JP3986642B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

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    • G11B11/10586Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the selection of the material

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  • Thin Magnetic Films (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術としては、以下に示すようなものがあった。
【0003】
(1)図7はかかる従来の磁気光ディスク媒体の断面図、図8はその温度過程を取り入れた原理を示す図である。
【0004】
図7において、1は基板、2は窒化膜、3はメモリー層(TbFeCo)、4は記録層(TbDyFeCo)、5は窒化膜、6は接着層、7は初期化磁界(Hint)を生じる磁石、8はバイアス磁界(Hb)を生じる磁石である。
【0005】
これらの図に示すように、この磁気光ディスク媒体は、光の強弱で記録と消去を行うオーバーライト方式であり、磁性層は、記録層4とメモリー層3の2層からなり、磁気的に結合している。ここでは、記録層4のキュリー温度Tcを高く〔図8では280℃(図8の上方の点線参照)〕、メモリー層3のキュリー温度Tcを低く〔図8では170℃〔図8における下方の点線参照)〕に設定するようにしている。
【0006】
記録のときは、記録層4のキュリー温度Tcを超えるほどに強い光を与え、2層とも一緒に、バイアス磁界Hb(約200Oe)の方向(図7及び図8中下向き)に磁化反転させる。
【0007】
消去のときは、まず、前準備として、初期化磁界Hint(7kOe)により、記録層4のみを一様に図7及び図8中上向きに反転させておく。これは記録層4の室温での保持力Ecが小さい(1〜2kOe)ために生じる。この後、消去したい部分に、メモリー層3のTcを超える程度の中間強度の光を照射する。一旦、メモリー層3の磁化は消滅するが、冷却過程で磁気層の磁化方向(上向き)にならい交換結合力の作用で磁気的に結合して、メモリー層3の磁化も上向きに向く、言い換えれば、交換結合磁界Hexcにより、磁気転写され、消去状態となる。
【0008】
更に、2つの層の間に中間層を設け、実効的な交換結合力を弱めるようにした磁気光ディスク媒体が開発された。GdFeCoなどのように垂直異方性が小さく、磁化のミクロな回転を滑らかにつなげることのできる磁性層を用いる。この結果、Hintは2.5kOeまで低下し、さらに副次的効果として、磁性層全体の厚さを200nmから120nmへと薄くすることができた。
【0009】
(2)第2の進展は、初期化磁石を全く不要とする磁気光ディスク媒体である。
【0010】
図9はかかる従来の4層構成の磁気光ディスク媒体の断面図である。
【0011】
この図において、11は基板、12は窒化膜、13はメモリー層、14は記録層、15は切断層、16は初期磁化層、17は窒化膜、18は接着層、19はバイアス磁石である。
【0012】
この磁気光ディスク媒体は、初期化磁石をいわば磁性層として取り込んだ方式となっている。キュリー温度が300℃以上で、磁化方向が常に一定の初期化が最上層についている。この初期化の効果を光強度により下の層にスイッチするために、キュリー温度の低い(約150℃)切断層15を初期磁化層16の下部に配置している。初期化磁石が不要になったことにより、バイアス磁石19のみでディスクを駆動できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術(1)、(2)に述べた磁気光ディスク媒体はともに、記録層4,14に金属磁性薄膜を用いており、情報書き込みはキュリー点書き込み方式による。すなわち、媒体の記録層4,14に絞り込んだレーザ光を照射し、書き込み部分を局所的に280℃、すなわちキュリー温度以上に加熱し、バイアス磁化を印加して磁化反転を促す。同時に、交換結合により、メモリー層に磁化情報を転写する。消去方法は、初期化磁界〔上記従来技術(1)では永久磁石、上記従来技術(2)では初期磁化層〕と光照射の組み合わせにより行う。
