JP3986872B2 - 屋内空間設計支援装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内空間設計支援装置に関し、特に、屋内空間における間取りの設計を、仮想体験を通して行わせる屋内空間設計支援装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な住宅設計においては、施主の要望等に応じて間取りが検討され決定される場合が多い。この場合、通常、設計図として二次元の図面やパース図が作成され施主に提示される。また、全体的なイメージを喚起し易くするために、住宅の縮小模型が作成されることもある。
【0003】
また、最近では、CADによって間取り図の三次元データを作成するとともに、ディスプレイ等の画面に三次元映像を表示させることも行われている。これによれば、間取りを立体的に視認することができ、間取りを容易に把握することが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図面では、完成後の機能性や空間的な広がりを理解し難く、特に設計的知識がない一般の施主等にとっては空間的な広がりを認識することができなかった。このため、施主と設計士との間で住宅に対するイメージが多少異なり、意思の疎通を円滑に行うことが困難とされていた。また、部屋の広さや外観または扉の位置等を含む間取りについては、設計図に基づくイメージと、実際に建築した住宅のイメージとが大きく異なる場合があり、この結果、建築現場において設計変更が要求されたり、施主の満足度を低下させたりすることもある。そして、設計変更が要求された場合には、製造コストが増加するとともに工期が延長され、施主、設計者、及び施工業者等の負担が大きくなる。また、模型を提示する場合には個々の住宅に合わせた縮小模型を作成しなければならず、費用の負担が大きくなる。しかも、模型を見せても実際の住宅における空間的な広がりを喚起させることは困難であった。
【0005】
一方、表示装置の画面に三次元映像を表示させるものでは、縮小模型の作成にかかる費用を削減することが可能になるが、比較的小型の平面的な画面上に表示されることから、模型の場合と同様、空間的な広がりを正確に認識させることが困難であった。つまり、部屋同士の相対的な大きさについてはイメージさせることができても、個々の部屋における空間的な広がりを直感的に認識させることができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、間取りを設計する際に、屋内空間における空間的な広がりを、仮想体験を通して直感的に認識させることができる屋内空間設計支援装置およびその方法の提供を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかる屋内空間設計支援装置は、設計者を囲むスクリーンを有し該スクリーンに立体映像を映し出すことにより仮想空間を提示する仮想空間提示手段と、建築部材に関する建築部材情報を記憶する第一記憶手段と、屋内空間の間取りに関する間取り情報を記憶する第二記憶手段と、前記建築部材情報及び前記間取り情報を前記第一記憶手段及び前記第二記憶手段から読出し、前記屋内空間の立体映像を作成するとともに、該立体映像を、前記仮想空間提示手段の前記スクリーンに映し出す映像表示手段と、前記スクリーンに映し出された前記立体映像に対して間取りの変更を指示するための操作手段と、該操作手段による変更指示に基づき、前記第二記憶手段に記憶された前記間取り情報を更新する情報更新手段とを具備するものである。
【0008】
ここで、「屋内空間」としては、住宅、店舗、ビル、及びオフィス等の室内や、ホテルのロビー等を例示することができる。また、「設計者」としては、建築物の設計図を作成する真の設計士に限らず、工務店、施工業者、及び施主等を例示することができる。さらに「建築部材」には、建物構成部材及び建具等が含まれ、「建物構成部材」としては、壁、天井、床、階段等を例示することができ、「建具」としては、襖、窓、戸、及び扉等を例示することができる。
【0009】
「間取りの変更」としては、例えば室内の壁を奥行方向に拡げたり縮めたり、扉を設けたり、あるいは扉の開閉方向を変えたりする処理を挙げることができる。
【0010】
また、仮想空間提示手段におけるスクリーンの面数は特に限定されるものではないが、六面から構成することにより、設計者を完全に取り囲むことが可能になる。
【0011】
したがって、請求項1の発明の屋内空間設計支援装置によれば、建築部材情報及び間取り情報を基に、屋内空間の立体映像を作成し、その立体映像を仮想空間提示手段における個々のスクリーンに映し出す。これにより、スクリーンに囲まれた空間に仮想空間が形成され、その内部に居る設計者は、仮想体験を通して、設計された屋内空間の間取りを確認することが可能になる。つまり、直感的な感覚で屋内空間における空間的な広がりを認識できるようになる。そして、例えば空間的な広がりが理想の広さと合わない場合には、その場で操作手段を用いて間取りを変更すればよい。つまり、操作手段によって間取りの変更が指示されると、情報更新手段は、その指示に応じて間取り情報を更新する。これにより、立体映像が変更され、間取りの変更に応じた空間的な広がりを認識させることが可能になる。具体的には、「部屋の拡げる」という指示に対しては、スクリーンに映し出された壁を奥方向へ移動させることにより、部屋を広くした感覚を体験させる。
【0012】
請求項2の発明にかかる屋内空間設計支援装置は、請求項1に記載の屋内空間設計支援装置において、前記設計者の希望移動方位を設定するための移動方位設定手段をさらに備え、前記映像表示手段は、前記移動方位設定手段によって前記希望移動方位が設定されると、該希望移動方位に向って前記設計者が相対的に変位するように、前記立体映像を動画として表示させる動画制御部を有するものである。
