JP3786154B2 - Cg画像による建築物の表示方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、予めCADシステム等で作成した建築物に関する3次元形状データに基づいて上記建築物をCG画像により静止画または動画として表示するに当たり、上記CG画像内にユーザの画像等の人物像を表示できるようにしたCG画像による建築物の表示方法、並びに該表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅の設計に際しては、敷地条件やユーザの好み、希望に応じて、建築様式、床面積、間取り等を個別に検討するようにしているが、その場合、平面図等の設計図面を提示するのみでは、ユーザは自らが建築しようとする住宅の細部に関する具体的なイメージが得られにくい問題がある。
【0003】
そこで、従来、住宅の設計図面をCAD(Computer Aided Design) システムにより作成した後、この設計図面に基づいて上記住宅の3次元形状データを作成し、更に、この3次元形状データにデータ統合及び色付け等の処理を施すことにより、上記住宅を表すコンピュータグラフィックス(Computer Graphics) による画像(以下、CG画像という)をスクリーン等の表示装置上に表示させるとともに、上記3次元形状データに対して設定した視点位置をマウス等の入力手段を用いて所望の方向へ移動させながらコンピュータにリアルタイムの演算を行わせることにより、上記住宅の内外を歩行しているのと同様の動画を上記表示装置上に表示させ、CG画像上で、いわゆる、ウォークスルーを行うことが提案されている(特開平9-106408号公報参照) 。
【0004】
上記の表示方法によれば、住宅の各部が3次元の動画として実物同様に表示されるので、ユーザは間取りや家具の配置等が適切であるかを的確に判断することができるとともに、内装材の色、柄や各種材料の質感に至るまで、CG画像上で確認できる等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のCG画像による建築物の表示方法では、ユーザは実際の住宅に対するCG画像の縮尺が分からないため、各部屋の広さや天井、棚の高さ等に関する感覚が得られにくく、広さや高さ等を把握しにくい問題を有していた。また、CG画像上に部屋や家具が表示されるのみであるので、殺風景な印象を与えがちであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の課題を解決して、CG画像上に建築物の画像とともにユーザの画像等の人物像を表示することのできる表示方法、並びに該表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することを目的とする。そのため、本発明の請求項1のCG画像による建築物の表示方法は、特定のユーザが建築しようとする建築物に関する3次元形状データを予め作成してコンピュータに記憶させておき、上記3次元形状データに対する視点位置を静止または所望方向へキーボード及びマウスを使用して移動させることにより、上記建築物を第1のCG画像であるCG画像により静止画または動画として表示させるようにしたCG画像による建築物の表示方法において、予め前記特定のユーザ像を撮影しておき、このユーザ像を上記第1のCG画像内に上記建築物と同一の縮尺で表示するようにし、且つ、上記ユーザの身体の動きを検出し、検出した身体の動きに応じて上記第1のCG画像内のユーザの画像が動くように表示を行い、更に、上記ユーザはヘッドマウントディスプレーを装着し、該ヘッドマウントディスプレーにより上記建築物の第2のCG画像を見ながら自らの身体を動かすとともに、上記ユーザの身体の動きに合わせて該ユーザの画像が動くように上記ヘッドマウントディスプレー以外の表示装置によりCG画像の表示を行うと共に、上記第2のCG画像として、上記第1のCG画像中のユーザの画像の位置にユーザが当該ユーザの画像の向きで立っていると仮定した場合にユーザが見る景色の表示をヘッドマウントディスプレーで行うことができる。
【0011】
請求項2の建築物の表示方法は前記建築物の表示方法が、建築物のみを表示する通常モードから特定のユーザが参加するユーザ参加モードに切り換えることができることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、住宅建築会社内等に設けられ、該住宅建築会社等がユーザの建築予定の住宅をCG画像により表示する表示室(プレゼンテーションルーム)の構成につき述べる。図1及び図2に示すように、表示室1は、その前部の壁2に、遮光シャッタ3a付きの上下方向に細長い窓3を有し、且つ前部近傍の壁2と図示しない天井との間に上下幅の狭い通気用の間隙4を有する以外には、外部光が侵入しにくい暗室状の構成とされている。表示室1の四方の壁2の上端部近傍には、室内側へ水平に張り出す張出部5が形成され、張出部5の下面には、所定の間隔で小型の照明器具6が設けられる一方、表示室1の前記不図示の天井には、図示しない大型の照明器具が取り付けられている。
【0013】
表示室1の後方に、壁2を隔てて投影室7が形成されている。図3にも示すように、表示室1と投影室7間の壁2の中央部には、サイズが100インチ以上、具体的には、例えば、125インチ程度の大画面のスクリーン8(画素数は1280×1024ドット程度)が埋め込まれている。スクリーン8は、例えば、投影室7側に、光を効率的に集める加工(フレネルレンズ)が施される一方、表示室1側に前記光を水平方向へ広げる縦スジの加工(レンティキュラーレンズ)が施されたフレネルレンティキュラースクリーン等からなる。
