JP3986747B2 - 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置並びにデータ処理方法及び装置 - Google Patents
飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置並びにデータ処理方法及び装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3986747B2 JP3986747B2 JP2000326570A JP2000326570A JP3986747B2 JP 3986747 B2 JP3986747 B2 JP 3986747B2 JP 2000326570 A JP2000326570 A JP 2000326570A JP 2000326570 A JP2000326570 A JP 2000326570A JP 3986747 B2 JP3986747 B2 JP 3986747B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- data
- shift
- time
- signal
- output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/0027—Methods for using particle spectrometers
- H01J49/0036—Step by step routines describing the handling of the data generated during a measurement
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/26—Mass spectrometers or separator tubes
- H01J49/34—Dynamic spectrometers
- H01J49/40—Time-of-flight spectrometers
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はイオン化された試料を加速し、質量の相違に基づく検出器への到達時間差を測定して試料分析を行う飛行時間型質量分析装置(Time Of Flight Mass Spectrometer : TOFMS)用のデータ収集及び処理を行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、TOFMSにおけるTOFデータを収集する方式には、イオン化された試料を加速した時間を起点として、
(1)イオンが検出器に到達した時間を、次々にストツプウォッチ方式で記録するTime to Digital (TDC)方式、
(2)スペクトルをAnalogue to Digital Converter (ADC)でA/D変換する方式があり、両者には各々得失がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
TDC方式は、ある閾値(スレッショルドレベル)以下のパルスを計数しないように設定できるためノイズに強く、またイオンが検出器に到着した時間のみ記録するので、必要とするメモリが少なくてすむ利点があるが、パルスが連続して来た時にストップウォッチ動作が間に合わず数え落とし(不感時間:Dead Time)があるため、計測できるイオン量が少なく、試料導入量を少なくしておかなければならないという欠点がある。
【0004】
ADC方式は、イオン検出器として使用される二次電子増倍管のパルス領域から電流領域までの広い動作領域でA/D変換できるため、扱えるイオン量は多いが、検出器の出力パルス幅が狭い場合、A/D変換速度が遅いとパルスをA/D変換し損ねるため高速ADCを高速のクロックで動作させる必要があり、これによりメモリが大量に必要となる。また高速ADCに対してメモリは低速なので、ADCとメモリを接続する制御回路は複数(通常8個以上)並列に動作させる必要があり、回路規模が大きくなる。また、高速ADCは高価でもある。また、TDC方式に比べノイズの影響を受けやすい。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためのもので、TOFデータを収集する際、単なるTDC方式よりTOFMSの扱える試料のダイナミックレンジを大きくし、単なるADC方式より少ないメモリ、小さな回路規模で、かつ低コストでデータ収集ができるようにすることを目的とする。
【0006】
また、本発明は、そのようにして収集されたデータに基づいて時間データを作成する処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の飛行時間型質量分析装置用データ収集方法は、スペクトル信号を複数のレベル別に弁別し、弁別された各信号をシリアルイン−パラレルアウトの複数のシフトレジスタに入力し、シフトクロックで一定のビット数シフトする毎に、シフトレジスタに弁別した信号入力があったことを条件に、シフトクロックスタートからの時間と前記シフトレジスタ内のシフトデータを読み出して記録するようにしたことを特徴とする。
【0008】
