JP2002343300A - 飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置 - Google Patents

飛行時間型質量分析装置用データ収集方法及び装置

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JP2002343300A
JP2002343300A JP2001145169A JP2001145169A JP2002343300A JP 2002343300 A JP2002343300 A JP 2002343300A JP 2001145169 A JP2001145169 A JP 2001145169A JP 2001145169 A JP2001145169 A JP 2001145169A JP 2002343300 A JP2002343300 A JP 2002343300A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大がかりな構成を必要とせずに時間情報と強度
情報の両方を得ることのできる飛行時間型質量分析装置
用データ収集方法及び装置を提供する。 【解決手段】繰り返し測定される飛行時間型質量スペク
トル信号をコンパレータに導入し、該コンパレータの参
照レベルを前記測定毎に変更し、得られた各参照レベル
についてのコンパレータの比較出力を時間軸を合わせて
合成することにより、合成スペクトルデータを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン化された試
料を加速し、質量に対応した検出器への到達時間を測定
して試料の質量分析を行う飛行時間型質量分析装置(Tim
e Of Flight Mass Spectrometer: TOFMS)用のデータ収
集方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、TOFMSにおけるTOFデータを収集す
る方式には、アナログ・ツー・デジタル(Analogue to D
igital Converter)方式(本明細書ではこの方式をADC方
式と称す)と、タイム・ツー・デジタル(Time to Digita
l)方式(本明細書ではこの方式をTDC方式と称す)の2つの
方式がある。ADC方式は、試料イオンを加速した時間を
起点として、検出器から得られた飛行時間型質量スペク
トル信号を一定クロックでA/D変換する方式である。ま
た、TDC方式は、イオン化された試料を加速した時間を
起点として、イオンが検出器に到達した時間を、次々に
ストップウォッチ方式で記録する方式である。ADC方式
は、時間情報とイオン強度情報が得られ、検出器のパル
ス領域から電流領域までA/D変換できるため、扱えるイ
オン量が多いという利点があるが、その一方、A/D変換
速度が遅いと検出器の出力パルス幅が狭い場合にはパル
スをA/D変換し損ねるため、高速のA/D変換器を高速のク
ロックで動作させる必要がある。そのため、メモリが大
量に必要となり、またA/D変換器が高速であったとして
もメモリの動作は低速なので、A/D変換器とメモリを接
続する制御回路は複数、通常は8個以上を並列に動作さ
せる必要があり、回路規模が大きくなるという欠点があ
る。また、高速A/D変換器は高価である、TDC方式に比べ
ノイズの影響を受けやすいという欠点もある。これに対
して、TDC方式は、ある閾値レベル以下のパルスを計数
しないように設定できるためノイズに強く、またイオン
が検出器に到着した時間のみ記録するので、必要とする
メモリが少なくてすむという利点がある。しかし、パル
スが連続してきた時にストップウォッチ動作が間に合わ
ず数え落とし(不感時間:Dead Time)があるため、計測で
きるイオン量が少なく、試料導入量を絞っておかなけれ
ばならないという欠点がある。そして、TOFMSにおいて
は、TOFデータを収集するため、ADC方式あるいはTDC方
式のどちらか一方を標準として搭載しているのが通常で
ある。ところで、TDC方式には、リーディングエッジ方