【0014】
投影室7内に配置された載置台10上には、3本の投射管11aを有するプロジェクタ11(投影機)が設置されている。プロジェクタ11とスクリーン8との間には、反射ミラー12が配置され、プロジェクタ11からの投影像が反射ミラー12で反射された後、スクリーン8に投影室7側から投影され、このスクリーン8への投影像を表示室1側から鑑賞できるようになっている。なお、投影室7のスペースを充分に確保できる場合は、反射ミラー12を使用せずにプロジェクタ11からスクリーン8に直接投影するようにしても良い。表示室1及び投影室7には、各々ドアDが開閉自在に設けられている。
【0015】
図3に示すように、表示室1内には、スクリーン8上のCG画像を鑑賞するユーザUが着座するための複数の椅子13及びテーブル14等が適宜配置されている。また、図4に示すように、表示室1の片隅には、CG画像を生成するワークステーション15(コンピュータ)が設置されている。
【0016】
ワークステーション15は、テーブル16上に載置されたCRT17(CathodeRay Tube) 、キーボード18、マウス19、フルカラーのプリンタ21、及びテーブル16の下方に配置された入出力兼演算装置22等を備え、予め図示しないCADシステムにより作成されたユーザUの建築予定の住宅(建築物)に関する3次元形状データと、住宅建築会社等の係員であるオペレータOによるキーボード18及びマウス19の入力操作とに応じて、CG画像用データをリアルタイムで生成し、これに基づいて、CRT17及びスクリーン8に、上記住宅に関するCG画像を静止画または動画として表示できるようになっている。なお、ワークステーション15の操作は、ユーザU自身が行うようにしてもよい。
【0017】
入出力兼演算装置22は、図5に仮想的に透視状態の斜視図を示すように、システムバススロット、グラフィックススロット、VMEバススロット等を含むバス及びグラフィックススロット22aと、SCSI−IIドライブスロット等を含むドライブスロット22bと、電源ユニット22c等を内蔵している。前記バス及びグラフィックススロット22aは、更に、CPU、メモリ等を含んでいてもよい。
【0018】
図6にブロック構成図を示すように、上記入出力兼演算装置22は、複数個、例えば、2乃至24個程度のCPU23(150MHz) と、容量が64MB乃至16GB程度、標準的には128MB程度のメインメモリ24と、I/Oシステム群25とを備え、これらは同期式のシステムバス26(1.2GB/s、256bit)と、入出力バス27(320MB/s)とにより相互に連結されて、データの送受信を行えるようになっている。
【0019】
I/Oシステム群25は、グラフィックスインターフェース28、所定数のHIOスロット30、Ethernet31、VME64バス32及びSCSI−IIインターフェース33を備えている。グラフィックスインターフェース28は、補助画像処理部34(Reality Engine2)を介して前記CRT17(画面サイズは、例えば、21インチ)に接続されると共に、図示しないが、前記プロジェクタ11にも接続されている。前記補助画像処理部34はグラフィックスインターフェース28からの画像データに対して、周知のアンチエリアシング、テクスチャマッピング等の処理を施した後、CRT17等に出力するものである。
【0020】
HIOスロット30は、グラフィックスやSCSI−II等の入出力装置を接続するための、機器増設用のスロット(差込み口)で、空いているHIOスロット30に各種拡張ボードを追加実装して、機能アップを図ることができるようになっている。例えば、グラフィックスとして、今一つの補助画像処理部34を追加することにより、2系統のグラフィックス処理系統を具備することができ、複数画面への出力の高速化を実現できる。
【0021】
Ethernet31は、LAN(Local Area Network)を接続するための接続ポートであり、このEthernet31を用いて他のコンピュータ、例えば、CADシステムと接続することにより、フロッピーディスク等の物理的な媒体を介さずに、CADシステムと直接、3次元形状データ等の送受信を行うことが可能になる。VME64バス32は、ある種のコンピュータの拡張規格であって、接続部位の形状、信号線の配置等を取り決めることにより、各種の拡張機器の接続性を保証するものである。なお、上記SCSI−IIインターフェース33に接続されたハードディスク35には、本発明に係るCG画像による建築物の表示方法をワークステーション15に実行させるためのプログラムが、図示しないCDROM等の記録媒体から予めインストールされている。
【0022】
図3に示すように、表示室1内に配置された載置台36上には、ユーザUが、いわゆる、バーチャルリアリティの技術を用いて、仮想的にCG画像内に入り込んで各種作業や歩行を行う場合に使用するヘッドマウントディスプレー(以下、HMDという)37と、2つの手袋型検出装置38とが準備されている。HMD37及び各手袋型検出装置38は、各々接続線40、41を介して中継制御装置42に接続されるとともに、中継制御装置42は接続線43を介してワークステーション15に接続されている。なお、HMD37及び手袋型検出装置38は、中継制御装置42を介さずに直接ワークステーション15に接続されていてもよい。また、表示室1内には、ユーザUの3次元写真を撮影するための3次元カメラ44が配置され、3次元カメラ44は接続線45によりワークステーション15に接続されている。
【0023】