【0014】
本発明は、高密度記録を損なうことなく、書き込みと読み取りに要する所要時間と光(電気)エネルギーを大幅に低減でき、光磁気記録装置の省エネルギーと一層の小型化を達成することができる光磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕光磁気記録媒体において、III −V族希薄磁性半導体薄膜からなる記録層と、垂直磁気異方性を有する強磁性薄膜からなるメモリー層とを備え、前記記録層に光照射により磁気を直接発生させる光キャリア誘起磁化部を生成させるようにしたものである。
【0016】
〕光磁気記録媒体において、III −V族希薄磁性半導体薄膜とGaAlSbとの2層構造積層膜からなる記録層と、垂直磁気異方性を有する強磁性薄膜からなるメモリー層とを備え、前記記録層に光照射により磁気を直接発生させる光キャリア誘起磁化部を生成させるようにしたものである。
【0017】
〕上記〔1〕又は〔2〕記載の光磁気記録媒体において、前記メモリー層はTb−Fe−Co系磁性薄膜材料である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の実施例を示す光磁気記録媒体の要部断面図である。
【0020】
この図において、21は透明基板、22は透明バッファー層、23は記録層、23Aは光キャリア誘起磁化部分、24はメモリー層(書き込み層)、25は保護膜、26は光学系、27はバイアス磁化デバイスである。
【0021】
上記したように、この光磁気記録媒体は、異なる機能を有する最低2層の薄膜構造により構成される。すなわち、記録層23は、光照射時のみ、一時的に磁気を発生する書き込み機能を有し、メモリー層24は、記録層23で発生した磁気を磁気カップリングにより、写し取り、光照射中止後も磁気情報を保持する機能を有する。
【0022】
特に、書き込み用光は、最初に記録層23に達することにより、次の2点が達成でき、書き込みパワー時間を低減できる。すなわち、
(1)メモリー層24での光吸収を回避できるために、同一パワーで記録層23中に生成されるキャリア数が多い。
(2)記録層23で光の大部分(7割以上)が吸収される結果、メモリー層24で吸収される光量が減ることになり、メモリー層24での書き込みエラーの原因となる熱発生を抑制することができる。
【0023】
また、図2に示すように、書き込み用光が、記録層23に達し、そこに、光キャリア誘起磁化部分23Aが生じて、上方への磁化の向き29が生じる。
【0024】
ここで、保護膜25はメモリー層24の酸化と磨耗を防ぐ。また、透明バッファー層22は、記録層23の膜質(組成や粒界の均一性)の向上を果たす。
【0025】
記録層23の材料としては、
(1)(a)単結晶性III −V族希薄磁性半導体InMnAs膜
(b)InMnAs薄膜とGaAlSb薄膜の2層構造膜
(c)GaMnAs膜
(2)多結晶InMnAs膜
(3)有機遷移金属錯体多結晶膜
これらの材料に適当な波長の光を照射すると、多量のキャリアが材料中に発生し、母体の磁性原子と相互作用する結果「光キャリア誘起磁化」が発現する。
【0026】
すなわち、記録層23に非金属性の光キャリア誘起磁性材料(磁性半導体乃至有機遷移金属錯体など)を用いており、光で材料中に生成した電子、正孔、乃至電子・正孔対などの電子スピン濃度を増減させて、材料の磁性相を常磁性から強磁性へと制御する方式であるため、照射光を熱に変換する過程が原理的に不要となる。つまり、書き込みに要するレーザパワーを低減することができる(例えば、約0.4mW)。
【0027】
ただし、書き込み中の光照射時にバイアス磁化を印加する点、及び交換結合によりメモリー層24に磁化情報を転写する点は先行技術と同じである。
【0028】
その他、記録層23の材料として、シアノコバルト錯体などの有機物を用いることができる。
【0029】
また、メモリー層24の材料は、垂直磁気異方性を有する強磁性体、例えば、Tb−Fe−Co系薄膜である。