式と称される方式と、レベル検出方式と称される2つの
方式がある。リーディングエッジ方式は、検出器から出
力されるパルスが正極性とした場合、パルスの立ち上が
りをコンパレータにより検出して、スタートパルスから
当該パルスを検出した時点までの時間を記録する方式で
ある。レベル検出方式は、検出器出力をコンパレータに
より閾値レベルと比較して、検出器出力が閾値レベル以
上である場合に"1"、閾値レベル未満の場合には"0"と
して2値化し、その2値化された信号を連続的にシリア
ルシフトレジスタに入れ、"1"が立っている時刻を記録
する方式である。そして、本出願人は、TDC方式であり
ながら時間情報ばかりでなく強度情報も併せて得ること
のできるTOFデータの収集方法及び装置を、特願平11
−374255号において提案している。この提案方法
及び装置によれば、異なる閾値レベルを設定した複数の
コンパレータを用い、各コンパレータによる比較結果を
合成することにより、時間情報と強度情報を併せて得る
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
提案方法及び装置では、時間情報と強度情報を併せて得
ることができるものの、複数のコンパレータを設けて同
時に動作させるため、装置構成が大がかりとなる問題が
ある。本発明は、この点に鑑みてなされたものであり、
TDC方式でありながら装置構成が大がかりにならずに時
間情報と強度情報を合わせて得ることのできるTOFデー
タの収集方法及び装置を提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の飛行時間型質量分析装置用データ
収集方法は、繰り返し測定される飛行時間型質量スペク
トル信号をコンパレータに導入し、該コンパレータの参
照レベルを前記測定毎に変更し、得られた各参照レベル
についてのコンパレータの比較出力を時間軸を合わせて
合成することにより、合成スペクトルデータを得るよう
にしたことを特徴とする。請求項2記載の飛行時間型質
量分析装置用データ収集装置は、繰り返し測定される飛
行時間型質量スペクトル信号が供給され、該信号を参照
レベルにより2値化するコンパレータと、該参照レベル
を測定毎に予め選定された複数段階に変化させる手段
と、各参照レベルについて得られたコンパレータの比較
出力を時間軸を合わせて合成し合成スペクトルデータを
得る合成手段とを備えたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明に基づくTOFMS用データ
収集装置の実施の形態の一例を示す図、図2は繰り返し
得られる飛行時間型質量スペクトル信号と各測定毎に設
定される閾値レベルの関係を説明する図である。図1に
示されているように、TOFMS用データ収集装置は、
バッファアンプ1、発振回路(OSC)2、分周回路3、
カウンタ4、ヒストグラム演算装置5、コンパレータ1
0、DAC11、シフトレジスタ12、OR回路13、
AND回路14、FIFOメモリ15及び制御回路20
で構成されている。発振回路(OSC)2は、TOFMS
(図示せず)から、試料イオンの飛行時間の起点となるス
タートパルスを受けると所定周波数のクロックの発生を
開始し、TOFMSからストップパルスを受けるとクロ
ックの発生を停止する。先に述べたように、TOFMS
の時間分解能はOSC2のクロック周波数で決まるた
め、OSC2は可能な限り高い周波数、例えば1GHz
程度のクロックを発生させる。OSC2からのクロック
は、分周回路3及びシフトレジスタ12のクロック入力
端子に供給される。分周回路3は、OSC2からのクロ
ックを1/2n(nは自然数)に分周して、値が"1"のパル
ス信号である書き込み信号(write)を生成する。そし
て、この書き込み信号はカウンタ4及びAND回路14
の一方の入力端子に供給される。カウンタ4は、書き込
み信号の個数を計数し、その計数値をmビットのタイム
コードとして出力する。このタイムコードは、後述する
ように、ヒストグラム演算装置5において、パルスが検
出された位置のスタートパルスからの時間を求めるタイ
ムエンコード処理を行う際に、スタートパルスからの時