更に、本発明の飛行時間型質量分析装置用データ収集方法は、スペクトル信号を複数のレベル別に弁別し、弁別された各信号をシリアルイン−パラレルアウトの複数のシフトレジスタに入力し、シフトクロックで一定のビット数シフトする毎に、シフトレジスタに弁別した信号入力があったことを条件に、シフトクロックスタートからの時間と前記シフトレジスタ内のシフトデータを読み出して記録し、記録された該シフトデータに基づいて時間データを作成し、作成した時間データを該シフトデータと対応して記録されたシフトクロックスタートからの時間と組み合わせて記録するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の飛行時間型質量分析装置用データ収集装置は、スペクトル信号が入力される異なるスレッショルドレベルに設定された複数のコンパレータと、前記各コンパレータで弁別された信号が入力されるシリアルイン−パラレルアウトの複数のシフトレジスタと、シフトクロックを分周して一定のシフトクロック数毎に出力を発生する分周回路と、分周回路の出力を計数するカウンタと、分周回路の出力と前記シフトレジスタ内のシフトデータの論理積信号により読み出し信号を発生する読み出し信号発生手段と、該読み出し信号発生手段からの読み出し信号に基づいて前記シフトデータと前記カウンタの出力値を組み合わせて記憶するメモリと、を備えたことを特徴とする。
【0010】
更に、本発明の飛行時間型質量分析装置用データ処理装置は、スペクトル信号が入力される異なるスレッショルドレベルに設定された複数のコンパレータと、前記各コンパレータで弁別された信号が入力されるシリアルイン−パラレルアウトの複数のシフトレジスタと、シフトクロックを分周して一定のシフトクロック数毎に出力を発生する分周回路と、分周回路の出力を計数するカウンタと、分周回路の出力と前記シフトレジスタ内のシフトデータの論理積信号により読み出し信号を発生する読み出し信号発生手段と、該読み出し信号発生手段からの読み出し信号に基づいて前記シフトデータと前記カウンタの出力値を組み合わせて記憶する第1のメモリと、該組み合わせて記憶されたカウンタの出力値とシフトデータに基づいて1つ又は複数の時間データを作成するデコーダと、該デコーダにより作成された1つ又は複数の時間データと前記組み合わせて記憶されたカウンタの出力値とを組み合わせて1つ又は複数の複合時間データとして記録する第2のメモリと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の飛行時間型質量分析装置用データ収集及び処理装置の全体構成を示す図、図2は図1においてデータ収集回路1を例にした説明図、図3、図4はTOFスペクトル信号とコンパレータのスレッショルドの関係を説明する図である。
【0012】
図1において、TOFスペクトル信号は、スレッショルドレベルがそれぞれ別個に設定されているコンパレータA〜Dからなるレベル弁別装置2にバッファアンプ1を通して加えられる。各コンパレータのスレッショルドレベルは、各コンパレータに付属した可変直流電圧源により図3(a)、図4(a)のように設定され、コンパレータによってスレッショルドレベルと比較された結果、スレッショルドレベル以上であれば「1」、未満であれば「0」のデジタル化された信号となり、このレベル弁別装置2の出力は、オシレー夕(OSC)3からのクロックでデータ収集回路A〜Dからなるデータ収集装置6にイオンの飛行時間の下位桁として取り込まれる。
【0013】
TOFスペクトル信号は、試料のイオンを高電圧パルスにより衝撃加速して発生させるが、その衝撃加速のトリガ信号によりOSC3をスタートさせている。TOFMSの時間分解能はOSCの周波数で決まるため、OSCは可能な限り高い周波数(例えば1GHz)のクロック信号を発生させる。また、OSC3のクロックは1/2n分周回路4で分周され、分周出力はデータ収集装置6のメモリヘの書き込み信号となり、またmビットカウンタ5でカウントされてイオンの飛行時間の上位桁としてデータ収集装置6に書き込まれる。
【0014】
データ収集装置6の各データ収集回路A〜Dは同一構成であるので、データ収集回路Aを例にした図2を参照してより詳細に説明すると、OSC3で発生された原クロック(例1GHz)は、2nビットシフトレジスタ10(例n=4、ビット数16)のシリアルシフトクロックに入力される。
【0015】
このシフトレジスタ10はシリアルイン−パラレルアウトであり、シフトクロックによりシリアルデータインに入力されているデジタル化されたコンパレータAの弁別出力が、イオンの飛行時間の下位桁を示すシフトデータとして取り込まれる。シフトレジスタ10のパラレルアウトは、(m+2n)ビットのFIFO(First In First Out)メモリ(例m=16、n=4の場合、32ビットFIFOメモリ)のデータインの下位桁(下位16ビット)に接続されている。
【0016】
一方、OSC3で発生された原クロック(例1GHz)は、1/2n分周回路4で分周(例n=4、周波数1GHz/16=62.5MHz)され、mビットカウンタ5(m=16→65536進)とAND回路13に供給される。mビットカウンタ5の内容はイオンの飛行時間の上位桁を表しており、これがFIFOメモリ11のデータインの上位桁(上位16ビット)へ送られて書き込まれる。シフトレジスタ10のパラレルアウトは、OR回路12で全ビットのORがとられてAND回路13に入力されている。