【0013】
したがって、請求項2の発明の屋内空間設計支援装置によれば、請求項1の発明の作用に加え、設計者の操作により希望移動方位が設定されると、希望設定方位に向って動いて見えるように、屋内空間の立体映像を動画として表示する。これにより、設計者は、例えば部屋内を歩く感覚や、所定の部屋から隣の部屋に移動する感覚を体験することが可能になる。
【0014】
請求項3の発明にかかる屋内空間設計支援装置は、請求項1または請求項2に記載の屋内空間設計支援装置において、前記設計者の視線の方向を計測する視線方向計測手段をさらに備え、前記映像表示手段は、前記視線方向計測手段によって計測された視線の方向に基づいて前記立体映像の表示内容を変化させる映像変化部を有するものである。
【0015】
ここで、視線方向計測手段としては、例えば磁気式の三次元位置計測装置を利用することができ、設計者の眼鏡に装着することにより、設計者の視線の方向を認識することが可能となる。
【0016】
したがって、請求項3の発明の屋内空間設計支援装置によれば、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、設計者の視線の方向が計測され、計測された視線の方向に基づいて表示内容を変化させる。これにより、設計者の視線に応じた立体映像がスクリーン上に提示される。
【0017】
請求項4の発明にかかる屋内空間設計支援装置は、請求項3に記載の屋内空間設計支援装置において、前記間取り情報を更新するためのメニューを、夫々の前記建築部材に関連付けて記憶した第三記憶手段をさらに備え、前記情報更新手段は、前記設計者の視線の方向に映し出された前記建築部材を特定する特定部と、該特定部により特定された前記建築部材に対応する前記メニューを前記第三記憶手段から読出し、前記視線の方向にあたる前記スクリーンに前記メニューを表示させるメニュー表示部とを有し、該メニュー表示部によって表示された前記メニューの中から前記操作手段の操作によって任意の変更内容が選択されると、選択された前記変更内容を基に前記間取り情報を更新するものである。
【0018】
したがって、請求項4の発明の屋内空間設計支援装置によれば、請求項3の発明の作用に加え、設計者の視線の方向が計測されるとともに、その方向に映し出された建築部材が特定される。例えば、設計者が天井を見ると、天井が建築部材として特定される。そして、特定された建築部材に関連するメニューが第三記憶手段から読み出され、視線の方向にあたるスクリーン上にそのメニューが表示される。メニューは、間取りを変更する際に、その建築部材に対して変更することが可能な項目を示すものであり、例えば建築部材が天井の場合には、「拡げる」,「縮める」,「色」等が変更可能な項目として表示される。その後、操作手段によって、メニューの中から任意の変更内容が選択されると、その変更内容を基に間取り情報を更新する。
【0019】
請求項5の発明にかかる屋内空間設計支援装置は、請求項3または請求項4に記載の屋内空間設計支援装置において、前記立体映像には、室内の壁、天井、床、及び扉が含まれ、前記映像表示手段の前記映像変化部は、前記設計者の視線の方向に映し出された前記建築部材が前記扉の場合、該扉の映像を閉鎖状態から開放状態に変化させるとともに、前記扉の開放によって開口された開口部を通して隣接する室内の映像を映し出すものである。ここで「扉」には、開放することにより開口部が形成される部材、例えば襖、窓、戸等も含まれる。
【0020】
したがって、請求項5の発明の屋内空間設計支援装置によれば、請求項3または請求項4の発明の作用に加え、スクリーンの一部に扉の映像が映し出された際に、設計者が扉の方向を見ると、扉が開放されるとともに開口部(例えば出入口)を通して隣接する室内の映像が映し出される。これにより、設計者は、扉が閉じた状態、扉が開く状態、及び隣接する室内の映像を連続して確認することが可能になる。特に、扉の開放により部屋同士の繋がりを直感的に確認できるようになる。
【0021】
請求項6の発明にかかる屋内空間設計支援装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の屋内空間設計支援装置において、前記映像表示手段は、前記スクリーンに所定の部屋における室内空間を映し出すとともに、前記スクリーンの一部に、前記部屋を含む複数の部屋の全体的な間取りを映し出すものである。
【0022】
したがって、請求項6の発明の屋内空間設計支援装置によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか一つの発明の作用に加え、スクリーンに所定の部屋の室内空間が映し出されるとともに、スクリーンの一部に複数の部屋、例えば建物全体の間取りが映し出される。これにより、設計者は所定の部屋に居ながら全体の間取りを同時に確認することが可能になる。
【0023】
請求項7の発明にかかる屋内空間設計支援装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の屋内空間設計支援装置において、家具に関する家具情報を記憶する第四記憶手段と、任意の家具を選択するとともに該家具の配置場所を設定するための設定手段とをさらに備え、前記映像表示手段は、前記設定手段によって前記家具及びその配置場所が設定されると、前記第四記憶手段から前記家具情報を読出し、前記スクリーンに前記屋内空間の立体映像とともに前記家具の立体映像を映し出す家具表示部を有するものである。
【0024】
したがって、請求項7の発明の屋内空間設計支援装置によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一つの発明の作用に加え、設定手段によって家具及びその配置場所が設定されると、第四記憶手段から家具情報が読出され、屋内空間の立体映像とともに家具の立体映像が映し出される。つまり、屋内空間の所望の位置に任意の家具を配置した映像が映し出される。このため、実際に居住するときの視点に立って、家具を見ながら配置を検討することが可能になる。