上記HMD37の構成は周知であるが、以下簡単に説明する。図7に示すように、HMD37は、装着状態でユーザUの両目の前方に位置する画像表示部46と、ユーザUの両耳に装着される2個のヘッドホン47と、画像表示部46及びヘッドホン47等を連結するフレーム48と、フレーム48の上部に取り付けられ、ユーザUの頭部の向きを検出する検出センサ50とを有する。
【0024】
図8に示すように、画像表示部46はレンズ等からなる光学系51と、液晶ディスプレーまたは小型のCRT等からなる表示部本体52とを備え、ユーザUの右目と左目に対し、互いに視差を有するCG画像が表示されることにより、図中、Tの位置(目からその焦点距離Fだけ離れた位置)に虚像が作り出される。これにより、ユーザUには、図中、Xの位置に目的物が存在するかのような視覚効果が与えられる。
【0025】
図9に示すように、手袋型検出装置38も周知の構成を有するものであって、ユーザUの手に装着する手袋53の表面に、位置及び姿勢を検出する磁気的な空間位置姿勢検出センサ54と、各手指の折り曲げ状態を検出する複数の光ファイバセンサ55とを取り付けたもの(例えば、VPL社のデータグローブ(商品名))である。なお、手袋型検出装置38は、例えば、上記光ファイバセンサ55の代わりに導電性インクを用いたもの(例えば、Virtual Technologies社のサイバーグローブ(商品名))等であってもよい。
【0026】
図10に示すように、上記3次元カメラ44も周知の構成を有するものであって、蓋体56により開閉可能な発光部57から照射される図示しないスリット状のレーザ光で被写体、つまり、ユーザUの身体表面をスキャンし、その反射光をCCDカメラ58で受光することにより、3次元の凹凸形状を読み取り、フルカラーの3次元画像を作成するもの(例えば、ミノルタ株式会社のVIVID700(商品名))である。
【0027】
ワークステーション15を用いて表示室1内でユーザUの建築予定の住宅Zに関するCG画像を作成、表示する場合、図11のフローチャートに示すように、まず、表示室1以外の部屋等に配置された住宅CADシステムで、前記住宅Zの平面図を作成する(S1)。係る住宅Zの一例としての2階建住宅の1階部分の平面図を図12に、2階部分の平面図を図13に各々示す。各平面図には、前記住宅Zの平面形状や間取り等が表されている。
【0028】
続いて、前記住宅CADシステムで住宅Zの3次元形状データ(3次元モデル)を作成する(図11中S2)。係る3次元形状データに基いて表された前記住宅Zの斜視図、北立面図及び西立面図を各々図14乃至図16に示す。
【0029】
また、外構CADシステムで、前記住宅Zに付属する塀や門等の外構(図示せず)を表す3次元形状データを作成する一方(図11中S3)、一般CADシステムで、前記建築予定の住宅Zに隣接する実在の住宅、道路或いは遠景の住宅、ビルディング等の実在の近隣環境(図示せず)に関する3次元形状データを作成する(S4)。
【0030】
更に、一般CADシステムで屋外及び屋内の点景部品、例えば、屋外の樹木、自動車等の車両、石、自転車、道路標識等(図示せず)や、屋内の家具、調度類、装飾品、絵画等に関する3次元形状データを予め作成し(S5)、これらを点景部品用のライブラリーに蓄えておく(S6)。以上がCG画像の表示に先立って行うべきCADシステムによる画像データの作成である。なお、前記住宅CADシステム及び外構CADシステムは、各々住宅Z及び外構に関する3次元形状データを作成するための各種データベース等を備えたCADシステムである。
【0031】
ワークステーション15で前記CADデータに基いて、住宅Z、外構、点景部品及び当該住宅Zの近隣環境等をCG画像として作成、表示する場合、前記住宅Z、外構等について各種CADシステムで各々作成した3次元形状データをワークステーション15の入出力兼演算装置22に読み込む(図11中S7)。以後、ワークステーション15によりデータ統合及び画像調整のための処理を行うが、この処理方法としては、(a)手作業による処理と、(b)自動化処理との2通りがある。
【0032】
その内、(a)の手作業による場合、まず、前記住宅Z、外構、点景部品等に関する各種形状データを、レンダリングソフトを用いて、以後のCG画像の作成、表示処理の際に読み取り可能なファイル形式にコンバートする(S8)。続いて、CADデータからコンバートされた面に対し、各面単位或いは隣接する複数の面のグループ単位をマウス等で選択し、素材情報を設定することにより、色付けを行う(S9)。
【0033】
本発明では、主として、(b)の自動化処理で形状コンバートを行うことを想定しているが、この場合、前記CADシステムにおいて、前記住宅Zに関する3次元形状データに、予め、建物仕様情報が付加される。該建物仕様情報には、前記住宅Zの建物形式(例えば、形式I、形式II等)、外装材の色彩(外装材の素材は住宅Zの種類により決定される)、屋根材の種類と色彩等、住宅Zの外観を決定する上で重要な情報が含まれる。
【0034】
前記(b)の自動化処理においては、ワークステーション15でコンバートプログラムにより、形状コンバート及び色付け作業が行われる(S10)。ここでは、コンバート後の3次元形状データが、パース図(3次元透写図)としてではなく、ファイルとして出力される。すなわち、前記パース図では、視点から見えない部分の描画は行われないが、本発明ではCG画像用の出力であるため、作成される3次元データの全てがファイルとして出力される。
【0035】