【0030】
このように、光照射により、磁気を直接発生させる「光キャリア誘起磁化」の原理を用いるため、従来のように、光エネルギーを熱エネルギーに変換して書き込みを行うキャリー点書き込みに比べて、書き込みに要する光エネルギーを著しく低減でき、かつ書き込み時間も著しく短縮することができる。
【0031】
図2は本発明の光磁気記録媒体の記録(書き込み)に要する光パワーについての説明図である。
【0032】
この図において、記録層23の光キャリア誘起磁化部分23Aに光学系26から光を照射する。ここで、光キャリア誘起磁化部分23Aは1μmφ、0.1μm深さ、光波長は0.8μm(1光子当たり2.5×10-19 J)である。
【0033】
条件としては、光キャリア誘起磁化に2×1019cm-3のキャリア濃度が必要であり、光キャリア生成効率は1、寿命τは10-10 秒である。
【0034】
そこで、必要光子数〔フォトン/秒〕をGとすると、
2×1019×(0.5×10-42 π(0.1×10-4)=Gτ
G=(2×1019×7.9×10-15 )×τ-1
=1.57×1015〔フォトン/秒〕
光パワーP=G×(2.5×10-19
=1.57×1015×2.5×10-19
=3.925×10-4〔J/sec〕
=0.39mW
となる。
【0035】
このように、書き込みに要する光エネルギーを著しく低減でき、かつ書き込み時間も著しく短縮することができる。
【0036】
そこで、保持された磁気情報の読み取りは、媒体に光を照射し、メモリー層24及び記録層23より反射される光の強度乃至偏光角度をカー効果により検知して行う。すなわち、既存の磁気ディスク読み取りと同様の方式であるため、既存の光学系システムとの互換性が確保される。
【0037】
また、上記したように、読み取り時の光強度は、書き込み時に比べて更に弱い光で十分である。
【0038】
一方、情報の消去は、メモリー層24の磁化の方向を反転させて初期状態に戻すだけなので、バイアス磁化デバイス(電磁石)27への電流を逆向きにして、反対向きの磁界を媒体に印加すれば良い。すなわち、初期化磁化用デバイスや層が不要となる。また、初期化のための光照射も必要はない。
【0039】
更に、本発明の光磁気記録装置は、光キャリア誘起磁性材料薄膜からなる記録層と垂直磁気異方性を有する強磁性薄膜からなるメモリー層とを備え、光照射により磁気を直接発生させる光キャリア誘起磁化を行う光磁気記録媒体を据え付ける固定型とすることができる。
【0040】
そして、前記光照射のために、例えば、1mW以下の低出力半導体レーザーを用いることができる。
【0041】
また、更にバイアス磁化デバイスを具備する。
【0042】
更に、本発明の光磁気記録装置は、光キャリア誘起磁性材料薄膜からなる記録層と垂直磁気異方性を有する強磁性薄膜からなるメモリー層とを具備する光磁気記録媒体を持ち運び自在な可搬型とすることもできる。
【0043】
そして、前記光照射のために、例えば、1mW以下の低出力半導体レーザーを用いることができる。
【0044】
また、更にバイアス磁化デバイス27を具備する。
【0045】
上記したように、本発明によれば、
(1)熱の発生を利用しない書き込み方式である。
【0046】
(2)例えば、1mW以下のレーザ光源でシステムを構成することができる。
【0047】
(3)メモリー層を初期化するための専用デバイスや特別な層を必要としないといった利点を有することができる。
【0048】
以下、本発明の具体例について順次説明する。
【0049】
図3は本発明の具体例1−aを示す構成断面図である。
【0050】
この具体例1−aでは、200〜400μmのGaAs〈100〉基板31、10nmのInAsバッファ層32、100nmのInMnAs記録層33、30nmのTb−Fe−Coメモリー層34、30nmのSi3 4 保護層35からなり、書き込み光(波長0.9μm)を用いるようにしている。
【0051】