【0025】
請求項8の発明にかかる屋内空間設計支援装置は、請求項7に記載の屋内空間設計支援装置において、前記家具表示部は、前記立体映像の中に仮想人間を映し出すとともに、該仮想人間の映像を、前記家具を避けながら予め定められた行動パターンで動かすものである。
【0026】
したがって、請求項8の発明の屋内空間設計支援装置によれば、請求項7の発明の作用に加え、立体映像によって仮想人間を映し出し、その仮想人間を、家具に当らないように行動させる。つまり、設計者自身が移動することによって家具のレイアウトを居住するときの視点に立って体験できるとともに、屋内空間における他人(仮想人間)の動作を客観的に観察し、屋内空間の機能的な評価を行うことが可能になる。
【0027】
請求項9の発明にかかる屋内空間設計支援方法は、建築部材情報及び間取り情報を基に屋内空間の立体映像を作成するとともに、設計者を囲むスクリーンに前記立体映像を映し出し、前記スクリーンに映し出された前記立体映像に対して前記設計者から間取りの変更が指示されると、該指示に基づき前記間取り情報を更新して前記立体映像を変更するものである。
【0028】
したがって、請求項9の発明の屋内空間設計支援方法によれば、スクリーンに囲まれた空間に仮想空間が形成され、その内部に居る設計者は、仮想体験を通して、設計された屋内空間の間取りを確認することが可能になる。また、操作手段によって立体映像が変更され、間取りの変更に応じた空間的な広がりを認識することが可能になる。
【0029】
請求項10の発明にかかる屋内空間設計支援方法は、請求項9に記載の屋内空間設計支援方法において、前記設計者の視線の方向を計測し、該視線の方向に基づいて前記立体映像の表示内容を変化させるものである。
【0030】
したがって、請求項10の発明の屋内空間設計支援方法によれば、請求項9の発明の作用に加え、設計者の視線に応じた立体映像がスクリーン上に提示される。
【0031】
請求項11の発明にかかる屋内空間設計支援方法は、請求項9または請求項10に記載の屋内空間設計支援方法において、前記設計者の視線の方向に映し出された前記建築部材を特定するとともに、該建築部材に対応するメニューを複数のメニューの中から抽出し、前記視線の方向にあたる前記スクリーンに前記メニューを映し出し、前記メニューの中から任意の変更内容が選択されると、選択された前記変更内容を基に前記間取り情報を更新するものである。
【0032】
したがって、請求項11の発明の屋内空間設計支援方法によれば、請求項9または請求項10の発明の作用に加え、設計者の視線の方向に映し出された建築部材が特定され、その建築部材に関連するメニューが表示される。その後、操作手段によって、メニューの中から任意の変更内容が選択されると、その変更内容を基に間取り情報が更新される。つまり、建物に修正を加える作業を対話的に行うことが可能となる。
【0033】
請求項12の発明にかかる屋内空間設計支援プログラムは、建築部材に関する建築部材情報を記憶する第一記憶手段、屋内空間の間取りに関する間取り情報を記憶する第二記憶手段、前記建築部材情報及び前記間取り情報を前記第一記憶手段及び前記第二記憶手段から読出し、前記屋内空間の立体映像を作成するとともに、該立体映像を、設計者を囲むスクリーンに映し出す映像表示手段、前記スクリーンに映し出された前記立体映像に対して、前記間取りの変更が指示されると、変更指示に基づき、前記第二記憶手段に記憶された前記間取り情報を更新する情報更新手段として、コンピュータを機能させるものである。
【0034】
したがって、請求項12の発明の屋内空間設計支援プログラムによれば、コンピュータによって実行させることにより、スクリーンを用いて請求項1の発明と同様の作用を奏することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である屋内空間設計支援装置1(以下、「設計支援装置1」と称す)について、図1乃至図6に基づき説明する。図1は設計支援装置1の概略構成を示す説明図であり、図2は設計支援装置1の機能的構成を示すブロック図であり、図3及び図4は仮想空間を説明するための説明図であり、図5及び図6は設計支援装置1における動作の流れを示すフローチャートである。
【0036】
本実施形態の設計支援装置1は、図1に示すように、設計者S(例えば施主や設計士)の周囲に立体映像を映し出すことにより仮想空間を提示する仮想空間提示手段2と、仮想空間提示手段2を制御するコンピュータ3とを備えている。また、コンピュータ3には、設計者Sによって操作されるコントローラ4と、設計者Sの視線の方向を計測する視線方向計測手段5とが接続されている。以下、手段2〜5について具体的に説明する。
【0037】
仮想空間提示手段2は、完全没入型の六面ディスプレイであり、六枚のスクリーン7と、各スクリーン7に対して裏側から映像を投影する六台のプロジェクタ(上面プロジェクタ8,床面プロジェクタ9,前面プロジェクタ10,背面プロジェクタ11,右側面プロジェクタ12,左側面プロジェクタ13)とを備えている。スクリーン7は例えば三メートル四方の大きさであり、これにより小部屋のような空間を作り出している。プロジェクタ8〜13によって、各スクリーン7に映像が映し出されると、設計者Sの周りが全て映像で取り囲まれ、臨場感のある仮想空間を体験することが可能となる。なお、背面側のスクリーン7は、水平方向に摺動可能に組付けられており、摺動によって他のスクリーン7から分離させることにより、背面が開放され、設計者S等がスクリーン7内に出入りすることが可能になる。
【0038】