前記ファイル出力において、住宅Zの各部位、例えば、壁、床、サッシ等はCAD上では別個のものとしてデータ保存されている。ここでは、各々の部位の3次元形状データの出力の際に、どの部位の形状データであるかを示す情報が、部位名称又は番号によって、前記形状データに内部情報として埋め込まれる。以下にその例を示す。
【0036】
一方、前記住宅Zの各部位にいかなる素材が使用され、従って、各部位がいかなる色彩を呈するか等の情報は、前記3次元形状データには含まれず、別途、素材情報ファイルにより提供される。この素材情報ファイルは、例えば、各住宅Zが属する建物形式毎に準備されており、前記コンバートプログラムによって、前記CADシステムの3次元形状データに含まれた前記建物仕様情報が読み込まれ、これに基いて、当該住宅Zの建物形式に合致した素材情報ファイルが選択される。
【0037】
各素材情報ファイルには、前述した壁、サッシ等の各部位名称と、各部位で標準的に使用される素材(当該部位が屋根材であれば、例えば、カラーベストで、色彩はブラウン等)と、該素材に対応するCGソフト上での属性情報(例えば、反射係数0.4、テクスチャマッピングはYANE、RGBが600mm×400mm相当、張り込みはZ軸下から上へ)とが対応表として記憶されている。
【0038】
又、これらの素材情報ファイルのマスターとなる、全ての情報を有するマスターファイルがバックアップファイルとして備えられている。そして、例えば、前記住宅Zの一部の部位の素材又は色彩等を前記素材情報ファイルに記憶されたもの以外のものに変更したい場合、前記マスターファイルから所望の情報を呼び出して前記素材情報ファイル中の情報の一部と置換することができる。
【0039】
例えば、図17中A部に示すように、当該住宅Zに関する建物仕様情報の建物形式が形式I、外装材が種類I(色彩はオフグレー)、屋根材が平瓦(色彩はブラック)である場合、素材情報ファイルとしては、建物形式に基づき、図17中B部に示す形式I用のものが選択される。ここでは、形式I用の素材情報ファイルの標準的な外装材として、種類I(色彩はペールグレー)が登録されており、前記建物仕様情報中の外装材とは相違している。この場合、図17中C部に示す前記マスターファイルから建物仕様情報に対応した外装材に関する情報C1が呼び出され、前記素材情報ファイル中の外装材に関する情報B1に代えて記憶される。前記3次元形状データのファイルと、この素材情報ファイルとは、以後、セットとして取り扱われる。
【0040】
その後、前記外構、点景部品及び近隣環境に関する各3次元形状データに対しても、ワークステーション15で各々(a)の手作業又は(b)の自動処理によって形状コンバート及び色付け作業が行われた後、コンバート済の住宅Z、外構、点景部品等に関するファイル及びそれらに対応する前記素材情報ファイルがCGソフトに読み込まれ、前記住宅Z、外構、点景部品等を全て同一画面に合成状態で表示できるように、各種ファイルの統合処理が行われて、全体の構成が作成される(図11中S11)。続いて、統合されたファイルに対し、ラジオシティ法等により前記住宅Z等の画像に日向又は日陰等に応じた陰影を付与するための演算が行われ、且つ照明計算、日当り計算等の各種演算が行われる(S12)。
【0041】
続いて、前記3次元形状データのファイルに基いて、前記ワークステーション15でCG画像の表示用ソフトを用い、前記3次元形状データに対して設定した仮想的な視点位置を、オペレータOによるマウス19等での入力操作に応じて停止又は所望方向へ移動させると、この視点位置の移動に伴ってリアルタイムの演算が行われ、該演算により得られたCG画像用データがスクリーン8及びCRT17に出力されることにより、各時点で前記視点位置に対応する所望位置から前記住宅Z、外構、点景部品等を見た状態を疑似的に再現するCG画像が動画又は静止画として表示され、いわゆるウォークスルーが行われる(S13)。
【0042】
次に、ウォークスルーに際して、上記ワークステーション15で前記視点位置を移動させる手順を説明する。図18に示すように、CRT17上にはカーソルGが表示され、このカーソルGは、例えば、キーボード18上の4個のカーソルキー18aを選択的に操作することにより、CRT17の画面17a上で上下方向及び/又は左右方向へ移動可能である。
【0043】
そして、ウォークスルーを行わせるための仮想的な視点位置は、カーソルGを前記画面17a上で上方へ移動させると前記視点位置が高くなり、カーソルGを下方へ移動させると前記視点位置が低くなると共に、カーソルGを右又は左方向へ移動させると、それに応じて視点の向き(視線)が右又は左方向へ旋回するようになっている。更に、マウス19に付属した、左ボタン19aを押圧すると視点位置が前進し、中ボタン19bを押圧すると視点位置の前後方向への移動が停止し、右ボタン19cを押圧すると視点位置が後退するようになっている。
【0044】
図19にCG画像としてスクリーン8に表示された前記住宅Zの昼間における外観の一例を示す。ここでは、上記ラジオシティ法等に基づく演算により外壁W等に陰影が付与されており、図中ドットの付された部分が陰になっている。CRT17上でカーソルGを移動させ、且つ、マウス19の各ボタン19a乃至19cを操作することによって、上記視点の向きを転換させ、或いは、視点位置を画面の奥行き方向で移動させると、実際に、ユーザUの建築予定の住宅Zの外部及び内部を歩き回っているのと同様の視聴覚効果を与える動画がCG画像として生成され、この動画は陰影を付与された状態で表示される。
【0045】