【0017】
すなわち、シフトレジスタ内のシフトデータに1個でも「1」があれば、62.5MHzのクロックがFIFOメモリの書き込み入力(ライトクロック)に印加されてデータ(イオンの飛行時間の上位桁(16ビット)とシフトデータ(16ビット))がFIFOメモリ13に書き込まれる。シフトデータに1個も「1」がなければデータの書き込みは行われない。上記書き込みクロック(1GHz/16=62.5MHz)は、シフトビット数16と一致させてあるため、シフトデータに1個でも「1」があればシフトデータ16個に一回FIFOメモリに書き込みが行われる。
【0018】
シフトデータを飛行時間の下位桁へ換算すること、及び飛行時間の上位桁との接続はダイムエンコーダ14で行われる。タイムエンコーダ14は16ビット解読するごとに読み取り信号をFIFOメモリ11へ送ってデータを解読し、時間信号を生成する。弁別レベル間の時間関係は、時間上位桁がシフトデータと同一ワード内に記録されているので、ヒストグラム演算装置7では時間上位桁が一致するデータを一つのパルスとして認識することができ、複数回のスキャンが行われた場合、ヒストグラム化される。なお、ヒストグラム演算装置7は、前記各コンパレータに付属する直流電圧源を制御し、各コンパレータに適宜なスレッショルドレベルを設定する役割も持つ。
【0019】
図3、図4は、m=16、n=4の場合のTOFスペクトル信号とコンパレータのスレッショルドレベルの関係を示している。図3(a)、図4(a)に示すようなTOFスペクトル信号が検出されたとき(なお、便宜上、図3と図4に分けているがこれらは連続しているものとする)、最初のピークP1はレベル1とレベル2の間にあり、他の小さなピークはレベル1に達しないため、ピークP1のみシフトレジスタに「1」として書き込まれ、16ビット目にAND回路13から書き込みクロック(62.5MHz)がFIFOメモリ11のライトクロックに印加され、データ(イオンの飛行時間の上位桁とシフトデータ(図3(b))が書き込まれる。
【0020】
このときレベル2〜4のシフトデータに1個も「1」がないためAND回路13から書き込みクロックが出力されず、FIFOメモリヘの書き込みは行われない。次のピークP2ではレベル2とレベル3の間にあり、レベル1では3個の「1」が連続して書き込まれ、レベル2では1個の「1」が書き込まれ、レベル3、4ではシフトデータに1個も「1」がないため、AND回路13から書き込みクロックが出力されず、FIFOメモリヘの書き込みは行われない。
【0021】
ピークP3の場合は、ピークP1の場合と同様にレベル1のみデータが書き込まれる。ピークP4の場合も同様に、レベル3では2個の「1」が、レベル2では4個の「1」が、レベル1では6個の「1」がそれぞれ連続して書き込まれ、ピークP5の場合は、レベル4では1個の「1」が、レベル3では4個の「1」が、レベル2では6個の「1」が、レベル1では8個の「1」がそれぞれ連続して書き込まれる。各レベル別に「1」のデータを抽出した図3(c)、図4(c)のデータから、各ピークについて、その高さと幅の情報が得られていることが分かる。
【0022】
すなわち、検出器からのパルスの到達時間と、パルス高さ、パルス幅が同時に計測されている。なお、このデータをヒストグラム化する場合、レベル1〜4で重複してパルスがカウントされているので、この補正を行うようにする。
【0023】
図5は、前述したタイムエンコーダ14の構成例を示すブロック図である。図5において、FIFOメモリ11は、便宜上、下位16ビットデータ(シフトデータ)と上位16ビットデータ(タイムデータ)をそれぞれ格納するFIFOメモリ11a,11bの2つに分けて描かれている。このFIFOメモリ11a,11bからのデータを受け取ってタイムデータに変換するタイムエンコーダは、FIFOメモリ11bからタイムデータを受け取るレジスタHと、レジスタHからのタイムデータがデータイン(上位16ビット)に供給される20ビットFIFOメモリ21と、FIFOメモリ11aからタイムデータを受け取るレジスタSと、レジスタSからのシフトデータを受けてシフトデータに含まれるパルスの位置に応じたタイミングで書き込み信号を作成するためのデコーダ22,OR回路23,AND回路24、及びタイムエンコードクロックをカウントし、カウント出力を前記FIFOメモリ21のデータイン(下位4ビット)及び前記デコーダ22に供給する4ビット2進カウンタ25とから構成される。
【0024】
今、FIFOメモリ11a,11bのリード入力にリードパルスが与えられると、FIFOメモリ11aからレジスタSにシフトデータが、FIFOメモリ11bからタイムデータがそれぞれ書き込まれてラッチされる。
【0025】
ここで、レジスタS内のシフトデータは、時間の若い順にT0〜T15として並んでいる。レジスタHに時間データの上位が格納されているので、これをH(m)とすれば、m=16の場合、H(m)は0〜65535の値を取り、かつH(m)は、シフト数を2nとすれば、16を乗じた値が時間データの上位を表わす。したがって、T0〜T15に時間を付与する場合には、
