JP3986860B2 - 電動流量制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状ケースの上部と下部にそれぞれ、弁座と弁体からなる異なった流量特性を得ることが可能な上流側の絞り弁部とこれと流量特性を異にする下流側の絞り弁部を構成させ冷媒の流れ方向により自動的に2箇所の絞り弁機構を使い分け、冷暖房時の切換に際して最適な流量特性が得られるようにした電動流量制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、本願出願人が特願2000−297869号にて出願している従来の電動流量制御弁の縦断面図である。図10は、ロータと弁体の係合状態を表し、(a)は図9のA−A断面図であり、(B)は図9のB−B断面図である。図11は、上弁体及び下弁体に形成される溝の形態を表し、(a)は図9のC−C断面図であり、(b)〜(d)は図9のD−D断面における全開状態、中間状態及び全閉状態を表す断面図である。
【0003】
従来の電動流量制御弁は、非磁性金属による筒状ケース31と該筒状ケース31の両端部に気密的に固定される上弁座シート32及び下弁座シート33と円筒状のロータ34と該ロータと係合して回動する上弁体35及び下弁体36とシャフト37と固定コイル38により構成され、筒状ケースの上部と下部にそれぞれ、弁座と弁体からなる異なった流量特性を得ることが可能な上流側の絞り弁部41と下流側の絞り弁部42が構成されている。
【0004】
そして、一方の弁体が冷媒の圧力によって前記絞り弁部の弁座に当接する時には、他方の弁体が弁座から離接するごとく設けることにより、冷媒の上流側の絞り弁部は駆動手段の位置に関係なく全開状態となり下流側の絞り弁部のみを絞り弁として機能させ、冷媒の流れ方向により自動的に2箇所の絞り弁機構を使い分け、いずれの流れ方向の場合においても、冷媒圧力の上昇によって下流側の絞り弁部が開いてしまうことがなく、圧力が上昇しても確実な制御ができるようになっている。また、下流側となる下弁体36は、ロータ34と係合して回転すると共に冷媒の流れにより回転軸に対して垂直面に設けた弁座に押付けられ、下弁体36の1回転未満にて弁口の開度を全閉の段階から制御できるため最小流量をゼロとすることができるようになっている。さらに、冷媒の流れによる圧力差によって下流側の下弁体36が下弁座シート33に押し付けられることによって前記の下弁体36をその位置に保持する摩擦力が働くため、弁体を回転させない力はロータ34の磁力による保持トルクと積算され、弁体を回転位置制御して最適な位置に停止させた後にコイルへの通電を止めても弁体が回転してしまうことがないようになっている。
【0005】
上弁座シート32及び下弁座シート33は、その中心部にはそれぞれ軸穴32a、33aが設けられるとともに、中心から少し離れた位置にそれぞれ弁口32b、33bが設けられている。また、弁座シートの弁口32b及び33bには流入出管39a及び39bが気密的に固定されると共に、これらの上弁座シート32及び下弁座シート33は前記筒状ケース31の両端部に気密的に固定されている。なお、40は下弁座シート33に設けられたストッパーである。また、上弁座シート32並びに下弁座シート33の摺動面(図12を参照)には、前記の弁体の回転を安定化させるために、シャフト37を中心として弁口32b・33bとは対極する位置に、弁口32b・33bの周りを含めて複数箇所に弁座シート面より突出させた円板状の当たり面32cを各々の弁座シートと一体的に設けられている。
【0006】
上弁体35及び下弁体36は円柱形状であり、その中心部には軸孔35a、36aが設けられ、また、上弁体35及び下弁体36のロータ34側は、該ロータの内径と嵌合できるように段付形状とするとともに、図10に示すように前記ロータの切り欠き部34a、34bと対応する突出部35c、36cが設けられている。さらに、上弁体35及び下弁体36の壁面にはそれぞれ連通孔35g・36gが設けられている。
【0007】
