JP3987177B2 - 家畜の排泄物の消臭方法、動物の排泄物を消臭する食料および飼料添加剤 - Google Patents
家畜の排泄物の消臭方法、動物の排泄物を消臭する食料および飼料添加剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家畜の排泄物を消臭するための方法、動物に食べさせるとその排泄物の臭いが低減される食料および、動物の排泄物を消臭するために食料と共に食べさせる消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
特に馬、豚、牛および鶏に代表される家畜を飼育する畜産業において、それらの排泄物である糞尿処理は、コストや人手を度外視すれば、水洗および焼却システムにより浄化することにより可能である。しかし現実的には、大半の農家では、コスト面や人の手間の面から、排泄物の堆肥化または汚水処理をおこなっており、その処理に伴う悪臭の発生が大きい問題となっている。この悪臭の発生は周囲の住民からの苦情の原因ともなり、畜産業を営む上で重要な課題となっている。
【0003】
また最近の住宅事情により、犬、猫、ウサギ、インコ等の愛玩動物のような家畜においても、それらの排泄物である便尿臭は、隣近所に迷惑をかけるため、屋外で安心して飼うことが出来ず、また屋内で飼う場合においても、それらの便尿臭は問題となる。
【0004】
排泄物から発生する悪臭の防止及び除去方法について、様々な方法が提案されている。例えば家畜が排泄する糞尿の悪臭を経口的に抑える方法として、ゼオライト、乳酸菌またはオリゴ糖などを投与する方法(腸内細菌学、光岡知足編集、朝倉書店、1990年5月20日発行)が知られている。しかし、ゼオライト、乳酸菌またはオリゴ糖などを飼料に混ぜこんだり、添加した飼料を家畜に与えても、その消臭効果は必ずしも十分といえるものではなかった。
【0005】
また、ペットの糞尿の悪臭の発散を少なくするために、ポリアクリル酸金属塩を含有させたペット用飼料(特開昭61-202661 号公報)が知られている。あるいは、香料(特開平05-49363号公報)、界面活性剤(特開昭60-99256号公報)、グアニジン系化合物(特開平05-49363号公報)、金属ポルフィン(特開昭62-74230号公報)、または植物の乾留物の抽出物(特公昭58-18098号公報)を、ゼオライト、ケイソウ土のような粒状、粉状等の形状をした多孔性無機質の担体に吸着もしくは浸み込ませたり、紙や布等に含ませてシート状等に加工したり、また猫砂のようにペットが糞尿等をする排泄物等をする場所に置いたり、または糞尿した場所に散布したり、あるいはそれら糞尿を覆ったりすることにより、家畜の排泄物を消臭する方法が知られている。しかしながら、このような方法では、消臭されるまでに時間がかかるので、初期における排泄物の悪臭を満足に抑えることは出来なかった。
【0006】
このように、満足のいくような排泄物消臭方法は未だ見出されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、家畜の排泄物の臭いを消臭するための方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はまた、動物の排泄物の消臭に有効な食料を提供することを目的とする。
【0009】
本発明はさらに、動物の排泄物の消臭に有効な消臭剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
動物の糞便臭や尿臭など排泄物の悪臭は、動物が食料を食したときに腸管内や体内で産生されるアンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、メタン等の悪臭物質に由来すると考えられる。そこで本発明者らは、動物の排泄物の消臭方法について鋭意研究したところ、詳しい機構についてはまだ明らかではないが、甘蔗由来の抽出物がこれらの悪臭物質を腸管内や体内で消臭することができ、よって動物が食料を食べるときに甘蔗由来の抽出物を共に食べさせると、排泄物の悪臭が抑制されることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
本発明は第1に、家畜の排泄物の消臭方法であって、甘蔗由来の抽出物を飼料と共に家畜に食べさせることを特徴とする方法を提供する。
【0012】
本発明は第2に、動物の排泄物を消臭するために、食料と共に動物に食べさせる飼料添加剤であって、甘蔗由来の抽出物を含むことを特徴とする飼料添加剤を提供する。
【0013】