なお、底面のスクリーン7は、アクリル製の透明な床板14の上に張られており、床板14の裏側(下側)から投影された映像は、床板14を通してスクリーン7に映し出される。床板14の厚みは特に限定されるものではないが、本実施形態では、設計者S等の体重を支えることが可能な厚みとして、約90mmに設定されている。
【0039】
各プロジェクタ8〜13は、三管式のCRTプロジェクタであり、時分割の立体映像を提示するときに残像が残らないように、短残光型のCRTを採用している。
【0040】
コンピュータ3は、高性能なグラフィックスエンジンを搭載したワークステーションにより構成され、コントローラ4及び視線方向計測手段5からの信号に応じて、高精細なコンピュータグラフィックス映像を瞬時に計算し、表示させることを可能にしている。ハード構成としては、主記憶装置、演算装置、及び制御装置から構成された中央処理装置と、ハードディスク等から構成された記憶装置16とを備えている。
【0041】
図2に示すように、記憶装置16には、建築部材情報17が記憶された建築部材データベース18と、メニュー情報19が記憶されたメニューデータベース20と、家具情報21及び人間情報22が記憶された家具データベース23と、環境情報24が記憶された環境データベース25とが格納されている。
【0042】
ここで、建築部材情報17とは、建物の間取りを設計する際に基本となる構成要件であり、例えば壁、天井、床、階段等の建物構成部材に関するデータや、襖、窓、戸、及び扉等の建具に関するデータが含まれている。メニュー情報19とは、間取りを変更する際に選択可能な変更内容を示すデータであり、個々の建築部材に関連付けて記憶されている。家具情報21とは、仮想空間の中に家具(例えば、タンス、机、椅子)を仮想物体として表示させるための基本データであり、また人間情報22とは、仮想空間の中に仮想人間の映像を表示させるためのデータである。さらに環境情報24とは、屋外の環境を表示させるためのデータであり、例えば天候、時刻、季節等に対応する、適切な空の色、植生、光の色・方向等のデータが含まれている。
【0043】
また、記憶装置16には、間取りに関する間取り情報26と、家具のレイアウトに関するレイアウト情報27とが記憶されるようになっている。なお、間取り情報26には、屋内空間における各部屋の様式、基本色、部屋の位置、部屋の大きさ、及び壁の形態等のデータが含まれている。また、レイアウト情報27には、配置する家具の種類、及びその家具の配置場所等のデータが含まれている。なお、これらの情報は、必要に応じて、追加、変更、及び削除することが可能である。ここで、記憶装置16が本発明の第一〜第四記憶手段に相当する。
【0044】
コンピュータ3には、屋内空間設計支援プログラムがインストールされており、このプログラムを実行させることにより、コンピュータ3は以下に示す機能的構成を有するものになる。
【0045】
すなわち、コンピュータ3には、屋内空間の立体映像を作成するとともに、作成された立体映像を六台のプロジェクタ8〜13によってスクリーン7に映し出す表示制御手段29と、コントローラ4によって変更指示があると間取り情報26を更新する情報更新手段30とが備えられている。詳細には、表示制御手段29は、現在位置から見えるべき部屋の形状を映像化するプログラムであり、記憶装置16に記憶された間取り情報26と、それに対応する建築部材情報17とを読出し、これらの情報26,27を基に、室内空間の立体映像を作成する。また、床側のスクリーン7には、室内空間における床面の映像に加え、建物全体の間取りも映し出される。なお、各プロジェクタ8〜13への信号は同期が取られており、六枚のスクリーン7において描画のズレがないようにしている。ここで、表示制御手段29が本発明の映像表示手段に相当する。
【0046】
また、表示制御手段29は、仮想空間をさらに現実の環境に近づけるため、動画表示部31、映像変化部32、家具表示部33、及び環境表示部34を有している。動画表示部31は、コントローラ4及び視線方向計測手段5によって設計者Sの希望移動方位が設定されると、その方位に相対的に変位して見えるように、立体映像を動画として表示させる。例えば、コントローラ4にスティックを備えたものでは、スティックを前後に倒すことにより移動スピードが調整され、視線方向計測手段5によって認識された水平方向の向きを進行方向として変位するように動画を表示させる。また、スティックを左右方向に倒すと、床面の中心を回転中心としてディスプレイ座標系を水平方向に回転させる。
【0047】
映像変化部32は、設計者Sの視線を視線方向計測手段5によって認識し、その視線の方向に基づいて、スクリーン7に映し出す映像を変化させる。例えば、設計者Sの視線の方向に映し出された建築部材が扉の場合には、扉の映像を閉鎖状態から開放状態に変化させるとともに、扉の開放によって開口した出入口を通して隣の室内の映像を映し出すアニメーションを提示する。
【0048】
家具表示部33は、コントローラ4によって家具及びその配置場所が設定されると、記憶装置16から家具情報21を読出し、家具を配置した屋内空間の立体映像を作成する。また、家具表示部33は、コントローラ4によって仮想人間の表示が指示されると、記憶装置16から人間情報22を読出し、仮想人間が加えられた立体映像を作成する。
【0049】
環境表示部34は、コントローラ4によって所定の操作がされると、記憶装置16から環境情報24を読出し、空や光等、屋外の環境を、屋内空間を示す立体映像の背景として表示する。例えば、壁に窓を設けた場合、太陽の方向の窓を明るくさせたり、窓を開放した時にその部分を空の色で表示させたりする。
【0050】
情報更新手段30は、特定部36、メニュー表示部37、及び変更内容認識部38を有している。特定部36は、スクリーン7に映し出されている映像と、視線方向計測手段5によって認識された設計者Sの視線の方向とに基づいて、視線の先のスクリーン7に映し出されている建築部材を特定する。メニュー表示部37は、特定部36によって特定された建築部材に対応するメニュー情報19を記憶装置16から読出し、視線の方向にあたるスクリーン7にそのメニューを表示させる。また、変更内容認識部38は、表示されたメニューからコントローラ4によって所望の変更内容が選択されると、それを認識するとともに、変更内容に応じて間取り情報を更新する。