間の上位桁として用いられることになる。なお、このタ
イムコードは質量分析を行っている間発生される必要が
あるが、そのビット数mの値は、TOFMSから供給さ
れるスタートパルスからストップパルスまでのスキャン
(1測定)時間、OSC2のクロック周波数、及び分周回
路3の分周比に基づいて決定すればよい。TOFMSか
らの検出信号は、バッファアンプ1を介してコンパレー
タ10の一方の入力端子にそれぞれ供給される。コンパ
レータ10の他方の入力端子には、制御回路20から与
えられたデジタルの閾値レベルがDAC11によってア
ナログ信号に変換されて供給されている。そして、コン
パレータ10は、バッファアンプ1の出力信号レベルを
閾値レベルと比較し、バッファアンプ1の出力レベルが
閾値レベル以上の場合には"1"、閾値レベル未満であれ
ば"0"を出力する。即ち、コンパレータ10はバッファ
アンプ出力を閾値レベルによって2値化するのであり、
コンパレータ10の出力が"1"のときはパルスが検出さ
れたことになる。そして、コンパレータ10の出力はシ
フトレジスタ12のシリアルイン端子に入力される。シ
フトレジスタ12は、2nビットのシリアルイン−パラ
レルアウトのシフトレジスタである。即ち、シフトレジ
スタ12のシフトビット数は分周回路3の分周比に合わ
せてある。具体的には、分周回路3の分周比を上記のよ
うに1/2と表すものとすると、シフトレジスタ12
のシフトビット数と、分周回路3の分周比とは互いに逆
数の関係になされているのである。従って、分周回路3
の出力は書き込み信号であるから、書き込み信号はシフ
トレジスタ12のシフトビット数と一致されているとい
うことができる。そして、シフトレジスタ12は、OS
C2からシリアルシフトクロック端子に供給されたクロ
ックのタイミングでコンパレータ10からのデジタル信
号を取り込む。そして、シフトレジスタ12は2ビッ
トだけ取り込むと、その2ビットのデータをパラレル
アウトから出力する。OR回路13は、シフトレジスタ
12のパラレルアウトから出力される2ビットの全ビ
ットの論理和(OR)をとり、この2ビットの中に一つ
でも値が"1"のビットがあれば"1"を出力し、2ビッ
トの中に値が"1"のビットが一つもなければ"0"を出力
する。AND回路14は分周回路3からの書き込み信号
と、OR回路13の出力を入力して両者の論理積(AN
D)を演算する。従って、2つの入力が共に"1"である
場合にのみAND回路14から"1"の値が出力され、こ
れによってAND回路14は分周回路3からの書き込み
信号を通過する。なお、本明細書では、シフトレジスタ
12からパラレルアウトされる2ビットのデータをシ
フトデータと称することにする。FIFOメモリ15に
は、シフトレジスタ12からのシフトデータと、カウン
タ4からのタイムコードと、AND回路14の出力が入
力されるが、FIFOメモリ15は、AND回路14か
らの書き込み信号がある場合にのみ、シフトデータとタ
イムコードの書き込みを行う。つまり、シフトデータの
中に一つでも値が"1"のビットがある場合にのみ、シフ
トデータとタイムコードがFIFOメモリ15に書き込
まれることになる。従って、FIFOメモリ15に必要
な最低限のメモリ容量は(m+2)ビットである。この
分周回路3からの書き込み信号、従ってAND回路14
の出力である書き込み信号は、シフトレジスタ12のシ
フトビット数と合わされているため、シフトレジスタ1
2からパラレルアウトされるシフトデータ中に1個で
も"1"の値のビットがあれば、シフトデータ2個に一
回FIFOメモリ15に書き込みが行われることになる
のである。ヒストグラム演算装置5は、所定の周期でF
IFOメモリ15に読み取り信号(read clock)を送って
FIFOメモリ15からデータを読み取り、読み取った
タイムコードと2個のシフトデータに基づいて、2
個のシフトデータ中の値が"1"のビットのスタートパル
スからの時間を解読するタイムエンコードの処理を行
う。このタイムエンコードの処理は次のようである。ま
ず、OSC2のクロック周波数及び分周回路3の分周比