前記の上弁体35及び下弁体36の壁面に設けられた連通孔35g・36gの存在は次の理由によるものである。例えば、図9に示す冷媒の流れの場合、下弁体36の連通孔36bが当り面32cと接触している状態においては、冷媒の流れはその当接部において絞られ、下弁体36の上部と下部には圧力差が発生し、その圧力差は、下弁体36全体の大きさに加わることとなって弁体を押し付ける力が大となり、弁体がスムーズに回転しなくなる。しかし、連通孔35g・36gがあると、下弁体36の上部と下部の圧力差がバランスして弁体を押し付ける力が小となり、弁体をスムーズに回転させることができる。
【0008】
また、前記の上弁体35及び下弁体36の外周面にはピストンリング44が設けられており、該ピストンリング44によって、前記筒状ケース31の内周面と上弁体35、下弁体36及び前記ロータ34の外周面との隙間に冷媒が流れることを防止できるようになっている。このピストンリング44の存在によって、冷媒がロータ34の外部を流れないようにすることができ、冷媒中に磁性のある異物等が含まれていても、ロータ外周部に異物が堆積して回転を阻害することがないようになっている。
【0009】
また、上弁体35及び下弁体36は、上下の弁座シートの弁口32b、33bに対応する位置に、図11に示すように回転方向に伴い断面積が徐変する溝35d、36dが設けられており、この溝の断面積が最大となる位置35e、36eには連通孔35b、36bが設けられ、図9に示すごとく、冷媒が流入出管39b→下弁座シート33の弁口33b→下弁体36の連通孔36b→ロータ34の内部→上弁体35の連通孔35b→上弁座シート32の弁口32b→流入出管39aへと流れるようになっている。
【0010】
円筒状のロータ34は、その上端部と下端部には切り欠き部34a、34b(図9、図10を参照)が設けられている。
【0011】
また、図11に示すように、下弁体36には、前述した下弁座シートのストッパー40に対応させて係止片36fが設けられており、この係止片36fがストッパー40に当接することにより、ロータ34と上弁体及び下弁体が回転する際の回転端位置を規制するようになっている。
【0012】
シャフト37は、ロータ34と上弁体35及び下弁体36の回転軸であり、シャフト37の両端部がそれぞれ上弁座シート32及び下弁座シート33の軸穴32a、33aに軸支されるとともに、上弁体及び下弁体の軸孔35a、36aを貫通するようになっている。
【0013】
また、従来の電動流量制御弁においては、上弁体35と上弁座シート32により上流側の絞り弁部41を構成させ、また下弁体36と下弁座シート33により下流側の絞り弁部42を構成させている。なお、前記の絞り制御部において、上弁体35と下弁体36に形成される絞り制御用の溝35d・36dの形状を異なったものとすることにより、冷媒の流れ方向の違いによって流量特性を異なったものにすることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電動流量制御弁においては、次に示すような欠点があった。
ロータ34が上弁体35と下弁体36間にフリーな状態で支持(ロータがシャフトに支持されていない)のため、ロータ34が固定コイル38に吸引されたときに偏心したり傾きが生じ、ロータと係合する弁体35,36が弁座面に確実に着座することができない。
弁座シート32、33には、弁口32b・33bの周りを含めて複数箇所に弁座シート面より突出させた円板状の当たり面32c(独立円盤状の凸部)が切削により一体的に形成されているため、コストが高くなるだけでなく、これらの中心を繋ぐサークル径が大きくなって弁体の小型化が図れない。弁座と弁体の摺動面が面接触であるため摺動抵抗が大きい。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弁座と弁体からなる異なった流量特性を得ることが可能な上流側の絞り弁部と下流側の絞り弁部を構成させ、一方の弁体が冷媒の圧力によって前記絞り弁部の弁座に当接する時には、他方の弁体が弁座から離接するごとく設けることにより、冷媒の上流側の絞り弁部は駆動手段の位置に関係なく全開状態となり下流側の絞り弁部のみを絞り弁として機能させ、冷媒の流れ方向により自動的に2箇所の絞り弁機構を使い分けて制御ができるようにし、ロータをシャフトに遊嵌状に嵌着させることにより、ロータ34が固定コイル38に吸引されるときの偏心や傾きを抑え、ロータと係合する弁体35,36が弁座面に確実に着座することができるようにした電動流量制御弁において、弁座シート面に切削により一体的に形成されていた独立円盤状の凸部を、プレス成形等の加工による三つ葉形状とすることにより、コストが安価で且つ、これらの中心を繋ぐサークル径を小さくして弁体の小型化を図った電動流量制御弁の提供を目的とするものである。