【0051】
一方、コントローラ4としては、複数のボタン型スイッチ(図示しない)と、二軸のアナログスティック(図示しない)とが設けられた汎用のハンディタイプのものを利用することができる。但し、このアナログスティックは数値パラメータを直感的に操作する際には有用であるが、設計作業に必要とされる寸法設定のための数値指示や、スケッチ画のような線の入力には向いていないため、このような操作が必要な場合には、例えば傾斜センサと多回転ボリュームとを備えたコントローラを用いることが好ましい。ここで、コントローラ4が本発明の操作手段、移動方位設定手段、及び設定手段に相当する。
【0052】
視線方向計測手段5は、磁気式の三次元位置装置を有しており、その受信部5aが設計者Sの眼鏡43(図1参照)に装着され、発信源5bが仮想空間提示手段2の外部、特に金属によって影響を受けにくい部分に配設されている。この三次元位置装置は、磁界を利用した空間位置センサであり、コイルを横切る磁束の変化によって起電力が生じるという原理を利用している。このように受信部5aを眼鏡43に装着したことにより、三次元位置装置を設計者Sの眼球の位置と対応付けることが可能になり、仮想空間提示手段2内における設計者Sの視点位置を計測することが可能になる。なお、人は一般に正面に視線を向ける(顔の向きに対して垂直方向を注視する)ことが多いため、本実施形態では三次元位置装置のY軸の向きを視線の方向とみなしている。
【0053】
また、眼鏡43には、シャッタ39が設けられている。このシャッタ39は液晶シャッタから構成されており、表示制御手段29によって駆動される切替信号発振器(図示しない)の出力信号に基づいて、設計者Sの右目及び左目を交互に塞ぐように制御される。また、シャッタ39の切替えと同期して、各プロジェクタ8〜13からは、右目用の映像と左目用の映像とが交互に出力される。つまり、設計者Sの左右の目に対応する映像を時分割で切替えて提示することにより、仮想空間において映像の立体視を実現している。
【0054】
次に、本実施形態の設計支援装置1の動作、特にコンピュータ3における処理の流れについて、図5及び図6に示すフローチャートに基づき説明する。
【0055】
まず、表示制御手段29は、記憶装置16から建築部材情報17及び間取り情報26を読出し(ステップS1)、これらの情報17,26に基づいて屋内空間の立体映像を作成するとともに、各プロジェクタ8〜13を制御して、全てのスクリーン7に立体映像を投影する(ステップS2)。これにより、スクリーン7に囲まれた空間に仮想空間が形成され、その内部に居る設計者Sは、仮想体験を通して、設計された屋内空間の間取りを確認することが可能になる。つまり、直感的な感覚で屋内空間における空間的な広がりを認識できるようになる。なお、映像は所定の部屋における室内空間、すなわちその位置から見えるべき部屋の形状に関するものであるが、必要に応じてフロア―全体または建物全体の間取りを示す映像を、例えば床面のスクリーン7に映し出すことができる。さらに、ウォークスルーにより、部屋内を移動したり、所定の部屋から別の部屋へ移動したりする感覚を提示させることも可能である。
【0056】
また、設計者Sの視線の方向が、スクリーン7上の扉の映像に一致した場合には(ステップS3においてYES)、扉が開放されるとともに出入口を通して隣接する室内が現れる映像を投影する(ステップS4)。これにより、設計者Sは、隣接する室内の大きさや部屋同士の繋がりを直感的に確認することが可能になる。その後、設計者Sの視線の方向が、扉の映像に一致しなくなると(ステップS5においてYES)、扉を閉鎖する映像を投影する(ステップS6)。
【0057】
一方、例えば空間的な広がりや部屋の様式が理想と合わない場合には、その場で間取りを変更することが可能である。コントローラ4によって、メニューの表示が指示されると(ステップS7においてYES)、設計者Sの視線の方向を認識し、その視線の方向に映し出された建築部材を特定する。その後、特定された建築部材に対応するメニューを、記憶装置16のメニューデータベース20の中から抽出し、視点にあたるスクリーン7にメニューを表示させる(ステップS8)。具体的には、図3に示すように、仮想空間44において天井45を見た状態でメニューを指示すると、「拡げる」,「縮める」,「基本色」等の変更内容を含むメニューM1が映し出される。これにより、天井の高さを変えるための指示と、天井の色を選択するための指示とが可能になる。なお、「基本色」を選択した場合には、さらに、「青色」,「茶色」,「黄色」,「白色」等の選択内容を含むサブメニューM11が映し出される。
【0058】
一方、仮想空間44において床46を見た状態でメニューを指示すると、「板の間A」,「板の間B」,「和室」等の変更内容を含むメニューM2が映し出される。これにより、室内の様式(例えばフローリングや畳等)を変更するための指示が可能になる。
【0059】
また、仮想空間44において壁47を見た状態でメニューを指示すると、「拡げる」,「縮める」,「扉」,「屋外」等の変更内容を含むメニューM3が映し出される。これにより、壁47の奥行を変更するための指示と、扉の有無等を選択するための指示とが可能になる。なお、扉を設けるように指示した場合には、さらに、「ドア」,「両開き」,「4枚扉」等の扉の形態を含むサブメニューM31が映し出される。
【0060】