は既知であるから、FIFOメモリ15から読み込んだ
タイムコードの値から、当該2個のシフトデータが何
番目の書き込み信号によって書き込まれたものか、より
具体的にはスタートパルスからどの時間からどの時間ま
でのデータであるかが分かる。このような意味で、タイ
ムコードはスタートパルスからの時間の上位桁として用
いられるのである。そして、値が"1"のビットがそのシ
フトデータの中の何番目にあるかによって、当該ビット
のスタートパルスからの時間を求めるのである。これが
スタートパルスからの時間の下位桁となる。そして、ヒ
ストグラム演算装置5は、タイムエンコード処理の結果
得られた検出パルスの時間データを保存する。ところ
で、質量分析を行う際、一つの試料について複数回のス
キャン(測定)が行われる。そして測定の都度、制御回路
20から与えるデジタルの閾値レベルは、予め定められ
た複数段階に順次設定される。そして、予め定められた
回数の測定が終了すると、ヒストグラム演算装置5は、
蓄積されたスキャン毎の検出パルスの時間データを、ス
タートパルスからの時間軸を合わせて合成し、ヒストグ
ラムを作成する。これによってスペクトルが得られる。
以上、TOFMS用データ収集装置の各部について説明
したが、次に全体的な動作について説明する。ここで、
TOFMSの検出器から図2(1)に示すような波形を持
つTOFスペクトル信号が測定毎に繰り返し得られ、こ
のような波形に対し、図2(1)の縦軸に記されているよ
うに、閾値レベルが閾値1、閾値2,閾値3の3段階設
定されているものとする。制御回路20は、コンパレー
タ10に供給される閾値が1測定毎に、閾値1、閾値
2,閾値3と順次設定されるように制御する。なお、こ
の閾値の設定順序は、任意である。まず、制御回路20
は、第1回目の測定にあたり、コンパレータの閾値を閾
値1に設定する。そして、OSC2は、TOFMSから
第1回目の測定のスタートパルスを受けると、クロック
の発振を開始する。このとき、同時に検出信号がバッフ
ァアンプ1を介して、コンパレータ10の一方の入力端
子に入力される。そして、バッファアンプ1の出力はコ
ンパレータ10によって、閾値1に基づいて2値化され
る。シフトレジスタ12は、OSC2から供給されるク
ロックのタイミングでコンパレータ10からの2値化信
号を順次取り込み、クロックによって順次シフトしてい
く。そして、シフトレジスタ12において2ビット分
だけシフトすると、分周回路3から書き込み信号が発生
され、カウンタ4と、AND回路14に供給される。そ
して、このとき、2ビットのシフトデータの中に1個
でも値が"1"のビットがあれば、AND回路14は書き
込み信号を通過させるので、FIFOメモリ15は当該
シフトビットと、カウンタ4からのタイムコードを書き
込む。シフトデータの中に値が"1"のビットが一つも無
ければAND回路14は書き込み信号を通過させないの
でFIFOメモリ15はシフトデータとタイムコードの
書き込みは行わない。ヒストグラム演算装置5は、所定
の周期毎に各TDC回路のFIFOメモリ15に読み取り
信号を送ってFIFOメモリ15からデータを読み取
り、タイムエンコードの処理を行い、得られた時間デー
タを保存する。図2(2)は、このようにして第1回目の
測定で得られたタイムエンコード後の時間データの例を
示す。
【0006】次に、制御回路20は、第2回目の測定に
あたり、コンパレータの閾値を閾値2に設定する。そし
て、第2回目の測定が第1回目と全く同様に行われ、こ
れにより、図2(3)に示すような閾値2に基づくタイム
エンコード後の時間データが得られる。
【0007】そして、全く同様にコンパレータの閾値が
閾値3に設定されて、第3回目の測定が行われる。図2
(4)は、このようにして第3回目の測定で得られたタイ
ムエンコード後の時間データの例を示す。図2(5)は、
ヒストグラム演算装置5でヒストグラム処理の結果得ら
れた、合成スペクトル信号の例を示している。図2(5)
と図2(1)を比較すれば、検出されたTOFスペクトル
信号に含まれる各ピーク(パルス)について、パルスの開
始時刻、パルス幅、パルス高さが同時に計測されている