本発明は第3に、動物の排泄物において消臭性を有する食料であって、甘蔗由来の抽出物を含むことを特徴とする食料を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の方法においては、甘蔗由来の抽出物を飼料と共に家畜に食べさせることを特徴とする。家畜に食べさせる手段としては、特に限定されず、例えばそのまま直接食べさせる、飼料に含有させる、あるいは飲み水に添加する等が挙げられる。甘蔗由来の抽出物は、飼料と同時に食べさせてもよいが、飼料を食べる直前または直後に(飼料が消化される前に動物の体内で両者が混合されるような時期に)食べさせることもできる。甘蔗由来の抽出物を、飼料と同時に食べさせる場合には、甘蔗由来の抽出物を、例えば混合または塗布といった手段により、飼料中に含有させることができる。
【0015】
本発明の方法において、甘蔗由来の抽出物の使用量は、その精製度、あるいは対象となる家畜の種類の差、体重差、個体差等の要因に依存するので、一概には決められない。よって、排泄物の悪臭を十分効果的にまた経済的に消臭(または低減)できる量を添加することが好ましい。一般的には、家畜に食べさせる飼料100重量部に対して、甘蔗由来の抽出物を、好ましくは0.001 重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上、かつ好ましくは1.5 重量部以下、より好ましくは1.0 重量部以下使用する。この範囲で使用すると、十分本発明の効果を得ることが出来る。なお、甘蔗由来の抽出物の使用量が少ないと、排泄物の悪臭を消臭する効果が少なく、また多いと経済的でないばかりでなく、かえって動物が好む飼料本来の旨味を消してしまったり、または味を損なうことがある。
【0016】
次に、本発明の消臭剤は、食料と共に食べることによって動物の排泄物の消臭に有効であり、甘蔗由来の抽出物を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の消臭剤には、甘蔗由来の抽出物の他に、さらに動物が食することができる添加剤、分散剤、賦形剤等の任意の成分を含むことができる。添加剤、分散剤、賦形剤としては、例えば砂糖、乳糖、トレハロースなどの各種糖類、パラチニット、ラクチトールなどの各種糖アルコール、アスパルテーム、ステビアなどの各種高甘味度甘味料、デキストリン、プルランなどの各種多糖類、コーンスターチ、バレイショデンプンなどの各種デンプン類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの各種セルロース誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルなどの各種乳化剤、ビタミンCなどの各種ビタミン類、硬化油脂などの油脂類、紅花色素などの各種天然または合成色素類、その他調味料、ミネラル類、栄養剤などが挙げられる。
【0018】
本発明の消臭剤は、甘蔗由来の抽出物だけ、あるいはこれと上記の添加剤、分散剤、賦形剤等とを含むものであってもよいが、さらに造粒、打錠などすることにより、適当な形状に加工したり、水、アルコール、プロピレングリコールなどの、食する上で問題とならない溶解剤を用いて溶液状に加工して用いることができる。このようにして、前記甘蔗由来の抽出物を加工することにより、本発明の消臭剤を得ることができる。
【0019】
本発明の消臭剤の形状は特に限定されず、固体状または液体状、あるいは両者の混在した状態など任意の形態をとることができる。
【0020】
本発明の消臭剤は、共に食べさせる食料100重量部に対して、甘蔗由来の抽出物の割合が、好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上、かつ好ましくは1.5 重量部以下、より好ましくは1.0 重量部以下になるような量で使用する。ただし、この量は、甘蔗由来の抽出物の精製度、あるいは対象となる動物の種類の差、体重差、個体差等の要因に依存するので、一概には決められない。排泄物の悪臭を十分効果的にまた経済的に消臭(または低減)できる量を使用することが好ましい。
【0021】
本発明の消臭剤は、食料と共に動物に食べさせて使用するが、食料に添加する使用法の他に、飲み水に添加しておいて、飲ませるという使用法も可能である。あるいは、動物が食料を食べる前、食べている最中、または食べた直後に、別途本発明の消臭剤を食べさせることができる。
【0022】
本発明の消臭剤はまた、人間に適用することができる。
【0023】
次に、動物の排泄物の消臭に有効な本発明の食料は、甘蔗由来の抽出物を含むことを特徴とする。好ましくは、前記食料は、動物、特に家畜のための飼料である。
【0024】
本発明の食料においては、その主成分としては、その動物が食する適当な慣用の材料が使用される。その種類および配合量は、当業者がその動物に応じて選択することができる。例えば、猫に対してはキャットフードとして、マグロなどの魚介類、豚などの肉類、魚粉、肉骨粉、動植物油、小麦粉、ふすまなどが適宜使用できる。
【0025】
本発明の食料には、上記の主成分の他に、慣用の添加物を配合することができる。そのような添加物としては、例えば、色素、調味料、ミネラル類、ビタミン類、栄養剤、などが挙げられる。その配合量も慣用的な範囲が使用できる。
