。
【0038】
本実施形態においては、A/D変換するアナログ信号AINの入力部分に、マルチプレクサMAを備えている。該マルチプレクサMAは、アナログ信号AIN、別のマルチプレクサMB1から入力される電圧AIN1、及び、マルチプレクサMB2から入力される電圧AIN2を択一選択し、選択されたものを信号AIN3として各コンパレータCPに入力する。
【0039】
更に、マルチプレクサMB1、MB2、MC1、及びMC2は、ラダー抵抗によって得られる基準電圧の1つを選択する。まず、マルチプレクサMB1及びMC1は、入力基準電圧VREFHから3つの基準電圧のいずれか1つを選択する。マルチプレクサMB2及びMC2は、入力基準電圧VREFLから3つの基準電圧のいずれか1つを選択する。
【0040】
なお、本実施形態におけるマルチプレクサMA、MB1、及びMB2は、本発明の切替回路に相当する。該切替回路は、アナログ信号AINに代えて、ラダー抵抗により得られる基準信号を入力する。
【0041】
以下、本実施形態の作用について説明する。
【0042】
まず、本発明を適用した、フィード・スルーその他の影響によって生じる、変換前のアナログ信号の定常的な変動を把握する場合の作用について説明する。
【0043】
この場合、マルチプレクサMAは、信号AIN1又はAIN2を選択する。又、スイッチSW1及びSW2は共にオンにする。一方、スイッチSW3及びSW4は共にオフにする。該オフにより、マルチプレクサMC1及びMC2の出力は用いられない。従って、これらマルチプレクサMC1及びMC2は、どのような選択状態でもよい。
【0044】
信号AIN1を選択する場合、マルチプレクサMB1を切り換えることで、図4や図5に示した電圧VALを測定する。即ち、マルチプレクサMB1を切り換えて、デジタル出力DOUTが電圧VREFLを示す、最小の基準電圧が該電圧VALとなる。該測定は、コントロール回路CTがマルチプレクサMB1を操作して基準電圧をV1からV3に順次切り換え、その際のコンパレータCPの出力を論理回路LGで観測しながら自動的に行う。V1は基準電圧の内で最小のものであり、V2、V3はその近傍のものである。又、該観測はA/D変換に類似した動作であるといえる。又、該測定結果はコントロール回路CTに得られる。
【0045】
又、信号AIN2を選択する場合、マルチプレクサMB2を切り換えることで、図4や図5に示した電圧VAHを測定する。即ち、マルチプレクサMB2を切り換えて、デジタル出力DOUTが電圧VREFHを示す、最大の基準電圧が該電圧VAHとなる。該測定は、コントロール回路CTがマルチプレクサMB1を操作して基準電圧をV6からV4に順次切り換え、その際のコンパレータCPの出力を論理回路LGで観測しながら自動的に行う。V6は基準電圧の内で最大のものであり、V5、V4はその近傍のものである。又、該観測はA/D変換に類似した動作であるといえる。又、該測定結果はコントロール回路CTに得られる。
【0046】
以上のように、電圧VAや、電圧VAHが測定されると、デジタル信号に変換されるまでのアナログ信号AINの電圧の変位量を測定できる。例えば、これら電圧VALやVAHから、前述のゼロ・スケール誤差Ve1や、フル・スケール誤差Ve2や、フィード・スルー量の大きさを測定することができる。本実施形態では、コントロール回路CTにおいて、ゼロ・スケール誤差Ve1及びフル・スケール誤差Ve2を求め、記憶しておく。
【0047】
次に、上記測定結果に基づいて行う、本実施形態における、A/D変換の誤差を補正する場合の作用について説明する。この場合は、本発明の電圧補正回路を適用するものである。
【0048】
まず、マルチプレクサMAは、アナログ信号AINを選択させる。該アナログ信号AINは、A/D変換するために外部から入力する信号である。この際、マルチプレクサMB1及びMB2は、どのような選択状態でもよい。又、スイッチSW1及びSW2は共にオフにする。一方、スイッチSW3及びSW4は共にオンにする。該オンにより、マルチプレクサMC1及びMC2の出力が用いられるようになる。
【0049】
そうして、前述のようにして求めて記憶されているゼロ・スケール誤差Ve1に基づいて、コントロール回路CTは、上記のマルチプレクサMC1を操作して基準電圧V1〜V3を選択し、選択されたものを電圧補正回路RGAに供給する。すると、該選択に応じて電圧補正回路RGAにより、入力基準電圧VREFLを補正することができる。又、該補正により、ゼロ・スケール誤差Ve1を解消するようにする。
【0050】
又、前述のようにして求めて記憶されているフル・スケール誤差Ve2に基づいて、コントロール回路CTは、上記のマルチプレクサMC2を操作して基準電圧V4〜V6を選択し、選択されたものを電圧補正回路RGBに供給する。すると、該選択に応じて電圧補正回路RGBにより、入力基準電圧VREFHを補正することができる。又、該補正により、フル・スケール誤差Ve2を解消するようにする。
【0051】
従って本実施形態によれば、本発明の電圧補正回路を効果的に適用することができ、求められたゼロ・スケール誤差Ve1やフル・スケール誤差に基づき、フィード・スルーその他の影響によって生じる変換前のアナログ信号の定常的な誤差を補正でき、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上することができる。
【0052】
次に、前述した電圧補正回路RGA及びRGBについて説明する。
【0053】
図7は、電圧補正回路RGA及びRGBの回路図である。
【0054】
図7において、増幅回路AMPは、信号入力I2+及びI2−と、信号出力U2+及びU2−とを有している差動増幅器である。即ち、信号入力I2+の電圧を(I2+)とし、信号入力I2−の電圧を(I2−)とする。すると、信号出力U2+の電圧は、{(I2+)−(I2−)}を、該増幅回路AMP固有の所定の増幅率で増幅した電圧となる。又、信号出力U2−の電圧は、〔−{(I2+)−(I2−)}〕を、該増幅回路AMP固有の所定の増幅率で増幅した電圧となる。
【0055】
図8は、増幅回路AMPの動作を示すタイムチャートである。
【0056】
この図8を用いて、該増幅回路AMPの作用について以下に説明する。
【0057】
クロック信号Φ1及びクロック信号Φ2は、タイムチャートに示すように、H状態の期間が互いに重なり合わないように配慮されている。
【0058】
まず、クロック信号Φ1がH状態の場合について説明する。即ち、図8において、期間t11〜t12、期間t21〜t22、期間t31〜t32などの期間である。
【0059】
このような期間の場合、2つの入力コンデンサC1には、それぞれ、〔C1×{(I+)−VINCOM}〕の電荷、あるいは、〔C1×{(I−)−VINCOM}〕の電荷が充電される。又、出力OUT+及びOUT−は、いずれも入力Rに接続される。従って、出力OUT+及びOUT−は、いずれも入力Rの電圧となる。
【0060】
即ち、図7のように電圧補正回路RGAを接続し、入力Rに入力基準電圧VREFHを接続する場合、出力OUT+及びOUT−はいずれも入力基準電圧VREFHになる。あるいは、図7のように電圧補正回路RGBを接続し、入力Rに入力基準電圧VREFLを接続する場合、出力OUT+及びOUT−はいずれも入力基準電圧VREFLになる。
【0061】
次に、クロック信号Φ2がH状態の場合について説明する。即ち、図8において、期間t13〜t14、期間t23〜t24、期間t33〜t34などの期間である。
【0062】
このような期間の場合、2つの入力コンデンサC1の図中左側端子は互いに接続されるので、該端子部分の電位は、〔{(I+)+(I−)}/2〕になる。一方、これら入力コンデンサC1の図中右側端子、即ち増幅回路AMPの入力I2+及びI2−は、イマジナリ・ショートの特性から、電圧VINCOMを保持しようとする。又、入力コンデンサC1及びC2の合計電荷は保存される。従って、これら入力コンデンサC1及びC2の間での電荷の移動が生じる。
【0063】
そうして、入力コンデンサC1及びC2において、容量がC1=C2である場合、電位の変化量は入力と出力とで等しくなる。
【0064】
一方、入力コンデンサC1及びC2において、容量がC1=2×C2である場合、出力側の電位の変化は、入力側の変化量の2倍に等しくなる。
【0065】
例えば、図6のように電圧補正回路RGAを接続し、入力Rに入力基準電圧VREFLを接続する場合において、{(VAL−VREFL)=VDL}とする。すると、出力OUT+は、(VREFL−VDL)となる。又、出力OUT−は(VREFL+VDL)となる。従って、ラダー抵抗に供給する電圧は、(VREFL−VDL)となり、電圧VAL1にて入力基準電圧VREFLが補正されるようになる。
【0066】
又、図7のように電圧補正回路RGBを接続し、入力Rに入力基準電圧VREFLを接続する場合において、{(VAH−VREFH)=VDH}とする。すると、出力OUT+は、(VREFH−VDH)となる。又、出力OUT−は(VREFH+VDH)となる。従って、ラダー抵抗に供給する電圧は、(VREFH−VDH)となり、電圧VAH1にて入力基準電圧VREFHが補正されるようになる。
【0067】
従って、本実施形態において発明を適用して前述のように測定された結果に基づき、上記のように、ラダー抵抗に供給する電圧を補正することができる。これにより、クロックフィードスルーによるA/D変換誤差などを補正することができる。従って、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上することができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、フィード・スルーその他の影響によって生じる変換前のアナログ信号の定常的な変動を把握し、該把握に基づいて補正できるようにして、アナログ信号をデジタル信号に変換する精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィード・スルーの問題を説明するためのA/Dコンバータの入力部分を示す回路図
【図2】上記入力部分におけるトランスファー・ゲートがオフの場合の等価回路図
【図3】アナログ信号とフィード・スルー量との関係を示すグラフ
【図4】アナログ信号とサンプル・ホールドされた電圧との関係を示すグラフ
【図5】アナログ信号とサンプル・ホールドされた電圧をデジタル出力する際の電圧との関係を示すグラフ
【図6】発明が適用された実施形態のA/Dコンバータの全体概要を示す回路図
【図7】上記実施形態で用いる電圧補正回路の回路図
【図8】上記電圧補正回路の動作を示すタイムチャート
【符号の説明】
TP…PチャネルMOSトランジスタ
TN…NチャネルMOSトランジスタ
CC1、CC2…寄生容量
CH…サンプル・コンデンサ
C1、C2…コンデンサ
R…抵抗
CP…コンパレータ
MA、MB1、MB2、MC1、MC2…マルチプレクサ
RGA、RGB…電圧補正回路
AMP…増幅回路
LG…論理回路
CT…コントロール回路
SW1、SW2、Φ1、Φ2…スイッチ

Claims (3)

  1. 入力するアナログ信号の大きさを基準電圧と比較しながら、該アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータにおいて、
    複数の抵抗を直列接続し、該直列接続全体に加えた入力基準電圧の分圧を、その抵抗間の接続部分から前記基準電圧として引き出すラダー抵抗と、
    一方に該分圧の基準電圧が入力され、他方に前記アナログ信号が入力されるコンパレータと、
    該コンパレータの出力を観察する論理回路と、
    前記アナログ信号に代えて前記基準電圧のいずれか1つを入力する切替回路を備え、
    前記基準電圧の内で最小のもの及びこの近傍のものを順次、該切替回路により前記アナログ信号に代えて入力しつつ、前記コンパレータの出力を前記論理回路で観測しながらA/D変換に類似した動作を行なって、デジタル信号に変換されるまでの該アナログ信号の電圧の変位量を測定すると共に、該基準電圧の内で最大のもの及びこの近傍のものを順次、該切替回路により前記アナログ信号に代えて入力しつつ、前記コンパレータの出力を前記論理回路で観測しながらA/D変換に類似した動作を行なって、デジタル信号に変換されるまでの該アナログ信号の電圧の変位量を測定することを特徴とするA/Dコンバータ。
  2. 前記変位量測定の結果に基づいて、前記入力基準電圧を補正する電圧補正回路を備え、
    前記ラダー抵抗に、該電圧補正回路から該入力基準電圧を加えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のA/Dコンバータ。
  3. 前記電圧補正回路は、
    前記基準電圧の内で最小のもの及びこの近傍のものを順次、前記切替回路により前記アナログ信号に代えて入力しつつ行なった前記変位量測定の結果に基づいて、前記ラダー抵抗の一端に供給される電圧を補正する第1の電圧補正回路と、
    前記基準電圧の内で最大のもの及びこの近傍のものを順次、前記切替回路により前記アナログ信号に代えて入力しつつ行なった前記変位量測定の結果に基づいて、該ラダー抵抗の他方端に供給される電圧を補正する第2の電圧補正回路とを含むことを特徴とするA/Dコンバータ。
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