その光磁気記録媒体の製造方法としては、分子線エピタキシー装置(MBE)により、単結晶In1-X MnX As薄膜記録層(x=0.1,膜厚0.1μm)33を直径2インチInAsバッファ層(10nm)32/GaAs〈100〉基板31上に基板温度190℃にて形成する。出発材料は、単体In、Mn、Asで、k−セル温度それぞれ900℃、910℃、230℃にて原料を昇華し、k−セル前面シャッターの開閉により膜形成の開始と終了を制御する。試料をMBEより取り出して、室温にてホール測定を行い、膜中の正孔(キャリア)濃度が5×1018cm-3で、かつ常磁性であることを確認する。
【0052】
次に、試料をスパッタ装置に導入し、InMnAs記録層33表面上にアモルファスTb−Fe−Coメモリー層34を30nm堆積し、続いて、Si3 4 保護膜35を30nm堆積し、その後、試料を装置より取り出して記録媒体の作製を終了する。
【0053】
この光磁気記録実験は、以下の手順で行った。
【0054】
(1)まず、初期化磁界Hinを電磁石により試料に印加し、Tb−Fe−Coメモリー層34を下向きに一様に磁化する。
【0055】
(2)次いで、バイアス磁界Hwrを試料に印加し、波長0.9μmのレーザ光(パワーP)をビーム径2μmに絞り、GaAs〈100〉基板31底面から照射する(書き込み)。
【0056】
ここで、以下の範囲で実験を行った。
【0057】
Hin=−500〜−1000Oe
Hwr=+100〜+400Oe
P=0.1mW〜10mW
(3)同時に直線偏光したプローブ光(波長0.9μm)をTb−Fe−Coメモリー層34表面に照射し、その反射光のカー回転角(入射直線偏光面を基準として反射光の直線偏光面が何度回転したか)を検光子により測定し、光磁気記録の有無を検出する。
【0058】
(4)書き込み光照射前の回転角θを0°とすると、P≒1mWではθ≦0.1°であったが、P≒3mWで、θ≒0.4°を得ることができた。Hwr除去後も、θの値は0.4°のままで、情報書き込みをすることができた。この様子を図4に示す。
【0059】
(5)次に、書き込み光をパルス光に替えて同様の実験を行った。光パルス幅は、10psecである(λ=0.9μm)。すると、図5に示すように、書き込み時間100psec以下が達成できた。この値はキュリー点書き込みの1/10以下である。
【0060】
図6は本発明の具体例1−bを示す構成断面図である。
【0061】
この具体例1−bでは、InMnAs層/AlGaSb層の2層構造膜を記録層とする。つまり、200〜400μmのGaAs〈100〉基板41、10nmのInAsバッファ層42、(0.5μmのAlGaSb層43、0.1μmのInMnAs層)記録層44、30nmのTb−Fe−Coメモリー層45、30nmのSi3 4 保護層46からなり、書き込み光(波長0.9μm)を用いるようにしている。
【0062】
MBE装置により具体例1−aと同様に、0.5μmのAlGaSb層43並びに0.1μmのInMnAs記録層44を形成する。AlGaSb層43形成時の基板温度は520℃である。2層を形成する際に、反射電子線回折法により、それぞれの層が良好な単結晶エピタキシー膜であることを確認した。
【0063】
スパッタ装置でTb−Fe−Coメモリー層45を30nm、Si3 4 保護層46を30nm堆積し、記録媒体の作製を完了する。
【0064】
その後、具体例1−aと同様の実験を実施し、その結果、レーザパワーP=0.5mWにおいて、θ≒0.4°を得て、光磁気記録が実施された。P=0.5mWが達成されたのは、AlGaSb層43の導入により、InMnAs層44への正孔蓄積効率が向上したためと推測される。また、書き込み時間は100psec以下であった。
【0065】
次に、本発明の具体例1−cについて説明する。
【0066】
この具体例では、単結晶III −V族希薄磁性半導体薄膜GaMnAs層を記録層とする。
【0067】
有機金属気相成長法(MOVPE法)により、Mn組成x=0.03のGaMnAs薄膜を、基板温度350℃にてGaAs基板上に形成後、具体例1−aと同様の手法でメモリー層と保護層を堆積し、記録媒体を作製した。そこで、具体例1−aと同様の手法により光磁気記録実験を行った結果、波長0.9μm、P=10mWで書き込みを行うことができた。
【0068】
パワーが高くなった理由は、Mn濃度が低いために、キャリア誘起磁性発現の臨界キャリア濃度が高くなったためと思われる。