T0(H(m))=(H(m)X16+0[Clk],T1(H(m))=(H(m)X16+1[Clk],・・・
T15(H(m))=(H(m)X16+15[Clk]
となる。[Clk]は時間単位で、原クロックが1GHzとすれば、1nSである。
【0026】
タイムエンコードクロック(原クロックとは必ずしも同期している必要はないが、タイムエンコード処理を高速に行う必要から、20MHz以上が望まれる)は、タイムデータの下位を決定するためにカウントするカウンタ25(シフトデータが24=16ビットの場合4ビット)のクロック入力と前記AND回路24に供給されている。
【0027】
カウンタ25のカウントコード出力(A,/A,B,/B,C,/C,D,/D)は、バイナリコード0000,0001,0002,0003,・・・1110,1111としてデコーダ22を構成する16個の5入力AND回路に供給される。そして、各AND回路においてレジスタSの出力とANDが取られ、各AND回路の出力はOR回路でORが取られ、更に、タイムエンコードクロックとANDを取るためのAND回路24に供給される。
【0028】
図6は、タイムエンコードクロックとT0〜T15およびFIFOメモリ21へのデータ書き込み指令パルス(Write Clock)のタイミングを示す図である。この例は、T0,T5,T6,T12が「1」すなわちイオンが検出器に到達しパルスとして検出されたタイミングである。書き込み指令パルスは、t0,t5,t6,t12の時のみ発生し、そのタイミングでカウンタ25からの4ビットの下位データとFIFOメモリ11bからの16ビットの上位データとからなる20ビットのタイムデータがFIFOメモリ21へ書き込まれる。
【0029】
図7は、FIFOメモリ11a,11b内に格納されていたタイムエンコード前のデータ(タイムデータおよびシフトデータ)が、FIFOメモリ21内にタイムエンコードされて格納された様子を表わす図である。図7(a)において下線を付したFIFOメモリ11b,11aの先頭のデータ「0000000000001010」,「0001000001100001」が、図7(b)において下線を付したFIFOメモリ21の先頭から4つのデータ
「0000000000001010 0000」
「0000000000001010 0101」
「0000000000001010 0110」
「0000000000001010 1100」
に変換されている。この4つのデータの下位4ビットは、先に説明したt0,t5,t6,t12のタイミングでの、カウンタ25のカウント出力で与えられたものであり、シフトデータ「0001000001100001」中の4つの「1」が存在する位置が時間に変換されていることが分かる。
【0030】
以後、順次FIFOメモリ11a,11bからデータが読み出され、タイムエンコードされた結果がFIFOメモリ21に書き込まれて行く。そして、ヒストグラム演算装置7は、FIFOメモリ21のタイムデータを読み出し、繰り返しのスキャン(測定)が行われた場合のヒストグラム処理を行う。
【0031】
図8は、タイムエンコーダの他の構成例を示している。本例では、図5に示された構成におけるレジスタSとデコーダ22とOR回路23の代わりに、パラレルインシリアルアウトのシフトレジスタ30が用いられている。
【0032】
なお、スレッショルドレベルき上述した例のように等間隔に設定する必要はない。例えば図9(a)に示すように最初のレベルを高く取り、後を等間隔に設定しても良いし、図9(b)に示すように最初のレベルを低く取り、後を等間隔に設定しても良いし、図9(c)に示すようにレベル1から徐々に狭くなるようにしても良い。
【0033】
更に、各パルスの高さの情報を取り出す際、上記例では4つのスレッショルドレベルにより4段階に区分して取り出しているが、スレッショルドレベルを更に多く設定すれば、更に多段階に区分して取り出すことができる。また、4つのスレッショルドレベルのままでも、以下のような考え方を導入することにより、5段階以上に区分して各パルスの高さ情報を取り出すことも可能である。
【0034】
例えば、図10に示すパルスP7のように、一番高いレベル4において計測されるパルス幅がある程度以上広い(例えばクロック2個分以上)場合、そのパルスは更に高いレベル5(実際には設定されていないが)を越えるものと推測し、そのパルスのレベルを4ではなく5に補正して認定するという考え方である。このような考え方を導入することにより、限られた数のコンパレータにより、広いダイナミックレンジでパルスの高さ情報を取り出すことが可能となる。
【0035】
また、コンパレータA〜Dにおいてスレッショルドレベルを規定する可変電圧源として、D/A変換器を用いることができる。D/A変換器を用いれば、スレッショルドレベルの変更が容易かつ迅速に行えるので、前述した各種の設定を任意に選択できる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、検出器からのパルスの到達時間、パルス幅、パルス高を同時計測することにより、単なるTDC方式よりTOFMSの扱える試料のダイナミックレンジを大きくし、単なるADC方式より少ないメモリ、小さな回路規模で、かつ低コストでデータ収集することが可能となる。.