ことが分かる。なお、上記例では3段階の閾値を用いた
が、2段階以上であればよい。勿論、4段階より多くの
閾値を用いてもよく、多くの閾値を用いる程、スペクト
ル展開されたものは実際のスペクトルに近いものとな
る。
【0008】図3は、本発明の他の実施の形態の例を示
す図である。本例では、リーディングエッジ方式TDC
に本発明を適用している。図3に示すTOFMS用デー
タ収集装置は、バッファアンプ1、発振回路(OSC)
2、カウンタ4、ヒストグラム演算装置5、コンパレー
タ10、DAC11、時間データホールド回路21、F
IFOメモリ15及び制御回路20で構成されている。
TOFMSの飛行時間起点となるスタート信号がOSC
2に入力されると、OSC2からクロックが発生され
る。OSC2のクロック出力は、時間計測用のタイマー
回路となるカウンタ4に供給されている。タイマー回路
4の出力(タイムコード)は、時間データホールド回路2
1のデータ入力端子に接続されている。
【0009】TOFスペクトル信号は、バッファアンプ
1を介してコンパレータ10に供給されている。コンパ
レータ10の参照入力端子には、制御回路20によって
制御されるDAC11のアナログ出力が接続されてい
る。コンパレータ10の出力は、時間データホールド回
路21のホールド入力端子に接続されている。時間デー
タホールド回路21でホールドされたタイムデータは、
FIFOメモリ15のデータ入力端子に送られる。
【0010】時間データホールド回路21は、FIFO
メモリ15に対する書き込みパルスを発生し、FIFO
メモリ15の書き込み(Write)端子に供給している。ヒ
ストグラム演算回路は、FIFOメモリ15のデータを
読み出し、制御回路20からのスキャン認識信号によっ
てTDCデータのヒストグラム化演算を行う。このよう
な構成において、TOFMSの検出器から図4(1)に示
すような波形を持つTOFスペクトル信号が測定毎に繰
り返し得られ、このような波形に対し、図2と同様、図
4(1)の縦軸に記されているように、閾値レベルが閾値
1、閾値2,閾値3の3段階設定されているものとす
る。制御回路20は、コンパレータ10に供給される閾
値が1測定毎に、閾値1、閾値2,閾値3と順次設定さ
れるように制御する。なお、この閾値の設定順序は、任
意である。まず、制御回路20は、第1回目の測定にあ
たり、コンパレータの閾値を閾値1に設定する。そし
て、OSC2は、TOFMSから第1回目の測定のスタ
ートパルスを受けると、クロックの発振を開始し、その
クロックを計数することにより、タイマー回路は、タイ
マーデータを発生する。このとき、同時に検出信号がバ
ッファアンプ1を介して、コンパレータ10の一方の入
力端子に入力される。そして、コンパレータ10から
は、検出信号が閾値1を越える都度TOF信号パルスが
発生する。時間データホールド回路は、最初のTOF信
号パルスに同期してタイマー回路のタイマーデータ(タ
イマーコード)を保持し、FIFOメモリに書き込む。
通常、TOFスペクトル信号のパルス幅は、FIFOメ
モリが必要とする書き込みパルス (Write) 幅より狭い
ため、時間データホールド回路は、TOFスペクトル信
号パルスによってタイマーコードを保持し、そのデータ
をFIFOメモリの入力データとしておいて、Writeパ
ルスを発生し、データ(タイマーコード)をFIFOメモ
リに書き込む。コンパレータ10から次のTOF信号パ
ルスが発生すると、時間データホールド回路はその時点
のタイマーデータ(タイマーコード)を保持しFIFOメ
モリに書き込む。以下、全く同様に、コンパレータ10
からTOF信号パルスが発生するたびに、時間データホ
ールド回路はその時点のタイマーデータ(タイマーコー
ド)を保持しFIFOメモリに書き込む。1回目の測定
が終了すると、ヒストグラム演算回路は、FIFOメモ
リからデータを読み出し、図4(2)に示すような1回目
測定のスペクトルを生成する。このときのスペクトルの
パルス高は、“1”とされる。次に、制御回路20は、
DAC11から閾値2が出力されるようにデジタルデー
タを与える。そして、2回目の測定のスタート信号によ