【0026】
本発明の食料の形状または形態は、特に限定されず、対象とする動物の食料に慣用の形状または形態を任意に使用できる。食料の形態としては、例えば缶詰、乾燥固形物(ドライタイプ)、半乾燥固形物(セミドライタイプ)、液体、ペースト等が挙げられる。固形物の場合、粒状、粉状、ペレット状、塊状など任意の形状が使用できる。
【0027】
本発明の食料の製造方法は、対象とする動物の食料に慣用の製造方法が使用できる。甘蔗由来の抽出物は、食料の製造工程の任意の工程で添加できる。食料製造の途中で混合して食料中に分散された状態にする他、製造後の食料に、スプレー、塗布などの手段を用いて付着させることもできる。
【0028】
本発明の食料における甘蔗由来の抽出物の配合量は、その精製度、あるいは対象となる動物の種類の差、体重差、個体差等の要因に依存するので、一概には決められない。排泄物の悪臭を十分効果的にまた経済的に消臭(または低減)できる量を配合することが好ましい。一般的には、食料中の甘蔗由来の抽出物以外の成分の合計100重量部に対して、甘蔗由来の抽出物が、好ましくは0.001 重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上、好ましくは1.5 重量部以下、より好ましくは1.0 重量部以下の割合で配合される。この範囲で配合すると、十分本発明の効果を得ることが出来る。なお、甘蔗由来の抽出物の配合量が少ないと、排泄物の悪臭を消臭する効果が少なく、また多いと経済的でないばかりでなく、かえって動物が好む食料本来の旨味を消してしまったり、または味を損なうことがある。
【0029】
本発明の食料は、人間にも適用可能であり、人が食するものであることができる。
【0030】
本発明において、動物とは、人間、家畜および野生の鳥獣を包含する。
【0031】
本発明において、家畜とは、人間に飼育されている動物一般を意味する。農家や一般家庭で飼育されている動物の他に、研究に使用される実験動物なども含まれる。例えば犬、猫、馬、豚、牛、猿、モルモット、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、リス、鶏、あひる、七面鳥、ジュウシマツ、インコ、文鳥、オウム、九閑鳥、などが挙げられる。
【0032】
本発明において「甘蔗由来の抽出物」とは、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られるものを意味する。
【0033】
本発明において「甘蔗汁」という語は、甘蔗(さとうきび)を圧搾して得られる圧搾汁または、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、または原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁を意味する。
【0034】
また、「甘蔗由来の製糖蜜」とは、上記甘蔗汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分を意味し、例えば原糖製造工場における一番白下、二番白下、製糖廃蜜、および精製糖製造工場における洗糖蜜、ブラウンリカー、精糖廃蜜などが挙げられる。特に製糖廃蜜および精糖廃蜜とは甘蔗汁から糖の大部分を除去して残った糖蜜部分を意味し、製糖工場で最終的に得られる、もはや経済的に糖を回収しえない部分である。
【0035】
本発明において、甘蔗由来の抽出物は、甘蔗を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、および前記圧搾汁、浸出汁、清浄汁、または濃縮汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分であるところの甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる画分であるところの消臭物質であり、好ましくは甘蔗由来の抽出物が、甘蔗を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、および前記圧搾汁、浸出汁、清浄汁、または濃縮汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分であるところの甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる画分であるところの消臭物質である。
【0036】
前記消臭物質は、上記甘蔗汁および/または製糖蜜を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理する。上記甘蔗汁または製糖蜜をそのまま、または水で任意の濃度に調整して、固定担体を充填したカラムで処理する。なお異物除去のために、カラムで処理する前に、甘蔗汁および/または製糖蜜を濾過することが好ましい。濾過の手法は特に限定されず、食品工業で広く使用されているスクリーン濾過、ケイソウ土濾過、精密濾過、限外濾過等の手段を好ましく使用できる。