【0069】
次に、本発明の具体例2−aについて説明する。
【0070】
この具体例では、多結晶InMnAsを記録層とする光磁気記録媒体について説明する。
【0071】
多室型反応性スパッタリング装置により、まず、記録層形成室において、膜厚10nmのInAs多結晶バッファー層を透明ガラス基板上に基板温度Ts=300〜400℃で堆積する。その後、Tsを200℃に下げ、膜厚100nmのIn0.9 Mn0.1 As多結晶性の光キャリア誘起磁化記録層を形成する。原料ターゲットは、多結晶InAsおよびMn、反応性ガスは10%希釈(AsH3 +Ar)を使用する。記録層形成後、基板をメモリー層形成室に搬送し、膜厚30nmのアモルファスTb−Fe−Co膜を、InMnAs層上に形成し、引き続き膜厚30nmのSi3 4 保護層を堆積させて、光磁気記録媒体の作製を終了する。
【0072】
その媒体をスパッタリング装置より取り出し、光書き込み光源とバイアス磁化デバイスを備えた光磁気記録装置により光磁気記録を実施する。この時の記録条件は、以下の通りである。
(1)初期化磁界:−1000〜−500Oe
(2)記録磁界:+100〜+400Oe
(3)光源:波長0.9μm、平均パワー0.1〜10mW、スポット径約1.5μm
(4)実施環境:液体窒素温度から室温までの範囲、窒素および大気雰囲気中
以上の条件範囲内で光磁気記録を行った後、偏光顕微鏡で記録スポット観察を行った結果、平均パワー約1mWの光照射条件下で記録スポットが明瞭に得られることがわかった。光磁気記録媒体を再び光磁気記録装置に装着して初期化磁界を加え、その後偏光顕微鏡で観察した結果、記録スポットの消去が行われたことがわかった。
【0073】
次に、本発明の具体例2−bについて説明する。
【0074】
この具体例では、多結晶InMnAs/AlGaSb多層構造を記録層とする光磁気記録媒体について説明する。
【0075】
多室型反応性スパッタリング装置により、まず、バッファー層形成室において、膜厚10nmのCdSe多結晶バッファー層を透明ガラス基板上に、基板温度Ts=200〜300℃で堆積する。原料ターゲットは、多結晶CdSe、Seである。
【0076】
その後、記録層形成室において、Ts=200℃で膜厚100nmのAl0.3 Ga0.7 Sb、100nmのIn0.9 Mn0.1 As多結晶光キャリア誘起磁化記録層を形成する。原料ターゲットは、多結晶InAs、多結晶GaSb、Al、SbおよびMn、反応性ガスは10%希釈(AsH3 +Ar)を使用する。記録層形成後、基板をメモリー層形成室に搬送し、膜厚30nmのアモルファスTb−Fe−Co膜を、InMnAs層上に形成し、引き続き膜厚30nmのSi3 4 保護層を堆積させて、光磁気記録媒体の作製を終了する。
【0077】
その媒体をスパッタリング装置より取り出し、光書き込み光源とバイアス磁化デバイスを備えた光磁気記録装置により光磁気記録を実施する。この時の記録条件は、以下の通りである。
(1)初期化磁界:−1000〜−500Oe
(2)記録磁界:+100〜+400Oe
(3)光源:波長0.68μm、平均パワー0.1〜10mW、スポット径約1μm
(4)実施環境:液体窒素温度から室温までの範囲、窒素および大気雰囲気中
以上の条件範囲内で光磁気記録を行った後、偏光顕微鏡で記録スポット観察を行った結果、平均パワー約1mWの光照射条件下で記録スポットが明瞭に得られることが分かった。光磁気記録媒体を再び光磁気記録装置に装着して、初期化磁界を加え、その後、偏光顕微鏡で観察した結果、記録スポットの消去が行われたことが分かった。また、直線偏光プローブ光を用いて磁気記録過渡応答特性を調べた結果、光磁気書き込みが1〜10nsecの時間領域で達成されることが分かった。
【0078】
次に、本発明の具体例3について説明する。
【0079】
この具体例では、有機遷移金属錯体薄膜を記録層とする光磁気記録媒体について説明する。
【0080】