また、仮想空間44において扉48を見た状態でメニューを指示すると、「右へ」,「左へ」,「反転」,「撤去」等の扉に対する変更内容を含むメニューM4が映し出される。これにより、扉48の開閉方向等を選択するための指示と、扉48を壁に変更させる(扉を撤去させる)ための指示とが可能になる。なお、各メニューが表示された状態では、いずれか一つの変更内容がハイライト表示される。そして、コントローラ4のスティックでハイライトを所望の変更内容に移動させた後、所定のボタンを押すと、ハイライトされた変更内容が選択される。
【0061】
メニューまたはサブメニューが表示された状態において、いずれか一つの変更内容が選択されると(ステップS9においてYES)、その変更内容に応じて間取り情報26を更新する(ステップS10)。例えば、天井45に対して「縮める」が選択された場合には、天井45が低くなるように天井45の位置データを変更し、壁47に対して「拡げる」が選択された場合には、壁47が奥方向に移動するように壁47の位置データを変更する。このように、間取り情報26が更新されると、更新後の間取り情報26と建築部材情報17とに基づいて立体映像が作成されるため、設計者Sは修正が加えられた映像をその場で確認することが可能になる。なお、壁47を拡げる場合には、周囲の部屋との関係が考慮され、例えば、壁47の反対側に別の部屋があり、二つの部屋の間に隙間がない場合には、壁47を拡げる余地、即ち壁47を奥側へ移動させる余地がないことから、このような場合には「拡げる」方向への変更が禁止される。
【0062】
また、本実施形態の設計支援装置1では仮想空間の中に、家具を配置させることができる。具体的には、コントローラ4によって、家具を配置させる指示があると(ステップS11においてYES)、図4に示すように、記憶装置16の家具データベース23に記憶された家具情報21と、レイアウト情報27とに基づいて、仮想空間44の中に予め設定された所望の家具49を、予め設定されたレイアウトで配置した映像を作成し、スクリーン7に立体映像として映し出す(ステップS12)。また、コントローラ4によって、家具49の種類を変更したり、家具49の配置場所を変更したりすることが可能であり、変更された情報はレイアウト情報27に記憶される。なお、家具49の配置場所を変更する際には、コントローラ4のスティックを用いて家具49を平面上で移動させたり、鉛直方向を軸として家具49の向きを回転させたりすることが可能である。
【0063】
ところで、室内レイアウトを検討する場合、機能的か否かの判断は人が実際的な作業を行う時の動作に支障がないか否かを検討することによって判断できる。この設計支援装置1では、ウォークスルーが可能であるため、設計者Sが自分で室内を移動して試すことができるが、他人の動作を客観的に観察することも評価の指標となる。そこで、本実施形態の設計支援装置1では、仮想空間44に仮想人間50を表示させるようにしている。具体的には、コントローラ4によって仮想人間50を表示させる指示があると(ステップS13においてYES)、記憶装置16の家具データベース23から人間情報22を読出し、この人間情報22を基に仮想人間50が含まれる映像を作成するとともに、スクリーン7に投影する(ステップS14)。さらに、コントローラ4によって仮想人間50を行動させる旨の指示があると(ステップS15においてYES)、家具49を避けながら一定の行動パターンで動くように、仮想人間50を動画として作成し、スクリーン7に投影する(ステップS16)。これにより、屋内空間における仮想人間50の動作を客観的に観察し、屋内空間における機能的な評価を行うことが可能になる。なお、コントローラ4によって終了指示が入力された場合には(ステップS17においてYES)、全ての処理を終了し、一方、終了指示がない場合には(ステップS17においてNO)、ステップS1に戻り、ステップS1〜ステップS17の処理を繰返す。ここで、少なくとも、ステップS1〜ステップS12の処理を含むプログラムが、本発明の請求項12における屋内空間設計支援プログラムに相当する。
【0064】
このように、上記の設計支援装置1によれば、個々の部屋における空間的な広がりや部屋同士の繋がり等を、仮想体験を通じて主観的に確認できる。このため、空間的な機能評価や防犯上の死角等を容易に確認することが可能になり、間取りや部屋割りをまとめる上での有効な支援ツールとして利用することができる。なお、実際に建物を設計する際には、より詳細な設計図が必要であり、従来通り専門の設計士が図面を引くことになるが、この設計支援装置1を使って施主と設計士とが建物のイメージを共有できれば、一層円滑に設計作業を行うことができるようになる。
【0065】
また、建築設計において、VR技術を利用することにより、施主が簡単に自分の建物を設計できるようになり、施主の満足度が向上するとともに、施主及び設計士の意思の疎通が円滑化され、現場における設計変更の要求が少なくなる。つまり、建物における製造コストの上昇を抑えるとともに、設計士等の負担を軽減できる。
【0066】
以上、本発明について好適な複数の実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0067】
すなわち、上記実施形態では、屋内空間として一般住宅を設計する場合を例示したが、工場、店舗、ホテル、及びオフィス等、あらゆる建物に対しても本発明を適用することができる。
【0068】
上記実施形態では、仮想空間提示手段2として六枚のスクリーン7から構築された完全没入型の六面ディスプレイを示したが、側面三面(正面,右側面,左側面)と床面とを用いた四面で構成される立方体状のディスプレイを用いるようにしてもよく、あるいは、それに天井面を加えた没入型の五面ディスプレイを用いるようにしてもよい。ただし、本実施形態のように六面ディスプレイを構築することにより、映像空間の中に完全に没入することができ、高い臨場感をもって仮想空間を体験することができる。さらに、上記実施形態では、箱型のスクリーン7を示したが、全体の形状は特に限定されるものではなく、例えばドーム型のスクリーンであってもよい。
【0069】