【0037】
固定担体としては、合成吸着剤を用いる。合成吸着剤としては、好ましくは有機系樹脂を用いることができ、例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂等が使用できる。さらに好ましくは芳香族系樹脂であり、特に無置換基型の芳香族系樹脂が使用できる。合成吸着剤として、例えばスチレン‐ジビニルベンゼン系樹脂の芳香族系樹脂等が使用でき、芳香族系樹脂としては、例えば疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂等の多孔性樹脂が使用できる。より好ましくは無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂が使用できる。そのような合成吸着剤は市販されており、例えばダイアイオン(商標)系としてHP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50 (以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト (商標)系として、XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として、SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)系として、XAD−7、XAD−8(以上、アクリル酸系エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として、HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファデックス(商標)系としてLH20、LH60(以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)等が挙げられる。なかでも、SP−850が特に好ましい。
【0038】
固定担体の量は、カラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化する。原料(甘蔗汁および製糖蜜から選ばれる)の固形分に対して、0.01〜5倍湿潤体積量が好ましい。
【0039】
原料(甘蔗汁および製糖蜜から選ばれる)を上記カラムに通すことにより、原料中の消臭効果を有する成分は固定担体に吸着され、糖類の大部分がそのまま流出して除去される。
【0040】
固定担体に吸着された成分は、溶媒により溶出する。ここで、消臭活性を有する成分を効率よく溶出するには、その前に残留する糖類や塩類などを水洗により十分に洗い流すことが好ましい。これにより、吸着されている目的とする消臭物質をより効率よく回収することができる。溶出溶媒は、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる。溶出溶媒は水とアルコールとの混合溶媒、特にエタノール−水混合溶媒が好ましく、更に、室温において効率よく目的とする消臭物質を溶出できるので50/50 〜60/40 (体積/体積)エタノール‐水混合溶媒が好ましい。さらに、カラム温度を上げることにより、エタノール‐水混合溶媒のエタノール混合比を減らすことができ、カラム温度が50〜120℃である場合には、水のみでも効率よく目的とする消臭物質を溶出することができる。この場合、カラム内は常圧もしくは加圧された状態である。このように、消臭活性を有する成分は、前記溶媒で溶出される画分に存在するが、カラムに残留する糖がまず溶出(もしくは流出)するので、好ましくは糖類(特にスクロース、グルコースおよびフルクトース)がほとんど溶出し終わった画分以降の溶出画分を回収する。溶出速度はカラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化するので特に限定されないが、SV=0.1〜10(時間-1)が好ましい。なお、SV(Space Velocity の略)は、空間速度のことで、1時間当たりの樹脂容積の何倍量を通液するかという単位である。
【0041】
前記消臭物質は特に、次のようにして得ることができる。すなわち、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度60〜97℃にて原料を通液した後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜40℃にて50/50 〜 60/40(体積/体積)エタノール‐水混合溶媒で溶出させ、エタノール‐水混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が前記樹脂の4倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。