り、OSC2がクロックを発生し、タイマー回路はタイ
マーデータの発生を開始する。そして閾値1の時と同様
に、閾値2におけるスペクトルが収集される。このとき
のスペクトルのパルス高は、図4(3)に示すように
“2”とされる。2回目の測定が終了すると、次に、制
御回路20は、DAC11から閾値3が出力されるよう
にデジタルデータを与える。そして、3回目の測定のス
タート信号により、OSC2がクロックを発生し、タイ
マー回路はタイマーデータの発生を開始する。そして閾
値1の時と同様に、閾値3におけるスペクトルが収集さ
れる。このときのスペクトルのパルス高は、図4(4)に
示すように“3”とされる。そして、3回の測定が終了
すると、ヒストグラム演算回路は、閾値1〜3の3回の
測定で得られた3つのスペクトル(図4(2)〜図4(4))を
ヒストグラムとして合成し、図4(5)に示すような合成
スペクトルを得る。この合成スペクトルは、元の検出信
号波形における各パルスの前半半分のみを取り出した形
となるが、TOFスペクトル信号に含まれる各ピーク
(パルス)について、パルスの開始時刻、パルス幅、パル
ス高さが同時に計測されていることが分かる。なお、上
記2つの実施例では、1回の測定毎に閾値を変化させな
がら3回の測定を行い、得られた3つのスペクトルを合
成することにより合成スペクトルを作成したが、同一の
閾値(例えば閾値1)で複数回(例えば256回)つづけて
測定を行ってそのヒストグラムをとり、次に閾値を例え
ば閾値2に変化させて複数回(例えば256回)続けて測
定を行ってそのヒストグラムをとり、さらに閾値を例え
ば閾値3に変化させて複数回(例えば256回)続けて測
定を行ってそのヒストグラムをとり、最後に各ヒストグ
ラムを合成(合計768回分のヒストグラム)して合成ス
ペクトルを得るようにしても良い。
【0011】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
単一のコンパレータを用い、測定毎に閾値を変化させて
測定を行うと共に、各測定で得られた結果を合成するこ
とにより、複雑な構成を必要とせずに、時間情報と強度
情報の両方を得ることのできる飛行時間型質量分析装置
用データ収集方法及び装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る飛行時間型質量分析装置用データ
収集装置の一実施形態の構成を示す図である。
【図2】図1に示す装置の動作を説明するための図であ
る。
【図3】本発明に係る飛行時間型質量分析装置用データ
収集装置の一実施形態の構成を示す図である。
【図4】図1に示す装置の動作を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1…バッファアンプ、2…OSC、3…分周回路、4…カウン
タ、5…ヒストグラム演算装置、10…コンパレータ、11
…DAC、12…シフトレジスタ、13…OR回路、14…AND回
路、15…FIFOメモリ、20…制御回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰り返し測定される飛行時間型質量スペク
    トル信号をコンパレータに導入し、該コンパレータの参
    照レベルを前記測定毎に変更し、得られた各参照レベル
    についてのコンパレータの比較出力を時間軸を合わせて
    合成することにより、合成スペクトルデータを得るよう
    にしたことを特徴とする飛行時間型質量分析装置用デー
    タ収集方法。
  2. 【請求項2】繰り返し測定される飛行時間型質量スペク
    トル信号が供給され、該信号を参照レベルにより2値化
    するコンパレータと、該参照レベルを測定毎に予め選定
    された複数段階に変化させる手段と、各参照レベルにつ
    いて得られたコンパレータの比較出力を時間軸を合わせ
    て合成し合成スペクトルデータを得る合成手段とを備え
    たことを特徴とする飛行時間型質量分析装置用データ収
    集装置。
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