さらに、上記実施形態の仮想空間提示手段2では、各スクリーン7に対して一台のプロジェクタ8〜13を配設するとともに、立体映像を得るために左目用の映像と右目用の映像とを時分割で切り替えるようにしたが、各スクリーン7に対して右目用のプロジェクタ及び左目用のプロジェクタを夫々配設するとともに、各プロジェクタにシャッタを取付け、2つのシャッタの開閉を交互に切り替えることにより、左目用の映像と右目用の映像とが交互に映し出されるように構成してもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明の屋内空間設計支援装置は、仮想体験を通して、直感的な感覚で屋内空間における空間的な広がりを認識させることができる。しかも、その場で間取りを変更すると仮想空間に反映されることから、変更に応じた感覚も体験させることができる。つまり、設計者は、仮想的な建物の中に居ながら、その建物に修正を加える作業を行うことができる。したがって、設計的知識がない一般の施主等であっても建物の完成イメージを把握できるとともに事前に修正を加えることができるようになり、建築における顧客の満足度を高めるとともにコストの削減や工期の短縮に繋げることができる。
【0071】
請求項2の発明の屋内空間設計支援装置は、請求項1の発明の効果に加え、室内を歩行する感覚や、扉を経由して部屋を移動する感覚を仮想体験させることができるため、実際に居住するときの視点に立って、機能性等を容易に評価することができる。
【0072】
請求項3の発明の屋内空間設計支援装置は、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、設計者の視線に応じた立体映像がスクリーンに提示されるため、必要な映像を適切なタイミングで表示させることが可能になり、設計者の利便性を向上できるとともに、映像の変化を楽しませることができる。
【0073】
請求項4の発明の屋内空間設計支援装置は、請求項3の発明の効果に加え、建物に修正を加える作業を対話的に行うことが可能となり、操作性を向上できるとともに設計者の負担を軽減できる。特に、視線に対応した位置に、必要なメニューのみを抽出して表示させるため、個々のメニューが簡略化され、変更指示の選択が極めて容易になる。
【0074】
請求項5の発明の屋内空間設計支援装置は、請求項3または請求項4の発明の効果に加え、設計者が扉の方向を見るだけで、扉が開き隣接する室内の映像が映し出されるため、扉を閉じた状態における部屋の形状と、部屋同士の繋がりとを順に確認することができる。したがって、所定の部屋のみでなく、周囲の部屋等を絡めて間取りを検討することが可能になる。
【0075】
請求項6の発明の屋内空間設計支援装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つの発明の効果に加え、所定の部屋に居ながら複数の部屋の間取りを同時に認識することが可能になる。したがって、設計者は、例えば建物全体の間取りを確認しながらその部屋における空間的な広がりを変更することができる。
【0076】
請求項7の発明の屋内空間設計支援装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つの発明の効果に加え、実際に居住するときの視点に立って、家具を見ながら配置を検討することができる。しかも、仮想空間で実現することにより、自由に家具を入れ替えたり、重い家具でも難なく動かすことができるため、極めて容易にレイアウトを決定することができる。
【0077】
請求項8の発明の屋内空間設計支援装置は、請求項7に発明の効果に加え、設計者自身が移動することによって家具のレイアウトを居住するときの視点に立って体験できるとともに、仮想人間を映し出し行動させることから、屋内空間における他人の動作を客観的に観察し、屋内空間における機能的な評価を容易に行うことができる。つまり、居住時に予想される生活者の行動の様子を時系列で観察することができ、室内レイアウトの機能性を確認するための補助とすることができる。
【0078】
請求項9乃至請求項11の発明の屋内空間設計支援方法は、請求項1,請求項3,及び請求項4の発明と同様の効果を奏することができる。
【0079】
請求項12の発明の屋内空間設計支援プログラムは、コンピュータによって実行させることにより、請求項1の発明と同様の効果を奏することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である屋内空間設計支援装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】屋内空間設計支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】仮想空間におけるメニューの表示を説明するための説明図である。
【図4】仮想空間における家具の配置及び仮想人間の行動を説明するための説明図である。
【図5】屋内空間設計支援装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】屋内空間設計支援装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 設計支援装置(屋内空間設計支援装置)
2 仮想空間提示手段
3 コンピュータ
4 コントローラ(操作手段,移動方位設定手段,設定手段)
5 視線方向計測手段
7 スクリーン
16 記憶装置(第一記憶手段〜第四記憶手段)
17 建築部材情報
19 メニュー情報
21 家具情報
26 間取り情報
29 表示制御手段(映像表示手段)
30 情報更新手段
31 動画表示部
32 映像変化部
33 家具表示部
36 特定部
37 メニュー表示部
44 仮想空間
49 家具
50 仮想人間
S 設計者
M1〜M4 メニュー

Claims (12)