【0042】
かくして回収された画分(消臭活性を有する)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥など)により濃縮して、消臭物質を得ることができる。このようにして得られた消臭物質は、固形分60%以上に濃縮した液状または粉末状で保存することができる。保存は、特に液状の場合、冷蔵保存が好ましい。
【0043】
消臭物質においては、糖類の含有量は、固形分量に対して好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。ここで、糖類とは、スクロース、グルコースおよびフルクトースをいい、糖類の含有量とは、これらの合計の含有量を意味する。糖類の含有量が多すぎると、糖類に起因する甘味により用途が限定されてしまう。さらに、消臭物質中の消臭有効成分の割合が少なくなるために固形分量に対する消臭効果が低下してしまう。糖類は通常0.1 重量%以上含まれる。固定担体で処理した消臭物質における糖類の含有量は、高速液体クロマトグラフィーで検出することができるが、薄層クロマトグラフィーでは、その糖類の濃度によっては、検出できない場合がある。
【0044】
前記消臭物質は、さらに精製することができる。精製は、例えば固定担体を用いたクロマトグラフィーによる精製法および/または液液分配法を使用することができる。固定担体を用いたクロマトグラフィーによる精製法としては、例えば合成吸着剤またはイオン交換樹脂を用いた吸着型、分配型、分子ふるい等のクロマト型のクロマトグラフィーが挙げられる。また液液分配法としては、例えば分液ロートを用いる方法、向流分配または液滴向流クロマトグラフィーによる方法が挙げられる。種々の精製法を任意の順序で、組合せて使用できる。それぞれの精製法を複数回繰り返し行ってもよい。好ましくは、固定担体を用いたクロマトグラフィーと液液分配法とを組合せて行う。また、イオン交換樹脂を用いた分配型のクロマトグラフィーにより精製する方法が好ましい。
【0045】
本発明を、以下の実施例においてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
【実施例】
なお、以下では、特に記載しない限り%は、重量%である。
【0047】
製造例1
原糖製造工場の製糖工程にて得られた甘蔗汁(タイ国産、固形分18.8% )600リットルを、ジュースヒーターで80℃に加温し、管型限外濾過(ダイセル化学工業(株)製、MH−25型、有効膜面積2m2 ×3本、分画分子量10万)で濾過処理した。合成吸着剤(SP−850;商品名、三菱化学(株)製)15リットルを、ウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径17.0cm、高さ100cm)に充填し、これに前記の甘蔗汁濾過処理物を、流速30リットル/時間(SV=2)の速度で通液した。なお甘蔗汁通過中は、ウォータージャケットには、80℃の水を常に循環させた。次に、45リットルの蒸留水を、流速30リットル/時間でカラムに通液して洗浄した。
【0048】
次いで、55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45(体積/体積))45リットルを、流速30リットル/時間(SV=2)にてカラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。なお、溶出溶媒通過中は、ウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。カラムから溶出した画分を、濃縮機にて約20倍濃度に減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥して、茶褐色の粉末(I)655gを得た。
【0049】
粉末(I)の糖類を定量したところ、3.7%であった。
【0050】
糖類の定量は、スクロース、グルコースおよびフルクトースの合計の定量を行い、高速液体クロマトグラフィーによる内部標準法により標準物質(スクロース、グルコースおよびフルクトース)と比較した。なお、高速液体クロマトグラフィーの条件は、カラムERC−NH−1171(エルマ(株)製)、流速1.0ml/分、温度20℃、溶媒 アセトニトリル:水=80:20(体積比)、検出器RI−8010(東ソー(株)製)、内部標準物質 グリセリン(和光純薬(株))、クロマトレコーダー SC−8020(東ソー(株))であった。
試験例1
製造例1で得られた粉末(I)を用いて、ラットを用いた単回経口投与毒性試験(平成9年5月27日から6月27日の期間)をおこなった。Sprauge-Dawley系SPFラット(Crj:CD(SD)、日本チャールズ・リバー株式会社)の雌雄各16匹を5週齢で入手し、約1週間検疫・馴化飼育した後、健康な動物を選び6週齢で試験に供した。投与時の体重範囲は雄で157〜171g、雌で123〜133gであった。