【0016】
すなわち、請求項1記載の電動流量制御弁は、筒状ケース31の上端部と下端部にそれぞれ上弁座シート32と下弁座シート33を設けると共に外周に固定コイル38を配置させ、前記筒状ケース31内にはロータ34)及びロータの上部と下部に離接し該ロータと一体的に回動する上弁体35及び下弁体36をステッピングモーター等の駆動手段によって可逆的に作動させ、前記の上弁体35と上弁座シート32により上流側の絞り弁部41を構成させ、また下弁体36と下弁座シート33により下流側の絞り弁部42を構成させることにより、該弁体の回動により流体の流れ方向に応じて2つの絞り弁部の何れかの開度を制御することにより、ヒートポンプ式冷凍サイクルの冷媒通過量を調整し、冷凍サイクルの能力制御を行う電動流量制御弁であって、前記上弁体35及び下弁体36をシャフト37にて遊嵌状に支持させると共に、一方、前記ロータ34の中心部にはリブ34dを介してボス部34eを設け、該ボス部34eを前記シャフト37にて遊嵌状に支持するようにし、前記のボス部34eは、該ボス部の両端面がそれぞれ上弁体35と下弁体36に当接する長さとすると共にロータ34の長さを、前記ボス部の端面より上下方向における内側に0.3〜0.5mm短くなるように設定し、ロータ34の端面と弁体の下端面との間に隙間δを設けたことを特徴とする請求項1に記載のものである。
【0017】
また、請求項2記載の電動流量制御弁は、上弁座シート32及び下弁座シート33には三つ葉状に突出した弁体との摺動面32dが形成され、前記三つ葉形の1つに弁口32bまたは33bが設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のものである。
【0018】
また、請求項3記載の電動流量制御弁は、上下の弁体に設けられた弁口32b、33bの周りには、幅=約0.5mmのリング状の溝32e、33e
を設け、前記の三つ葉状摺動面におけるくびれ部において、溝の外輪の一部が欠落するようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の電動膨張弁の縦断面図。図2は図1のA−A断面図。図3は、弁体に傾斜各角αを付けた時の下弁座シートと下弁体の拡大縦断面図。図4は、弁体と弁座シートにそれぞれ傾斜各角α,βを付けた時の下弁座シートと下弁体の拡大縦断面図。図5は、下弁座シートの拡大斜視図。図6は、下弁体の拡大下面図であり、(a)面取りがない状態を示し、(b)は面取りが施された状態を示す。図7は、面取りがない状態に於ける弁体の溝と連通孔のつながり状態を示す展開図。図8は、面取りが施された状態に於ける弁体の溝と連通孔のつながり状態を示す展開図である。
【0020】
本発明の電動流量制御弁は、従来品と同様に、非磁性金属による筒状ケース31と該筒状ケース31の両端部に気密的に固定される上弁座シート32及び下弁座シート33と円筒状のロータ34と該ロータと係合して回動する上弁体35及び下弁体36とシャフト37と固定コイル38により構成され、筒状ケースの上部と下部にそれぞれ、弁座と弁体からなる異なった流量特性を得ることが可能な上流側の絞り弁部41と下流側の絞り弁部42が構成されている。
【0021】
また前記の上流側の絞り弁部41と下流側の絞り弁部42の機能も従来品と全く同じであり、一方の弁体が冷媒の圧力によって前記絞り弁部の弁座に当接する時には、他方の弁体が弁座から離接するごとく設けることにより、冷媒の上流側の絞り弁部は駆動手段の位置に関係なく全開状態となり下流側の絞り弁部のみを絞り弁として機能させ、冷媒の流れ方向により自動的に2箇所の絞り弁機構を使い分け、いずれの流れ方向の場合においても、冷媒圧力の上昇によって下流側の絞り弁部が開いてしまうことがなく、圧力が上昇しても確実な制御ができるようになっている。