カーソルキー18a及びマウス19の各ボタン19a乃至19cを操作することにより、例えば、玄関を通過して、前記視点位置を屋内へ移動させると、上記3次元形状データに基いてワークステーション15で演算が行われ、該演算により生成されたCG画像用データに基づいて例えば、図20に示すように、屋内Iの状況がスクリーン8及びCRT17上に表示される。そして、視点位置を屋内で、順次、移動又は停止させることにより、図21に示す洋室J、図22に示すキッチンK及び図23に示す浴室Y等の各部屋が、順次、動画又は静止画として表示される。
【0046】
キーボード18及びマウス19によって視点位置を移動させる操作と、前記CG画像の表示の切換わりとの対応関係につき、図12の平面図を参照しながら説明する。例えば、今、視点位置がP点、つまり、食堂M内にあり、視線が矢印Q方向を向いているものとすると、図示しないが、画面上にはキッチンKの仕切りK1が表示されている。ここで、キッチンKの方向に接近するのであれば、マウス19上の前進用の左ボタン19aを押圧すれば良い。一方、例えば、視点の向きを居間Nの方向へ転換するのであれば、カーソルキー18aでカーソルGを左側に移動させれば良い。上記ウォークスルー中に生じる任意の静止画は、プリンタ21等でカラー印刷でき、この印刷中にもウォークスルーは継続して行える。
【0047】
スクリーン8上のCG画像は2次元的な画像として鑑賞することもできるが、これを3次元の立体像として鑑賞できるようにすれば、空間の広さ感等が把握し易くなるので、実際の住宅Zの内外を歩き回って観察している状態に一層近似した画像を得ることができる。立体像を得る方法としては、図3に示すように、例えば、各ユーザUに液晶シャッターメガネ60を着用させる方法がある。液晶シャッターメガネ60を用いて立体像を得る原理は周知であるが、以下で簡単に説明する。
【0048】
図24に示すように、スクリーン8等の表示装置には、右目用映像信号Rと左目用映像信号Lとが交互に供給される一方、液晶シャッターメガネ60の右目用シャッター60aを開く右目用シャッター開信号ROと、左目用シャッター60bを開く左目用シャッター開信号LOとが、右目用シャッター60aと左目用シャッター60bとに交互に供給される。そして、液晶シャッターメガネ60を着用したユーザUが、右目と左目で交互に右目用映像信号Rと左目用映像信号Lとを視認することにより、CG画像が立体像として認識される。なお、液晶シャッターメガネ60の代わりに、例えば、公知の偏光メガネ(図示せず)を用いて、立体像を得ることもできる。
【0049】
次に、上述のウォークスルーを行っている途中で、いわゆる、バーチャルリアリティの技術を用い、自らが建築しようとする住宅Zを表すCG画像内にいずれかのユーザU、例えば、主婦であるユーザU1が仮想的に入り込んで、各種作業や歩行を行う場合の操作、制御手順を説明する。この場合、上記ユーザU1のCG画像中での作業や歩行を他のユーザU2、U3に鑑賞させるため、ユーザU1の画像を住宅Zの画像とともにスクリーン8上にCG画像により表示する必要上、図10に示したように、予め、3次元カメラ44を用いて、ユーザU1の3次元写真を撮影し、ワークステーション15に3次元画像データを取り込んでおく必要がある。
【0050】
その際、3次元カメラ44による撮影は、被写体であるユーザU1の正面ばかりでなく、左右側面及び背面等複数の方向(好ましくは、少なくとも4方向)から行い、撮影済の複数方向の画像データを接続線45を介してワークステーション15に入力し、ワークステーション15でこれらの画像データを貼り合わせて当該ユーザU1の全身を表す3次元画像データを作成する。また、ユーザU1の画像と住宅Zの画像をスクリーン8上に同一縮尺で表示する必要があるので、3次元カメラ44がユーザU1の身体寸法を測定する機能を有しない場合、ユーザU1の身長(cm)を表す数値をオペレータOがキーボード18を用いてワークステーション15に入力する。
【0051】
ユーザU1がCG画像内で仮想的に作業または歩行を行う場合、当該ユーザU1の3次元画像データをワークステーション15に取り込んだ後、図25に示すように、ユーザU1がHMD37と手袋型検出装置38とを装着する。この状態で、オペレータOが、スクリーン8及びCRT17の表示モードを、住宅Zのみを表示する通常モードからユーザ参加モードに切り換えると、スクリーン8及びCRT17上にユーザU1の画像が表示される。
【0052】
この表示モードの切換は、例えば、オペレータOがキーボード18上の所定のキー18bを押圧操作することにより行うことができる。スクリーン8及びCRT17上におけるユーザU1の画像の初期表示位置は、ここでは、スクリーン8及びCRT17の中央位置に設定されている。例えば、上述のウォークスルーでスクリーン8上にキッチンKを表示している状態で、このキッチンK内にユーザU1の画像を表示させたい場合、ユーザU1を表示したい位置が画面の中央に来るようにカーソルキー18a及びマウス19を用いて調整した上で上記キー18bを押圧操作すると、図25に示すように、スクリーン8の中央位置にユーザU1の画像U1a(人物像)が表示される。
【0053】
このユーザU1の画像U1aは、3次元カメラ44で撮影された3次元画像データに基づいて、ワークステーション15によりキッチンKの画像と合成されてCG画像により表示される。他のユーザU2、U3が液晶シャッターメガネ60を着用している場合、ユーザU1の画像U1aも3次元画像として認識される。
【0054】
ここで、スクリーン8上での画像U1aの向きは、表示室1内の現実のユーザU1をスクリーン8を含む平面に投影した向きとなるようにワークステーション15で調整される。例えば、図25のように、スクリーン8を含む平面を基準として、現実のユーザU1が左を向いている場合、スクリーン8上でユーザU1の画像U1aは左を向くように表示され、図27のように、上記スクリーン8を含む平面とユーザU1の後ろ姿とが平行を成している場合、スクリーン8上の画像U1aとしてはユーザU1の後ろ姿が表示される。なお、現実のユーザU1の体の向きは、HMD37上の前記検出センサ50により検出され、ワークステーション15に入力される。