【0051】
群構成は投与前日に行い、各群の平均体重ができるだけ均等となるように体重層別化無作為抽出法により動物を各群に割り付けた。動物の個体識別は尾に油性インクで印を付けて行い、飼育ゲージには試験番号、投与経路、投与量、投与日、性および動物番号を明記し、投与量ごとに色分けしたケージラベルをつけて表示した。
【0052】
なお、飼育条件は動物は温度23±3℃、相対湿度50±2%、換気回数1時間10〜15回、照明1日12時間(07:00〜19:00)の飼育室で金属製網ゲージ(W250×D350×H200mm:日本ケージ株式会社)に2〜3匹ずつ収容し、固形飼料(CRF―1:オリエンタル酵母工業株式会社)および飲料水(御殿場市営水道水:給水ビン使用)を自由に摂取させて飼育した。
【0053】
投与経路の選択理由及び投与方法としては、本被検物質(粉末(I))は経口摂取されるものであるため、経口投与を選択した。また、投与容量は10mL/kg体重とし、投与前一夜(約16時間)絶食させたラットに、金属製胃ゾンデを用いて所定濃度の被検液を1回強制経口投与した。対照群の動物には注射用水のみを同様に投与した。なお、絶食後の再給餌は投与6週間後に実施した。
【0054】
なお、被検液は、用時に製造例1で得られた粉末(I)の必要量を採取し、蒸留水(注射用水:日局、株式会社大塚製薬工場、ロット番号;6F70)で溶解して所定濃度とした。
【0055】
投与量は、200および1000mg/kgの2用量とし、これに対照群を加えて計3群を使用した。1群の動物数は雌雄とも5匹とした。群構成を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
14日間投与後、その結果、雌雄とも最大量の1000mg/kgでも、ラットの死亡は認められず、致死量は1000mg/kgを上回るものと推定された。
【0058】
飼育中いずれのラットにおいても異常は認められず、さらに各被検液投与群の雌雄の体重は、対照群とほぼ同等の推移を示し、観察期間中の体重増加も対照群とほぼ同等であった。また、いずれのラットにおいても、体外表、頭部、胸部および腹部の器官・組織に異常はみられなかった。
【0059】
以上の結果から、製造例1で得られた粉末(I)をラットに単回経口投与毒性試験した時の毒性はきわめて弱いものと考えられた。
【0060】
実施例1
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、表2に示す配合で、ドッグフードを製造した。対照品には、粉末(I)の代わりに同量の蒸留水を使用した。
【0061】
【表2】
ドッグフードの製造は定法により行った、なお、調味料は、「調味ベース」K−120液(かつおタイプ)、味の素(株)製)、増粘剤はペットフード用カラギーナン(バイオカー)(日本バイオコン(株)製)、安定剤はキミツアルギン(君津化学工業(株)社製)を使用した。
【0062】
消臭効果は次のようにして調べた。3頭の成犬A、BおよびCに、1日2食各200gのドッグフードを与えた。まず対照品を1週間与え、次に試験品を1週間与え、さらに対照品を1週間与えて、1日目、8日目、11日目、15日目、18日目および22日目に採取した排便の臭いを官能検査により測定した。なお、成犬の排便は採取後、−80℃のディープフリーザーに入れ保存した。
【0063】
官能検査は、次のようにしておこなった。上記の犬の排便10gを、一片を小さく切った臭気測定用袋(商品名 フレックサンプラー(商標)臭袋、近江アドエアーサービス(株)製)にいれ、パウチをした後、無臭空気を充填し、口をパラフィルムで包んだ。37℃で30分間インキュベートした後、鼻の効く同一人による官能検査を行った。評価は次の表3に示す5段階の評価基準にしたがって行った。結果を表4に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
表4から、甘蔗由来の抽出物を含むペットフードを成犬に与えると、数日後には排便臭が除かれることが分かる。これは、排便の悪臭、特にメチルメルカプタン、硫化水素などに由来する臭いが胃腸内において消臭されたものと推測される。
【0066】
実施例2
製造例1で得られた粉末(I)を、市販のうさぎのペットフード(商品名 ラビットフードYEASTER、(株)イースターペット製)に添加した。ペットフードに対して0.5%の割合で粉末(I)を添加した。添加方法としては、粉末(I)を適量の水に溶かしたものを、スプレーを用いて均一にペットフードに塗布し、乾燥した。これをウサギに給餌した。対照品には、粉末(I)を溶かした水の代わりに、同量の蒸留水をスプレーを用いて均一に塗布し乾燥させたものを使用した。
【0067】