【0022】
上弁座シート32及び下弁座シート33も従来品と同様に、その中心部には軸穴32a、33aが設けられるとともに、中心から少し離れた位置に弁口32b,33bが設けられている。また、弁座シートの弁口32b,33bには流入出管39a,39bが気密的に固定されると共に、これらの上弁座シート32及び下弁座シート33は前記筒状ケース31の両端部に気密的に固定されている。なお、40は上弁座シート32に設けられたストッパーである。
【0023】
本発明の上下の弁座シート32,33は、プレス加工により三つ葉状に突出した弁体との摺動面32d,33dが形成され、前記三つ葉形の1つに弁口32bが形成されると共にこの周りにリング状の溝32e,33eが形成されている。また、このリング状の溝32e,33eは幅=約0.5mm、深さ=約0.2mmに形成され、前記の三つ葉状摺動面におけるくびれ部において、溝の外輪の一部が欠落するようにし、三つ葉状摺動面のくびれ部とリング状の溝32e,33eとが導通するようになっている。このことによって、流体圧が作用する弁体の面積が少なくなって弁体の摺動抵抗が少なくなり、弁体がスムーズに作動できるようになっている。
【0024】
また、弁座シートの摺動面32d及び33dには、後述する弁体35、36の摺動面の傾斜角度に合わせて、角度β=1.0〜1.5°の傾斜面が形成されているが、これは必ずしも必要とするものでない。
【0025】
上弁体35及び下弁体36が段付の円盤形状に形成され、中心部の軸孔35a、36aと、連通孔35g・36gと、外周面に設けられたピストンリング44と、弁口32b、33bに対応する位置に設けられた回転方向に伴い断面積が徐変する溝35d、36d並びに弁体における上面側と下面側を連通させるための連通孔35b、36bの形態やその働きについては、従来品と同じである。
【0026】
また、上弁体35に設けられた係止片35fを、前述の上弁座シートのストッパー40に当接させ、弁体の回転範囲を規制させている。このように本発明では上方の弁体35と弁座シート32にてストッパー機構を設けているが、従来品のように下方の弁体36と弁座シート33にてストッパー機構を設けるものであっても作用効果は全く同じである。
【0027】
また、上弁体35及び下弁体36の従来品との相違点は以下の通りである。図1〜図3に示すように、本発明の上弁体35及び下弁体36には、後述するロータ34と係合して回転させるために、ロータの内面に形成されている凸部34cと嵌合するキー溝35h、36hが形成されている。また、弁体35、36の摺動面(弁座シートの摺動面32d、33dに摺接する面)には、角度α=1.0〜1.5°の傾斜を付けた極めて穏やかな円錐形状に形成されている。このように、弁体の摺動面を穏やかな円錐形状としたものでは、首振り動作(コマが倒れたような状態)をしながら弁体が弁座面を線接触で摺動回転するため弁体の摺動抵抗が極めて小さなものとなる。また、図6(b)、図8に示すように、絞り制御用の溝35d・36dの断面積が最大となる位置に設けられた連通孔35b・36bとの境界部における孔の周りに0.5mm程度の面取(35d’,36d’)が設けられている。このように、連通孔と溝との境界部に面取を設けることによって、例えば下側の絞り弁部においては、流体が連通孔36b→溝36d→弁口33bへ流れるときに、流体の流れが壁面に沿って直角に曲がることを防止している。図6(a)、図7に示すように面取りがないと、流体の流れが壁面に沿って直角に曲がる場合は、流体の慣性による縮流現象によって実質上のオリフィスとしての断面積が減少し、溝36dの最大となった断面積による流量よりも小さな流量しか流れないようになっている。
【0028】