【0055】
上記のように、現実のユーザU1が表示室1内で垂直軸回りに回転すると、スクリーン8上でユーザU1の画像U1aがそれに応じて回転するように表示される他、現実のユーザU1が表示室1内で前後左右へ歩行すると、ユーザU1の位置の移動がHMD37上の検出センサ50または手袋型検出装置38上の空間位置姿勢検出センサ54で検出され、これに応じて、画像U1aが、現実のユーザU1の移動に対応してスクリーン8上で移動するように動的な表示が行われる。また、現実のユーザU1が手または手指を動かすと、それらの動きが手袋型検出装置38で検出され、スクリーン8上の画像U1aの手または手指が動くように表示が行われる。なお、スクリーン8上のユーザU1の画像U1aは、前記3次元カメラ44から入力された3次元画像データに基づいて、HMD37及び手袋型検出装置38を装着していない状態で表示される。
【0056】
一方、ユーザU1自身に対しては、HMD37によりキッチンK内の状況がCG画像により表示されるが、この場合のCG画像の視点位置はユーザU1自身の視点位置であり、スクリーン8上に表示されるCG画像の視点位置(前述のようにオペレータOがワークステーション15のカーソルキー18a及びマウス19で設定)とは相違している。すなわち、図25のスクリーン8上に表示されるCG画像を第1のCG画像とすると、HMD37により表示されるのは、視点位置の異なる第2のCG画像であって、この第2のCG画像は、上記第1のCG画像中の画像U1aの位置にユーザU1が当該画像U1aの向きで立っていると仮定した場合にユーザU1が見る景色を表示する。
【0057】
スクリーン8に図25のCG画像が表示される時に、現実のユーザU1が着用しているHMD37に表示されるCG画像を図26に示す。このように、ワークステーション15では、スクリーン8用とHMD37用の2種類の視点位置の異なるCG画像がリアルタイムで生成され、一方のCG画像が変更されると、それに対応して他方のCG画像も変更される。その場合、HMD37に表示される初期画像(図26の画像)は、オペレータOがスクリーン8上のCG画像(図25)の表示モードを上記ユーザ参加モードに切り換えた時点でのスクリーン8の表示内容及びその時点で現実のユーザU1がいずれの向きを向いているかにより自動的に決定される。なお、HMD37用のCG画像を生成するためのユーザU1の視点位置(視線の向き)は、前記検出センサ50により検出される。
【0058】
ユーザU1はHMD37に表示されるCG画像を見ながら、実際にキッチンK内に居るのと同様に歩行や作業を行うことができる。例えば、ユーザU1がCG画像内の棚61に向かって手を伸ばしてみたい場合、図25及び図26に示す状態から現実のユーザU1が体の向きを変えると、図27に示すように、スクリーン8上の画像U1aの向きが転換されるとともに、図28に示すように、ユーザU1が装着しているHMD37に表示されるCG画像もユーザU1の頭部の動きに応じて切り換えられ、斜め上方に棚61が表示される。
【0059】
図27に示すように、現実のユーザU1がHMD37の表示内容を見ながら棚61が表示されている斜め上方へ向けて手を伸ばすと、それに応じて、スクリーン8上の画像U1aにおいてもユーザU1の手が斜め上方の棚61に向かって伸び、また、図28のように、HMD37にも、ユーザU1の手62を示すCG画像が斜め上方に伸びる状況が表示される。なお、ワークステーション15によるHMD37用のCG画像の表示においては、通常、肉眼で外界を観察している場合と同様、ユーザU1の頭部は表示しないが、ユーザU1の手、足、胴体等は、現実のユーザU1の視線の向きに応じて表示するものである。
【0060】
ユーザU1が棚61の扉61aを開きたい場合、HMD37に表示される把手61bを仮想的に摘んで手前に引く動作を行うと、係る動作が手袋型検出装置38で検出され、図29に示すように、スクリーン8上で扉61aを開く様子が表示されるとともに、図30に示すように、HMD37にもその様子が表示される。このように、ユーザU1がCG画像内に仮想的に入り込んで、キッチンKの棚61に手を伸ばす等の作業をしてみることにより、棚61の高さが適切であるか否かの判断が行え、また、キッチンK内に居る積もりになってHMD37に表示されるCG画像を見ながら前後左右へ歩行してみることにより、キッチンKの大きさが適切であるか否かの判断がより的確に行えると同時に、他のユーザU2、U3はスクリーン8に表示されるCG画像を見てユーザU1の動きを観察することにより、キッチンKの構成が適切であるか否かの判断を行える。
【0061】
なお、スクリーン8上にユーザU1の画像U1aを表示している状態でも、オペレータOがカーソルキー18aまたはマウス19を操作することにより、上述したと同様にウォークスルーを行うことができる。CG画像内での仮想的な作業または歩行を終了する場合、オペレータOが再度前記キー18bを押圧すると、ユーザU1の画像U1aがスクリーン8上から削除され、住宅Z(キッチンK)のみがCG画像により表示される。
【0062】