微結晶K0.2 Co1.4 −〔Fe(CN)6 〕・6.9H2 O粉体をシアノエチルプルラン樹脂液に混合した後、透明ポリカーボネート基板に厚さ1mmで均一に塗布し、温度Ts=100℃にて硬化、乾燥させ記録層を形成する。その後、試料をスパッタリング装置に搬入し、記録層上に膜厚30nmのメモリー層及びSi3 4 保護層を堆積させて、光磁気記録媒体の作製を終了する。
【0081】
その媒体をスパッタリング装置より取り出し、光書き込み光源とバイアス磁化デバイスを備えた光磁気記録装置により光磁気記録を実施する。この時の記録条件は、以下の通りである。
(1)初期化磁界:−2000Oe
(2)記録磁界:+1500Oe
(3)光源:波長0.66μm、平均パワー3.5mW/cm2 、スポット径約5μm
(4)実施環境:10K(ケルビン)の低温クライオスタット内
以上の条件範囲内で光磁気記録を行った後、偏光顕微鏡で記録スポット観察を行った結果、記録スポットが明瞭に得られることが分かった。光磁気記録媒体を再び光磁気記録装置に装着して初期化磁界を加え、その後、偏光顕微鏡で観察した結果、記録スポットの消去が行われたことが分かった。
【0082】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0083】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0084】
(A)高密度記録を損なうことなく、書き込みと読み取りに要する所要時間と光(電気)エネルギーを大幅に低減でき、光磁気記録装置の省エネルギーと一層の小型化を達成することができる。
【0085】
(B)情報の消去は、メモリー層の磁化の方向を反転させて初期状態に戻すだけで済むので、バイアス磁化デバイス(電磁石)への電流を逆向きにして、反対向きの磁界を媒体に印加すれば良い。すなわち、初期化磁化用デバイスや層が不要となる。また、初期化のための光照射も必要はない。
【0086】
(C)低出力光源、メモリー層を初期化するための専用デバイスや特別な層を必要としない据え置き型又は可搬型の光磁気記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す光磁気記録媒体の要部断面図である。
【図2】 本発明の光磁気記録媒体の記録(書き込み)に要する光パワーについての説明図である。
【図3】 本発明の具体例1−aを示す構成断面図である。
【図4】 本発明の具体例1−aの情報書き込みの状態を示す図である。
【図5】 本発明の具体例1−aの書き込み時間を示す図である。
【図6】 本発明の具体例1−bを示す構成断面図である。
【図7】 従来の磁気光ディスク媒体の断面図である。
【図8】 従来の磁気光ディスク媒体の温度過程を取り入れた原理を示す図である。
【図9】 従来の4層構成の磁気光ディスク媒体の断面図である。
【符号の説明】
21 透明基板
22 透明バッファー層
23 記録層
23A 光キャリア誘起磁化部分
24 メモリー層(書き込み層)
25 保護膜
26 光学系
27 バイアス磁化デバイス
29 上方への磁化の向き
31,41 GaAs〈100〉基板
32,42 InAsバッファ層
33,44 InMnAs記録層
34,45 Tb−Fe−Coメモリー層
35,46 Si3 4 保護層
43 AlGaSb層

Claims (3)

  1. (a)III −V族希薄磁性半導体薄膜からなる記録層と、
    (b)垂直磁気異方性を有する強磁性薄膜からなるメモリー層とを備え、
    (c)前記記録層に光照射により磁気を直接発生させる光キャリア誘起磁化部を生成させることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. (a)III −V族希薄磁性半導体薄膜とGaAlSbとの2層構造積層膜からなる記録層と、
    (b)垂直磁気異方性を有する強磁性薄膜からなるメモリー層とを備え、
    (c)前記記録層に光照射により磁気を直接発生させる光キャリア誘起磁化部を生成させることを特徴とする光磁気記録媒体。
  3. 請求項1又は2記載の光磁気記録媒体において、前記メモリー層はTb−Fe−Co系磁性薄膜材料であることを特徴とする光磁気記録媒体。
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