本発明のロータ34は、図1〜2に示すように、その内面に前記上下の弁体35,36のキー溝35h,36hと係合させる凸部34cが設けられ、またロータの中心部にリブ34dを介してボス部34eが設けられると共に、該ボス部34eの孔には後述するシャフト37を遊嵌状嵌着させるための孔が設けられている。また、前記のボス部34eの長さは、該ボス部の両端面がそれぞれ上弁体35と下弁体36の中央ボス部に当接する長さとなっている。また、ロータ34の外筒部の長さと、弁体35、36のつば部35i、36iの中央ボス部に対する位置は、ロータ34のボス部34eと弁体35、36の中央ボス部が当接した時にはロータの外端部と前記のつば部との間に隙間δ=0.3〜0.5mmができるように設定している。この隙間δの存在により、弁体の首振り作動が容易に行えるようになっている。
【0029】
シャフト37は、ロータ34と上弁体35及び下弁体36の回転軸であり、シャフト37の両端部がそれぞれ上弁座シート32及び下弁座シート33の軸穴32a、33aに軸支されるとともに、ロータのボス部(34e)の孔及び上弁体と下弁体の軸孔35a、36aを貫通するようになっている。
【0030】
次に、図1に示す本発明の電動流量制御弁の作動については、各部品の基本的な働き並びに冷媒の制御機能が従来品と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0031】
本発明の電動流量制御弁においては、前述の如く、弁体が首を振るような状態にて線接触により弁座面を摺動回転するようになっている。以下に、弁体の首振り作動について詳細な説明をする。図2は、図1のA−A断面図であり、ロータ34と上弁体35及び下弁体36の係合状態を示している。この図において、上弁体35及び下弁体36は、ロータ34の内側との間に僅かなクリアランスができるように嵌合されており、また、ロータ34のキー部を弁体35、36のキー溝(35h,36h)に嵌合させることによりロータと弁体とが一体的に回転できるようになっている。また、ロータ34と弁体35、36はロータのボス部34eにて当接し、かつ、ロータ34の外筒部と弁体35、36のつば部35i、36iには隙間δが設けられているため、
弁体35、36はロータ34のボス部34eとの当接部である中央ボス部を中心として首振り動作が行えるようになっている。また、弁体35,36の軸孔35a,36aは、シャフト37に対して十分なクリアランスが設定されており、弁体35,36の動作を妨げないようになっている。
【0032】
本発明の電動流量制御弁に流体が流れると、例えば下側の絞り弁部42においては、流体が連通孔36b→溝36d→弁口33bへ流れるときに、弁口33bの位置にて流体が絞られて圧力差が発生する。弁口33bの位置は弁体36の中央から偏心した位置にあるため、弁体はその中心から偏心した位置にある弁口33bの位置で流体圧を受け、下弁座シート33側に押し付けられる。この流体圧により、弁体36は自動的に首振り動作を行い、図3に示すように、弁体36の回転方向の位置には関係なく、常に弁口33bの位置で下弁座シート33と線接触する。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明においては、ロータのボス部34eと弁体35、36の中央のボス部とで当接するため、上流側の弁体35とロータ34が流体の流れ抵抗により下流側の弁体36に押し付けられた場合においても、絞り弁部として機能する下流側の弁体36は容易に首振り動作をすることができる。
【0034】
また、請求項2に記載の発明によれば、弁座シート32,33の弁座面をプレス成形等の加工による三つ葉形状の凸部として形成することにより、従来の弁座シートの同心円上の複数箇所(三ヶ所)に凸部を設ける場合に比べると凸部の中心を繋ぐサークル径を小さくできる。つまり、凸部に対応して弁座面に設けられる弁口の位置を中心に近づけることができ、弁の小型化を図ることができる。
【0035】
また、請求項3に記載の発明によれば、三つ葉状の凸部のくびれ部とリング状の溝32e,33eとが導通するようになっているため、溝32c,33cは三つ葉状の凸部の外側と同じ圧力となり、流体圧が作用する弁体の面積が溝32c,33cの内側の面積に限定されるので、弁体が弁座シートに押し付けられる荷重も限定され、ひいては、弁体の摺動抵抗が小さくなり、駆動手段の小さな小型の電動流量制御弁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す縦断面図。