上記したCG画像内での作業または歩行は、キッチンK以外の他の部屋や屋外においても行うことができ、例えば、ウォークスルーで子供室を表示している場合は、子供であるユーザU2がCG画像内での作業や歩行を行う等、各部屋や場所毎に使用頻度の高いユーザUがCG画像内での仮想的な作業、歩行を行うことができる。その場合、HMD37以外に手袋型検出装置38を着用するのみでは、スクリーン8上に表示されるユーザUの画像の動きが、垂直軸回りの体の回転と手の動き程度に限定される不満があるが、例えば、図31に示すようなデータスーツ63(例えば、VPL社製のもの)を用いて身体の各部の動きを検出し、それに応じて、ワークステーション15で所定の演算を行うことにより、スクリーン8上でのユーザUの画像も身体の各部が動くように表示することができる。なお、データスーツ63は、図32にセンサの一部を○印で示すように、ユーザUの頭部以外の全身を覆うスーツ本体63a上に数10個程度の動き検出用のセンサ63bを取り付けてなるものである。
【0063】
また、身体の動きを検出する数個程度のカメラを有するモーションキャプチャ装置(例えば、Motion Analysis 社製のHiRES(商品名))を用いれば、データスーツ63を着用した場合のように、スーツ本体63aによって身体を拘束することなく、身体各部の動きを検出して、スクリーン8上のユーザUの画像が動くように表示することができる。
【0064】
なお、上記では、スクリーン8及びCRT17へのユーザUの画像の表示を開始する際には、自動的に画面の中央にユーザUの画像が挿入されるように設定したが、例えば、上記ウォークスルーのための視点位置の移動をジョイスティック等マウス19以外の入力装置で行うようにすれば、ユーザUの画像の初期表示位置を、マウス19によりオペレータOが任意(例えば、画面の右隅、左隅等)に設定することができる。
【0065】
上記実施の形態では、スクリーン8上にユーザUの画像を表示する際に、手袋型検出装置38等でユーザUの体の動きを検出して、ユーザUの画像が動くように表示するようにしたが、スクリーン8上にユーザUの画像を固定状態(不動状態)で表示するようにしてもよく、その場合でも、ユーザUの画像を住宅Zと同一縮尺で表示することにより、住宅の各部の高さや広さ等を判断する目安とできるものである。また、ユーザU自身の画像を表示する代わりに、例えば、予めワークステーション15に記憶させたモデルやキャラクター等の画像を、必要により身体寸法を明示しながら、例えば、固定状態で表示するようにしてもよい。住宅及びユーザの画像を2次元画像として表示する場合は、ユーザの画像の撮影用に、上記3次元カメラ44に代えて2次元的なディジタルカメラを用いることができる。また、本発明の表示方法は、住宅以外のオフィスビル等の各種建築物にも適用することができる。
【0066】
表示装置としては、スクリーン8を用いて裏側の投影室7から投影するようにしたが、投影室7を省略するとともにスクリーン8への表示を表示室1内から行うようにしてもよく、或いは、スクリーン8の代わる表示装置として大画面のハイビジョンテレビ等を用いても良い。また、上述のウォークスルーは、住宅建築会社等に設けた表示室1で行う以外に、例えば、ユーザの家庭でパーソナルコンピュータを用いて行うこともでき、その場合、ユーザが建築しようとする住宅のCADデータ、ウォークスルー用のプログラム等を予め住宅建築会社等がCD−ROMやMO(光磁気)ディスク等の適宜の記録媒体に記録してユーザに配付すればよく、上記パーソナルコンピュータを用いたウォークスルー中にユーザの画像を固定状態で表示させるのであれば、当該ユーザの画像を住宅建築会社等で撮影して上記記録媒体に記録しておくか、ユーザ自身がディジタルカメラで撮影して上記パーソナルコンピュータに入力すればよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明の請求項1のCG画像による建築物の表示方法は、建築物に関する3次元形状データを予め作成してコンピュータに記憶させておき、上記3次元形状データに対する視点位置を静止または所望方向へ移動させることにより、上記建築物をCG画像により静止画または動画として表示させるようにした建築物に関するCG画像の表示方法において、予め人物像を撮影しておき、この人物像を上記CG画像内に上記建築物と同一の縮尺で表示するようにしたものであるから、上記CG画像内に表示される人物像の大きさを目安として、各部屋の広さや天井、棚等の各部の高さ等をより正確に把握することができるようになる利点があり、且つCG画像内に人画像が表示されることにより、より現実の居住空間に近い印象を与えることができる。
【0068】
又、上記建築物は特定のユーザが建築しようとする建築物であり、上記人物像は当該ユーザを撮影した画像であるから、ユーザは自らが建築しようとする住宅の内外を実際に歩行しているのと同様の体験を行うことができ、間取りや各部屋の広さ等が適切であるかを的確に判断できるようになる。
【0069】
更に又、上記CG画像は3次元画像であるので、上記建築物を2次元画像として表示する場合に比べて、一層リアルに表示することができ、人物像を表示することと相まって、広さや高さ等を的確に判断できるようになる。
【0070】
加えて、上記ユーザの身体の動きを検出し、検出した身体の動きに応じて上記CG画像内のユーザの画像が動くように表示を行うようにしたので、CG画像中の人物の描写が一層精彩を増す利点がある。
【0071】