消臭効果は次のようにして調べた。3羽のうさぎ(メス、生後12ヶ月)A、BおよびCに、1日100gのうさぎのペットフードを与えた。まず対照品を1週間与え、次に試験品を1週間給餌し、さらに対照品を1週間給餌して、1日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目および22日目に採取した尿の臭いを官能検査および臭気測定器により測定をおこなった。
【0068】
なお、尿の採取は、まず一番上に新聞紙を一枚敷き、その下に濾紙(商品名 東洋濾紙No.2(φ330mm )、アドバンテック東洋(株)製)2枚を敷いて、うさぎのケージ中に入れ、濾紙上に尿をしみこませた。尿がしみ込んだ濾紙を、すぐに−80℃のディープフリーザーに入れ保存した。
(1)官能検査による方法
官能検査は、次のようにしておこなった。上記の均一に尿がしみこんでいる部分の濾紙を1.0cm角の大きさに切り、その濾紙を、一片を小さく切った臭気測定用袋(商品名 フレックサンプラー(商標)臭袋、近江アドエアーサービス(株)製)にいれパウチをした後、無臭空気を充填し、口をパラフィルムで包んだ。37℃で30分間インキュベートした後、飼い主により嗅いでもらい、従来の尿と比較して官能検査を行った。評価は次の表5に示す5段階の評価基準にしたがって行った。結果を表6に示す。
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
表6から、甘蔗由来の消臭物質を塗布したうさぎのペットフードを与えると、数日後にはうさぎ特有の強い尿臭が抑えられることが分かった。これは、尿臭、特にアンモニア、トリメチルアミンなどに代表されるアンモニア系の臭いが抑えられたものと官能検査からも推測される。
(2)臭気測定器による測定試験
上記の均一に尿がしみこんでいる部分の濾紙を1.0cm角の大きさに切り、その濾紙を、一片を小さく切った臭気測定用袋(商品名 フレックサンプラー (商標)臭袋、近江アドエアーサービス(株)製)にいれパウチをした後、無臭空気を充填し、口をパラフィルムで包んだ。37℃で30分間インキュベート後、パラフィルムをはずし、臭気測定器(カルモアΣ;カルモア(株)製)を用い、開封直後のΣ値を測定した。なお、各値はベース値(サンプルの代わりに、無臭空気を吸い込み測定した値)を差し引いた値である。その結果を表7に示す。
【0071】
【表7】
表7から、甘蔗由来の抽出物を塗布したペットフードをうさぎに与えると、測定器では臭いの質までは判定することは出来ないが、臭気測定器の数値の下降傾向から明らかに、試験品給餌3〜4日後にはうさぎ特有の強い尿臭が除かれることが分かった。また、試験品給餌後、再び対照品を給餌すると、再びもとのうさぎ特有の強い尿臭に戻ることが分かった。
【0072】
実施例3
製造例1で得られた粉末(I)を、市販の小鳥の餌(商品名 フィンチ グリーンFOOD、泉六商店(有)製)に添加した。添加方法として、小鳥の餌に対して、0.5%の割合で粉末(I)を使用した。粉末(I)を適量の水に溶かしたものを、スプレーを用いて均一に餌に塗布し、乾燥した。これをコザクラインコに与えた。対照品には、粉末(I)を溶かした水の代わりに、同量の蒸留水をスプレーを用いて均一に塗布し乾燥させたものを使用した。
【0073】
消臭効果は次のようにして調べた。1匹ずつ籠に入れた小鳥3匹(A、BおよびC)を用い、餌は食べ放題とした。まず対照品を1週間与え、次に試験品を1週間与え、さらに対照品を1週間与えて、1日目、8日目、11日目、15日目、18日目および22日目に採取した小鳥の排便の臭いを官能検査により測定した。なお、小鳥の排便は採取後、−80℃のディープフリーザーに入れ保存した。
【0074】
官能検査は、次のようにしておこなった。上記の小鳥の排便3gを一片を小さく切った臭気測定用袋(商品名 フレックサンプラー(商標)臭袋、近江アドエアーサービス(株)製)に入れ、パウチをし、無臭空気を充填した後、口をパラフィルムで包んだ。37℃で30分間インキュベートした後、飼い主により嗅いでもらい官能検査を行った。評価は次の表8に示す5段階の評価基準にしたがって行った。結果を表9に示す。
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
表9から、甘蔗由来の抽出物を混ぜ込んだ餌をコザクラインコに与えると、数日後には排便臭が抑えられることが分かった。特に小鳥の場合、水っぽい排便をすることから、その排便臭による周りに与える臭いもひどいが、甘蔗由来の消臭物質を混ぜ込んだ餌をコザクラインコに与えることにより、周りに与える排便臭由来の臭いの影響も、試験品を給餌することにより改善された。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、甘蔗由来の抽出物を家畜に飼料と共に与えることによって、家畜の排泄物の臭気を低減または消臭することができる。よって、アパートやマンションの中でも臭いを気にすることなく動物を飼うことができ、またさらには畜産業を営む上での環境問題に大いに役立ち、また人手や手間を省くことができる。しかも甘蔗由来の抽出物は、植物由来でしかも古来から人間が黒糖などの含蜜糖として食してきたものであるため、家畜または家禽の健康を害することなく安全で、しかも低コストである。また、本発明の食料および消臭剤は、動物の排泄物の消臭を有効に、安全に、経済的に、しかも簡易に行うことができる。したがって、本発明の消臭方法、食料および消臭剤は、産業上非常に有用である。