【図2】 図1のA−A断面図。
【図3】 弁体に傾斜各角αを付けた時の下弁座シートと下弁体の拡大縦断面図。
【図4】 弁体と弁座シートにそれぞれ傾斜各角α,βを付けた時の下弁座シートと下弁体の拡大縦断面図。
【図5】 下弁座シートの拡大斜視図。
【図6】 下弁体の拡大下面図であり、(a)面取りがない状態を示し、(b)は面取りが施された状態を示す。
【図7】 面取りがない状態に於ける弁体の溝と連通孔のつながり状態を示す展開図。
【図8】 面取りが施された状態に於ける弁体の溝と連通孔のつながり状態を示す展開図。
【図9】 従来の電動流量制御弁の縦断面図。
【図10】 ロータと弁体の係合状態を表し、(a)は図5のA−A断面図であり、(B)は図5のB−B断面図である。
【図11】 上弁体及び下弁体に形成される溝の形態を表し、(a)図5のC−C断面図であり、(b)〜(d)は図5のD−D断面における全開状態、中間状態及び全閉状態を表す縦断面図である。
【図12】 下弁座シートの斜視図。
【符号の説明】
31 筒状ケース、 32 上弁座シート、33 下弁座シート、 32a、33a 軸穴、32b、33b 弁口、 32c、33c 当り面、32d、33d摺動面、 32e、33eリング状の溝、34 ロータ、 34a、34b切り欠き部、34c 凸部、 34dリブ、 34e ボス部、35 上弁体、 36 下弁体、35a、36a軸孔、 35b、36b 連通孔、35c、36c突出部、 35d、36d 溝、35d’、36d’面取り、35e、36e 溝の断面積が最大となる位置、36f 係止片、35g、36g連通孔、 35h、36h 弁体のキー溝、35i、36i弁体のつば部、37シャフト、38 固定コイル、 39a、39b 流入出管、40 ストッパー、 41 上流側の絞り弁部、42 下流側の絞り弁部。 44 ピストンリング

Claims (3)

  1. 筒状ケース(31)の上端部と下端部にそれぞれ上弁座シート(32)と下弁座シート(33)を設けると共に外周に固定コイル(38)を配置させ、前記筒状ケース(31)内にはロータ(34)及びロータの上部と下部に離接し該ロータと一体的に回動する上弁体(35)及び下弁体(36)をステッピングモーター等の駆動手段によって可逆的に作動させ、前記の上弁体(35)と上弁座シート(32)により上流側の絞り弁部(41)を構成させ、また下弁体(36)と下弁座シート(33)により下流側の絞り弁部(42)を構成させることにより、該弁体の回動により流体の流れ方向に応じて2つの絞り弁部の何れかの開度を制御することにより、ヒートポンプ式冷凍サイクルの冷媒通過量を調整し、冷凍サイクルの能力制御を行う電動流量制御弁で、前記上弁体(35)及び下弁体(36)をシャフト(37)にて遊嵌状に支持させると共に、一方、前記ロータ(34)の中心部にはリブ(34d)を介してボス部(34e)を設け、該ボス部(34e)を前記シャフト(37)にて遊嵌状に支持するように構成し、前記のボス部(34e)は、該ボス部の両端面がそれぞれ上弁体(35)と下弁体(36)に当接する長さとすると共にロータ(34)の長さを、前記ボス部の端面より上下方向における内側に0.3〜0.5mm短くなるように設定し、ロータ(34)の端面と弁体の下端面との間に隙間δを設けたことを特徴とする電動流量制御弁。
  2. 上弁座シート(32)及び下弁座シート(33)には三つ葉状に突出した弁体との摺動面(32d)が形成され、前記三つ葉形の1つに弁口(32b)または(33b)が設けられたことを特徴とする請求項1の電動流量制御弁。
  3. 上下の弁体に設けられた弁口(32b、33b)の周りには、幅=約0.5mmのリング状の溝(32e、33e)
    を設け、前記の三つ葉状摺動面におけるくびれ部において、溝の外輪の一部が欠落するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動流量制御弁。
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