さらに、上記ユーザはヘッドマウントディスプレーを装着し、該ヘッドマウントディスプレーにより上記建築物のCG画像を見ながら自らの身体を動かすとともに、上記ユーザの身体の動きに合わせて該ユーザの画像が動くように上記ヘッドマウントディスプレー以外の表示装置によりCG画像の表示を行うようにしたので、ユーザは、例えば、ヘッドマウントディスプレーでCG画像内の棚を見ながら、該棚に手を伸ばす動作を行うと、その動きが検出されて上記他の表示装置上でユーザの手の動きが表示されるとともに、ユーザ自身はヘッドマウントディスプレーにより、上記棚の高さが適切であるか否かを自らの手を表すCG画像を見ながら確認することができる。又、上記第1のCG画像中のユーザの画像の位置にユーザが当該ユーザの画像の向きで立っていると仮定した場合にユーザが見る景色の表示をヘッドマウントディスプレーで行うことができるので、ユーザ自身の視点位置で見ることができる。
【0072】
請求項2の建物の表示方法によれば建築のみを表示する通常モードから特定のユーザが参加するユーザ参加モードに切り換えることができるので、有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によりCG画像の表示を行う表示室及び投影室を示す概略水平断面図。
【図2】上記表示室を後方から見た状態を示す斜視図。
【図3】上記表示室を前方から見た状態を示す斜視図。
【図4】上記表示室内のワークステーションの設置されたコーナを示す斜視図。
【図5】上記ワークステーションの入出力兼演算装置を透視状態で示す斜視図。
【図6】上記入出力兼演算装置を示すブロック構成図。
【図7】上記CG画像中にユーザが仮想的に入り込んで作業等を行う際に使用するヘッドマウントディスプレーを示す側面図。
【図8】上記ヘッドマウントディスプレーの動作原理を示す説明図。
【図9】上記ヘッドマウントディスプレーとともに使用する手袋型検出装置を示す斜視図。
【図10】3次元カメラを用いてユーザの3次元写真を撮影する様子を示す斜視図。
【図11】本発明によるCG画像の作成表示に先立ってCADシステムで住宅に関する3次元形状データを作成した後、レンダリングソフトで読み取り可能な状態にコンバートする手順を示すフローチャート。
【図12】上記CG画像の表示に先立ってCADシステムで作成された2階建住宅の1階部分を示す平面図。
【図13】上記CADシステムで作成された2階建住宅の2階部分を示す平面図。
【図14】上記CADシステムで作成された2階建住宅の斜視図。
【図15】上記CADシステムで作成された2階建住宅の北立面図。
【図16】上記CADシステムで作成された2階建住宅の西立面図
【図17】自動処理で形状コンバートを行う場合に使用される素材情報ファイルの作成手順を示す説明図。
【図18】上記ワークステーションの要部を示す正面図。
【図19】本発明方法により住宅を陰影を付してCG画像により表示した画面を示す正面図。
【図20】上記住宅の屋内をCG画像により表示した画面を示す正面図。
【図21】上記住宅内の洋室をCG画像により表示した画面を示す部分正面図。
【図22】上記住宅内のキッチンをCG画像により表示した画面を示す部分正面図。
【図23】上記住宅内の浴室をCG画像により表示した画面を示す部分正面図。
【図24】液晶シャッターメガネを用いて3次元画像を得る原理を示す説明図。
【図25】上記表示室のスクリーン上にキッチンとともにユーザの画像をCG画像により表示させた状態を示す説明図。
【図26】上記ユーザが装着したヘッドマウントディスプレーを用いてキッチン内の状況をCG画像により表示した状態を示す説明図。
【図27】図25においてユーザが体の向きを変えた場合に上記スクリーンに表示されるCG画像を示す説明図。
【図28】図27の表示に対応して上記ヘッドマウントディスプレーに表示されるCG画像を示す説明図。
【図29】上記ユーザが仮想的に棚の扉を開く作業を行った場合に上記スクリーンに表示されるCG画像を示す説明図。
【図30】図29の表示に対応して上記ヘッドマウントディスプレーに表示されるCG画像を示す説明図。
【図31】ユーザが全身に装着するデータスーツを示す概略斜視図。
【図32】上記データスーツ上のセンサの配置を示す説明図。
【符号の説明】
15 ワークステーション(コンピュータ)
37 ヘッドマウントディスプレー
U1 ユーザ
U1a ユーザの画像(人物像)
Z 住宅(建築物)
Claims (2)
- 特定のユーザが建築しようとする建築物に関する3次元形状データを予め作成してコンピュータに記憶させておき、上記3次元形状データに対する視点位置を静止または所望方向へキーボード及びマウスを使用して移動させることにより、上記建築物を第1のCG画像であるCG画像により静止画または動画として表示させるようにしたCG画像による建築物の表示方法において、
予め前記特定のユーザ像を撮影しておき、このユーザ像を上記第1のCG画像内に上記建築物と同一の縮尺で表示するようにし、且つ、上記ユーザの身体の動きを検出し、検出した身体の動きに応じて上記第1のCG画像内のユーザの画像が動くように表示を行い、更に、上記ユーザはヘッドマウントディスプレーを装着し、該ヘッドマウントディスプレーにより上記建築物の第2のCG画像を見ながら自らの身体を動かすとともに、上記ユーザの身体の動きに合わせて該ユーザの画像が動くように上記ヘッドマウントディスプレー以外の表示装置によりCG画像の表示を行うと共に、上記第2のCG画像として、上記第1のCG画像中のユーザの画像の位置にユーザが当該ユーザの画像の向きで立っていると仮定した場合にユーザが見る景色の表示をヘッドマウントディスプレーで行うことを特徴とする建築物の表示方法。 - 前記建築物の表示方法が、建築物のみを表示する通常モードから特定のユーザが参加するユーザ参加モードに切り換えることができることを特徴とする請求項1の建築物の表示方法。
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