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飛行時間型質量分析装置用データ収集及び処理装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1においてデータ収集回路1を例にした説明図である。
【図3】TOFスペクトル信号とコンパレータのスレッショルドの関係を説明する図である。
【図4】TOFスペクトル信号とコンパレータのスレッショルドの関係を説明する図である。
【図5】タイムエンコーダ14の構成例を示すブロック図である。
【図6】タイムエンコードクロックとT0〜T15およびFIFOメモリ21へのデータ書き込み指令パルスのタイミングを示す図である。
【図7】FIFOメモリ11a,11b内に格納されていたタイムエンコード前のデータが、FIFOメモリ21内にタイムエンコードされて格納される様子を表わす図である。
【図8】タイムエンコーダの他の構成例を示す図である。
【図9】スレッショルドレベルの他の設定例を示す図である。
【図10】限られた数のコンパレータにより、広いダイナミックレンジでパルスの高さ情報を取り出す考え方を説明するための図である。
【符号の説明】
1…バッファアンプ
2…レベル弁別装置
3…発振器
4…分周回路
5…カウンタ
6…データ収集装置
7…ヒストグラム演算装置
10…シフトレジスタ
11,11a,11b,21…FIFOメモリ
12,23…OR回路
13,24…AND回路
14…タイムエンコーダ
22…デコーダ
25…2進カウンタ
Claims (6)
- スペクトル信号を複数のレベル別に弁別し、弁別された各信号をシリアルイン−パラレルアウトの複数のシフトレジスタに入力し、シフトクロックで一定のビット数シフトする毎に、シフトレジスタに弁別した信号入力があったことを条件に、シフトクロックスタートからの時間と前記シフトレジスタ内のシフトデータを読み出して記録するようにしたことを特徴とする飛行時間型質量分析装置用データ収集方法。
- スペクトル信号を複数のレベル別に弁別し、弁別された各信号をシリアルイン−パラレルアウトの複数のシフトレジスタに入力し、シフトクロックで一定のビット数シフトする毎に、シフトレジスタに弁別した信号入力があったことを条件に、シフトクロックスタートからの時間と前記シフトレジスタ内のシフトデータを読み出して記録し、記録された該シフトデータに基づいて時間データを作成し、作成した時間データを該シフトデータと対応して記録されたシフトクロックスタートからの時間と組み合わせて記録するようにしたことを特徴とする飛行時間型質量分析装置用データ処理方法。
- スペクトル信号が入力される異なるスレッショルドレベルに設定された複数のコンパレータと、前記各コンパレータで弁別された信号が入力されるシリアルイン−パラレルアウトの複数のシフトレジスタと、シフトクロックを分周して一定のシフトクロック数毎に出力を発生する分周回路と、分周回路の出力を計数するカウンタと、分周回路の出力と前記シフトレジスタ内のシフトデータの論理積信号により読み出し信号を発生する読み出し信号発生手段と、該読み出し信号発生手段からの読み出し信号に基づいて前記シフトデータと前記カウンタの出力値を組み合わせて記憶するメモリと、を備えたことを特徴とする飛行時間型質量分析装置用データ収集装置。
- 前記複数のコンパレータは、それぞれに付属して設けられるD/A変換器によってスレッショルドレベルが設定されることを特徴とする請求項3記載の飛行時間型質量分析装置用データ収集装置。
- スペクトル信号が入力される異なるスレッショルドレベルに設定された複数のコンパレータと、前記各コンパレータで弁別された信号が入力されるシリアルイン−パラレルアウトの複数のシフトレジスタと、シフトクロックを分周して一定のシフトクロック数毎に出力を発生する分周回路と、分周回路の出力を計数するカウンタと、分周回路の出力と前記シフトレジスタ内のシフトデータの論理積信号により読み出し信号を発生する読み出し信号発生手段と、該読み出し信号発生手段からの読み出し信号に基づいて前記シフトデータと前記カウンタの出力値を組み合わせて記憶する第1のメモリと、該組み合わせて記憶されたカウンタの出力値とシフトデータに基づいて1つ又は複数の時間データを作成するデコーダと、該デコーダにより作成された1つ又は複数の時間データと前記組み合わせて記憶されたカウンタの出力値とを組み合わせて1つ又は複数の複合時間データとして記録する第2のメモリと、を備えたことを特徴とする飛行時間型質量分析装置用データ処理装置。
- 前記第1及び第2のメモリは、FIFOメモリであることを特徴とする請求項5記載の飛行時間型質量分析装置用データ処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000326570A JP3986747B2 (ja) | 1999-12-28 | 2000-10-26 | 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置並びにデータ処理方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-374255 | 1999-12-28 | ||
JP37425599 | 1999-12-28 | ||
JP2000326570A JP3986747B2 (ja) | 1999-12-28 | 2000-10-26 | 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置並びにデータ処理方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001249112A JP2001249112A (ja) | 2001-09-14 |
JP3986747B2 true JP3986747B2 (ja) | 2007-10-03 |
Family