Claims (10)
- 家畜の排泄物の消臭方法であって、甘蔗由来の抽出物を飼料と共に家畜に食べさせることを特徴とし、甘蔗由来の抽出物が、甘蔗を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、および前記圧搾汁、浸出汁、清浄汁、または濃縮汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分であるところの甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる画分であるところの消臭物質である、前記方法。
- 家畜の排泄物の消臭方法であって、甘蔗由来の抽出物を飼料と共に家畜に食べさせることを特徴とし、甘蔗由来の抽出物が、甘蔗を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、および前記圧搾汁、浸出汁、清浄汁、または濃縮汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分であるところの甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる画分であるところの消臭物質である、前記方法。
- 飼料100重量部に対し、甘蔗由来の抽出物を0.001 〜1.5 重量部含有させる請求項1または2記載の方法。
- 動物の排泄物を消臭するために、食料と共に動物に食べさせる飼料添加剤であって、前記飼料添加剤が甘蔗由来の抽出物を含み、甘蔗由来の抽出物が、甘蔗を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、および前記圧搾汁、浸出汁、清浄汁、または濃縮汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分であるところの甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる画分であるところの消臭物質である、前記飼料添加剤。
- 動物の排泄物を消臭するために、食料と共に動物に食べさせる飼料添加剤であって、前記飼料添加剤が甘蔗由来の抽出物を含み、甘蔗由来の抽出物が、甘蔗を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、および前記圧搾汁、浸出汁、清浄汁、または濃縮汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分であるところの甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる画分であるところの消臭物質である、前記飼料添加剤。
- 食料100重量部に対して、甘蔗由来の抽出物が0.001 〜1.5 重量部の割合になるような量で使用する請求項4または5記載の飼料添加剤。
- 動物の排泄物において消臭性を有する食料であって、前記食料が甘蔗由来の抽出物を含み、甘蔗由来の抽出物が、甘蔗を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、および前記圧搾汁、浸出汁、清浄汁、または濃縮汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分であるところの甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる画分であるところの消臭物質である、前記食料。
- 動物の排泄物において消臭性を有する食料であって、前記食料が甘蔗由来の抽出物を含み、甘蔗由来の抽出物が、甘蔗を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、および前記圧搾汁、浸出汁、清浄汁、または濃縮汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分であるところの甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる画分であるところの消臭物質である、前記食料。
- 該食料が、家畜のための飼料である請求項7または8記載の食料。
- 食料中の甘蔗由来の抽出物以外の成分の合計100重量部に対して、甘蔗由来の抽出物が0.001 〜1.5 重量部の割合で含まれる請求項7〜9のいずれか1項記載の食料。
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