  1. 設計者を囲むスクリーンを有し該スクリーンに立体映像を映し出すことにより仮想空間を提示する仮想空間提示手段と、
    建築部材に関する建築部材情報を記憶する第一記憶手段と、
    屋内空間の間取りに関する間取り情報を記憶する第二記憶手段と、
    前記建築部材情報及び前記間取り情報を前記第一記憶手段及び前記第二記憶手段から読出し、前記屋内空間の立体映像を作成するとともに、該立体映像を、前記仮想空間提示手段の前記スクリーンに映し出す映像表示手段と、
    前記スクリーンに映し出された前記立体映像に対して、間取りの変更を指示するための操作手段と、
    該操作手段による変更指示に基づき、前記第二記憶手段に記憶された前記間取り情報を更新する情報更新手段と
    を具備することを特徴とする屋内空間設計支援装置。
  2. 前記設計者の希望移動方位を設定するための移動方位設定手段をさらに備え、
    前記映像表示手段は、前記移動方位設定手段によって前記希望移動方位が設定されると、該希望移動方位に向って前記設計者が相対的に変位するように、前記立体映像を動画として表示させる動画制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の屋内空間設計支援装置。
  3. 前記設計者の視線の方向を計測する視線方向計測手段をさらに備え、
    前記映像表示手段は、前記視線方向計測手段によって計測された視線の方向に基づいて前記立体映像の表示内容を変化させる映像変化部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の屋内空間設計支援装置。
  4. 前記間取り情報を更新するためのメニューを、夫々の前記建築部材に関連付けて記憶した第三記憶手段をさらに備え、
    前記情報更新手段は、
    前記設計者の視線の方向に映し出された前記建築部材を特定する特定部と、
    該特定部により特定された前記建築部材に対応する前記メニューを前記第三記憶手段から読出し、前記視線の方向にあたる前記スクリーンに前記メニューを表示させるメニュー表示部とを有し、
    該メニュー表示部によって表示された前記メニューの中から前記操作手段の操作によって任意の変更内容が選択されると、選択された前記変更内容を基に前記間取り情報を更新することを特徴とする請求項3に記載の屋内空間設計支援装置。
  5. 前記立体映像には、室内の壁、天井、床、及び扉が含まれ、
    前記映像表示手段の前記映像変化部は、前記設計者の視線の方向に映し出された前記建築部材が前記扉の場合、該扉の映像を閉鎖状態から開放状態に変化させるとともに、前記扉の開放によって開口された開口部を通して隣接する室内の映像を映し出すことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の屋内空間設計支援装置。
  6. 前記映像表示手段は、前記スクリーンに所定の部屋における室内空間を映し出すとともに、前記スクリーンの一部に、前記部屋を含む複数の部屋の全体的な間取りを映し出すことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の屋内空間設計支援装置。
  7. 家具に関する家具情報を記憶する第四記憶手段と、
    任意の家具を選択するとともに該家具の配置場所を設定するための設定手段とをさらに備え、
    前記映像表示手段は、前記設定手段によって前記家具及びその配置場所が設定されると、前記第四記憶手段から前記家具情報を読出し、前記スクリーンに前記屋内空間の立体映像とともに前記家具の立体映像を映し出す家具表示部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の屋内空間設計支援装置。
  8. 前記家具表示部は、前記立体映像の中に仮想人間を映し出すとともに、該仮想人間の映像を、前記家具を避けながら予め定められた行動パターンで動かすことを特徴とする請求項7に記載の屋内空間設計支援装置。
  9. 建築部材情報及び間取り情報を基に屋内空間の立体映像を作成するとともに、設計者を囲むスクリーンに前記立体映像を映し出し、
    前記スクリーンに映し出された前記立体映像に対して、前記設計者から間取りの変更が指示されると、該指示に基づき、前記間取り情報を更新して前記立体映像を変更することを特徴とする屋内空間設計支援方法。
  10. 前記設計者の視線の方向を計測し、該視線の方向に基づいて前記立体映像の表示内容を変化させることを特徴とする請求項9に記載の屋内空間設計支援方法。
  11. 前記設計者の視線の方向に映し出された前記建築部材を特定するとともに、該建築部材に対応するメニューを複数のメニューの中から抽出し、
    前記視線の方向にあたる前記スクリーンに前記メニューを映し出し、
    前記メニューの中から任意の変更内容が選択されると、選択された前記変更内容を基に前記間取り情報を更新することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の屋内空間設計支援方法。
  12. 建築部材に関する建築部材情報を記憶する第一記憶手段、
    屋内空間の間取りに関する間取り情報を記憶する第二記憶手段、
    前記建築部材情報及び前記間取り情報を前記第一記憶手段及び前記第二記憶手段から読出し、前記屋内空間の立体映像を作成するとともに、該立体映像を、設計者を囲むスクリーンに映し出す映像表示手段、
    前記スクリーンに映し出された前記立体映像に対して、前記間取りの変更が指示されると、変更指示に基づき、前記第二記憶手段に記憶された前記間取り情報を更新する情報更新手段
    として、コンピュータを機能させることを特徴とする屋内空間設計支援プログラム。
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