ID=26582570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000326570A Expired - Fee Related JP3986747B2 (ja) | 1999-12-28 | 2000-10-26 | 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置並びにデータ処理方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3986747B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0610752D0 (en) | 2006-06-01 | 2006-07-12 | Micromass Ltd | Mass spectrometer |
-
2000
- 2000-10-26 JP JP2000326570A patent/JP3986747B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001249112A (ja) | 2001-09-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4490806A (en) | High repetition rate transient recorder with automatic integration | |
US6563902B2 (en) | Energy dispersive X-ray analyzer | |
WO1995000236A1 (en) | Transient recorder in time-of-flight mass spectrometer | |
US6621443B1 (en) | System and method for an acquisition of data in a particular manner | |
WO1999021063A1 (en) | Timing circuit | |
JP3986747B2 (ja) | 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置並びにデータ処理方法及び装置 | |
US7863556B2 (en) | Enhanced resolution mass spectrometer and mass spectrometry method | |
Becker et al. | Signal processing in the front-end electronics of BaBar vertex detector | |
JP2002245963A (ja) | 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置 | |
JP2002260577A (ja) | 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置 | |
JP4357342B2 (ja) | 質量分析装置 | |
JP2002343300A (ja) | 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置 | |
JP3171026B2 (ja) | 周波数スペクトル分析装置 | |
Bourgeois | Proposal for a fast, zero suppressing circuit for the digitization of analog pulses over long memory times | |
KR100976047B1 (ko) | 다채널 신호의 데이터 획득 시스템 | |
JP2566006B2 (ja) | 放射線検出器用波高検出回路 | |
SU894860A1 (ru) | Аналого-цифровой преобразователь | |
SU1550559A2 (ru) | Устройство дл временного сжати входного сигнала | |
SU881732A1 (ru) | Цифровой дискриминатор | |
RU2268485C2 (ru) | Устройство для классификации последовательности цифровых сигналов | |
JPS5948658A (ja) | エイリアシングエラ−検出回路 | |
SU1661827A1 (ru) | Устройство дл распознавани звуков речи | |
US5204833A (en) | Method and apparatus for recording waveform | |
SU1765831A1 (ru) | Устройство дл определени плотности веро тности случайного процесса | |
SU1164734A1 (ru) | Устройство дл анализа распределений случайных процессов |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040615 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060919 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061110 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070703 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070711 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130720 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130720 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |